JPWO2012029379A1 - 高純度白金の回収方法 - Google Patents

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Abstract

ルテニウムを含有する白金合金を王水で溶解し、残渣を除去した後、白金を溶解した酸と塩化アンモニウム溶液とを反応させて塩化白金酸アンモニウム塩を析出させ、この塩化白金酸アンモニウム塩を還元して白金スポンジを得る高純度白金の回収方法であって、前記白金を溶解した酸と塩化アンモニウム溶液とを40°C以上の温度で反応させることを特徴とする高純度白金の回収方法。使用済みの、特に磁性材ターゲットである白金合金スパッタリング用ターゲット、及び該ターゲットの製造工程等に発生する端材、切削屑、平研屑等のスクラップに混入するルテニウム、コバルト、クロム、銅、鉄、ニッケル、シリコン等を効率良く除去し、白金及び白金含有ターゲットに再利用できる高純度白金を高収率で回収できる方法を提供する。

Description

本発明は、白金及びルテニウムを成分として含む白金合金、特に磁性材ターゲット等のスクラップから、純度の高い白金を高収率で回収する高純度白金の回収方法に関する。
近年、半導体集積回路の大きな進展に伴い、回路設計や各種の電気・電子素子形成のために様々な薄膜が形成されているが、その中で記録媒体用磁性薄膜又は半導体材料用として、白金を含有する合金スパッタリングターゲットを使用して特定の薄膜を形成することも行われている。このような白金合金ターゲットには、多くの場合ルテニウムも合金元素として含有されている。
これらの薄膜は、白金等を含有する合金製のターゲットをアルゴンガス等の不活性雰囲気下でスパッタリングすることにより形成される。
このターゲットが製作される段階で、切削屑等の多量の端材が生じる。これらは全てスクラップとなる。また使用済みのターゲットもスクラップとなる。
ターゲットへの製作工程では、溶解鋳造後にインゴットの鍛造・圧延等の塑性加工又は切削等の機械加工さらにはバッキングプレートへの接合工程により、ターゲットに接触する部分の汚染が起きる。特に機械加工の切削工具や周辺の加工具を構成する材料からの重金属等の汚染が著しい。
白金は高価な材料なので、これを回収して再使用する必要があるが、上記のような汚染が入った材料はそのままでは使用できないという問題がある。
上記のような不純物は、記録媒体やハードディスクや半導体デバイス素子の性能を低下させる原因となるとともに、スパッタリング中にスプラッシュ、異常放電、パーティクル等を発生させ、薄膜の性質を低下させる虞がある。
通常、白金含有スクラップを王水等の酸で溶解し残渣を除去した後、白金を溶解した酸と塩化アンモニウム溶液を反応させて塩化白金酸アンモニウムとして沈殿回収し、さらにこの塩化白金酸アンモニウムを焙焼することにより白金を回収することが行われている。
白金を構成元素の主要成分又は構成元素の一部として含有する磁性薄膜には、ルテニウムも叉構成元素の一部として含有させることが多くなっている。ルテニウムは白金族元素なので、性質が似ていると同時に、白金とルテニウムを分離することが難しいという問題がある。
白金中にルテニウムが混入していても材料の特性に特に問題とならないという特殊なケースを除いて、白金とルテニウムを分離しない限り、ルテニウムが不純物となる。白金自体は非常に高価な材料なので収率良く回収する必要がある。
白金を回収するという技術について、特許文献にいくつか提案されているので、それを下記に紹介するが、白金からルテニウムを分離し、高純度の白金を回収するための効率的な回収方法とは言えない。
下記特許文献1には、白金を塩化アンモニウム塩として沈殿させて白金を抽出する際に、金、白金族金属含有塩化物含有水溶液のpHを調整して2段中和、濾過を行い、テルルを分離する技術が開示されている。
下記特許文献2には、塩化白金酸アンモニウム又は白金に対して、酸素ガスの気流中で、高温に加熱し、不純物ルテニウムを除去する技術が開示されている。
下記特許文献3には、白金族を含む溶液からルテニウムを酸化蒸留で分離する際に、溶液のpH調整を行った後、臭素酸ナトリウムを用いて、ルテニウムを四酸化ルテニウムに変換して酸化蒸留し、ルテニウムを分離回収する技術が開示されている。
下記特許文献4には、塩化白金酸アンモニウムを形成する際に、塩化アンモニウム溶液に分散安定化剤を用いて微細な塩化白金酸アンモニウムを得、これを低温で焼成する白金粉末の製造方法が開示されている。
下記特許文献5には、白金含有スクラップを酸で溶解した後、塩化アンモニウム溶液と反応させ、塩化白金酸アンモニウムとして沈殿回収し、これを焙焼して白金スポンジを得る高純度白金の回収方法が開示されている。
下記特許文献6には、白金含有スクラップを酸で溶解した後、塩化アンモニウム溶液と反応させ、塩化白金酸アンモニウムとして沈殿回収し、後液に残存する白金をイオン交換樹脂、活性炭を用いて回収する技術が記載されている。
特開平10−102156号公報 特開2006−183099号公報 特開2006−161096号公報 特開2008−106349号公報 特開2003−27154号公報 特開2003−129145号公報
以上から、本発明はスパッタリング用白金合金、特に磁性薄膜を形成するために使用された白金を含有するターゲットスクラップ(使用済みターゲット)又はターゲットの製造工程に発生する端材、切削屑、平研屑等のスクラップに混入するコバルト、クロム、銅、鉄、ニッケル、シリコン等を効率良く除去すると共に、特にスパッタリング用白金合金のスクラップに含まれるルテニウムを分離することが可能であり、これによって、白金及び白金含有ターゲットに再使用できる高純度の白金を低コストで収率良く回収する方法を提供するものである。
本発明は、
1)ルテニウムを含有する白金合金を王水で溶解し、残渣を除去した後、白金を溶解した酸と塩化アンモニウム溶液とを反応させて塩化白金酸アンモニウム塩を析出させ、この塩化白金酸アンモニウム塩を還元して白金スポンジを得る高純度白金の回収方法であって、前記白金を溶解した酸と塩化アンモニウム溶液とを40°C以上の温度で反応させることを特徴とする高純度白金の回収方法
2)ルテニウムを含有する白金合金を王水により溶解した液の白金濃度を15g/L以上とすることを特徴とする1)記載の高純度白金の回収方法
3)ルテニウムを含有する白金合金を王水により溶解した液のルテニウム濃度を6g/L以下とすることを特徴とする1)又は2)記載の高純度白金の回収方法、を提供する。
本発明は、また
4)塩化白金酸アンモニウム塩を焙焼して得られる白金スポンジ中の不純物としてのルテニウム含有量を2%以下とすることを特徴とする1)〜3)のいずれか一項に記載の高純度白金の回収方法
5)ルテニウム含有量を1%以下とすることを特徴とする4)記載の高純度白金の回収方法
6)ルテニウムを含有する白金合金が磁性材ターゲットのスクラップであって、該スクラップからの白金回収率が99%以上であることを特徴とする1)〜5)のいずれか一項に記載の高純度白金の回収方法、を提供する。
スパッタリング用白金含有ターゲットスクラップ(使用済ターゲット)又はターゲットの製造工程に発生する端材、切削屑、平研屑等のスクラップに混入するコバルト、クロム、銅、鉄、ニッケル、シリコン等を比較的簡単な工程で除去すると共に、特に磁性材ターゲットに含有する白金族元素であるルテニウムを、白金から効率良く分離できる優れた効果を有する。
本発明は、白金とルテニウムを含有し、さらに不純物元素としてコバルト、クロム、銅、鉄、ニッケル、シリコン等を含有するスクラップを、まず酸で溶解する。溶解用の酸には王水を用いる。他の酸で溶解することも可能であるが、例えば塩酸で溶解した場合には溶解が不完全であり、また水素が発生し水素爆発の可能性がある。
王水を用いると溶解が十分達成され、また溶解時に窒素酸化物と水素が同時に発生するので、水素が希釈され爆発の危険性がないという利点がある。王水を使用した場合、初期においては白金がなかなか溶解しないが、次第に白金が良く溶けるようになる。
白金含有スクラップの酸による溶解後、残渣であるタンタル酸化物(Ta)、ボロン酸化物(B)等の不純物を除去する。
この残渣を除去した後、白金を含有する溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)等の苛性アルカリを添加しpHを3〜6に調整して中和し、コバルト、銅等を水酸化物として沈殿させ、これを濾過除去する。
溶液にパラジウムが含有している場合には、コバルト、銅等の水酸化物を沈殿除去した後、溶媒抽出によりパラジウムを抽出する。パラジウム抽出後、該抽出されたパラジウムをアンモニアで逆抽出し、パラジウム含有液を還元剤、例えばヒドラジン等で還元して高純度パラジウムスポンジを回収することができる。
次に、白金を溶解した酸と塩化アンモニウム溶液を反応させて塩化白金酸アンモニウム((NHPtCl)結晶を沈殿させる。この場合、白金を溶解した王水を塩化アンモニウム溶液に添加することが望ましい。
通常、白金を溶解した王水に塩化アンモニウム溶液を添加しようとするのが常識であるが、このような手法をとると塩化白金酸アンモニウムが再溶解し、析出し難くなり、液に白金が残存し、白金の収率が落ちる現象が見られる。
したがって、白金の収率を上げるために、白金を溶解した王水を塩化アンモニウム溶液に添加することは重要である。
次に、このようにして得た塩化白金酸アンモニウム((NHPtCl)結晶を600〜1000°Cで焙焼して高純度白金スポンジを得る。これによって、白金の収率は97%に達し、比較的簡単な方法で高純度の白金が収率良く回収できる。以上の工程については、本特許出願人の前身である日鉱マテリアルズ(社名変更)が開発した特許文献6に開示された方法であり、効率的な高純度白金の回収方法である。
問題は、上記スクラップにおいては、ルテニウムの分離が検討されていない点である。これは磁性膜の形成又はターゲットの構成元素として、ルテニウムの添加ということが広く行われていなかったために、ルテニウムの分離が大きな問題とされていなかったためである。しかし、現状では急務となっている。
一方、ルテニウムは上記の通り、白金族元素であるために、白金との分離は簡単ではない。本願発明は、これを簡単にかつ効率良く分離する技術を提供するものである。
本願発明の高純度白金の回収方法は、ルテニウムを含有する白金合金を王水で溶解し、残渣を除去した後、白金を溶解した酸と塩化アンモニウム溶液とを反応させて塩化白金酸アンモニウム塩を析出させ、この塩化白金酸アンモニウム塩を還元して白金スポンジを得る高純度白金の回収方法において、前記白金を溶解した酸と塩化アンモニウム溶液とを40°C以上の温度で反応させるものである。
温度の上限は、特に制限はないが、液が蒸発しない100°C以下とするのが望ましいと言える。
前記スポンジを得る工程までは、従来技術と言える。しかし、ルテニウムを分離することは難しく、意図する分離は実現していなかった。しかし、常温よりも、わずか10〜20°C程度に昇温させることにより、白金の回収率が向上し、白金塩中のルテニウムの含有率を低減させることが可能となった。これは極めて予想外の結果であった。
すなわち、上記塩化白金酸アンモニウム塩を還元して白金スポンジを得るという技術は、比較的簡単かつ効率的な製造工程であり、この延長線上の技術でルテニウムの分離が可能となったのである。
これは、一見単純に見えるが、上記にも述べたように、予想することは困難であり、飛躍的な効果を得るものであった。
また、本願発明の高純度白金の回収方法は、ルテニウムを含有する白金合金を王水により溶解した液の白金濃度を15g/L以上とすることが望ましい。これは白金濃度を15g/L未満に低下すると、白金塩の溶解度が上がるために、スクラップからの白金回収率が低下する(99%未満に)ためである。
スクラップ中の白金含有率は通常30重量%以上あり、これを通常の条件で王水溶解した場合、溶解液中の白金濃度は15g/Lを大きく上回る濃度になっており、大量の水で希釈しない限り、濃度が15g/Lを下回ることはない。但し、ルテニウム含有率が高く、白金含有率が相対的に低い場合など、そのままでは濃度が15g/Lを下回る場合は、白金含有率の高いスクラップと混ぜて王水溶解を行えば良い。
また、本願発明の高純度白金の回収方法は、ルテニウムを含有する白金合金を王水により溶解した液のルテニウム濃度を6g/L以下とすることが望ましい。
上記反応温度にも影響するが、このルテニウム濃度を6g/Lを超えると、ルテニウムが析出物に入り易くなるからである。このルテニウム濃度を下げることは、水で薄めるだけで良い。しかし、逆に液の白金濃度を低下させることになるので、相互の調整が必要である。
本発明の高純度白金の回収方法は、上記によって、塩化白金酸アンモニウム塩を焙焼して得られる白金スポンジ中の不純物としてのルテニウム含有量を2%以下に、さらには1%以下とすることができる。さらに、ルテニウムを含有する白金合金を含有する磁性材ターゲットのスクラップからの白金回収率99%以上を達成できる。本願発明は、このような高純度白金の回収方法を提供するものである。
次に、実施例に基づいて説明する。なお、これらは本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はこれらに制限されるものではない。すなわち、本願発明は、特許請求の範囲及び明細書に記載する技術思想により、制限されるのみである。
(実施例1)
本実施例1においては、白金、コバルト、クロム、ルテニウムを含有する磁性材ターゲットのスクラップを王水に溶解して残渣を除去した後、水で薄めて白金濃度30g/L、ルテニウム濃度5g/Lの王水溶解液とした。
この王水溶解液と塩化アンモニウムを45°Cで反応させて塩化白金酸アンモニウム塩((NHPtCl)結晶を得た。次に、それを800°Cで焙焼して白金スポンジとし、王水溶解液からの白金回収率及び不純物としてのルテニウム含有率を測定した。この結果を表1に示す。
Figure 2012029379
この表1に示すように、白金回収率は99.5%に達し、白金塩中のルテニウム含有率は0.5重量%と低下した。このルテニウム含有量は、再生白金をターゲットとして用いるものにおいて、十分低減されたものであった。また、王水溶解液と塩化アンモニウムとの反応温度については、40°C以上であれば、同様の白金の純度とルテニウムの低減化が可能であった。なお、焙焼温度は、特に制限されるものではなく、適宜調節でき、通常に白金スポンジが得られる温度を任意に選択できるものである。以下、同様である。
(実施例2)
本実施例2においては、白金、コバルト、クロム、ルテニウムを含有する磁性材ターゲットのスクラップを王水に溶解して残渣を除去した後、水で薄めて白金濃度18g/L、ルテニウム濃度3g/Lの王水溶解液とした。
この王水溶解液と塩化アンモニウムを90°Cで反応させて塩化白金酸アンモニウム塩を析出させ、それを800°Cで焙焼して白金スポンジとし、王水溶解液からの白金回収率及び不純物としてのルテニウム含有率を測定した。
この結果を表1に示す。
この表1に示すように、白金回収率は99.3%に達し、白金塩中のルテニウム含有率は0.3重量%と低下した。このルテニウム含有量は、再生白金をターゲットとして用いるものにおいて、十分低減されたものであった。また、王水溶解液と塩化アンモニウムとの反応温度については、40°C以上であれば、同様の白金の純度とルテニウムの低減化が可能であった。
(実施例3)
本実施例3においては、白金、コバルト、クロム、ルテニウムを含有する磁性材ターゲットのスクラップを王水に溶解して残渣を除去した後、水で薄めて白金濃度16g/L、ルテニウム濃度5g/Lの王水溶解液とした。
この王水溶解液と塩化アンモニウムを50℃で反応させて塩化白金酸アンモニウム塩を析出させ、それを800℃で焙焼して白金スポンジとし、王水溶解液からの白金回収率及び不純物としてのルテニウム含有率を測定した。
この結果を表1に示す。
この表1に示すように、白金回収率は99.2%に達し、白金塩中のルテニウム含有率は1.7重量%と低下した。このルテニウム含有量は、再生白金をターゲットとして用いるものにおいて、十分低減されたものであった。また、王水溶解液と塩化アンモニウムとの反応温度については、40°C以上であれば、同様の白金の純度とルテニウムの低減化が可能であった。
(比較例1)
白金、コバルト、クロム、ルテニウムを含有する磁性材ターゲットのスクラップを王水に溶解して残渣を除去した後、水で薄めて白金濃度12g/L、ルテニウム濃度2g/Lの王水溶解液とした。この場合、白金濃度は薄く、本願発明の15g/Lよりも低かった。
この王水溶解液と塩化アンモニウムを70°Cで反応させて塩化白金酸アンモニウム塩を析出させ、それを800°Cで焙焼して白金スポンジとし、王水溶解液からの白金回収率及び不純物としてのルテニウム含有率を測定した。
この結果を表1に示す。この表1に示すように、白金塩中のルテニウム含有率は0.6重量%と低下し、ルテニウムの含有は目的の条件を満たしていたが、白金回収率は96.0%と低下した。白金濃度が低いことは、白金の回収率が悪くなり、好ましくないことが分かった。
(比較例2)
白金、コバルト、クロム、ルテニウムを含有する磁性材ターゲットのスクラップを王水に溶解して残渣を除去した後、水で薄めて白金濃度48g/L、ルテニウム濃度8g/Lの王水溶解液とした。この場合、ルテニウム濃度は、本願発明の上限とする6g/Lを超えていた。
この王水溶解液と塩化アンモニウムを70°Cで反応させて塩化白金酸アンモニウム塩を析出させ、それを800°Cで焙焼して白金スポンジとし、王水溶解液からの白金回収率及び不純物としてのルテニウム含有率を測定した。
この結果を表1に示す。この表1に示すように、白金回収率は99.5%と高かったが、白金塩中のルテニウム含有率は2.3重量%と増加した。王水溶解液中のルテニウム濃度が高いことは、好ましくないことが分かった。
(比較例3)
白金、コバルト、クロム、ルテニウムを含有する磁性材ターゲットのスクラップを王水に溶解して残渣を除去した後、水で薄めて白金濃度30g/L、ルテニウム濃度5g/Lの王水溶解液とした。この王水溶解液と塩化アンモニウムを30°Cで反応させて塩化白金酸アンモニウム塩を析出させ、それを800°Cで焙焼して白金スポンジとし、王水溶解液からの白金回収率及び不純物としてのルテニウム含有率を測定した。この場合、王水溶解液と塩化アンモニウムとを反応させる温度は、本願発明の条件である40°C以上を満たしていなかった。
この結果を表1に示す。この表1に示すように、白金回収率は99.2%と高かったが、白金塩中のルテニウム含有率は3.5重量%と増加した。王水溶解液と塩化アンモニウムとを反応させる温度が低いと、ルテニウムの含有量を増加させ、好ましくないことが分かった。
以上、スクラップとしての磁性材料である白金、コバルト、クロム、ルテニウムだけでなく、白金を含有するターゲットの製造工程に発生する端材、切削屑、平研屑からくる多くの他の不純物である、例えば銅、鉄、ニッケル、シリコン等が含有されているにもかかわらず、これらの殆どが除去することが可能であり、高純度白金が得られ白金の収率は99%に達した。
また、白金から分離することが難しいルテニウムの低減化が可能であるという結果を得ることができた。
上記においては、白金、コバルト、クロム、ルテニウムを含有する磁性材ターゲットのスクラップを用いて説明をしたが、他の不純物を有するスクラップにおいても同様に適用できるものである。
スパッタリング用白金及び白金含有ターゲットの製造工程に発生する端材、切削屑、平研屑等のスクラップに混入するコバルト、クロム、銅、鉄、ニッケル、シリコン等を比較的簡単な工程で除去し、白金及びこれらを含有するターゲットに再使用できる高純度白金を高収率で回収することができるという優れた効果を有する。また、特に白金との分離が難しいと言われているルテニウムも、比較的簡便な方法において、低減化が可能であるという効果を有するので、高純度の白金を低コストで収率良く回収する有用な方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. ルテニウムを含有する白金合金を王水で溶解し、残渣を除去した後、白金を溶解した酸と塩化アンモニウム溶液とを反応させて塩化白金酸アンモニウム塩を析出させ、この塩化白金酸アンモニウム塩を還元して白金スポンジを得る高純度白金の回収方法であって、前記白金を溶解した酸と塩化アンモニウム溶液とを40°C以上の温度で反応させることを特徴とする高純度白金の回収方法。
  2. ルテニウムを含有する白金合金を王水により溶解した液の白金濃度を15g/L以上とすることを特徴とする請求項1記載の高純度白金の回収方法。
  3. ルテニウムを含有する白金合金を王水により溶解した液のルテニウム濃度を6g/L以下とすることを特徴とする請求項1又は2記載の高純度白金の回収方法。
  4. 塩化白金酸アンモニウム塩を焙焼して得られる白金スポンジ中の不純物としてのルテニウム含有量を2%以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高純度白金の回収方法。
  5. ルテニウム含有量を1%以下とすることを特徴とする請求項4記載の高純度白金の回収方法。
  6. ルテニウムを含有する白金合金が磁性材ターゲットのスクラップであって、該スクラップからの白金回収率が99%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の高純度白金の回収方法。
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