JP4873082B2 - 数値制御装置 - Google Patents
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Description
このため、仮想機械座標のE方向の直線補間クランプ速度はG点となり、実機械座標のクランプ速度より小さくなってしまい、サーボモータ202の性能を充分発揮させることができなかった。
以下、本発明の実施の形態1を図1〜図12に基づいて説明する。
図1は数値制御装置の実施の形態1を示す要部ブロック図である。本発明の実施の形態1は、図13に示す従来のブロック図と比較して、補間処理部104に、仮想座標制御切り換え判定手段901と、仮想座標変換手段902と、仮想座標制御稼動領域チェック手段903と、稼動領域関数定義手段904と、仮想座標制御クランプ速度処理手段905とが付加されており、また機械制御信号処理部106に、仮想座標制御情報検出手段908と仮想座標制御対応入出力信号処理手段909とが付加されており、またメモリ7に、仮想座標制御条件設定エリア907と仮想座標カウンタ911とが付加されており、更にまた画面処理部109に、仮想座標カウンタ表示手段912が付加されたことが特徴である。なお、前記各手段はソフトウエアで構成されており、また従来例と符号が同じものは従来例で説明したものと同じものを表している。
指定方法は、図2に示すような共有メモリ910に設けられたテーブルの各ビットに運転モードを割り付け、この運転モードが実機械座標で制御するか仮想機械座標で制御するかを決める。例えば、ビット情報が「0」の時は実機械座標、ビット情報が「1」の時は仮想機械座標とした場合、図2の原点復帰モードは実機械座標、メモリ運転は仮想機械座標で制御することを意味する。
即ち、通常、図15に示すような仮想機械座標が前提で製作されている機械では、オペレータがハンドルを用いて手動でツールを動かす場合、仮想機械座標上でX軸、Y軸が制御されてなければ、オペレータが意図する位置にツールを移動させることができない。従ってこのときは、オペレータはハンドル1の信号を使用すれば、機械を仮想機械座標上で動かすことが可能になる。
また、機械のメンテナンスを行うサービスエンジニア等は機械調整等で機械をハンドルによって実機械座標上で動かしたいケース(例えば図15の機械で、ツールが保持されたホルダを、実X軸、実Y軸方向に動かしたいケース)がある。従ってこのときは、機械のメンテナンスを行うサービスエンジニア等はハンドル2の信号を使用すれば、機械を実機械座標上で動かすことが可能になる。
以上の理由によりハンドルに関する信号を2種類設けている。
なお、例えば図15に示すような複数のツールが仮想X座標上で動作する機械を制御する場合、各工具に対応した仮想座標対象第1軸シフト量、仮想座標対象第2軸シフト量、仮想機械座標回転角度等が、仮想座標制御条件設定エリア907に予め書き込まれる。
移動軸可動領域について図6を例に説明すると、実機械座標の移動軸可動領域(2)は、実X軸のB点の座標値と、実X軸のA点の座標値と、実Y軸のC点の座標値と、実Y軸のD点の座標値とを指定する。
なお図6においては、仮想機械座標の移動軸可動領域(1)を、実機械座標の移動軸可動領域(2)とは異なった面積に設定している。これは、機械によって、仮想機械座標の移動軸可動領域(1)と実機械座標の移動軸可動領域(2)とが異なる場合が往々にしてあるため、実際の機械に対応して描いてあるからである。
Xr=(Xv−Xs)×cosθ−(Yv−Ys)×sinθ
Yr=(Xv−Xs)×sinθ+(Yv−Ys)×cosθ
・・・・・(式1)
ここで、Xr、Yrは実機械座標値を、Xv、Yvは仮想機械座標値を、θは仮想機械座標回転角度を示している。また、Xsは仮想座標対象第1軸シフト量、Ysは仮想座標対象第2軸シフト量を示している。
まず、ステップ11で、PLC回路105が機械制御信号処理部106に運転モード信号を入力すると、機械制御信号処理部106の仮想座標制御情報検出手段908が仮想座標制御切り換え判定手段901に運転モード信号を通知する。 なお、運転モード信号でない場合は仮想座標制御切り換え判定手段901は何もせず処理を終了する。
Xv=Xr×cosθ+Yr×sinθ+Xs
Yv=Xr×sinθ−Yr×cosθ+Ys
・・・・・・・・・・・(式2)
ここで、Xr、Yrは実機械座標値を、Xv、Yvは仮想機械座標値を、θは仮想機械座標回転角度を示している。また、Xsは仮想座標対象第1軸シフト量、Ysは仮想座標対象第2軸シフト量を示している。
そして仮想座標変換手段902は、計算したXv、Yvを仮想座標カウンタ911にセットする。
例えば、原点復帰モード中(実機械座標値で動作する)にオペレータがメモリ運転(仮想機械座標値で動作する)に切り換えると、図5(b)に示すように、実機械座標がXr:30.000mm、Yr:30.000mmであって、仮想機械座標がX軸シフト量:120.000mm、Y軸シフト量:60.000mm、回転角度:45°に設定されている場合、前記実機械座標における仮想機械座標値は、Xv:162.426、Yv:60.000となり、図5(A)に示すように、〔カウンタ表示〕画面にその仮想機械座標値を表示する。
VXr=Vv×sin(−θ+γ)
VYr=Vv×cos(−θ+γ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・(式3)
ここで、VXr、VYrは実機械座標上でのX軸、Y軸の速度を、Vvは仮想機械座標での速度を、θは仮想機械座標回転角度を示している。また、γは軸の移動方向の仮想機械座標に対する角度(−側の仮想Y軸を基点とするCCW方向の角度を+方向の角度とする軸の移動方向の仮想機械座標に対する角度)を示している。
次に仮想座標制御稼動領域チェック手段903が仮想機械座標上の次の移動指令(FΔt)を補間処理部104から取得し、次の仮想機械座標上のX軸、Y軸の機械座標値を計算し、仮想機械座標上で定義された移動軸可動領域と実機械座標上で定義された移動軸可動領域をチェックする。まず、実機械座標上の移動軸可動領域のチェックは次のように行う。仮想座標制御中は、仮想座標制御稼動領域チェック手段903が、仮想機械座標上のX軸、Y軸の機械座標値を実機械座標上に前述の式(1)を使って、実機械座標値を計算する。そしてこの座標値が、まず、実機械座標上で定義された移動軸可動領域以外のエリアになるかをチェックし、また、移動軸可動領域以外であればステップ19に進み、移動指令を中止してアラーム表示する。
(a)Y<(1)(−8) :常時エラー
(b)(1)(−8)≦ Y < (2) :X > Y + 28.284(20×
√2)の時エラー
(c)(2) ≦ Y < (3) :X > 35.000の時エラー
(d)(3) ≦ Y < (4)(20):X > −Y + 42.426(30×√2)の時エラー
(E)(4)(20) ≦ Y :常時エラー
と定義し、実X軸が0未満の場合は
(f)Y<(5)(−8) :常時エラー
(g)(5)(−8)≦ Y < (6) :X < −Y − 10.000の時エラー
(h)(6) ≦ Y < (7) :X < −10.000の時エラー
(i)(7) ≦ Y < (8)(20) :X < Y − 20.000の時エラー
(j)(8)(20) ≦ Y :常時エラー
と定義する。
即ち、移動軸可動領域外になるため、次の移動指令はNC軸制御部180に出力せず、アラーム処理する。アラーム処理は前述のステップ20のアラーム処理と同じである。なお前記説明は実機械座標と仮想機械座標で定義された移動軸可動領域の共通領域(AND領域)についてのチェック方法を説明したが、合成領域(OR領域)でも関数を定義することによって同様にチェックすることが可能である。
図11は仮想座標制御中のPLC信号の取り扱いについて表にしたものである。例えば、軸移動中信号+または軸移動中信号−は、仮想座標制御中にX軸のみに移動指令が与えられたとき、実機械座標上では、X軸、Y軸の両方の軸が移動するが、PLC回路105にはX軸のみの軸移動中信号+または軸移動中信号−を出力することを意味し、また、PLC回路105からの入力信号であるサーボオフ信号の場合は、例え仮想座標制御中であっても、実軸のサーボ駆動装置201に対して数値制御装置101がサーボオフ信号を出力することを意味している。
ステップ31で、仮想座標制御対応入出力信号処理手段909が、仮想座標制御切り換え判定手段901に対して仮想座標制御中かどうかを問い合わせる。仮想座標制御切り換え判定手段901から仮想座標制御中でないという応答があった場合、ステップ34に進む。
ステップ34では仮想座標制御対応入出力信号処理手段909は処理を何もせず、機械制御信号処理部106が通常のPLC信号処理を行う。仮想座標制御切り換え判定手段901から仮想座標制御中の応答があった場合、ステップ32に進む。
次に仮想座標制御対応入出力信号処理手段909は仮想座標制御条件設定エリア907から仮想座標制御関連軸(例えば実X軸、実Y軸)を特定し、また、解析処理部103の情報から現在の加工プログラムで指令されている指令移動軸を特定する。
Claims (2)
- 実機械座標と、この実機械座標に対して、設定された回転角度だけ回転した仮想機械座標とを有する数値制御装置において、仮想機械座標上で動作している場合、実機械座標上のクランプ速度に基づいて仮想機械座標上での移動軸の速度をクランプ制御する仮想座標制御クランプ速度処理手段を備え、前記仮想座標制御クランプ速度処理手段は、仮想機械座標上で動作している場合、仮想機械座標上の速度を実機械座標上での速度に変換し、この変換した速度と予め設定された実機械座標上でのクランプ速度とを比較し、変換した速度が予め設定された実機械座標上でのクランプ速度を超える場合、速度クランプ制御するとともに、変換した速度が予め設定された実機械座標上でのクランプ速度を超えない場合、速度クランプ制御をかけないよう制御するものであることを特徴とする数値制御装置。
- 仮想機械座標上の移動軸可動領域を監視する仮想座標制御稼動領域チェック手段を備え、この仮想座標制御稼動領域チェック手段は、仮想機械座標上で指定された移動軸可動領域と実機械座標で指定された移動軸可動領域の共通領域または合成領域で移動軸の移動軸可動領域を監視するものであることを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
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