JPWO2012067081A1 - 酸味を抑えた発酵乳及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は,乳酸由来の酸味を緩和し,爽やかな風味を有する発酵乳及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明は,基本的には,発酵原料に,乳酸よりも酸味度の低い酸成分(酸味料)を微量で加えた後に,乳酸発酵させることで,乳酸由来の酸味を緩和し,爽やかな風味を有する発酵乳を得ることができるという知見に基づくものである。具体的には,原料乳及び乳酸菌スターターを100重量%としたときに,乳酸より酸味度の低い酸成分を0.05重量%以上0.5重量%以下で原料乳に添加する。【選択図】なし

Description

本発明は,原料ミックスに微量の酸成分を添加した後に,発酵させることで得られる,酸味が抑えられ,風味が爽やかな発酵乳及びその製造方法に関するものである。
発酵乳は一般的に,セットタイプヨーグルト(固形状発酵乳),ソフトヨーグルト(糊状発酵乳),ドリンクヨーグルト(液状発酵乳)に分類される。これら各種のヨーグルトにおいて,消費者の嗜好に合わせて様々な風味や食感の発酵乳を開発していくことは,発酵乳の市場を拡大する上で重要である。このような観点から,発酵乳を製造する過程で,色々な工夫を凝らすことが知られている。
特開2000−316468号公報(特許文献1)には,カルシウム塩を含む発酵原料を乳酸発酵することで,発酵風味及び安定性が増強された発酵乳飲料を製造する方法が開示されている。
特開2000−316468号公報
特許文献1に開示された方法は,乳酸発酵を促進でき,その結果,乳酸の風味を強くできる。このため,この方法を用いて発酵乳を製造すると,乳酸由来の酸味が強調され,酸味が強くなる場合がある。
これに対して,本発明は,乳酸由来の酸味を緩和し,爽やかな風味を有する発酵乳及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は,基本的には,原料乳(ヨーグルトミックス)に,乳酸よりも酸味度の低い酸成分(酸味料)を微量で加えた後に,乳酸発酵させることで,乳酸由来の酸味を緩和し,爽やかな風味を有する発酵乳を得ることができるという知見に基づくものである。
本発明の第1の側面は,発酵乳の製造方法に関する。この発酵乳の製造方法は,原料乳及び乳酸菌スターターを含む発酵原料を調製する調製工程と,その調製工程で調製した発酵原料を発酵させる発酵工程とを含む。そして,前記調製工程において,原料乳を100重量%としたときに,乳酸より酸味度の低い酸成分を0.05重量%以上0.5重量%以下で原料乳に添加する。
酸成分は,有機酸,有機酸の塩,又は有機酸の溶媒和物であることが好ましく,フィチン酸,グルコン酸,酢酸,それらの塩,及びそれらの溶媒和物のいずれか1つ又は2つ以上であることがより好ましい。
そして,前記調製工程において,発酵原料の酸性度(pH)を5.8以上6.2以下(弱酸性)にした後に,発酵工程を行うものが好ましい。
さらに,発酵乳(最終製品)は,甘味料,果肉(フルーツ),フルーツソース,プレパレーションなどを含むものが好ましい。すなわち,本発明では,酸味の緩和(抑制)された発酵乳がベースミックスとして調製されるため,各種の副原料と混合して最終製品とする際に,発酵乳と副原料との風味が馴染みやすくなる。そのため,本発明は,ソフトヨーグルトやドリンクヨーグルトに好ましく用いることができ,デザートヨーグルト(たとえば,フルーツヨーグルト)に特に好ましく用いることができる。
本発明の第2の側面は,発酵乳に関する。この発酵乳は,乳酸より酸味度の低い酸成分を0.05重量%以上0.5重量%以下で含む。この発酵乳は,先に説明した製造方法により製造されるものが好ましく,酸成分として,フィチン酸,グルコン酸,酢酸,それらの塩,及びそれらの溶媒和物のいずれか1つ又は2つ以上を含むことが好ましい。
本発明によれば,発酵原料に含まれる酸成分が,乳酸発酵を適切に抑えることができるので,乳酸由来の酸味を緩和し,爽やかな風味を有する発酵乳を得ることができる。
以下,本発明を実施するための最良の形態を説明する。本発明は,発酵乳(ヨーグルト)の製造方法や発酵乳に関する。発酵乳や発酵乳の製造方法は広く知られている。本明細書においては,当業者に知られている,あらゆる技術を採用することができる。
本発明の第1の側面は,発酵乳の製造方法に関する。この発酵乳の製造方法は,原料乳及び乳酸菌スターターを含む発酵原料を調製する調製工程と,その調製工程で調製した発酵原料を発酵させる発酵工程と,を含む。
前記調製工程は,原料乳及び乳酸菌スターターを含む発酵原料を調製するための工程である。本発明は,原料乳(ヨーグルトミックス),乳酸菌スターター,及び酸成分を合わせて,発酵原料を得る。すなわち,原料乳を100重量%としたときに,乳酸より酸味度の低い酸成分を0.05重量%以上0.5重量%以下で添加して発酵原料を調製する。このとき,酸成分を原料乳に添加した後に,乳酸菌スターターを添加してもよいし,乳酸菌スターターを原料乳に添加した後に,酸成分を添加してもよい。また,酸成分と乳酸菌スターターとを合わせた後に,この酸成分と乳酸菌スターターの混合物を原料乳に添加してもよい。ただし,乳酸菌スターターを原料乳に添加した後に,酸成分を添加する場合には,酸成分を添加する前に,発酵工程が進行しないように,乳酸菌スターターを添加する時期と,酸成分を添加する時期とを,ほぼ同時に設定することが好ましい。なお,酸味度はクエン酸を1として表現される数値である。そして,後述する実施例に示される通り,乳酸よりも酸味度の低い酸成分は例えば,乳酸の酸味度(1.2)よりも酸味度(クエン酸の換算比)が低い食品添加用の酸味料である。そして,その酸成分は,有機酸,有機酸の塩,又は有機酸の溶媒和物であることが好ましく,フィチン酸,グルコン酸,酢酸,それらの塩,及びそれらの溶媒和物のいずれか1つ又は2つ以上であることがより好ましい。また,後述する実施例に示される通り,酸成分の含有量として,0.05重量%以上0.5重量%以下が好ましく,0.1重量%以上0.3重量%以下がより好ましく,0.1重量%以上0.2重量%以下がさらに好ましい。
原料乳及び乳酸菌スターターには,発酵乳を製造するために通常で用いられるものを用いることができる。原料乳は,例えば,乳,乳製品,乳タンパク質などに加え,水,砂糖,糖類,甘味料,香料,ゼラチン,寒天,ペクチンなどを1種又は2種以上で含むものである。乳酸菌スターターは例えば,ラクトバチルス・ブルガリカス(L.bulgaricus),ストレプトコッカス・サーモフィルス(S.thermophilus),ラクトバチルス・ラクティス(L.lactis)である。一方,ラクトバチルス・ブルガリカス又はこれを含む乳酸菌スターターを用いて,発酵乳を製造した場合,乳酸由来の酸味が高まる傾向がある。したがって,本発明は,特にラクトバチルス・ブルガリカス又はこれを含む乳酸菌スターターを用いて,発酵乳を製造する方法に好ましく用いることができる。また,本発明は,ラクトバチルス・ブルガリカス(L.bulgaricus)及びストレプトコッカス・サーモフィルス(S.thermophilus)の両方を乳酸菌スターターとして用いた場合に特に,これらの乳酸菌によってもたらされる酸味を効果的に防止できる。
本発明の好ましい例は,調製工程において,発酵原料の酸性度(pH)を5.8以上6.2以下にした後に,発酵工程を行うものでる。発酵原料の酸性度を5.8以上6.2以下にするためには,先に説明した原料乳又は発酵原料に,乳酸より酸味度の低い酸成分を添加して,酸性度を調整してもよい。また,先に説明した原料乳又は発酵原料に,乳酸より酸味度の低い酸成分を添加した後に,常温(たとえば20℃以上30℃以下)にて熟成させることで,発酵原料の酸性度を調整してもよい。なお,後述する実施例に示される通り,発酵原料の酸性度(pH)として,5.8以上6.2以下が好ましく,5.8以上6以下がより好ましい。原料乳に酸成分を添加してから(pHを5.8〜6.0程度に調整してから)発酵させることで,発酵工程において,乳酸菌による乳酸の生成速度を低下させる。これにより,発酵乳の(冷蔵)保存中において,乳酸濃度の増加を抑制し,酸味の上昇を抑制できる。
発酵乳(最終製品)は,さらに,甘味料,果肉(フルーツ),フルーツソース,プレパレーションなどを含むものが好ましい。すなわち,本発明では,酸味の緩和(抑制)された発酵乳がベースミックスとして調製されるため,各種の副原料と混合して最終製品とする際に,発酵乳と副原料との風味が馴染みやすくなる。そのため,本発明は,ソフトヨーグルトやドリンクヨーグルトに好ましく用いることができ,デザートヨーグルト(たとえば,フルーツヨーグルト)に特に好ましく用いることができる。この場合,フルーツヨーグルトのベースとなる発酵乳(ヨーグルト)の酸味が抑えられているので,フルーツソースの風味を邪魔することなく,ヨーグルト本来の風味を提供しながら,フルーツソースの風味を引き立たせることができる。
発酵工程は,調製工程で調製した発酵原料を発酵させるための工程である。発酵温度の例は30℃以上50℃以下である。発酵温度は,35℃以上45℃以下でもよく,37℃以上43℃以下でもよく,40℃以上43℃以下でもよい。
本発明の第2の側面は,発酵乳に関する。この発酵乳は,乳酸より酸味度の低い酸成分を0.05重量%以上0.5重量%以下で含む。この発酵乳は,先に説明した製造方法により製造されるものが好ましく,酸成分として,フィチン酸,グルコン酸,酢酸,それらの塩,及びそれらの溶媒和物のいずれか1つ又は2つ以上を含むことが好ましい。すなわち,この発酵乳は,先に説明した製造方法により製造され,酸味が抑えられた発酵乳が特に好ましい。
42.0kgの生乳,8.0kgの脱脂粉乳(明治乳業社),5.0kgの砂糖(明治フードマテリア社)を,45.0kgの水を用いて混合した。このようにして,原料乳(ヨーグルトミックス)を得た。この原料乳を95℃にて5分間で加熱殺菌した後に,43℃に冷却した。
2重量%の含有量となるように乳酸菌スターター(Lactobacillus bulgaricus JCM1002TとStreptococcus
thermophilus ATCC 19258の混合培養物)を原料乳へ添加した。乳酸菌スターターを添加した原料乳(発酵原料)を100重量%として,0.15重量%のフィチン酸水溶液(50重量%,築野食品工業社)を添加した。そして,タンク内において,これらの原料乳を43℃で発酵させた。乳酸酸度(酸度)が0.85%程度に到達した時点で,ヨーグルトカードを破砕しながら10℃以下に冷却して,発酵乳を調製(製造)した。なお,酸度は,フェノールフタレインを指示薬として,水酸化ナトリウム(0.1規定)で適定することにより測定した。
[比較例1]
一方,対照品として,フィチン酸水溶液を添加しなかった以外は実施例1と同様にして,発酵乳を調製(製造)した。
実施例1及び比較例1で製造した発酵乳を10℃において,25日間(冷蔵)保存し,官能検査で風味を評価した。官能検査の結果,比較例1の発酵乳に比べて実施例1の発酵乳は,酸味が著しく低くいと評価された。
表1Aの配合にて酸味成分の異なる原料乳を調製し,試料1−1〜試料1−6を得た。
Figure 2012067081
表1Aに示されるように,試料1−1及び試料1−2は,グルコン酸を酸成分として含むものであった。試料1−3及び試料1−4は,フィチン酸を酸成分として含むものであった。試料1−5及び試料1−6は,グルコン酸及びフィチン酸を酸成分として含むものであった。この得られた試料1−1〜1−6を43℃で発酵させた。発酵時間と,発酵乳(原料乳)の酸度の変化を表1Bに示す。
Figure 2012067081
表1Bから上記の試料1−1〜試料1−6は,いずれも発酵時間を3時間として酸度が0.65[%]以上0.68[%]以下になることが分かった。
次に,発酵工程を経て得られた発酵乳について保存状態の変化を検討した。試料1−4を10℃にて所定期間で冷蔵保存し,酸度,酸性度及び乳酸菌数を測定した。表1Cは,保存時間と酸度及び酸性度の関係を示す。表1Dは,保存時間と乳酸菌数の関係を示す。
Figure 2012067081
Figure 2012067081
表1Cから,冷蔵保存に伴い,酸度が幾らか上昇することがわかる。また,冷蔵保存に伴い,酸性度が幾らか高くなる(pHが幾らか小さくなる)ことがわかる。表1Dでは,試料が2種類で存在している。試料1−4では,1日後のブルガリア菌が0.06×10cfu/ml及び0.04×10cfu/mlで含まれていたものが,9日後にはそれぞれ0.32×10cfu/mlや0.34×10cfu/mlに増えた。表1Dから,冷蔵保存に伴い,乳酸菌数は増加し,乳酸菌が死滅していないことがわかる。すなわち,この実施例から,本発明の製造方法により得られた発酵乳では,冷蔵保存などにおける品質が従来の発酵乳と同等でありながら,酸味が抑えられて,それほど風味が変化しないことがわかる。
表2Aの配合にて酸味成分の異なる原料乳を調製し,試料2−1〜試料2−3を得た。試料2−1は,従来品の試料であり,試料2−2は,対照実験用の試料である。試料2−2と試料2−3とを比べると,試料2−3では酸成分の添加量が多いにもかかわらず,試料2−3で試料2−2よりも酸性度は低いことがわかる。これは,グルコン酸が乳酸に比べて酸性度の低い酸であることによると考えられる。この得られた試料2−1〜2−3を43℃で発酵させた。発酵時間と,発酵乳(原料乳)の酸度及び酸性度の変化を表2Bに示す。
Figure 2012067081
Figure 2012067081
表2Bから,本発明の発酵乳の製造方法により製造された発酵乳では,発酵時間が従来品と同程度であるか,幾らか短縮されていることがわかる。
試料2−1及び試料2−3では3時間,試料2−2では3.2時間で発酵させた,発酵乳について保存状態の変化を検討した。各発酵乳を10℃にて所定期間で冷蔵保存し,酸度,酸性度及び乳酸菌数を測定した。発酵乳の保存時間と,酸度及び酸性度の関係を表2Cに示す。発酵乳の保存時間と,乳酸菌数の関係を表2Dに示す。
Figure 2012067081
Figure 2012067081
そして,官能検査の結果を表2Eに示す。官能検査の結果から,試料2−2を用いて製造された発酵乳(対照実験)では,独特の風味が感じられ,2週間の保存後には試料2−1(酸成分添加なし)に比べて,酸味が強まることがわかる。一方,試料2−3を用いて製造された発酵乳では,酸成分を添加しない原料乳(試料2−1)を用いて製造された発酵乳に比べて,酸味が弱く,2週間の保存後にも酸味が弱いことがわかる。
Figure 2012067081
表3Aの配合にて酸味成分の異なる原料乳を調製し,試料3−1〜試料3−4を得た。試料3−1は,従来品の試料であり,試料3−2は,対照実験用の試料である。試料3−2と試料3−3とを比べると,試料3−3では酸成分の添加量が多いにもかかわらず,試料3−3で試料3−2と酸性度は同程度であることがわかる。これは,グルコン酸が乳酸に比べて酸性度の低い酸であることによると考えられる。この得られた試料3−1〜2−3を43℃で発酵させた。発酵時間と,発酵乳(原料乳)の酸度及び酸性度の変化を表3Bに示す。
Figure 2012067081
Figure 2012067081
表3Bから,本発明の発酵乳の製造方法により製造された発酵乳では,発酵時間が従来品と同程度であるか,幾らか短縮されていることがわかる。
試料3−1及び試料3−4では3.5時間,試料3−2では3.3時間,試料3−3では4時間で発酵させた,発酵乳について保存状態の変化を検討した。各発酵乳を10℃にて所定期間で冷蔵保存し,酸度,酸性度及び乳酸菌数を測定した。発酵乳の保存時間と,酸度及び酸性度の関係を表3Cに示す。発酵乳の保存時間と,乳酸菌数の関係を表3Dに示す。
Figure 2012067081
Figure 2012067081
そして,官能検査の結果を表3Eに示す。官能検査の結果から,試料3−2を用いて製造された発酵乳(対照実験)では,試料3−1(酸成分添加なし)に比べて,それほど酸味が変わらないことがわかる。一方,試料3−3を用いて製造された発酵乳及び試料3−4を用いて製造された発酵乳では,酸成分を添加しない原料乳(試料3−1)を用いて製造された発酵乳に比べて,酸味が弱く,2週間の保存後にも酸味が弱いことがわかる。
Figure 2012067081
本発明は,発酵乳の製造方法及び発酵乳に関する。このため,本発明は,食品産業において利用されうる。

Claims (7)

  1. 原料乳及び乳酸菌スターターを含む発酵原料を調製する調製工程と,
    前記調製工程で調製した発酵原料を発酵させる発酵工程と,を含む発酵乳の製造方法であって,
    前記調製工程は,前記原料乳及び乳酸菌スターターを100重量%としたときに,乳酸より酸味度の低い酸成分を0.05重量%以上0.5重量%以下で前記原料乳に添加する工程を含む,
    ことを特徴とする,発酵乳の製造方法。
  2. 前記酸成分は,有機酸,有機酸の塩,又は有機酸の溶媒和物である,請求項1に記載の発酵乳の製造方法。
  3. 前記酸成分は,フィチン酸,グルコン酸,酢酸,それらの塩,及びそれらの溶媒和物のいずれか1つ又は2つ以上である,請求項1に記載の発酵乳の製造方法。
  4. 前記調製工程において,前記発酵原料の酸性度を5.8以上6.2以下にした後に,前記発酵工程を行う,請求項1に記載の発酵乳の製造方法。
  5. 前記発酵乳は,フルーツヨーグルトである,
    請求項1に記載の発酵乳の製造方法。
  6. 乳酸より酸味度の低い酸成分を0.05重量%以上0.5重量%以下で含む,発酵乳。
  7. 前記酸成分は,フィチン酸,グルコン酸,酢酸,それらの塩,及びそれらの溶媒和物のいずれか1つ又は2つ以上である,請求項6に記載の発酵乳。
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