JP2004232827A - 車両用衝撃吸収体 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両構成部材に内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生じず、しかも重ね合わせた複数個の衝撃吸収体間にずれが生じることがなく、衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を提供する。
【解決手段】車両用衝撃吸収体1は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するためのものである。車両用衝撃吸収体1は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製である。車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aの支持面5と他方の衝撃吸収体1bの当設面4を重ね合わせて構成する。一方の衝撃吸収体1aの支持面5には嵌合凸部10を形成し、かつ他方の衝撃吸収体1bには嵌合凸部10に対応する嵌合受け部11を形成して、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bとを嵌合により結合一体化する。
【選択図】 図1
【解決手段】車両用衝撃吸収体1は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するためのものである。車両用衝撃吸収体1は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製である。車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aの支持面5と他方の衝撃吸収体1bの当設面4を重ね合わせて構成する。一方の衝撃吸収体1aの支持面5には嵌合凸部10を形成し、かつ他方の衝撃吸収体1bには嵌合凸部10に対応する嵌合受け部11を形成して、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bとを嵌合により結合一体化する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両構成部材、例えばドアあるいはボディーサイドパネル、ルーフパネル、ピラー、バンパーなどの車両構成部材に内設することによって搭乗者が車両構成部材の内壁へ衝突するような内部または他の車両との衝突のような外部からの衝撃を吸収するための車両用衝撃吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両用衝撃吸収体として、熱可塑性樹脂をブロー成形して中空二重壁構造で中空部を有し、その表面壁と裏面壁から凹状リブを形成してその互いの先端部を接合して一体化し、衝撃吸収性の向上を企図したものは、特許第3313999号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の車両用衝撃吸収体は、ドアあるいはボディーサイドパネルなどの車両構成部材に内設するものであるから、その内設部の厚みに応じたものを必要とするが、上記特許第3313999号公報に示すような車両用衝撃吸収体であって厚みが大きいものをブロー成形すると、パリソンの伸長率が部分的に高くなって肉厚が薄くなる部分を生じることが避け難く、所期の衝撃効果が得られないことが指摘されていた。
【0004】
そこで、本発明は、ブロー成形によって一体に成形され、かつ凹状リブを形成してなる衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成として、複数個の衝撃吸収体を結合一体化したものを車両構成部材に内設することにより、車両構成部材の厚みが大きい場合であっても、内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生ぜず、しかも重ね合わせた複数個の衝撃吸収体間にずれが生じないものとして、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の請求項1に係る車両用衝撃吸収体は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって、中空部を有する本体と、この本体の互いに対向する当接面および支持面をそれぞれ他方へ向けて窪ませて互いの先端部を接合させた対をなす凹状リブを形成してなり、この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成とし、少なくとも一方の衝撃吸収体の支持面または他方の衝撃吸収体の当接面には嵌合凸部を形成し、かつ他方の衝撃吸収体または一方の衝撃吸収体には上記嵌合凸部に対応する嵌合受け部を形成したことを特徴とするものである。
【0006】
本発明の請求項2に係る車両用衝撃吸収体は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって、中空部を有する本体と、この本体の当接面を対向する支持面方向へ向けて窪ませて先端部を支持面に接合させるか、または支持面を対向する当接面方向へ向けて窪ませて先端部を当接面に接合させた凹状リブを形成してなり、この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成とし、少なくとも一方の衝撃吸収体の支持面または他方の衝撃吸収体の当接面には嵌合凸部を形成し、かつ他方の衝撃吸収体または一方の衝撃吸収体には上記嵌合凸部に対応する嵌合受け部を形成したことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の請求項3に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1または2記載の構成において、他方の衝撃吸収体または一方の衝撃吸収体の嵌合受け部は、他方の衝撃吸収体の当接面または一方の衝撃吸収体の支持面に形成された凹部であることを特徴とするものである。
【0008】
さらに、本発明の請求項4に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2または3記載の構成において、他方の衝撃吸収体または一方の衝撃吸収体の嵌合受け部は透孔であることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の分解斜視図、図2は車両用衝撃吸収体を構成する他方の衝撃吸収体の裏面図、図3は車両用衝撃吸収体を構成する一方および他方の衝撃吸収体の一部を示す分解断面図、図4は同上他の形態を示す一部の斜視図、図5は車両用衝撃吸収体の断面図、図6は車両用衝撃吸収体を車両構成部材に内設した態様を示す断面図である。
【0010】
図1ないし図5において、1は車両用衝撃吸収体である。この車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bを重ね合わせて構成されている。その一方の衝撃吸収体1aは、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって中空部2を有する本体3の互いに対向する当接面4および支持面5の両方をそれぞれ他方へ向けて窪ませて形成された対をなす凹状リブ6,7を多数有しており、これら凹状リブ6,7の先端部が互いに当接して接合部8をなしている。他方の衝撃吸収体1bは、一方の衝撃吸収体1aと形状が異なるだけで同構成であるから、同構成部分には同符号を付して構成の説明を省略する。
【0011】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aの支持面5に他方の衝撃吸収体1bの当接面4を、それらの凹状リブ6,7が一連をなすように重ね合わせ、図6に示すように、車両構成部材9に内設して構成されるものである。なお、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bの重ね合わせは、車両構成部材9の形態に応じて任意である。
【0012】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1においては、それを構成する一方の衝撃吸収体1aの支持面5に嵌合凸部10が形成されており、他方の衝撃吸収体1bの当接面4に上記嵌合凸部10に対応する嵌合受け部11が形成されていて、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bを重ね合わせて、一方の衝撃吸収体1aの支持面5の嵌合凸部10を、他方の衝撃吸収体1bの当接面4の嵌合受け部11に嵌合することにより、一方の衝撃吸収体1aに他方の衝撃吸収体1bを結合して、一体状の車両用衝撃吸収体1が構成される。
【0013】
他方の衝撃吸収体1bの当接面4に形成する嵌合受け部11は、図3に示すように当接面4に形成した凹部12であるが、他方の衝撃吸収体1bには、図4に示すように突出片13に透孔14を形成したものであってもよい。
【0014】
一方の衝撃吸収体1aの支持面5の側に形成された凹状リブ6と他方の衝撃吸収体1bの当接面4の側に形成された凹状リブ7とは、複数個の凹状リブができるだけ多く一連をなすように重ね合わせることが必要であり、一連とは、互いの凹状リブ6、7が近接させた位置にあることをいい、できるだけ多くの凹状リブ6,7が近接するように重ね合わせることにより好適な衝撃吸収性を得ることができるが、本発明に係る車両用衝撃吸収体1においては、一方に衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bが前記のように嵌合凸部10と嵌合受け部11により嵌合により結合されるので、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bとの間にずれが生じず、所定の位置において互いに重ね合わせることができ、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体1を得ることができる。
【0015】
なお、嵌合凸部10と嵌合受け部11によって結合一体化された一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bはさらに溶着、接着、ネジ止めなどの手段によって固定することが可能である。
【0016】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1おいては、それを構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bの凹状リブを、本体3の互いに対向する当接面4を支持面5方向へ向けて窪ませて先端部を支持面5に接合させるか、または支持面5を当接面4方向へ向けて窪ませて先端部を当接面4に接合させた構成とすることができる。なお、この構成については図示していない。
【0017】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、図2および図3に示すように、一方の衝撃吸収体1aを他方の衝撃吸収体1bよりやや小形に構成することができる。このように一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bの形状を異なったものとすることにより、車両構成部材9の形態に応じ、特に他部材10が車両構成部材内にある場合であっても好適に配置することが可能であり、またそれらを重ね合わせたものに変化に富んだ衝撃吸収性をもたせることができ、車両への側面衝突時には、他方の衝撃吸収体1bが車両内方へ押し出され、一方の衝撃吸収体1の側から搭乗者が衝突するため、複数個重ね合わされた衝撃吸収体1の厚さ分が有効に衝撃吸収するようになり、車両における複雑な衝撃吸収にも対応できるものとすることができる。
【0018】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタート等のポリエステル樹脂、ポリアミドなど、剛性等の機械的高度の大きい樹脂で構成する。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、ブロー成形によって一体に成形され、かつ凹状リブを形成してなる衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成として、複数個の衝撃吸収体を結合一体化したものを車両構成部材に内設することにより、車両構成部材の厚みが大きい場合であっても、内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生ぜず、しかも重ね合わせた複数個の衝撃吸収体間にずれが生じないものとして、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の分解斜視図である。
【図2】車両用衝撃吸収体を構成する他方の衝撃吸収体の裏面図である。
【図3】車両用衝撃吸収体を構成する一方および他方の衝撃吸収体の一部を示す分解断面図である。
【図4】同上他の形態を示す一部の斜視図である。
【図5】車両用衝撃吸収体の断面図である。
【図6】車両用衝撃吸収体を車両構成部材に内設した態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 車両用衝撃吸収体
1a 一方の衝撃吸収体
1b 他方の衝撃吸収体
2 中空部
3 本体
4 当接面
5 支持面
6,7 凹状リブ
8 接合部
9 車両構成部材
10 嵌合凸部
11 嵌合受け部
12 凹部
13 突出片
14 透孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両構成部材、例えばドアあるいはボディーサイドパネル、ルーフパネル、ピラー、バンパーなどの車両構成部材に内設することによって搭乗者が車両構成部材の内壁へ衝突するような内部または他の車両との衝突のような外部からの衝撃を吸収するための車両用衝撃吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両用衝撃吸収体として、熱可塑性樹脂をブロー成形して中空二重壁構造で中空部を有し、その表面壁と裏面壁から凹状リブを形成してその互いの先端部を接合して一体化し、衝撃吸収性の向上を企図したものは、特許第3313999号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の車両用衝撃吸収体は、ドアあるいはボディーサイドパネルなどの車両構成部材に内設するものであるから、その内設部の厚みに応じたものを必要とするが、上記特許第3313999号公報に示すような車両用衝撃吸収体であって厚みが大きいものをブロー成形すると、パリソンの伸長率が部分的に高くなって肉厚が薄くなる部分を生じることが避け難く、所期の衝撃効果が得られないことが指摘されていた。
【0004】
そこで、本発明は、ブロー成形によって一体に成形され、かつ凹状リブを形成してなる衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成として、複数個の衝撃吸収体を結合一体化したものを車両構成部材に内設することにより、車両構成部材の厚みが大きい場合であっても、内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生ぜず、しかも重ね合わせた複数個の衝撃吸収体間にずれが生じないものとして、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の請求項1に係る車両用衝撃吸収体は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって、中空部を有する本体と、この本体の互いに対向する当接面および支持面をそれぞれ他方へ向けて窪ませて互いの先端部を接合させた対をなす凹状リブを形成してなり、この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成とし、少なくとも一方の衝撃吸収体の支持面または他方の衝撃吸収体の当接面には嵌合凸部を形成し、かつ他方の衝撃吸収体または一方の衝撃吸収体には上記嵌合凸部に対応する嵌合受け部を形成したことを特徴とするものである。
【0006】
本発明の請求項2に係る車両用衝撃吸収体は、車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって、中空部を有する本体と、この本体の当接面を対向する支持面方向へ向けて窪ませて先端部を支持面に接合させるか、または支持面を対向する当接面方向へ向けて窪ませて先端部を当接面に接合させた凹状リブを形成してなり、この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成とし、少なくとも一方の衝撃吸収体の支持面または他方の衝撃吸収体の当接面には嵌合凸部を形成し、かつ他方の衝撃吸収体または一方の衝撃吸収体には上記嵌合凸部に対応する嵌合受け部を形成したことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の請求項3に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1または2記載の構成において、他方の衝撃吸収体または一方の衝撃吸収体の嵌合受け部は、他方の衝撃吸収体の当接面または一方の衝撃吸収体の支持面に形成された凹部であることを特徴とするものである。
【0008】
さらに、本発明の請求項4に係る車両用衝撃吸収体は、請求項1、2または3記載の構成において、他方の衝撃吸収体または一方の衝撃吸収体の嵌合受け部は透孔であることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の分解斜視図、図2は車両用衝撃吸収体を構成する他方の衝撃吸収体の裏面図、図3は車両用衝撃吸収体を構成する一方および他方の衝撃吸収体の一部を示す分解断面図、図4は同上他の形態を示す一部の斜視図、図5は車両用衝撃吸収体の断面図、図6は車両用衝撃吸収体を車両構成部材に内設した態様を示す断面図である。
【0010】
図1ないし図5において、1は車両用衝撃吸収体である。この車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bを重ね合わせて構成されている。その一方の衝撃吸収体1aは、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって中空部2を有する本体3の互いに対向する当接面4および支持面5の両方をそれぞれ他方へ向けて窪ませて形成された対をなす凹状リブ6,7を多数有しており、これら凹状リブ6,7の先端部が互いに当接して接合部8をなしている。他方の衝撃吸収体1bは、一方の衝撃吸収体1aと形状が異なるだけで同構成であるから、同構成部分には同符号を付して構成の説明を省略する。
【0011】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1は、一方の衝撃吸収体1aの支持面5に他方の衝撃吸収体1bの当接面4を、それらの凹状リブ6,7が一連をなすように重ね合わせ、図6に示すように、車両構成部材9に内設して構成されるものである。なお、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bの重ね合わせは、車両構成部材9の形態に応じて任意である。
【0012】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1においては、それを構成する一方の衝撃吸収体1aの支持面5に嵌合凸部10が形成されており、他方の衝撃吸収体1bの当接面4に上記嵌合凸部10に対応する嵌合受け部11が形成されていて、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bを重ね合わせて、一方の衝撃吸収体1aの支持面5の嵌合凸部10を、他方の衝撃吸収体1bの当接面4の嵌合受け部11に嵌合することにより、一方の衝撃吸収体1aに他方の衝撃吸収体1bを結合して、一体状の車両用衝撃吸収体1が構成される。
【0013】
他方の衝撃吸収体1bの当接面4に形成する嵌合受け部11は、図3に示すように当接面4に形成した凹部12であるが、他方の衝撃吸収体1bには、図4に示すように突出片13に透孔14を形成したものであってもよい。
【0014】
一方の衝撃吸収体1aの支持面5の側に形成された凹状リブ6と他方の衝撃吸収体1bの当接面4の側に形成された凹状リブ7とは、複数個の凹状リブができるだけ多く一連をなすように重ね合わせることが必要であり、一連とは、互いの凹状リブ6、7が近接させた位置にあることをいい、できるだけ多くの凹状リブ6,7が近接するように重ね合わせることにより好適な衝撃吸収性を得ることができるが、本発明に係る車両用衝撃吸収体1においては、一方に衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bが前記のように嵌合凸部10と嵌合受け部11により嵌合により結合されるので、一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bとの間にずれが生じず、所定の位置において互いに重ね合わせることができ、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体1を得ることができる。
【0015】
なお、嵌合凸部10と嵌合受け部11によって結合一体化された一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bはさらに溶着、接着、ネジ止めなどの手段によって固定することが可能である。
【0016】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1おいては、それを構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bの凹状リブを、本体3の互いに対向する当接面4を支持面5方向へ向けて窪ませて先端部を支持面5に接合させるか、または支持面5を当接面4方向へ向けて窪ませて先端部を当接面4に接合させた構成とすることができる。なお、この構成については図示していない。
【0017】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、図2および図3に示すように、一方の衝撃吸収体1aを他方の衝撃吸収体1bよりやや小形に構成することができる。このように一方の衝撃吸収体1aと他方の衝撃吸収体1bの形状を異なったものとすることにより、車両構成部材9の形態に応じ、特に他部材10が車両構成部材内にある場合であっても好適に配置することが可能であり、またそれらを重ね合わせたものに変化に富んだ衝撃吸収性をもたせることができ、車両への側面衝突時には、他方の衝撃吸収体1bが車両内方へ押し出され、一方の衝撃吸収体1の側から搭乗者が衝突するため、複数個重ね合わされた衝撃吸収体1の厚さ分が有効に衝撃吸収するようになり、車両における複雑な衝撃吸収にも対応できるものとすることができる。
【0018】
本発明に係る車両用衝撃吸収体1を構成する一方の衝撃吸収体1aおよび他方の衝撃吸収体1bは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタート等のポリエステル樹脂、ポリアミドなど、剛性等の機械的高度の大きい樹脂で構成する。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、ブロー成形によって一体に成形され、かつ凹状リブを形成してなる衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成として、複数個の衝撃吸収体を結合一体化したものを車両構成部材に内設することにより、車両構成部材の厚みが大きい場合であっても、内設する衝撃吸収体の1つあたりの厚みを小さく構成して、ブロー成形により衝撃吸収性の低下につながるような薄肉部分が生ぜず、しかも重ね合わせた複数個の衝撃吸収体間にずれが生じないものとして、全体として衝撃吸収性にすぐれた車両用衝撃吸収体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車両用衝撃吸収体の分解斜視図である。
【図2】車両用衝撃吸収体を構成する他方の衝撃吸収体の裏面図である。
【図3】車両用衝撃吸収体を構成する一方および他方の衝撃吸収体の一部を示す分解断面図である。
【図4】同上他の形態を示す一部の斜視図である。
【図5】車両用衝撃吸収体の断面図である。
【図6】車両用衝撃吸収体を車両構成部材に内設した態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 車両用衝撃吸収体
1a 一方の衝撃吸収体
1b 他方の衝撃吸収体
2 中空部
3 本体
4 当接面
5 支持面
6,7 凹状リブ
8 接合部
9 車両構成部材
10 嵌合凸部
11 嵌合受け部
12 凹部
13 突出片
14 透孔
Claims (4)
- 車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、
衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって、中空部を有する本体と、この本体の互いに対向する当接面および支持面をそれぞれ他方へ向けて窪ませて互いの先端部を接合させた対をなす凹状リブを形成してなり、
この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成とし、
少なくとも一方の衝撃吸収体の支持面または他方の衝撃吸収体の当接面には嵌合凸部を形成し、かつ他方の衝撃吸収体または一方の衝撃吸収体には上記嵌合凸部に対応する嵌合受け部を形成した
ことを特徴とする車両用衝撃吸収体。 - 車両構成部材に内設することによって内部または外部からの衝撃を吸収するための車両用の衝撃吸収体において、
衝撃吸収体は、ブロー成形によって一体に成形された熱可塑性樹脂製であって、中空部を有する本体と、この本体の当接面を対向する支持面方向へ向けて窪ませて先端部を支持面に接合させるか、または支持面を対向する当接面方向へ向けて窪ませて先端部を当接面に接合させた凹状リブを形成してなり、
この衝撃吸収体を複数個、一方の衝撃吸収体の支持面に他方の衝撃吸収体の当接面を重ね合わせる構成とし、
少なくとも一方の衝撃吸収体の支持面または他方の衝撃吸収体の当接面には嵌合凸部を形成し、かつ他方の衝撃吸収体または一方の衝撃吸収体には上記嵌合凸部に対応する嵌合受け部を形成した
ことを特徴とする車両用衝撃吸収体。 - 他方の衝撃吸収体または一方の衝撃吸収体の嵌合受け部は、他方の衝撃吸収体の当接面または一方の衝撃吸収体の支持面に形成された凹部であることを特徴とする請求項1または2記載の車両用衝撃吸収体。
- 他方の衝撃吸収体または一方の衝撃吸収体の嵌合受け部は透孔であることを特徴とする請求項1、2または3記載の車両用衝撃吸収体。
Priority Applications (20)
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---|---|---|---|
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