JPWO2012137892A1 - 衝撃吸収体 - Google Patents

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Abstract

容易に取付可能であり、且つ、設置スペースを低減することが可能な衝撃吸収体を提供する。
本発明にかかる衝撃吸収体(10)は、衝撃を受ける前壁(3D)と、前壁(3D)と対向する後壁(3A)と、前壁(3D)と後壁(3A)との周囲を繋ぐ周囲壁(3B,4,3C,5)と、を有し、取付対象物(20)に取り付けるための少なくとも1つの取付部(11,12,13)が後壁(3A)と一体に形成されており、前壁(3D)で受けた衝撃が後壁(3A)を介して取付対象物(20)に伝わる、ことを特徴とする。

Description

本発明は、衝撃吸収体に関し、特に、膝受け部材(knee bolster)、バンパーアブソーバーなどに好適な衝撃吸収体に関する。
自動車等の車両には、衝突事故の発生時に乗員が接触する可能性の高い内装部品と、その内装部品の車室側とは反対側(裏側)に位置せしめられた、ボデーの一部を構成する各種のパネル等のボデー構成部品と、の間の設置スペース内に、衝撃を吸収するための衝撃吸収体が設置されている。この衝撃吸収体によって、衝突事故時等に乗員が内装部品に接触した際に、乗員に加わる衝撃が緩和されて、乗員の保護が図られるようになっている。この種の衝撃吸収体としては、膝受け部材(knee bolster)が挙げられる。
また、近年では、対人事故において、歩行者の脚部に対して与える負荷を小さくして、歩行者の損害値を軽減することが可能なバンパー構造の設計もなされており、このバンパー構造に用いられる衝撃吸収体としては、バンパーアブソーバーが挙げられる。バンパーアブソーバーは、通常、バンパーフェイシアとバンパーリンフォースとの間の設置スペース内に設置される。
例えば、本発明よりも先に出願された技術文献として、特許文献1(特表2002-522286号公報)には、膨張可能な膝受け部材について開示されている。
また、特許文献2(特開2006-130936号公報)には、車両のドア、ルーフ、ボンネット等に好適な衝撃吸収体について開示されている。
また、特許文献3(特開2008-213577号公報)には、自動車のバンパーシステム内に配置されるバンパーアブソーバーについて開示されている。
特表2002−522286号公報 特開2006−130936号公報 特開2008−213577号公報
ところで、上述した衝撃吸収体の多くは、設置スペースに対応した形状に設計されてその設置スペース内に配設される。また、上述した衝撃吸収体は、通常、取付対象物への取り付けを確実なものとするために、取付用フランジを有して構成し、その取付用フランジをボルト、ネジ、ビス等の取付具を用いて取付対象物に固定している。
このため、衝撃吸収体の取付作業が繁雑になっているのが現状である。また、取付用フランジを有して構成するため、設置スペースが余分に必要になり、衝撃吸収体の設置スペースの有効活用が図れていないのが現状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、容易に取付可能であり、且つ、設置スペースを低減することができる衝撃吸収体を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有する。
本発明にかかる衝撃吸収体は、
衝撃を受ける前壁と、
前記前壁と対向する後壁と、
前記前壁と前記後壁との周囲を繋ぐ周囲壁と、を有し、
取付対象物に取り付けるための少なくとも1つの取付部が前記後壁と一体に形成されており、
前記前壁で受けた衝撃が前記後壁を介して前記取付対象物に伝わる、ことを特徴とする。
本発明によれば、容易に取付可能であり、且つ、設置スペースを低減することができる。
本実施形態の衝撃吸収体10を膝受け部材106として自動車100に取り付けた状態を示す図である。 第1の実施形態の衝撃吸収体10と、その衝撃吸収体10を取り付ける取付対象物20と、の全体構成例を示す図である。 図2に示す衝撃吸収体10の3X1-3X1’線の断面構成例(a)、3X2-3X2’線の断面構成例(b)を示す図である。 図2に示す衝撃吸収体10の第1側壁4側の構成例を示す図である。 図2に示す衝撃吸収体10の第2側壁5側の構成例を示す図である。 図2に示す衝撃吸収体10のA側(後壁3A側)の構成例を示す図である。 図2に示す衝撃吸収体10のB側(上壁3B側)の構成例を示す図である。 図2に示す衝撃吸収体10のC側(下壁3C側)の構成例を示す図である。 図2に示す衝撃吸収体10のD側(前壁3D側)の構成例を示す図である。 衝撃吸収体10の第3の取付爪13の拡大構成例を示す。 衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けた状態を示す第1の図であり、取付対象物20側から見た状態を示す図である。 衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けた状態を示す第2の図であり、下壁3C側から見た状態を示す図である。 衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けた状態を示す第3の図であり、第1側壁4側から見た状態を示す図である。 衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けた状態を示す第4の図であり、前壁3D側から見た状態を示す図である。 第1の実施形態の衝撃吸収体10の他の構成例を示す第1の図であり、突起部31,32を取付穴41,42に挿入した状態を示す図である。 図15に示す係止部33を取付穴42に挿入して係止した状態を示す図である。 第1の実施形態の衝撃吸収体10の他の構成例を示す第2の図であり、突起部31,32を取付穴41,42に挿入した状態を示す図である。 図17に示す係止部33’を係止穴43’に挿入して係止した状態を示す図である。 第2の実施形態の衝撃吸収体10と、その衝撃吸収体10を取り付ける取付対象物20と、の全体構成例を示す図である。 図19に示す衝撃吸収体10の20X-20X’線の断面構成例を示す図である。 図19に示す衝撃吸収体10の21X-21X’線の断面構成例を示す図である。 図19に示す衝撃吸収体10の22X-22X’線の断面構成例を示す図である。 図19に示す衝撃吸収体10の第1側壁4側の構成例を示す図である。 図19に示す衝撃吸収体10の第2側壁5側の構成例を示す図である。 図19に示す衝撃吸収体10のA側(後壁3A側)の構成例を示す図である。 図19に示す衝撃吸収体10のB側(上壁3B側)の構成例を示す図である。 図19に示す衝撃吸収体10のC側(下壁3C側)の構成例を示す図である。 図19に示す衝撃吸収体10のD側(前壁3D側)の構成例を示す図である。 本体3の軸部11及び抜け防止部12,13を取付対象物20に設けられた軸穴21及び取付穴22,23に挿入した状態を示す図である。 軸部11を回転軸として本体3を回転し、抜け防止部12,13の先端に設けられた規制部12b,13bの一部を取付対象物20と重ねた状態を示す図である。 取付対象物20に取り付けた衝撃吸収体10の第1側壁4側の構成例を示す図である。 取付対象物20に取り付けた衝撃吸収体10の前壁3D側の構成例を示す図である。 図31に示す33X-33X’線の断面構成例を示す図である。 後壁3Aの構成例を示す図である。 後壁3Aを形成する分割金型200の構成例を示す図である。 溝状リブ6,7の屈曲構成例を示す図である。 前壁3Dの他の構成例を示す図である。 係止部14,15を設けた構成例を示す第1の図である。 係止部14,15を設けた構成例を示す第2の図である。 衝撃吸収体10の後壁3A側から見た斜視図である。 衝撃吸収体10の前壁3D側から見た斜視図である。 衝撃吸収性能の測定結果を示す図である。 衝撃吸収性能の測定試験に用いた衝撃吸収体の構成例を示す図である。 第3の実施形態の衝撃吸収体10と、その衝撃吸収体10を取り付ける取付対象物20と、の全体構成例を示す図である。 図44に示す衝撃吸収体10の45X-45X’線の断面構成例を示す図である。 図44に示す衝撃吸収体10の46X-46X’線の断面構成例を示す図である。 図44に示す衝撃吸収体10の上面3B側の構成例を示す図である。 図44に示す衝撃吸収体10の下面3C側の構成例を示す図である。 図44に示す衝撃吸収体10のA側(背面3A側)の構成例を示す図である。 図44に示す衝撃吸収体10のD側(衝撃受付面3D側)の構成例を示す図である。 取付対象物20に取り付けた衝撃吸収体10の衝撃受付面3D側から見た状態を示す図である。 図51に示す52X-52X’線の断面構成例を示す図である。
(本実施形態の衝撃吸収体10の概要)
まず、図2を参照しながら、本実施形態の衝撃吸収体10の概要について説明する。図2は、本実施形態の衝撃吸収体10の全体構成例を示す図である。
本実施形態の衝撃吸収体10は、衝撃を受ける前壁3Dと、前壁3Dと対向する後壁3Aと、前壁3Dと後壁3Aとの周囲を繋ぐ周囲壁(上壁3B,第1側壁4,下壁3C,第2側壁5に相当)と、を有し、取付対象物20に取り付けるための少なくとも1つの取付部(取付爪11,12,13に相当)が後壁3Aと一体に形成されており、前壁3Dが受けた衝撃が後壁3Aを介して取付対象物20に伝わる、ことを特徴とする。
本実施形態の衝撃吸収体10は、取付部11,12,13が後壁3Aと一体に形成されているため、容易に取付可能であり、且つ、設置スペースを低減することができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の衝撃吸収体10について詳細に説明する。
(第1の実施形態例)
<衝撃吸収体10の取り付け例>
まず、図1を参照しながら、本実施形態の衝撃吸収体10の取り付け例について説明する。図1は、図2〜図10に示す衝撃吸収体10を膝受け部材106の衝撃吸収体として自動車100に取り付けた状態を示す。
図1に示す自動車100は、ドライバー101を含む乗員のための前部座席102を備える乗員車室103を有して構成しており、メータ104がハンドル105の側面に位置している。ハンドル105は、ステアリングコラム(図示せず)と接続しており、そのステアリングコラムを支持するステアリングサポートメンバが車体内壁面に支持されて車幅方向に設けられる。本実施形態の衝撃吸収体10(図2〜図10参照)は、ステアリングコラムの両側にステアリングコラムを挟んで運転席側の膝受け部材106として取り付けられる。但し、ステアリングコラムの両脇のスペースは、他の車両構成部材(メータ104、ナビ装置、空調機器等)の設置スペースとの関係で、縦長となるため、その縦長のスペースにおいてドライバー101の各々の膝107に隣接するように膝受け部材106が取り付けられる。これにより、自動車100が衝撃を受けた場合に、ドライバー101の膝107が各々の膝受け部材106に接触し、膝受け部材106により衝撃を吸収し、膝107に加わる衝撃を低減することにしている。なお、図1には、運転席側の膝受け部材106を示したが、助手席側にも運転席側と同様に、助手席に乗員した乗員者の膝に隣接するように肘受け部材が取り付けられることになる。
<衝撃吸収体10の構成例>
次に、図2〜図10を参照しながら、本実施形態の衝撃吸収体10の構成例について説明する。図2は、本実施形態の衝撃吸収体10と、その衝撃吸収体10を取り付ける取付対象物20と、の全体構成例を示す図であり、図3(a)は、図2に示す衝撃吸収体10の3X1-3X1’線の断面構成例を示し、図3(b)は、図2に示す衝撃吸収体10の3X2-3X2’線の断面構成例を示す図である。図4は、図2に示す衝撃吸収体10の第1側壁4側の構成例を示し、図5は、図2に示す衝撃吸収体10の第2側壁5側の構成例を示す。図6は、図2に示す衝撃吸収体10のA側(後壁3A側)の構成例を示し、図7は、図2に示す衝撃吸収体10のB側(上壁3B側)の構成例を示す。図8は、図2に示す衝撃吸収体10のC側(下壁3C側)の構成例を示し、図9は、図2に示す衝撃吸収体10のD側(前壁3D側)の構成例を示す。図10は、衝撃吸収体10の第3の取付爪13の拡大構成例を示す。なお、本実施形態では、取付対象物20として板金を用いた場合について説明する。但し、取付対象物20は、板金に限定するものではなく、任意の部材が適用可能である。
本実施形態の衝撃吸収体10は、熱可塑性樹脂をブロー成形して中空状に成形したものであり、図3(a)に示すように、中空部2を有する本体3の互いに対向する第1側壁4及び第2側壁5をそれぞれ他方に向けて窪ませて形成した溝状リブ6,7を複数有している。第1側壁4及び第2側壁5に形成される溝状リブ6,7は、図2に示すように、前壁3Dから後壁3Aに向かって延びており、その延び方向が衝撃方向と同一方向であることが好ましい。これにより、衝撃方向からの衝撃に対する剛性を高めることができる。
本実施形態の衝撃吸収体10の本体3は、上壁3B,後壁3A,下壁3C,前壁3D,第1側壁4,第2側壁5の6つの壁で構成し、上壁3B,第1側壁4,下壁3C,第2側壁5で本体3の周囲壁を構成している。本実施形態の衝撃吸収体10は、図2に示すように、第1側壁4と第2側壁5との間の間隔よりも上壁3Bと下壁3Cとの間の間隔の方が長い形状で構成している。
本実施形態の衝撃吸収体10は、図9に示す前壁3Dで衝撃を受け、その前壁3Aで受けた衝撃を、前壁3Dと対向する図6に示す後壁3Aを介して取付対象物20に伝えるようにしている。本実施形態の衝撃吸収体10は、上壁3B、前壁3D、下壁3C、後壁3Aに連なってパーティングラインPLが延びており、衝撃吸収体10の剛性を高めている。これにより、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、衝撃吸収体10を割れ難くすることができる。
なお、本実施形態の衝撃吸収体10を上述した膝受け部材106として使用する場合は、衝撃吸収体10の形状が小さくなり、衝撃を受ける負荷点の箇所(打点位置)が理想の位置から上下方向や左右方向にずれたり、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度から上下方向や左右方向にずれたりし易くなる。なお、上述したずれは、左右方向よりも上下方向において顕著に発生する。本実施形態の衝撃吸収体10は、上壁3B、前壁3D、下壁3C、後壁3Aに連なってパーティングラインPLが延びているため、上述したずれが発生した状態において前壁3Dで衝撃を受けた場合でも、衝撃吸収体10を割れ難くすることができる。
また、前壁3Dは、図9に示すように、上端(上壁3B側)と下端(下壁3C側)とに連なってパーティングラインPLが延びており、前壁3Dの剛性を高めている。これにより、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、前壁3Dを割れ難くすることができる。また、前壁3Dにおいて、溝状リブ6,7は、溝状リブ6,7の底部からパーティングラインPLまでの距離が等しくなるように設けられている(a1=a2,b1=b2,c1=c2)。なお、溝状リブ6,7の底部からパーティングラインPLまでの距離は、溝状リブ6,7の底部とパーティングラインPLとを結ぶ線がパーティングラインPLと直交する状態で測定した値である。第1側壁4に設けられた溝状リブ6の底部からパーティングラインPLまでの距離(a1,b1,c1)と、第2側壁5に設けられた溝状リブ7の底部からパーティングラインPLまでの距離(a2,b2,c2)と、を等しくすることで、溝状リブ6,7の肉厚を一定にすることができる。これにより、前壁3Dにおいて衝撃を受ける箇所(打点位置)が理想の位置からずれたり、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度と異なったりした場合でも、所望の荷重を安定して維持することができるため、所望の衝撃吸収量を確保することができる。なお、パーティングラインPLの形状は、上述した条件を満足し、上端と下端とに連なって延びていれば特に限定せず、直線形状、曲線形状等の任意の形状で構成することができる。
また、前壁3Dと後壁3Aとの周囲を繋ぐ周囲壁である第1側壁4及び第2側壁5には、図4、図5に示すように、前壁3Dから後壁3Aに向かって延びる溝状リブ6,7が形成されている。溝状リブ6,7は、溝状リブ6,7の延び方向αと、後壁3Aに対して垂直な垂直方向βと、が所定の角度θをなすように、第1側壁4及び第2側壁5に形成されている。なお、所定の角度θは、後壁3Aを取付対象物20に取り付けた際に、溝状リブ6,7の延び方向αが衝撃方向と同一方向となる角度である。これにより、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、その衝撃に対する剛性を高めつつ、且つ、溝状リブ6,7で衝撃を効果的に吸収することができる。
なお、本実施形態では、図4、図5に示すように、細長形状の溝状リブ6,7を延び方向αに連なって連続的に形成したが、細長形状の溝状リブ6,7に限定するものではなく、あらゆる形状のリブを延び方向αに連続的に形成することが可能である。例えば、三角形状や台形形状の溝状リブ6,7を延び方向αに連続的に形成することも可能である。この場合、第1側壁4側に形成される溝状リブ6と第2側壁5側に形成される溝状リブ7とは同一形状であることが好ましい。これにより、双方の溝状リブ6,7で均等に衝撃を吸収することができる。また、本実施形態では、細長形状の溝状リブ6,7を延び方向αに連続的に形成している。しかし、延び方向αの一部に溝状リブ6,7を形成せず、延び方向αに断続的(部分的)に溝状リブ6,7を形成することも可能である。この場合も、溝状リブ6,7の延び方向αが衝撃方向と同一方向となるため、溝状リブ6,7で衝撃を効果的に吸収することができる。但し、本実施形態のように、延び方向αに連続的に連なった溝状リブ6,7を形成することが好ましい。これにより、延び方向αに連続的に形成された溝状リブ6,7を、互いに対向する第1側壁4,第2側壁5に近づく方向、または、互いに対向する第1側壁4,第2側壁5から遠ざかる方向に凸になるように屈曲させることができる。
本実施形態の衝撃吸収体10を構成する熱可塑性樹脂としては、公知の樹脂が適用可能である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミドおよびこれらの混合物など、剛性等の機械的高度の大きい樹脂で構成することができる。
また、機械的強度(耐衝撃性)を損なわない範囲において、例えば、シリカ等の充填剤、顔料、染料、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、防炎剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防曇剤、滑剤など当該分野で使用されている添加剤の1種または2種以上を含有することもできる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図2に示すように、本体3の後壁3A側に取付爪11,12,13を有して構成し、その取付爪11,12,13を取付対象物20に設けられた穴21,22,23に嵌め込むことで、本体3の後壁3Aで衝撃吸収体10を自動車に取り付けることができる。但し、本実施形態の衝撃吸収体10を自動車に取り付ける場合には、取付対象物20を自動車の部品に予め装着しておく必要がある。これにより、本実施形態の衝撃吸収体10は、ビスやネジなどの取付具を用いることなく、衝撃吸収体10を自動車に容易に取り付けることができる。
本実施形態の衝撃吸収体10は、ブロー成形により中空状に形成した第1の取付爪11と、コンプレッションにより中実の板状に形成した第2、第3の取付爪12,13と、を有して構成する。
第1の取付爪11は、図3(b)に示すように、中空状に形成し、剛性を高くしている。なお、第1の取付爪11の内部に形成される中空部8は、本体3の内部に形成される中空部2と一体になっており、本体3の中空部2と第1の取付爪11の中空部8との間で空気の流入ができるように構成している。
また、本実施形態の第1の取付爪11は、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付ける際の起点になるため、第1の取付爪11の先端が先細になっている。また、第1の取付爪11を、その第1の取付爪11に対応する穴21に挿入した際に、その第1の取付爪11が穴21の縁に引っ掛かるような形状で構成している。これにより、第1の取付爪11のみを穴21に容易に挿入し、衝撃吸収体10を取付対象物20に引っ掛けた状態にすることができる。
本実施形態では、図2に示すように、本体3と第1の取付爪11との接合部に、第1の取付爪11の内側に向かって窪んだ凹形状の切り欠き部11’を形成し、その切り欠き部11’により第1の取付爪11が穴21の縁に引っ掛かるようにしている。なお、切り欠き部11’の形状は特に限定せず、第1の取付爪11が穴21の縁に引っ掛かることが可能であればあらゆる形状が適用可能である。また、切り欠き部11’には、薄肉部(バリ)が形成されており、第1の取付爪11を穴21の縁に引っ掛ける際に、その穴21の縁に沿って薄肉部が弾性変形し、切り欠き部11’が穴21の縁に密着するようにしている。これにより、切り欠き部11’を穴21の縁に密着させ、且つ、第1の取付爪11を穴21の縁に引っ掛けることができる。また、本実施形態の衝撃吸収体10をブロー成形で成形した際に、第1の取付爪11と本体3との間に薄肉部が形成されるが、第1の取付爪11を穴21の縁に引っ掛ける際に、薄肉部が穴21の縁に沿って弾性変形するため、薄肉部を切除しなくても済むことができる。
第2、第3の取付爪12,13は、コンプレッションにより中実の板状に形成し、弾性を高くしている。具体的には、図10に示すように、取付爪13に段差を設け、取付爪13の中央部を構成する中央板状部14と、取付爪13の両端を構成する両端板状部15,16と、を形成し、取付爪13の両端の両端板状部15,16が中央板状部14側に撓むようにしている。
また、中央板状部14と両端板状部15,16とが連結する連結部14’,14’を薄肉に形成し、両端板状部15,16が連結部14’,14’により弾性変形し、取付爪13を穴23に嵌め込み易くしている。また、取付爪13の形状が、その取付爪13に対応する穴23よりも大きい形状の場合でも、両端板状部15,16が連結部14’,14’により弾性変形し、取付爪13を穴23に嵌め込み易くしている。また、取付爪13を穴23に嵌め込んだ後は、両端板状部15,16の形状が元の状態に戻ろうとするため、取付爪13を穴23に嵌め込んだ状態で固定することができる。なお、連結部14’,14’の厚さは0.01mm〜0.5mmの範囲で形成することが好ましい。これにより、両端板状部15,16が連結部14’,14’により撓み、両端板状部15,16を弾性変形し易くすることができる。なお、中央板状部14の幅は、両端板状部15,16の幅よりも長く構成することが好ましい。これにより、中央板状部14を中心軸として両端板状部15,16を撓み易くすることができる。
また、本体3と取付爪13との接合部には凹形状の切り欠き部17が形成されており、取付爪13を穴23に挿入した際に、切り欠き部17に穴23の縁が嵌合するようになっている。なお、切り欠き部17の形状は特に限定せず、穴23の縁に嵌合することが可能であればあらゆる形状が適用可能である。また、中央板状部14は、その中央板状部14の両端に起立して連結している連結部14’,14’により両端板状部15,16よりも第2側壁5側に窪んだ凹形状を形成し、連結部14’,14’を薄肉にしている。なお、中央板状部14の凹形状の深さが深い程、連結部14’,14’を形成する部分の樹脂が引き延ばされるため、連結部14’,14’を薄肉にすることができる。なお、連結部14’,14’は、所定の角度だけ傾斜して構成し、中央板状部14の凹形状が台形形状になるようにすることが好ましい。これにより、両端板状部15,16が中央板状部14に向かって弾性変形し易くすることができる。
また、本実施形態の取付爪13は、中央板状部14が本体3と接合する接合位置と、両端板状部15,16が本体と接合する接合位置と、が同一直線上にならないようにしている。このため、取付爪13と本体3との接合部の強度を高めることができる。また、本実施形態の取付爪13は、中央板状部14の先端側を上方に傾斜させ、両端板状部15,16の先端側を下方に傾斜させ、中央板状部14の先端部と両端板状部15,16の先端部とが略同一線上に位置するように構成し、取付爪13の先端側が尖った形状になるようにしている。これにより、取付爪13の先端側を弾性変形させ、取付爪13を穴23に嵌め込み易くすることができる。また、取付爪13を穴23に嵌め込んだ際は、強度を高くした取付爪13と本体3との接合部近傍で穴23と接触することになるため、取付爪13を穴23に嵌め込んだ後は、衝撃吸収体10を取付対象物20に固定することができる。
なお、図10は、第3の取付爪13の拡大構成例を示したが、第2の取付爪12も第3の取付爪13と同様に構成する。但し、第3の取付爪13の中央板状部14は、第2側壁5側に窪んだ凹形状になっているが、第2の取付爪12の中央板状部14は、第1側壁4側に窪んだ凹形状になっている。このため、第3の取付爪13の中央板状部14の凹形状部分と、第2の取付爪12の中央板状部14の凹形状部分と、が本体3の中央に向き合うようになっている。
本実施形態の衝撃吸収体10を自動車に取り付ける際は、まず、剛性のある第1の取付爪11を起点とし、第1の取付爪11のみを、その第1の取付爪11に対応する穴21に挿入し、第1の取付爪11の切り欠き部11’により、第1の取付爪11を穴21に引っ掛けた状態にする。次に、弾性のある第2、第3の取付爪12,13を、その第2、第3の取付爪12,13に対応する穴22,23に挿入し、その穴22,23に第2、第3の取付爪12,13を嵌め込む。これにより、図11〜図14に示すように、衝撃吸収体10を自動車に取り付けることができる。なお、図11〜図14は、衝撃吸収体10の取付爪11〜13を取付対象物20に設けられた穴21〜23に嵌め込んだ状態を示しており、図11は、取付爪11〜13が穴21〜23に嵌め込まれた取付対象物20側から見た状態を示し、図12は、下壁3C側から見た状態を示し、図13は、第1側壁4側から見た状態を示し、図14は、前壁3D側から見た状態を示す。
本実施形態の衝撃吸収体10は、図13に示すように、前壁3Dから後壁3Aに向かって延びる溝状リブ6が第1側壁4に形成されており、その溝状リブ6の延び方向αと、後壁3Aに垂直な垂直方向βと、が所定の角度θをなすようにしている。このため、溝状リブ6は、後壁3Aに垂直な垂直方向βに対して傾斜する方向に延びている。これにより、図13に示すように、後壁3Aを取付対象物20に取り付けた際に、溝状リブ6の延び方向αを衝撃方向と同一方向にすることができる。その結果、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、その衝撃に対する剛性を高めつつ、且つ、溝状リブ6で衝撃を効果的に吸収することができる。なお、図13は、第1側壁4側の溝状リブ6の延び方向αを示しているが、第2側壁5側の溝状リブ7の延び方向αについても第1側壁4側の溝状リブ6と同様になる。図13は、第1側壁4に直交する方向から見た状態を示し、溝状リブ6の延び方向αは、後壁3Aに垂直な垂直方向βに対して傾いている。
なお、本実施形態の衝撃吸収体10を自動車に取り付ける場合には、取付対象物20を自動車の部品に予め装着しておく必要がある。これにより、本実施形態の衝撃吸収体10は、ビスやネジなどの取付具を用いることなく、衝撃吸収体10を自動車に容易に取り付けることができる。その結果、取付作業を容易にすることができる。また、第2、第3の取付爪12,13は、弾性変形し易い形状で構成しているため、第1の取付爪11を穴21に挿入した状態で、第2、第3の取付爪12,13を穴22,23に容易に嵌め込むことができる。
なお、本実施形態の衝撃吸収体10は、図2に示すように、取付爪11,12,13が一直線上に位置しないように屈曲したパーティングラインPL上に取付爪11,12,13を設けている。これにより、図11に示すように、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付ける箇所が一直線上にならないようにすることができる。その結果、衝撃吸収体10を取付対象物20に対して安定して固定させることができる。また、第1の取付爪11には、切り欠き部11’があり、また、第2、第3の取付爪12,13には、凹形状の切り欠き部17があるため、その切り欠き部11’,17により、取付爪11,12,13が穴21,22,23の縁と嵌合し、衝撃吸収体10を取付対象物20に固定させることができる。
<本実施形態の衝撃吸収体10の作用・効果>
このように、本実施形態の衝撃吸収体10は、図2に示すように、衝撃を受ける前壁3Dと、前壁3Dと対向する後壁3Aと、前壁3Dと後壁3Aとの周囲を繋ぐ周囲壁(上壁3B,第1側壁4,下壁3C,第2側壁5)と、を有し、取付対象物20に取り付けるための少なくとも1つの取付部(取付爪11,12,13)が後壁3Aと一体に形成されており、前壁3Dが受けた衝撃が後壁3Aを介して取付対象物20に伝わる、ことを特徴とする。
本実施形態の衝撃吸収体10は、取付部11,12,13が後壁3Aと一体に形成されているため、容易に取付可能であり、且つ、設置スペースを低減することができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、中空状の第1の取付爪11と、中実状の第2、第3の取付爪12,13と、を有して構成し、第1の取付爪11を起点として、取付爪11〜13を取付対象物20に設けられた穴21〜23に嵌め込み、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることにしている。これにより、ビスやネジなどの取付具を用いなくとも衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることができるため、衝撃吸収体10の取付作業を容易にすることができる。
また、本実施形態の第2、第3の取付爪12,13は、中央板状部14と両端板状部15,16とが連結する連結部14’,14’を薄肉に形成し、両端板状部15,16が連結部14’,14’により中央板状部14側に弾性変形するようにしている。これにより、第2、第3の取付爪12,13を意図的に中央板状部14側に撓ませることができるため、第2、第3の取付爪12,13を取付対象物20の穴22,23に容易に挿入することができると共に、挿入後は、第2、第3の取付爪12,13を穴22,23に固定させることができる。
なお、上述する実施形態では、衝撃吸収体10の取付爪11〜13を取付対象物20に設けられた穴21〜23に嵌め込むことにしている。しかし、衝撃吸収体10の取付爪11〜13に対応する穴21〜23を自動車の部品に対して予め形成し、衝撃吸収体10の取付爪11〜13を自動車の部品(取付対象物)に直接取り付けるようにすることも可能である。
また、上述する実施形態では、図2に示すように、中空状の第1の取付爪11と、中実状の第2、第3の取付爪12,13と、を有して構成し、第1の取付爪11を起点として、取付爪11〜13を取付対象物20に設けられた穴21〜23に嵌め込み、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることにしている。
しかし、中空状の第1の取付爪11を中実状の取付爪に変更し、中実状の取付爪のみで構成し、その中実状の取付爪を取付対象物20に設けられた穴に嵌め込み、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けるようにすることも可能である。
また、中実状の第2、第3の取付爪12,13を第1の取付爪11のように中空状の取付爪に変更し、中空状の取付爪のみで構成し、その中空状の取付爪を取付対象物20に設けられた穴に嵌め込み、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けるようにすることも可能である。
このような構成であっても、ビスやネジなどの取付具を用いなくとも衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることができるため、衝撃吸収体10の取付作業を容易にすることができる。即ち、取付爪を後壁3Aと一体に形成し、その取付爪を用いて取付対象物20に後壁3Aを取り付けることが可能な構造であれば、あらゆる取付構造が適用可能である。なお、取付爪は、パーティングラインPL上に設けることが好ましい。これにより、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、後壁3Aを割れ難くすることができる。
また、上述する実施形態では、図2に示すように、後壁3Aと一体に形成した取付爪11〜13を用いて後壁3Aを取付対象物20に取り付けることにしている。しかし、図15、図16に示すように、後壁3Aと一体に形成した突起部31,32及び係止部33を用いて後壁3Aを取付対象物20に取り付けることも可能である。この場合も、上述した実施形態の衝撃吸収体10と同様に、ビスやネジなどの取付具を用いなくとも衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることができる。
図15、図16に示す衝撃吸収体10を自動車に取り付ける場合は、まず、図15に示すように、突起部31,32を構成する先端部31b,32bを取付穴41,42に挿入する。次に、突起部31,32を構成する軸部31a,32aを移動軸とし、図16に示すように、突起部31,32を取付穴41,42の領域内で移動し、係止部33を取付穴42に嵌め込み、係止部33を取付穴42の端部に係止し、係止部33により衝撃吸収体10の移動方向と逆方向への移動を規制する。これにより、衝撃吸収体10を自動車に取り付けることができる。この実施形態の突起部31,32及び係止部33は、後壁3Aと一体に形成されている。また、突起部31,32及び係止部33は、中空部を有し、本体3の中空部と一体になっており、本体3の中空部と突起部31,32及び係止部33の中空部との間で空気の流入ができるように構成している。係止部33は、第1の傾斜部34と第2の傾斜部35とを有して構成し、第1の傾斜部34の傾斜面が取付対象物20に当接しながら係止部33が平行移動し、係止部33が取付穴42に嵌め込まれた際に、第2の傾斜部35の傾斜面が取付穴42の端部に当接し、係止部33が取付穴42の端部に係止することになる。
このように、この図15、図16に示す実施形態の衝撃吸収体10は、本体3の後壁3Aから突出する突起部31,32及び係止部33を有して構成し、取付対象物20に設けられた取付穴41,42に突起部31,32を挿入し、突起部31,32を取付穴41,42の領域内で移動し、係止部33を取付対象物20に設けられた取付穴42に挿入して係止する。これにより、ビスやネジなどの取付具を用いなくとも衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることができるため、衝撃吸収体10の取付作業を容易にすることができる。
また、この図15、図16に示す実施形態の衝撃吸収体10は、取付穴41,42に挿入した突起部31,32を軸として本体3を取付対象物20に沿って直線的に平行移動することができるため、本体3を取付対象物20に対して安定して移動することができる。また、係止部33を取付穴42に挿入して係止し、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることになるため、衝撃吸収体10が取付対象物20に取り付けられた状態か否かを目視で把握することができ、取付不良の発生を防止することができる。
また、この図15、図16に示す実施形態の衝撃吸収体10の形状は、上述した移動方向に細長い形状であるため、衝撃吸収体10を回転させて取付対象物20に取り付ける場合に比べて、衝撃吸収体10の取付スペースを低減することができる。例えば、衝撃吸収体10を取付対象物20に回転させて取り付ける場合は、衝撃吸収体10の回転半径の領域だけ取付スペースが必要になり、その取付スペースには他の部材を配置することができない。これに対し、この図15、図16に示す実施形態の衝撃吸収体10は、取付対象物20に沿って直線的に平行移動して取付対象物20に取り付けることになるため、取付対象物20の取付穴42の周囲に他の部材が存在していても、衝撃吸収体10を取り付けることができる。
なお、この図15、図16に示す実施形態の衝撃吸収体10は、係止部33を挿入して係止するための穴と、突起部32を挿入するための穴と、を一体形成することにしている。しかし、係止部33を係止するための専用の穴(係止穴)を設け、係止部33を係止穴に挿入して係止することも可能である。
また、この図15、図16に示す衝撃吸収体10は、図17、図18に示すように、突起部31,32の先端部31b,32bに係止部33’を有し、その係止部33’を取付対象物20に設けられた係止穴43’に挿入し、係止部33’を係止穴43’に係止することも可能である。
この図17、図18に示す衝撃吸収体10は、突起部31,32の先端部31b,32bに係止部33’を有している以外は、図15、図16に示す衝撃吸収体10と同様に構成しており、図17に示すように、突起部31,32を構成する先端部31b,32bを取付穴41,42に挿入する。次に、突起部31,32を構成する軸部31a,32aを移動軸とし、図18に示すように、突起部31,32を取付穴41,42の領域内で移動し、係止部33’を係止穴43’に嵌め込み、係止部33’を係止穴43’に係止する。これにより、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることができる。なお、係止部33’の形状は、取付対象物20を乗り越え易い形状にすることが好ましい。また、本体3を移動させた際に、突起部31,32の先端部31b,32bが弾性変形し、係止部33’が取付対象物20を乗り越え、且つ、係止穴43’に挿入し易い形状にすることが好ましい。これにより、突起部31,32の先端部31b(32b)の一部の底面と、本体3の表面と、で取付対象物20を挟み込み、突起部31,32が取付穴41,42から抜けなくなるようにすることができる。なお、突起部31,32の先端部31b,32bに設ける係止部33’の位置や数は特に限定せず、任意の位置や任意の数だけ設けることも可能である。この場合は、突起部31,32に設けた係止部33’の位置に応じてその係止部33’を係止するための係止穴43’を取付対象物20に設けることになる。
なお、図15〜図18に示す衝撃吸収体10は、上述した実施形態と同様に、上壁3B、前壁3D、下壁3C、後壁3Aに連なってパーティングラインPLが延びており、パーティングラインPL上に突起部31,32や係止部33,33’が形成されている。このため、突起部31,32や係止部33,33’に位置するパーティングラインPL上にバリが残存することになる。突起部31,32や係止部33,33’にバリが残存すると、図15〜図18に示すように、突起部31,32を取付穴41,42の領域内で移動し、係止部33を取付穴42に係止したり、係止部33’を係止穴43’に係止した場合に、突起部31,32や係止部33,33’に残存したバリの形状分だけ、突起部31,32や係止部33,33’を取付穴41,42や係止穴43’の縁に接触させることができず、突起部31,32や係止部33,33’と、取付穴41,42や係止穴43’の縁と、の間に隙間が発生してしまうことになる。バリの形状分だけ隙間が発生してしまうと、衝撃吸収体10の取付対象物20に対する取付位置がずれてしまい、衝撃吸収体10の取付精度が低下してしまうおそれがある。なお、バリを除去しようとしても、全てのバリを綺麗に除去することは困難であるため、突起部31,32や係止部33,33’に少なからずバリが残存し、上述した問題状況が発生してしまうことになる。
このため、図15〜図18に示す衝撃吸収体10を取り付ける取付対象物20には、突起部31,32や係止部33,33’に位置するパーティングラインPLと接触する取付穴41,42や係止穴43’の縁に切り欠き部を形成し、図15〜図18に示すように、突起部31,32を取付穴41,42の領域内で移動し、係止部33を取付穴42に係止したり、係止部33’を係止穴43’に係止した場合に、突起部31,32や係止部33,33’のパーティングラインPLが取付穴41,42や係止穴43’の縁に形成された切り欠き部(図示せず)に位置するようにすることが好ましい。これにより、図15〜図18に示すように、突起部31,32を取付穴41,42の領域内で移動し、係止部33を取付穴42に係止したり、係止部33’を係止穴43’に係止した場合に、突起部31,32や係止部33,33’に位置するパーティングラインPL上に残存するバリを切り欠き部に収納し、突起部31,32や係止部33,33’を取付穴41,42や係止穴43’の縁に接触させることができる。従って、突起部31,32や係止部33,33’に残存したバリが邪魔にならず、突起部31,32や係止部33,33’を取付穴41,42や係止穴43’の縁に当接する位置まで移動できるため、衝撃吸収体10の取付精度の低下を防止することができる。なお、切り欠き部の形状は特に限定せず、突起部31,32や係止部33,33’に残存したバリを収容できる形状であればあらゆる形状で構成することが可能である。
なお、図15〜図18に示す衝撃吸収体10は、衝撃吸収体10の突起部31,32を取付対象物20に設けられた取付穴41,42に挿入し、衝撃吸収体10の係止部33,33’を取付対象物20に設けられた取付穴42や係止穴43’に挿入することにしている。しかし、衝撃吸収体10の突起部31,32や係止部33,33’に対応する取付穴41,42や係止穴43’を自動車の部品に対して予め形成し、衝撃吸収体10の突起部31,32や係止部33,33’を自動車の部品(取付対象物)に直接取り付けるようにすることも可能である。
また、図17、図18に示す衝撃吸収体10は、衝撃吸収体10の係止部33’を係止穴43’に挿入して係止部33’を係止することにしている。しかし、係止部33’を係止することが可能であれば、係止部33’や係止穴43’の構造は特に限定せず、あらゆる構造の係止部を衝撃吸収体10や取付対象物20に設けることが可能である。
(第2の実施形態例)
次に、第2の実施形態例について説明する。
まず、図19、図29、図30を参照しながら、第2の実施形態の衝撃吸収体10について説明する。図19は、本実施形態の衝撃吸収体10と、その衝撃吸収体10を取り付ける取付対象物20と、の全体構成例を示し、図29は、本体3の軸部51及び抜け防止部52,53を取付対象物20に設けられた軸穴61及び取付穴62,63に挿入した状態を示し、図30は、軸部51を回転軸として本体3を回転し、抜け防止部52,53の先端に設けられた規制部52b,53bの一部を取付対象物20と重ねた状態を示す図である。
本実施形態の衝撃吸収体10は、図19に示すように、本体3と、本体3から突出する軸部51と、本体3から突出する抜け防止部52,53と、を有し、抜け防止部52,53は、図29に示すように、取付対象物20に設けられた軸穴61に軸部51を挿入し、図30に示すように、本体3を回転したときに取付対象物20と重なって、軸部51が軸穴61から抜けることを規制する規制部52b,53bを有する、ことを特徴とする。なお、上述した構成例のように、軸部51と抜け防止部52,53とを有して構成する衝撃吸収体10の場合は、抜け防止部52,53は、少なくとも1つあれば良い。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図19に示すように、本体3と、本体3から突出する複数の抜け防止部52,53と、を有し、抜け防止部52,53は、図29に示すように、抜け防止部52,53を取付対象物20に設けられた取付穴62,63に挿入して、図30に示すように、抜け防止部52,53を取付穴62,63の領域に沿って移動するように、本体3を回転したときに、取付対象物20と重なって、当該抜け防止部52,53が取付穴62,63から抜けることを規制する規制部52b,53bを有する、ことを特徴とする。なお、上述した構成例のように、複数の抜け防止部52,53を有して構成する衝撃吸収体10の場合は、抜け防止部52,53は、少なくとも2つあれば良い。
本実施形態の衝撃吸収体10は、本体3を回転したときに、軸部51が軸穴61から抜けることを規制したり、抜け防止部52,53が取付穴62,63から抜けることを規制したりすることができる。その結果、本実施形態の衝撃吸収体10は、取付具が不要になると共に、取付作業を容易にすることができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の衝撃吸収体10について詳細に説明する。
<衝撃吸収体10の構成例>
まず、図19〜図28を参照しながら、本実施形態の衝撃吸収体10の構成例について説明する。図19は、本実施形態の衝撃吸収体10と、その衝撃吸収体10を取り付ける取付対象物20と、の全体構成例を示す図であり、図20は、図19に示す衝撃吸収体10の20X-20X’線の断面構成例を示し、図21は、図19に示す衝撃吸収体10の21X-21X’線の断面構成例を示し、図22は、図19に示す衝撃吸収体10の22X-22X’線の断面構成例を示す図である。図23は、図19に示す衝撃吸収体10の第1側壁4側の構成例を示し、図24は、図19に示す衝撃吸収体10の第2側壁5側の構成例を示す図である。図25は、図19に示す衝撃吸収体10のA側(後壁3A側)の構成例を示し、図26は、図19に示す衝撃吸収体10のB側(上壁3B側)の構成例を示す図である。図27は、図19に示す衝撃吸収体10のC側(下壁3C側)の構成例を示し、図28は、図19に示す衝撃吸収体10のD側(前壁3D側)の構成例を示す図である。なお、本実施形態では、取付対象物20として板金を用いた場合について説明する。但し、取付対象物20は、板金に限定するものではなく、任意の部材が適用可能である。
本実施形態の衝撃吸収体10は、熱可塑性樹脂をブロー成形して中空状に成形したものであり、図20に示すように、中空部2を有する本体3の互いに対向する第1側壁4及び第2側壁5をそれぞれ他方に向けて窪ませて形成した溝状リブ6,7を複数有している。第1側壁4及び第2側壁5に形成される溝状リブ6,7は、図19に示すように、前壁3Dから後壁3Aに向かって延びており、その延び方向が衝撃方向と同一方向であることが好ましい。これにより、衝撃方向からの衝撃に対する剛性を高めることができる。
本実施形態の衝撃吸収体10は、図28に示す前壁3Dで衝撃を受け、その前壁3Dで受けた衝撃を、前壁3Dと対向する図25に示す後壁3Aを介して取付対象物20に伝えるようにしている。本実施形態の衝撃吸収体10は、上壁3B、前壁3D、下壁3C、後壁3Aに連なってパーティングラインPLが延びており、衝撃吸収体10の剛性を高めている。これにより、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、衝撃吸収体10を割れ難くすることができる。
本実施形態の衝撃吸収体10を上述した膝受け部材106として使用する場合は、衝撃吸収体10の形状が小さくなるため、衝撃を受ける負荷点の箇所(打点位置)が理想の位置から上下方向や左右方向にずれたり、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度から上下方向や左右方向にずれたりし易くなる。なお、上述したずれは、左右方向よりも上下方向において顕著に発生する。このため、本実施形態の衝撃吸収体10は、上壁3B、前壁3D、下壁3C、後壁3Aに連なってパーティングラインPLが延びている。その結果、上述したずれが発生した状態において前壁3Dで衝撃を受けた場合でも、衝撃吸収体10を割れ難くすることができる。
また、前壁3Dは、図28に示すように、上端(上壁3B側)と下端(下壁3C側)とに連なってパーティングラインPLが延びており、前壁3Dの剛性を高めている。これにより、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、前壁3Dを割れ難くすることができる。
また、前壁3Dにおいて、溝状リブ6,7は、溝状リブ6,7の底部からパーティングラインPLまでの距離が等しくなるように設けられている(a1=a2,b1=b2,c1=c2)。なお、溝状リブ6,7の底部からパーティングラインPLまでの距離は、溝状リブ6,7の底部とパーティングラインPLとを結ぶ線がパーティングラインPLと直交する状態で測定した値である。前壁3Dにおいて、第1側壁4に設けられた溝状リブ6の底部からパーティングラインPLまでの距離(a1,b1,c1)と、第2側壁5に設けられた溝状リブ7の底部からパーティングラインPLまでの距離(a2,b2,c2)と、を等しくすることで、溝状リブ6,7の肉厚を一定にすることができる。このため、前壁3Dにおいて衝撃を受ける負荷点の箇所(打点位置)が理想の位置からずれたり、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度からずれたりした場合でも、所望の荷重を安定して維持し、所望の衝撃吸収量を確保することができる。
なお、パーティングラインPLの形状は、上述した条件を満足し、上端(上壁3B側)と下端(下壁3C側)とに連なって延びていれば特に限定せず、直線形状、曲線形状等の任意の形状で構成することができる。但し、本実施形態の衝撃吸収体10は、前壁3D側で衝撃を受け、後壁3A側を取付対象物20に取り付けるため、前壁3Dと後壁3Aとを通過するパーティングラインPLには、コンプレッション部CPを残さず表面を平坦に形成し、上壁3Bと下壁3Cとを通過するパーティングラインPLには、コンプレッション部CPを残すことが好ましい。コンプレッション部CPは、衝撃吸収体10の成形時に熱可塑性樹脂を分割金型で挟み込んで溶着して形成することができる。これにより、パーティングラインPLからの割れの発生を防止すると共に、安定した衝撃吸収を実現することができる。
また、前壁3Dと後壁3Aとの間を繋ぐ周囲壁である第1側壁4及び第2側壁5には、図23、図24に示すように、前壁3Dから後壁3Aに向かって延びる溝状リブ6,7が形成されている。溝状リブ6,7は、溝状リブ6,7の延び方向αと、後壁3Aの表面に対して垂直な垂直方向βと、が所定の角度θをなすように、第1側壁4及び第2側壁5に形成されている。なお、所定の角度θは、後壁3Aを取付対象物20に取り付けた際に、溝状リブ6,7の延び方向αが衝撃方向と同一方向となる角度である。これにより、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、その衝撃に対する剛性を高めつつ、且つ、溝状リブ6,7で衝撃を効果的に吸収することができる。
なお、本実施形態では、図23、図24に示すように、細長形状の溝状リブ6,7を延び方向αに連なって形成したが、細長形状の溝状リブ6,7に限定するものではなく、あらゆる形状のリブを延び方向αに連なって形成することも可能である。例えば、三角形状や台形形状の溝状リブ6,7を延び方向αに連なって形成することも可能である。この場合、第1側壁4側に形成される溝状リブ6と第2側壁5側に形成される溝状リブ7とは同一形状であることが好ましい。これにより、双方の溝状リブ6,7で均等に衝撃を吸収することができる。
また、本実施形態では、細長形状の溝状リブ6,7を延び方向αに連なって連続的に形成している。しかし、延び方向αの一部に溝状リブ6,7を形成せず、延び方向αに断続的(部分的)に溝状リブ6,7を形成することも可能である。この場合も、溝状リブ6,7の延び方向αが衝撃方向と同一方向となるため、溝状リブ6,7で衝撃を効果的に吸収することができる。但し、本実施形態のように、延び方向αに連続的に連なった溝状リブ6,7を形成することが好ましい。これにより、延び方向αに連続的に形成された溝状リブ6,7を、互いに対向する第1側壁4,第2側壁5に近づく方向、または、互いに対向する第1側壁4,第2側壁5から遠ざかる方向に凸になるように屈曲させることができる。その結果、更なる衝撃吸収効果を発揮することができる。
本実施形態の衝撃吸収体10を構成する熱可塑性樹脂としては、公知の樹脂が適用可能である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミドおよびこれらの混合物など、剛性等の機械的高度の大きい樹脂で構成することができる。
また、機械的強度(耐衝撃性)を損なわない範囲において、例えば、シリカ等の充填剤、顔料、染料、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、防炎剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防曇剤、滑剤など当該分野で使用されている添加剤の1種または2種以上を含有することもできる。
本実施形態の衝撃吸収体10は、図19に示すように、本体3の後壁3Aから突出した軸部51と、抜け防止部52,53と、を有して構成している。軸部51と抜け防止部52,53は、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けるための取付部を構成する。本体3は、上壁3B,後壁3A,下壁3C,前壁3D,第1側壁4,第2側壁5の6つの壁で構成し、上壁3B,第1側壁4,下壁3C,第2側壁5で本体3の周囲壁を構成している。本実施形態の衝撃吸収体10は、図19に示すように、第1側壁4と第2側壁5との間の間隔よりも上壁3Bと下壁3Cとの間の間隔の方が長い形状で構成している。
軸部51は、円錐台形状で構成し、図29に示すように、取付対象物20に設けられた軸部51に対応する軸穴61に軸部51を挿入し、その軸部51を回転軸として図30に示すように本体3を取付対象物20に対して回転移動するように構成している。なお、軸部51は、円錐台形状に限定するものではなく、軸部51を軸として本体3を回転することが可能な形状であれば、円筒形状等の任意の形状で構成することも可能である。
また、抜け防止部52,53は、先端部が曲がった鍵形状で構成し、図29に示すように、取付対象物20に設けられた抜け防止部52,53に対応する取付穴62,63に抜け防止部52,53を挿入し、図30に示すように、軸部51を回転軸として本体3を取付対象物20に対して回転した際に、抜け防止部52,53の先端に設けられた規制部52b,53bの一部の底面と、本体3の表面と、で取付対象物20を挟み込むように移動し、抜け防止部52,53の先端に設けられた規制部52b,53bの一部が取付対象物20と重なるようにし、抜け防止部52,53が取付穴62,63から抜けなくなるように規制している。これにより、衝撃吸収体10を自動車に取り付けることができる。但し、本実施形態の衝撃吸収体10を自動車に取り付ける場合は、取付対象物20を自動車の部品に予め装着しておく必要がある。これにより、本実施形態の衝撃吸収体10は、ビスやネジなどの取付具を用いることなく、衝撃吸収体10を自動車に容易に取り付けることができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、後壁3Aに設けられた軸部51と抜け防止部52,53とで取付対象物20に衝撃吸収体10を取り付けることができるため、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けるための設置スペースを低減することができる。例えば、従来のように、取付部を後壁3A以外の周囲壁3B,4,3C,5に設けた場合は、取付部のスペースが余分に必要になり、設置スペースも大きくなる。これに対し、本実施形態の衝撃吸収体10は、後壁3Aに取付部(軸部51、抜け防止部52,53)を設け、その取付部51,52,53で衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けるため、設置スペースを低減すると共に、限られた設置スペースを有効活用することができる。また、本実施形態の衝撃吸収体10は、後壁3Aに設けられた軸部51と抜け防止部52,53とで取付対象物20に衝撃吸収体10を取り付けるため、図20に示すように、周囲壁である第1側壁4の一部を内側に窪ませて窪み部40を形成することができる。その結果、周囲壁の領域を低減し、衝撃吸収体10を設置スペースに設置した際に、他の車両構成部材と干渉しないようにすることができる。窪み部40を形成する箇所や形状は特に限定せず、設置スペースや他の車両構成部材との設置関係を基に、任意に形成することが可能である。
本実施形態の軸部51は、図21に示すように、ブロー成形により中空状に形成し、剛性を高くしている。なお、軸部51の内部に形成される中空部8は、本体3の内部に形成される中空部2と一体になっており、本体3の中空部2と軸部51の中空部8との間で空気の流入ができるように構成している。
また、軸部51に対応する軸穴61は、軸部51の外形形状と同じ大きさの形状で構成し、軸部51を軸穴61で回転させるようにしている。例えば、軸部51を円錐台形状で構成した場合は、軸穴61は、円形状で構成することになる。
また、本実施形態の抜け防止部52,53は、図22に示すように、ブロー成形により中空状に形成し、剛性を高くしている。図22は、一方の抜け防止部53の構成例を示しているが、他方の抜け防止部52も図22に示す構成とほぼ同様に構成する。また、抜け防止部52,53の内部に形成される中空部9は、本体3の内部に形成される中空部2と一体になっており、本体3の中空部2と抜け防止部52,53の中空部9との間で空気の流入ができるように構成している。
また、抜け防止部52,53は、図23に示すように、本体3の後壁3Aと接合する軸部52a,53aと、軸部52a,53aの先端部から突出した規制部52b,53bと、を有して構成し、図29、図30に示すように、軸部51を回転軸として本体3を回転移動した際に、本体3が取付対象物20の一方の面に位置し、規制部52b,53bが取付対象物20の他方の面に位置し、軸部52a,53aが取付穴62,63に位置するように構成している。これにより、軸部51を回転軸として本体3を回転移動した際に、規制部52b,53bの一部が取付対象物20と重なり、抜け防止部52,53が取付穴62,63から抜けなくなるように規制することができる。
また、本実施形態の抜け防止部52,53は、規制部52b,53bと本体3との間に薄肉部(バリ)52c,53cが形成されており、軸部51を回転軸として本体3を回転移動した際に、取付対象物20によって薄肉部(バリ)52c,53cを変形させ、規制部52b,53bと取付対象物20の表面との間、及び、取付対象物20の裏面と本体3との間を薄肉部(バリ)52c,53cで密着させることにしている。これにより、規制部52b,53bの一部が取付対象物20に重なった状態で取付対象物20を固定することができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10をブロー成形で成形した際に、抜け防止部52,53の先端に設けられた規制部52b,53bと本体3との間に薄肉部(バリ)52c,53cが必然的に形成されるが、軸部51を回転軸として本体3を回転移動した際に、取付対象物20によって薄肉部(バリ)52c,53cを変形させることができるため、ブロー成形後に薄肉部(バリ)52c,53cを切除しなくても済み、ブロー成形後の後処理工程(バリ取りなどの仕上げ工程)を簡略化することができる。
本実施形態の衝撃吸収体10は、上述した軸部51や抜け防止部52,53をパーティングラインPL上に設けることにしている。これにより、後壁3AのパーティングラインPLの強度を向上させることができる。その結果、衝撃吸収体10が衝撃を受けた際に、後壁3AのパーティングラインPLが割れるのを防止し、衝撃吸収性能を担保することができる。
また、本実施形態の後壁3Aは、図21、図22に示すように、取付対象物(図示せず)に向かって突出した凸部30を有している。凸部30は、後壁3Aに形成されるパーティングラインPL(軸部51や抜け防止部52,53が設けられる箇所)を挟んで両側(第1側壁4側及び第2側壁5側)に形成されていることが好ましい。これにより、後壁3Aを取付対象物に取り付けた場合に、パーティングラインPLの箇所(軸部51や抜け防止部52,53が設けられる箇所)よりも、後壁3Aの両側(第1側壁4側及び第2側壁5側)に形成された凸部30が取付対象物に当接し、本体3の支えになるため、衝撃吸収体10を倒れ難くし、衝撃吸収体10を取付対象物に対して安定して固定することができる。また、前壁3Dで衝撃を受けた場合でも、その前壁3Dに対向する後壁3Aの両側(第1側壁4側及び第2側壁5側)に形成された凸部30が取付対象物に当接するため、衝撃吸収体10の横倒れや回転を防止することができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図21、図22に示すように、前壁3Dと側壁(第1側壁4及び第2側壁5)とを繋ぐ角部に薄肉部31を有している。薄肉部31の肉厚は、衝撃吸収体10の壁部の平均肉厚の30〜70%の範囲で構成している。薄肉部31は、前壁3Dと側壁(第1側壁4及び第2側壁5)とを繋ぐ角部の湾曲形状を調整することで形成することができる。即ち、角部を成形するための金型の曲率半径を小さくすることで、当該角部を薄肉にすることができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図20に示すように、第1側壁4と第2側壁5とに形成される溝状リブ6,7の部分に薄肉部31を有している。この場合、溝状リブ6,7を形成する部分の樹脂の引き伸ばし量を多くすることで、薄肉部31を形成することができる。即ち、溝状リブ6,7を形成する金型の湾曲形状を急にすることで(曲率半径を小さくすることで)、薄肉部31を形成することができる。
本実施形態の衝撃吸収体10は、図21、図22に示すように、前壁3Dと側壁(第1側壁4及び第2側壁5)とを繋ぐ角部や、図20に示すように、側壁(第1側壁4及び第2側壁5)に形成する溝状リブ6,7の部分に薄肉部31を有していることで、衝撃吸収体10が衝撃を受けた場合に、薄肉部31の箇所が優先的に座屈することになる。その結果、衝撃を受けた際に、衝撃吸収体10が反発することなく、座屈を開始し、効果的に衝撃を吸収することができる。また、前壁3Dにおいて衝撃を受ける負荷点の箇所(打点位置)が理想の位置からずれたり、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度からずれたりした場合でも、薄肉部31が効果的に衝撃を受けることになるため、衝撃吸収体10の横倒れや回転を防止することができる。
本実施形態の衝撃吸収体10を構成する壁部の平均肉厚は、0.7〜5.0mmの範囲で構成し、上述した薄肉部31は、その平均肉厚の30〜70%の範囲で構成することが好ましい。これにより、効果的に衝撃を吸収することができる。
なお、平均肉厚については、以下のように算出することができる。
例えば、図20に示す側壁(第1側壁4及び第2側壁5)の上端側(上壁3B側)、中央、下端側(下壁3C側)の3箇所(但し、溝状リブ6,7が形成されていない箇所で、且つ、前壁3Dと側壁(第1側壁4及び第2側壁5)とを繋ぐ角部ではない箇所)の断面における、2つの金型分割点を結ぶ直線の垂直二等分線と交わる部分(合計6箇所)の肉厚を、ノギスにより測定し、その6つの測定値の平均値を、平均肉厚として算出する。これにより、衝撃吸収体10を構成する壁部の平均肉厚を算出することができる。
本実施形態の衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付ける際は、図29に示すように、軸部51を軸穴61に挿入すると共に、抜け防止部52,53を取付穴62,63に挿入する。次に、軸部51を回転軸とし、図30に示すように、本体3を取付対象物20に対して所定角度(例えば、30°)回転移動し、抜け防止部52,53の先端に設けられた規制部52b,53bの一部を取付対象物20と重なった状態にする。これにより、軸部51や抜け防止部52,53が軸穴61や取付穴62,63から抜けるのを規制し、図31〜図33に示すように、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることができる。なお、図31〜図33は、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けた状態を示しており、図31は、衝撃吸収体10の周囲壁である第1側壁4側から見た状態を示し、図32は、前壁3D側から見た状態を示し、図33は、図31に示す33X-33X’線の断面構成例を示す図である。
本実施形態の衝撃吸収体10は、図31に示すように、前壁3Dから後壁3Aに向かって延びる溝状リブ6が第1側壁4に形成されており、その溝状リブ6の延び方向αと、後壁3Aに垂直な垂直方向βと、が所定の角度θをなすようにしている。このため、溝状リブ6は、後壁3Aに垂直な垂直方向βに対して傾斜する方向に延びている。これにより、図31に示すように、後壁3Aを取付対象物20に取り付けた際に、溝状リブ6の延び方向αを衝撃方向と同一方向にすることができる。その結果、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、その衝撃に対する剛性を高めつつ、且つ、溝状リブ6で衝撃を効果的に吸収することができる。なお、図31は、第1側壁4側の溝状リブ6の延び方向αを示しているが、第2側壁5側の溝状リブ7の延び方向αについても第1側壁4側の溝状リブ6と同様になる。図31は、第1側壁4に直交する方向から見た状態を示し、溝状リブ6の延び方向αは、後壁3Aに垂直な垂直方向βに対して傾いている。
また、本実施形態の衝撃吸収体10の前壁3Dは、図32に示すように、上端(上壁3B側)と下端(下壁3C側)とに連なってパーティングラインPLが延びており、前壁3Dの剛性を高めている。このため、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、前壁3Dを割れ難くすることができる。また、前壁3Dにおいて、溝状リブ6,7は、溝状リブ6,7の底部からパーティングラインPLまでの距離が等しくなるように設けられている(a1=a2,b1=b2,c1=c2)。このため、前壁3Dにおいて衝撃を受ける負荷点の箇所(打点位置)が理想の位置からずれたり、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度からずれたりした場合でも、所望の荷重を安定して維持し、所望の衝撃吸収量を確保することができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図19に示すように、軸部51と抜け防止部52,53とが一直線上になるように後壁3Aに一体形成している。これにより、図30に示すように、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付ける箇所を一直線上にすることができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10の後壁3Aは、図33に示すように、取付対象物20に向かって突出した凸部30を有しており、その凸部30は、後壁3Aに形成されるパーティングラインPL(軸部51や抜け防止部52,53が設けられる箇所)を挟んで両側(第1側壁4側及び第2側壁5側)に形成されている。これにより、後壁3Aを取付対象物20に取り付けた場合に、後壁3Aの両側(第1側壁4側及び第2側壁5側)に形成された凸部30が取付対象物20に当接し、本体3の支えになるため、衝撃吸収体10を倒れ難くし、衝撃吸収体10を取付対象物20に安定して固定することができる。また、前壁3Dで衝撃を受けた場合でも、後壁3Aの両側(第1側壁4側及び第2側壁5側)に形成された凸部30が取付対象物20に当接するため、衝撃吸収体10の横倒れや回転を防止することができる。
なお、本実施形態の後壁3Aの両側に形成された凸部30は、図33に示すように、パーティングラインPL(軸部51や抜け防止部52,53が設けられる箇所)から両端(第1側壁4側及び第2側壁5側)に離れるについて連続的に突出量が増加するように構成している。しかし、部分的に突出量が増加するように構成することも可能である。なお、突出量は、後壁3AにおいてパーティングラインPLが形成される箇所PL(O)と、凸部30が形成された箇所の頂点Hと、を結ぶ線L1と、衝撃吸収体10を成形する分割金型の型抜き方向L2と、のなす角度θ4が、0°〜4°の範囲になるようにすることが好ましい。なお、角度θ4が0°の場合は、突出量は0となる。パーティングラインPLを挟んで両端(第1側壁4側及び第2側壁5側)の突出量が全て0の場合は、後壁3Aの両側に形成される凸部30は、平坦になり、パーティングラインPLを挟んで両側の後壁3Aの表面が、同一平面上に位置することになる。この場合も、パーティングラインPLを挟んで両側(第1側壁4側及び第2側壁5側)の後壁3Aが取付対象物20に当接するため、衝撃吸収体10の横倒れや回転を防止することができる。
本実施形態の後壁3Aに形成される凸部30は、例えば、図34(a)に示す構成例で形成することができる。図34(a)は、後壁3A側の構成例を示し、後壁3Aの一部の領域に凸部30が形成された構成例を示している。図34(a)に示す34A-34A’線上の帯状の凸部30や34C-34C’線上の帯状の凸部30は、図33に示す凸部30と同様に、パーティングラインPLから両端(第1側壁4側及び第2側壁5側)に離れるにつれて連続的に突出量が増加するように構成することができる。また、パーティングラインPLから両端(第1側壁4側及び第2側壁5側)まで突出量が0となるように構成することもできる。また、パーティングラインPLから両端(第1側壁4側及び第2側壁5側)との間で突出量が不連続に変動するように構成することもできる。なお、凸部30以外の領域は、従来と同様に、パーティングラインPLから両端(第1側壁4側及び第2側壁5側)に離れるにつれて突出量が低減するように構成したりするため、凸部30の突出量が0の状態であっても、結果的に、パーティングラインPLを挟んで両端の凸部30の部分が突出した状態を構成することができる。
また、図34(a)に示す34B-34B’線上の四角形状の凸部30は、パーティングラインPLから両端(第1側壁4側及び第2側壁5側)までの一部の区間に形成された状態を示し、その一部の区間に形成された凸部30は、パーティングラインPL側から両端(第1側壁4側及び第2側壁5側)側に向けて連続的に突出量が増加するように構成したり、パーティングラインPL側から両端側まで突出量が0(平坦形状)となるように構成したりすることができる。図34(a)に示す34B-34B’線上の後壁3Aの断面形状は、例えば、図34(b)に示すように、後壁3Aの一部の区間に任意の突出量の凸部30を形成して構成することができる。図34(b)に示す凸部30は、パーティングラインPL側から両端(第1側壁4側及び第2側壁5側)側に向けて連続的に突出量が増加するように構成した場合の構成例を示す。
なお、図34(a)に示す凸部30は、後壁3Aの一部の領域に形成することにしたが、後壁3Aの全ての領域に形成することも可能である。この場合は、パーティングラインPLから両端(第1側壁4側及び第2側壁5側)に離れるにつれて連続的に突出量が増加するように構成したり、また、パーティングラインPLから両端(第1側壁4側及び第2側壁5側)まで突出量が0となるように構成したりする。
なお、上述した横倒れや回転を防止する凸部30を有する後壁3Aを形成する場合は、図35に示すようなキャビティ面202を有する分割金型200を用いることになる。図35に示す分割金型200において上述した凸部30を有する後壁3Aを形成するキャビティ面202は、分割金型200の型抜方向と直交する直交方向Yに凹んだ凹部202A2を有して構成する。これにより、図33、図34に示す凸部30を有する後壁3Aを形成することができる。なお、凹部202A2は、パーティングラインPLを形成する食い切り部202A1から離れるにつれて分割金型200の型抜方向と直交する直交方向Yの凹み量が連続的に増加するように形成することで、キャビティ面202に凹部202A2を有して構成しても、成形品である衝撃吸収体10を分割金型200から抜き易くすることができる。
また、本実施形態の溝状リブ6,7は、図33に示すように、対向する側壁(第1側壁4,第2側壁5)から遠ざかる方向に凸になるように屈曲しており、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度と異なった場合でも、衝撃を吸収することができるようにしている。図33に示す溝状リブ6,7は、対向する第1側壁4,第2側壁5から遠ざかる方向(外側方向)に凸になるように屈曲した形状で構成しており、溝状リブ6,7の屈曲角度θ3は、1〜10°の範囲にすることが好ましい。溝状リブ6,7の屈曲角度θ3が1°未満の場合は、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度と異なった場合に衝撃吸収体10が倒れ易くなり、また、10°以上の場合は、剛性が弱くなってしまう。このため、溝状リブ6,7の屈曲角度θ3は、1〜10°の範囲にすることが好ましい。図33に示す溝状リブ6,7は、溝状リブ6,7の底部を構成する部分の第1側壁4及び第2側壁5を示している。
溝状リブ6,7の屈曲角度θ3は、溝状リブ6,7自身が屈曲している角度であり、例えば、第1側壁4側に設けられる溝状リブ6の屈曲角度θ3は、溝状リブ6の底部を構成する部分の第1側壁4と、溝状リブ6が形成されてなく、平坦な面を構成する部分の第1側壁4と、のなす角度(θ1,θ2)の合算(θ3=θ1+θ2)である。
溝状リブ6は、第1の溝状リブ6aと第2の溝状リブ6bとを有し、第1の溝状リブ6aと第2の溝状リブ6bとの連接部分6cで、第2側壁5から遠ざかる方向に凸になるように屈曲した部分を構成している。溝状リブ6の屈曲角度θ3は、第1の溝状リブ6aの底部を構成する部分の第1側壁4と、溝状リブ6が形成されてなく、平坦な面を構成する部分の第1側壁4と、のなす角度θ1、及び、第2の溝状リブ6bの底部を構成する部分の第1側壁4と、溝状リブ6が形成されてなく、平坦な面を構成する部分の第1側壁4と、のなす角度θ2、で構成する(θ3=θ1+θ2)。
また、第2側壁5側に設けられる溝状リブ7の屈曲角度θ3も上述した溝状リブ6の屈曲角度θ3と同様に、溝状リブ7の底部を構成する部分の第2側壁5と、溝状リブ7が形成されてなく、平坦な面を構成する部分の第2側壁5と、のなす角度(θ1,θ2)の合算(θ3=θ1+θ2)である。
溝状リブ7は、第1の溝状リブ7aと第2の溝状リブ7bとを有し、第1の溝状リブ7aと第2の溝状リブ7bとの連接部分7cで、第1側壁4から遠ざかる方向に凸になるように屈曲した部分を構成している。溝状リブ7の屈曲角度θ3は、第1の溝状リブ7aの底部を構成する部分の第2側壁5と、溝状リブ7が形成されてなく、平坦な面を構成する部分の第2側壁5と、のなす角度θ1、及び、第2の溝状リブ7bの底部を構成する部分の第2側壁5と、溝状リブ7が形成されてなく、平坦な面を構成する部分の第2側壁5と、のなす角度θ2、で構成する(θ3=θ1+θ2)。
なお、本実施形態の溝状リブ6を構成する第1の溝状リブ6aと第2の溝状リブ6bとは、連接部分6cで構成する面で面対称になっている。同様に、溝状リブ7を構成する第1の溝状リブ7aと第2の溝状リブ7bとは、連接部分7cで構成する面で面対称になっている。このため、図33に示すθ1とθ2とは同じ角度(θ1=θ2)になっている。
また、溝状リブ6と溝状リブ7とは、溝状リブ6の底部と溝状リブ7の底部との間の中間点の位置の領域で構成する平面(第1側壁4及び第2側壁5と平行な平面)で面対称になっている。このため、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、溝状リブ6,7が均等に座屈し、衝撃を均一に吸収することができる。
なお、図33に示す溝状リブ6,7は、対向する第1側壁4,第2側壁5から遠ざかる方向(外側方向)に凸になるように屈曲した形状で構成しているが、対向する第1側壁4,第2側壁5に近づく方向(内側方向)に凸になるように屈曲する形状で構成することも可能である。また、図33に示す溝状リブ6,7は、中央付近の溝状リブ6,7の深さh1よりも、後壁3A側の溝状リブ6,7の深さh2や前壁3D側の溝状リブ6,7の深さh3が深くなるような形状で構成している(h1<h2、且つ、h1<h3)。しかし、図36に示すように、前壁3Dから中央付近までの溝状リブ6,7の深さを同じ深さh1にし、後壁3A側の溝状リブ6,7の深さh2を深くするような形状で構成することも可能である(h1<h2)。なお、図36に示す溝状リブ6,7の屈曲角度θ3は、第1の溝状リブ6a,7aの底部を構成する部分の側壁4,5と、溝状リブ6,7が形成されてなく、平坦な面を構成する部分の側壁4,5と、のなす角度θ1となる。
このように、前壁3Dと後壁3Aとの間を繋ぐ周囲壁である第1側壁4,第2側壁5に設けられる溝状リブ6,7が屈曲していれば、その屈曲した箇所で衝撃を効果的に吸収することができる。なお、図33、図36に示す溝状リブ6,7は、後壁3Aと前壁3Dとの中央付近において屈曲した構成例を示しているが、その屈曲する箇所は、中央付近に限定せず、任意の箇所で屈曲した構成例にすることも可能である。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、軸部51を後壁3Aの中央に設け、抜け防止部52,53を軸部51の両側に設けるようにしている。軸部51を後壁3Aの中央に設けることで、本体3の回転半径を小さくすることができ、衝撃吸収体10の取付作業に必要なスペースを小さくすることができる。例えば、軸部51を後壁3Aの一方の端部近傍に設け、少なくとも1つの抜け防止部52を後壁3Aの他方の端部近傍に設けた場合は、軸部51を回転軸として本体3を回転し、抜け防止部52をその抜け防止部52に対応する取付穴62に嵌め込むことになるため、本体3の回転半径が大きくなってしまう。これに対し、軸部51を後壁3Aの中央近傍に設け、後壁3Aの両端近傍に抜け防止部52,53を設けた場合は、軸部51を回転軸として本体3を回転し、抜け防止部52,53をその抜け防止部52,53に対応する取付穴62,63に嵌め込むことになるため、本体3の回転半径を小さくすることができる。従って、軸部51を後壁3Aの中央に設け、抜け防止部52,53を軸部51の両側に設けることで、本体3の回転半径を小さくすることができる。また、抜け防止部52,53を軸部51の両側に設けることで、本体3の回転を規制し易くすることができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図29、図30に示すように、2つの抜け防止部52,53を有し、第1の抜け防止部52と軸部51との間の距離r1と、第2の抜け防止部53と軸部51との間の距離r2と、を異ならせることにしている。なお、取付対象物20に設ける取付穴62,63も抜け防止部52,53に合わせて構成する。これにより、抜け防止部52,53の誤挿入を防止することができる。なお、本実施形態では、2つの抜け防止部52,53を同じ形状で構成しているため、軸部51との間の距離r1,r2を異ならせることにしている。しかし、2つの抜け防止部52,53を異なる形状で構成し、抜け防止部52,53の誤挿入を防止することも可能である。
なお、上述した衝撃吸収体10は、図28に示すように、第1側壁4側に設ける溝状リブ6と第2側壁5側に設ける溝状リブ7とが同一位置で互いに対向するように構成している。しかし、図37に示すように、第1側壁4側に設ける溝状リブ6と第2側壁5側に設ける溝状リブ7とが互い違いに対向するように構成することも可能である。この構成の場合であっても、溝状リブ6,7は、溝状リブ6,7の底部からパーティングラインPLまでの距離が等しくなるように設けることが好ましい(a1=a2,b1=b2,c1=c2)。これにより、前壁3Dにおいて衝撃を受ける箇所(打点位置)が理想の位置からずれたり、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度と異なったりした場合でも、所望の荷重を安定して維持することができるため、所望の衝撃吸収量を確保することができる。なお、溝状リブ6,7の底部からパーティングラインPLまでの距離は、溝状リブ6,7の底部とパーティングラインPLとを結ぶ線がパーティングラインPLと直交する状態で測定した値である。
また、上述した衝撃吸収体10は、図19に示すように、後壁3Aに軸部51と抜け防止部52,53を有し、図29に示すように、軸部51を軸穴61に挿入すると共に、抜け防止部52,53を取付穴62,63に挿入する。そして、図30に示すように、軸部51を回転軸として本体3を取付対象物20に対して回転移動し、抜け防止部52,53の規制部52b,53bの一部を取付対象物20に重ならせることで、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることにしている。しかし、抜け防止部52,53は、少なくとも1つあれば良く、軸部51と1つの抜け防止部52との構成であっても衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることができる。
また、上述した衝撃吸収体10は、貫通した軸穴61に軸部51を挿入することにしている。しかし、軸穴61は貫通している必要はなく、軸部51が安定して回転することが可能であればあらゆる形状の軸穴61を設けることが可能である。また、取付対象物20に軸穴61を設けず、軸部51を取付対象物20に当接させて軸部51を回転させるようにすることも可能である。また、後壁3Aに軸部51を設けずに、2つの抜け防止部52,53のみを後壁3Aに設け、その2つの抜け防止部52,53を取付穴62,63に挿入し、抜け防止部52,53を取付穴62,63の領域内で移動することで、本体3を回転させると共に、抜け防止部52,53の規制部52b,53bの一部を取付対象物20に重ならせ、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けるようにすることも可能である。
また、上述した衝撃吸収体10は、後壁3A側に軸部51を設け、取付対象物20側に軸穴61を設けることにしている。しかし、後壁3A側に軸穴61を設け、取付対象物20側に軸部51を設けることも可能である。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図38に示すように、後壁3Aから突出する係止部54と、抜け防止部52,53から突出する係止部55と、の少なくとも1つの係止部54,55を有し、係止部54,55は、図39に示すように、本体3を回転することで、係止部54,55を取付対象物20に設けられた係止穴64,65に係止して本体3の逆方向への回転を規制するように構成することも可能である。係止穴64は、後壁3Aから突出する係止部54に対応する穴であり、係止穴65は、抜け防止部52,53から突出する係止部55に対応する穴である。
なお、係止部54,55は、ブロー成形により中空状に形成し、剛性を高くするように構成する。また、後壁3Aから突出する係止部54の内部に形成される中空部は、本体3の内部に形成される中空部2と一体になっており、本体3の中空部2と係止部54の中空部との間で空気の流入ができるように構成している。また、抜け防止部52,53から突出する係止部55の内部に形成される中空部は、抜け防止部52,53の内部に形成される中空部9と一体になっており、抜け防止部52,53の中空部9と係止部55の中空部との間で空気の流入ができるように構成している。
なお、係止部54,55や係止穴64,65の形状は、係止部54,55を係止穴64,65に挿入して係止部54,55を係止穴64,65で係止し、本体3の逆方向への回転を規制することが可能であれば、あらゆる構成例が適用可能である。例えば、三角形状や円弧形状で構成したりすることが可能である。但し、本体3の逆方向への回転を規制することを鑑み、係止部54,55が係止穴64,65に当接する部分は、係止穴64,65に面で接する形状で構成することが好ましい。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図40、図41に示すように、上壁3Bと下壁3Cとを通過するパーティングラインPLの部分にコンプレッション部CPを残し、上壁3Bと下壁3Cとの溶着強度を向上させる。また、衝撃を受ける前壁3Dと取付対象物20に取り付ける後壁3Aとを通過するパーティングラインPLの部分は平坦にしておくことが好ましい。これにより、パーティングラインPLからの割れを防止すると共に安定した衝撃吸収を行うことができる。図40は、後壁3A側からみた衝撃吸収体10の斜視図であり、図41は、前壁3D側からみた衝撃吸収体10の斜視図である。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図41に示すように、周囲壁である第1側壁4の一部を内側に窪ませて窪み部40を形成することができる。その結果、周囲壁の領域を低減し、衝撃吸収体10を設置スペースに設置した際に、他の車両構成部材と干渉しないようにすることができる。
図42は、図43に示す実施例、比較例のブロー成形製の衝撃吸収体を衝突試験機にかけて得られた試験結果を示すグラフである。図42の試験結果は、実施例、比較例の衝撃吸収体において、理想的な位置から衝撃を受けた場合(α1,β1)と、理想的な位置からずれた位置から衝撃を受けた場合(α2,β2)と、理想的な進入角度と異なる進入角度で衝撃を受けた場合(α3,β3)と、の試験結果を示す。
図43(a)に示す比較例の衝撃吸収体の寸法は、前壁3Dは120mm×50mm、上壁3Bは80mm×50mm、後壁3Aは90mm×50mm、下壁3Cは70mm×50mmとした。このため、第1側壁4及び第2側壁5は、上壁3B側が80mm、下壁3C側が70mm、後壁3A側が90mm、前壁3D側が120mmとなる。また、衝撃吸収体の壁部の平均肉厚は、1.30mmとし、前壁3Dと周囲壁4,5,3B,3Cとを繋ぐ角部に形成される薄肉部31の肉厚は、0.96mmとした。また、溝状リブ6,7を直線形状にした。また、後壁3Aは、パーティングラインPLの位置が両側端(第1側壁4側及び第2側壁5側)の位置よりも取付対象物20側に突出するように構成した。
図43(b)に示す実施例の衝撃吸収体の寸法は、比較例と同じ寸法とし、衝撃吸収体の壁部の平均肉厚は、1.48mmとし、前壁3Dと周囲壁4,5,3B,3Cとを繋ぐ角部に形成される薄肉部31の肉厚は、0.48mmとした。また、溝状リブ6,7を屈曲形状にした。また、後壁3Aは、パーティングラインPLの位置よりも両側端(第1側壁4側及び第2側壁5側)の位置が取付対象物20側に突出するように構成した。
図43(b)に示す実施例の衝撃吸収体は、理想的な位置から衝撃を受けた場合(β1)に得られる衝撃吸収性能が、図43(a)に示す比較例の衝撃吸収体と同じになるように、後壁3Aの形状、溝状リブ6,7の形状、薄肉部31の肉厚を異ならせて形成した。
衝撃吸収体を構成する材料は、三井住友化学株式会社製のポリプロピレン「AD571」(曲げ弾性率1050MPa)を使用した。
衝突試験機は、保土ヶ谷技研株式会社製の衝突試験機で、質量が20kg、先端形状がφ75mm、長さが160mmの柱状の衝突子を19km/時の速度で衝突させた。
図42に示す試験結果から明らかなように、搭乗者の損傷を防止する観点から目標荷重を5KNとした場合、比較例の衝撃吸収体の場合は、理想的な位置からずれた位置から衝撃を受けた場合(α2)と、理想的な進入角度と異なる進入角度で衝撃を受けた場合(α3)と、において、衝撃吸収量が小さくなることが判明した。
これに対し、実施例の衝撃吸収体の場合は、理想的な位置からずれた位置から衝撃を受けた場合(β2)と、理想的な進入角度と異なる進入角度で衝撃を受けた場合(β3)と、においても衝撃吸収量が変化せず、安定した衝撃吸収量を確保できると判明した。なお、衝撃吸収量は、曲線の下の曲線と横軸とで囲まれる部分の面積(但し、目標荷重を超える範囲を除く)である。
従って、図43(b)に示す実施例の衝撃吸収体のように、前壁3Dと周囲壁4,5,3B,3Cとを繋ぐ角部に薄肉部31を形成し、溝状リブ6,7を屈曲形状にし、後壁3Aは、パーティングラインPLの位置よりも両側端(第1側壁4側及び第2側壁5側)の位置が取付対象物20側に突出するように構成することで、理想的な位置からずれた位置から衝撃を受けた場合や、理想的な進入角度と異なる進入角度で衝撃を受けた場合であっても、安定した衝撃吸収量を確保し、所望の衝撃吸収性能を発揮できる。
<本実施形態の衝撃吸収体10の作用・効果>
このように、本実施形態の衝撃吸収体10は、図19に示すように、衝撃を受ける前壁3Dと、前壁3Dと対向する後壁3Aと、前壁3Dと後壁3Aとの周囲を繋ぐ周囲壁(上壁3B,第1側壁4,下壁3C,第2側壁5)と、を有し、取付対象物20に取り付けるための少なくとも1つの取付部(軸部51,抜け防止部52,53)が後壁3Aと一体に形成されており、前壁3Dが受けた衝撃が後壁3Aを介して取付対象物20に伝わる、ことを特徴とする。
本実施形態の衝撃吸収体10は、取付部51,52,53が後壁3Aと一体に形成されているため、容易に取付可能であり、且つ、設置スペースを低減することができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、本体3と、本体3から突出する軸部51と、本体3から突出する抜け防止部52,53と、を有し、抜け防止部52,53は、取付対象物20に設けられた軸穴61に軸部51を挿入し、本体3を回転したときに取付対象物20と重なって、軸部51が軸穴61から抜けることを規制する規制部52b,53bを有する、ことを特徴とする。また、本実施形態の衝撃吸収体10は、本体3と、本体3から突出する複数の抜け防止部52,53と、を有し、抜け防止部52,53は、抜け防止部52,53を取付対象物20に設けられた取付穴62,63に挿入して、抜け防止部52,53を取付穴62,63の領域に沿って移動するように、本体3を回転したときに、取付対象物20と重なって、当該抜け防止部52,53が取付穴62,63から抜けることを規制する規制部52b,53bを有する、ことを特徴とする。
これにより、本実施形態の衝撃吸収体10は、ビスやネジなどの取付具を用いなくとも衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることができるため、衝撃吸収体10の取付作業を容易にすることができる。また、抜け防止部52,53を取付穴62,63に挿入して抜け防止部52,53の規制部52b,53bの一部を取付対象物20と重なるようにしているため、衝撃吸収体10が取付対象物20に取り付けられた状態か否かを目視で把握することができ、取付不良の発生を防止することができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、後壁3Aから突出する軸部51を有し、軸部51を回転軸として本体3を取付対象物20に対して回転移動することができるため、本体3を安定して回転移動することができる。
なお、上述する実施形態では、衝撃吸収体10の抜け防止部52,53を取付対象物20に設けられた取付穴62,63に挿入することにした。しかし、取付対象物20の構成を自動車の部品に対して予め形成し、衝撃吸収体10を自動車の部品(取付対象物)に直接取り付けるようにすることも可能である。例えば、取付穴62,63を自動車の部品に対して予め形成し、衝撃吸収体10の抜け防止部52,53を自動車の部品(取付対象物)に直接取り付けるようにすることも可能である。
(第3の実施形態例)
次に、第3の実施形態例について説明する。
第1、第2の実施形態は、膝受け部材(knee bolster)に好適な衝撃吸収体10について説明した。
第3の実施形態は、バンパーアブソーバーに好適な衝撃吸収体10について説明する。
<衝撃吸収体10の構成例>
まず、図44〜図50を参照しながら、本実施形態の衝撃吸収体10の構成例について説明する。図44は、本実施形態の衝撃吸収体10と、その衝撃吸収体10を取り付ける取付対象物20と、の全体構成例を示す図であり、図45は、図44に示す衝撃吸収体10の45X-45X’線の断面構成例を示し、図46は、図44に示す衝撃吸収体10の46X-46X’線の断面構成例を示す。図47は、図44に示す衝撃吸収体10の上壁3B側の構成例を示し、図48は、図44に示す衝撃吸収体10の下壁3C側の構成例を示す図である。図49は、図44に示す衝撃吸収体10のA側(後壁3A側)の構成例を示し、図50は、図44に示す衝撃吸収体10のD側(前壁3D側)の構成例を示す図である。
本実施形態の衝撃吸収体10は、熱可塑性樹脂をブロー成形して中空状に成形したものであり、図45に示すように、中空部2を有する本体3の互いに対向する上壁3B及び下壁3Cをそれぞれ他方に向けて窪ませて形成した溝状リブ6,7を複数有している。上壁3B及び下壁3Cに形成される溝状リブ6,7は、図44に示すように、前壁3Dから後壁3Aに向かって延びており、その延び方向が衝撃方向と同一方向であることが好ましい。これにより、衝撃方向からの衝撃に対する剛性を高めることができる。
本実施形態の衝撃吸収体10は、図50に示す前壁3Dで衝撃を受け、その前壁3Dで受けた衝撃を、前壁3Dと対向する図49に示す後壁3Aを介して取付対象物20に伝えるようにしている。本実施形態の衝撃吸収体10は、第1側壁4、前壁3D、第2側壁5、後壁3Aに連なってパーティングラインPLが延びており、衝撃吸収体10の剛性を高めている。これにより、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、衝撃吸収体10を割れ難くすることができる。
また、前壁3Dは、図50に示すように、両側端(第1側壁4側及び第2側壁5側)に連なってパーティングラインPLが延びており、前壁3Dの剛性を高めている。これにより、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、前壁3Dを割れ難くすることができる。
また、前壁3Dにおいて、溝状リブ6,7は、溝状リブ6,7の底部からパーティングラインPLまでの距離が等しくなるように設けられている。前壁3Dにおいて、上壁3Bに設けられた溝状リブ6の底部からパーティングラインPLまでの距離と、下壁3Cに設けられた溝状リブ7の底部からパーティングラインPLまでの距離と、を等しくすることで、溝状リブ6,7の肉厚を一定にすることができる。このため、前壁3Dにおいて衝撃を受ける負荷点の箇所(打点位置)が理想の位置からずれたり、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度からずれたりした場合でも、所望の荷重を安定して維持し、所望の衝撃吸収量を確保することができる。なお、溝状リブ6,7の底部からパーティングラインPLまでの距離は、溝状リブ6,7の底部とパーティングラインPLとを結ぶ線がパーティングラインPLと直交する状態で測定した値である。また、パーティングラインPLの形状は、上述した条件を満足し、両側端に連なって延びていれば特に限定せず、直線形状、曲線形状等の任意の形状で構成することができる。
また、上壁3B及び下壁3Cには、図47、図48に示すように、前壁3Dから後壁3Aに向かって延びる溝状リブ6,7が形成されている。溝状リブ6,7は、溝状リブ6,7の延び方向αが衝撃方向と同一方向となるように構成している。これにより、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、その衝撃に対する剛性を高めつつ、且つ、溝状リブ6,7で衝撃を効果的に吸収することができる。なお、本実施形態では、図47、図48に示すように、縦長形状や横長形状の溝状リブ6,7を延び方向αに形成したが、縦長形状や横長形状の溝状リブ6,7に限定するものではなく、あらゆる形状のリブを延び方向αに形成することが可能である。例えば、円形状の溝状リブ6,7を延び方向αに断続的に形成することも可能である。即ち、延び方向αにリブが形成されていれば、そのリブの形状は特に限定せず、任意のリブを形成することが可能である。但し、図47、図48に示すように、延び方向αに連続的に連なった溝状リブ6,7を形成することが好ましい。これにより、延び方向αに連続的に形成された溝状リブ6,7を、互いに対向する上壁3B,下壁3Cに近づく方向、または、互いに対向する上壁3B,下壁3Cから遠ざかる方向に凸になるように屈曲させることができる。
本実施形態の衝撃吸収体10を構成する熱可塑性樹脂としては、公知の樹脂が適用可能である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミドおよびこれらの混合物など、剛性等の機械的高度の大きい樹脂で構成することができる。
また、機械的強度(耐衝撃性)を損なわない範囲において、例えば、シリカ等の充填剤、顔料、染料、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、防炎剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防曇剤、滑剤など当該分野で使用されている添加剤の1種または2種以上を含有することもできる。
本実施形態の衝撃吸収体10は、図49に示すように、本体3の後壁3Aから突出した軸部71と、取付部72と、を有して構成している。軸部71と取付部72は、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けるための取付部を構成する。本体3は、上壁3B,後壁3A,下壁3C,前壁3D,第1側壁4,第2側壁5の6つの壁で構成し、上壁3B,第1側壁4,下壁3C,第2側壁5で本体3の周囲壁を構成している。
本実施形態の衝撃吸収体10は、図44に示すように、上壁3Bと下壁3Cとの間の間隔よりも第1側壁4と第2側壁5との間の間隔の方が長い形状で構成している。
本実施形態の衝撃吸収体10は、後壁3Aから突出した軸部71を取付対象物20に設けられた軸部71に対応する軸穴81に挿入すると共に、後壁3Aから突出した取付部72を取付対象物20に設けられた取付部72に対応する取付穴82に挿入し、図51に示すように、本体3を取付対象物20に取り付けるように構成している。これにより、衝撃吸収体10を自動車に取り付けることができる。但し、本実施形態の衝撃吸収体10を自動車に取り付ける場合は、取付対象物20を自動車の部品に予め装着しておく必要がある。これにより、本実施形態の衝撃吸収体10は、ビスやネジなどの取付具を用いることなく、衝撃吸収体10を自動車に容易に取り付けることができる。
本実施形態の取付部72は、図46に示すように、ブロー成形により中空状に形成し、剛性を高くしている。また、取付部72の内部に形成される中空部9は、本体3の内部に形成される中空部2と一体になっており、本体3の中空部2と取付部72の中空部9との間で空気の流入ができるように構成している。なお、軸部71も上述した取付部72と同様に、ブロー成形により中空状に成形している。本実施形態の取付部72や軸部71の形状は特に限定せず、任意の形状で構成することが可能である。
本実施形態の衝撃吸収体10は、上述した軸部71や取付部72をパーティングラインPL上に設けることにしている。これにより、後壁3AのパーティングラインPLの強度を向上させることができる。その結果、衝撃吸収体10が衝撃を受けた際に、後壁3AのパーティングラインPLが割れるのを防止し、衝撃吸収性能を担保することができる。
また、本実施形態の後壁3Aは、図46に示すように、取付対象物(図示せず)に向かって突出した凸部30を有している。凸部30は、後壁3Aに形成されるパーティングラインPL(軸部71や取付部72が設けられる箇所)を挟んで両側に形成されていることが好ましい。これにより、後壁3Aを取付対象物に取り付けた場合に、パーティングラインPLの箇所(軸部71や取付部72が設けられる箇所)よりも、後壁3Aの上下(上壁3B側及び下壁3C側)に形成された凸部30が取付対象物に当接し、本体3の支えになるため、衝撃吸収体10を倒れ難くし、衝撃吸収体10を取付対象物に対して安定して固定することができる。また、前壁3Dで衝撃を受けた場合でも、その前壁3Dに対向する後壁3Aの上下(上壁3B側及び下壁3C側)に形成された凸部30が取付対象物20に当接するため、衝撃吸収体10の上下方向への倒れを防止することができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図46に示すように、前壁3Dと上下壁(上壁3B及び下壁3C)とを繋ぐ角部に薄肉部31を有している。薄肉部31の肉厚は、衝撃吸収体10の壁部の平均肉厚の30〜70%の範囲で構成している。薄肉部31は、前壁3Dと上下壁(上壁3B及び下壁3C)とを繋ぐ角部の湾曲形状を調整することで形成することができる。即ち、角部を成形するための金型の曲率半径を小さくすることで、当該角部を薄肉にすることができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10は、図45に示すように、上壁3Bと下壁3Cとに形成される溝状リブ6,7の部分に薄肉部31を有している。この場合、溝状リブ6,7を形成する部分の樹脂の引き伸ばし量を多くすることで、薄肉部31を形成することができる。即ち、溝状リブ6,7を形成する金型の湾曲形状を急にすることで(曲率半径を小さくすることで)、薄肉部31を形成することができる。
本実施形態の衝撃吸収体10は、図46に示すように、前壁3Dと上下壁(上壁3B及び下壁3C)とを繋ぐ角部や、図45に示すように、上下壁(上壁3B及び下壁3C)に形成する溝状リブ6,7の部分に薄肉部31を有していることで、衝撃吸収体10が衝撃を受けた場合に、薄肉部31の箇所が優先的に座屈することになる。その結果、衝撃を受けた際に、衝撃吸収体10が反発することなく、座屈を開始し、効果的に衝撃を吸収することができる。また、前壁3Dにおいて衝撃を受ける負荷点の箇所(打点位置)が理想の位置からずれたり、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度からずれたりした場合でも、薄肉部31が効果的に衝撃を受けることになるため、衝撃吸収体10の上下方向への倒れを防止することができる。
本実施形態の衝撃吸収体10を構成する壁部の平均肉厚は、0.3〜6.0mmの範囲で構成し、薄肉部31は、その平均肉厚の30〜70%の範囲で構成することが好ましい。これにより、効果的に衝撃を吸収することができる。
なお、平均肉厚については、以下のように算出することができる。
例えば、図45に示す上下壁(上壁3B及び下壁3C)の一端側(第1側壁4側)、中央、他端側(第2側壁5側)の3箇所(但し、溝状リブ6,7が形成されていない箇所で、且つ、前壁3Dと上下壁(上壁3B及び下壁3C)とを繋ぐ角部ではない箇所)の断面における、2つの金型分割点を結ぶ直線の垂直二等分線と交わる部分(合計6箇所)の肉厚を、ノギスにより測定し、その6つの測定値の平均値を、平均肉厚として算出する。これにより、衝撃吸収体10を構成する壁部の平均肉厚を算出することができる。
本実施形態の衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付ける際は、軸部71を取付軸穴81に挿入すると共に、取付部72を取付穴82に挿入する。これにより、図51、図52に示すように、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることができる。なお、図51、図52は、衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けた状態を示しており、図51は、前壁3D側から見た状態を示し、図52は、図51に示す52X-52X’線の断面構成例を示す図である。
本実施形態の衝撃吸収体10は、図51に示すように、前壁3Dから後壁3Aに向かって延びる溝状リブ6,7が上下壁(上壁3B及び下壁3C)に形成されており、その溝状リブ6,7の延び方向αを衝撃方向と同一方向にしている。その結果、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、その衝撃に対する剛性を高めつつ、且つ、溝状リブ6,7で衝撃を効果的に吸収することができる。なお、図51は、上壁3B側の溝状リブ6の延び方向αを示しているが、下壁3C側の溝状リブ7の延び方向αについても上壁3B側の溝状リブ6と同様である。
また、本実施形態の衝撃吸収体10を構成する前壁3Dは、図51に示すように、第1側壁4側と第2側壁5側とに連なってパーティングラインPLが延びており、前壁3Dの剛性を高めている。このため、前壁3Dで衝撃を受けた場合に、前壁3Dを割れ難くすることができる。また、前壁3Dにおいて、溝状リブ6,7は、溝状リブ6,7の底部からパーティングラインPLまでの距離が等しくなるように設けられている。このため、前壁3Dにおいて衝撃を受ける負荷点の箇所(打点位置)が理想の位置からずれたり、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度からずれたりした場合でも、所望の荷重を安定して維持し、所望の衝撃吸収量を確保することができる。
また、本実施形態の衝撃吸収体10の後壁3Aは、図52に示すように、取付対象物20に向かって突出した凸部30を有しており、その凸部30は、後壁3Aに形成されるパーティングラインPL(軸部71や取付部72が設けられる箇所)を挟んで上下(上壁3B側及び下壁3C側)に形成されている。これにより、後壁3Aを取付対象物20に取り付けた場合に、後壁3Aの上下(上壁3B側及び下壁3C側)に形成された凸部30が取付対象物20に当接し、本体3の支えになるため、衝撃吸収体10を倒れ難くし、衝撃吸収体10を取付対象物20に安定して固定することができる。また、前壁3Dで衝撃を受けた場合でも、後壁3Aの上下(上壁3B側及び下壁3C側)に形成された凸部30が取付対象物20に当接するため、衝撃吸収体10の上下方向への倒れを防止することができる。
なお、本実施形態の後壁3Aの上下に形成された凸部30は、図52に示すように、パーティングラインPL(軸部71や取付部72が設けられる箇所)から上下(上壁3B側及び下壁3C側)に離れるについて連続的に突出量が増加するように構成している。しかし、部分的に突出量が増加するように構成することも可能である。なお、突出量は、後壁3AにおいてパーティングラインPLが形成される箇所PL(O)と、凸部30が形成された箇所の頂点Hと、を結ぶ線L1と、衝撃吸収体10を成形する分割金型の型抜き方向L2と、のなす角度θ4が、0°〜4°の範囲になるようにすることが好ましい。なお、角度θ4が0°の場合は、突出量は0となる。パーティングラインPLを挟んで両端の突出量が全て0の場合は、後壁3Aの上下に形成される凸部30は、平坦になり、パーティングラインPLを挟んで上下の後壁3Aの表面が、同一平面上に位置することになる。この場合も、パーティングラインPLを挟んで上下の後壁3Aが取付対象物20に当接するため、衝撃吸収体10の上下方向への倒れを防止することができる。
また、本実施形態の溝状リブ6は、図52に示すように、対向する壁(上壁3B,下壁3C)から遠ざかる方向に凸になるように屈曲しており、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度と異なった場合でも、衝撃を吸収することができるようにしている。溝状リブ6の屈曲角度θ3は、1〜10°の範囲にすることが好ましい。
なお、図52に示す溝状リブ6は、対向する下壁3Cから遠ざかる方向(外側方向)に屈曲した形状で構成しているが、対向する下壁3Cに近づく方向(内側方向)に屈曲する形状で構成することも可能である。また、図52に示す溝状リブ6は、中央付近の溝状リブ6の深さh1よりも、後壁3A側の溝状リブ6の深さh2や前壁3D側の溝状リブ6の深さh3が深くなるような形状で構成している(h1<h2、且つ、h1<h3)。しかし、前壁3Dから中央付近までの溝状リブ6の深さを同じ深さh1にし、後壁3A側の溝状リブ6の深さh2を深くするような形状で構成することも可能である(h1<h2)。このように、前壁3Dと後壁3Aとを繋ぐ周囲壁である上壁3Bに設けられる溝状リブ6が屈曲していれば、その屈曲した箇所で衝撃を効果的に吸収することができる。なお、図52に示す溝状リブ6は、後壁3Aと前壁3Dとの中央付近において屈曲した構成例を示しているが、その屈曲する箇所は、中央付近に限定せず、任意の箇所で屈曲した構成例にすることも可能である。なお、下壁3C側に設けられる溝状リブ7についても、上述した上壁3B側に設けられる溝状リブ6と同様に屈曲して構成する。
なお、上述した衝撃吸収体10は、図44に示すように、上壁3B側に設ける溝状リブ6と下壁3C側に設ける溝状リブ7とが各々異なる位置になるように構成した。しかし、上壁3B側に設ける溝状リブ6と下壁3C側に設ける溝状リブ7とが同じ位置で互いに対向するように構成することも可能である。この構成の場合であっても、溝状リブ6,7は、溝状リブ6,7の底部からパーティングラインPLまでの距離が等しくなるように設けることが好ましい。これにより、前壁3Dにおいて衝撃を受ける箇所(打点位置)が理想の位置からずれたり、前壁3Dに進入する衝撃の進入角度が理想の進入角度と異なったりした場合でも、所望の荷重を安定して維持することができるため、所望の衝撃吸収量を確保することができる。
<本実施形態の衝撃吸収体10の作用・効果>
このように、本実施形態の衝撃吸収体10は、図44に示すように、衝撃を受ける前壁3Dと、前壁3Dと対向する後壁3Aと、前壁3Dと後壁3Aとの周囲を繋ぐ周囲壁(上壁3B,第1側壁4,下壁3C,第2側壁5)と、を有し、図49に示すように、取付対象物20に取り付けるための少なくとも1つの取付部(軸部71,取付部72)が後壁3Aと一体に形成されており、前壁3Dが受けた衝撃が後壁3Aを介して取付対象物20に伝わる、ことを特徴とする。
これにより、本実施形態の衝撃吸収体10は、取付部71,72が後壁3Aと一体に形成されているため、容易に取付可能であり、且つ、設置スペースを低減することができる。また、本実施形態の衝撃吸収体10は、ビスやネジなどの取付具を用いなくとも衝撃吸収体10を取付対象物20に取り付けることができるため、衝撃吸収体10の取付作業を容易にすることができる。
なお、上述する実施形態では、衝撃吸収体10の取付部72を取付対象物20に設けられた取付穴82に挿入することにした。しかし、取付対象物20の構成を自動車の部品に対して予め形成し、衝撃吸収体10を自動車の部品(取付対象物)に直接取り付けるようにすることも可能である。例えば、取付穴82を自動車の部品に対して予め形成し、衝撃吸収体10の取付部72を自動車の部品(取付対象物)に直接取り付けるようにすることも可能である。
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
なお、この出願は、2011年4月5日に出願した、日本特許出願番号2011-083970号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10 衝撃吸収体
2、8、9 中空部
3 本体
3A 後壁
3B 上壁
3C 下壁
3D 前壁
4 第1側壁
5 第2側壁
6、7 溝状リブ
6a、7a 第1の溝状リブ
6b、7b 第2の溝状リブ
6c、7c 連接部分
PL パーティングライン
CP コンプレッション部
11 第1の取付爪
11’、17 切り欠き部
12 第2の取付爪
13 第3の取付爪
14 中央板状部
14’ 連結部
15、16 両端板状部
20 取付対象物
21、22、23 穴
31、32 突起部
33、33’ 係止部
41、42 取付穴
43’ 係止穴
51 軸部
52、53 抜け防止部
54、55 係止部
61 軸穴
62、63 取付穴
64、65 係止穴
71 軸部
72 取付部
81 軸穴
82 取付穴
100 自動車

Claims (7)

  1. 衝撃を受ける前壁と、
    前記前壁と対向する後壁と、
    前記前壁と前記後壁との周囲を繋ぐ周囲壁と、を有し、
    取付対象物に取り付けるための少なくとも1つの取付部が前記後壁と一体に形成されており、
    前記前壁で受けた衝撃が前記後壁を介して前記取付対象物に伝わる、ことを特徴とする衝撃吸収体。
  2. 前記後壁の一端と他端とに連なってパーティングラインが延びており、前記パーティングライン上に前記取付部が形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の衝撃吸収体。
  3. 前記後壁の長手方向の一端から他端まで前記パーティングラインが延びており、
    前記パーティングライン上に形成されている少なくとも2つの前記取付部の位置は、前記後壁の短手方向において互いに異なる、ことを特徴とする請求項2記載の衝撃吸収体。
  4. 前記取付部は、
    中空状の第1の取付部と、中実状の第2の取付部と、を少なくとも有し、
    前記第1の取付部を起点として、前記第1の取付部を前記取付対象物に設けられた第1の取付穴に嵌め込むと共に、前記第2の取付部を前記取付対象物に設けられた第2の取付穴に嵌め込み、前記後壁を前記取付対象物に取り付ける、ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の衝撃吸収体。
  5. 前記第1の取付部は、切り欠き部を有し、
    前記第1の取付部を起点として、前記第1の取付部を前記第1の取付穴に挿入した際に、前記切り欠き部により、前記第1の取付部を前記第1の取付穴に引っ掛けた状態にし、前記第2の取付部を前記第2の取付穴に嵌め込み、前記後壁を前記取付対象物に取り付ける、ことを特徴とする請求項4記載の衝撃吸収体。
  6. 前記衝撃吸収体の本体は、中空状に成形されており、前記本体の中空部と前記第1の取付部の中空部とは一体になっている、ことを特徴とする請求項4または請求項5記載の衝撃吸収体。
  7. 前記取付部は、少なくとも2つの板状部で構成し、少なくとも2つの前記板状部は、前記板状部よりも薄肉で形成された連結部で連結しており、
    前記取付部を前記取付対象物に設けられた取付穴に嵌め込み、前記後壁を前記取付対象物に取り付ける、ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の衝撃吸収体。
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