JP4898859B2 - 非発酵型酸性乳酸菌飲料とその製造方法 - Google Patents

非発酵型酸性乳酸菌飲料とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ビフィズス菌を含有する酸性乳酸菌飲料とその製造方法に関する。
ビフィズス菌は、人の大腸内に成育し、病原菌抑制作用、整腸作用など生理的に有利な作用を奏する細菌であり、人の健康に重要な働きをすることから、例えば、発酵乳、乳酸菌飲料などの各種飲食品に利用されている。なかでもビフィズス菌を含有する酸性乳酸菌飲料は、栄養価も高く人気がある。
ところが、ビフィズス菌は、酸素が存在する状態では生育できない偏性嫌気性菌であるととともに、耐酸性が低く、低pH領域の発酵乳や乳酸菌飲料において、長期間生存させることは難しく、生残性が良好ではない。
このような事情を背景とし、ビフィズス菌の生残性を改善しようとする技術として、例えば特許文献1〜3には、発酵乳に関する技術ではあるが、発酵乳に糖アルコールを加える方法が開示されている。具体的には、特許文献1には、製品1L当たり0.2〜1.0モルのソルビトールを発酵乳に含有させる方法が記載されている。また、特許文献2には、製品1L当たり0.01〜2.0モルのラクチトールを発酵乳に含有させる方法が記載されている。また、特許文献3には、製品1L当たり0.05〜1.5モルのエリスリトールを発酵乳に含有させる方法が記載されている。
特公昭57−4291号公報 特許第3261571号公報 特開平6−253734号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載された方法で製造された製品は、甘味の質が砂糖とは違う糖アルコールが含まれるため、嗜好性に劣り、好まれない場合が多い。そのため、糖アルコールの添加は、一般的な飲食品においては適さない。また、糖アルコールは高価であり、コスト面からも不向きである。
また、特許文献1には、ビフィズス菌の生残性は、シュークロース、すなわち、砂糖の添加でも認められると記載されている。ところが、本願発明者が検討したところ、砂糖を単独で使用した場合、製品の一般的な流通温度である10℃以下の環境下において製品を長期間保存すると、後述の試験例4でも示しているとおり、ビフィズス菌の生残性が充分には得られないことが明らかとなった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、嗜好性やコスト面で劣る糖アルコールを使用しなくても、充分なビフィズス菌の生残性を発揮できる酸性乳酸菌飲料とその製造方法の提供を課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意努力した過程で、砂糖と特定の乳酸菌、すなわち、ラクトバチラス・アシドフィルスとを組み合わせた酸性乳酸菌飲料により、糖アルコールを使用した場合よりもビフィズス菌の生残性改善効果が得られることを知見し、下記構成の本願発明を完成した。
本発明の非発酵型酸性乳酸菌飲料は、ビフィズス菌とラクトバチラス・アシドフィルスと砂糖と乳類とを含有し、pHが4.1〜4.8であり、前記砂糖と前記乳類とは、前記ビフィズス菌および前記ラクトバチラス・アシドフィルスのいずれによっても発酵されていないことを特徴とする。
前記ラクトバチラス・アシドフィルスの菌数が10/ml以上で、前記砂糖の含有量が2〜12質量%であることが好ましい。
前記ビフィズス菌は、ビフィドバクテリウム・ロンガムであることが好ましい。
糖アルコールが添加されていないことが好ましい。
本発明の非発酵型酸性乳酸菌飲料の製造方法は、乳類と砂糖を含み、均質乳化・殺菌された殺菌ベースに、ビフィズス菌を含むカルチャーと、ラクトバチラス・アシドフィルスを含むカルチャーを添加することを特徴とする。
本発明によれば、嗜好性やコスト面で劣る糖アルコールを使用しなくても、充分なビフィズス菌の生残性を発揮する酸性乳酸菌飲料を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[酸性乳酸菌飲料]
本発明の酸性乳酸菌飲料は、乳等省令による乳酸菌飲料に定義されるものであって、無脂肪固形分が8%以上であるヨーグルトなどの発酵乳とは区別されるものである。この定義による乳酸菌飲料には、無脂乳固形分が3%以上のものと、3%未満のものとがあるが、本発明の乳酸菌飲料は、どちらであってもよい。
本発明の酸性乳酸菌飲料は、ビフィズス菌とラクトバチラス・アシドフィルスと砂糖と乳類を含有する。
乳類としては、牛乳、脱脂乳、これらの濃縮物及び還元脱脂乳、さらにはこれらが発酵されたものであってもよく、1種以上を使用できる。
ビフィズス菌としては、本発明ではビフィドバクテリウム・ロンガムが乳児から大人の腸内に普遍的に存在する菌種である点で好ましく使用される。ビフィドバクテリウム・ロンガムとしては、具体的には、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999、ATCC15707を挙げることができる。ビフィドバクテリウム・ロンガム以外のビフィズス菌としては、ビフィドバクテリウム・ブレーベATCC15700、ビフィドバクテリウム・インファンティスATCC15697、ビフィドバクテリウム・ビフィダムATCC15696などが挙げられる。ビフィズス菌としては、例えばこれらの菌株のうち、1種以上を使用できる。
本発明の酸性乳酸菌飲料は、上述のビフィズス菌の生残性を改善するために、ラクトバチラス・アシドフィルスと砂糖とを含有する。それにより、本発明の酸性乳酸菌飲料は、製造後に相当な期間保存されても、生存するビフィズス菌の菌数を良好に維持できる。
ラクトバチラス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)としては、ATCC4356ATCC4355などを挙げることができ、例えばこれらの菌株のうち、1種以上を使用できる。
本発明の酸性乳酸菌飲料中に含まれる砂糖および乳類は、本発明の必須成分であるビフィズス菌およびラクトバチラス・アシドフィルスのいずれによっても発酵されていないものである。すなわち、ビフィズス菌やラクトバチラス・アシドフィルスのスターターやビフィズス菌やラクトバチラス・アシドフィルスを発酵する段階では、砂糖および乳類を混合しておらず、ビフィズス菌とラクトバチラス・アシドフィルスと砂糖および乳類とを混合した後は、低温下に置かれ、ビフィズス菌およびラクトバチラス・アシドフィルスの発酵(培養)がおきないようにされている。このように本発明の酸性乳酸菌飲料は、いわゆる、非発酵型のものである。非発酵型であれば、発酵工程が不要であるため、発酵タンクなどの大がかりな設備が不要であり、設備面、コスト面などで好適である。
本発明の酸性乳酸菌飲料中の上述の各成分の含有量には特に制限はないが、ラクトバチラス・アシドフィルスの菌数が10/ml以上で、砂糖の含有量が2〜12質量%である場合に、特に優れたビフィズス菌の生残性改善効果が得られる。
砂糖の含有量が上記範囲未満では、ラクトバチラス・アシドフィルスの菌数が10/ml以上であったとしても、充分な生残性改善効果が得られない場合がある。また、砂糖の含有量が上記範囲を超えると、ビフィズス菌の生残性改善作用が低下する可能性があるとともに、甘味が過度になる傾向もある。より好ましい砂糖の含有量は4〜8質量%である。
また、乳等省令による乳酸菌飲料の定義では、無脂乳固形分が3%未満のものについては、乳酸菌数が10/ml以上とされているため、その点から、ラクトバチラス・アシドフィルスの菌数は10/ml以上であることが必要である。
また、無脂乳固形分が3%以上のものについては、乳酸菌数は10/ml以上であることが必要である。
ビフィズス菌飲料中のビフィズス菌の菌数は、特に制限はないが、例えば、病原菌抑制作用、整腸作用などの生理的に有利な作用を念頭に置いた場合には、10/ml以上とされることが適当である。
なお、本発明の酸性乳酸菌飲料は、その他の乳酸菌を含有していてもよい。具体的には、乳酸球菌ストレプトコッカス・サーモフィラス、乳酸桿菌ラクトバチラス・ブルガリカスなどが挙げられるが、ビフィズス菌との相性がよいことから、乳酸球菌ストレプトコッカス・サーモフィラスが好ましい。本発明に好適なストレプトコッカス・サーモフィラスとしては、ストレプトコッカス・サーモフィラスATCC19258、FERM P−17216などを挙げることができる。
また、本発明の酸性乳酸菌飲料は、さらに酵母を含有していてもよい。
本発明の酸性乳酸菌飲料のpH域は4.1〜4.8が好ましく、4.4〜4.8がより好ましい。本発明の酸性乳酸菌飲料は、低pH領域においても、ビフィズス菌の生残性改善効果が得られるものの、pHが4.1以下ではそのような効果が得られにくくなる傾向にある。一方、pHが4.8以上では充分な酸味が得られない。
本発明の酸性乳酸菌飲料は、pH調整剤として酸を含有することができる。酸としては、食品添加物として公知の酸味料や酸性食品を使用できる。酸味料としては、クエン酸、アジピン酸、イタコン酸、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、α−ケトグルタル酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、氷酢酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸及びこれらのナトリウム塩が挙げられる。酸性食品の具体例としては、食酢、果汁が挙げられる。
また、本発明の酸性乳酸菌飲料は、必要に応じて、油脂、香料を含有することができる。さらに、甘味を調整するために、砂糖以外の甘味料、例えばスクラロースなどの高度甘味料を含んでもよい。
本発明の酸性乳酸菌飲料は、食品衛生法などの食品規定で飲食品への使用が認められているものであれば、ビフィズス菌の生残性を損なわない限りその他の添加剤を含有することができる。たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ハイメチルペクチンや大豆食物繊維などの安定剤や、色素等を含有することができる。
[酸性乳酸菌飲料の製造方法]
本発明の酸性乳酸菌飲料の製造方法は、乳類と砂糖とを含み、均質乳化・殺菌された殺菌ベースに、ビフィズス菌を含むカルチャーとラクトバチラス・アシドフィルスを含むカルチャーを添加することを特徴とする。
殺菌ベースを得るためには、乳類と砂糖とを含む調乳液を均質乳化後に殺菌することが好ましい。調乳液は、乳類と砂糖とを含むとともに、カルチャー以外の全原料を含有することが好ましい。
ただし、均質乳化と殺菌の順番、及び原料混合の順番に特に限定はなく、最終的に均質乳化され、かつ殺菌された状態であればよい。例えば、乳類と砂糖とを個別に殺菌した後に混合して均質乳化してもよい。また、砂糖とカルチャーとを除く全原料を均質乳化、殺菌した液に、別途殺菌した砂糖を添加してもよい。
ビフィズス菌を含むカルチャーとラクトバチラス・アシドフィルスを含むカルチャーを殺菌ベースに添加する際には、ストレプトコッカス・サーモフィラス等、他の菌のカルチャーも同時に添加することができる。これらのカルチャーは、シードカルチャーを、乳類を含む培地で培養する公知の方法によって得られる。
カルチャーを添加した後は、低温下で保管する。保管温度は、10℃以下であることが好ましく、5℃以下であることがより好ましい。
以下に試験例及び実施例を示すが、本発明は、以下の実施例等に限定されるものではない。
なお、以下の試験例、実施例において、砂糖の含有量は、殺菌ベースにおける含有量であるが、殺菌ベースに添加するカルチャーの量は僅かである。したがって、最終的な試験液ないし乳酸菌飲料における砂糖の含有量は、殺菌ベースにおける砂糖の含有量とほぼ等しい。
また、pHは殺菌ベースのpHであるが、殺菌ベースに添加するカルチャーの量は僅かである。したがって、最終的な試験液ないし乳酸菌飲料におけるpHは、殺菌ベースにおけるpHとほぼ等しい。
また、以下、特に記載がない限り、「%」は「%(W/W)」、すなわち、質量基準での含有量を示すものとする。
[試験例1] 砂糖の含有量によるビフィズス菌生残性への影響
(カルチャーの調製)
ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999およびラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーを調製した。
具体的には、酵母エキス0.2%、脱脂粉乳11%からなる90℃30分殺菌後の培地1000mlに、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999を100ml接種し、37℃6時間培養し、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999のカルチャーを得た。
一方、酵母エキス0.1%、還元脱脂乳培地10%からなる90℃30分間殺菌後の培地1500mlに、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャー50mlを接種し、37℃で16時間培養し、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーを得た。
(殺菌ベースの調製)
還元脱脂粉乳3%、砂糖0〜12%、クエン酸(pH4.6に調整するための必要量)、残部が水からなる調乳液を8種調製し、これらをそれぞれ15mPa・sで均質乳化した後に90℃で達温殺菌し、さらに10℃以下に冷却し、砂糖含有量の異なる殺菌ベースを調製した。
(試験液の調製と保存試験)
それぞれの殺菌ベースに、上記調製したビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999およびラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーをそれぞれ菌数が約1×10/ml及び約2×10/mlになるように添加し、8種の試験液を調製した。ついで、各試験液を10℃以下で2週間保存し、保存後1週間及び2週間におけるビフィズス菌数を測定し、生残率を求めた。
ビフィズス菌数の測定は、TOSプロピオン酸寒天培地(ヤクルト薬品工業社製)平板で行った。なお、生残率とは、試験液調製直後の菌数に対しての値である。
測定結果を表1に示す。
表1の結果から、砂糖の添加により、ビフィズス菌の生残性が改善されることが明らかとなった。また、砂糖の含有量は、2%以上であると、保存2週間後のビフィズス菌の生残性が特に良好となり、さらに4%以上の添加では、2週間を経過しても、ビフィズス菌の菌数が1ml当たり1000万以上に維持され、優れた生残性を示した。特に生残性が良好なのは、砂糖の含有量が4〜8%の範囲であった。
Figure 0004898859
[試験例2] 砂糖と糖アルコールとの比較
(カルチャーの調製)
試験例1と同様にして、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999およびラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーを調製した。
(殺菌ベースの調製)
還元脱脂粉乳3%、表2および3に示す各濃度の砂糖または各種糖アルコール(ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール)、クエン酸(pH4.6に調整するための必要量)、残部が水からなる調乳液を15mPa・sで均質乳化した後に90℃で達温殺菌し、さらに10℃以下に冷却し、砂糖または各種糖アルコールを異なる濃度で含む殺菌ベースを調製した。
(試験液の調製と保存試験)
それぞれの殺菌ベースに、上記調製したビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999のカルチャー、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーをそれぞれ菌数が約1×10/ml、約2×10/mlとなるように添加し、表2に示す13種の試験液を調製した。
一方、各種糖アルコールを含む殺菌ベースについて、上記調製したビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999のカルチャーを菌数が約1×10/mlとなるように添加し、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーを添加しない表3に示す9種の試験液も調製した。
ついで、以上の各試験液を10℃以下で2週間保存し、保存後1週間及び2週間におけるビフィズス菌数を試験例1と同様にして測定し、生残率を求めた。
測定結果を表2および3に示す。
表2および3の結果から、各種糖アルコールを0.06M、0.2M、0.35Mの各濃度で添加した場合には、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーの添加の有無にかかわらず、ビフィズス菌の生残性を改善する明確な効果は認められなかった。
Figure 0004898859
Figure 0004898859
[試験例3] ラクトバチラス・アシドフィルスと他の乳酸菌との比較
(カルチャーの調製)
試験例1と同様にして、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999およびラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーを調製した。
また、ATCC4356と同様の方法で、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4355、ラクトバチラス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)ATCC33323、ラクトバチラス・ジョンソンニー(Lactobacillus johnsonii)ATCC33200のカルチャーを調製した。
(殺菌ベースの調製)
還元脱脂粉乳3%、砂糖8%、クエン酸(pH4.6に調整するための必要量)、残部が水からなる調乳液を15mPa・sで均質乳化した後に90℃で達温殺菌し、さらに10℃以下に冷却し、殺菌ベースを調製した。
(試験液の調製と保存試験)
この殺菌ベースを4つ用意し、それぞれに上記調製したビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999のカルチャーを菌数が約1×10/mlとなるように添加した。
そして、そのうちの1つには、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーを菌数が約1×10/mlになるように添加、別の1つには、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4355を菌数が約1×10/mlになるように添加、さらに別の1つには、ラクトバチラス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)ATCC33323のカルチャーを菌数が約1×10/mlとなるように添加、さらに別の1つには、ラクトバチラス・ジョンソンニー(Lactobacillus johnsonii)ATCC33200のカルチャーを菌数が約1×10/mlとなるように添加し、4種の試験液を調製した。
これらについて、10℃下で2週間保存し、保存後1週間及び2週間におけるビフィズス菌数を試験例1と同様にして測定した。
測定結果を表4に示す。
表4の結果から、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356およびATCC4355を添加した場合には、保存2週間後のビフィズス菌の菌数が1ml当たり1000万以上に維持され、優れた生残性を示すことが明らかとなった。
一方、ラクトバチラス・アシドフィルスとの近縁菌種であるラクトバチラス・ガッセリATCC33323やラクトバチラス・ジョンソンニーATCC33200ではよい生残性を保つことが出来なかった。
Figure 0004898859
[試験例4] ラクトバチラス・アシドフィルス菌の添加菌数による影響
(カルチャーの調製)
試験例1と同様にして、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999およびラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーを調製した。
(殺菌ベースの調製)
還元脱脂粉乳3%、砂糖8%、クエン酸(pH4.6に調整するための必要量)、残部が水からなる調乳液を15mPa・sで均質乳化した後に90℃で達温殺菌し、さらに10℃以下に冷却し、殺菌ベースを調製した。
(試験液の調製と保存試験)
この殺菌ベースを3つ用意し、それぞれの殺菌ベースに、上記調製したビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999のカルチャーを菌数が約1×10/mlとなるように添加し、さらに、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーを菌数がそれぞれ約1×10/ml、約1×10/mlになるように添加したものと、無添加のものの3種の試験液を調製した。
これらを10℃下で2週間保存し、保存後1週間及び2週間におけるビフィズス菌数を試験例1と同様にして測定した。測定結果を表5に示す。
表5の結果から、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356無添加の場合に比べて、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356を菌数が約1×10/ml、約1×10/mlとなるように配合した場合には、保存2週間後のビフィズス菌の1ml当たり1000万以上に維持され、生残性が改善されることが明らかとなった。
Figure 0004898859
[試験例5] pHによるビフィズス菌生残性への影響
(カルチャーの調製)
試験例1と同様にして、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999およびラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーを調製した。
(殺菌ベースの調製)
還元脱脂粉乳3%、砂糖8%、クエン酸(pH4.1、4.5、4.8にそれぞれ調整するための必要量)、残部が水からなる3種の調乳液を15mPa・sで均質乳化した後に90℃で達温殺菌し、さらに10℃以下に冷却し、pHの異なる3種の殺菌ベースを調製した。また、砂糖を添加しない以外は同様にして、pHの異なる3種の殺菌ベースを調製した。
(試験液の調製と保存試験)
それぞれのベースに、上記調製したビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999およびラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーをそれぞれ菌数が約1×10/ml及び約1×10/mlになるように添加して、6種の試験液を調製した。
これらを10℃下で2週間保存し、保存後1週間及び2週間におけるビフィズス菌数を試験例1と同様にして測定した。
測定結果を表6に示す。
表6の結果から、砂糖無添加の場合には、pH4.1〜4.8のpH領域では、ビフィズス菌の生残性が悪いのに対して、砂糖を添加すると、このようなpH領域においても良好なビフィズス菌の生残性が発揮されることが明らかとなった。
Figure 0004898859
[実施例1]
試験例1と同様にして、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999およびラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーを調製した。
これとは別に、脱脂粉乳3.1%、砂糖8.0%、耐酸性CMC0.4%、クエン酸(pH4.6に調整するための必要量)、香料0.1%、残部が水からなる調乳液30kgを均質乳化後に加熱殺菌し、殺菌ベース[乳脂肪0.1%、無脂乳固形分2.9%]を製造した。具体的には、まず、脱脂粉乳(森永乳業社製)、砂糖(三井製糖社製)、耐酸性CMCを水に溶解・混合した。混合後、クエン酸(三栄源FFI社製)を添加してpH4.6に調整し、最後に香料を添加して、調合液を得た。更に、この調合液を均質乳化した後、加熱殺菌を行った。加熱殺菌はプレート式殺菌機(森永エンジニアリング社製)を用い130℃で2秒保持する殺菌条件で行った。加熱殺菌後、液温を10℃にまで冷却し殺菌ベースを得た。
こうして得られた殺菌ベースに、上記調製したビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999およびラクトバチラス・アシドフィルスATCC4356のカルチャーをそれぞれ最終菌数が約1×10/ml及び約2×10/mlとなるように添加し、500ml容のゲーブルトップ紙容器に充填し、密封し、酸性乳酸菌飲料を得た。
この酸性乳酸菌飲料を10℃で14日間保存した時のビフィズス菌の菌数は約3.8×10/mlであり生残率は約37%であった。
[実施例2]
ビフィドバクテリウム・ブレーベATCC 15700およびラクトバチラス・アシドフィルスATCC4355のカルチャーを調製した。
具体的には、酵母エキス0.2%、脱脂粉乳11%からなる90℃30分殺菌後の培地1000mlに、ビフィドバクテリウム・ブレーベ ATCC 15700を100ml接種し、37℃6時間培養し、ビフィドバクテリウム・ブレーベATCC 15700のカルチャーを調製した。一方、酵母エキス0.1%、還元脱脂乳培地10%からなる90℃30分間殺菌後の培地1500mlに、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4355のカルチャー50mlを接種し、37℃で5時間培養し、ラクトバチラス・アシドフィルスATCC4355のカルチャーを調製した。
これとは別に、脱脂粉乳3.1%、砂糖6.0%、耐酸性CMC0.4%、スクラロース0.0025%、クエン酸(pH4.6に調整するための必要量)、香料0.1%、残部が水からなる調乳液30kgを均質乳化後に加熱殺菌し、殺菌ベース[乳脂肪0.1%、無脂乳固形分2.9%]を製造した。具体的には、まず、脱脂粉乳(森永乳業社製)、砂糖(三井製糖社製)、スクラロース(三栄源FFI社製)、耐酸性CMC(第一工業製薬社製)を水に溶解・混合した。混合後、クエン酸(三栄源FFI社製)を添加してpHを4.6に調整し、最後に香料を添加し調合液を得た。更に、この調合液を均質乳化した後、加熱殺菌を行った。加熱殺菌はプレート式殺菌機(森永エンジニアリング社製)を用い130℃で2秒保持する殺菌条件で行った。加熱殺菌後、液温を10℃にまで冷却し殺菌ベースを得た。
こうして得られた殺菌ベースに上記調製したビフィドバクテリウム・ブレーベ ATCC 15707およびラクトバチラス・アシドフィルスATCC4355のカルチャーをそれぞれ最終菌数が約1×10/ml及び約2×10/mlとなるように添加し、500ml容のゲーブルトップ紙容器に充填し、密封し、酸性乳酸菌飲料を得た。
この酸性乳酸菌飲料を10℃で14日間保存した時のビフィズス菌の菌数は約7.5×10/mlであり生残率は約70%であった。

Claims (5)

  1. ビフィズス菌とラクトバチラス・アシドフィルスと砂糖と乳類とを含有し、pHが4.1〜4.8であり、前記砂糖と前記乳類とは、前記ビフィズス菌および前記ラクトバチラス・アシドフィルスのいずれによっても発酵されていないことを特徴とする非発酵型酸性乳酸菌飲料。
  2. 前記ラクトバチラス・アシドフィルスの菌数が10/ml以上で、前記砂糖の含有量が2〜12質量%であることを特徴とする請求項1に記載の非発酵型酸性乳酸菌飲料。
  3. 前記ビフィズス菌は、ビフィドバクテリウム・ロンガムであることを特徴とする請求項1または2に記載の非発酵型酸性乳酸菌飲料。
  4. 糖アルコールが添加されていないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の非発酵型酸性乳酸菌飲料。
  5. 乳類と砂糖とを含み、均質乳化・殺菌された殺菌ベースに、ビフィズス菌を含むカルチャーと、ラクトバチラス・アシドフィルスを含むカルチャーを添加することを特徴とする非発酵型酸性乳酸菌飲料の製造方法。
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