JP2010064945A - セラミック複合粒子の製造法および機能性セラミック複合材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な装置を必要とせず、大量に、また、緻密に制御した複合材料の製造技術の確立が望まれている。本技術はナノスケールの厚みの添加物連続層を材料内に導入することで、電気的特性、機械的特性等が制御された新規機能を有する複合材料の製造方法を提供する。
【解決手段】ナノ添加物をマトリックス中へ均一または連続層として分散導入するために静電吸着を利用し、添加物を被覆したセラミック複合粒子を作製することにより、弾性率及び電気伝導性に特徴的な機能性セラミック複合材料を得ることが可能となる。これを用いて通常の粉末冶金プロセスを経由して、複合材料を製造することを特徴としている。
【選択図】図2
【解決手段】ナノ添加物をマトリックス中へ均一または連続層として分散導入するために静電吸着を利用し、添加物を被覆したセラミック複合粒子を作製することにより、弾性率及び電気伝導性に特徴的な機能性セラミック複合材料を得ることが可能となる。これを用いて通常の粉末冶金プロセスを経由して、複合材料を製造することを特徴としている。
【選択図】図2
Description
本発明は、ナノスケールの厚みの添加物連続層を材料内に導入することで、電気的特性、機械的特性が制御された新規機能を有する複合材料を製造するための技術に関する。
一般に、複合材料の作製には、二種類以上の原料混合においてボールミルなどの機械混合が用いられる(特許文献1)が、この手法では、原料が汚染される、生産量が少ない、ナノ粉末での混合は難しい等々の問題点が指摘される。更にこの場合、材料中に添加物が均一に分散している、または添加物による連続層を導入する、などの所望の微細構造をデザインすることはできない。更に、母材原料にプライマーもしくは改質材を塗布することで、母材表面に添加物を接着する方法が用いられる(特許文献2)。しかし、この場合は薬物の液だれによる添加物の偏りが生じるため材料の性質の制御が困難であるだけなく、機械的刺激に弱く、添加剤の剥離が起きやすい。そのため、特別な装置を必要とせず、大量に、また、緻密に制御した複合材料の製造技術の確立が望まれている。
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複合材料のマトリックス中に添加物を均一に分散させる、または添加物をナノレベルで連続的に導入した機能性複合材料を製造するための技術を提供することにある。
本発明では、複合材料のマトリックスとなる母材原料粒子、及び、添加粒子表面に、それぞれ、カチオン性高分子、アニオン性高分子を順じ交互に吸着させることで、表面電荷を充分に強めるとともに、安定化させ、その静電相互作用で母材粒子表面に添加物粒子を吸着させることで、ナノコートされた複合粒子を製造する。
これを用いて通常の粉末冶金プロセスを経由して、複合材料を製造することを特徴としている。
母材粒子表面への添加粒子の吸着量を調整することで最終製品である複合材料の微細構造を制御することができる。吸着量(コーティング量)を多くすることで(母材粒子表面を全て被覆)、焼結体の構造中に添加物の連続層が導入される。また、吸着量を少なく(母材粒子表面が露出している程度)することで、添加物が均一に分散した微細構造を導入できる。
更に、微細構造の制御には、添加物の吸着量調整のほかに、母材粒子の大きさを調整することでも可能である。高分子バインダー等を用いた従来の造粒プロセスを用いれば、各種寸法の球状造粒2次粒子を得ることができる。これを母材粒子とすることで構造を制御することが可能となる。
本発明により製造される複合材料では、無添加の母材焼結体(または圧粉体)の破壊強度・硬度などの機械的特性をほぼ維持したまま、添加物連続層を有する複合材料が製造できる。たとえば、アルミナ基カーボン複合材料においては、カーボン連続層における電気伝導性、及び、マトリックスであるアルミナの高強度、耐磨耗性を生かして、高荷重域においても利用可能なブラシ材などのしゅう動部品、または、易放電加工性セラミックスなどへの応用が可能である。
また、導入したカーボン連続層が外部負荷応力を吸収することで(選択的に変形することで)、弾性率を劇的に低下させることができる。通常のアルミナ(弾性率:300〜400GPa)は人工骨として利用するには、人骨のそれと比較して高すぎるため適さない。しかし、本発明により製造する複合材料は強度、硬度を維持したまま弾性率を制御することが可能である。
関連して、カーボン連続層の存在により、急激な温度変化においても熱衝撃破壊を示さない超耐熱衝撃性セラミック複合材料部品としての活用も可能である。
本発明によって製造される複合材料は、先ず、複合材料の最終微細構造を決定する原料複合粒子(母材粒子表面に添加物粒子がコーティングされている)を精密に作製することが重要であり、これを用いて複合材料を製造する。原料複合粒子の表面被覆量により、複合材料中への添加物連続層の導入、または、均一分散を可能とすることを特徴とする。
原料複合粒子の作製においては、静電相互作用を利用してマトリックスとなる母材粒子表面に添加物粒子を吸着させる。両粒子の表面電荷を正、及び負にそれぞれ帯電させる必要があり、これには、カチオン性高分子、アニオン性高分子をそれぞれ用いることが望ましい。また、吸着の最終段階で母材粒子、添加物粒子の表面が、正、負の相反した帯電を有すれば良いが、前もってカチオン性高分子、アニオン性高分子を複数回交互にそれぞれの粒子に積層させておくことで、電荷密度が一定となり、またその強度も増すことから均一な表面被覆を達成することができる。
本発明において用いる、母材粒子、添加物粒子は幾何形状、大きさに制限はない。静電吸着により母材粒子に添加粒子を被覆することから、球状、針状、等々の制限は無く利用可能である。また、複数個の微細粒子の集合体(例えば、ナノ粒子を高分子バインダー等で造粒したもの)においても利用可能である。同様に、材料の種類(金属、セラミック、高分子)に関しても制約を受けず、広く活用できる。
本発明において用いるカチオン性高分子としては、例えば、ポリ(ジアリルメチルアンモニウムクロライド)(PDDA)を用いることができる。このカチオン性高分子は例えば塩化ナトリウム水溶液を溶媒として用いることができる。本発明において用いることのできる他のカチオン性高分子としては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン(PVAm)、ポリ(ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸)共重合などが上げられる。但し、カチオン性高分子としての一例であり、これに限るものではない。
本発明において用いられるアニオン性高分子としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸(PSS)を用いることができる。本発明において用いることのできる他のアニオン性高分子としては、ポリビニル硫酸(PVS)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)などが上げられる。但し、アニオン性高分子としての一例であり、これに限るものではない。
母材粒子として用いられる粒子として、セラミックスでは、例えば、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、等が上げられる。また、その造粒粉も適用可能である。但し、母材粒子におけるセラミックスとしての一例であり、これに限るものではない。
添加物粒子として用いる粒子は、例えば、機械強度・破壊靭性を向上させるために、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、また、高熱伝導物質である窒化アルミ、導電性材料である、カーボンナノ粒子、ナノダイアモンド、フラーレン類等々、種類を問わず用いることができる。粒子状に限らず、カーボンナノチューブのようなアスペクト比が大きいもの、各種の無機ゾルなどにも適用可能である。そのため、前期の添加物粒子として用いる粒子としての一例は、これに限るものではない。
これらの母材粒子、添加粒子は、目的に応じて、複数種類用いても良い。
本発明において用いる母材粒子は、添加粒子を表面に吸着させることから、平均粒径で、0.5μm以上が望ましい。
本発明において用いる添加粒子は、母材粒子表面に吸着させることから、幾何学的な制約として母材粒子平均粒子径と比較して少なくとも1/10以下であることが望ましい。
本発明における複合材料の製造法は、複合粒子の作製とこれを用いた焼結、圧着等を含む成形に大分される。複合粒子の作製は、母材粒子、添加粒子それぞれの表面にアニオン性高分子、カチオン性高分子を複数回積層させて表面電荷を制御する工程が含まれる。
母材粒子の表面電荷(材料によって異なる)が、例えば正であれば、アニオン性高分子を吸着させることで、表面電荷を負に反転させることができる。反対に、負の表面電荷を有する場合は、カチオン性高分子を吸着させることで正に反転させることができる。
添加物粒子に対しても、同様の処理で所望の電荷を得ることができる。
良好な粒子被覆を得るためには、母材粒子、添加粒子それぞれに対して、複数回、交互にアニオン性高分子、カチオン性高分子を積層させることが望ましい。
カチオン性高分子を原料粒子表面に吸着させた後、余分なカチオン性高分子を除去するために、脱イオン水等で洗浄することが好ましい。同様にアニオン性高分子を原料粒子表面に吸着させた後、余分なアニオン性高分子を除去するために、脱イオン水等で洗浄することが好ましい。
母材粒子、添加粒子それぞれに対して、少なくとも3層のカチオン性高分子、アニオン性高分子を積層させることで、静電吸着に対して良好な電荷を粒子に与えることができる。このようにして得られた、正・負の相反する表面電荷を有する母材粒子、添加粒子を溶媒中で攪拌することで、簿材粒子表面に幾何学的により微細な添加粒子が吸着することで、複合粒子を得ることができる。
母材粒子の量に対して充分な添加粒子を吸着させることで、母材粒子表面を完全に被覆した複合粒子を得ることができる。吸着されずに溶媒中に残存する過剰な添加粒子は、遠心分離器を用いて除去することが望ましい。
母材粒子の量に対して添加粒子を少なくすることで、吸着量を少なくすることができる。
得られた複合粒子は、遠心分離器により溶媒を除去し、乾燥することで複合材料の原料粉末とすることができる。乾燥した複合粒子は、従来の金型プレスにより成形することができる。
圧粉体を、電気炉中で焼結することで複合材料を得ることができる。
本手法により、母材粒子への吸着量を少なくした複合粒子を用いた場合は、添加物が均一にマトリックス中に分散した、また、母材粒子表面に均一に吸着させた複合粒子を用いた場合は、添加物の連続層を有した複合材料が製造できる。本発明について、次に実施例を示し更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
次に、上記実施形態を更に具体化した実施例について、詳細に説明する。
[実施例1]
マトリックスがアルミナ、添加物がカーボンである複合材料の作製
母材粒子として、市販の高純度アルミナ造粒粉(大明化学社製)を用いた。一次粒径は約100nmであり、これを造粒することで平均粒径を約50μmとした球状の粒子である。
添加物粒子として、平均粒径が250nmの球状ナノカーボン粒子(東海カーボン社製)を用いた。
マトリックスがアルミナ、添加物がカーボンである複合材料の作製
母材粒子として、市販の高純度アルミナ造粒粉(大明化学社製)を用いた。一次粒径は約100nmであり、これを造粒することで平均粒径を約50μmとした球状の粒子である。
添加物粒子として、平均粒径が250nmの球状ナノカーボン粒子(東海カーボン社製)を用いた。
カチオン性高分子としてPDDAを用いた。0.5モル/リットルの塩化ナトリウム水溶液500mlに20重量%のPDDA水溶液(アルドリッチ社製、Mw=100000〜200000)を25g添加し、攪拌して、PDDA水溶液を調整した。
アニオン性高分子としてPSSを用いた。0.5モル/リットルの塩化ナトリウム水溶液500mlに20重量%のPSS水溶液(アルドリッチ社製、Mw=70000)を25g添加し、攪拌して、PSS水溶液を調整した。
それぞれの原料粉末の表面電荷を測定したところ、アルミナは水溶液中で正、カーボンは負であった。
アルミナ表面の電荷を反転させるため、PSS水溶液にアルミナ粉末を投入し、スタラーで10分間攪拌した。その後、10000Gで5分間遠心分離し、更に脱イオン水で洗浄し遠心分離を2回繰り返した。分離して得られた固形物に上記のPDDAを加え、同様の手順で固形物を得た。更に、繰り返しPSSを吸着させて、最外郭の電荷が負であるアルミナ粒子を得た。
同様に、カーボン粒子に対してもPDDA、PSS、PDDAの積層膜を有する最外郭が正となる吸着粒子を作製した。
図1は、アルミナ、カーボンそれぞれのPDDA、PSSを吸着させた際の表面電荷の変化を示している。図に示すように、PDDA、PSSを積層させることで電荷が強くなり、一定の強度に安定していき、アルミナに対してはPSS・PDDA・PSSの3層、カーボンに関してはPDDA・PSS・PDDAの3層でそれぞれ充分な表面電荷が得られることが分かる。
両者を水溶液中に分散させ、スタラーにより30分間攪拌することでカーボンで被覆した、アルミナ粒子を得た。
図2は、得られたカーボン被覆アルミナ複合粒子の一例であり、良好な複合粒子が得られている。
[実施例2]
実施例1で用いたPDDAをポリエチレンイミン(PEI)に代えた以外は、実施例1と同様にしてカーボン被覆アルミナ複合粒子を得た。
実施例1で用いたPDDAをポリエチレンイミン(PEI)に代えた以外は、実施例1と同様にしてカーボン被覆アルミナ複合粒子を得た。
[実施例3]
実施例1で用いたPDDAをポリビニルアミン(PVAm)に代えた以外は、実施例1と同様にしてカーボン被覆アルミナ複合粒子を得た。
実施例1で用いたPDDAをポリビニルアミン(PVAm)に代えた以外は、実施例1と同様にしてカーボン被覆アルミナ複合粒子を得た。
[実施例4]
実施例1で用いたアルミナ造粒粉(大明化学社製)を中実アルミナ粒子(平均粒径10μm)に代えた以外は、実施例1と同様にしてカーボン被覆アルミナ複合粒子を得た。
実施例1で用いたアルミナ造粒粉(大明化学社製)を中実アルミナ粒子(平均粒径10μm)に代えた以外は、実施例1と同様にしてカーボン被覆アルミナ複合粒子を得た。
[実施例5]
実施例1で用いたカーボンナノ粒子を部分安定化ジルコニア粉末に代えた以外は、実施例1と同様にしてジルコニア被覆アルミナ複合粒子を得た。
実施例1で用いたカーボンナノ粒子を部分安定化ジルコニア粉末に代えた以外は、実施例1と同様にしてジルコニア被覆アルミナ複合粒子を得た。
[実施例6]
実施例1で用いたアルミナ粉末をシリカ球粒子、カーボンナノ粒子をアルミナゾル(日産化学社製)に代えた以外は、実施例1と同様にしてアルミナ被覆シリカ複合粒子を得た。
実施例1で用いたアルミナ粉末をシリカ球粒子、カーボンナノ粒子をアルミナゾル(日産化学社製)に代えた以外は、実施例1と同様にしてアルミナ被覆シリカ複合粒子を得た。
[実施例7]
実施例1で用いたアルミナ粉末をジルコニア粉末、カーボンナノ粒子をアルミナゾル(日産化学社製)に代えた以外は、実施例1と同様にしてアルミナ被覆ジルコニア複合粒子を得た。
実施例1で用いたアルミナ粉末をジルコニア粉末、カーボンナノ粒子をアルミナゾル(日産化学社製)に代えた以外は、実施例1と同様にしてアルミナ被覆ジルコニア複合粒子を得た。
[実施例8]
実施例1により得られた複合粒子を用いて複合材料を作製した。金型に複合粒子を詰め、圧縮応力30MPaで成形し、圧粉体を得た。その後、1300℃、真空雰囲気下で2時間焼結することで、相対密度98%のアルミナ複合材料を得た。
図3は、得られた微細構造の一例である。造粒粒子の周りに被覆したカーボン粒子が連続的にチャンネルを作っている様子が観察される。
実施例1により得られた複合粒子を用いて複合材料を作製した。金型に複合粒子を詰め、圧縮応力30MPaで成形し、圧粉体を得た。その後、1300℃、真空雰囲気下で2時間焼結することで、相対密度98%のアルミナ複合材料を得た。
図3は、得られた微細構造の一例である。造粒粒子の周りに被覆したカーボン粒子が連続的にチャンネルを作っている様子が観察される。
[実施例9]
実施例7により得られた複合粒子を用いて、複合材料を作製した。金型に複合粒子を詰め、圧縮応力30MPaで成形し、圧粉体を得た。その後、1400℃、酸化雰囲気下で2時間焼結することで、相対密度99%のアルミナ−ジルコニア複合材料を得た。
図4は、得られた微細構造の一例である。ジルコニアマトリックス中に、均一にアルミナ粒子が分散した複合材料を得た。
実施例7により得られた複合粒子を用いて、複合材料を作製した。金型に複合粒子を詰め、圧縮応力30MPaで成形し、圧粉体を得た。その後、1400℃、酸化雰囲気下で2時間焼結することで、相対密度99%のアルミナ−ジルコニア複合材料を得た。
図4は、得られた微細構造の一例である。ジルコニアマトリックス中に、均一にアルミナ粒子が分散した複合材料を得た。
電気抵抗測定
実施例8で得られた複合材料に対して交流インピーダンス法を用いて電気抵抗を測定した結果、0.21Ω・mの値を得た。したがって導電性の高いアルミナ複合材料が製造できることが示された。
実施例8で得られた複合材料に対して交流インピーダンス法を用いて電気抵抗を測定した結果、0.21Ω・mの値を得た。したがって導電性の高いアルミナ複合材料が製造できることが示された。
弾性率測定
実施例8で得られた複合材料に対して三点曲げ法による弾性率の測定を行った。参考のため緻密な無添加アルミナ(300〜400GPa)と比較した結果、本発明により製造したアルミナ複合材料は約半分の150〜200GPaとなり、低弾性なアルミナが製造できることが示された。
実施例8で得られた複合材料に対して三点曲げ法による弾性率の測定を行った。参考のため緻密な無添加アルミナ(300〜400GPa)と比較した結果、本発明により製造したアルミナ複合材料は約半分の150〜200GPaとなり、低弾性なアルミナが製造できることが示された。
機械強度測定
実施例8で得られた複合材料に対して三点曲げ法による曲げ強度の測定を行った。緻密なアルミナの強度と比較して、弾性率がほぼ半分程度でありながら、70〜80%程度の強度を維持したアルミナが製造できることか示された。
実施例8で得られた複合材料に対して三点曲げ法による曲げ強度の測定を行った。緻密なアルミナの強度と比較して、弾性率がほぼ半分程度でありながら、70〜80%程度の強度を維持したアルミナが製造できることか示された。
高温特性
実施例9により得られた、ジルコニア−アルミナ複合材料の高温特性を評価した。1300℃、圧縮応力20MPa、で圧縮クリープを行った結果、通常の機械混合において得られた同組成の複合材料と比較して変形抵抗が約半分(前述試験条件において、3時間で20%の変形)の超塑性特性の改善が見られることが分かった。
実施例9により得られた、ジルコニア−アルミナ複合材料の高温特性を評価した。1300℃、圧縮応力20MPa、で圧縮クリープを行った結果、通常の機械混合において得られた同組成の複合材料と比較して変形抵抗が約半分(前述試験条件において、3時間で20%の変形)の超塑性特性の改善が見られることが分かった。
Claims (9)
- 交互吸着法により、母材粒子表面にナノ粒子添加物を被覆(ナノコーティング)した複合粒子を用いることを特徴とした機能性複合材料の製造法。
- 請求項1に記載の複合材料の原料となる、交互吸着法を用いることを特徴とするナノコーティング複合粒子の製造法。
- 請求項1〜2のいずれかに記載の交互吸着法により形成された少なくとも1層の接着層を有する、ナノコーティング複合粒子により製造された、ナノ粒子添加物の連続層を特徴とする複合材料。
- 請求項3に記載の、母材にセラミック材料、複合添加粒子にカーボン材料を用いて製造したセラミック複合材料。
- 請求項1〜4に記載の、交互吸着法によって製造したセラミック複合材料の焼結体。
- 前記セラミック材料とカーボン材料の焼結体が、電気伝導性を有することを特徴とするセラミック複合材料。
- 弾性率が緻密体の原料セラミック材料と比較して40〜60%(180〜220GPa)の弾性率を特徴とする請求項4に記載のセラミック材料とカーボン材料からなるセラミック複合材料。
- 請求項4〜7のいずれかに記載のカーボン材料が、フィラメント、フラーレン、カルビン、ナノチューブ、グラファイト、ガラス状炭素、またはダイヤモンドライクカーボンのいずれか1つ以上を含むことを特徴とするセラミック複合材料。
- 請求項4〜7のいずれかに記載のセラミック材料が、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、スピネル、マグネシアのいずれか1つ以上を含むことを特徴とするセラミック複合材料。
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