JP4242688B2 - 車両用ドアトリム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のドア部材の車室側に配設される車両用ドアトリムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両のドア部材の車室側に配設される車両用ドアトリムであって、ブロー成形によって複数の凹状リブを一体に形成したものは、特開2001−30754号公報に記載されており、また、ドアトリムの内外壁を薄肉のヒンジで一体につないだ構成のものは、特許第3127830号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開2001−30754号公報に記載されている車両用ドアトリムにあっては、ブロー成形時に凹状リブを一体に形成すると、パリソンの凹状リブの先端部にあたる部分大きく引き延ばされて薄肉となるので、所期の衝撃吸収性が得られないという欠点がある。
【0004】
そこで、本発明は、車両用ドアトリムを構成するトリム本体と衝撃吸収部材を別体にブロー成形して、ブロー成形によって形成された中空二重壁構造のトリム本体と、ブロー成形によって形成された中空二重壁構造の衝撃吸収部材とを合わせた一体構成をもって衝撃吸収性にすぐれた車両用ドアトリムを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の請求項1に係る車両用ドアトリムは、車両のドア部材の車室側に配設されるドアトリムであって、ドアトリムは、ブロー成形によって形成された中空二重壁構造のトリム本体と、ブロー成形によって形成された中空二重壁構造の衝撃吸収部材からなり、衝撃吸収部材は対向する一方の面が当接面でかつ他方の面が支持面をなしていて、その当接面または支持面のいずれか一方または両方を窪ませた衝撃吸収のための凹状リブが形成されており、トリム本体の内壁には、前記衝撃吸収部材をその支持面を当接させかつトリム本体に対して一体に連結してあることを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明の請求項2に係る車両用ドアトリムは、請求項1記載の構成において、衝撃吸収部材の凹状リブは、当接面および支持面をそれぞれ窪ませて対向する互いの先端部が接合されていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項3に係る車両用ドアトリムは、請求項1または2記載の構成において、トリム本体と衝撃吸収部材は、薄肉ヒンジにより一体に連結されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項4に係る車両用ドアトリムは、請求項1または2記載の構成において、トリム本体に衝撃吸収部材を熱溶着によって一体に連結したことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項5に係る車両用ドアトリムは、請求項1または2記載の構成において、トリム本体に衝撃吸収部材を係止部材によって一体に連結したことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る車両用ドアトリムの断面図、図2はその衝撃吸収部材の一部破断斜視図、図3は図2におけるA−A線断面図、図4は本発明の他の実施の形態に係る車両用ドアトリムの斜視図、図5はトリム本体に衝撃吸収部材を熱溶着した構成を示す断面図、図6はトリム本体に衝撃吸収部材を係止部材によって連結した構成を示す断面図、図7は図2および図3に示す衝撃吸収部材をブロー成形する態様を示す断面図、図8は図7の状態から型締めをした状態を示す断面図である。
【0011】
図1において、1は車両のドアであり、2はそのドア部材であって、ドア部材2の車室側にはドアトリム3が配設されている。このドアトリム3は、ブロー成形によって形成された中空二重壁構造のトリム本体4と、ブロー成形によって形成された中空二重壁構造の衝撃吸収部材5からなり、図2および図3に示すように、衝撃吸収部材5は対向する一方の面が当接面6でかつ他方の面が支持面7をなしていて、その当接面6または支持面7の両方を互いに窪ませて衝撃吸収のための凹状リブ8が多数形成されている。当接面6および支持面7からそれぞれ形成した凹状リブ8は、互いの先端部を互いに接合させてある。そして、トリム本体4の内壁9には、前記衝撃吸収部材5をその支持面7を当接させてあり、トリム本体4に対して衝撃吸収部材5とを適宜の連結手段をもって一体に連結してある。
【0012】
ドアトリム3の車室側は意匠面10をなし、意匠面10はシボを形成したり、あるいは不織布や装飾シートを貼着して外観性を良好にしてある。トリム本体3および衝撃吸収部材5は、曲げ弾性率が8000〜24000Kg/cm2の熱可塑性樹脂で構成するが、特にポリプロピレン樹脂またはその混合物であることが好適である。
【0013】
トリム本体4と衝撃吸収部材5は、図4に示すように、薄肉ヒンジ11により一体に連結されている構成としてもよい。そして、この構成のものにあっては、両者をつなぐ薄肉ヒンジ11はパリソンを圧縮して形成される。
【0014】
トリム本体4に対する衝撃吸収部材5の連結手段は、図5に示すように、熱溶着によるものとすることができる。すなわち、トリム本体4の内壁9に凸部12を形成し、衝撃吸収部材5には凹部13を形成して、それらを凹凸嵌合したうえ、熱板14を押し当てて熱溶着する。また、トリム本体4に対する衝撃吸収部材5の他の連結手段としては、図6に示すように、衝撃吸収部材5の凹状リブ8の接合面15からトリム本体4の内壁9に対して係止部材16を結合させることもできる。なお図6に示す係止部材16はタッピングネジである。
【0015】
衝撃吸収部材5は、図7および図8に示すようにブロー成形する。図7および図8において、17,17は一対の分割金型であって、一対の分割金型17,17には凹状リブ8を形成する突出部18を有している。19は押出ヘッド、20はパリソンである。
【0016】
本発明に係る車両用ドアトリム3は、そのトリム本体4と衝撃吸収部材5がそれぞれ別体としてブロー成形したうえ、それらを合わせて一体化して構成するので、トリム本体4と衝撃吸収部材5を一体にブロー成形するもののように、衝撃吸収部材5の凹状リブ8の先端部が薄肉となることがなく、衝撃吸収性にすぐれた車両用ドアトリム3を容易に構成することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、車両用ドアトリムを構成するトリム本体と衝撃吸収部材を別体にブロー成形して、ブロー成形によって形成された中空二重壁構造のトリム本体と、ブロー成形によって形成された中空二重壁構造の衝撃吸収部材とを合わせた一体構成をもって衝撃吸収性にすぐれた車両用ドアトリムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る車両用ドアトリムの断面図である。
【図2】 衝撃吸収部材の一部破断斜視図である。
【図3】 図2におけるA−A線断面図である。
【図4】 本発明の他の実施の形態に係る車両用ドアトリムの斜視図である。
【図5】 トリム本体に衝撃吸収部材を熱溶着した構成を示す断面図である。
【図6】 トリム本体に衝撃吸収部材を係止部材によって連結した構成を示す断面図である。
【図7】 図2および図3に示す衝撃吸収部部材をブロー成形する態様を示す断面図である。
【図8】 図7の状態から型締めをした状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 車両のドア
2 ドア部材
3 ドアトリム
4 トリム本体
5 衝撃吸収部材
6 当接面
7 支持面
8 凹状リブ
9 内壁
10 意匠面
11 薄肉ヒンジ
12 凸部
13 凹部
14 熱板
15 接合面
16 係止部材(タッピングネジ)
17,17 一対の分割金型
18 突出部
19 押出ヘッド
20 パリソン
Claims (5)
- 車両のドア部材の車室側に配設されるドアトリムであって、
ドアトリムは、ブロー成形によって形成された中空二重壁構造のトリム本体と、ブロー成形によって形成された中空二重壁構造の衝撃吸収部材からなり、
衝撃吸収部材は対向する一方の面が当接面でかつ他方の面が支持面をなしていて、その当接面または支持面のいずれか一方または両方を窪ませた衝撃吸収のための凹状リブが形成されており、
トリム本体の内壁には、前記衝撃吸収部材をその支持面を当接させかつトリム本体に対して一体に連結してある
ことを特徴とする車両用ドアトリム。 - 衝撃吸収部材の凹状リブは、当接面および支持面をそれぞれ窪ませて対向する互いの先端部が接合されていることを特徴とする請求項1記載の車両用ドアトリム。
- トリム本体と衝撃吸収部材は、薄肉ヒンジにより一体に連結されていることを特徴とする請求項1または2記載の車両用ドアトリム。
- トリム本体に衝撃吸収部材を熱溶着によって一体に連結したことを特徴とする請求項1または2記載の車両用ドアトリム。
- トリム本体に衝撃吸収部材を係止部材によって一体に連結したことを特徴とする請求項1または2記載の車両用ドアトリム。
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- 2003-03-31 JP JP2003097353A patent/JP4242688B2/ja not_active Expired - Fee Related
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