JP6283847B2 - コア・シェル複合粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマー粒子からなるコア粒子と、無機ナノ微粒子からなるシェル層と、からなる、コア・シェル複合粒子を製造する方法に関する。
コア・シェル複合粒子は、コア粒子の特性と、シェル層の特性とを併せ持つため、種々の用途がある。
多糖類と極性が同一の分散媒中に、ゼータ電位の極性が同一の砥粒とを混合して、砥粒を多糖類の表面に偏在させ、脱硫により固定化処理して、多糖類表面に砥粒が偏在する複合粒子を製造する方法が提案されている(特許文献1)。この方法では、コア粒子となる多糖類と、シェル層となる砥粒と、分散媒との組み合わせが限定される。
被覆用微粒子を含有する有機溶剤(ケトン類、エステル類、アルコール類、飽和脂肪族類、環状化合物類、芳香族類など)と、母粒子と、を乾式混合して得た混合物に、超臨界又は亜臨界条件下の二酸化炭素を導入しながら、318K(44.85℃)の温度にて20MPaの圧力を維持しつつ、二酸化炭素とともに有機溶剤を排出する間に、被覆用微粒子と母粒子との複合化を行い、超臨界又は亜臨界条件下の二酸化炭素の導入を停止して、二酸化炭素の液相が発生しないように温度を調節しながら大気圧まで減圧して、二酸化炭素ガスを排出し、複合粒子を得る方法が提案されている(特許文献2)。特許文献2に記載の方法では、常に二酸化炭素が液相にならないように制御することが必要であり、液体二酸化炭素を用いていない。この方法では、被覆用微粒子を含む有機溶剤と母粒子とをミキサー等で乾式混合することにより、被覆用微粒子を含む有機溶剤を母粒子表面に存在させ、超臨界状態において被覆用微粒子の多くを母粒子表面から析出させる。特許文献2において、有機溶剤は、母粒子表面に被覆用微粒子を存在させるために必要不可欠である。しかし、有機溶剤は、環境負荷が大きく、危険物、劇物、発がん性物質であるため、残留有機溶剤等の化学物質の人体への悪影響を嫌う薬剤、化粧品、食品等の分野への適用には適さない。また、有機溶剤の残留を防止するためには、十分な有機溶剤の除去及び回収が必要となる。
また、高圧容器内の圧力及び温度を6.5MPa及び293K(19.8℃)として、亜臨界二酸化炭素中で超音波照射により、タルクにTiO粒子を複合化させたこと、及びPMMA(ポリメチルメタクリレート)粒子の表面に粉末ガラス粒子を被覆したことが報告されている(非特許文献1)。非特許文献1では、超音波照射により、凝集していたTiO粒子の分散が促進され、タルク表面に均一に被覆されるようになると述べられている。また、非特許文献1には、タルクとTiO粒子を高圧二酸化炭素中でマグネチックスターラーを用いて撹拌したところ、タルク粒子表面にTiO粒子凝集体が観察され、TiO粒子の分散及び複合化がほとんど進行しなかったと記載されている。
また、樹脂にグラフェンライク炭素材料を接触させ、10MPa、23℃の亜臨界状態の二酸化炭素を作用させつつ65℃まで加熱して35MPaにて複合化する、複合材料の製造方法が提案されている(特許文献3)。特許文献3には、シート状のグラフェンライク炭素が樹脂表面に集積すること、樹脂内側に入り込んでいることが記載されており、樹脂粒子表面に微粒子を均一に分散させた状態で複合化することは検討されていない。
特開2008−13716号公報 特開2011−11108号公報 WO2012/165372
松山清、三島健司、高圧力の科学と技術、Vol.22, No.2 (2012)
本発明の目的は、従来法で必要となる前処理及び後処理を不要として簡易に無機ナノ微粒子をコア粒子の表面に均一に分散させてなるコア・シェル複合粒子を製造する方法を提供することにある。
本発明によれば、以下のコア・シェル複合粒子の製造方法が提供される。
[1]ポリマー粒子からなるコア粒子と、無機ナノ微粒子からなるシェル層と、からなる、コア・シェル複合粒子を製造する方法であって、
有機溶剤を使用せず、ポリマー粒子と無機ナノ微粒子とを液体又は超臨界状態の二酸化炭素と接触させることにより、ポリマー粒子の表面を軟化させて、軟化したポリマー表面に無機ナノ微粒子を固定して、コア・シェル複合粒子を形成させた後、温度を室温に戻し、次いで圧力を大気圧に戻すことにより二酸化炭素を除去して、コア・シェル複合粒子を取り出す工程を含む製造方法。
[2]前記無機ナノ微粒子は、ダイヤモンド、酸化セリウム、酸化チタン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム又は二酸化ケイ素である、[1]に記載の製造方法。
[3]前記ポリマー粒子を構成するモノマーが、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体の1種以上を含む、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記無機ナノ微粒子の平均粒径は、ポリマー粒子の平均粒径の1/5〜1/100,000である、[1]〜[3]の何れか1項に記載の製造方法。
[5]前記ポリマー粒子の平均粒径は、1μm〜500μmである、[1]〜[4]の何れか1項に記載の製造方法。
[6]前記粒子混合物を液体又は超臨界状態の二酸化炭素と接触させ、コア・シェル複合粒子を形成する際の温度は10〜200℃の範囲、圧力は5〜50MPaの範囲とする、[1]〜[5]の何れか1項に記載の製造方法。
[7]有機溶剤を使用せずに、ポリマー粒子と無機ナノ微粒子とを液体二酸化炭素と接触させる、[1]〜[6]の何れか1項に記載の製造方法。
本発明の方法によれば、有機溶剤を使用せずに液体又は超臨界状態の二酸化炭素中でポリマー粒子表面に無機ナノ微粒子を均一に分散させてなる複合粒子を製造するため、複合化する際に無機ナノ微粒子の凝集が生じることなく、ポリマー粒子表面を均一に被覆した無機ナノ微粒子からなるシェル層を形成させることが可能となる。また、液体二酸化炭素を用いることにより、特許文献2と異なり、有機溶剤を使用する必要がなく、有機溶剤と無機ナノ微粒子(シェル層)とポリマー粒子(コア粒子)のミキサー等による乾式混合を行う前処理操作及び有機溶剤を除去する後処理が不要となるため、製造条件の制御が簡略化される。さらに、残留有機溶剤を除去する必要がなく、残留有機溶剤が問題となる用途の複合粒子も製造することができる。
実施例においてコア粒子として用いた非架橋ポリスチレン粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。(a)100倍、(b)200倍、(c)1000倍 実施例1で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍、(d)20000倍 実施例2で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍、(d)20000倍 実施例3で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍、(d)20000倍 実施例4で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍、(d)20000倍 実施例5で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍、(d)20000倍 実施例6で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)5000倍、(b)10000倍、(c)50000倍 実施例7で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)5000倍、(b)10000倍、(c)50000倍 実施例8で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)5000倍、(b)10000倍、(c)50000倍 実施例9で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)1000倍、(b)2000倍、(c)20000倍 実施例10で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)5000倍、(b)10000倍、(c)50000倍 実施例11で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍、(d)20000倍 実施例12で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)30倍、(b)200倍、(c)2000倍、(d)20000倍 実施例13で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍、(d)10000倍 実施例14で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)200倍、(b)1000倍、(c)5000倍、(d)20000倍 実施例15で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍、(d)20000倍 実施例16で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍、(d)20000倍 実施例17で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍、(d)20000倍 比較例1で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)2000倍、(b)10000倍、(c)40000倍 比較例2で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)2000倍、(b)10000倍、(c)20000倍 比較例3で得られたコア・シェル複合粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍 実施例1で得られたコア・シェル複合粒子を超音波処理した粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)2000倍、(c)20000倍 実施例11で得られたコア・シェル複合粒子を超音波処理した粒子のSEM写真である。(a)50倍、(b)2000倍、(c)20000倍
好ましい実施形態
以下、添付図面を参照しながら本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の製造方法は、コア粒子を構成するポリマー粒子と、シェル層を構成する無機ナノ微粒子とを、有機溶剤を使用せずに、耐圧容器内にて液体又は超臨界状態の二酸化炭素が存在する所定圧力(5〜50MPa)及び温度(10〜200℃)にて、液体又は超臨界状態の二酸化炭素とを接触させ、ポリマー粒子の表面を軟化させて、軟化したポリマー表面に無機ナノ微粒子を固定して複合化した後、温度を室温に戻し、次いで圧力を大気圧に戻すことにより二酸化炭素を除去して、複合粒子を得る。
コア粒子を構成するポリマー粒子としては、平均粒径1〜500μm、好ましくは平均粒径3〜300μmのポリマー粒子が好ましい。本発明で用いるポリマー粒子は、架橋又は非架橋のスチレン系、アクリル系、メタクリル系ポリマー及びこれらの誘導体の1種以上を含むモノマーを重合させて得られるポリマー粒子であることが好ましい。
シェル層を構成する無機ナノ粒子としては、ポリマー粒子よりも小さく、ポリマー粒子の平均粒径の1/5〜1/100,000の平均粒径を有することが好ましい。例えば、平均粒径0.01〜10μm、好ましくは平均粒径0.02〜2μmのダイヤモンド、酸化セリウム(セリア)、酸化チタン(チタニア)、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)又は二酸化ケイ素(シリカ)を用いることができる。
コア粒子とシェル層との組み合わせとしては、上記ポリマー粒子と無機ナノ微粒子とを任意に組み合わせることができる。
コア粒子を構成するポリマー粒子と、シェル層を構成する無機ナノ微粒子とを複合化する際の雰囲気としては、液体又は超臨界状態の二酸化炭素中であることが必要である。液体状態の二酸化炭素を維持するための条件は、三重点(−56.6℃、0.52MPa)以上の圧力と温度との組み合わせにあり、臨界点(31.1℃、7.4MPa)以上の圧力と温度においては、二酸化炭素は超臨界状態となる。本発明では、温度10〜200℃で且つ圧力5〜50MPaの範囲に維持することが好ましい。特に、温度20〜50℃及び圧力20〜35MPaの組み合わせが好適である。コア粒子表面が液体又は超臨界状態の二酸化炭素により膨潤および/または加熱によって可塑化することにより、コア粒子表面が軟化する。軟化したコア粒子表面には、無機粒子が付着しやすくなり、さらに液体又は超臨界状態の二酸化炭素を除去することでポリマー粒子の表面に無機粒子が固定されてシェル層が形成され、コア・シェル複合粒子となる。
コア・シェル複合粒子が形成された後、温度を室温まで低下させて撹拌を止め、耐圧容器の排気バルブを徐々に開放して、容器内の液体二酸化炭素を気体として徐々に耐圧容器から排出させる。二酸化炭素を除去した後、耐圧容器を開けて複合粒子を取り出すことができる。本発明の方法においては、従来技術に必要であった有機溶剤とコア粒子と被覆用微粒子とをミキサー等で乾式混合する前処理及び残留有機溶剤を除去する後処理は不要である。
本発明の製造方法によれば、ポリマー粒子の表面に無機ナノ微粒子が均一に分散したコア・シェル複合粒子を製造することができる。本発明の製造方法で得られたコア・シェル複合粒子のシェル層の厚みは、液体又は超臨界状態の二酸化炭素の温度及び圧力、無機ナノ微粒子の添加量を調節することによって変えることができる。シェル層の厚みは、コア・シェル粒子の断面を電子顕微鏡で直接観察する方法、加熱炉中でポリマー粒子を燃焼させて残さ(無機ナノ粒子)の重量を測定する方法などで、評価することができる。
以下、実施例及び比較例を参照しながら、具体的に説明する。
各例で調製した複合粒子は、オスミウムコーター(フィルジェン(株)製、OPC60N型)を用いてオスミウムをコートした後、走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JCM-5700型)により観察し、複合粒子表面における無機微粒子の被覆状態、形状について評価した。
[実施例1]
シェル層を形成する無機ナノ微粒子としてダイヤモンド微粒子を用い、コアとなるポリマー粒子として非架橋ポリスチレン粒子を用いて、複合粒子を調製した。
ダイヤモンド微粒子(トーメイダイヤ(株)製、製品名:IRM、平均粒子径:0.2μm)0.05gおよび非架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業(株)製、製品名:デュオマスター S-20、平均粒子径:300μm)1.0gをサンプル管に量りとり、サンプル管を軽く振り混ぜた。
ダイヤモンド微粒子と非架橋ポリスチレン粒子との混合物1.0gを耐圧容器(耐圧硝子工業(株)製、容量:10mL)に加え、テフロン(登録商標)コートされたマグネット撹拌子を入れて耐圧容器を密閉した。シリンジポンプ(TELEDYNE ISCO社製、製品名:260D)を使って、8MPaに加圧し液化させた二酸化炭素を耐圧容器に加え充満させた。耐圧容器をウォーターバス(アズワン(株)製、製品名:EW-100)に浸漬し、マグネチックスターラー(IKA社製、製品名:HS 10)で撹拌子を300rpmで回転させながら、温度を50℃まで上昇させた。温度が50℃まで上昇した後、圧力を20MPaに調整し、6時間、撹拌を続けた。
その後、室温(約20℃)まで温度を下げ、撹拌を止めた。液体二酸化炭素を約2分程度かけて徐々に耐圧容器内から除去後、耐圧容器を開け、容器内から複合粒子を取り出した。
コア粒子として用いた非架橋ポリスチレン粒子のSEM写真を図1((a)100倍、(b)200倍、(c)1000倍)に示す。調製した複合粒子のSEM写真を図2((a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍)、(d)20000倍)に示す。複合粒子の表面は、平均粒径0.2μmのダイヤモンド微粒子で被覆されていることが確認できた。
[実施例2〜10]
シェル層を形成する無機ナノ微粒子としてダイヤモンド微粒子(トーメイダイヤ(株)製、製品名:MD-50、平均粒子径:0.05μm、またはトーメイダイヤ(株)製、製品名:IRM、平均粒子径:0.2μm、またはトーメイダイヤ(株)製、製品名:IRM、平均粒子径:1μm)を用い、コアとなるポリマー粒子として非架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業(株)製、製品名:デュオマスター S-20、平均粒子径:300μm)、架橋ポリスチレン粒子(綜研化学(株)製、製品名:ケミスノー SX-500H、平均粒子径:5.0μm)、架橋ジビニルベンゼン系粒子(積水化学工業(株)製、製品名:ミクロパール SP-220、平均粒子径:20μm)、架橋アクリル系粒子(綜研化学(株)製、製品名:ケミスノー MX-500、平均粒子径:5.0μm)を用いて、実施例1と同様に複合粒子を作製した。実施例2〜10の諸条件を表1に、SEM写真を図3〜11に示す。
[実施例11]
シェル層を形成する無機ナノ微粒子としてシリカ微粒子を用い、コアとなるポリマー粒子として非架橋ポリスチレン粒子を用いて、複合粒子を調製した。
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、製品名:MP-4540M、平均粒子径:0.45μm)を凍結乾燥することにより得たシリカ微粒子0.05gおよび非架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業(株)製、製品名:デュオマスターS-20、平均粒子径:300μm)1.0gをサンプル管に量りとり、サンプル管を軽く振り混ぜた。
シリカ微粒子と非架橋ポリスチレン粒子との混合物1.0gを耐圧容器(耐圧硝子工業(株)製、容量:10mL)に加え、テフロン(登録商標)コートされたマグネット撹拌子を入れて耐圧容器を密閉した。シリンジポンプ(TELEDYNE ISCO社製、製品名:260D)を使って、8MPaに加圧して液化させた二酸化炭素を耐圧容器に加え充満させた。耐圧容器をウォーターバス(アズワン(株)製、製品名:EW-100)に浸漬し、マグネチックスターラー(IKA社製、製品名:HS 10)で撹拌子を300rpmで回転させながら、温度を50℃まで上昇させた。温度が50℃まで上昇した後、圧力を20MPaに調整し、6時間、撹拌を続けた。
その後、室温(約20℃)まで温度を下げ、撹拌を止めた。液体二酸化炭素を約2分程度かけて徐々に耐圧容器内から除去後、耐圧容器を開け、容器内から複合粒子を取り出した。調製した複合粒子のSEM写真を図12に示す。複合粒子の表面は、平均粒径0.45μmのシリカ微粒子で被覆されていることが確認できた。
[実施例12〜14]
シェル層を形成する無機ナノ微粒子としてシリカ微粒子(日産化学工業(株)製、製品名:MP-4540M、平均粒子径:0.45μmまたは宇部日東化成(株)製、製品名:ハイプレシカ FQ、平均粒子径:2μm)を用い、コアとなるポリマー粒子として非架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業(株)製、製品名:デュオマスター S-20、平均粒子径:300μm)、非架橋ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子(東京化成工業(株)製ポリメチルメタクリレート、平均粒子径:40μm)を用いて、実施例11と同様に複合粒子を作製した。実施例12〜14の諸条件を表2に、SEM写真を図13〜15に示す。
[実施例15〜17]
シェル層を形成する無機ナノ微粒子としてセリア微粒子(太陽鉱工(株)製、製品名:セリコ CH-501、平均粒子径:0.6μm)、チタニア微粒子(Aldrich社製、ルチル型、平均粒子径:28nm)を用い、コアとなるポリマー粒子として非架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業(株)製、製品名:デュオマスター S-20、平均粒子径:300μm)を用いて、実施例1と同様に複合粒子を作製した。実施例15〜17の諸条件を表3に、SEM写真を図16〜18に示す。
[比較例1]
ダイヤモンド微粒子(トーメイダイヤ(株)製、製品名:MD-50、平均粒子径:0.05μm)0.2gおよび架橋ポリスチレン粒子(綜研化学(株)製、製品名:ケミスノー SX-500H、平均粒子径:5.0μm)1.0gをサンプル管に量りとり、両者が十分に混合されるようにサンプル管を振り混ぜ、混合物を得た。
この混合物のSEM写真を図19((a)2000倍、(b)10000倍、(c)40000倍)に示す。架橋ポリスチレン粒子の表面には、平均粒径0.05μmのダイヤモンド微粒子が一部付着しているが、未被覆の部分が多く、表面の構造は液体又は超臨界二酸化炭素を用いて作製した複合粒子とはまったく異なることが確認された。
[比較例2]
ダイヤモンド微粒子(トーメイダイヤ(株)製、製品名:IRM、平均粒子径:0.2μm)1.0gおよび架橋ポリスチレン粒子(綜研化学(株)製、製品名:ケミスノーSX-500H、平均粒子径:5.0μm)1.0gをサンプル管に量りとり、両者が十分に混合されるようにサンプル管を振り混ぜ、混合物を得た。
この混合物のSEM写真を図20((a)2000倍、(b)10000倍、(c)20000倍)に示す。架橋ポリスチレン粒子の表面には、平均粒径0.2μmのダイヤモンド微粒子が一部付着しているが、未被覆の部分が多く、表面の構造は液体又は超臨界二酸化炭素を用いて作製した複合粒子とはまったく異なることが確認された。
[比較例3]
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、製品名:MP-4540M、平均粒子径:0.45μm)を凍結乾燥することにより得たシリカ微粒子0.05gおよび非架橋ポリスチレン粒子(積水化成品工業(株)製、製品名:デュオマスター S-20、平均粒子径:300μm)1.0gをサンプル管に量りとり、両者が十分に混合されるようにサンプル管を振り混ぜ、混合物を得た。
この混合物のSEM写真を図21((a)50倍、(b)200倍、(c)2000倍)に示す。非架橋ポリスチレン粒子の表面には、平均粒径0.45μmのシリカ微粒子が一部付着しているが、未被覆の部分が多く、表面の構造は液体又は超臨界二酸化炭素を用いて作製した複合粒子とはまったく異なることが確認された。
比較例1〜3の諸条件を表4に示す。
[実施例18]
実施例1および実施例11で調製した複合粒子に超音波を照射し(複合粒子をエタノール中に浸漬し、超音波洗浄機(アズワン製、AUS-3)で15分間超音波照射した後、ろ過により回収する操作を3回繰り返した。)、シェル層を強制的に脱離させた。シェル層を脱離させた後の粒子のSEM写真をそれぞれ図22および図23に示す。有機溶剤を用いない本発明の方法によれば、液体又は超臨界二酸化炭素中でコア粒子表面が軟化し、無機ナノ微粒子が埋まり込むことによりシェル層が形成されていることがわかる。

Claims (6)

  1. ポリマー粒子からなるコア粒子と、平均粒径が0.01μm〜10μmの範囲である無機微粒子からなるシェル層と、からなる、コア・シェル複合粒子を製造する方法であって、
    有機溶剤を使用せずに、ポリマー粒子と無機微粒子とを超臨界状態の二酸化炭素と接触させることにより、ポリマー粒子の表面を軟化させて、軟化したポリマー表面に無機微粒子を固定して、コア・シェル複合粒子を形成させた後、温度を室温に戻し、次いで圧力を大気圧に戻すことにより二酸化炭素を除去して、コア・シェル複合粒子を取り出す工程を含む製造方法。
  2. 前記無機微粒子は、ダイヤモンド、酸化セリウム、酸化チタン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム又は二酸化ケイ素である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ポリマー粒子を構成するモノマーが、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体の1種以上を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記無機微粒子の平均粒径はポリマー粒子の平均粒径の1/5〜1/100,000である、請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
  5. 前記ポリマー粒子の平均粒径は、1μm〜500μmである、請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
  6. 前記粒子混合物を超臨界状態の二酸化炭素と接触させ、コア・シェル複合粒子を形成する際の温度は31.1℃〜200℃の範囲、圧力は7.4MPa〜50MPaの範囲とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の製造方法。
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