JPWO2012133696A1 - 複合粒子製造装置および複合粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

粒子の表面電荷を調整するための高分子電解質等の調整剤を過不足なく添加できることによって、作業性および製造効率を向上させ得る複合粒子製造装置および複合粒子の製造方法を提供する。第1の粒子または第2の粒子のいずれかを含有する液体を貯留する貯留槽1と、貯留槽に貯留される液体中の粒子の分散状態を測定する分散状態測定手段2と、貯留槽内の液体に含有される粒子の表面電荷を調整するための調整剤を貯留槽内に添加した場合に、分散状態測定手段により測定される分散状態を記憶する分散状態記憶手段33と、分散状態記憶手段に記憶される分散状態に基づき前記貯留槽内の液体中の粒子の分散状態が所望状態にあることを示す情報を出力する情報出力手段37とを備える。

Description

本発明は、複合粒子を製造する製造装置および製造方法に関し、特に、粒子の表面電荷を調整するための調整剤の添加量を適量にして、複合粒子を容易かつ効率的に製造することのできる複合粒子の製造装置および製造方法に関するものである。
一般に、複合粒子の作製には、二種類以上の原料粒子をボールミルなどで混合する機械混合が知られている。ところがボールミルなどの機械混合では、原料汚染を回避することや、目的とする複合粒子の収率を向上させることが難しい。そこで、複合化する一方の粒子と他方の粒子とを、その表面電荷が反対となるようにpHが調製された液相に分散させ、両者が静電引力にて吸着することにより複合粒子を作製する技術が開示されている(特許文献1,2)。
更には、本願出願人は、液相に分散させた粒子を高分子電解質で被覆することにより、粒子の表面電荷の極性(正負)を任意に調整して、様々な粒子を複合化することのできる技術を開発した(特許文献3)。これによれば、例えば、一方の粒子と他方の粒子とが同じ種類のものである等、pH調整によって原料粒子に反対極性を付与することが困難な場合であっても、複合粒子を作製することができる。
特開2005−306635号公報 特表2010−525930号公報 特開2010−64945号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、pH調整によって一方の粒子と他方の粒子との表面極性を制御しているため、表面電荷の調整は原料粒子の特性に大きく依存することとなり、原料粒子の選択が制限されてしまう。また、特許文献2,3に開示される技術では、ポリアクリル酸やその他の高分子電解質により表面電荷を調整した場合に、粒子表面に吸着されない余剰のポリアクリル酸等を除去する必要がある。一般に、添加されるポリアクリル酸等の添加量が不足すると、複合粒子の形成が良好に行われない傾向にあるため、当該ポリアクリル酸等は過剰に添加される。一方で、過剰に添加されたポリアクリル酸等の除去が不十分な場合には複合粒子形成に支障をきたしかねない。従って、余剰のポリアクリル酸等の除去作業を行わねばならず、複合粒子を作製するための作業が煩雑になり効率が悪いという問題点があった。特に、この除去作業は、遠心分離によって実行されるため、連続的な複合粒子の生産を困難にするという問題点があった。また、余剰のポリアクリル酸等を十分に除去するためには、洗浄作業を行うことが有効となるが、十分な洗浄のため繰り返して洗浄を行おうとすれば、そのたびに遠心分離作業を行わねばならず、益々作業性を低下させるという問題点があった。
加えて、特許文献2に開示される技術では、pH調整と高分子電解質の添加により、複合化する一方および他方の粒子を反対電荷に調整することは開示されているが、液相に余剰の高分子電解質が残存した場合の影響については何ら考慮されていない。従って、本技術を用いて、余剰の添加剤の問題を解決し、複合化粒子の製造効率を向上させることはできない。
そこで、本発明の目的は、粒子の表面電荷を調整するための高分子電解質等の調整剤の添加量が不必要に多量または少量となることを抑制することによって、作業性および製造効率を向上させ得る複合粒子製造装置および複合粒子の製造方法を提供することである。
そこで、本発明者らは、鋭意研究の結果、次のような発明を完成するに至った。
複合粒子製造装置にかかる発明の第1の構成は、第1の粒子と第2の粒子とを静電引力により付着させて複合粒子を製造する複合粒子製造装置において、第1の粒子または第2の粒子のいずれかを含有する液体を貯留する貯留槽と、その貯留槽に貯留される液体中の粒子の分散状態を測定する分散状態測定手段と、前記貯留槽内の液体に含有される粒子の表面電荷を調整するための調整剤を前記貯留槽内に添加した場合に、前記分散状態測定手段により測定される分散状態を記憶する分散状態記憶手段と、その分散状態記憶手段に記憶される分散状態に基づき前記貯留槽内の液体中の粒子の分散状態が所望状態にあることを示す情報を出力する情報出力手段とを備えるものである。
なお、分散状態測定手段による測定には、液体中の粒子の分散状態を示す直接的又は間接的な要素を測定する場合を含む。かかる要素とは、例えば、粒子の表面電荷、サスペンジョンの光学特性(濁度、光透過度、光散乱度)、サスペンジョンの電気伝導度、粘度などが例示できる。粒子の分散状態とは、測定されたその値をもって粒子の分散状態とみなしてもよく、当該測定値から粒子の分散状態を把握するために演算処理される値をもって粒子の分散状態とみなしてもよい。また、分散状態が所望状態にあるとは、最も高い分散状態を示す状態もしくはその近傍の状態を意味するものである。
複合粒子製造装置にかかる発明の第2の構成は、第1の粒子と第2の粒子とを静電引力により付着させて複合粒子を製造する複合粒子製造装置において、第1の粒子または第2の粒子のいずれかを含有する液体を貯留する複数の貯留槽と、その貯留槽のそれぞれに貯留される液体中の粒子の分散状態を測定する分散状態測定手段と、前記貯留槽内のそれぞれの液体に含有される粒子の表面電荷を調整するための調整剤を前記貯留槽内に添加した場合に、前記分散状態測定手段により測定される分散状態を記憶する分散状態記憶手段と、その分散状態記憶手段に記憶される分散状態に基づき前記貯留槽内の液体中の粒子の分散状態が所望状態にあることを示す情報を出力する情報出力手段と、第1の粒子を含有する液体を貯留する貯留槽と第2の粒子を含有する液体を貯留する貯留槽との間を、一方から他方へ貯留される粒子を含有する液体を移送する移送管と、その移送管を介して、貯留される粒子を含有する液体を一方の貯留槽から他方の貯留槽へ送出する移送ポンプと、前記情報出力手段により出力される情報に基づいて、前記移送ポンプを駆動する駆動手段とを備えるものである。
複合粒子製造装置にかかる発明の第3の構成は、第1の構成または第2の構成において示した構成であって、さらに、調整剤を前記貯留槽に添加する添加手段と、その添加手段による調整剤の添加を停止させる添加停止手段と、前記分散状態記憶手段に記憶される分散状態に基づいて分散状態の変化を導出する状態変化導出手段と、前記状態変化導出手段にて算出される分散状態の変化に基づき、前記貯留槽内の液体中の粒子の分散状態が所望状態であるかを判断する判断手段とを備えており、前記情報出力手段は、前記判断手段により前記分散状態記憶手段に記憶される分散状態が所望の状態であると判断されると、前記貯留槽内の液体の分散状態が所望の状態にあることを示す情報を前記添加停止手段に出力し、前記添加停止手段は、前記情報出力手段からの情報に基づき、調整剤の添加を停止させるものである。
複合粒子製造装置にかかる発明の第4の構成は、前記第1ないし第3の構成において示したいずれかの構成において、前記分散状態測定手段を粘度測定手段とするものである。
複合粒子製造装置にかかる発明の第5の構成は、前記第4の構成において示した構成において、前記粘度測定手段を振動式粘度計とするものである。
複合粒子製造装置にかかる発明の第6の構成は、前記第1ないし第5の構成において示したいずれかの構成であって、さらに、前記貯留槽内に配置され、貯留槽内の粒子を含有する液体を撹拌する撹拌手段を備えているものである。
複合粒子の製造方法にかかる発明の第1の構成は、第1の粒子と第2の粒子とを静電引力により付着させて複合粒子を製造する複合粒子の製造方法において、第1の粒子または第2の粒子の少なくともいずれか一方の粒子に対し、該粒子の表面電荷が他方の粒子とは反対電荷となるように該表面電荷を調整する電荷調整工程と、その電荷調整工程にて電荷調整がなされた後に、第1の粒子と第2の粒子とを混合する混合工程とを含み、前記調整剤添加工程は、第1の粒子または第2の粒子のいずれかを含有する液体に粒子の表面電荷を調整するための調整剤を添加する調整剤添加工程と、その調整剤添加工程により調整剤が添加された場合に当該液体中の粒子の分散状態を測定する分散状態測定工程と、その分散状態測定工程により測定される分散状態が所望の状態になると調整剤の添加を停止する添加停止工程とを含むものである。
複合粒子の製造方法にかかる発明の第2の構成は、第1の構成において示した構成において、前記分散状態測定工程が、前記粒子を含有する液体の粘度を測定する粘度測定工程であり、前記添加停止工程が、前記粘度測定工程により測定される粘度が極小値近傍になると調整剤の添加を停止する添加停止工程とするものである。
複合粒子製造装置にかかる発明の第1の構成によれば、貯留槽内に貯留される液体(サスペンジョン)中の粒子の分散状態をモニタリングすることにより、液体中の粒子の分散状態が所望の状態であることを見出すことができ、当該粒子の分散状態が所望状態となった場合に調整剤の添加を中止することによって、高分子電解質等の調整剤の添加量が必要な程度を大きく越えて過剰となり、または必要な程度に大きく満たず不足すること(以下、単に「過不足」と略称する場合がある)を抑制しつつ、粒子の表面電荷を調整することができる。このときの所望状態が、液体中の粒子の分散状態が十分に高分散な状態である場合には、粒子に適正量の調整剤が吸着された状態にあることの指標となり得る。従って、粒子の分散状態をモニタリングし、十分に高分散な状態であることが判断できることによって、第1または第2の粒子の一方について表面電荷を調整後、余剰の調整剤の除去作業を不要とし、直ちに、他方の粒子を添加することができる。ゆえに、工程を簡略化でき、作業効率、生産効率を向上させることができる。
ここで、表面電荷が調整された一方の粒子と、反対の表面電荷を備える他方の粒子とを混合することによって、両粒子を静電引力により付着させることができる。第1の粒子および第2の粒子の双方の表面電荷を調整する場合には、一方の粒子の処理が終了した後に、本装置を利用して、順次処理を行うことができる。また、他方の粒子が十分な表面電荷を備えている場合は、他方の粒子の表面電荷を調整する処理を省略しても良い。
複合粒子製造装置にかかる発明の第2の構成によれば、複数の貯留槽に貯留される液体に含有する粒子の分散状態をモニタリングすることにより、いずれの貯留槽においても調整剤が過不足になることを抑制しつつ、粒子の表面電荷を調整することができる。従って、ある貯留槽において第1の粒子の表面電荷を調整し、他の貯留槽において第2の粒子の表面電荷を調整することにより、いずれの貯留槽においても表面電荷調整後に、余剰の調整剤の除去作業が不要となり、直ちに、双方の粒子を混合することができる。ここで、単一の貯留槽で第1および第2の粒子の表面電荷調整を行う場合には、一方の粒子の表面電荷調整後に、当該一方の粒子を回収、貯留槽の洗浄作業を行わねばならず、複合粒子の製造工程はバッチ式になるが、本装置では、かかる作業を不要とできるため、第1の粒子と第2の粒子との複合化を連続的に実行することができる。
複合粒子製造装置にかかる発明の第3の構成によれば、前記第1の構成または第2の構成における効果に加え、添加手段により貯留槽に調整剤が添加される場合、その添加される調整剤の量に応じて逐次的に分散状態が分散状態記憶手段に記憶され、分散状態記憶手段に記憶される分散状態の変化を導出することによって粒子の分散の程度を判断することができる。これにより、液体中の粒子の分散状態が所望状態に達すると判断されると、情報出力手段から出力される情報に基づいて、添加停止手段により調整剤の添加を停止させることができる。従って、第1または第2の粒子の表面電荷を調整する際に、これらの液体中の粒子の分散状態をモニタリングしつつ、調整剤の好適な添加量を調節することができる。
複合粒子製造装置にかかる発明の第4の構成によれば、前記第1ないし第3の構成のいずれかにおけるそれぞれの効果に加え、粒子を含有する液体の粘度を測定することによって液体中の粒子の分散状態を測定することができ、この粘度の変化により液体中の粒子の分散状態を把握することができる。また、粘度の測定値に基づいて、調整剤の供給を停止すべき状態を判断することが可能となる。
複合粒子製造装置にかかる発明の第5の構成によれば、前記第4の構成における効果に加え、液体中で振動子を共振させ、粘性抵抗による振動子の負荷を電気的に測定することができることから、測定すべき液体(粒子を含有する液体)をサンプリングすることなく、当該液体の粘度を連続して測定することができる。これにより、粒子を含有する液体の粘度変化(つまり粒子の分散状態の変化)を継続的に算出することができることから、液体中の粒子の状態を逐次把握することができ、適時に調整剤の供給を停止させることができる。
複合粒子製造装置にかかる発明の第6の構成によれば、前記第1ないし第5の構成のいずれかにおけるそれぞれの効果に加え、貯留槽内の液体に含有される粒子および添加される調整剤を撹拌することができ、個々の粒子に対してほぼ均等な状態で調整剤を接触させることとなり、当該粒子の表面にほぼ均等に調整剤を吸着させることができる。
複合粒子の製造方法にかかる第1の構成によれば、第1または第2の粒子を含有する液体について、調整剤を添加しつつ液体中の粒子の分散状態をモニタリングするとともに、分散状態が所望の状態に到達すると調整剤の供給を停止することから、粒子の表面電荷を調整する調整剤が過不足になることを抑制できる。このため、粒子の表面電荷を調整後、余剰の調整剤の除去作業を不要とすることができ、複合粒子を作製する場合における製造工程を簡略化し、工程全体に要する時間を短縮することができるものである。つまり、このような製造方法によって複合粒子を製造することによって、作業性および生産効率を向上させることができる。
複合粒子の製造方法にかかる第2の構成によれば、前記第1の構成における効果に加え、粒子を含有する液体の粘度の変化により粒子の分散状態を把握することができ、調整剤の供給停止の時期を判断することが可能となる。すなわち、継続的に粘度変化を算出することにより、粘度が極小値近傍になる状態を判断することができ、適時に調整剤の供給を停止させることができる。
複合粒子製造装置の第一の実施形態の概略を示す説明図である。 複合粒子製造装置の第一の実施形態のブロック図である。 複合粒子製造装置の第一の実施形態における粉体改質処理を実行するための制御の概略を示すフロー図である。 第一の実施形態における第1電解質吸着処理のための制御方法を示すフロー図である。 第一の実施形態における第2電解質吸着処理のための制御方法を示すフロー図である。 複合粒子製造装置の第二の実施形態の概略を示す説明図である。 複合粒子製造装置の第二の実施形態のブロック図である。 複合粒子製造装置の第二の実施形態における複合粒子製造処理を実行するための制御の概要を示すフロー図である。 第二の実施形態における第1電解質吸着処理のための制御方法を示すフロー図である。 第二の実施形態における第2電解質吸着処理のための制御方法を示すフロー図である。 複合粒子製造方法の概略を示す説明図である。 複合粒子製造方法の概略を示す説明図である。 製造される複合粒子の状態を例示する説明図である。 実験結果を示すグラフである。 実験結果から導かれるサスペンジョンの状態を示す説明図である。 実験結果を整理した説明図である。 実験結果から導かれるサスペンジョンの状態を示す説明図である。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、複合粒子製造装置の第一の実施形態を説明するための概略図である。この図に示すように、複合粒子製造装置の第一の実施形態は、粒子を含有する液体を貯留することができる貯留槽1と、液体中の粒子の分散状態を測定できる測定装置(分散状態測定手段)2と、この測定装置2の計測データの入力を受けて記憶する手段(分散状態記憶手段)、演算手段および分散状態が所望状態であることを出力する手段(情報出力手段)を有する制御装置3とで構成されている。貯留槽1は、装置本体10の内部に設置され、装置本体10には、図示せぬ加熱手段および冷却手段を備え、貯留槽1を恒温に維持できるように構成されている。なお、貯留槽1は装置本体10に着脱可能に形成されており、貯留槽1を装置本体10から取り出して交換することも可能となる。また、以下の説明において、特別に粒子を除く等の条件を付さずに「液体」とのみ称する場合には、粒子を含有する液体を示すものであり、粒子を含有する液体をサスペンジョンと称する場合もある。
また、貯留槽1に調整剤としての電解質を供給するために、その添加およびその停止のための手段(添加手段および添加停止手段)が備えられている。電解質を貯留槽1に添加するための構成として、電解質が充填されている電解質タンク4,5と、電解質タンク4,5から貯留槽1までの間に設けられる供給管6,7とが備えられている。また、供給管6,7の中間位置には、電解質ポンプ41,51と、電磁弁42,52とが備えられており、電解質ポンプ41,51を駆動させ、かつ、電磁弁42,52を開放させることによって、貯留槽1に電解質(調整剤)を供給することができるものである。これが添加手段として機能することとなる。また、電解質ポンプ41,51を停止し、電磁弁42,52を閉塞することにより、電解質の供給を停止させることができる。これが、添加停止手段として機能することとなる。なお、電解質ポンプ41,51および電磁弁42,52の操作は、手動で行うこともできるが、制御装置3から出力される信号により制御させることができる。
なお、電解質タンク4,5が二種類設けられているのは、性質の異なる二種類の電解質(例えば、アニオン性高分子溶液とカチオン性高分子溶液)を区別して貯留槽1に供給させるためである。そこで、例えば、一方の電解質タンク(以下、第1電解質タンクと称する場合がある)4には、アニオン性高分子溶液(以下、ポリアニオン溶液と称する場合がある)を充填し、他方の電解質タンク(以下、第2電解質タンクと称する場合がある)5には、カチオン性高分子溶液(以下、ポリカチオン溶液と称する場合がある)を充填するのである。この場合、貯留槽1に貯留される液体に含有する粒子の表面電荷をマイナスに帯電させるときは、第1電解質タンク4からポリアニオン溶液のみを供給すればよく、これとは逆に、プラスに帯電させるときには、第2電解質タンク5からポリカチオン溶液のみを供給すればよいこととなる。
そして、これらの電解質の供給・停止は、第1電解質タンク4に充填される電解質については、一方の電解質ポンプ(以下、第1電解質ポンプと称する場合がある)41および一方の電磁弁(以下、第1電磁弁と称する場合がある)42によって操作され、第2電解質タンク5に充填される電解質については、他方の電解質ポンプ(以下、第2電解質ポンプと称する場合がある)51および他方の電磁弁(以下、第2電磁弁と称する場合がある)52によって操作されるものである。
本実施形態には、さらに、貯留槽1に貯留される液体を撹拌するための撹拌手段8が備えられている。具体的には、先端にホーンを備えた振動発生部81がパワーサプライ82により増幅された電気エネルギを機械的振動に変える超音波型ホモジナイザ8、スターラーチップ85と磁力を発生させるスターラー本体86とで構成されるマグネット式スターラー8、さらに、先端に撹拌羽83を有するモータ内蔵型の撹拌装置8など使用することができる。超音波型ホモジナイザ8は、パワーサプライ82により増幅された電気エネルギが、振動発生部81のコンバータによって機械的な超音波振動に変換され、液体に浸漬するホーンの先端に伝達されるものである。この超音波振動が、液体にキャビテーションを生じさせ、液体中の物質に衝撃を与えるものである。スターラーチップ85は、スターラー本体86の磁力によって回転し、その回転力により液体を撹拌するものであって、このような磁力を利用するマグネット式スターラーが汎用されている。これらの撹拌手段8は、いずれかを選択的に使用することもできるほか、いずれかを組合せ、または、全部を備える構成としてもよい。なお、超音波型ホモジナイザ8は、超音波振動により粒子の凝集を解くために使用するものであることから、粒子の分散手段と認識する場合には液体全体を撹拌する撹拌羽等とは性格を異にすると評価され得るが、何らかの振動を生じさせるという意味において、本実施形態では撹拌手段に含めることとする。
本実施形態の測定装置2は、液体の粘度を測定することができる振動式粘度計を用いている。この振動式粘度計は、測定部20と制御部本体25とが接続されて作動する構成である。測定部20には、音叉形状を有する2枚の板バネ21,22が設けられ、この板バネの先端には、さらに振動子23,24が設けられており、板バネ21,22の中央に設けられる電磁駆動部によって、板バネ21,22を所定の振幅により共振させるものである。この板バネ21,22が共振する際の振動子23,24に作用する粘性抵抗の差異により粘度を測定するものである。粘性抵抗の差異は、変位センサによって検出されるとともに、温度センサにより液体の温度が測定され、変位センサと温度センサの値から制御部本体25によって粘度が導出されるものである。ここで測定された粘度(計測値)のデータは、インターフェースを介して制御装置3に出力される。
本実施形態では、測定装置2として粘度計を使用し、液体の粘度変化をモニタリングすることで液体中の粒子の分散状態を把握するものであるが、貯留槽1に貯留される液体中の粒子の分散状態を把握できるデータを計測できるものであれば、粘度計に限定されるものではない。例えば、サスペンジョンの光学特性(濁度、光透過度、光散乱強度)、電気的特性(電気伝導度)を測定することで分散状態を評価しても良く、粒子の表面電荷(ゼータ電位)を測定することで評価しても良い。調整剤は粒子の表面電荷を調整するものであり、電荷を有する高分子電解質や界面活性剤が用いられる。ここで、液体中の粒子の分散状態は粒子の表面電荷に大きく影響を受ける。粒子の表面電荷が大きくなれば粒子同士は電気的斥力によって反発し、結果として分散状態が向上するからである。また、調整剤を用いた場合、粒子の表面電荷は粒子表面に吸着された調整剤量と相関することから、粒子の表面電荷、すなわち粒子の分散状態は、粒子表面の調整剤量を間接的に示す指標となっているのである。調整剤の十分量が粒子表面に吸着されると、粒子の表面電荷は最大となり、それに伴い、液体中での粒子の分散状態も最良となる。十分量の調整剤が粒子表面に吸着すると、それ以上の調整剤は粒子に吸着されずに余剰の吸着剤として液中に存在する一方で、分散状態は保持される。本装置では、サスペンジョンに調整剤を投入しつつ分散状態を連続的または断続的に評価し、当該分散状態が最良状態に到達したタイミングを検出することができるので、粒子に対して過不足なく調整剤が吸着されたことを検出できるのである。
なお、上記処理を大量に実施する場合には、貯留槽1の複数の個所で液体の粘度等を測定し、その平均値を求めることにより、当該平均値をもって液体全体の粘度等として粒子の分散状体の指標とすることができる。この場合、図1に示す実施形態では粘度計2は測定部20および制御部本体25が一組のみ設けられているが、この測定部20を増加させ、貯留槽1の異なる位置に配置させることとなる。これにより、各測定部20における測定値は制御部本体25に入力され、制御部本体25において各測定値から平均値を算出させることにより、貯留槽1に貯留される液体の粘度として出力させることができる。また、撹拌を十分に行うことを条件に代表的な位置における測定値をもって液体全体の粘度等として粒子の分散状体の指標としてもよい。この場合の代表的な位置は、1個所でもよいが、複数個所として平均値を算出するものでもよい。
また、粘度変化と液体中の粒子の分散状態との関係については、液体中の粒子が高分散の状態にあれば粘度が低く、粒子の凝集の程度が進むことに伴って粘度が高くなるという特性があり、粘度変化をモニタリングすることによって、液体の粘度が最も低くなる範囲を検知し、液体中の粒子が高分散となるタイミングを把握することができるのである。そこで、粒子の表面電荷を調整する場合、粒子が一方の極性に帯電した状態から反対極性の高分子電解質等の調整剤の供給を受けると、粒子の凝集が進行して粘度の値を上昇させるが、さらに調整剤を吸着することによって分散し、粘度は低下する。そして、粘度が最も低い状態のとき、粒子表面に十分量の調整剤を吸着しているものと判断することができる。それ以降も調整剤の供給を継続したとしても粒子は調整剤を吸着せず、供給した調整剤は過剰なものとなる。この過剰な調整剤の供給により、粘度は再び上昇することとなることから、粘度が極小となる状態が、調整剤供給量に過不足のない状態である。
ここで、過不足のない状態とは、調整剤の理想的な総添加量に対して±5%以内の範囲を想定している。すなわち、液体中の粒子の分散状態を把握するための粘度変化、または光学特性もしくは電気的特性を測定する際において、当該測定に使用する測定装置の測定誤差等により、または、調整剤の供給停止操作の時間的誤差等により、理想的な分散状体と比較して僅かに逸脱する場合を想定しているのである。つまり、液体中の粒子の表面に吸着されるべき調整剤が、僅かに不足し、または僅かに余る状況があり得るということである。実験による数値によれば、添加すべき総量に対し−5%の不足、または+5%の余分の添加量であってもその後の処理(特に、最終的な複合粒子の製造)に影響はないものであった。なお、従来のように、調整剤の添加後に洗浄して余剰の調整剤を除去する方法による場合であっても同程度に調整剤が残存することは稀なことではなかった。
本実施形態では、制御装置3において、上記のような粘度の極小値を検出し、好適な量の調整剤が供給された状態において供給停止するように制御している。
そこで、制御装置3について説明する。図2に制御装置3のブロック図を示す。この図に示しているように、制御装置3は、CPU31、ROM32、RAM33およびHDD34を備え、これらは、入出力ポート35にバスを介して接続されている。CPU31はタイマ回路を有しており、RAM33には、入力される情報をタイマ回路の値に対応づけて記憶するリアルタイムデータメモリ、LCD37に出力すべきデータを記憶する表示データメモリ、および、所定の条件を判定した結果を保持するフラグ(例えば、後述の粘度減少フラグ)などを備えている。HDD34には、制御プログラムが記憶されており、各種の設定値を記憶する設定値メモリが備えられている。設定値メモリには、初期設定条件のほか、各種条件が記憶されている。例えば、後述の粘度減少フラグをオンにする際の既定値や、電磁弁42,52などを操作する際の閾値などをデフォルト値として記憶させることができる。
また、入出力ポート35には、キーボード38が接続されており、処理方法や各種情報を入力することができ、場合によりデフォルト値を変更する際にも使用できる。また、LCD37も接続されており、データ処理された情報または表示データメモリ内の情報などを出力表示させることができる。さらに、入出力ポート35にはインターフェース36が接続されており、周辺機器との間でデータの入出力ができるようになっている。本実施形態では、図2に示すように、第1振動式粘度計2が測定装置2としてインターフェース36を介して接続されている。また、制御装置3は、第1電解質ポンプ41および第2電解質ポンプ51と、第1電磁弁42および第2電磁弁52とを制御するために、電解質ポンプ駆動回路および電磁弁制御回路に対して、所定の信号を出力するように構成されている。
制御装置3に接続される第1振動式粘度計2は、制御部、変位センサ、振動子および電磁駆動部を備え、制御部に制御されつつ振動子が電磁駆動部によって振動されるとともに、振動子の振動の変化(粘性抵抗)が変位センサによって検出されるようになっている。また、温度センサを備えており、測定対象物の温度情報を制御部に出力し、制御部において、粘性抵抗および温度などの情報に基づき粘度が算出される。また、操作パネルが設けられており、測定に関する諸条件を入力し、測定結果を表示するLCDが備えられている。
また、外部装置として、撹拌手段8が準備されている。撹拌手段8としては、前述のとおり、第1超音波ホモジナイザ、撹拌装置およびマグネット式スターラーのいずれかを選択的に使用するか、または、複数を組み合わせて使用することができる。第1超音波ホモジナイザ8は、制御部、電源回路、コンバータ回路および超音波発振子を備え、電源回路によって、入力された電力が制御部にて制御されつつ所定周波数の出力電力に変換され、この出力電力はコンバータ回路により機械的な超音波振動に変換され、超音波発振子によって対象物に振動を与えるものである。また、操作パネルおよびLCDを備えており、使用条件を入力することができるとともに、作動状態等を表示できるようになっている。撹拌装置8は、撹拌羽駆動モータと撹拌羽を備え、撹拌羽駆動モータの電源操作により撹拌羽83を回転駆動させるものである。マグネット式スターラーは、スターラー駆動モータと、磁力発生回路とを備え、スターラー駆動モータの電源操作により、磁力発生回路から必要な磁力を発生させるものである。なお、発生させた磁力によって回転するスターラーチップ85は、これらとは独立して存在させている。
上記の外部装置は、制御装置3とは独立した構成としているが、これを制御装置3からの操作信号により作動させる構成とすることもできる。また、必要に応じてその他の外部装置を使用する構成としてもよい。
上記のような構成により、第1振動式粘度計2によって貯留槽1に貯留される液体の粘度が計測され、その計測データを制御装置3に入力することにより、制御装置3にて液体の粘度変化が算出される。つまり制御装置が状態変化導出手段として機能するのである。そして、その算出された粘度変化の結果に応じて、電解質ポンプ41,51の駆動状態と、電磁弁42,52の開閉状態とを制御することとなる。すなわち、制御装置3は、電解質ポンプ駆動回路に対して電解質ポンプの駆動開始または駆動停止の信号を出力し、電解質ポンプ駆動回路により、第1電解質ポンプ41および第2電解質ポンプ51が駆動を開始・停止する。また、制御装置3は第1電磁弁42および第2電磁弁52を開閉するための信号を電磁弁制御回路に対して出力し、電磁弁制御回路によって電磁弁の開閉状態が制御される。そして、これらの電解質ポンプ41,51および電磁弁42,52のいずれかの選択、および、その操作タイミングは、制御装置3における処理結果によって決定されるものである。
上述のように、制御装置3は、第1および第2電解質ポンプ41,51ならびに第1および第2電磁弁42,52を操作するための信号を出力する情報出力手段として機能するものである。このため、かかる場合に、分散状態が所望状態にあることを示す情報とは、粘度が極小値近傍になったことを示す情報であり、第1及び第2電解質ポンプ停止信号と、電磁弁へ出力される閉塞信号が該当する。さらに、制御装置3において算出された粘度変化の状態は、表示手段としてのLCD37に出力されることから、その粘度変化の状況を目視で確認することができる。そこで、入力手段としてのキーボード38を使用して、第1および第2電解質ポンプ41,51の操作ならびに第1および第2電磁弁42,52の操作を入力することにより、操作者の任意のタイミングでこれらを制御することも可能である。さらには、ポンプ41,51および電磁弁42,52を制御装置3から独立させることにより、これらを直接手動で操作してもよい。なお、かかる場合には、LCD37に表示される粘性データが極小値を示すことが、分散状態が所望状態であることを示す情報であり、LCDが情報出力手段に該当する。
以下に制御装置3による制御方法を説明する。ここで、本実施形態では、特定の極性の電荷に帯電する粒子を反対の極性の電荷に帯電させ、さらに、もとの極性の電荷に帯電させる工程を経て複合粒子を製造する。このため、異なる極性の電荷に帯電させるためには、反対の極性を有する高分子電解質等の調整剤を供給するように、また、以下の例示では、異なる調整剤(二種類)を順次供給するように、制御装置3にて複合粒子製造装置の各部の制御が実行される。なお、表面電荷を調整するという概念からは、必ず粒子本来の極性の電荷に帯電させる必要はなく、いずれか一方の極性の電荷に帯電した状態で終了することとしてもよい。また、いずれの種類の調整剤が供給される場合においても、調整剤の供給停止は、粒子を含有する液体を貯留する貯留槽に調整剤を供給しつつ測定された当該液体の粘度に基づいて、制御装置3がその粘度が最も低くなるタイミングであると判断することにより、電解質ポンプの停止および電磁弁を閉塞するための信号を出力して実行される。
ところで、特定の極性の電荷に帯電した粒子を含有する液体に対し、反対極性の調整剤を供給することにより、液体中の粒子は反対の電荷を有する調整剤を吸着するが、その粒子全体に調整剤が吸着されるまでの過程において、一時的に粘度が上昇する。前述したように、これは、粒子の表面電荷が小さくなるに伴って液体中の粒子が徐々に凝集するためである。調整剤を継続して供給すると、上昇した粘度は極大値を示した後に低下するが、調整剤を供給し続けると最も粘度が低くなった後には再び粘度が上昇することとなる。つまり、調整剤供給に伴う粘度変化は、上昇、変曲点(極大)、下降、変曲点(極小)、上昇の経過を示し、2つの変曲点を有する曲線を描くこととなる。制御装置3においては、このように粘度が再度上昇する直前、すなわち、一定時間当たりの粘度変化の値(例えば、粘度変化の微分値)が負の値から正の値に変化するタイミングを検出するように構成されており、調整剤の供給が開始された後、一定時間当たりの粘度変化の値(例えば、粘度変化の微分値)が2回目の変曲点にて「0」近傍を示す場合を、粘度が最小値となったと判断している。1回目の変曲点における「0」の近傍を示す状態は、最も粘性が高い状態を意味するからである。
次に、具体的な制御方法の例を説明する。図3は、制御装置3において実行される本実施形態の粉体改質処理の概略を示すフロー図である。なお、粉体とは、液体に含有される無数の粒子の集合体を意味し、その粉体について個々の粒子の表面電荷を調整することを粉体改質と称する。
この図に示すように、粉体改質処理においては、まず、初期設定処理が行われる(S1)。初期設定処理では、粉体(粒子)の当初の表面電荷の状態および所定回数(βの値)などが初期値として設定される。この初期設定処理において設定された初期値は、HDD34の設定値メモリに記憶される。また、その他の初期設定値は、予めHDD34の設定値メモリにデフォルト設定されたものが使用される。
引き続き、粉体(粒子)の表面電荷の処理回数mが1に設定され、1回目の粉体改質が実行される。粉体改質には、第1電解質吸着処理(S3)に続いて第2電解質吸着処理(S4)が連続して行われる。第1電解質吸着処理(S3)は、当初の表面電荷とは反対の電荷を有する電解質を貯留槽1に供給し、粉体(粒子)の表面に当該反対の電荷を有する調整剤を吸着させ、当初の表面電荷とは反対の電荷に帯電させる処理を複合粒子製造装置に実行させる処理である。また、第2電解質吸着処理(S4)は、当初の表面電荷と同じ電荷を有する電解質を貯留槽1に供給し、粉体(粒子)の表面を当初の表面電荷と同じ電荷に帯電させる処理を複合粒子製造装置に実行させるものである。これらの電解質吸着処理(S3),(S4)の詳細は後述する。
そして、これらの処理が終了した後、処理回数mが初期設定された所定回数βに達しているか否かが判定される(S5)。所定回数βは、設定値メモリに記憶されており、第2電解質吸着処理(S4)の終了時に必ず判定される。なお、この所定回数βは上記の初期設定処理(S1)において操作者によるキーボード入力によって変更可能であるから、処理すべき粉体の条件等によって必要に応じて変更することができる。上記判定により、処理回数mが所定回数βに満たない場合は、前記第1電解質吸着処理(S3)および第2電解質吸着処理(S4)が繰り返される。処理回数mが所定回数βに到達すれば、粉体改質処理が終了することとなる。
次に、第1電解質吸着処理(S3)および第2電解質吸着処理(S4)の詳細を説明する。第1電解質吸着処理のフローを図4に示し、第2電解質吸着処理のフローを図5に示す。
図4に示すように、第1電解質吸着処理が開始されると、RAMのデータがクリアされ(S11)、粘度測定回数nの値を1としてRAMに入力され(S12)、タイマ回路を0にセットする(S13)。そして、第1回目の振動式粘度計からの粘度データの入力を確認し(S14)、受信していなければ受信されるまで待機状態となるが、受信されていれば、そのときの粘度データをRAMのリアルタイムデータメモリに記憶する。具体的には、リアルタイムデータメモリのn番地(ここでは1番地)に受信した粘度データをタイマ回路の値に対応づけて記憶する(S15)。上記タイマ回路の値は、CPUに設けられるタイマ回路の値が使用される。つまり、タイマ回路は計時を行う時計回路であり、そのタイマ回路の値はCPUのクロック信号に基づいて更新されるものである。ここで記憶された粘度データは、初回(電解質供給前)の粘度データであり、その後に電解質が供給される際の粘度データと比較するために使用されるものである。
その後、タイマ回路のデータと粘度データとが展開処理され、表示データが演算される(S16)。この表示データはLCDに表示されることによって、目視でモニタリングできる。また、粘度測定回数が第1回目であるか否かが判断され(S17)、第1回目の場合にのみ、電解質ポンプ駆動回路に第1電解質ポンプを駆動させるための信号が出力され(S18)、かつ、電磁弁制御回路に第1電磁弁を開放させるための信号が出力される(S19)。これにより電解質供給が開始される。
電解質の供給が開始されると、その粘度測定回数nの値に「1」を付加し、第2回目の粘度データ入力が確認される。粘度データの受信が確認されれば(S14)、粘度データをリアルタイムデータメモリのn番地(ここでは2番地)に記憶する(S15)。そして、粘度計測回数が第2回目であることが判断され(S17)、前回の粘度データとともに粘性変化の傾き(a)が計算される(S21)。ここでは、リアルタイムデータメモリの2番地に記憶される粘度データと、1番地に記憶される粘度データとの差を計算し、電解質の供給増加分に対する粘度変化の傾き(a)が算出される。粘度変化の傾き(a)は、一定時間に対する粘度の変化分量であり、粘度変化の値を時間で微分したときの値をとしてもよい。
次に、粘度減少フラグがオンであるか否かが判定される(S22)。粘度減少フラグは、最初の変曲点を通過したことを記憶するものである。この粘度減少フラグがオンでない場合は、前記算出の傾きaが所定値α1よりも小であるか否かが判断される(S23)。所定値α1は、設定値メモリにデフォルト設定された値であり、この値は、実験値等から適宜定めることができる。ただし、2回目の変曲点での変化量「0」近傍との差異を明確にすべく後述のα2よりも絶対値の大きな値とされている。2回目の変曲点においては、調整剤を過不足なく粒子に吸着させることを目的としているために、可能な限り粘度変化が「0」に近いタイミングで調整剤を供給停止することが望ましい。このため、α2は、装置スペックを考慮の上、僅少な値で設定される。一方で、最初の変曲点通過後において該変曲点近傍の粘度変化が緩慢であると、その変化が小さいために粘度変化の傾き(a)が0近傍の値となりかねない。従って、不用意にα1を0近傍の小さな負の値で設定すると、所望しないタイミングで調整剤の供給停止が発生してしまう。そこで、所定値α1の絶対値を後述のα2よりも大きくしているのである。また所定値α1を負の値とすることにより、算出された傾きaが、負の値となることが条件となり、粘度が減少傾向であることを判定することができる。なお、傾きaが所定値α1よりも小さいという条件を満たす場合には粘度減少フラグをオンにしてステップ20へ進み(S23),(S24)、条件を満たさない場合はそのままステップ20に移行する(S23)。
引き続き、粘度測定回数nに「1」を付加し、第3回目に入力される粘度データを記憶する(S14),(S15)。第3回目の粘度データは、直前の第2回目の粘度データとの比較によって、再び粘度変化の傾きaが算出される(S21)。前回の判定において粘度減少フラグをオンにする処理(S24)がされなかった場合は、上記処理が繰り返される。前回の判定で粘度減少フラグをオンにした場合は、ステップ22において傾き(a)と所定値α2とが比較される(S25)。所定値α2についても、実験的に決定される値であり、設定値メモリにデフォルト設定されている。このステップでは、2回目の変化量「0」近傍を判定するものであるから、粘度変化の極小値(最も低い粘度)およびその近傍を判定するものである。従って、このα2の値は、実験的に導出される平均的な極小値が設定される。なお、傾きaの絶対値と所定値α2とを比較するのは、粘度変化の傾きが負の場合(極小値に向かう場合)と正の場合(極小値を僅かに経過した場合)とのいずれの状態においても、極小値近傍における時点を判断するためである。
上記判定条件を満たさない場合は、再びステップ20に移行し、次の粘度データを記憶し(S15)、傾き(a)が算出され(S21)、再度α2と比較される(S25)。この判定条件を満たすまで上記処理を繰り返す。そして、粘度変化の傾きaが極小値「0」近傍を示すときには、電磁弁制御回路に対し、第1電磁弁を閉塞させるための信号を出力し(S26)、さらに、電解質ポンプ駆動回路に対して第1電解質ポンプを停止するための信号を出力して(S27)、電解質の供給を停止するのである。
このように、電解質の供給を停止させることによって、第1電解質吸着処理は終了するが、その前に、粘度減少フラグを再びオフの状態に戻し(S28)、次の処理のため、または処理を終了するための各処理が行われる(S29)。このように第1電解質吸着処理がなされるが、これにより、粉体(粒子)の表面電荷は、当初とは逆の極性に帯電することとなる。
次に、第2電解質吸着処理について説明する。この処理を実行するための制御装置3によるフローを図5に示す。この図に示すように、第2電解質吸着処理は、第1電解質吸着処理と同様の処理方法により行われる。すなわち、RAMをクリアし(S31)、タイマ回路を「0」にセットした後(S33)、粘度データの信号を記憶し(S35)、さらに、第2電解質タンクの電解質を貯留槽に供給(S38)、(S39)しつつ、粘度データを繰り返し記憶して、測定された最新の粘度データと直前の粘度データとを比較して粘度変化をモニタリングするのである(S41)〜(S45)。そして、粘度が上昇した後、粘度変化の傾きが極小値を示すときに、電解質の供給を中止し、処理を終了するのである(S45)〜(S49)。
このように、第2電解質吸着処理は、第1電解質吸着処理と同様であるが、使用される電解質は、第1電解質吸着処理とは異なる極性の電荷のものであり、第2電解質タンクに貯留されている。従って、電解質ポンプ駆動回路に対して駆動信号を出力する際には、第2電解質ポンプを駆動するための信号が出力される(S38)。また、電磁弁制御回路に対する出力信号は、第2電磁弁を開放するための信号である(S39)。
上記のように、第1電解質吸着処理と第2電解質吸着処理とが行われることにより、粉体(粒子)の表面は、一旦は当初の表面電荷とは逆の極性に帯電された後、再び当初の表面電荷と同じ極性に帯電されることとなるのである。前述のとおり、この第1電解質吸着処理および第2電解質吸着処置は連続して実行され、その処理回数が所定回数βに到達するまで繰り返される。処理の終了により、貯留槽に貯留される液体中の粒子は、表面電荷が調整されることとなる。なお、表面電荷が調整された粒子は、上記液体とともに保存するほか、液体から回収してもよい。
本実施形態では、このように表面電荷が調整された粒子(例えば、これを第1の粒子とする)に対し、反対の表面電荷を備えた粒子(例えば、これを第2の粒子とする)を混合することにより、複合粒子を製造するものである。両粒子の混合は、処理後において液体に含有された状態の第1の粒子に対し、同様に液体に含有された状態の第2の粒子を混合してもよく、両粒子ともに液体から回収したものを混合してもよい。さらに、いずれか一方の粒子を液体に含有された状態とし、これに他方の粒子を混合するものでもよい。回収した粒子は、一般的なスプレードライ工程によって、二次粒子に成形しても良い。この場合、本実施形態においては、粉体改質処理の終了後に、連続して粒子の回収工程およびスプレードライ工程を行うことによって、一連の工程による二次粒子の成形を容易にする。また、粉体改質処理された粒子を混合して製造された複合粒子をスプレードライ工程により二次粒子に成形しても良い。
なお、第2の粒子が所望の表面電荷を備えている場合には、粉体改質処理を行う必要はない。これとは逆に、表面電荷を調整する必要がある場合には、そのための粉体改質処理を行うこととなる。この場合の粉体改質処理方法は上述の場合とほぼ同様であるが、処理後の表面電荷を第1の粒子とは反対の電荷に調整するため、第1電解質吸着処理と第2電解質吸着処理の順序を逆にするか、または、電解質タンクに充填される電解質の極性を逆にすればよい。
以上のように、いずれの態様により粒子を混合する場合においても、両粒子のうち、一方の粒子を母粒子とし、この母粒子に対して他方の粒子が子粒子として静電引力により付着し、母粒子の表面に子粒子がほぼ均等に付着する複合粒子が製造されることとなるのである。
ここで、母粒子としては、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、スピネル、マグネシア等の材料を使用することができ、子粒子としては、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミ、カーボンナノ粒子、ナノダイヤモンド、ファーレン類を使用することができる。これらの粒子の形状は問わないものである。子粒子は、複合粒子に要求される機械特性や熱特性等に応じて選択されるものである。
また、上記のほかに、樹脂製の粒子を母粒子または子粒子として使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン、ポリスチレン・ブタジエン・スチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニルなどの汎用プラスチックによる粒子、また、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの汎用エンジニアリングプラスチックによる粒子、さらに、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリメチルペンテンなどのエンジニアリングプラスチックによる粒子などを使用することができる。また、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリウレタンなどによる粒子を使用することができる。これら粒子の中から母粒子および子粒子とすべきものを適宜選択して使用すればよい。
尚、第1の粒子と第2の粒子のいずれが母粒子であっても良い。更には、第1の粒子と第2の粒子は、同じ物質であっても否であっても良い。更に、第1の粒子及び第2の粒子は、それぞれ単一種類の粒子であっても複数種類の粒子で有っても良い。加えて、第1の粒子と第2の粒子とが複合化された複合粒子を第1の粒子または第2の粒子としても良い。また、一次粒子であっても、二次粒子であっても良い。
また、これらの粒子の表面電荷を調整するための電解質は、アニオン性高分子として、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニル硫酸(PVS)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)を代表例として挙げることができ、そのほかに、ポリチオフェン−3−酢酸、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリアミド酸、ポリパラフェニレン(−)などがある。カチオン性高分子として、ポリ(ジアリルメチルアンモニウムクロライド)(PDDA)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン(PVAm)、ポリ(ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチレンアクリル酸)共重合を代表例としてあげることができ、そのほかに、ポリアリルアミン、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリパラフェニレン(+)、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピリミジンアセチレン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリピロール、ポリアニリン、ポリビニルイミダゾール、ポリジメチルアミノエチレンメタクリレート、ポリ−1−メチル−2−ビニルピリジン、ポリイミンなどがある。これらの溶媒としては水または塩化ナトリウム水溶液を用いることができる。これらの電解質は分子量の低いものであってもよい。
また、電解質には界面活性剤を用いることができる。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩やスルホン酸塩などから選択することができ、具体的には、クエン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸塩(ラウリルスルホン酸ナトリウムなど)、ポリオキシアルキルエーテルスルホン酸塩(ポリオキシアルキルエーテルスルホン酸ナトリウムなど)、α−オレフィンスルホン酸塩(9−オクタデセニルスルホン酸ナトリウムなど)、アルキルアレーンスルホン酸塩(ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムやジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムなど)があり、そのほかに、モノラウリルリン酸ナトリウムなどのアルキルリン酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、ドデシル硫酸ナトリウムなどの高級アルコール硫酸エステル塩、N−アシル−N−メチルタウレートなどが挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、4級アンモニウム塩またはN−エチルアルカンアミドアンモニウムハライドなどから選択することができ、4級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロマイド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ベンザルコニウムクロライドベンゼトニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライドなどを挙げることができる。
なお、上記電解質は例示であって、これらに限定されるものではない。また、上記アニオン性電解質を単独もしくは二種以上を組み合わせて使用し、または、カチオン性電解質を単独もしくは二種以上を組み合わせて使用してもよい。
ここで、上記粒子を分散させる液体としては、水に限られるものではなく、例えば、有機溶剤や、有機溶剤と水との混合溶媒を用いても良い。有機溶剤としては、エタノール、メタノール、プロパノール、アセトンなどが挙げられる。有機溶剤または混合溶剤を用いる場合の複合粒子としては、窒化アルミニウムのように水と反応して分解するもの、またはポリアクリル酸ナトリウムのような吸水性ポリマーなどの複合粒子が挙げられる。
また、第1の粒子を母粒子とした場合、0.1μm〜500μmの範囲が好ましく、特に好的には、1μm〜100μmの範囲が好ましい。この範囲であると、分散容易である上、作製された複合粒子を遠心分離によらず沈降させ、上澄み液を除去することで容易に回収することができる。
さらに、液体中の粒子の分散状態に応じて調整剤の供給を停止させるには、制御装置3による作動信号によるほか、操作者が手動で操作しても良い。この場合、振動式粘度計2により計測される粘度データを当該振動粘度計2のLCDの表示により操作しても良く、振動式粘度計2から入力される粘度データまたは粘度変化の傾き(a)を制御装置3のLCD37で確認しつつ操作しても良い。
次に、複合粒子製造装置の第二の実施形態について説明する。図6は、本実施形態の概略を示す図である。この図に示すように、本実施形態の装置は、概ね第一の実施形態と同様の構成からなる2個の貯留槽1a,1b、振動式粘度計2a,2b、電解質の供給管6a,7a,6b,7bおよび撹拌羽8a,8bを備えている。これらの部材を備えたものを改質装置と称し、一方の改質装置を第1改質装置A、他方の改質装置を第2改質装置Bと称することとする。なお、本実施形態では、例示として、電解質タンク4a,5a,4b,5b、電解質ポンプ41a,51a,41b,51bおよび電磁弁42a,52a,42b,52bを個別に設置しているが、これらは、単一のものを両改質装置A,Bに供用させてもよい。また、制御装置3は、単一のものを使用しているが、これを個別に設置してもよい。図5中の符号は、第一の実施形態と同じ構成部材については同じ符号を使用し、両改質装置A,Bついて同様に設置される同種部材については、符号の末尾に「a」および「b」を付しており、第1改質装置Aについては末尾を「a」とし、第2改質装置Bについては末尾を「b」として両者を区別している。なお、図6に示される本実施形態は、2台の装置A,Bの制御に関し、単一の制御装置3が設置されているが、この制御装置についても個別に設けた構成としてもよい。また、撹拌手段としては、撹拌羽8a,8bのみを示しているが、これに代えまたはこれと同時にマグネット式スターラーを使用してもよく、さらには、超音波ホモジナイザを使用する態様としてもよい。
上記のとおり、第1および第2装置A,Bは、それぞれ貯留槽1a,1bが個別に設けられている(第1装置Aに設置される貯留槽1aを第1貯留槽と称することがあり、他方1bを第2貯留槽と称する場合がある)。この両貯留槽1a,1bには、それぞれ粘度計2a,2bが設けられ、貯留槽1a,1bに貯留される液体の粘度を測定することができ、また、撹拌手段としての撹拌羽8a,8bが底部付近に設けられ、貯留槽1a,1bに貯留される液体を撹拌することができるようになっている。撹拌手段としては、第一の実施形態と同様に、撹拌羽8a,8bに代えて、または同時に、超音波型ホモジナイザやマグネット式スターラーを使用してもよい。
また、電解質を貯留するための電解質タンクは、第1装置の側に二種類の電解質タンク4a,5a(一方の電解質タンク4aを第1電解質タンクと称し、他方5aを第2電解質タンクと称する)が設けられ、第一の実施形態と同様に、例えば、第1電解質タンク4aには、ポリアニオン溶液が、第2電解質タンク5aには、ポリカチオン溶液を貯留することができる。同様に、第2装置の側にも二種類の溶液を貯留するための第1電解質タンク4bおよび第2電解質タンク5bが設けられている。なお、第1電解質タンク4a,4bを単一として供用させる構成とすることができ、第2電解質タンク5a,5bについても単一の電解質タンクを供用させる構成としてもよい。
さらに、第1電解質タンク4a,4bに貯留される電解質は、電解質ポンプ(第1電解質ポンプと称する)41a,41bによって吸引される構成となっており、第2電解質タンク5a,5bの電解質は、電解質ポンプ(第2電解質ポンプ)51a,51bにより吸引されるものである。なお、第1電解質タンク4a,4bを単一の電解質タンクとする場合には、単一の第1電解質ポンプとすることができ、第2電解質タンク5a,5bを単一の電解質タンクとする場合には、単一の第2電解質ポンプとする構成としてもよい。
電磁弁は、第1貯留槽1aに対する電解質供給用として、第1電磁弁42aおよび第2電磁弁52aが設けられ、第2貯留槽1bに対する電解質供給用に第3電磁弁42bおよび第4電磁弁52bが設けられている。これらの電磁弁の開閉操作により、いずれかの電解質タンクに貯留する電解質を選択しつつ、かつ、第1貯留槽1aおよび第2貯留槽1bのいずれかを特定して供給することができるようになっている。なお、図6に示されている電磁弁42a,52a,42b,52bは、それぞれ個別の供給管6a,7a,6b,7bに接続されているが、電解質タンクおよび電解質ポンプを供用する構成においては、供用される電解質タンクから分岐した構成の供給管6a,7a,6b,7bを設け、その開口部近傍において、電磁弁42a,52a,42b,52bが設置されることとなる。
上記のような構成により、両装置A,Bにより、貯留槽1a,1bにおいて異なる粉体を処理することができる。例えば、装置Aについては母粒子からなる粉体の改質処理をし、装置Bでは子粒子からなる粉体の改質処理をするのである。さらに、例えば、第1装置Aでは、粒子の表面電荷をプラスに調整し、第2装置Bでは、粒子の表面電荷をマイナスに調整するものとして、改質処理される構成とすることができる。
そこで、本実施形態では、第1貯留槽1aの上部において開口し、第2貯留槽1bの底部に連続する移送管9が設けられており、この移送管9の途中に設けられる移送ポンプ91の操作によって、第2貯留槽1bに貯留される液体を第1貯留槽1aに移送できる構成となっている。なお、移送管9には、電磁弁(以下、第5電磁弁と称する場合がある)92を備えており、移送ポンプ91の作動とともに第5電磁弁92が開放されると、液体の移送が実現できるようになっている。また、各貯留槽1a,1bの底部には、排出管90a,90bが接続され、貯留槽1aにおいて混合された液体を排出することができるとともに、貯留槽1bに残留する液体を排出することができるようになっている。
次に、本実施形態における制御装置3の構成を説明する。図7は、制御装置3を中心とする電気的ブロック図である。この図に示すように、制御装置3の内部構成は、第一の実施形態の制御装置とほぼ同様であるが、RAM33には粘度減少フラグのほかに母粒子処理フラグが記憶されている点が異なる。母粒子処理フラグは、母粒子を処理することを判定するためのフラグであり、この母粒子処理フラグがオンの場合は、母粒子について粉体改質処理が行われていることを示し、母粒子処理フラグがオフの場合は、母粒子でなく子粒子について粉体改質処理が行われていることを示す。そして、母粒子を第1改質装置Aで処理し、子粒子を第2改質装置で処理する場合は、母粒子処理フラグがオンの場合には第1改質装置Aについて、オフの場合は第2改質装置Bについて、それぞれ処理されることとなる。
また、制御装置3に接続される外部装置は第一の実施形態とは多少異なる構成となっている。すなわち、制御装置3には、それぞれの貯留槽1a,1bについて液体の粘度を測定するための振動式粘度計2が接続されており、第1貯留槽1aの液体については第1振動式粘度計の測定部20aと制御部本体25により、また、第2貯留槽1bの液体については第2振動式粘度計の測定部20bと制御部本体25により、それぞれの貯留槽1a,1bに貯留される液体の粘度データが計測されて制御装置3に入力される構成となっている。また、電磁弁制御回路には、第1から第5電磁弁を制御する構成となっており、二種類の電解質を選択しつつ、所望の貯留槽に電解質を供給するように制御するとともに、第2貯留槽1bの液体を第1貯留槽1aに移送できるように制御するものである。なお、第1電磁弁42aおよび第2電磁弁52aは第1貯留槽1aに電解質を供給する際の開閉を操作するものであり、第3電磁弁42bおよび第4電磁弁52bは第2貯留槽1bに対する電解質供給に供される。第5電磁弁92は、移送管9の開閉を操作するためのものである。本実施形態では、第1貯留槽1aに対する電解質供給と、第2貯留槽1bに対する電解質供給とが、順次操作され、かつ、改質処理後の液体移送は、両貯留槽1a,1bの改質処理が終了した後に行うことを想定しているため、単一の電磁弁制御回路で制御されている。従って、これらの電磁弁が同時並行的に作動される場合は、複数の電磁弁制御回路を備える構成としてもよい。
電解質ポンプについても、電磁弁と同様に、両貯留槽1a,1bの双方に第1電解質ポンプ41a(,41b)および第2電解質ポンプ51a(,51b)が設けられ、電磁弁操作と同様に順次操作されるものであり、単一の電解質ポンプ駆動回路によって駆動制御されている。また、撹拌手段8を駆動するための撹拌モータ81a,81bについても、第1貯留槽1aと第2貯留槽1bとの双方に設置され、これを制御するための撹拌モータ駆動回路が制御装置3からの駆動信号により作動するようになっている。
さらに、本実施形態には、移送ポンプ91が備えられていることから、この移送ポンプ91を移送ポンプ駆動回路によって制御しており、その制御のために、制御装置3から駆動信号が出力されるように構成されている。
上記のような構成であることから、本実施形態の制御装置3で実行される複合粒子製造処理のフローは、図8に示すように、母粒子改質処理と、子粒子改質処理とを経由して、最終的に両者を混合して複合粒子を製造するものとなる。以下、その詳細を説明する。複合粒子製造処理としては、初期値設定処理(S101)を実行した後、母粒子処理フラグをオンにして(S201)、母粒子側の貯留槽(第1貯留槽)1aでの改質処理であることを判定し、処理回数mが初期設定された所定回数βに到達するまで、第1電解質吸着処理および第2電解質吸着処理を繰り返す(S202)〜(S205)。双方の電解質吸着処理の回数mが所定回数βに到達したとき(S205)、母粒子処理フラグをオフにして、母粒子側の貯留槽1aでの改質処理から子粒子側の貯留槽(第2貯留槽)1bでの改質処理に移行する(S207)。
引き続き、第2貯留槽1bでの改質処理が開始される。初期設定された処理回数mがデフォルト設定された所定回数γに到達するまで、第1電解質吸着処理および第2電解質吸着処理が繰り返される(S303)〜(S305)。処理回数mが所定回数γに到達すると電解質吸着処理を終了する。両貯留槽1a,1bの液体の混合が行われる。混合するためには、移送ポンプ91を駆動するための信号を移送ポンプ駆動回路に出力し(S111)、さらに、第5電磁弁92を開放するための信号を電磁弁制御回路に出力する(S112)。これにより、前述のように、第2貯留槽1bに貯留される液体が第1貯留槽1aに送出され、この第1貯留槽1aにおいて混合される。
第2貯留槽1bの液体を移送する量は、初期設置において予め設定しておくことにより、第1貯留槽1aに流入する量が管理され(S113)、所定量に到達したとき、第5電磁弁92の閉塞と、移送ポンプ91の停止とを行うための信号が出力される(S114),(S115)。このような所定量の流入により、子粒子が静電引力により母粒子の表面に付着することとなり、複合粒子が作製されることとなる。なお、このとき撹拌手段8aは作動しているが、この撹拌手段8aの作動操作は、手動で行うことを想定している。これを制御装置3によって制御する構成としてもよい。
このように複合粒子が作製された後には、貯留槽1aに貯留されている複合粒子を含む液体を排出し(S116)、排出確認後(S117)には、貯留槽1aが洗浄処理されることとなる(S118)。上記のようにして作製した複合粒子は、貯留槽1aから取り出され、所望の用途の利用に供されることとなる。
上記処理工程において、母粒子改質処理および子粒子改質処理では、いずれも第1電解質吸着処理(S203),(S303)および第2電解質吸着処理(S204),(S304)が行われることから、以下に、これらの各電解質吸着処理について、図9および図10に基づいて説明する。
図9は、第1電解質吸着処理を実行するための制御装置3による制御のフロー図である。この図に示すように、第1電解質吸着処理は、第一の実施形態における場合(図4参照)と基本的に同じである。すなわち、振動式粘度計で計測された液体の粘度データを所定番地に記憶させ(S415)、当該粘度データの変化による傾きを計算し(S421)、その傾きを比較して電解質の供給停止のタイミングを判定している(S425)。なお、上記処理において、最初にRAMをクリアする処理(S411)を実行するが、母粒子処理フラグがオンである場合、すなわち母粒子改質処理における第1電解質吸着処理(S203)である場合(図8参照)には、RAMに記憶される母粒子処理フラグをクリアしないものとする。これは図10に示す第2電解質吸着処理(S204)の場合(図8参照)においても同様である。
この第1電解質吸着処理が、第1貯留槽1aにおける電解質吸着処理である場合は、第1番目の電解質は、電解質タンク4aから供給を受けることとなるため、第1電解質ポンプ41aおよび第1電磁弁42aが、それぞれ駆動信号により作動することとなる。そこで、粘度測定回数nが「1」の場合は、第1電解質ポンプを駆動させるための信号が電解質ポンプ駆動回路に出力され(S418)、また、第1電磁弁を開放させるための信号が電磁弁制御回路に出力される(S419)。さらに、粘度が低下した状態で粘度変化が「0」近傍を示すとき(S425)には、第1電解質吸着処理を終了させるため、上記第1電磁弁を閉鎖させるための信号を電磁弁制御回路に出力し(S427)、電解質ポンプを停止させるための信号を電解質ポンプ駆動回路に出力する(S428)。
これに対し、第1電解質吸着処理が、第2貯留槽1bにおける電解質吸着処理である場合には、第3電磁弁および第4電磁弁を開閉させるための信号を電磁弁制御回路に出力することとなる。そのため、電磁弁の開放信号を出力する処理(S519)および閉塞信号を出力する処理(S526)では、それぞれ第3電磁弁に対するものとなる。なお、電解質ポンプを作動・停止させるための信号は、第1および第2電解質ポンプを制御する電解質ポンプ駆動回路に出力されるが、第1貯留槽1aに使用される電解質ポンプと実質的に同一であるから、重複する説明を割愛する。
第2電解質吸着処理における処理態様は、図10に示すように、第一実施形態における処理態様を実質的に同様である。ただし、電解質を供給・停止するために制御すべき電磁弁が異なるものである。なお、この相違点については、第1電解質吸着処理の場合の相違点と同様であるので、その詳述は割愛する。
本実施形態では、上述のように、制御装置3で実行される複合粒子製造処理が母粒子の改質処理を行った後に、子粒子の改質処理を行うものであるが、複数の貯留槽を使用して、母粒子処理と子粒子処理とを同時に並行して実行させても良い。すなわち、図6に示す実施形態の改質装置Aにて、第1の粒子(例えば母粒子)を粉体改質処理し、改質装置Bにて第2の粒子(例えば子粒子)を粉体改質処理するものであって、両装置A,Bにおける処理を同時期に行うものである。この場合、処理装置3によって実行される処理の態様としては、割り込み処理を実行させることによって実現できる。例えば、制御装置3によって、母粒子改質処理および子粒子改質処理を実行する際に割り込み信号を入力し、いずれかの処理を終了させるように制御させるのである。
また、各装置A,Bのそれぞれが、例えば、第一の実施形態(図1)のように、一つの貯留槽1について、一つの制御装置3が備えられ、各装置A,Bにおける粉体改質処理が個別に制御される構成とすることができる。なお、複数の貯留槽1a,1bの一方から他方への粒子を含む液体の移送は、移送ポンプの駆動および弁の開閉を手動で行うこともできるが、例えば、各装置A,Bにおける粉体改質処理の状況を検出しつつ、図6に示すような移送ポンプ91および第5電磁弁92の駆動を制御部3より制御させても良い。
移送ポンプの駆動および弁の開閉を手動で行う場合は、各装置A,Bに個別に設置する処理装置3(図1の処理装置3)による処理フローは、図3ないし図5に示すように、第一の実施形態と同様となる。これらの処理が終了した後、手動で操作すればよいものである。また、制御装置3により移送ポンプ91および第5電磁弁92を制御する構成の場合は、各装置A,Bの処理が双方ともに終了すると、第二の実施形態における子粒子改質処理終了以降(図8のステップ111以降)を実行させるのである。
上記のように、移送ポンプおよび弁を手動で操作する場合または制御装置によって制御する場合のいずれにおいても、第1の粒子(母粒子)および第2の粒子(子粒子)の表面電荷を並行して調整することにより、二種類の粒子について改質処理するための全体の時間を短縮することができる。そして、両粒子の表面電荷の調整が終了すれば、直ちに両粒子を混合させることができることから、複合粒子の製造効率を一層向上させることとなる。
次に、複合粒子の製造方法にかかる本発明の実施形態について説明する。実施形態の複合粒子の製造方法は、大別すると電荷調整工程および混合工程から構成されている。静電引力により付着させるいずれか一方または双方の粒子について電荷調整工程を行い、当該粒子の表面電荷を所望の状態に調整した後、両者を混合させるのである。混合方法は、粒子を含有する液体を混合させる場合のほか、いずれか一方の粒子を液体に含有され、他方の粒子を液体に投与する場合、または、それぞれを粒子のみの状態として両者を混合する場合がある。
ここで、本実施形態の電荷調整工程を説明する。なお、例示として、原料粒子がプラスに帯電している場合について説明する。図11は、原料粒子が当初プラスに帯電している場合の電荷調整工程を示している。この図に示すように、プラスに帯電している原料粒子について、その表面にポリアニオンを吸着させ、さらにポリカチオンを吸着させたもの(以下、これを「ポリアニオン/ポリカチオン吸着粒子」と記述する)を製造する場合には、当該原料粒子が含有されている液体に対し、調整剤としてポリアニオン溶液を徐々に添加し、その後はポリカチオン溶液を添加するのである(これが調整剤添加工程である)。
そこで、まず、ポリアニオン溶液を添加する(調整剤添加工程)。そして、初期のポリアニオン溶液の添加を開始したときから、原料粒子を含有する液体の粘度が連続的にモニタリングされ(これが分散状態測定工程であり、特に粘度のみを指標とする場合は粘度測定工程である)。このモニタリングにより液体中の粒子が最も高分散の状態であると判断されるとき、粘度測定の場合は、液体の粘度が一旦上昇した後に下降して最も低下した状態であると判断されるとき、ポリアニオン溶液の供給を停止する(これが添加停止工程である)。この工程により、粒子は、ポリアニオン吸着粒子となる。
続いて、ポリカチオン溶液を徐々に添加する(これも調整剤添加工程である)。この添加により、ポリアニオン吸着粒子はポリカチオンを吸着し、徐々に凝集が進行することとなる。この場合も粘度(分散状態)が連続的に計測される(分散状態測定工程または粘度測定工程)。そして、一度は上昇した粘度の値が下降し、粘度が極小値(その近傍)を示す時点で、ポリカチオン溶液の供給を停止させるのである(添加停止工程)。
上記電荷調整工程にあっては、原料粒子は、当初プラスに帯電していたものであるから、ポリアニオン溶液を供給することで、ポリアニオンを吸着することにより、徐々に表面電荷をマイナスに変化させることとなる。徐々にポリアニオン溶液を供給することにより、原料粒子は十分にマイナスに帯電することとなるが、モニタリングされる粘度の値が極小値を示した時点で、ポリアニオン溶液の添加を停止するのである。粘度が極小値の時点でポリアニオン溶液の添加を停止するのは、その後もポリアニオン溶液を添加し続ける場合、液体中にポリアニオンが過剰に供給されることとなるからであり、当該過剰供給により再び粘度が上昇することとなるからである。
この状態において、粒子はマイナスに帯電していることから、次に、ポリカチオン溶液を供給するのである。ポリカチオンの供給により、原料材料はポリカチオンを吸着し、プラスに帯電することとなる。このときも粘度を連続的にモニタリングしており、その粘度が極小値を示した時点でポリカチオン溶液の供給を停止するのである。
このようにして、ポリアニオン/ポリカチオン吸着粒子を作製することができるのである。なお、原料粒子が当初マイナスに帯電している場合には、上記とは逆にポリカチオン溶液を添加し、その後ポリアニオン溶液を添加することによって、原料粒子の表面にポリカチオンを吸着させ、さらにポリアニオンを吸着させたもの(以下、これを「ポリカチオン/ポリアニオン吸着粒子」と記述する)を作製することができるのである。この場合においても、粘度が連続的にモニタリングされており、その値が極小値を示す時点で添加を停止するものである。さらに、原料粒子が特定の極性を有しない場合には、まず、いずれか一方の極性の電解質を吸着させ、その後、反対極性の電解質を吸着させるような処理を行うことにより、いずれかの極性に帯電させた粒子を製造することができるものである。また、既にいずれかの極性に帯電している原料粒子について、同極の電解質を吸着させても良い。この場合、原料粒子を当該極性に十分に帯電させることができる。このように帯電させた粒子に対し、さらに、反対の極性の電解質を吸着させることにより、粒子の表面電荷を反対極性に調整することができる。
上記において、表面電荷を調整した粒子は、異なる極性の電解質を複数回吸着させた状態(複数層)のものを例示して説明したが、このときの電解質の吸着回数は適宜変更可能である。さらに、一方の極性を有する電解質を1回だけ吸着させることにより粒子表面の電荷密度が十分となるのであれば、表面電荷調整後の粒子は、電解質を1回吸着させた状態(単数層)としてもよい。この場合、前記第一および第二の実施形態における処理としては、第1電解質吸着処理または第2電解質吸着処理のいずれか一方のみを実行することによって、粒子の表面電荷を調整することができる。
これらの工程は、前述の複合粒子製造装置によって実行することができるものであるが、ある極性に帯電した原料粒子について同極の電解質を吸着させる場合、前記第一および第二の実施形態における処理において、調整剤の供給に伴う粘度変化に第1回目の変曲点を示さないことがある。このような場合には、例えば、第1電解質吸着処理において、粘度変化の傾き(a)と所定値α1との比較、および粘度減少フラグのオン・オフの処理を省略するように実行させれば良い。
最後に、上記各態様により表面電荷が調整された粒子を使用することによって複合粒子を製造するのである。つまり、プラスに帯電した粒子とマイナスに帯電した粒子とを混合する(混合工程)ことにより複合粒子を製造することができる。すなわち、混合により二種類の粒子は、静電引力によって吸着し、母粒子となるべき一方の粒子の表面に、子粒子となるべき他方の粒子が付着することとなるのである。
前記の製造方法による代表的な例を図12に示す。第1の粒子と第2の粒子は、それぞれ表面電荷が調整され、最終的には、一方の粒子(図示は第1の粒子)をプラスに帯電させ、他方の粒子(図示は第2の粒子)をマイナスに帯電させている。これら二種類の粒子を混合することにより複合粒子が製造されるものである。
ここで、第1の粒子はプラスに帯電した状態から表面電荷を調整し、第2の粒子はマイナスに帯電した状態から表面電荷を調整しているが、これは、説明の便宜である。すなわち、第1の粒子がマイナスに帯電している状態から表面電荷を調整し、最終的にプラスに帯電させる場合もあり、第2の粒子がプラスに帯電している状態からポリアニオン溶液を添加し、ポリアニオン吸着粒子を構成するようにしてもよい。また、第1の粒子について最終的にマイナスに帯電させる場合もあり、この場合には第2の粒子をプラスに帯電させることにより、それぞれの粒子を混合することにより複合粒子を製造することができる。さらに、ポリアニオン溶液またはポリカチオン溶液の添加の回数は前述のとおり任意である。
上記のように表面電荷を調整した二種類の粒子を混合する状態のモデルを図13に示す。この図に示すように、例えば、母粒子をプラスに帯電させ、子粒子をマイナスに帯電させることにより、両者を混合することによって、母粒子の表面に子粒子が静電引力により吸着する。この図は、母粒子をプラス、子粒子をマイナスに帯電させているが、この表面電荷は逆であってもよく、いずれか一方を第1の粒子とする場合は、他方が第2の粒子として表面電荷を調整することとなる。また、図示の便宜上、母粒子および子粒子を適当な大きさで示したが、その大きさは製造すべき複合粒子によって異なることは明らかである。
〔実験例〕
次に、上記に示した電荷調整方法により電荷を調整した場合の粘度とゼータ電位との関係について実験した。実験方法は、アルミナ(α−Al)の粒子(直径100nm)を含有する液体に対して、ポリスチレンスルホン酸(PSS)溶液を徐々に添加しつつ粘度とゼータ電位を測定した。また、このようにして作製されたポリアニオン吸着粒子を含有する液体に対し、ポリ(ジアリルメチルアンモニウムクロライド)(PDDA)溶液を徐々に添加した際の粘度とゼータ電位を測定した。
その実験結果を図14に示す。この図のグラフに示されるように、粒子にポリアニオン(PSS)を徐々に添加した場合、ゼータ電位がプラスからマイナスに移行し、その値が最小値付近の値を最初に示す時点と、当該粒子を含有する液体の粘度が極小値を示す時点とが一致している。これは、粘度の値が極小値を示す時点で粒子が十分にマイナスに帯電したことを意味し、その後、ポリアニオン(PSS)を添加し続けてもゼータ電位に変化がないのは、ポリアニオン(PSS)の添加量が過剰となっていることを示している。
また、ポリアニオン吸着粒子を含有する液体にポリカチオン(PDDA)を徐々に添加した場合についても同様に、ゼータ電位が最大値付近の値を最初に示す時点と、粘度の値が最小値を示す時点とが一致している。この場合においても、粘度の値が極小値を示す時点で粒子が十分にプラスに帯電していることを示している。
上記の結果をわかりやすくしたものを図15に示す。この図は、当初の粒子がプラスに帯電しており、ポリアニオン(PSS)を徐々に添加することにより、マイナスに帯電する状態を示している。この図にように、当初はゼータ電位がプラスの高い値を示しており、粒子表面がプラスに帯電してサスペンジョンが分散状態である。そして、ポリアニオンの添加に伴ってゼータ電位が0を示し、粒子表面がプラスのものとマイナスのものが混在し、双方が吸着してサスペンジョンが凝集している状態である。さらに、ポリアニオンを添加することにより、ゼータ電位がマイナスに移行し、粒子表面がマイナスに帯電して再びサスペンジョンが分散状態となる。ゼータ電位がマイナスの値を示し、その値が最小値付近に到達した状態から後は、ポリアニオンを添加しても変化しない状態となり、粒子にポリアニオンが吸着されていないことを示している。これを、粒子を含む液体の粘度を参照することにより、粒子が凝集する時点および分散する時点が、粘度の極大値と極小値とで判断することができるのである。
上記実験の結果、図16および図17に示すように、サスペンジョンの粘度をモニタリングし、その値が極小値を示した時点で添加すべき電解質を変更することによって、ポリアニオン溶液またはポリカチオン溶液を過不足なく供給することができるのである。このような電解質の供給と粒子の状態を整理すると、図16および図17に示されているように、当初分散状態にあったサスペンジョンが、ポリアニオン(PSS)の供給により徐々に凝集が進行し、粘度が徐々に上昇するが、その後もポリアニオン(PSS)を供給することにより、マイナスに帯電することによってサスペンジョンが分散状態へ移行し、粘度も低下する。さらに、粘度が極小値を示す時点で電解質を変更し、ポリカチオン(PDDA)を供給することで、また、凝集が進行して粘度が高くなるが、その後もポリカチオン(PDDA)を供給することで、再び分散状態に移行し、粘度も低下する。
従って、分散状態(ここでは粘度)をモニタリングすることにより、粒子の表面電荷の状態を把握することができることが明確となった。その際の粘度が極小値を示す時点で電解質の供給を停止すれば、電解質を過剰に供給することなく、十分にプラスに帯電したポリアニオン/ポリカチオン吸着粒子を作製することができることも明確となった。
1 貯留槽
2 振動式粘度計(分散状態測定手段)
3 制御装置
4 第1電解質タンク
5 第2電解質タンク
6,7 供給管
8 撹拌手段
41,51 電解質ポンプ
42,52 電磁弁

Claims (10)

  1. 第1の粒子と第2の粒子とを静電引力により付着させて複合粒子を製造する複合粒子製造装置において、
    第1の粒子または第2の粒子のいずれかを含有する液体を貯留する貯留槽と、
    その貯留槽に貯留される液体中の粒子の分散状態を測定する分散状態測定手段と、
    前記貯留槽内の液体に含有される粒子の表面電荷を調整するための調整剤を前記貯留槽内に添加した場合に、前記分散状態測定手段により測定される分散状態を記憶する分散状態記憶手段と、
    その分散状態記憶手段に記憶される分散状態に基づき前記貯留槽内の液体中の粒子の分散状態が所望状態にあることを示す情報を出力する情報出力手段とを備えていることを特徴とする複合粒子製造装置。
  2. 第1の粒子と第2の粒子とを静電引力により付着させて複合粒子を製造する複合粒子製造装置において、
    第1の粒子または第2の粒子のいずれかを含有する液体を貯留する複数の貯留槽と、
    その貯留槽のそれぞれに貯留される液体中の粒子の分散状態を測定する分散状態測定手段と、
    前記貯留槽内のそれぞれの液体に含有される粒子の表面電荷を調整するための調整剤を前記貯留槽内に添加した場合に、前記分散状態測定手段により測定される分散状態を記憶する分散状態記憶手段と、
    その分散状態記憶手段に記憶される分散状態に基づき前記貯留槽内の液体中の粒子の分散状態が所望状態にあることを示す情報を出力する情報出力手段と、
    第1の粒子を含有する液体を貯留する貯留槽と第2の粒子を含有する液体を貯留する貯留槽との間を、一方から他方へ貯留される粒子を含有する液体を移送する移送管と、
    その移送管を介して、貯留される粒子を含有する液体を一方の貯留槽から他方の貯留槽へ送出する移送ポンプと、
    前記情報出力手段により出力される情報に基づいて、前記移送ポンプを駆動する駆動手段とを備えていることを特徴とする複合粒子製造装置。
  3. 前記情報出力手段によって出力される所望状態にあることを示す情報は、前記貯留槽内の液体中の粒子が良好に分散している状態にあることを示す情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の複合粒子製造装置。
  4. 調整剤を前記貯留槽に添加する添加手段と、
    その添加手段による調整剤の添加を停止させる添加停止手段と、
    前記分散状態記憶手段に記憶される分散状態に基づいて分散状態の変化を導出する状態変化導出手段と、
    前記状態変化導出手段にて算出される分散状態の変化に基づき、前記貯留槽内の液体中の粒子の分散状態が所望状態であるかを判断する判断手段とを備えており、
    前記情報出力手段は、前記判断手段により前記分散状態記憶手段に記憶される分散状態が所望の状態であると判断されると、前記貯留槽内の液体中の粒子の分散状態が所望の状態にあることを示す情報を前記添加停止手段に出力し、
    前記添加停止手段は、前記情報出力手段からの情報に基づき、調整剤の添加を停止させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の複合粒子製造装置。
  5. 前記判断手段による所望状態であるかの判断は、前記貯留槽内の液体中の粒子が良好に分散している状態であるかを判断するものであり、前記情報出力手段によって出力される所望の状態にあることを示す情報は、前記貯留槽内の液体中の粒子が良好に分散している状態にあることを示す情報であることを特徴とする請求項4に記載の複合粒子製造装置。
  6. 前記分散状態測定手段は、粘度測定手段であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の複合粒子製造装置。
  7. 前記粘度測定手段は、振動式粘度計で構成されていることを特徴とする請求項6に記載の複合粒子製造装置。
  8. 前記貯留槽内に配置され、貯留槽内の粒子を含有する液体を撹拌する撹拌手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の複合粒子製造装置。
  9. 第1の粒子と第2の粒子とを静電引力により付着させて複合粒子を製造する複合粒子の製造方法において、
    第1の粒子または第2の粒子の少なくともいずれか一方の粒子に対し、該粒子の表面電荷が他方の粒子とは反対電荷となるように該表面電荷を調整する電荷調整工程と、
    その電荷調整工程にて電荷調整がなされた後に、第1の粒子と第2の粒子とを混合する混合工程とを含み、
    前記調整剤添加工程は、第1の粒子または第2の粒子のいずれかを含有する液体に粒子の表面電荷を調整するための調整剤を添加する調整剤添加工程と、
    その調整剤添加工程により調整剤が添加された場合に当該液体中の粒子の分散状態を測定する分散状態測定工程と、
    その分散状態測定工程により測定される分散状態が所望の状態になると調整剤の添加を停止する添加停止工程とを含むことを特徴とする複合粒子の製造方法。
  10. 前記分散状態測定工程は、前記粒子を含有する液体の粘度を測定する粘度測定工程であり、前記添加停止工程は、前記粘度測定工程により測定される粘度が極小値近傍になると調整剤の添加を停止する添加停止工程であることを特徴とする請求項9に記載の複合粒子の製造方法。
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