JP6768218B2 - テルルと白金族元素の分離方法 - Google Patents

テルルと白金族元素の分離方法 Download PDF

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Description

本発明は銅電解スライムの塩酸浸出などからテルルと白金族元素を効率よく分離する方法に関する。
銅製錬工程における銅電解工程では、副産物として銅電解スライムが生じる。この銅電解スライムには銅と共に微量の金、銀、白金族元素などの貴金属が含まれており、貴金属回収原料として利用されている。例えば、銅電解スライムは脱銅処理された後に塩化浸出処理などによって金、白金族元素、セレン、テルルなどを浸出させ、この浸出溶液から溶媒抽出によって金を取り出し、次いで、金抽出後液に亜硫酸ガスを吹き込み、セレンとテルルと白金族元素を還元滓にして回収し、該還元滓からセレンを蒸留して分離し、テルルと白金族元素を含む蒸留残を回収する方法が知られている。
また、金抽出後液から白金族元素を溶媒抽出によって分離する処理方法も知られており、例えば、金抽出後液に塩化トリオクチルメチルアンモニウムおよびリン酸トリブチルを接触させて白金族元素を抽出した後に、この抽出残液に亜硫酸ガスを吹き込んでセレンおよびテルルを還元して回収する方法が記載されている(特許文献1:特開2001−207223号公報)。この他に、白金族元素を含む溶液から白金族元素を回収する方法として、ジアルキルスルフィド(DAS)やトリブチル燐酸(TBP)を用いた溶媒抽出方法が知られている(特許文献2:特開2000−178664号公報)。
さらに、テルルと白金族元素を含む溶液からテルルを溶媒抽出する方法として、4価のテルルイオンと、5〜9mol/Lの塩化物イオンを含み、該塩化物イオンのうち3mol/L以上が塩酸の形態である水溶液に、抽出溶媒としてジブチルカルビトールを混合し、テルルを選択的に抽出し、テルルを抽出した有機相を5〜9mol/Lの塩酸で洗浄することによって白金族元素を洗い流し、次いで、テルルを逆抽出し、還元して金属テルルを回収する方法が知られている(特許文献3:特開2000−239753号)。
特開2001−207223号公報 特開2000−178664号公報 特開2000−239753号
特許文献3の方法は、ジブチルカルビトールを用いた溶媒抽出において、塩酸浸出溶液などに含まれているテルルの抽出率を高めるために、溶液の塩化物イオン濃度を5〜9mol/L(塩酸濃度3mol/L以上)にしている。具体的には、特許文献3の表2には、原液1(塩素濃度4g/l、塩酸濃度2.9g/l)について有機相のテルル濃度は0.01g/lであるのに対して、原液2(塩素濃度7g/l、塩酸濃度6.6g/l)について有機相のテルル濃度は5.8g/lであり、塩化物イオン濃度および塩酸濃度によってテルルの抽出率が大幅に相違することが示されている。
しかし、特許文献3の方法は、テルルの抽出工程および有機相の洗浄工程における溶液の塩化物イオン濃度ないし塩酸濃度が高いために有機相と水相の分離性(分相性と云う)が劣るのでテルルの抽出率が低くなり、また水相の白金族元素の一部が有機相に移行するため、水相に含まれる白金族元素のロスが増えると云う問題がある。
本発明はテルルの溶媒抽出における上記問題を解決したものであり、テルルの抽出工程および有機相の塩酸洗浄工程において、有機相と水相が分相性の良い範囲に塩化物イオン濃度ないし塩酸濃度を設定してテルルの高い抽出率を維持し、また水相に含まれる白金族元素のロスを少なくして、テルルと白金族元素を効率よく分離する方法を提供する。
本発明は以下の処理方法に関する。
〔1〕下記工程(イ)〜(ホ)を有することを特徴とするテルルと白金族元素の分離方法。
(イ) テルルおよび白金族元素を含有する水溶液(処理溶液と云う)の塩化物イオン濃度を3mol/L以上〜5mol/L未満に調整する工程、
(ロ) 塩化物イオン濃度を調整した処理溶液を有機溶媒のジブチルカルビトール液に混合して該処理溶液中のテルルを有機溶媒の有機相に抽出する工程、
(ハ) テルルを含む有機相と、白金族元素が残留した水相とを分離して取り出し、該有機相を濃度4mol/L以上〜5mol/L未満の塩酸を用いて洗浄し、該有機相中の白金族元素を塩酸に移行させ、この洗浄後液の塩酸を前記テルル抽出工程から分離した水相に混合する塩酸洗浄工程、
(ニ) 塩酸洗浄した有機相を水または濃度2mol/L以下の塩酸に混合して該塩酸にテルルを逆抽出する工程
(ホ) テルルを逆抽出した水相を有機相から分離して取り出す工程。
〔2〕テルルおよび白金族元素を含有する処理溶液が銅電解スライムの塩酸浸出液である上記〔1〕に記載する分離方法。
〔3〕テルル抽出工程から分離した水相に塩酸洗浄工程の洗浄後液を混合して白金族元素の回収に用いる上記〔1〕または上記〔2〕に記載する分離方法。
〔具体的な方法〕
本発明の処理方法は、下記工程(イ)〜(ホ)を有することを特徴とするテルルと白金族元素の分離方法である。
(イ) テルルおよび白金族元素を含有する水溶液(処理溶液)の塩化物イオン濃度を3mol/L以上〜5mol/L未満に調整する工程、
(ロ) 塩化物イオン濃度を調整した処理溶液を有機溶媒のジブチルカルビトール液に混合して該処理溶液中のテルルを有機溶媒の有機相に抽出する工程、
(ハ) テルルを含む有機相と、白金族元素が残留した水相とを分離して取り出し、該有機相を濃度4mol/L以上〜5mol/L未満の塩酸を用いて洗浄し、該有機相中の白金族元素を塩酸に移行させ、この洗浄後液の塩酸を前記テルル抽出工程から分離した水相に混合する塩酸洗浄工程、
(ニ) 塩酸洗浄した有機相を水または濃度2mol/L以下の塩酸に混合して該塩酸にテルルを逆抽出する工程
(ホ) テルルを逆抽出した水相を有機相から分離して取り出す工程。
本発明の処理方法の概略を図1に示す。図中、有機相Iはテルルを抽出した後の塩酸洗浄前の有機相、有機相IIは塩酸洗浄工程の有機相、有機相IIIは逆抽出工程の有機相、有機相IVは逆抽出後の有機相である。
本発明の処理方法において、テルルおよび白金族元素を含有する溶液としては、銅電解スライムの塩酸浸出液などを用いることができる。例えば、銅電解スライムの塩酸浸出液から溶媒抽出によって金を取り出し、次いで、金抽出後液に亜硫酸ガスを吹き込み、セレンとテルルと白金族元素を還元滓にし、該還元滓からセレンを蒸留分離した蒸留残の塩酸処理溶液などを用いることができる。
〔塩化物イオン濃度調整工程〕
テルルおよび白金族元素を含有する塩酸浸出液を処理溶液として用い、該処理溶液の塩化物イオン濃度を3mol/L以上〜5mol/L未満に調整する。テルルを抽出する有機溶媒としてジブチルカルビトール(DBC)を用いる場合、塩化物イオン濃度が3mol/L未満ではテルルが有機相に十分に抽出されない。一方、塩化物イオン濃度が5mol/L以上では有機相と水相の分相性が低下するので、水相に含まれる白金族元素の一部が有機相に取り込まれ、水相から回収する白金族元素のロスが増える。さらに塩化物イオン濃度が7mol/L以上になると有機相と水相の分相性がさらに低下し、水相を分離して回収するのが難しくなる(実施例1、表1、処理溶液E)。また、塩化物イオン濃度が高くなると装置の腐食が激しくなるため工業的に実用的でない。
銅電解スライムの塩酸浸出液などでは、塩化物イオンの約5割〜約9割は塩酸であり、塩化物イオン濃度が上記範囲より低いときには塩酸を添加し、塩化物イオン濃度が上記範囲より高いときには液を希釈して塩化物イオン濃度を上記範囲に調整すれば良い。
〔テルル抽出工程〕
塩化物イオン濃度を調整した塩酸浸出液などを処理溶液として用い、有機溶媒を混合してテルルを有機相に抽出する。有機溶媒はジブチルカルビトール液(DBC)を用いると良い。有機溶媒(O)と処理溶液(水相:A)は、例えば、O/A=1:1の液量で混合し、10分間振とうした後に30分間静置して、有機相と水相の二相に分離させればよい。処理溶液のテルルは有機相に抽出される。一方、塩化物イオン濃度が上記範囲では白金族元素の大部分は有機相に抽出されずに水相に残留する。この有機相と水相を分離して取り出す。
〔塩酸洗浄工程〕
テルルを抽出した有機相には白金族元素の一部が含まれているので、塩酸を用いて有機相を洗浄し、有機相中の白金族元素を塩酸に移行させる。洗浄後液の塩酸には白金族元素が含まれているので、この洗浄後液をテルル抽出工程から分離した水相に混合し、この混合液から白金族元素を回収する。
有機相の洗浄に用いる塩酸の濃度は4mol/L以上〜5mol/L未満が好ましい。塩酸濃度が5mol/L以上では有機相と水相の分相性が低下するので、有機相の白金族元素を水相に十分に移行さるのが難い。また、塩酸濃度が4mol/L未満では有機相のテルルが塩酸に逆抽出される割合が多くなるので好ましくない。有機相の塩酸洗浄は、例えば、O/A=0.4の液量で混合し、10分間振とうした後に30分静置して水相を分離する。この操作を数回繰り返せばよい。
〔逆抽出工程〕
塩酸洗浄した有機相を、水または濃度2mol/L以下の希塩酸に混合して水相にテルルを逆抽出する。塩酸濃度が2mol/Lより高いとテルルが十分に逆抽出されない。逆抽出したテルルを含む水相からテルルを回収する。この逆抽出は、例えば、O/A=0.4の液量で混合し、10分間振とうした後に30分静置して水相を分離する。この操作を数回繰り返せばよい。
〔テルルの回収工程〕
例えば、テルルを含む水相に亜硫酸ガスを通じるとテルル含有沈澱が生じるので、該沈澱を再溶解,不純物分離の後再度還元すると金属テルルを得ることができる。
または、テルルを含む水相に苛性ソーダを添加して中和すると二酸化テルルの沈澱を生じるので、この二酸化テルルを回収して還元処理すれば金属テルルを得ることができる。
〔白金族元素の回収工程〕
塩酸洗浄工程の洗浄後液をテルル抽出工程から分離した水相に混合し、この混合液から白金族元素を回収する。具体的には、テルル抽出工程から分離した水相の塩化物イオン濃度は3mol/L以上〜5mol/L未満であり、塩酸洗浄後液の塩酸濃度は4mol/L以上〜5mol/L未満であるので、上記混合液に含まれている白金族元素の大部分は塩化物錯体を形成している。この混合液に塩化アンモニウム溶液を添加すると、白金が塩化白金酸アンモニウムを形成して選択的に沈澱するので、この沈殿を濾別して、800℃〜950℃に加熱して金属白金を回収することができる。
白金を沈澱分離した濾液に、アンモニア水を添加すると、ジクロロアミンパラジウムが沈澱するので、この沈澱を回収して加熱処理することによって金属パラジウムを得ることができる。パラジウムを分離した溶液に臭素酸ナトリウムなどの酸化剤を添加し60〜80℃で加熱すると,四酸化ルテニウムの気体が発生するので,これを塩酸に吸収させることでルテニウム酸ソーダの形で回収することができる。ルテニウムを回収した残液にはロジウムが含まれているが、この残液に亜硝酸ナトリウムを加えロジウムを亜硝酸化し、次いで塩化アンモニウムを加えることで硝酸ロジウム塩の形でロジウムを回収することができる。
テルルを逆抽出した後の有機相にヒドラジンなどを添加して還元処理することにより、該有機相に残留している金などの残留金属を沈澱化して回収することができる。
本発明の処理方法によればテルルと白金族元素の分離効果を高めることができる。具体的には、例えば、パラジウム、ルテニウム、ロジウムは100%移行率、白金は99.7%の移行率で白金族元素回収ができ、一方テルルは70%以上の移行率でテルル回収ができる。テルルと白金族元素が良く分離されている。
本発明の処理方法は、テルル抽出工程において、処理溶液の塩化物イオン濃度は3mol/L以上〜5mol/L未満であり、塩酸洗浄工程における塩酸濃度は4mol/L以上〜5mol/L未満であるので、従来の処理方法よりも塩酸濃度が低く、有機相と水相の分相性が良く、有機相に取り込まれる白金族元素のロスが少なくなる。
逆抽出に用いる塩酸の濃度は2mol/L以下であるので、テルル回収後の排液処理において環境負荷を低減することができる。また、本発明の処理方法は各処理工程を室温程度で行うことができるのでエネルギーコストを低減することができる。
本発明の処理工程の概略を示す工程図。
以下、本発明の実施形態を示す。テルルおよび白金族元素の濃度はICP−AESによって測定した。
〔実施例1〕テルルの抽出
元液の銅電解スライム溶液に濃塩酸を加えて表1に示す塩化物イオン濃度にし、液温を60〜70℃に保ちながら過酸化水素水を滴下して塩酸酸化浸出を行って処理溶液A〜Eを得た。元液のテルルおよび白金族元素の含有量を表1に示す。処理溶液A〜Eの塩化物イオン濃度を表1に示す。
この処理溶液A〜Eを、ジブチルカルビトール(DBC)と、O/A=1:1の液量で混合し、10分間振とうした後に30分間静置して二層に分離させ、有機相と水相を得た。この結果を表1に示す。抽出率は次式〔1〕に従って算出した。
抽出率%=有機相中の物量/処理溶液中の物量×100・・・〔1〕
表1に示すように、塩化物イオン濃度が本発明の範囲である処理溶液A〜Cはテルルの有機相への抽出率が高いが、塩化物イオン濃度が2.0mol/Lの処理溶液Dはテルルの抽出率が低く、一方、塩化物イオン濃度が7.0mol/Lの処理溶液Eの場合は有機相と水相が分離し難い。なお、処理溶液Eの有機相の数値は水相が混在しない部分の測定値である。
Figure 0006768218
〔実施例2〕塩酸洗浄
表1の処理溶液Bのテルル抽出した有機相について、表2に示す濃度の塩酸を、O/A=0.4の液量で混合し、10分間振とうした後に30分静置して水相を分離した。この操作を4回繰り返し計5回の塩酸洗浄を行い、各洗浄後の水相を合わせて洗浄後液B1〜B4を得た。この洗浄後液B1〜B4に含まれるテルルと白金族元素の濃度を定量し、洗浄率を算出した。洗浄率は次式〔2〕によって算出した。この結果を表2に示す。
洗浄率%=洗浄後液中の物量/洗浄前の有機相中の物量×100・・・〔2〕
表2に示すように、塩酸濃度が4mol/L以上〜5mol/L未満の塩酸を用いた洗浄では、有機相に混入した白金族元素の大部分は洗浄されて洗浄後液の塩酸に移行した。洗浄率は94%以上である。テルルの洗浄率は17%以下であり、テルルの溶出を抑えて白金族元素を選択的に洗浄されている(洗浄後液B1、B2)。一方、塩酸濃度が3mol/Lの塩酸を用いた洗浄では有機相から塩酸に移行するテルルの量が多くなり(洗浄後液B3)、塩酸濃度が7mol/Lの塩酸を用いた洗浄では有機相と水相の分離が難しく、水相を回収できなかった。(洗浄後液B4)。
Figure 0006768218
〔実施例3〕テルル逆抽出
表2に示す洗浄後液B1の塩酸洗浄を行った有機相について、表3に示す濃度の塩酸を用い、O/A=0.4の液量で混合し、10分間振とうした後に30分静置して水相を分離した。この操作をさらに4回繰り返し計5回の逆抽出を行い、逆抽出液O〜Rを得た。この逆抽出液O〜Rに含まれるテルルと白金族元素の量を定量し、次式〔3〕に基づいて逆抽出率を算出した。また、次式〔4〕に基づいて移行率を求めた。これらの結果を表3に示す。
表3に示すように、0〜2mol/L濃度の塩酸を用いた逆抽出液O〜Qは、テルルと白金族元素の全量が逆抽出された。一方、3mol/L濃度の塩酸を用いた逆抽出液Rの逆抽出率は55%であり、テルルの逆抽出が進み難い。
逆抽出率%=逆抽出液中の物量/逆抽出前の有機相II中の物量×100・・・〔3〕
移行率%=逆抽出液中の物量/元液(銅電解スライム溶液)中の物量×100・・・〔4〕
Figure 0006768218
本発明の処理方法によれば、表1に示すように、処理溶液に含まれるテルルの75.8%〜91%は有機相に抽出され、パラジウムは全量が有機相に抽出される。パラジウム以外の白金族元素の抽出率は数%である(処理溶液A〜C)。次に、この有機相に含まれる白金族元素は、表2に示すように、塩酸洗浄によって、パラジウム、ルテニウム、ロジウムの全量が洗浄され、白金は94%以上が有機相から洗浄分離される(洗浄後液B1、B2)。一方、テルルの洗浄率は14%〜17%であり、テルルの大部分は有機相に残る。
塩酸洗浄した有機相の逆抽出では、表3に示すように、本発明の処理方法によれば、有機相に含まれるテルルの74%が逆抽出される。一方、塩酸洗浄した有機相にはパラジウム、ルテニウム、ロジウムは全く含まれておらず、有機相中の白金も微量である。従って、逆抽出液にはパラジウム、ルテニウム、ロジウムは全く含まれておらず、逆抽出液中の白金も微量であり、逆抽出工程を経たときのテルルと白金族元素との分離効果が良い。さらに、本発明の処理方法では、有機相や逆抽出液にパラジウム、ルテニウム、ロジウムは全く含まれておらず、白金は微量であるので、白金族元素のロスが殆ど生じない(逆抽出液O〜Q)。

Claims (3)

  1. 下記工程(イ)〜(ホ)を有することを特徴とするテルルと白金族元素の分離方法。
    (イ) テルルおよび白金族元素を含有する水溶液(処理溶液と云う)の塩化物イオン濃度を3mol/L以上〜5mol/L未満に調整する工程、
    (ロ) 塩化物イオン濃度を調整した処理溶液を有機溶媒のジブチルカルビトール液に混合して該処理溶液中のテルルを有機溶媒の有機相に抽出する工程、
    (ハ) テルルを含む有機相と、白金族元素が残留した水相とを分離して取り出し、該有機相を濃度4mol/L以上〜5mol/L未満の塩酸を用いて洗浄し、該有機相中の白金族元素を塩酸に移行させ、この洗浄後液の塩酸を前記テルル抽出工程から分離した水相に混合する塩酸洗浄工程、
    (ニ) 塩酸洗浄した有機相を水または濃度2mol/L以下の塩酸に混合して該塩酸にテルルを逆抽出する工程
    (ホ)テルルを逆抽出した水相を有機相から分離して取り出す工程。
  2. テルルおよび白金族元素を含有する処理溶液が銅電解スライムの塩酸浸出液である請求項1に記載する分離方法。
  3. テルル抽出工程から分離した水相に塩酸洗浄工程の洗浄後液を混合して白金族元素の回収に用いる請求項1または請求項2に記載する分離方法。

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