JP3079034B2 - 白金の回収方法 - Google Patents
白金の回収方法Info
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- C22B—PRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
- C22B11/00—Obtaining noble metals
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Description
関する。本発明は、硫化鉱の製錬過程で生成されるアノ
ードスライムやその他の残留物、スラッジ及び塵埃から
の有価金属である白金の回収にも適する白金の回収方法
に関する。
金は銀やニッケルなどの電解精錬の際に生成されるアノ
ードスライム中に白金、金、パラジウムなどの有価金属
と共に濃縮する。このスライムを濃硝酸(HNO3)で
処理すると白金とパラジウムの大部分が溶出する。その
後、銀の大部分はAgNO3として晶出除去し、残りの
銀を塩酸(HCl)によりAgClとして沈殿・分離さ
せた後に、パラジウムを硫化ジアルキル等の有機溶媒を
使用してパラジウムを抽出分離し、続けて、リン酸トリ
ブチル(TBP)等の有機溶媒を使用して白金を抽出分
離し、この白金を含む溶媒を、例えば塩酸(1〜5M程
度)などの洗浄用液体を使用してスクラビングし、例え
ば0.2M程度の塩酸を使用してストリッピングして
(好ましくは、この後、元の容積の約1/6程度に蒸発
濃縮し)、白金を塩素ガスで酸化して白金(VI)とし
て、塩化白金酸液(H2PtCl6液)を得、そしてその
後、この液に、塩化アンモニウム(NH4Cl)(好ま
しくは、80℃程度の過剰量の飽和塩化アンモニウム溶
液)を添加して塩化白金酸アンモニウム((NH4)
2[PtCl6]に転化し、沈殿した塩化白金酸アンモニ
ウムを含む混合物を冷却し、ろ過し、洗浄し、更に強熱
して、最終的に金属白金(スポンジ白金)を回収してい
る。
が不純物として含まれており、特に、パラジウム、銀、
錫、銅、テルルが有意的な量含まれていることから、塩
化アンモニウムによる転化の前に、塩化白金酸液(H2
PtCl6液)の前処理が提案されている。典型的なも
のは以下のものである: (1)塩化白金酸液に塩化アンモニウムを添加して塩化
白金酸アンモニウムに転化し、強熱して金属白金にした
後、得られた金属白金を王水で溶解して再度塩化白金酸
液に戻す操作を1回以上行う。即ち、白金の精製工程を
繰り返す。
(TBP)等の有機溶媒を添加して、白金を選択的に抽
出分離し、この白金を含む溶媒を、例えば塩酸(1〜5
M程度)などの洗浄用液体を使用してスクラビングし、
水又は希釈度の高い塩酸(0.2M程度)を用いて逆抽
出して、再度塩化白金酸液(H2PtCl6液)に戻す。
し精製を行うので、時間がかかり過ぎるという欠点があ
り、また、(2)の方法では、不純物を除去するために
スクラビングが必要であるが、スクラビングを行うこと
により白金の一部も持ち出されてしまい、白金の回収率
が悪くなくという欠点がある。
純度白金を高い回収率で得ることのできる簡便な白金の
回収方法を提供することを目的とする。
研究の結果、従来から使用されてきた塩化白金液からの
精製方法において、予め、塩化白金液を、2段の中和工
程(第1工程では、pHを5.5〜7.0に維持、第2
中和工程ではpHを9.5〜10.5に維持)に供し
て、不純物を不溶物として除去しておくことにより、高
純度の白金が得られることを見いだし、本発明を完成さ
せた。
を含む塩化白金酸液に中和剤を添加してpHを5.5〜
7.0に維持する第1中和工程と、第1中和工程で晶出
した不溶物を除去する工程と、ろ過処理後液に塩化白金
酸液に中和剤を添加してpHを9.5〜10.5に維持
する第2中和工程と、第2中和工程で晶出した不溶物を
除去する工程と、不溶物が除去された後の液に塩酸を添
加する工程とを経た後に得られた処理後液を使用しそれ
に、塩化アンモニウムを添加して塩化白金酸アンモニウ
ムに転化し、その塩を強熱して白金金属にすることを特
徴とする。
で晶出した不溶物を除去する工程を、目の開きが0.3
μm以下のろ過フィルターを使用して実施する。
フローシートとして示した。このフローシートに従っ
て、実施の一形態を以下に詳述する。
添加してpHを5.5〜7.0に維持する第1中和工
程:使用する塩化白金酸液の濃度は、1〜30g/Lが
好ましい。この塩化白金酸液は、精製由来のものでも天
然鉱石由来のものでもよい。典型的なものはパラジウム
抽出からのラフイネートである。この中和剤は、好まし
くは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。p
Hを5.5〜7.0に維持することにより、TeO2の
溶解度が小さくなりTeが除去されると共に、Sn、B
i、Au、Sb、Pd、Pbが不溶物として晶出してい
るものと想定される。
する工程:この工程では、フィルタープレス等を使用し
て実施するのが好ましい。なお、バッチ式でも連続式で
もよい。なお、第2中和工程の後に実施する第2中和工
程で晶出した不溶物を除去する工程も、同様に実施でき
る。好ましくは、第1中和工程と第2中和工程で晶出し
た不溶物を除去する工程を、目の開きが0.3μm以下
のろ過フィルターを使用して実施する。
添加してpHを9.5〜10.5に維持する第2中和工
程:この工程で使用する中和も、好ましくは、水酸化ナ
トリウム又は水酸化カリウムである。pHを9.5〜1
0.5に維持することにより、主に、Te、Fe、C
u、Ni、Cd、Agが不溶物として晶出しているもの
と想定される。不溶物はろ過により除去される。後液
は、塩基性になっていることから、塩酸を添加して酸性
にする。好ましくは、塩酸濃度を0.05〜1Nにす
る。
その後の処理は従来と同様に実施できる。即ち、処理後
液に塩化アンモニウム(好ましくは、80℃程度の過剰
量の飽和塩化アンモニウム溶液を使用)を添加して塩化
白金酸アンモニウムと晶出させ、常温より高い塩化アン
モニウム溶液を使用した場合には冷却し、ろ過し(ろ過
後液にはSi、Asが残される)、水で洗浄し、乾燥し
た後に、強熱(バイ焼)し、粉砕し、塩酸洗浄し、水洗
いし、乾燥してスポンジ白金とし、これを鋳造すること
により白金地金とできる。
(1)にも(2)にも、その方法の実施前又は実施中に
組み込める。方法(1)に組み込む場合には、精製工程
の繰り返し数を従来に比べて減らすことができる。ま
た、方法(2)に組み込む場合には、有機溶媒から、ス
クラビング無しで直接逆抽出した塩化白金酸液を、その
後の2段階の中和工程に供することができる。即ち、塩
酸液によるスクラビング工程を省略できる。
剤として水酸化ナトリウム水溶液を使用して、表1に示
す条件で中和を行った後、塩酸を添加して調整した。原
料溶液と表1で示す条件で得られた白金の組成は、表2
に示す通りであった。なお、不純物は、特に、Pd、A
g、Cu、Teに着目して分析した。
おり、原料溶液中から不純物が除去されることが分か
る。この溶液(塩化白金酸溶液)を、後の塩化アンモニ
ウム添加、更には強熱の工程に供することにより、従来
に比べて高純度の金属白金が得られる。
高回収率で回収できる。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 精製塩化白金酸液に塩化アンモニアを添
加して塩化白金酸アンモニウムに転化し、その塩を強熱
して白金金属にする高純度白金の回収方法において、前
記塩化白金酸液が、次の工程を経て得られたものである
ことを特徴とする方法。 (1) 不純物としてTe、Au、Pd、Cu及びAg
を含む塩化白金酸液に水酸化ナトリウム又は水酸化カリ
ウムの中和剤を添加してpHを5.5−7.0に維持す
る第1中和工程、 (2) 第1中和工程で晶出した主としてTe、Au及
びPdからなる不溶物を目の開きが0.3μm以下のろ
過フィルターを使用して除去する工程、 (3) ろ過処理後の塩化白金液に水酸化ナトリウム又
は水酸化カリウムの中和剤を添加してpHを9,5−1
0.5に維持する第2中和工程、 (4) 第2中和工程で晶出した主としてCu及びAg
からなる不溶物を目の開きが0.3μm以下のろ過フィ
ルターを使用して除去する工程、及び (5) 不溶物が除去された後の液に塩酸を添加して塩
酸濃度を0.05−1Nにして精製塩化白金酸を得る工
程。
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