JP3925450B2 - 数値制御装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は数値制御装置及びその制御方法に係わり、さらに詳しくは、旋盤の基準主軸を駆動する主軸モータと重畳主軸を駆動する主軸モータの主軸重畳制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
数値制御装置は、紙テープ等から指令された加工プログラムに基づいて数値制御処理を実行し、該処理結果により工作機械を駆動してワークに指令通りの加工を施すものである。
【0003】
図14は、旋盤の基準主軸を駆動する主軸モータ13と、同期主軸を駆動する主軸モータ13Aとを主軸同期制御する数値制御装置の概要を示す要部ブロック図である。
図において、1は数値制御装置を表わしており、数値制御装置1は、加工プログラム解析処理部3と、補間処理部4と、機械制御信号処理部6と、ラダー回路5と、軸制御部10、10Aと、データ入出力回路11と、メモリ7と、パラメータ設定部8と、画面表示部9とから構成されている。
また、数値制御装置1と主軸モータ13、13Aとの間には、数値制御装置1からの指令を解析し、主軸モータ13,13Aを制御するための主軸アンプ12、12Aが存在する。
【0004】
図14のブロック図を使って以下に基準主軸を駆動する主軸モータ13と、同期主軸を駆動する主軸モータ13Aとの主軸同期制御の説明を行う。
基準主軸を駆動する主軸モータ13と、同期主軸を駆動する主軸モータ13Aは、加工プログラム中の主軸同期指令(G164)で指令される。
図14において、2は加工プログラムであり、テープリーダ等から読み込まれた加工プログラム2はメモリ7に格納される。加工プログラム2を実行する際には、加工プログラム解析処理部3がメモリ7から1ブロックずつ加工プログラムを読み出し、読み出された加工プログラム2は加工プログラム解析処理部3で処理される。
まず、主軸同期指令をメモリ7から読み出す。
次に読み出された該指令は、加工プログラム解析処理部3で、主軸同期指令から基準主軸と同期主軸と同期主軸の回転方向の情報が解析され、補間処理部4に渡される。
補間処理部4では、回転速度指令から基準主軸を駆動する主軸モータ13の回転位置指令に換算する。また、主軸同期指令で指令された同期主軸に対しても、基準主軸を駆動する主軸モータ13に対する回転速度指令から、同期主軸を駆動する主軸モータ13Aに対する回転位置指令を計算する。
基準主軸を駆動する主軸モータ13と同期主軸を駆動する主軸モータ13Aに対する回転位置指令は、基準主軸を駆動する主軸モータ13と同期主軸を駆動する主軸モータ13Aとに対応する軸制御部10、10Aに出力され、該回転位置指令は軸制御部10、10Aで、予め指定された加減速パターンに従って加減速を考慮した単位時間あたりのサーボ位置指令に計算し直して、データ入出力回路11に出力する。
該サーボ位置指令は、データ入出力回路11を介して基準主軸と同期主軸の主軸アンプ12、12Aに送信される。主軸アンプ12、12Aは、受信した該指令に従って主軸モータ13、13Aを位置制御しながら回転させる。
ここで基準主軸を駆動する主軸モータ13に対応する軸制御部10と、同期主軸を駆動する主軸モータ13Aに対応する軸制御部10Aの加減速パターンが同じになるように調整されているため、基準主軸にチャックされたワークと同期主軸は、回転速度が変化している場合でも同期して回転することができる。
【0005】
次に基準主軸の回転停止の加工プログラム指令が指令されると、加工プログラム解析処理部3が切削油のオン・オフ等の機械制御信号の制御を記述するラダー回路5に通知すべき指令と判断し、機械制御信号処理部6に解析結果を通知する。機械制御信号処理部6は、通知された解析結果を機械制御信号に変換してラダー回路5に出力する。
【0006】
ラダー回路5では、回転停止指令を受けて他の機械的条件を判断して回転開始信号をオフする。機械制御信号処理部6が回転開始信号をオフになったことを検出して、補間処理部4に回転停止指令を通知する。補間処理部4では、基準主軸を駆動する主軸モータ13と同期主軸を駆動する主軸モータ13Aとに対応する軸制御部10、10Aに回転速度指令0を指令する。該指令は、軸制御部10、10Aで予め指定された加減速パターンに従って加減速を考慮したサーボ位置指令に計算し直して、データ入出力回路11に出力する。該サーボ位置指令は、データ入出力回路11を介して基準主軸と同期主軸の主軸アンプ12、12Aに送信される。主軸アンプ12は、受信した該指令に従って基準主軸を駆動する主軸モータ13と同期主軸を駆動する主軸モータ13Aとを同期させながら減速停止させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
基準主軸と同期主軸の主軸同期制御を基準主軸と同期主軸(以降、重畳主軸と記述する)に回転差を持たせて同期させる制御を考えると(以降、主軸重畳制御と記述する)、重畳主軸の主軸アンプ12Aは、経済性を考慮して基準主軸の主軸アンプ12より性能が劣るものが一般に用いられ、また基準主軸と重畳主軸の加減速パターンは、各主軸アンプ12、12Aの性能を最大限利用できるように予め夫々設定される(基準主軸の加減速パターンより重畳主軸の加減速パターンの方が傾きが緩やかとなる)。
【0008】
ところでこのような状況において、上記主軸重畳制御時において基準主軸が加減速を行う場合、基準主軸の加減速パターンに従って重畳主軸を加減速を行うと、基準主軸の加減速パターンより重畳主軸の加減速パターンの方が傾きが緩やかであるので、重畳主軸の主軸アンプ12Aが加減速能力を越えてアラームになってしまう問題点がある。
【0012】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、主軸重畳制御時において、基準主軸が加減速を行う場合、主軸アンプがアラームにならない数値制御装置及びその制御方法を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明における数値制御装置は、主軸重畳制御時において、基準主軸が加減速を行う場合、基準主軸と重畳主軸の加減速パターンのうち、傾斜の緩やか加減速パターンを決定する多段加減速決定手段を備えるものである。
【0020】
またこの発明における数値制御装置の制御方法は、主軸重畳制御時に基準主軸が加減速を行う場合、基準主軸の加減速パターンと重畳主軸の加減速パターンとを比較して傾斜が緩やかな方の加減速パターンを選択し、この選択した加減速パターンを用いて加減速を行うものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、実施の形態1を図1〜図7を用いて説明する。
即ち、図1はこの発明に係る数値制御装置の要部ブロック図であり、図14に示した従来の数値制御装置のブロック図と比較して、重畳主軸回転数計算手段21と、多段加減速決定手段22と、加減速時定数計算手段23とが付加されたことが特徴である。
【0025】
図1において、補間処理手段20は従来例で説明した補間処理部4と同じ機能を実行し、また補間処理部4Aは、重畳主軸回転数計算手段21と、多段加減速決定手段22と、加減速時定数計算手段23とを含んだ補間処理部を表わしている。また、加工プログラム2、プログラム解析処理部3、ラダー回路5、機械制御信号処理部6、メモリ7、パラメータ設定部8、画面表示部9、軸制御部10、10A、データ入出力回路11、主軸アンプ12、12A及び主軸モータ13、13Aは、従来例で説明したものと同じものを表している。
【0026】
次にこの数値制御装置の動作を、図1のブロック図と、図2の重畳主軸回転数計算手段21、多段加減速決定手段22及び加減速時定数計算手段23の動作を示すフローチャートと、図3、図4の重畳制御動作の説明図と、図5の多段加減速パターンを決定するための説明図と、図6の主軸の加減速の時定数を決定するテーブルと、図7の基準主軸と重畳主軸の加減速が重なった場合の重畳主軸の加減速動作を示す図とを用いて説明する。なお図3、図4において、各図の上部が加工プログラムを示し、また下部がその加工プログラムが指令されたときの基準主軸及び重畳主軸の動作(回転数)を示す。
【0027】
まず、図2におけるステップ1において、例えば図3における加工プログラムのブロック(2)に示すように主軸重畳指令(G164)が指令されると、加工プログラム解析処理部3が指令の解析を行い、この加工プログラム解析処理部3で解析された結果が補間処理部4Aの重畳主軸回転数計算手段21に渡され、この重畳主軸回転数計算手段21が重畳主軸の実際の回転数を計算する。
なお、図3における加工プログラムのブロック(2)におけるG164は主軸重畳指令を表わしており、H1は基準主軸を正転方向に回転させることを、D3は重畳主軸を正転方向に回転させることを表わしている。
【0028】
具体的には、重畳主軸回転数計算手段21が加工プログラム解析処理部3からの通知を受けて、現在の基準主軸の回転方向と回転数の情報と、現在の重畳主軸の回転方向と回転数の情報とを、加工プログラム解析処理部3の解析結果が書かれているメモリ7から読み込む。次に、加工プログラム解析処理部3から通知された主軸重畳指令の情報と、メモリ7から読み込んだ上記情報を基に重畳主軸の実際の回転数を下記の計算式に従って計算する。
ここで、基準主軸の回転方向の符号、重畳主軸の回転方向の符号は正転の場合がプラス、逆転の場合がマイナスを表わしている。
【0029】
図3における加工プログラムのブロック(2)の例で言えば、主軸重畳指令の重畳主軸の符号はプラス,基準主軸の回転方向の符号はプラス、基準主転の指令回転数は3000rpm、重畳主軸の回転方向の符号はプラス、重畳主軸の指令回転数は0rpmであるから、前述の式(A)にあてはめると、重畳主軸の実際の回転数は、
(+1)×(+1)×(3000)+(+1)× 0= 3000(rpm)
となる。重畳主軸回転数計算手段21の計算結果から、重畳主軸は0rpmから3000rpmに加速することになる。
【0030】
更に、図4を使って重畳主軸の回転数ついて説明する。
図4における加工プログラムのブロック(2)の指令では、前述の式(A)に従って重畳主軸の回転数を計算すると
(−1)×(+1)×750+(−1)× 0 = −750(rpm)
となる。
図4における加工プログラムのブロック(3)の指令では、
(−1)×(+1)×750+(−1)×500 = −1250(rpm)
となる。
図4における加工プログラムのブロック(4)の指令では、
(−1)×(−1)×750+(−1)×500 = 250(rpm)
となる。
図4における加工プログラムのブロック(5)の指令では、
(−1)×(−1)×750+(+1)×250 = 1000(rpm)
となる。
従って図4における加工プログラムで指令される重畳主軸は、0(rpm)→−750(rpm)→−1250(rpm)→250(rpm)→1000(rpm)と回転数が変化する。
【0031】
次に、ステップ2に進む。ステップ2では、図3における加工プログラムのブロック(4)に示すように重畳制御時に基準主軸に加減速するような指令が入った場合には、多段加減速決定手段22によって重畳主軸の加減速パターンを決定する。
この具体例を図5を用いて説明する。なお、図5において(a)は通常時(重畳制御されることなく、基準主軸単独で加減速を行う時)の基準主軸の加減速パターンを、(b)は重畳主軸の加減速パターン、(c)は多段加減速決定手段22によって決定された基準主軸の加減速パターンを表している。
また基準主軸と重畳主軸の加減速パターンは、パラメータ設定部8を用いて、各主軸アンプ12、12Aの性能を最大限利用できるように予め夫々設定されるが、この実施の態様1においては、重畳主軸の主軸アンプ12Aが、経済性を考慮して基準主軸の主軸アンプ12より加減速能力が劣るものが用いられた例を示しているので、基準主軸の加減速パターンより重畳主軸の加減速パターンの方が傾きが緩やかなものとなっている。
ここで重畳制御時において、基準主軸が1000rpmから3000rpmに加速する場合を考えてみる。1000rpmから3000rpmまで加速するときの基準主軸と重畳主軸の傾きを計算してみると、基準主軸の場合は、
(3300−0)/(0.5−0)=6600(rpm/s)となり、
重畳主軸の場合は
(1500−0)/(0.4−0)=3750(rpm/s)
(5000−1500)/(2.5−0.4)=1667(rpm/s)
となり、
6600(rpm/s)> 3750(rpm/s)
6600(rpm/s)> 1667(rpm/s)
となる。
従って、傾きは重畳主軸の傾きが基準主軸の傾きより1つでも小さいため、図5の(c)に示すように、重畳制御時において、基準主軸の加減速は重畳主軸の加減速パターンに従うことが、多段加減速決定手段22によって決定される。
このため、重畳制御時に基準主軸に加減速するような指令が入った場合にあっても、重畳主軸の主軸アンプ12Aの加減速能力を超えることがなくなり、ひいては重畳主軸の主軸アンプ12Aがアラームになることがなくなる。
【0032】
なお、この実施の態様1においては、重畳主軸の主軸アンプ12Aが、経済性を考慮して基準主軸の主軸アンプ12より加減速能力が劣るものが用いられた例を示しており、基準主軸の加減速パターンより重畳主軸の加減速パターンの方が傾きが緩やかなものとなっているため、基準主軸の加減速は重畳主軸の加減速パターンに従うが、仮に重畳主軸の主軸アンプ12Aとして基準主軸の主軸アンプ12より加減速能力が優れるものが用いられた場合(重畳主軸の加減速パターンより基準主軸の加減速パターンの方が傾きが緩やかなものとなる)等には、基準主軸の加減速パターンに従うことは言うまでもない。
【0033】
次に、ステップ3に進む。ステップ3では、加減速時定数計算手段23が、メモリ7に格納されている図6の表に従って基準主軸と重畳主軸の加減速時定数を計算する。
例えば、基準主軸と重畳主軸が正転重畳制御状態、即ち、図3における加工プログラムのブロック(2)の指令のD3のように、主軸重畳指令の重畳主軸の符号がプラスの場合において、基準主軸と重畳主軸が同時に正転方向に加速するとき、図6の表の(1)から基準主軸、重畳主軸の加減速時定数は多段加減速決定手段22で決められた多段加減速の時定数の2倍となる。図7の例では(1)の区間が、正転重畳制御状態で基準主軸が正転減速で、重畳主軸が正転減速となり、図6の表で言えば(2)になるため、基準主軸、重畳主軸の加減速時定数は多段加減速決定手段22で決められた多段加減速の時定数の2倍になっている。図3における加工プログラムのブロック(2)の場合は、正転重畳制御状態で基準主軸が一定回転(定常回転)で重畳主軸は正転加速するため、図6の(3)に相当し、多段加減速決定手段22で決められた多段加減速の時定数のまま(1倍)で加速を行う。
このため基準主軸と重畳主軸が同時に同方向に加減速する場合にあっても、重畳主軸の主軸アンプ12Aの加減速能力を超えることがなくなり、ひいては重畳主軸の主軸アンプ12Aがアラームになることがなくなる。
最後にステップ4で、上記計算結果に基づいて基準主軸及び重畳主軸の加減速を行う。
【0034】
実施の形態2.
次に実施の態様2を図8〜図13を用いて説明する。
図8はこの発明に係る数値制御装置の要部ブロック図であり、図1に示した実施の態様1のブロック図と比較して、同期タップ時定数決定手段24と、同期タップクランプ速度チェック手段25とが付加されたことが特徴である。
【0035】
補間処理手段20は、従来例で説明した補間処理部4と同じ機能を実行し、4Bは、重畳主軸回転数計算手段21、多段加減速決定手段22、加減速時定数計算手段23、同期タップ時定数決定手段24及び同期タップクランプ速度チェック手段25を含んだ補間処理部を表わしている。また、加工プログラム2、プログラム解析処理部3、ラダー回路5、機械制御信号処理部6、メモリ7、パラメータ設定部8、画面表示部9、軸制御部10、10A、データ入出力回路11、主軸アンプ12、12A及び主軸モータ13、13Aは従来例で説明したものと同じものを表している。また、重畳主軸回転数計算手段21、多段加減速決定手段22及び加減速時定数計算手段23は、実施の態様1で説明したものと同じものを表している。
【0036】
次に実施の態様2の動作を、図8のブロック図と、図9の同期タップ時定数決定手段24及び同期タップクランプ速度チェック手段25の動作を示すフローチャートと、図10の基準主軸と重畳主軸の差速による同期タップの例を示す図と、図11の基準主軸と重畳主軸の差速による同期タップの動作を説明する図と、図12の基準主軸と重畳主軸の差速による同期タップの加減速の時定数を決定するための説明図と、図13の基準主軸と重畳主軸の差速による同期タップにおいて重畳主軸がクランプ速度を越える場合の動作を説明する図とを使用して説明する。
なお図11及び図13において、各図の上部が加工プログラムを示し、また下部がその加工プログラムが指令されたときの基準主軸及び重畳主軸の動作(回転数)を示す。
【0037】
まず、図10、図11を使って基準主軸と重畳主軸の差速による同期タップ加工の例を説明する。図10ではチャックされたワークが基準主軸によって4000rpmで回転している。また、対向側にタップ工具が装着された重畳主軸も4000rpmで回転しており、この状態から基準主軸にチャックされたワークの中心に、Z軸の移動で基準主軸と重畳主軸に1000rpmの回転差を持たせる事によってタップを加工を行う。即ち、Z軸が前進(図10では左側に移動)する場合、重畳主軸は5000rpmで回転し、穴底、つまりZ軸が停止した瞬間は重畳主軸は4000rpmで回転しており、また、Z軸が後退(図10では右側に移動)する場合は重畳主軸は3000rpmで回転することによってワークの中心にタップ加工を行うことができる。
図11の加工プログラム例と基準主軸,重畳主軸の動作例で説明すると、まず加工プログラムのブロック(1)の指令で、基準主軸が4000rpmで回転する。次に加工プログラムのブロック(2)の指令で、前述の式(A)に従って重畳主軸も4000rpmで回転する。加工プログラムのブロック(3)のZ軸移動指令によって重畳主軸のタップ工具をワークに近づけて、(4)の同期タップ指令によってZ軸の移動によって重畳主軸の回転が5000rpmに上がり、穴底のZ軸の停止によって重畳主軸の回転が4000rpmに減速し、Z軸のもどりの移動によって重畳主軸の回転が3000rpmに減速し、タップ加工の終了でZ軸が停止すると重畳主軸の回転が4000rpmに上がるという動作を行う。
【0038】
次に図9のフローチャートを使って、基準主軸と重畳主軸の差速よる同期タップの時定数の決定方法と、重畳主軸のクランプ速度のチェック方法について記述する。ステップ21では加工プログラム解析処理部3が、図11の加工プログラムのブロック(4)に示したような同期タップ指令を解析し、同期タップ指令であれば、補間処理部4Bの同期タップ時定数決定手段24に同期タップモードであることを通知する。同期タップ指令でなければ何もしない。
【0039】
ステップ22では、同期タップ時定数決定手段24が加工プログラム解析処理部3からの通知を受けて、例えば図12に示したような、同期タップ時定数と重畳主軸の加減速パターンの時定数を比較することによって、傾きが緩やかな方の時定数を同期タップの時定数として決定する。具体的には下記に記述する方法によって決定する。
まず(a)の基準主軸と重畳主軸の差速よらない、通常の同期タップ時の加減速パターンから3000rpm〜5000rpmの傾きを次のように算出する。
(2000−0)/(1.0−0)=2000(rpm/s)
次に(b)の重畳主軸の多段加減速パターンから3000rpm〜5000rpmの傾きを次のように算出する。
(5000−1500)/(2.5−0.4)=1667(rpm/s)
次に上記算出した傾きを比較する。この結果、
2000(rpm/s)>1667(rpm/s)
となり、重畳主軸の多段加減速パターンの方が傾きが小さいため、本時定数を同期タップ加工に用いることを決定する。
【0040】
ステップ23では、図13の加工プログラムのブロック(4)の同期タップ指令(G84)を加工プログラム解析処理部3で解析する。同期タップクランプ速度チェック手段25が、加工プログラム解析処理部3の解析結果から、タップ回転数(図13の加工プログラムのブロック(4)の指令の例では2000rpm)を読み込む。次に現在の回転している重畳主軸の回転数にこの2000rpmを加算また減算した計算結果の絶対値を、予め、パラメータで設定されているクランプ速度と比較する。計算結果がクランプ速度より大きい場合は、ステップ24に進む。
【0041】
ステップ24では、計算結果がクランプ速度をこえていることを、同期タップクランプ速度チェック手段25が補間処理手段20にアラーム通知する。補間処理手段20は、同期タップクランプ速度チェック手段25からのアラーム通知を受けて、同期タップ指令の実行をせず、メモリ7を介して画面表示部9に同期タップを実行するとクランプ速度を超える旨のアラームメッセージを画面表示部9に表示する。同期タップクランプ速度チェック手段25の計算結果がクランプ速度により小さい場合にはステップ25に進む。ステップ25では、前述したように同期タップ加工を行う。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、この発明によれば、基準主軸と重畳主軸の加減速パターンのうち、傾斜の緩やかな方の加減速パターンを選択して基準主軸と重畳主軸の加減速を行うようにしたので、主軸アンプの加減速能力を超えてアラームになることはなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の態様1に係わる数値制御装置の要部ブロック図である。
【図2】 本発明の実施の態様1に係わる数値制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】 本発明の実施の態様1に係わる正転主軸重畳制御の動作を説明図である。
【図4】 本発明の実施の態様1に係わる逆転主軸重畳制御の動作を説明図である。
【図5】 本発明の実施の態様1に係わる多段加減速パターンを決定するための説明図である。
【図6】 本発明の実施の態様1に係わる主軸の加減速の時定数を決定するテーブルである。
【図7】 本発明の実施の態様1に係わる基準主軸と重畳主軸の加減速が重なった場合の重畳主軸の加減速動作を示す図である。
【図8】 本発明の実施の態様2に係わる数値制御装置の要部ブロック図である。
【図9】 本発明の実施の態様2に係わる数値制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】 本発明の実施の態様2に係わる基準主軸と重畳主軸の差速による同期タップの例を示す図である。
【図11】 本発明の実施の態様2に係わる基準主軸と重畳主軸の差速による同期タップの動作を説明する図である。
【図12】 本発明の実施の態様2に係わる基準主軸と重畳主軸の差速による同期タップの加減速の時定数を決定するための説明図である。
【図13】 本発明の実施の態様2に係わる基準主軸と重畳主軸の差速による同期タップにおいて重畳主軸がクランプ速度を越える場合の動作を説明する図である。
【図14】従来の数値制御装置の要部ブロック図である。
【符号の説明】
1 数値制御装置、2 加工プログラム、3 加工プログラム解析処理部、
4A、4B 補間処理部、5 ラダー回路、6 機械信号処理部、
7 メモリ、8 パラメータ設定部、9 画面表示部、
10、10A 軸制御部、11 データ入出力回路、
12、12A 主軸アンプ、13、13A 主軸モータ、
20 補間処理手段、21 重畳主軸回転数計算手段、
22 多段加減速決定手段、23 加減速時定数計算手段、
24 同期タップ時定数決定手段、
25 同期タップクランプ速度チェック手段。
Claims (2)
- 基準主軸と重畳主軸とを備え、前記重畳主軸に対する回転指令を、前記基準主軸の回転数を基準にして制御する数値制御装置において、主軸重畳制御時に基準主軸が加減速を行う場合、基準主軸と重畳主軸の加減速パターンのうち、傾斜の緩やかな加減速パターンを前記基準主軸の加減速に使用することを決定する多段加減速決定手段を備えたことを特徴とする数値制御装置。
- 基準主軸と重畳主軸とを備え、前記重畳主軸に対する回転指令を、前記基準主軸の回転数を基準にして制御する数値制御装置の制御方法において、主軸重畳制御時に基準主軸が加減速を行う場合、基準主軸の加減速パターンと重畳主軸の加減速パターンとを比較して傾斜が緩やかな方の加減速パターンを選択し、この選択した加減速パターンを用いて加減速を行うことを特徴とする数値制御装置の制御方法。
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CN105320075A (zh) * | 2014-06-06 | 2016-02-10 | 发那科株式会社 | 具有重叠控制的速度控制功能的数值控制装置 |
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CN105320075A (zh) * | 2014-06-06 | 2016-02-10 | 发那科株式会社 | 具有重叠控制的速度控制功能的数值控制装置 |
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