JP4821486B2 - スズを含有する白金原料の精製方法 - Google Patents

スズを含有する白金原料の精製方法 Download PDF

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Description

本発明は、スズを含有する白金原料の精製方法に関し、さらに詳しくは、スズを含有している白金原料から、湿式処理によって、効率よく、かつ選択的にスズを分離し、高純度の白金を製造することができる精製方法に関する。
従来、不純物を含有する白金原料から白金を回収する方法として、該白金原料を王水で煮沸溶解し、ヘキサクロロ白金(IV)酸(HPtCl)を含む溶液を得て、次いでこれに塩化アンモニウムを添加して、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム((NHPtCl)からなる結晶を晶析させる方法(例えば、特許文献1参照。)が知られている。
一般に、前記結晶中には、不純物元素として白金以外の白金族、金、銀、及び銅、鉄等の卑金属が含まれるので、これらを除去するため、希薄な塩化アンモニウム水溶液又は純水を用いた洗浄処理が行われる。ここで、白金以外の白金族では、その同型塩が、希薄な塩化アンモニウム水溶液に対して白金の同型塩よりも大きな溶解度を持つので、上記洗浄処理により分別することができる。また、卑金属は塩化物の形で存在するので、同様に洗浄により分別することができる。これに対して、純水のみを用いて洗浄処理した場合には、純水に対する白金錯体の溶解度が希薄な塩化アンモン水溶液よりも高いので、白金の溶解損失が大きくなるが、一方不純物元素の除去率が高いため、通常、純水による洗浄処理が行なわれていた。
ところで、前記結晶中に不純物元素としてスズが混入している場合、スズは白金と同型の(NHSnClとして存在している。このため、塩化アンモニウム水溶液及び純水による洗浄処理を行なうと、その過程でスズが加水分解されて、水酸化スズ(IV)の形態で沈殿し、塩化白金酸アンモンと混合されるので、白金とスズとの分離が困難になる。したがって、スズを分離するため、精製工程を何度も繰り返さなければならず、繰り返し処理による工数増加と白金のロス増加が問題となっていた。
例えば、スズ等の不純物元素を含有する白金族元素の水溶液にアルカリを添加してpHを調整し、生成する沈殿を濾過分離する方法(例えば、特許文献2参照。)等のアルカリ中和法を用いた場合、不純物元素としてスズが単独で含まれるときには、ゼリー状の水酸化物が生成し、濾過分離の際に、その大部分がコロイドとしてリークしてしまうため、濾過分離することが困難であるという問題があった。
また、DBC(ジブチルカルビトール)を用いた溶媒抽出による不純物元素の分離方法(例えば、特許文献3参照。)で、白金と不純物元素とを分離することが行なえることが開示されている。しかしながら、この方法を、ヘキサクロロ白金(IV)酸の濃厚溶液に対して適用する際には、白金のかなりの部分がスズと共抽出されてしまうという問題があった。
さらに、金属コロイドを含有する液から金属を分離するスーパーリグによる分離方法(例えば、特許文献4参照。)を適用した場合、希薄な白金とスズからなる混合物から白金を分離する方法としては適しているが、白金に対し高濃度にスズが含まれる際には、全ての白金をスーパーリグに吸着し溶離させる必要があるので、樹脂の使用量が非常に大きくなる。また、溶離液中の白金濃度が大きく低下し、そのため結晶化精製時に収率が低下するため、実質的に適用することが困難であった。
以上の状況から、スズを含有している白金原料から、湿式処理によって、効率よく、かつ選択的にスズを分離することにより、精製工程の繰り返しによる工数の増加及び白金のロスを抑えることできる精製方法が求められていた。
特許3229218号公報(第1頁) 特開平8−239721号公報(第1頁、第2頁) 特開2005−97695号公報(第1頁、第2頁) 特開2003−247028号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、スズを含有している白金原料から、湿式処理によって、効率よく、かつ選択的にスズを分離し、高純度の白金を製造することができる精製方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、スズを含有する白金原料からスズを分離し白金を精製する方法について、鋭意研究を重ねた結果、スズを含有する白金原料を酸化溶解後、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム結晶を晶析する工程、前記結晶を塩酸中に懸濁し、スズを溶解分離して結晶を精製する工程、及び精製された結晶から白金粉を得る工程、を含む一連の工程によりスズを含有する白金原料を処理したところ、スズを含有している白金原料から、湿式処理によって、効率よく、かつ選択的にスズを分離し、高純度白金を製造することができること、及びヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム結晶を精製する工程において、懸濁液を特定の温度条件に保持した後、固液分離することにより、さらに効率よく、かつ選択的にスズを分離することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とするスズを含有する白金原料の精製方法が提供される。
(1)スズを含有する白金原料を酸化溶解に付し、次いで得られた溶解液に塩化アンモニウムを添加してヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムからなる結晶を晶析する。
(2)前記結晶を、濃度1〜2mol/Lの塩酸溶液中に懸濁し、懸濁液を昇温後冷却して、スズを溶解分離して該結晶を精製する。
(3)精製された結晶をアルカリ水溶液中に懸濁し、還元剤を添加して白金粉を得る。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、上記(1)の工程において、酸化溶解は、塩酸溶液と過酸化水素水からなる混合液で溶解することを特徴とするスズを含有する白金原料の精製方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、上記(2)の工程において、懸濁液の温度を70〜80℃に維持しながら、30分〜1時間保持し、次いで液温が30〜40℃になるまで冷却した後、固液分離することを特徴とするスズを含有する白金原料の精製方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、精製された結晶を用いて、(2)の工程を繰返し行なうことを特徴とするスズを含有する白金原料の精製方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4いずれかの発明において、上記白金粉を用いて、(1)〜(3)の工程を繰返し行なうことを特徴とするスズを含有する白金原料の精製方法が提供される。
本発明のスズを含有する白金原料の精製方法によれば、スズを含有する白金原料から、湿式処理によって、効率よく、かつ選択的にスズを分離し、高純度の白金を製造することができるので、その工業的価値は極めて大きい。さらに、上記(2)の工程において、懸濁液の温度を70〜80℃に維持しながら、30分〜1時間保持し、次いで液温が30〜40℃になるまで冷却した後、固液分離することにより、高濃度にスズを含有する白金原料においても、効率よく、かつ選択的にスズを分離することができるので、より有利である。
以下、本発明のスズを含有する白金原料の精製方法を詳細に説明する。
本発明のスズを含有する白金原料の精製方法は、下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする。
(1)スズを含有する白金原料を酸化溶解に付し、次いで得られた溶解液に塩化アンモニウムを添加してヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムからなる結晶を晶析する。
(2)前記結晶を、濃度1〜2mol/Lの塩酸溶液中に懸濁し、懸濁液を昇温後冷却して、スズを溶解分離して該結晶を精製する。
(3)精製された結晶をアルカリ水溶液中に懸濁し、還元剤を添加して白金粉を得る。
本発明において、(1)〜(3)の工程からなる一連の工程を行なうことが、重要である。これにより、高濃度にスズを含有する白金原料においても、効率よく、かつ選択的にスズを分離することができる。すなわち、スズを含有した白金原料を酸化溶解して、ヘキサクロロ白金(IV)酸を経て、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムへと形態を変化させた後に、希塩酸で洗浄処理を行う際に、スズを溶解分離して低減させる。
まず、上記精製方法の概要について図面を用いて説明する。図1は、本発明の精製方法の一例を表す工程図である。
図1において、まず、酸化溶解工程2において、スズを含有する白金原料1を塩酸溶液(1)6中で酸化剤7の共存下で溶解し、次いで晶析工程3において、得られた溶解液に塩化アンモニウム8を添加してヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム結晶9を晶析する。続いて、スズの溶解分離工程4において、前記結晶9を、濃度1〜2mol/Lの塩酸溶液(2)10中に懸濁し、懸濁液を昇温後冷却して、スズを溶解して該結晶を精製する。その後、還元工程5において、精製されたヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム結晶11をアルカリ水溶液12中に懸濁し、還元剤13を添加して高純度白金粉14を得る。
なお、スズを含有する白金原料1中のスズの含有量等に応じて、得られた精製されたヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム結晶11を用いて、スズの溶解分離工程4を繰返し行なうことができる。さらに、得られた高純度白金粉14を用いて、酸化溶解工程2から還元工程5の一連の工程を繰返し行なうことができる。
1.(1)の工程
上記(1)の工程は、スズを含有する白金原料を酸化溶解に付し、次いで得られた溶解液に塩化アンモニウムを添加してヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムからなる結晶を晶析する工程である。
上記工程で用いるスズを含有する白金原料としては、特に限定されるものではなく、スズ等の不純物元素を含有する原料、或いはそれから種々の分離精製法により得られたものが挙げられるが、その中で、特に本発明の効果が大きく示される、白金にとって難分離性のスズを高濃度で含むものが好適である。このようなスズを含有する白金原料中のスズの含有量としては、その原料、分離精製法等により異なるが、一般に、Ptに対して、5〜30重量%である。
上記工程では、まず、スズを含有する白金原料が酸化溶解に付され、ヘキサクロロ白金(IV)酸溶液が得られる。前記酸化溶解の条件としては、特に限定されるものではなく、通常の白金原料を溶解する公知の方法が用いられるが、この中で、例えば、塩酸溶液中で酸化剤の共存下で溶解する方法が好ましい。ここで酸化剤としては、過酸化水素、塩素、次亜塩素酸塩等が挙げられるが、過酸化水素が好ましい。なお、ここで、スズも溶解され、前記液中に含有される。
次いで、ヘキサクロロ白金(IV)酸溶液中に、下記反応式(1)に従い、所定量の塩化アンモニウムを添加し、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムからなる結晶を晶析させる。ここで、スズは、共沈され、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムからなる結晶中に(NHSnClの形態で含有される。ここで、前記晶析の条件としては、特に限定されるものではなく、通常のヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム結晶の晶析条件が用いられる。
反応式(1):HPtCl+2NHCl→(NHPtCl+2HCl
2.(2)の工程
上記(2)の工程は、前記結晶を、濃度1〜2mol/Lの塩酸溶液中に懸濁し、懸濁液を昇温後冷却して、スズを溶解分離して該結晶を精製する工程である。ここで、スズを含むヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム結晶の洗浄液として、濃度1〜2mol/Lの塩酸溶液を用いることが重要な意義を有する。これによって、洗浄液として、従来の濃度1〜2重量%の薄い塩化アンモニウム水溶液又は純水を使用する場合と比べると、スズの洗浄液への分配率が高くなる。
すなわち、濃度1〜2mol/Lの塩酸溶液中では、下記反応式(2)に従って、スズの錯塩((NHSnCl)の分解反応のみが優先して進行するので、結晶中のスズが水酸化物として沈殿することが抑えられる。これに対して水又は塩化アンモニウム水溶液で洗浄すると、下記反応式(3)の加水分解反応が優先的であるので、スズが水酸化物として沈殿する。
反応式(2):(NHSnCl→2NHCl+SnCl
反応式(3):(NHSnCl+4HO→2NHCl+Sn(OH)+4HCl
ここで、塩酸溶液中の塩酸の濃度が1mol/L未満では、酸濃度の不足によりスズが水酸化物になり、分離は不十分となる。一方、塩酸の濃度が2mol/Lを超えると、スズの錯塩((NHSnCl)の分解が不十分であるので、スズの分離も不十分である。
上記工程では、懸濁液を所望の温度まで昇温し保持した後に、冷却後、濾別して、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムの精製結晶を得る。この際、特に限定されるものではないが、懸濁液の温度を70〜80℃に維持しながら、30分〜1時間保持し、次いで液温が30〜40℃になるまで冷却した後、固液分離することが好ましい。
すなわち、上記懸濁液の昇温温度としては、より高温で実施するほどヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムからなる結晶の溶解度が上がり、それにより結晶内部に存在するスズの溶解が促進されるので、スズの溶解除去の効果が高くなるため望ましいが、液温が80℃を超えると、工業的には部分的な沸騰にともなう発泡による液面上昇が起こり、液が反応容器より溢れる危険性がある。一方、液温が70℃未満では、スズの溶解除去が不十分である。上記保持時間としては、より長時間である方が、再結晶が促進し望ましいが、昇温後30〜60分保持する程度で十分である。
また、上記懸濁液の冷却の温度としては、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムの溶解度を下げて、白金の洗浄液へのロスを低減するため、スズを含む沈殿物を固液分離する前に、30〜40℃まで冷却することが好ましい。
上記工程で用いる懸濁液のスラリー濃度としては、特に限定されるものではないが、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムの精製結晶の湿分重量に対して、30〜400g/Lが好ましい。すなわち、スラリー濃度が30g/L未満では、洗浄効果は高いもののバッチ数が多くなり、作業工数が増加する。一方、スラリー濃度が400g/Lを超えると、固液分離時に洗浄液を精製結晶中に持ち込んでしまい、精製効果が半減する。
上記工程において、必要に応じて、得られた精製結晶を用いて、(2)の工程を繰返し行なうことができる。これによって、スズの分離精製がさらに進行されるので、スズが高濃度で含有される場合でも、スズの十分な分離が行なわれる。
3.(3)の工程
上記(3)の工程は、精製された結晶をアルカリ水溶液中に懸濁し、還元剤を添加して白金粉を得る工程である。これによって、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムが、分解還元され、白金に対するスズの含有割合(スズ/白金)が重量比で0.001以下にまで低下した高純度の白金粉が得られる。なお、ここで、用いる方法としては、特に限定されるものではなく、通常のヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムを還元する公知の方法が用いられる。
例えば、前記精製結晶を濃度10〜30重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で、還元剤としてヒドラジンを用いて、還元する方法が好ましい。
上記工程で用いる懸濁液のスラリー濃度としては、特に限定されるものではないが、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムの精製結晶の湿分重量に対して、40〜750g/Lが好ましい。すなわち、スラリー濃度が40g/L未満では、バッチ数が多くなり、作業工数が増加する。一方、スラリー濃度が750g/Lを超えると、スラリーの粘性が増加し、泡が切れにくくなることにより、槽から液が溢れる危険性がある。
上記方法において、必要に応じて、得られた白金粉を用いて、(1)〜(3)の工程を繰返し行なうことができる。これによって、スズの分離精製が一段と進行されるので、スズが高濃度で含有される場合でも、スズの十分な分離が行なわれる。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた金属の分析はICP発光分析法で行った。
(実施例1)
まず、(1)の工程として、白金に対してスズの含有割合(スズ/白金)が重量比で0.07である白金原料を、濃度35重量%の塩酸溶液100リットルと濃度35重量%の過酸化水素水25リットルの混合液を用いて溶解した後、得られた液に塩化アンモニウムを添加し、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム結晶を得た。
次に、(2)の工程として、得られたヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム結晶約70kgを、濃度1mol/Lの塩酸溶液180リットル中に投入し、スラリー濃度を390g/Lに調整し、その後懸濁しながら80℃まで昇温し、そのまま30分間保持した後、30℃に冷却し、濾別した。この操作を2回繰り返して、ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムの精製された結晶を得た。
次いで、(3)の工程として、得られた精製された結晶を、濃度24重量%の水酸化ナトリウム水溶液約100リットル中に投入し、スラリー濃度を700g/Lに調整し懸濁させながら、還元剤としてヒドラジンを添加して、白金粉を得た。
続いて、得られた白金粉を用いて、(1)〜(3)の工程の操作を再度繰り返して、白金粉17kgを得て、分析した。結果を表1に示す。
(比較例1)
(2)の工程で、塩酸溶液の代わりに純水を用いたこと以外は実施例1と同様に行い、
白金粉17kgを得て、分析した。結果を表1に示す。
Figure 0004821486
表1より、実施例1では、(2)の工程で所定濃度の塩酸溶液を用い、本発明の方法に従って行われたので、スズの含有割合(スズ/白金)が、重量比で0.001以下の高純度の白金粉が得られることが分かる。これに対して、比較例1では、(2)の工程がこれらの条件に合わないので、得られた白金粉のスズの含有割合において満足すべき結果が得られないことが分かる。
以上より明らかなように、本発明のスズを含有する白金原料の精製方法は、特にスズを高濃度で含有する白金原料から、高純度の白金を製造する分野で利用される精製方法として好適である。
本発明の精製方法の一例を表す工程図である。
符号の説明
1 スズを含有する白金原料
2 酸化溶解工程
3 晶析工程
4 スズの溶解分離工程
5 還元工程
6 塩酸溶液(1)
7 酸化剤
8 塩化アンモニウム
9 ヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム結晶
10 塩酸溶液(2)
11 精製されたヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウム結晶
12 アルカリ水溶液
13 還元剤
14 高純度白金粉

Claims (5)

  1. 下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とするスズを含有する白金原料の精製方法。
    (1)スズを含有する白金原料を酸化溶解に付し、次いで得られた溶解液に塩化アンモニウムを添加してヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムからなる結晶を晶析する。
    (2)前記結晶を、濃度1〜2mol/Lの塩酸溶液中に懸濁し、懸濁液を昇温後冷却して、スズを溶解分離して該結晶を精製する。
    (3)精製された結晶をアルカリ水溶液中に懸濁し、還元剤を添加して白金粉を得る。
  2. 上記(1)の工程において、酸化溶解は、塩酸溶液と過酸化水素水からなる混合液で溶解することを特徴とする請求項1に記載のスズを含有する白金原料の精製方法。
  3. 上記(2)の工程において、懸濁液の温度を70〜80℃に維持しながら、30分〜1時間保持し、次いで液温が30〜40℃になるまで冷却した後、固液分離することを特徴とする請求項1に記載のスズを含有する白金原料の精製方法。
  4. 精製された結晶を用いて、(2)の工程を繰返し行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスズを含有する白金原料の精製方法。
  5. 上記白金粉を用いて、(1)〜(3)の工程を繰返し行なうことを特徴とする請求項1〜4に記載のスズを含有する白金原料の精製方法。
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