JP2004231143A - 車両用衝撃吸収体 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両構成部材に内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生じず、しかも重ね合わせた複数個の衝撃吸収体間にずれが生じることがなく、衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を提供する。
【解決手段】車両用衝撃吸収体1は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するためのものである。車両用衝撃吸収体1は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製である。車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aの支持面5と他方の衝撃吸収体1bの当設面4を重ね合わせて構成する。一方の衝撃吸収体1aの当接面4と支持面5を繋ぐ側面10には連結片11を設ける。他方の衝撃吸収体1bの当接面4には連結片11を嵌合する凸部14を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】車両用衝撃吸収体1は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するためのものである。車両用衝撃吸収体1は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製である。車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aの支持面5と他方の衝撃吸収体1bの当設面4を重ね合わせて構成する。一方の衝撃吸収体1aの当接面4と支持面5を繋ぐ側面10には連結片11を設ける。他方の衝撃吸収体1bの当接面4には連結片11を嵌合する凸部14を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両構成部材、例えばドアあるいはボディーサイドパネル、ルーフパネル、ピラー、バンパーなどの車両構成部材に内設することによって搭乗者が車両構成部材の内壁へ衝突するような内部または他の車両との衝突のような外部からの衝撃を吸収するための車両用衝撃吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両用衝撃吸収体として、熱可塑性樹脂をブロー成形して中空二重壁構造で中空部を有し、その表面壁と裏面壁から凹状リブを形成してその互いの先端部を接合して一体化し、衝撃吸収性の向上を企図したものは、特許第3313999号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の車両用衝撃吸収体は、ドアあるいはボディーサイドパネルなどの車両構成部材に内設するものであるから、その内設部の厚みに応じたものを必要とするが、上記特許第3313999号公報に示すような車両用衝撃吸収体であって厚みが大きいものをブロー成形すると、パリソンの伸長率が部分的に高くなって肉厚が薄くなる部分を生じることが避け難く、所期の衝撃効果が得られないことが指摘されていた。
【0004】
そこで、本発明は、ブロー成形によって一体に成形され、かつ凹状リブを形成してなる衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成として、複数個の衝撃吸収体を結合一体化したものを車両構成部材に内設することにより、車両構成部材の厚みが大きい場合であっても、内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生ぜず、しかも重ね合わせた複数個の衝撃吸収体間にずれが生じないものとして、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の請求項1に係る車両用衝撃吸収体は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって、中空部を有する本体と、この本体の互いに対向する当接面および支持面をそれぞれ他方へ向けて窪ませて互いの先端部を接合させた対をなす凹状リブを形成してなり、この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成とし、少なくとも一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体の当接面と支持面を繋ぐ側面に連結片を設けて、この連結片を介して一方の衝撃吸収体を他方の衝撃吸収体に連結することを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明の請求項2に係る車両用衝撃吸収体は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって、中空部を有する本体と、この本体の当接面を対向する支持面方向へ向けて窪ませて先端部を支持面に接合させるか、または支持面を対向する当接面方向へ向けて窪ませて先端部を当接面に接合させた凹状リブを形成してなり、この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成とし、少なくとも一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体の当接面と支持面を繋ぐ側面に連結片を設けて、この連結片を介して一方の衝撃吸収体を他方の衝撃吸収体に連結することを特徴とするものである。
【0007】
さらに、本発明の請求項3に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1または2記載の構成において、一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片は、薄肉部を介して一方の衝撃吸収体の当接面と支持面を繋ぐ側面に一体に形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項4に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2または3記載の構成において、一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片は、パーティングライン近傍に形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項5に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2、3または4記載の構成において、一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片は、ブロー成形時に分割金型の合わせ面によって押圧形成された中実状であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項6に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2、3、4または5記載の構成において、一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片と他方の衝撃吸収体の当接面または一方の衝撃吸収体の支持面とが、嵌合固定されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項7に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2、3、4、5または6記載の構成において、一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片には、嵌合固定用の凹部または透孔が形成されており、他方の衝撃吸収体の当接面または一方の衝撃吸収体の支持面には前記凹部または透孔に対応した嵌合固定用の凸部を有することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項8に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2、3、4、5または6記載の構成において、一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片には、嵌合固定用の凸部が形成されており、他方の衝撃吸収体の当接面または一方の衝撃吸収体の支持面には前記凸部に対応した嵌合固定用の凹部または透孔を有することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項9に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2、3、4または5記載の構成において、一方の衝撃吸収体および他方の衝撃吸収体の当接面と支持面を繋ぐ側面に連結片を設けて、互いの連結片同士を固着させることにより一方の衝撃吸収体を他方の衝撃吸収体に連結することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の分解斜視図、図2は本発明の一実施の形態に係る連結片の拡大斜視図、図3は同上断面図、図4は車両用衝撃吸収体の断面図、図5は車両用衝撃吸収体を車両構成部材に内設した態様を示す断面図である。
【0015】
図1ないし図4において、1は車両用衝撃吸収体である。この車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bを重ね合わせて構成されている。その一方の衝撃吸収体1aは、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって中空部2を有する本体3の互いに対向する当接面4および支持面5の両方をそれぞれ他方へ向けて窪ませて形成された対をなす凹状リブ6,7を多数有しており、これら凹状リブ6,7の先端部が互いに当接して接合部8をなしている。他方の衝撃吸収体1bは、一方の衝撃吸収体1aと形状が異なるだけで同構成であるから、同構成部分には同符号を付して構成の説明を省略する。
【0016】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aの支持面5に他方の衝撃吸収体1bの当接面4を、それらの凹状リブ6,7が一連をなすように重ね合わせ、図5に示すように、車両構成部材9に内設して構成されるものである。なお、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bの重ね合わせは、車両構成部材9の形態に応じて任意である。
【0017】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1においては、それを構成する他方の衝撃吸収体1bの当接面4と支持面5を繋ぐ側面10に連結片11が薄肉部12を介して一体に設けられており、連結片11には透孔13を有している。一方の衝撃吸収体1aの支持面4には、上記連結片11の透孔13に対応する凸部14が形成されていて、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bは、他方の衝撃吸収体1bの連結片11の透孔13を一方の衝撃吸収体1aの凸部14に嵌合することにより一体に連結されるようになっている。
【0018】
一方の衝撃吸収体1aに設けた上記連結片11は、パーティングライン15の近傍に形成されており、ブロー成形時に分割金型の合わせ面によって押圧形成された中実状である。なお、他方の衝撃吸収体1aに設けた連結片11には、嵌合固定用の透孔13のほか凹部を形成して、一方の衝撃吸収体1aの支持面5には前記凹部に対応した凸部を形成したものとすることができる。また、他方の衝撃吸収体1bに設けた連結片11には、嵌合固定用の凸部を形成して、一方の衝撃吸収体1aの支持面5には前記凸部に対応した嵌合固定用の凹部または透孔を形成したものとすることもできる。
【0019】
一方の衝撃吸収体1aの支持面5の側に形成された凹状リブ6と他方の衝撃吸収体1bの当接面4の側に形成された凹状リブ7とは、複数個の凹状リブができるだけ多く一連をなすように重ね合わせることが必要であり、一連とは、互いの凹状リブ6、7が近接させた位置にあることをいい、できるだけ多くの凹状リブ6,7が近接するように重ね合わせるにより好適な衝撃吸収性を得ることができるが、本発明に係る車両用衝撃吸収体1においては、一方に衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bが前記のように連結片11を介して連結されるので、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bとの間にずれが生じず、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体1を得ることができる。
【0020】
また、連結片11を中実状に形成する場合、連結片11は分割金型の合わせ面で押圧形成されるが、車両用衝撃吸収体1はブロー成形により肉厚を均一に形成させるため、当接面4と支持面5から等しい距離となる面で分割金型の型合わせを行なう必要がある。このため、連結片11は重ね合わされた連結されるべき一方の衝撃吸収体1aから離れた位置である他方の衝撃吸収体1bの厚さ方向略中央に形成されるが、本発明に係る車両用衝撃吸収体1においては、連結片11は薄肉部12を介して一体に形成されているので、連結片11を薄肉部12より折り曲げて、連結されるべき一方の衝撃吸収体1aに近接させた状態で連結することができるので、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bとの間にずれが生じず、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体1を得ることができる。なお、連結片11と連結されるべき一方の衝撃吸収体1aは適宜、溶着、接着、ネジ止めなどの手段によって固定することが可能である。
【0021】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1おいては、それを構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bの凹状リブを、本体3の互いに対向する当接面4を支持面5方向へ向けて窪ませて先端部を支持面5に接合させるか、または支持面5を当接面4方向へ向けて窪ませて先端部を当接面4に接合させた構成とすることができる。なお、この構成については図示していない。
【0022】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタート等のポリエステル樹脂、ポリアミドなど、剛性等の機械的高度の大きい樹脂で構成する。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、ブロー成形によって一体に成形され、かつ凹状リブを形成してなる衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成として、複数個の衝撃吸収体を結合一体化したものを車両構成部材に内設することにより、車両構成部材の厚みが大きい場合であっても、内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生ぜず、しかも重ね合わせた複数個の衝撃吸収体間にずれが生じないものとして、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る連結片の拡大斜視図である。
【図3】同上断面図である。
【図4】車両用衝撃吸収体の断面図である。
【図5】車両用衝撃吸収体を車両構成部材に内設した態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 車両用衝撃吸収体
1a 一方の衝撃吸収体
1b 他方の衝撃吸収体
2 中空部
3 本体
4 当接面
5 支持面
6,7 凹状リブ
8 接合部
9 車両構成部材
10 側面
11 連結片
12 薄肉部
13 透孔
14 凸部
15 パーティングライン
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両構成部材、例えばドアあるいはボディーサイドパネル、ルーフパネル、ピラー、バンパーなどの車両構成部材に内設することによって搭乗者が車両構成部材の内壁へ衝突するような内部または他の車両との衝突のような外部からの衝撃を吸収するための車両用衝撃吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両用衝撃吸収体として、熱可塑性樹脂をブロー成形して中空二重壁構造で中空部を有し、その表面壁と裏面壁から凹状リブを形成してその互いの先端部を接合して一体化し、衝撃吸収性の向上を企図したものは、特許第3313999号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の車両用衝撃吸収体は、ドアあるいはボディーサイドパネルなどの車両構成部材に内設するものであるから、その内設部の厚みに応じたものを必要とするが、上記特許第3313999号公報に示すような車両用衝撃吸収体であって厚みが大きいものをブロー成形すると、パリソンの伸長率が部分的に高くなって肉厚が薄くなる部分を生じることが避け難く、所期の衝撃効果が得られないことが指摘されていた。
【0004】
そこで、本発明は、ブロー成形によって一体に成形され、かつ凹状リブを形成してなる衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成として、複数個の衝撃吸収体を結合一体化したものを車両構成部材に内設することにより、車両構成部材の厚みが大きい場合であっても、内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生ぜず、しかも重ね合わせた複数個の衝撃吸収体間にずれが生じないものとして、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の請求項1に係る車両用衝撃吸収体は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって、中空部を有する本体と、この本体の互いに対向する当接面および支持面をそれぞれ他方へ向けて窪ませて互いの先端部を接合させた対をなす凹状リブを形成してなり、この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成とし、少なくとも一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体の当接面と支持面を繋ぐ側面に連結片を設けて、この連結片を介して一方の衝撃吸収体を他方の衝撃吸収体に連結することを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明の請求項2に係る車両用衝撃吸収体は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって、中空部を有する本体と、この本体の当接面を対向する支持面方向へ向けて窪ませて先端部を支持面に接合させるか、または支持面を対向する当接面方向へ向けて窪ませて先端部を当接面に接合させた凹状リブを形成してなり、この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成とし、少なくとも一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体の当接面と支持面を繋ぐ側面に連結片を設けて、この連結片を介して一方の衝撃吸収体を他方の衝撃吸収体に連結することを特徴とするものである。
【0007】
さらに、本発明の請求項3に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1または2記載の構成において、一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片は、薄肉部を介して一方の衝撃吸収体の当接面と支持面を繋ぐ側面に一体に形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項4に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2または3記載の構成において、一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片は、パーティングライン近傍に形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項5に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2、3または4記載の構成において、一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片は、ブロー成形時に分割金型の合わせ面によって押圧形成された中実状であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項6に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2、3、4または5記載の構成において、一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片と他方の衝撃吸収体の当接面または一方の衝撃吸収体の支持面とが、嵌合固定されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項7に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2、3、4、5または6記載の構成において、一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片には、嵌合固定用の凹部または透孔が形成されており、他方の衝撃吸収体の当接面または一方の衝撃吸収体の支持面には前記凹部または透孔に対応した嵌合固定用の凸部を有することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項8に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2、3、4、5または6記載の構成において、一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片には、嵌合固定用の凸部が形成されており、他方の衝撃吸収体の当接面または一方の衝撃吸収体の支持面には前記凸部に対応した嵌合固定用の凹部または透孔を有することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項9に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2、3、4または5記載の構成において、一方の衝撃吸収体および他方の衝撃吸収体の当接面と支持面を繋ぐ側面に連結片を設けて、互いの連結片同士を固着させることにより一方の衝撃吸収体を他方の衝撃吸収体に連結することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の分解斜視図、図2は本発明の一実施の形態に係る連結片の拡大斜視図、図3は同上断面図、図4は車両用衝撃吸収体の断面図、図5は車両用衝撃吸収体を車両構成部材に内設した態様を示す断面図である。
【0015】
図1ないし図4において、1は車両用衝撃吸収体である。この車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bを重ね合わせて構成されている。その一方の衝撃吸収体1aは、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって中空部2を有する本体3の互いに対向する当接面4および支持面5の両方をそれぞれ他方へ向けて窪ませて形成された対をなす凹状リブ6,7を多数有しており、これら凹状リブ6,7の先端部が互いに当接して接合部8をなしている。他方の衝撃吸収体1bは、一方の衝撃吸収体1aと形状が異なるだけで同構成であるから、同構成部分には同符号を付して構成の説明を省略する。
【0016】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aの支持面5に他方の衝撃吸収体1bの当接面4を、それらの凹状リブ6,7が一連をなすように重ね合わせ、図5に示すように、車両構成部材9に内設して構成されるものである。なお、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bの重ね合わせは、車両構成部材9の形態に応じて任意である。
【0017】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1においては、それを構成する他方の衝撃吸収体1bの当接面4と支持面5を繋ぐ側面10に連結片11が薄肉部12を介して一体に設けられており、連結片11には透孔13を有している。一方の衝撃吸収体1aの支持面4には、上記連結片11の透孔13に対応する凸部14が形成されていて、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bは、他方の衝撃吸収体1bの連結片11の透孔13を一方の衝撃吸収体1aの凸部14に嵌合することにより一体に連結されるようになっている。
【0018】
一方の衝撃吸収体1aに設けた上記連結片11は、パーティングライン15の近傍に形成されており、ブロー成形時に分割金型の合わせ面によって押圧形成された中実状である。なお、他方の衝撃吸収体1aに設けた連結片11には、嵌合固定用の透孔13のほか凹部を形成して、一方の衝撃吸収体1aの支持面5には前記凹部に対応した凸部を形成したものとすることができる。また、他方の衝撃吸収体1bに設けた連結片11には、嵌合固定用の凸部を形成して、一方の衝撃吸収体1aの支持面5には前記凸部に対応した嵌合固定用の凹部または透孔を形成したものとすることもできる。
【0019】
一方の衝撃吸収体1aの支持面5の側に形成された凹状リブ6と他方の衝撃吸収体1bの当接面4の側に形成された凹状リブ7とは、複数個の凹状リブができるだけ多く一連をなすように重ね合わせることが必要であり、一連とは、互いの凹状リブ6、7が近接させた位置にあることをいい、できるだけ多くの凹状リブ6,7が近接するように重ね合わせるにより好適な衝撃吸収性を得ることができるが、本発明に係る車両用衝撃吸収体1においては、一方に衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bが前記のように連結片11を介して連結されるので、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bとの間にずれが生じず、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体1を得ることができる。
【0020】
また、連結片11を中実状に形成する場合、連結片11は分割金型の合わせ面で押圧形成されるが、車両用衝撃吸収体1はブロー成形により肉厚を均一に形成させるため、当接面4と支持面5から等しい距離となる面で分割金型の型合わせを行なう必要がある。このため、連結片11は重ね合わされた連結されるべき一方の衝撃吸収体1aから離れた位置である他方の衝撃吸収体1bの厚さ方向略中央に形成されるが、本発明に係る車両用衝撃吸収体1においては、連結片11は薄肉部12を介して一体に形成されているので、連結片11を薄肉部12より折り曲げて、連結されるべき一方の衝撃吸収体1aに近接させた状態で連結することができるので、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bとの間にずれが生じず、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体1を得ることができる。なお、連結片11と連結されるべき一方の衝撃吸収体1aは適宜、溶着、接着、ネジ止めなどの手段によって固定することが可能である。
【0021】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1おいては、それを構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bの凹状リブを、本体3の互いに対向する当接面4を支持面5方向へ向けて窪ませて先端部を支持面5に接合させるか、または支持面5を当接面4方向へ向けて窪ませて先端部を当接面4に接合させた構成とすることができる。なお、この構成については図示していない。
【0022】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタート等のポリエステル樹脂、ポリアミドなど、剛性等の機械的高度の大きい樹脂で構成する。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、ブロー成形によって一体に成形され、かつ凹状リブを形成してなる衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成として、複数個の衝撃吸収体を結合一体化したものを車両構成部材に内設することにより、車両構成部材の厚みが大きい場合であっても、内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生ぜず、しかも重ね合わせた複数個の衝撃吸収体間にずれが生じないものとして、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る連結片の拡大斜視図である。
【図3】同上断面図である。
【図4】車両用衝撃吸収体の断面図である。
【図5】車両用衝撃吸収体を車両構成部材に内設した態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 車両用衝撃吸収体
1a 一方の衝撃吸収体
1b 他方の衝撃吸収体
2 中空部
3 本体
4 当接面
5 支持面
6,7 凹状リブ
8 接合部
9 車両構成部材
10 側面
11 連結片
12 薄肉部
13 透孔
14 凸部
15 パーティングライン
Claims (9)
- 車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、
衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって、中空部を有する本体と、この本体の互いに対向する当接面および支持面をそれぞれ他方へ向けて窪ませて互いの先端部を接合させた対をなす凹状リブを形成してなり、
この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成とし、
少なくとも一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体の当接面と支持面を繋ぐ側面に連結片を設けて、この連結片を介して一方の衝撃吸収体を他方の衝撃吸収体に連結する
ことを特徴とする車両用衝撃吸収体。 - 車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、
衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって、中空部を有する本体と、この本体の当接面を対向する支持面方向へ向けて窪ませて先端部を支持面に接合させるか、または支持面を対向する当接面方向へ向けて窪ませて先端部を当接面に接合させた凹状リブを形成してなり、
この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成とし、
少なくとも一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体の当接面と支持面を繋ぐ側面に連結片を設けて、この連結片を介して一方の衝撃吸収体を他方の衝撃吸収体に連結する
ことを特徴とする車両用衝撃吸収体。 - 一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片は、薄肉部を介して一方の衝撃吸収体の当接面と支持面を繋ぐ側面に一体に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の車両用衝撃吸収体。
- 一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片は、パーティングライン近傍に形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の車両用衝撃吸収体。
- 一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片は、ブロー成形時に分割金型の合わせ面によって押圧形成された中実状であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の車両用衝撃吸収体。
- 一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片と他方の衝撃吸収体の当接面または一方の衝撃吸収体の支持面とが、嵌合固定されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の車両用衝撃吸収体。
- 一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片には、嵌合固定用の凹部または透孔が形成されており、他方の衝撃吸収体の当接面または一方の衝撃吸収体の支持面には前記凹部または透孔に対応した嵌合固定用の凸部を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の車両用衝撃吸収体。
- 一方の衝撃吸収体または他方の衝撃吸収体に設けた連結片には、嵌合固定用の凸部が形成されており、他方の衝撃吸収体の当接面または一方の衝撃吸収体の支持面には前記凸部に対応した嵌合固定用の凹部または透孔を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の車両用衝撃吸収体。
- 一方の衝撃吸収体および他方の衝撃吸収体の当接面と支持面を繋ぐ側面に連結片を設けて、互いの連結片同士を固着させることにより一方の衝撃吸収体を他方の衝撃吸収体に連結することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の車両用衝撃吸収体。
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