JP6222469B2 - 白金族の回収方法 - Google Patents

白金族の回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6222469B2
JP6222469B2 JP2014067450A JP2014067450A JP6222469B2 JP 6222469 B2 JP6222469 B2 JP 6222469B2 JP 2014067450 A JP2014067450 A JP 2014067450A JP 2014067450 A JP2014067450 A JP 2014067450A JP 6222469 B2 JP6222469 B2 JP 6222469B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
platinum
solution
platinum group
added
chlorination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014067450A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015190000A (ja
Inventor
仲家 新太郎
新太郎 仲家
岡田 智
智 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2014067450A priority Critical patent/JP6222469B2/ja
Publication of JP2015190000A publication Critical patent/JP2015190000A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6222469B2 publication Critical patent/JP6222469B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

本発明は、白金族金属を含む原料から、高純度の白金族金属を効率よく回収する方法に関する。
白金族金属(以下、白金族)は工業的には非鉄金属製錬の副産物や使用済み触媒などから回収されている。例えば、銅やニッケルの精練工程で生じる陽極スライムあるいはニッケルの精練工程で生じる抽出残渣には、金、銀、白金、パラジウムなどが含まれており、従来、これらの製錬残渣から白金や金などの貴金属が回収されている。例えば、脱銅スライムを塩化浸出し、浸出滓から銀や鉛を回収し、浸出液からは溶媒抽出によって金を回収し、また金抽出後液には白金族やセレン等が含まれているので、金抽出後液から白金族を回収している。
従来の溶媒抽出による白金族の回収方法は、アルカリ土類や重金属が十分に分離されないため、回収される白金族の純度が低いと云う問題があり、この対策として、アルカリ土類および重金属を最初に溶媒抽出によって取り除いた後に、Pd、Pt、Irを順に溶媒抽出によって回収し、その後、溶液を中和してRh沈澱物を回収する方法が知られている(特許文献1:特開2004−332041号公報)。
さらに、不純物元素を含む原料から高純度の白金族を回収する方法として、白金族含有物を浸出する第一工程、浸出生成液から不純物元素を溶媒抽出する第二工程、抽出残液からパラジウムを溶媒抽出する第三工程、抽出残液から陽イオン型不純物元素を溶媒抽出する第四工程、抽出残液を加水分解して白金を分離する第五工程、沈澱からルテニウムを浸出分離する第六工程、イリジウムを溶媒抽出し、イリジウムを含む逆抽出生成液とロジウムを含む抽出残液を得る第七工程の各工程を有する白金族の相互分離方法が知られている(特許文献2:特開2005−97695号公報)。
しかし、特許文献1の方法は、Pd濃度が高い原料では、Ru蒸留のときにPdの沈殿が生じ、蒸留残液の回収が困難になるため適用し難いと云う問題がある。また、特許文献2の方法は、白金が複数の工程に分散するため、白金の一次実収率が低く、白金回収工程の繰返しが多くなるという問題がある。
上記問題を解消した回収方法として特許文献3に記載する回収方法が提案されている。この方法は、白金族含有溶液からパラジウムを溶媒抽出し、抽出残液にヒドラジンを添加して還元滓を生成させ、該還元滓に含まれる白金族金属を塩化溶出し、この溶解液に酸化剤を加えてルテニウムを蒸留させて回収し、この蒸留残液から他の白金族を回収する方法であり、白金族の回収率が高い効果を有している。一方、この方法はRu蒸留後にPtを溶媒抽出するので、Ru蒸留がPt回収のボトルネックになる場合が懸念される。
特開2004−332041号公報 特開2005−97695号公報 特開2012−167367号公報
本発明は従来の回収方法における上記問題を解決した白金族の回収方法を提供する。本発明の回収方法は、Pt回収工程をRu蒸留工程より先に行うので、Pt回収がRu蒸留によって影響されず、白金族の分離性が良く、高純度の白金族金属を効率よく回収することができる。
本発明は以下の構成を有する白金族の回収方法に関する。
〔1〕白金族含有溶液からパラジウムを溶媒抽出した残液を還元する第一還元工程、該第一還元工程で生成した第一還元滓を固液分離して塩酸と酸化剤で溶解する第一塩化溶出工程、この溶解液(第一クロリネーション液と云う)を水で希釈する工程、希釈した溶解液から白金を沈澱させて回収する白金沈殿工程、この白金回収後液を還元する第二還元工程、該第二還元工程で生成した第二還元滓を固液分離して塩酸と酸化剤で溶解する第二塩化溶出工程、この溶解液(第二クロリネーション液と云う)を酸化蒸留してルテニウムを回収する工程、この蒸留残液からロジウムを沈澱させて回収する工程を有することを特徴とする白金族の回収方法。
〔2〕希釈工程において、第一クロリネーション液を水で希釈して塩素濃度を0.1〜0.4mol/Lに調整する上記[1]に記載する白金族の回収方法。
〔3〕白金沈殿工程において、希釈した第一クロリネーション液にアンモニウム塩を添加して白金を沈澱させる上記[1]または上記[2]に記載する白金族の回収方法。
〔4〕第二還元工程において、白金回収後液にアルカリを添加してpH2〜14に調整した後に水和ヒドラジンを添加し、生成した第二還元滓を回収する上記[1]〜上記[3]に記載する白金族の回収方法。
〔5〕第二塩化溶出工程において、白金回収後液から回収した第二還元滓に塩酸と過酸化水素を添加して該第二還元滓を溶解し、ルテニウムおよびロジウムを含有する第二クロリネーション液を得る上記[1]〜上記[4]の何れかに記載する白金族の回収方法。
〔6〕第二塩化溶出工程において得た第二クロリネーション液に臭素酸塩を添加して蒸留し、酸化ルテニウムを蒸留させる上記[1]〜上記[5]の何れかに記載する白金族の回収方法。
〔7〕第二クロリネーション液の蒸留残液に塩酸を加えた後にアルカリを添加してpH調整し、さらに亜硝酸ナトリウムを加えて加熱し、冷却後、塩化アンモニウムを加えてロジウムを沈澱させる上記[1]〜上記[6]の何れかに記載する白金族の回収方法。
〔具体的な説明〕
本発明の回収方法は、白金族含有溶液からパラジウムを溶媒抽出した残液を還元する第一還元工程、回収した第一還元滓を塩酸と酸化剤で溶解する第一塩化溶出工程、この溶解液を水で希釈する工程、希釈した溶解液から白金を沈澱させて回収する白金沈殿工程、この白金回収後液を還元する第二還元工程、この第二還元滓を塩酸と酸化剤で溶解する第二塩化溶出工程、この溶解液を酸化蒸留してルテニウムを回収する工程、この蒸留残液からロジウムを沈澱させて回収する工程を有することを特徴とする白金族の回収方法である。
〔白金族含有溶液〕
本発明に係る白金族の回収方法は、製錬残渣などの白金族を含有する原料から白金族を浸出させた溶液を原料として用いることができる。製錬残渣などを塩酸と酸化剤(過酸化水素など)を用いて塩化溶解すれば白金族を含有する溶液が得られる。例えば、脱銅スライムや製錬スクラップなどの製錬残渣を塩化溶解した液には、パラジウム(Pd)が約60000mg/l前後、金(Au)が約15000mg/l前後、白金(Pt)が約10000mg/l前後、ルテニウム(Ru)が約3000mg/l前後、ロジウム(Rh)が約500mg/l前後含まれている。
〔Au抽出工程〕
製錬残渣などの塩酸浸出液を原料の白金族含有溶液として用いる場合には、好ましくは、最初に金(Au)および鉄(Fe)を除去する。溶媒抽出によってAuおよびFeを除去することができる。最初にAuを分離回収することによって、その後のパラジウム(Pd)等の回収を容易に進めることができる。Auの抽出溶媒としてはDBC(ジブチルカルビトール)を用いることができる。白金族含有溶液に塩酸を添加して塩酸濃度が4mol/L以上になるように調整した後にDBCを混合すると良い。DBCにはAuと共にFeが抽出される。DBCに抽出したAuは通常の方法で逆抽出して回収すれば良い。
〔Pd抽出工程〕
Au抽出残液に含まれるPdを溶媒抽出する。Pdの抽出溶媒としてはDHS(ジヘキシルスルフィド)を用いることできる。Au抽出残液に苛性ソーダを添加して塩酸濃度が3mol/L以下になるまで中和した後にDHSを混合するのが好ましい。Au抽出後液の塩酸濃度を3mol/L以下に調整することによって、Pd逆抽出における溶媒の変性や沈殿の発生を抑制することができる。
DHS溶媒に抽出したPdは通常の方法で逆抽出して回収すれば良い。例えば、抽出したPdを含むDHS溶媒を塩酸洗浄した後に、アンモニアと塩化アンモニウムの水溶液を混合してPdを逆抽出し、この逆抽出液に塩酸を加えてPdイエローを沈澱させる。回収したPdイエローをアンモニア水溶液で溶解し、この溶液にヒドラジンを加えてPdを還元析出させることによって、高純度のPdメタルを回収することができる。例えば、このPdイエローから収率99%で純度99.95%のPdメタルを回収することができる。
〔第一還元工程〕
Pd抽出残液を還元して還元滓(第一還元滓と云う)を生成させて回収する。例えば、好ましくは、Pd抽出残液に苛性ソーダを添加してpH10〜13に調整した後に、水和ヒドラジン(HNNH・HO)を添加して還元滓(第一還元滓)を生成させる。抽出残液のpHが10を下回ると還元反応が不十分になる。一方、pHが13を上回ると還元滓が分散し、その濾過性が低下する。
Pd抽出後液に含まれる白金族はほぼ全量が還元されて第一還元滓に含まれる。Pd抽出後液に含まれる白金族を還元して回収することによって、Pd抽出後液に含まれるDHS溶媒の有機物を取り除き、次工程に有機物が混入するのを防止する。さらに白金族(Ru、Pt、Rh)が第一還元滓に濃縮されるので、これらの回収率を高めることができる。
〔第一塩化溶出工程〕
Pd抽出後液から回収した第一還元滓に塩酸と酸化剤(過酸化水素など)を加えて加熱し、該第一還元滓を溶解して該第一還元滓に含まれる白金族を塩化溶出(クロリネーション)させる。この塩化溶出によって第一還元滓に含まれている白金族のほぼ全量が溶出する。例えば、Pt、Rh、Ruの何れも99%以上が溶出する。この溶解液(第一クロリネーション液と云う)の塩酸濃度は1〜6mol/Lが好ましい。この塩酸濃度で溶解することによって、白金回収後の第二還元工程での中和処理に使用するアルカリ量を低減することができる。
〔希釈工程〕
第一塩化溶出工程で得た溶解液(第一クロリネーション液)を水で希釈し、塩素濃度を0.1〜0.4mol/Lに調整する。塩素濃度が0.4mol/Lより高いと、アンモニウム塩を添加したときに白金と共にルテニウムおよびロジウムが沈澱するため、白金を選択的に沈殿させることができない。また、塩素濃度が0.1mol/L未満ではPtイエローの生成が進まず、次工程の白金回収でのロスが5%以上になる。概ね溶解液の9倍容量以上の水を加えて10倍希釈以上にすると良い。
〔白金沈殿工程〕
希釈した溶解液にアンモニウム塩を添加して白金を沈澱させる。例えば、該溶解液に塩化アンモニウムを添加すると白金は塩化白金酸アンモニウム[(NH4)2PtCl6] (Ptイエロー)の沈殿を生じる。溶解液に含まれているルテニウムおよびロジウムは塩化物イオン(RuCl3+、RhCl4 -)のまま液中に残り沈殿しないので、白金をルテニウムおよびロジウムから分離することができる。沈殿した塩化白金酸アンモニウム(Ptイエロー)を固液分離して回収する。
〔第二還元工程〕
白金含有沈殿を分離した後液(白金回収後液)を還元して還元滓(第二還元滓と云う)を生成させる。例えば、白金回収後液に苛性ソーダなどのアルカリを添加してpHを調整し、次いで水和ヒドラジンを添加して第二還元滓を生成させる。pHは2〜14が好ましい。pH2未満では、RuがRu(OH)ClやRu(OH)12 4+等の形態で安定であるため、ヒドラジンを添加してもRuを含む第二還元滓が生成し難く、Ruを回収できない。pH14を超えると第二還元滓が著しく微小化して第二還元滓の濾過性が極度に低下する。なお、Ruを含む第二還元滓の生成および該第二還元滓の濾過性の両方が良好なpH領域はpH2〜6である。このpH領域では白金回収後液中のルテニウムおよびロジウム(RuCl3+、RHCL )はほぼ全量が還元されて還元滓に含まれる。
〔第二塩化溶出工程〕
白金回収後液から固液分離して回収した第二還元滓を塩酸と酸化剤で溶解する。例えば、該第二還元滓に塩酸と酸化剤(過酸化水素など)を加えて加熱し、該第二還元滓を溶解する。この塩化溶出によって該第二還元滓に含まれているルテニウムおよびロジウムのほぼ全量が溶出し、ルテニウムおよびロジウム含有液(第二クロリネーション液)を得ることができる。
〔Ru回収工程〕
第二クロリネーション液を酸化蒸留してルテニウムを回収する。例えば、第二クロリネーション液に酸化剤を添加して蒸留し、酸化ルテニウムを蒸留させて回収する。酸化剤は臭素酸塩、例えば臭素酸ナトリウム(NaBrO3)などを用いると良い。
酸化剤を添加する第二クロリネーション液のpHは1〜5が好ましい。pHが1より低いと酸化反応が急激に進行塩素ガス等が大量に発生する危険がある。一方、pHが5より高いと液中のルテニウムがルテニウム酸イオン(HRuO5-)を形成し、ルテニウムを効率よく蒸留することができない。なお、第二塩化溶出工程で得た第二クロリネーション液のpHは約0であるから、苛性ソーダを添加しpHを1〜5に調整した後に酸化剤を添加するのが好ましい。
液中のルテニウム(RuCl3+)は酸化されると揮発性の酸化ルテニウム(RuO4)になるので容易に蒸留することができる。蒸留温度は約75℃〜約100℃、好ましくは約80℃であれば良い。蒸留した酸化ルテニウムガスを塩酸に吸収させ、塩化ルテニウム酸として回収することができる。
〔Rh回収工程〕
Ru蒸留残液からロジウムを沈澱させて回収する。好ましくは、Ru蒸留残液に還元剤を加え、残留している酸化剤を分解する。例えば、該蒸留残液に塩酸ヒドロキシアミンを加えて、残留している臭素酸ナトリウムを分解する。この分解処理により、次のRh回収で臭素酸ナトリウムと亜硝酸ナトリウムの反応を防止する。
Ru蒸留残液に塩酸を加えた後にアルカリを添加してpH2〜4に調整する。pH2〜4に調整することによって、鉄などの不純物が沈殿として析出することを抑制し、ロジウムの純度を高めることができる。pH2未満になると、亜硝酸ナトリウムが分解しNO2を発生するため望ましくない。
pH調整したRu蒸留残液に亜硝酸ナトリウムを加えて約80℃に加熱し、該残液に含まれるロジウムを亜硝酸化する。これを室温まで冷却した後に塩化アンモニウムを加えると、ロジウムは硝酸ロジウム塩[Na(NH4)2Rh(NO2)6]の沈澱を生じるので、これを固液分離して回収する。この方法によって、高純度のロジウムを90%以上の高収率で回収することができる。
本発明の回収方法は、白金を回収した後にルテニウムおよびロジウムを回収するので、白金の回収工程がルテニウムおよびロジウムの回収工程の影響を受けず、効率よく白金を回収することができる。
また、本発明の回収方法では、白金を沈澱させて固液分離する化学分離処理によって回収するので、溶媒抽出とは異なり、溶液の処理が容易であり、次の第二還元工程のための液性の調整も容易である。
さらに、白金の回収は第一クロリネーション液を水で希釈して塩素濃度を下げた後に白金を沈澱させる方法であり、白金と液中のルテニウムおよびロジウムとの分離性が良い。
また、本発明の回収方法によれば、回収した白金族の純度が高く、回収率も高い。具体的には、純度99.9%以上の白金族を回収することができ、白金およびパラジウムの回収率は99%以上であり、ルテニウムおよびロジウムの回収率は90%以上である。
本発明の回収方法の一例を示す処理工程図
本発明の実施例を以下に示す。溶液の濃度はICPを用いて測定した。固形分の濃度は王水により固形分を全量溶解した後に溶解液をICPで測定することで求めた。
〔実施例1〕
白金族含有液の調製:製錬残渣を塩酸と過酸化水素で溶解して白金族含有液76Lを調製した。該溶液の白金族濃度を表1に示す。
Au溶媒抽出:この白金族含有液をジブチルカルビトール(DBC)24Lと30分混合し、AuおよびFeを抽出した。このAu抽出残液の白金族濃度を表1に示した。
Pd溶媒抽出:このAu抽出残液(塩酸濃度5mol/L)に苛性ソーダを加えて中和し、次いでジヘキシルスルフィド(DHS)119Lを3時間混合してPdを抽出した。回収したPdメタルの残留濃度およびPd抽出残液の白金族濃度を表2に示した。
第一還元:このPd抽出残液に苛性ソーダを添加してpH12に調整した。次いで水和ヒドラジンを添加し30分混合して還元処理し、固液分離して還元滓3.3kgを回収した。この還元滓および残液の白金族濃度を表3に示す。この結果に示すように、白金族のほぼ全量が還元されて還元滓に含まれている。
第一塩化溶出:第一還元滓を塩酸および過酸化水素で溶解し、溶解液(第一クロリネーション液)11Lを得た。第一クロリネーション液の白金族濃度を表4に示す。表示するように、白金族は何れも浸出率99%以上であった。
希釈:第一クロリネーション液に約9容量倍の水101Lを加えて30分混合し、塩素濃度0.4mol/Lに調整した。
白金回収:希釈した第一クロリネーション液に塩化アンモニウム4.8kgを添加し、生成した沈殿を固液分離し、Ptイエローを回収した。該Ptイエローを焙焼し粗白金メタルを得た。これを王水で溶解した後、既存の化学分離法で精製し、純度99.95%の精白金メタルを回収した。その収率は88%であった。PtメタルおよびPt回収残液の白金族濃度を表5に示す。
第二還元:Pt回収後液に苛性ソーダを添加してpH5に調整し、次いで水和ヒドラジンを添加し30分混合して還元処理し、固液分離して還元滓1.9kgを回収した。この還元滓と残液の白金族濃度を表6に示す。この結果に示すように、RuおよびRhのほぼ全量が還元されて還元滓に含まれている。
第二塩化溶出:第二還元滓を塩酸および過酸化水素で溶解し、溶解液(第二クロリネーション液)5.8Lを得た。第二クロリネーション液のRuおよびRh濃度を表7に示す。表示するように、RuおよびRhは何れも浸出率99%以上であった。
Ru回収:第二クロリネーション液を蒸留装置に入れ、臭素酸ナトリウムを混合し、80℃でRuを酸化蒸留した。回収した酸化ルテニウムガスを塩酸に吸収させ、塩化ルテニウム酸433gを得た。また、この蒸留残液に塩酸を加え、臭素酸を分解した。Ru蒸留残液の白金族濃度を表8に示す。
Rh回収:Ru蒸留残液に苛性ソーダを加えてpH4に中和し、次いで、NaNO2とNH4Clを加えて加熱し、亜硝酸アンモニウム塩〔Na(NH4)2Rh(NO2)6〕64gを回収した。
Figure 0006222469
Figure 0006222469
Figure 0006222469
Figure 0006222469
Figure 0006222469
Figure 0006222469
Figure 0006222469
Figure 0006222469
〔実施例2〕
実施例1の第一クロリネーション液におのおの水200L(約20容量倍)、水44L(約4容量倍)、を加えて30分混合した後に、塩化アンモニウムを添加し、生成した沈殿を固液分離し、Ptイエローを回収した。該PtイエローおよびPt回収残液の白金族濃度を表9に示す。水200Lで希釈した試料A1はPtメタル中のRu量およびRh量が少なく、Ptがよく分離されている。一方、水44Lで希釈した試料A2はPtメタル中のRu量およびRh量が多く、塩素濃度が高いとPtの分離性が低下するので、第一クロリネーション液の水希釈は塩素濃度が0.1〜0.4mol/Lになる範囲が好ましい。
Figure 0006222469
〔実施例3〕
実施例1の第二還元工程において、Pt回収後液のpH調整(pH5)をpH2(試料B1)、pH14(試料B2)に変え、各々に水和ヒドラジンを添加し、生成した還元滓を固液分離して回収した。試料B2の濾過時間は実施例1の約10倍であった。回収した各々の還元滓に含まれる白金族の含有量を表10に示す。
Figure 0006222469
〔比較例1〕
実施例1の第一クロリネーション液を水で希釈せずに塩化アンモニウムを添加し、生成した沈殿を固液分離し、Ptイエローを回収した。該PtイエローからPtメタルを得た。PtメタルおよびPt回収残液の白金族濃度を表11に示す。この結果に示すように、水で希釈せずに白金を沈澱させると、PtメタルのRu量およびRh量が多く、RuおよびRhとPtの分離性が低い。
Figure 0006222469
本発明の回収方法は、製錬残渣の浸出後液や白金族金属のスクラップ溶解液を原料として高い回収率で白金族金属を回収することができ、これらの産業分野において好適に利用することができる。

Claims (7)

  1. 白金族含有溶液からパラジウムを溶媒抽出した残液を還元する第一還元工程、該第一還元工程で生成した第一還元滓を固液分離して塩酸と酸化剤で溶解する第一塩化溶出工程、この溶解液(第一クロリネーション液と云う)を水で希釈する工程、希釈した溶解液から白金を沈澱させて回収する白金沈殿工程、この白金回収後液を還元する第二還元工程、該第二還元工程で生成した第二還元滓を固液分離して塩酸と酸化剤で溶解する第二塩化溶出工程、この溶解液(第二クロリネーション液と云う)を酸化蒸留してルテニウムを回収する工程、この蒸留残液からロジウムを沈澱させて回収する工程を有することを特徴とする白金族の回収方法。
  2. 希釈工程において、第一クロリネーション液を水で希釈して塩素濃度を0.1〜0.4mol/Lに調整する請求項1に記載する白金族の回収方法。
  3. 白金沈殿工程において、希釈した第一クロリネーション液にアンモニウム塩を添加して白金を沈澱させる請求項1または請求項2に記載する白金族の回収方法。
  4. 第二還元工程において、白金回収後液にアルカリを添加してpH2〜14に調整した後に水和ヒドラジンを添加し、生成した第二還元滓を回収する請求項1〜請求項3に記載する白金族の回収方法。
  5. 第二塩化溶出工程において、白金回収後液から回収した第二還元滓に塩酸と過酸化水素を添加して該第二還元滓を溶解し、ルテニウムおよびロジウムを含有する第二クロリネーション液を得る請求項1〜請求項4の何れかに記載する白金族の回収方法。
  6. 第二塩化溶出工程において得た第二クロリネーション液に臭素酸塩を添加して蒸留し、酸化ルテニウムを蒸留させる請求項1〜請求項5の何れかに記載する白金族の回収方法。
  7. 第二クロリネーション液の蒸留残液に塩酸を加えた後にアルカリを添加してpH調整し、さらに亜硝酸ナトリウムを加えて加熱し、冷却後、塩化アンモニウムを加えてロジウムを沈澱させる請求項1〜請求項6の何れかに記載する白金族の回収方法。
JP2014067450A 2014-03-28 2014-03-28 白金族の回収方法 Active JP6222469B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014067450A JP6222469B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 白金族の回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014067450A JP6222469B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 白金族の回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015190000A JP2015190000A (ja) 2015-11-02
JP6222469B2 true JP6222469B2 (ja) 2017-11-01

Family

ID=54424771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014067450A Active JP6222469B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 白金族の回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6222469B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114774695B (zh) * 2022-03-07 2024-06-25 金川集团铜贵有限公司 一种用于提取银阳极泥酸浸液中贵金属的方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ZA763680B (en) * 1976-06-21 1978-02-22 Nat Inst Metallurg The separation and purification of ruthenium
ZA775358B (en) * 1977-09-06 1979-04-25 Nat Inst Metallurg The recovery and purification of rhodium
JP3480216B2 (ja) * 1997-01-20 2003-12-15 住友金属鉱山株式会社 白金とルテニウムとの分離方法
JP3644245B2 (ja) * 1998-04-09 2005-04-27 住友金属鉱山株式会社 ルテニウムとロジウムの分離方法
JP3733909B2 (ja) * 2002-01-07 2006-01-11 住友金属鉱山株式会社 ルテニウムの精製方法
JP4100671B2 (ja) * 2002-10-24 2008-06-11 日鉱金属株式会社 液中の白金とパラジウムの除去方法
JP4100695B2 (ja) * 2004-12-07 2008-06-11 日鉱金属株式会社 白金族を含む溶液からRuを分離回収する方法
JP2010077510A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Nippon Mining & Metals Co Ltd ロジウムと白金及び又はパラジウムとの分離方法
JP5339068B2 (ja) * 2009-03-20 2013-11-13 三菱マテリアル株式会社 ルテニウムの精製回収方法
JP5825484B2 (ja) * 2011-01-28 2015-12-02 三菱マテリアル株式会社 白金族金属の回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015190000A (ja) 2015-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5825484B2 (ja) 白金族金属の回収方法
US7291202B2 (en) Process for mutual separation of platinum group metals
JP6376349B2 (ja) セレン、テルルおよび白金族元素の分離方法
JP5556701B2 (ja) 白金族溶解液からの不純物元素の分離方法
JP4116490B2 (ja) 高純度の白金族の回収方法
JP2012246198A (ja) セレンの湿式法による精製方法
JP6222469B2 (ja) 白金族の回収方法
JP5339068B2 (ja) ルテニウムの精製回収方法
JP4158706B2 (ja) 白金族含有溶液から金を分離する処理方法および製造方法
EP1577408A1 (en) Method for separating platinum group element
JP2021143378A (ja) 白金族元素の相互分離方法
JP2004190058A (ja) イリジウムの分離精製方法
JP4269693B2 (ja) セレンテルル混合物の処理方法
JP6442674B2 (ja) 白金族塩酸溶解液の製造方法
JP7400443B2 (ja) 白金族元素の相互分離方法
JP4821486B2 (ja) スズを含有する白金原料の精製方法
JP4470749B2 (ja) ロジウムの回収方法、および金属ロジウムの製造方法
JP3229218B2 (ja) 白金の精製方法
JPH10265863A (ja) 製錬残渣からの貴金属回収方法
JP5339067B2 (ja) ルテニウムの分離方法
JP2018070927A (ja) ビスマスの回収方法
JP2004035969A (ja) セレン等の精製方法
JP2018044201A (ja) 金属含有塩酸酸性液の処理方法
JP6400047B2 (ja) 金属含有酸性水溶液の処理方法
JP6768218B2 (ja) テルルと白金族元素の分離方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6222469

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250