JP2018044201A - 金属含有塩酸酸性液の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】テルルを含有する金属含有塩酸酸性液からテルルを効率的に回収することが可能な金属含有塩酸酸性液の処理方法を提供する。【解決手段】テルルを含有する金属含有塩酸酸性液に対して、アセトン及び還元性硫黄を供給してテルルを含む有価物を沈殿させて固液分離により回収することを特徴とする金属含有塩酸酸性液の処理方法。【選択図】なし
Description
本発明は、金属含有塩酸酸性液の処理方法に関し、特にテルルを含有する金属含有塩酸酸性液の処理方法に関する。
銅乾式製錬では銅精鉱を熔解し、転炉、精製炉で99%以上の粗銅とした後に電解精製工程において純度99.99%以上の電気銅を生産する。近年では転炉においてリサイクル原料として電子部品由来の貴金属を含む金属屑が投入されており、銅以外の有価物は電解精製時にスライムとして沈殿する。
このスライムには金、銀、白金、パラジウムのほかにもルテニウムやロジウム、イリジウムといった希少金属、銅精鉱に含まれているセレンやテルルも同時に濃縮される。銅製錬副産物としてこれらの元素は個別に分離−回収される。
このスライムの処理には湿式製錬法が適用される場合が多い。例えば特許文献1においてはスライムを塩酸−過酸化水素により銀を回収し、溶解した金は溶媒抽出により回収した後に、その他の有価物を二酸化硫黄で順次還元回収する方法が開示されている。特許文献2には同様の方法で金銀を回収した後、二酸化硫黄で有価物を還元して沈殿せしめ、セレンのみを蒸留して除去して貴金属類を濃縮する方法が開示されている。
貴金属を回収した後の溶液には希少金属イオン、テルル、セレンが含まれておりさらにこれら有価物を回収することが必要である。回収方法としては還元剤により生じた沈殿を回収する方法、溶液ごと銅精鉱に混合しドライヤーで乾燥させて製錬炉に繰り返す方法が知られている。とりわけ特許文献1に示されているように二酸化硫黄により生じた沈殿を回収する方法はコストや製造規模の面で利点が多い。加えて各元素が順次沈殿することから分離精製にも効果がある。
二酸化硫黄を用いて有価物を回収する方法では酸化還元電位の関係からテルルは最終段階で回収される。この時の還元条件としては、従来、80℃以上の液温を保って二酸化硫黄を供給している。反応設備の大きさにもよるが、8m3の液を処理する時の反応時間は4時間程度であり、エネルギーの消費量が非常に大きい。また二酸化硫黄を用いて有価物を回収する方法では、反応後の液と沈殿した有価物とを分離したり、反応後液を排出するには十分に温度が下がっている必要がある。そのため合計の処理時間が長くなり、時間当たりの生産効率が高いとは言えない。このため、テルルを含有する金属含有塩酸酸性液からテルルを短時間の処理で収率良く回収する方法については未だ開発の余地がある。
本発明は、上記問題に鑑み、テルルを含有する金属含有塩酸酸性液からテルルを効率的に回収することが可能な金属含有塩酸酸性液の処理方法を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討を進めた結果、テルルを含有する金属含有塩酸酸性液にアセトン及び還元性硫黄を供給してテルルを沈殿させて固液分離することで、当該金属含有塩酸酸性液からテルルを効率的に回収することができることを見出した。
以上の知見を基礎として完成された本発明は一側面において、テルルを含有する金属含有塩酸酸性液に対して、アセトン及び還元性硫黄を供給してテルルを含む有価物を沈殿させて固液分離により回収することを特徴とする金属含有塩酸酸性液の処理方法である。
本発明の金属含有塩酸酸性液の処理方法は一実施形態において、前記アセトンは前記金属含有塩酸酸性液に対して0.3〜40mL/Lになるよう供給する。
本発明の金属含有塩酸酸性液の処理方法は別の一実施形態において、前記還元性硫黄として、二酸化硫黄、硫化水素、硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム、亜硫酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウムを用いる。
本発明の金属含有塩酸酸性液の処理方法は更に別の一実施形態において、前記アセトンは前記金属含有塩酸酸性液に対して、前記金属含有塩酸酸性液に含まれるテルルの物質量の0.8モル倍以上になるよう供給する。
本発明の金属含有塩酸酸性液の処理方法は更に別の一実施形態において、前記金属含有塩酸酸性液がさらに亜セレン酸を含有し、前記アセトン及び還元性硫黄の供給の前に、予め前記金属含有塩酸酸性液中のセレン濃度を3g/L以下に調整する。
本発明の金属含有塩酸酸性液の処理方法は更に別の一実施形態において、前記金属含有塩酸酸性液は非鉄金属を電解精製した時に発生するスライムを酸浸出した液から金、パラジウム及び白金を除いた液である。
本発明によれば、テルルを含有する金属含有塩酸酸性液からテルルを効率的に回収することが可能な金属含有塩酸酸性液の処理方法を提供することができる。
本発明のテルルを含有する金属含有塩酸酸性液の処理方法は、テルルを含有する金属含有塩酸酸性液に対して、アセトン及び還元性硫黄を供給してテルルを沈殿させて固液分離により回収する。
本発明の処理対象となる金属含有塩酸酸性液は、非鉄金属精錬で生じる電解スライムを塩化物浴で浸出して得られた浸出後液等を用いることができる。このような非鉄金属製錬、とりわけ銅製錬の電解精製工程で生じる電解スライムは、カルコゲン元素及び貴金属を多く含む。一例を示すと、金を10〜30kg/t、銀を100〜250kg/t、パラジウムを1〜3kg/t、白金を200〜500g/t、セレンを5〜15wt%程度含有する。また、希少金属としてイリジウムを100〜250g/t、ルテニウムを800〜3000g/t、テルルを15〜25kg/t、ロジウムを30〜100g/t含む。
上記電解スライムは、一般に塩酸と過酸化水素を添加して溶解するが、銀は溶解直後に塩化物イオンと不溶性の塩化銀沈殿を形成する。酸化剤と塩素を含む溶液、例えば王水や塩素水であれば銀以外の貴金属類は溶解し、銀を塩化銀として分離できる。このとき用いる処理浴は塩化物浴であるため、溶解液(浸出貴液:pregnant leached solution、以下PLSとも言う)には貴金属元素、希少金属元素、セレン、ロジウム、テルル、ルテニウムが分配する。
当該溶解液(PLS)は、必要であれば、以下の処理を行ってもよい。すなわち、当該溶解液(PLS)を一度冷却し、鉛やアンチモンといった卑金属類の塩化物を沈殿分離する。続いて、溶媒抽出により金を有機相に分離する。このとき用いる金の抽出剤としてはジブチルカルビトール(DBC)が挙げられる。金を抽出した後のPLSは金を5〜30mg/L、パラジウムを400〜800mg/L、白金を100〜150mg/L、セレンを60〜100g/L程度、さらにロジウム、テルル、ルテニウム等を含む。
このようにして得られた溶解液(PLS)を、本発明におけるテルルを含有する金属含有塩酸酸性液として用いることができる。例えば、本発明の金属含有塩酸酸性液は非鉄金属を電解精製した時に発生するスライムを酸浸出した液から金、パラジウム及び白金を除いた液であってもよい。
このような金を抽出した後のPLSを還元すれば有価物は沈殿させて回収できるが、元素により酸化還元電位が異なるために、自ずと沈殿の順序が決まっている。初めに貴金属類、次にセレン、テルルといったカルコゲン、及び、ルテニウムが沈殿する。
貴金属類を回収した後にセレンを還元回収する。還元剤は還元性硫黄が価格と効率の面から利用され、なかでも二酸化硫黄は転炉ガスや硫化鉱の焙焼により大量にしかも安価に供給できるため最適である。純度の高いセレンを回収する観点からセレンの回収は完全に行われず、セレン回収後液はセレンを2〜4g/L含む。セレン回収後液はその他に、例えば希少金属とテルルを200〜800mg/L含有する。
次に、セレン回収後の金属含有塩酸酸性液に対し、液中に残留する有価物を回収するが、従来法では80℃以上に加温して二酸化硫黄(還元性硫黄)を吹き込んでいる。これに対し、本発明においては金属含有塩酸酸性液にアセトン及び還元性硫黄を供給してテルルを沈殿させて固液分離により回収する。
アセトンは水溶性であり、ケト−エノール互変性により極一部がエノールとして存在する。エノールのπ電子がテルルに移動することで還元が生じると考えられる。同様の反応機構でセレンも還元される。金属含有塩酸酸性液が亜セレン酸を含有する場合、アセトン及び還元性硫黄の供給の前に、予め金属含有塩酸酸性液中のセレン濃度を3g/L以下に調整することが好ましい。このように予め金属含有塩酸酸性液中のセレン濃度を3g/L以下に調整しておくことで、沈殿回収するテルルの品位をより高めることができる。
アセトンは金属含有塩酸酸性液に対して0.3mL/L以上になるよう供給すると上述のアセトンの反応をより確実に行うことができるため好ましい。一方、コストの面、排水問題及び作業負担の問題からはアセトンは少ない方が好ましい。このように上限値を考慮すると、アセトンは金属含有塩酸酸性液に対して0.3〜40mL/Lになるよう供給するのが好ましい。
また、アセトンは金属含有塩酸酸性液に対して、金属含有塩酸酸性液に含まれるテルルの物質量の0.8モル倍以上になるよう供給するのが好ましい。当該物質量のアセトンを供給することで、上述のアセトンの反応をより確実に行うことができる。
亜テルル酸は4価であり、さらには同じく4価の亜セレン酸もアセトンで還元を受ける。このアセトンを還元のトリッガーとしてのみ作用させるためには還元性硫黄も供給する。還元性硫黄の供給量や供給速度は特に制限はない。
本発明で用いる還元性硫黄は、還元能を有する無機の硫黄化合物であり、二酸化硫黄、硫化水素、硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム、亜硫酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。いずれの化合物も条件を整えればテルルやセレンを0価まで還元することができる。
還元性硫黄として二酸化硫黄を併用する場合、アセトンの添加量は処理液1Lに対して0.3mL以上でよい。反応液の組成によって異なるがテルルに対してアセトンは0.8モル倍以上あれば沈殿の効果が高い。還元性硫黄の供給量は特に制限はないが、例えばセレンが1mg/L以下に達するまで、もしくはテルルが40mg/L以下になるまで供給することができる。
アセトン及び還元性硫黄を供給するとき、金属含有塩酸酸性液の温度は50℃以上に調整するのが好ましい。金属含有塩酸酸性液が50℃以上のとき、アセトンによる還元は効果が顕著であり、さらに還元性硫黄を供給すると同時にテルルのより良好な回収が可能となる。
析出した沈殿はフィルタープレス等により固液分離する。沈殿はセレン、テルルの他、貴金属類が含まれる。
以下に、本発明について、実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。
(実験例1)
銅製錬から回収された電解スライムを硫酸で処理することで電解スライムから銅を除いた。次に、濃塩酸と60%過酸化水素水を添加して溶解し、固液分離してPLSを得た。次に、PLSを6℃まで冷却して卑金属分を沈殿除去した後、DBC(ジブチルカルビトール)とPLSを混合して金を抽出した。
次に、金抽出後のPLSを70℃に加温し、銅製錬転炉排ガスを吹き込んで貴金属を還元し固液分離した。分離後の溶液を再度70〜75℃に加温し銅製錬転炉排ガスを吹き込んだ後、固液分離して粗セレンを分離回収した。表1にセレン分離後液の各主成分を示す。
銅製錬から回収された電解スライムを硫酸で処理することで電解スライムから銅を除いた。次に、濃塩酸と60%過酸化水素水を添加して溶解し、固液分離してPLSを得た。次に、PLSを6℃まで冷却して卑金属分を沈殿除去した後、DBC(ジブチルカルビトール)とPLSを混合して金を抽出した。
次に、金抽出後のPLSを70℃に加温し、銅製錬転炉排ガスを吹き込んで貴金属を還元し固液分離した。分離後の溶液を再度70〜75℃に加温し銅製錬転炉排ガスを吹き込んだ後、固液分離して粗セレンを分離回収した。表1にセレン分離後液の各主成分を示す。
続いてセレン分離後液を250mL分取して45〜50℃に加温し、実施例1としてアセトン5mLを添加し、比較例1及び3は無添加とし、比較例2として2−プロパノール5mLを添加した。続いて、二酸化硫黄と空気の混合ガス(二酸化硫黄濃度5〜20%)を0.1L/分で吹き込んだ。なお、比較例3は、二酸化硫黄と空気の混合ガスを吹き込む前に80〜85℃に加温した。比較例3は液の蒸発が激しかったため2.5時間経過した時に純水を80mL添加した。
次に、一定の時間毎に液を採取しスラリーを固液分離した。液は希塩酸で25倍希釈してICP−OES(セイコー社製SPS−3100)により各種成分濃度を測定した。測定はイットリウムを内部標準元素として行った。結果を表2に示す。表2において、経過時間が増えるにつれて濃度が増加するのは液蒸発の影響による。
次に、一定の時間毎に液を採取しスラリーを固液分離した。液は希塩酸で25倍希釈してICP−OES(セイコー社製SPS−3100)により各種成分濃度を測定した。測定はイットリウムを内部標準元素として行った。結果を表2に示す。表2において、経過時間が増えるにつれて濃度が増加するのは液蒸発の影響による。
上記実験結果によれば、アセトンを添加することによりテルルが迅速に還元を受けることがわかる。また、温度が45〜50℃でも十分に反応することがわかる。
また、アセトンと基本炭素骨格が類似している2−プロパノールでは明白な効果が見られないが、これはケトン基を持つアセトン特有の効果であることは明らかである。ケトン類では同様の効果があると推察されるが、水溶性でありかつ安価で大量生産されているアセトンが好適である。
(実験例2)
実施例1と同様の操作で表1に示す組成のセレン分離後液を調製した。
300mLを分取し各種温度域まで加温し、アセトンを1mL添加して撹拌した。別途同条件で二酸化硫黄と空気の混合ガス(二酸化硫黄濃度5〜20%)を0.1L/分で吹き込んだ還元も行った。
実験例1と同様の操作で液中の各種濃度を定量した。結果を表3に示す。表3において、経過時間が増えるにつれて濃度が増加するのは液蒸発の影響による。
実施例1と同様の操作で表1に示す組成のセレン分離後液を調製した。
300mLを分取し各種温度域まで加温し、アセトンを1mL添加して撹拌した。別途同条件で二酸化硫黄と空気の混合ガス(二酸化硫黄濃度5〜20%)を0.1L/分で吹き込んだ還元も行った。
実験例1と同様の操作で液中の各種濃度を定量した。結果を表3に示す。表3において、経過時間が増えるにつれて濃度が増加するのは液蒸発の影響による。
表3から明らかなようにアセトンの供給とともに、二酸化硫黄を吹き込むと、より迅速にテルルを回収することができる。さらにはセレンの回収も効果的であることがわかる。
アセトン添加後にテルルを還元する温度域は50℃以上で効果が高いことがわかる。セレンはいずれの温度域でも二酸化硫黄を併用すると回収することができた。
(実験例3)
実施例1と同様の操作で表1に示す組成のセレン分離後液を調製した。
300mLを分取して70〜75℃に加温し、アセトンを各量添加して撹拌した。次に、二酸化硫黄と空気の混合ガス(二酸化硫黄濃度5〜20%)を0.1L/分で吹き込んだ。実験例1と同様の操作で液中の各種濃度を定量した。結果を表4に示す。表4において、経過時間が増えるにつれて濃度が増加するのは液蒸発の影響による。
実施例1と同様の操作で表1に示す組成のセレン分離後液を調製した。
300mLを分取して70〜75℃に加温し、アセトンを各量添加して撹拌した。次に、二酸化硫黄と空気の混合ガス(二酸化硫黄濃度5〜20%)を0.1L/分で吹き込んだ。実験例1と同様の操作で液中の各種濃度を定量した。結果を表4に示す。表4において、経過時間が増えるにつれて濃度が増加するのは液蒸発の影響による。
アセトンを添加した場合1時間でテルルの濃度は急激に増加したことがわかる。アセトンの添加量は対象液1Lに対して0.3mL(4mmol)以上で効果が見られ、3.3mL(45mmol)で反応は極めて早くなった。テルルの濃度は690mg/L(5.4mM)であったので、テルルの合計物質量に対してアセトンを0.8モル倍以上添加するとより効果が高く、8モル倍以上添加するとさらにより効果が高い。
またアセトンの添加量が増えるとテルルが時間の経過に従って再溶解する現象も見られた。再溶解の理由も明白ではないが、亜硫酸とも反応するものと考えられる。また、類似した反応として例えば二酸化硫黄と単体硫黄からチオ硫酸が生成する反応が挙げられる。
(実験例4)
実施例1と同様の操作で表1に示す組成のセレン分離後液を調製した。
300mLを分取して70〜75℃に加温し、二酸化硫黄と空気の混合ガス(二酸化硫黄濃度5〜20%)を0.1L/分で吹き込んだ。アセトンを添加するタイミングとして反応開始時と30分後に添加した系の2水準で1mL添加して撹拌した。さらに反応開始時には10mLアセトンを添加して還元を行った。実験例1と同様の操作で液中の各種濃度を定量した。結果を表5に示す。
実施例1と同様の操作で表1に示す組成のセレン分離後液を調製した。
300mLを分取して70〜75℃に加温し、二酸化硫黄と空気の混合ガス(二酸化硫黄濃度5〜20%)を0.1L/分で吹き込んだ。アセトンを添加するタイミングとして反応開始時と30分後に添加した系の2水準で1mL添加して撹拌した。さらに反応開始時には10mLアセトンを添加して還元を行った。実験例1と同様の操作で液中の各種濃度を定量した。結果を表5に示す。
表5の結果からアセトンを添加するのはセレン濃度がある程度低下した後にするとセレンもテルルも還元できることがわかる。上述のようにセレンの還元にはアセトンは悪影響を及ぼすため、セレンも同時還元して回収する時には最初に所定の濃度まで還元してセレン濃度を低下させる。次にアセトンを添加して引き続き二酸化硫黄等で還元すればよい。
添加のタイミングにより最終的なテルル回収量が大きく減少することはない。回収量はアセトンの添加量が大きく影響する。アセトンの添加量が制限される場合は還元剤投入量を増やすか、反応時間を延長すればよい。
Claims (6)
- テルルを含有する金属含有塩酸酸性液に対して、アセトン及び還元性硫黄を供給してテルルを含む有価物を沈殿させて固液分離により回収することを特徴とする金属含有塩酸酸性液の処理方法。
- 前記アセトンは前記金属含有塩酸酸性液に対して0.3〜40mL/Lになるよう供給することを特徴とする請求項1に記載の金属含有塩酸酸性液の処理方法。
- 前記還元性硫黄として、二酸化硫黄、硫化水素、硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム、亜硫酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウムを用いた請求項1または2に記載の金属含有塩酸酸性液の処理方法。
- 前記アセトンは前記金属含有塩酸酸性液に対して、前記金属含有塩酸酸性液に含まれるテルルの物質量の0.8モル倍以上になるよう供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属含有塩酸酸性液の処理方法。
- 前記金属含有塩酸酸性液がさらに亜セレン酸を含有し、前記アセトン及び還元性硫黄の供給の前に、予め前記金属含有塩酸酸性液中のセレン濃度を3g/L以下に調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属含有塩酸酸性液の処理方法。
- 前記金属含有塩酸酸性液は非鉄金属を電解精製した時に発生するスライムを酸浸出した液から金、パラジウム及び白金を除いた液であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属含有塩酸酸性液の処理方法。
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JP2020063484A (ja) * | 2018-10-17 | 2020-04-23 | Jx金属株式会社 | セレンの製造方法 |
CN112609089A (zh) * | 2021-01-11 | 2021-04-06 | 大冶有色金属有限责任公司 | 一种从铂钯精矿中富集碲的方法 |
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