JP2004149075A - 車両用衝撃吸収体 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両構成部材に内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生じず、衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を提供する。
【解決手段】車両用衝撃吸収体1は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するためのものである。車両用衝撃吸収体1は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製である。車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aの支持面5と他方の衝撃吸収体1bの当設面4をを重ね合わせて構成する。車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタート等のポリエステル樹脂、ポリアミド等、機械的高度の大きい樹脂で構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】車両用衝撃吸収体1は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するためのものである。車両用衝撃吸収体1は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製である。車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aの支持面5と他方の衝撃吸収体1bの当設面4をを重ね合わせて構成する。車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタート等のポリエステル樹脂、ポリアミド等、機械的高度の大きい樹脂で構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両構成部材、例えばドアあるいはボディーサイドパネルなどの車両構成部材に内設することによって搭乗者が車両構成部材の内壁へ衝突するような内部または他の車両との衝突のような外部からの衝撃を吸収するための車両用衝撃吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両用衝撃吸収体として、熱可塑性樹脂をブロー成形して中空二重壁構造で中空部を有し、その表面壁と裏面壁から凹状リブを形成してその互いの先端部を接合して一体化し、衝撃吸収性の向上を企図したものは、特許第3313999号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の車両用衝撃吸収体は、ドアあるいはボディーサイドパネルなどの車両構成部材に内設するものであるから、その内設部の厚みに応じたものを必要とするが、上記特許第3313999号公報に示すような車両用衝撃吸収体であって厚みが大きいものをブロー成形すると、例えば図6に示すように、特に凹状リブaが形成される部分bのパリソンの伸長率が部分的に高くなって肉厚が薄くなる部分は生じることが避け難く、所期の衝撃効果が得られないことが指摘されていた。
【0004】
そこで、本発明は、ブロー成形によって一体に成形され、かつ凹状リブを形成してなる衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせて前記車両構成部材に内設することにより、車両構成部材の厚みが大きい場合であっても、内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生じない衝撃吸収体を得て、その衝撃吸収体の重ね合わせで全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の請求項1に係る車両用衝撃吸収体は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって中空部を有する本体と、この本体の互いに対向する当接面および支持面をそれぞれ他方へ向けて窪ませて互いの先端部を接合させた対をなす凹状リブを形成してなり、この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせて前記車両構成部材に内設してなる
ことを特徴とするものである。
【0006】
本発明の請求項2に係る車両用衝撃吸収体は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって中空部を有する本体と、この本体の当接面を対向する支持面方向へ向けて窪ませて先端部を支持面に接合させるか、または支持面を対向する当接面方向へ向けて窪ませて先端部を当接面に接合させた凹状リブを形成してなり、この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせて前記車両構成部材に内設してなることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項3に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1または2記載の車両用衝撃吸収体において、一方の衝撃吸収体の支持面の凹状リブと、他方の衝撃吸収体の当設面の凹状リブが一連になるように一方および他方の衝撃吸収体を重ね合わせることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項4に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2または3記載の車両用衝撃吸収体において、一方の衝撃吸収体と他方の衝撃吸収体とが薄肉部によって連結されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項5に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2、3または4記載の車両用衝撃吸収体において、一方に衝撃吸収体と他方の衝撃吸収体とが異なる大きさであることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の一部破断斜視図、図2は本発明の他の実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の斜視図、図3は図2のA−A線拡大断面図、図4は本発明のさらに他の実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の断面図、図5は本発明に係る車両用衝撃吸収体を車両構成部材に内設した態様を示す断面図である。
【0011】
図1において、1は車両用衝撃吸収体である。この車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bを重ね合わせて構成されている。その一方の衝撃吸収体1aは、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって中空部2を有する本体3の互いに対向する当接面4および支持面5の両方をそれぞれ他方へ向けて窪ませて形成された対をなす凹状リブ6,7を多数有しており、これら凹状リブ6,7の先端部が互いに当接して接合部8をなしている。他方の衝撃吸収体1bは、一方の衝撃吸収体1aと同構成であるから、同構成部分には同符号を付して説明を省略する。
【0012】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aの支持面5に他方の衝撃吸収体1bの当接面4を、それらの凹状リブ6,7が一連をなすように重ね合わせ、図5に示すように、車両構成部材9に内設して構成されるものである。なお、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bの重ね合わせは、車両構成部材9の形態に応じて任意であり、例えば図5に示す実施の態様では、図2および図3に示すように、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bを重ね合わせた部分と、一方の衝撃吸収体1aのみを用いた部分とで構成してある。図5において10は他部材である。
【0013】
一方の衝撃吸収体1aの支持面5の側に形成された凹状リブ6と他方の衝撃吸収体2aの当接面4の側に形成された凹状リブ7とは、複数個の凹状リブができるだけ多く一連をなすように重ね合わせられることが必要で、一連とは、互いの凹状リブ6、7が近接させた位置にあることをいい、できるだけ多くの凹状リブ6,7が近接するように重ね合わせるにより好適な衝撃吸収性を得ることができる。
【0014】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、凹状リブを、本体3の互いに対向する当接面4を支持面5方向へ向けて窪ませて先端部を支持面5に接合させるか、または支持面5を当接面4方向へ向けて窪ませて先端部を当接面4に接合させた構成とすることができる。なお、この構成については図示していない。
【0015】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、図2および図3に示すように、一方の衝撃吸収体1aを他方の衝撃吸収体1bよりやや小形に構成することができる。このように一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bの形状を異なったものとすることにより、車両構成部材9の形態に応じ、特に他部材10が車両構成部材内にある場合であっても好適に配置することが可能であり、またそれらを重ね合わせたものに変化に富んだ衝撃吸収性をもたせることができ、車両への側面衝突時には、他方の衝撃吸収体1bが車両内方へ押し出され、一方の衝撃吸収体1の側から搭乗者が衝突するため、複数個重ね合わされた衝撃吸収体1の厚さ分が有効に衝撃吸収するようになり、車両における複雑な衝撃吸収にも対応できるものとすることができる。
【0016】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1は、図4に示すように、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bとを薄肉部11によって連結したものとすることができる。この薄肉部11はヒンジとなって一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bの積み重ねを妨げずに、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bを一体状に保つことができるものである。
【0017】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタート等のポリエステル樹脂、ポリアミドなど、剛性等の機械的高度の大きい樹脂で構成する。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、ブロー成形によって一体に成形され、かつ凹状リブを形成してなる衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせて前記車両構成部材に内設することにより、車両構成部材の厚みが大きい場合であっても、内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生じない衝撃吸収体を得て、その衝撃吸収体の重ね合わせで全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の一部破断斜視図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の斜視図である。
【図3】図2のA−A線拡大断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の断面図である。
【図5】本発明に係る車両用衝撃吸収体を車両構成部材に内設した態様を示す断面図である。
【図6】従来の車両用衝撃吸収体の断面図である。
【符号の説明】
1 車両用衝撃吸収体
1a 一方の衝撃吸収体
1b 他方の衝撃吸収体
2 中空部
3 本体
4 当接面
5 支持面
6,7 凹状リブ
8 接合部
9 車両構成部材
10 他部材
11 薄肉部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両構成部材、例えばドアあるいはボディーサイドパネルなどの車両構成部材に内設することによって搭乗者が車両構成部材の内壁へ衝突するような内部または他の車両との衝突のような外部からの衝撃を吸収するための車両用衝撃吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両用衝撃吸収体として、熱可塑性樹脂をブロー成形して中空二重壁構造で中空部を有し、その表面壁と裏面壁から凹状リブを形成してその互いの先端部を接合して一体化し、衝撃吸収性の向上を企図したものは、特許第3313999号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の車両用衝撃吸収体は、ドアあるいはボディーサイドパネルなどの車両構成部材に内設するものであるから、その内設部の厚みに応じたものを必要とするが、上記特許第3313999号公報に示すような車両用衝撃吸収体であって厚みが大きいものをブロー成形すると、例えば図6に示すように、特に凹状リブaが形成される部分bのパリソンの伸長率が部分的に高くなって肉厚が薄くなる部分は生じることが避け難く、所期の衝撃効果が得られないことが指摘されていた。
【0004】
そこで、本発明は、ブロー成形によって一体に成形され、かつ凹状リブを形成してなる衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせて前記車両構成部材に内設することにより、車両構成部材の厚みが大きい場合であっても、内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生じない衝撃吸収体を得て、その衝撃吸収体の重ね合わせで全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の請求項1に係る車両用衝撃吸収体は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって中空部を有する本体と、この本体の互いに対向する当接面および支持面をそれぞれ他方へ向けて窪ませて互いの先端部を接合させた対をなす凹状リブを形成してなり、この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせて前記車両構成部材に内設してなる
ことを特徴とするものである。
【0006】
本発明の請求項2に係る車両用衝撃吸収体は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって中空部を有する本体と、この本体の当接面を対向する支持面方向へ向けて窪ませて先端部を支持面に接合させるか、または支持面を対向する当接面方向へ向けて窪ませて先端部を当接面に接合させた凹状リブを形成してなり、この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせて前記車両構成部材に内設してなることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項3に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1または2記載の車両用衝撃吸収体において、一方の衝撃吸収体の支持面の凹状リブと、他方の衝撃吸収体の当設面の凹状リブが一連になるように一方および他方の衝撃吸収体を重ね合わせることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項4に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2または3記載の車両用衝撃吸収体において、一方の衝撃吸収体と他方の衝撃吸収体とが薄肉部によって連結されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項5に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2、3または4記載の車両用衝撃吸収体において、一方に衝撃吸収体と他方の衝撃吸収体とが異なる大きさであることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の一部破断斜視図、図2は本発明の他の実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の斜視図、図3は図2のA−A線拡大断面図、図4は本発明のさらに他の実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の断面図、図5は本発明に係る車両用衝撃吸収体を車両構成部材に内設した態様を示す断面図である。
【0011】
図1において、1は車両用衝撃吸収体である。この車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bを重ね合わせて構成されている。その一方の衝撃吸収体1aは、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって中空部2を有する本体3の互いに対向する当接面4および支持面5の両方をそれぞれ他方へ向けて窪ませて形成された対をなす凹状リブ6,7を多数有しており、これら凹状リブ6,7の先端部が互いに当接して接合部8をなしている。他方の衝撃吸収体1bは、一方の衝撃吸収体1aと同構成であるから、同構成部分には同符号を付して説明を省略する。
【0012】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aの支持面5に他方の衝撃吸収体1bの当接面4を、それらの凹状リブ6,7が一連をなすように重ね合わせ、図5に示すように、車両構成部材9に内設して構成されるものである。なお、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bの重ね合わせは、車両構成部材9の形態に応じて任意であり、例えば図5に示す実施の態様では、図2および図3に示すように、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bを重ね合わせた部分と、一方の衝撃吸収体1aのみを用いた部分とで構成してある。図5において10は他部材である。
【0013】
一方の衝撃吸収体1aの支持面5の側に形成された凹状リブ6と他方の衝撃吸収体2aの当接面4の側に形成された凹状リブ7とは、複数個の凹状リブができるだけ多く一連をなすように重ね合わせられることが必要で、一連とは、互いの凹状リブ6、7が近接させた位置にあることをいい、できるだけ多くの凹状リブ6,7が近接するように重ね合わせるにより好適な衝撃吸収性を得ることができる。
【0014】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、凹状リブを、本体3の互いに対向する当接面4を支持面5方向へ向けて窪ませて先端部を支持面5に接合させるか、または支持面5を当接面4方向へ向けて窪ませて先端部を当接面4に接合させた構成とすることができる。なお、この構成については図示していない。
【0015】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、図2および図3に示すように、一方の衝撃吸収体1aを他方の衝撃吸収体1bよりやや小形に構成することができる。このように一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bの形状を異なったものとすることにより、車両構成部材9の形態に応じ、特に他部材10が車両構成部材内にある場合であっても好適に配置することが可能であり、またそれらを重ね合わせたものに変化に富んだ衝撃吸収性をもたせることができ、車両への側面衝突時には、他方の衝撃吸収体1bが車両内方へ押し出され、一方の衝撃吸収体1の側から搭乗者が衝突するため、複数個重ね合わされた衝撃吸収体1の厚さ分が有効に衝撃吸収するようになり、車両における複雑な衝撃吸収にも対応できるものとすることができる。
【0016】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1は、図4に示すように、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bとを薄肉部11によって連結したものとすることができる。この薄肉部11はヒンジとなって一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bの積み重ねを妨げずに、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bを一体状に保つことができるものである。
【0017】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタート等のポリエステル樹脂、ポリアミドなど、剛性等の機械的高度の大きい樹脂で構成する。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、ブロー成形によって一体に成形され、かつ凹状リブを形成してなる衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせて前記車両構成部材に内設することにより、車両構成部材の厚みが大きい場合であっても、内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生じない衝撃吸収体を得て、その衝撃吸収体の重ね合わせで全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の一部破断斜視図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の斜視図である。
【図3】図2のA−A線拡大断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の断面図である。
【図5】本発明に係る車両用衝撃吸収体を車両構成部材に内設した態様を示す断面図である。
【図6】従来の車両用衝撃吸収体の断面図である。
【符号の説明】
1 車両用衝撃吸収体
1a 一方の衝撃吸収体
1b 他方の衝撃吸収体
2 中空部
3 本体
4 当接面
5 支持面
6,7 凹状リブ
8 接合部
9 車両構成部材
10 他部材
11 薄肉部
Claims (5)
- 車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、
衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって中空部を有する本体と、この本体の互いに対向する当接面および支持面をそれぞれ他方へ向けて窪ませて互いの先端部を接合させた対をなす凹状リブを形成してなり、
この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせて前記車両構成部材に内設してなる
ことを特徴とする車両用衝撃吸収体。 - 車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、
衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって中空部を有する本体と、この本体の当接面を対向する支持面方向へ向けて窪ませて先端部を支持面に接合させるか、または支持面を対向する当接面方向へ向けて窪ませて先端部を当接面に接合させた凹状リブを形成してなり、
この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせて前記車両構成部材に内設してなる
ことを特徴とする車両用衝撃吸収体。 - 一方の衝撃吸収体の支持面の凹状リブと、他方の衝撃吸収体の当設面の凹状リブが一連になるように一方および他方の衝撃吸収体を重ね合わせることを特徴とする請求項1または2記載の車両用衝撃吸収体。
- 一方の衝撃吸収体と他方の衝撃吸収体とが薄肉部によって連結されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の車両用衝撃吸収体。
- 一方に衝撃吸収体と他方の衝撃吸収体とが異なる大きさであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の車両用衝撃吸収体。
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JP2004149075A true JP2004149075A (ja) | 2004-05-27 |
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JP (1) | JP2004149075A (ja) |
Cited By (5)
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