JP2009203486A - ルテニウムを含むスクラップからルテニウムを回収する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ルテニウムを含むスクラップから、効率よくルテニウムを分離回収する方法を見出すことである。
【解決手段】ルテニウムを含むスクラップから、ルテニウムを回収する方法において、粉体状のスクラップに塩化ナトリウムをルテニウムの可溶性塩化反応に必要とする量の1〜7倍、炭素粉を必要とする量の0.5〜12倍を混合し、これを塩素ガス雰囲気中で700から850℃にて加熱し、可溶性のルテニウム塩を得る。これを水に溶解したものに酸化剤に臭素酸ナトリウムを用いてルテニウムを四酸化ルテニウムに変換して酸化蒸留し、塩酸溶液中にルテニウムを精製、回収する方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃棄物となったルテニウムを含むスクラップから簡易にルテニウムを回収する方法に関するものである。
ルテニウムは、ハードディスクの記録層の間に数原子のルテニウム層を挟むことで記録容量を増大する効果がある。ルテニウム層の形成はスパッタリング法が用いられる。ルテニウムをスパッタリング用のターゲットに加工する際に、切削屑や研磨屑が生じる。また、スパッタリング用のターゲットは通常全体の20〜40%しか使われず、原料の大半はスクラップとなる。
このため、貴金属であるルテニウムを有効に活用するためには、ルテニウムを回収して再利用する技術の確立が不可欠である。しかしルテニウムは融点が2250℃と高いことや、酸やアルカリで溶解しにくいことから、スクラップから分離することが困難である。また、スパッタリングのターゲット用途に用いるためには、分離したルテニウムを99.9mass%以上の品位にすることが必要であることが、多種の不純物を含むスクラップから回収することを困難にしている。
特許文献1:特許第3943564号公報(特願2004-251721)によれば、ルテニウムは通常の条件では、すべての鉱酸に対して非常に溶解し難い。従来ルテニウムを溶解する方法には、ルテニウムを溶解するためには、酸素または酸化剤の存在下にアルカリ融解し鉱酸で処理する方法、
Zn、Sn、Pb、Cuなどの金属と混合して融解した後、塩酸または硫酸により亜鉛等を溶解して活性微粉末を得て、この活性微粉末を王水により溶解する方法、
ルテニウムをNaRuClで表される可溶性塩に転換する方法などが知られている。
特許文献2:特開平2-205635号公報(特願平1-25530)においては、Ru又はその酸化物と基体金属酸化物を塩化物の錯塩形成剤と混合し、加熱しながら塩素ガスを流すことによりRu又はその酸化物を塩化物にし、前記塩化物の錯塩形成剤との反応によりRu錯塩とした後、溶解分離しRuを回収する方法が開示されている。
ルテニウムを精製する方法は、四酸化ルテニウム(RuO4)の揮発性を利用した酸化蒸留方法が知られている。非特許文献1: 日本原子力学会誌28巻 493ページから500ページ(非特許文献1)によると、白金族を含む残渣に酸化剤を加えたアルカリで溶解した液に、塩素ガスを通じて揮発した四酸化ルテニウムを回収する方法がある。しかし、塩素ガスを通じると水溶液に吸収した塩素が次亜塩素酸と塩酸に分解して液性が酸性になると酸化蒸留が進まなくなるので、収率を上げるためにアルカリを加えて蒸留を繰り返す必要がある。
特許文献3:特開2001-192744号公報(特願平11-375235)においては、水可溶性ルテニウム化合物をキレート形成有機化合物と反応してスラリーを形成後、固液分離して水溶性不純物を除去する方法がある。しかし、分離が不十分で高純度のルテニウムを得るためには精製工程を繰返す必要があること、ルテニウムの回収率が低いことから、効率的に精製ができない。
特許第3943564号公報(特願2004-251721) 特開平2-205635号公報(特願平1-25530) 特開2001-192744号公報(特願平11-375235) 日本原子力学会誌28巻(1986年) 493ページから500ページ
本発明の課題は、ルテニウムを含むスクラップから、効率よくルテニウムを回収する方法を見出すことである。
すなわち、本発明は、
(1)ルテニウムを含むスクラップに塩化ナトリウム及び炭素粉を添加し、塩素雰囲気中で塩化焙焼処理を行ってルテニウムを可溶性塩とし、次いで該処理物を水浸出して溶液とし、この溶液に酸化剤である臭素酸ナトリウムを加えてルテニウムを四酸化ルテニウムに変換して酸化蒸留し、四酸化ルテニウムを塩酸溶液中に導入してルテニウムの塩化物とすることを特徴とするルテニウムを含むスクラップからルテニウムを回収する方法。
(2)(1)に記載の方法に於いて、ルテニウムを含むスクラップ原料を、粒径が500μm以下に粉砕して、塩化ナトリウム及び炭素粉と混合することを特徴とするルテニウムを含むスクラップからルテニウムを回収する方法。
(3)(1)〜(2)の何れかに記載のの方法に於いて、塩化ナトリウムの添加量がルテニウムの可溶性塩化反応に必要とする量の1〜7倍であり、炭素粉の添加量がルテニウムに対し必要とする量の0.5〜12倍であることを特徴とするルテニウムを含むスクラップからルテニウムを回収する方法。
(4)(1)〜(3)の何れかに記載のの方法に於いて、塩化焙焼処理の加熱温度が700〜850℃で行うことを特徴とするルテニウムを含むスクラップからルテニウムを回収する方法。
上記発明により、
(1)ルテニウムを含むスクラップから、効率よくルテニウムを分離できる。
(2)ルテニウムを含むスクラップから、効率よく品位99.9mass%以上のルテニウムを回収ことができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の処理対象物は、ルテニウムを含むスクラップであって、粉体状のものである。ターゲットを製造する際に、機械加工で生じる切削屑や研磨屑のようなのものは、そのまま処理することができる。使用済みのスパッタリング用ターゲット等のような塊状物を含む場合は、予めクラッシャーやハンマーミル等を用いて粉砕しておく。ルテニウムが添加する塩化ナトリウムと効率的に反応するように、ルテニウムを含むスクラップの粒度が500μm以下になるように粉砕する。機械加工で生じる切削屑や研磨屑のような500μm以下の細かい粒子となっているものは、粉砕する必要がない。
またスクラップが水分を多く含むと塩素気流中で加熱する際に水蒸気を放出して、塩素分圧を一時的に低下させたり、酸化物を生成させたりする可能性があるので、予め十分に乾燥しておくことが望ましい。乾燥条件は特に限定されるものではないが、100〜120℃において、6〜15時間である。なお、水分が極めて少ない原料を用いる場合は、乾燥工程を省略できることはいうまでもない。
該処理物に塩化ナトリウムと炭素粉を添加して塩素気流中で加熱し、塩化焙焼処理を行うと、ルテニウムは可溶性塩となる。望ましい加熱温度は、700〜850℃であり、特に望ましくは750℃から830℃の範囲である。また、処理時間は特に限定されるものではないが、1〜10時間程度が望ましく、特に3〜6時間程度とすることが望ましい。
塩化焙焼処理でルテニウムを可溶性の塩であるNaRuClとする反応を以下に示す:
2Ru +6NaCl+3Cl→ 2NaRuCl
ここで、スクラップに含まれていた不純物の多くは、塩素ガスと反応して塩化物を生じる。塩化焙焼処理に用いる塩素ガス量は、特に規定されるものではないが、上記の反応式で示したルテニウムの反応当量に、炉内を塩素雰囲気に維持する量を加えた量が最低限必要であり、さらにスクラップ中の不純物が塩素ガスと反応することを考慮して、過剰に用いる。ルテニウムの塩化物は550℃以上の温度で解離して塩素を放出することがあるので、少なくとも550℃以上では塩素雰囲気を維持しなければならない。
ここで、スクラップに含まれていた不純物の多くは、塩素ガスと反応して塩化物を生じる。
塩化ナトリウムの添加量は、上記の反応式で示した反応当量の1〜7倍が望ましい。なお、塩化ナトリウムの添加量が増えると、炉に装入できる総量に対して被塩化揮発処理物の割合が少なくなり、処理効率が悪くなるため、特に望ましくは3〜5倍の範囲である。
スクラップにはターゲットを製造する際の切削加工、研磨加工およびスクラップの破砕処理によって、工具の摩耗等で鉄が、研磨剤のアルミナ粉(酸化アルミニウム粉)が混入することがある。鉄およびアルミナは当該処理温度では塩化ナトリウムと反応しないため、塩化ナトリウムの添加量に影響を与えることはない。
なお、塩化ナトリウムを添加しないで塩素気流中でルテニウムを処理すると、難溶性の無水塩化ルテニウムを生じる。
また、塩化焙焼処理でルテニウムの表面に酸化物層が形成されると上記の反応式で示した反応が進行しにくくなる。スクラップ中のルテニウムは、部分的に酸化物となっていることが多い。塩化焙焼処理時に炉内に混入する酸素や処理物に含まれていた水分によって酸化物層が形成されることがある。このため、炭素粉を混合して酸化層を還元することが必要である。
塩化焙焼処理で二酸化ルテニウムを還元する反応を以下に示す:
RuO+2C → Ru +2CO
炭素粉の添加量は、ルテニウムの酸化状態によってもことなるが、上記の反応式で示した反応当量の0.5〜12倍が望ましい。炭素粉は、ルテニウム表面の酸化層を還元して可溶性塩化反応を促進し、かつ昇温途中での酸化層形成を抑制するためのものであり、12倍を超える量を添加しても効果にほとんど変化が無い。
スクラップにはターゲットを製造する際の研磨加工で研磨剤のアルミナ粉が混入ことがある。酸化ルテニウムはアルミナよりも還元されやすいため、先に酸化ルテニウムの還元反応が完了する。未反応の炭素粉がアルミナと反応することはあるが、炭素粉の添加量に影響を与えることはない。
塩化焙焼処理物は水浸出し、ルテニウムの可溶性塩を溶解する。この時の条件としては特に限定されるものではないが、50〜90℃の温水を用いることが望ましい。ここでスクラップに含まれていた不純物の多くが塩化物となり水に溶解するが、一部の不純物は不溶性である。
過剰な塩化ナトリウム、未反応の炭素粉、不溶性の不純物、および未反応のルテニウム等を含む残渣をろ別して、不純物を含むルテニウムの浸出液が得られる。ろ過残渣は塩化焙焼処理工程に戻すことによりルテニウムの回収率を高めることができる。ここで、ろ過残渣に含まれる塩化ナトリウム、炭素粉は塩化焙焼処理前の添加物に使える。
不純物を含むルテニウムの浸出液は酸化蒸留法でルテニウムを分離して回収する。蒸留装置内で不純物を含むルテニウムの浸出液に酸化剤として臭素酸ナトリウムを加えてルテニウムを四酸化ルテニウムに変換する。四酸化ルテニウムは沸点が約130℃であるため70〜95℃に加熱すると容易に気化するので、ルテニウムの浸出液に空気を流して四酸化ルテニウムを塩酸溶液中に導入し、ルテニウムの塩化物にして回収する。
ルテニウムを含む塩酸溶液からは、以下のような公知の方法でルテニウムを汚染することなく回収することができる。
(1)ルテニウムを含む塩酸溶液に塩化アンモニウムを加えて加熱し、ヘキサクロロルテニウム酸アンモニウム((NH4)3RuCl6)の沈殿を得て、これを不活性ガス雰囲気中あるいは水素還元雰囲気中で焼成してルテニウム塩を分解してルテニウムとする。
(2)ルテニウムを含む塩酸溶液に、ギ酸、シュウ酸、ヒドラジン等の還元剤を加えて加熱して還元ルテニウムの沈殿を得る。還元ルテニウムは微粒子状で酸素を含有するため、水素還元雰囲気中で焼成してルテニウムとする。
(3)ルテニウムを含む塩酸溶液を加熱して濃縮し、析出した塩化ルテニウムをろ別し、水素雰囲気中で焼成してルテニウムとする。
(4)ルテニウムを含む塩酸溶液にチタン製の電極板を入れて、電着法でルテニウムを回収する。
(実施例1)
以下に本発明の実施例を説明する。ルテニウムターゲットを機械加工した際に発生した研削屑および研磨屑の混合スクラップ1.0kgに塩化ナトリウムを5.2kg、炭素粉240gを混合した。 表1に混合スクラップの組成と含有量を示す。ここでスクラップに含まれるルテニウム量に対して、添加した塩化ナトリウム量は当量の5.8倍、炭素量は当量の1.9倍である。
この混合物を石英ボートに装入し、炉心管が石英製である管状炉内で、塩素ガスを流しながら780℃に加熱して3時間保持する塩化焙焼処理を行なった。
該処理物を80℃に保った温水中で浸出し、真空ろ過器を用いてろ別した。不純物を含むルテニウムの浸出液33Lを得た。表2に浸出液の組成、含有量、浸出率を示す。
この浸出液33Lに酸化剤である臭素酸ナトリウムを3.8kg加えて、80℃で2時間の蒸留処理を行った。揮発した四酸化ルテニウムは6規定の塩酸溶液中に導入し、ルテニウムの塩酸溶液27Lを得た。表3にルテニウム塩酸溶液の組成、含有量、スクラップからの回収率を示す。塩酸溶液中でルテニウム以外の不純物成分は1mg/L未満であった。また塩酸溶液中にスクラップに含まれていたルテニウムの91%を回収できた。
ルテニウムを含む塩酸溶液を90℃で6時間加熱後、に塩化アンモニウムを150g/Lの割合で添加してさらに90℃で2時間加熱した。室温に冷却後、ろ別してヘキサクロロルテニウム酸アンモニウムを得た。これを5%水素−アルゴンガス中で焼成して、ルテニウムを470g回収した。スクラップに含まれていたルテニウムの91%を回収できた。
このルテニウム粉の品位は、金属成分をグロー放電質量分析法(GDMS法)で、塩素含有量を水蒸気蒸留イオンクロマト法で、酸素含有量をレコ社製酸素分析装置で測定した。表4に分析結果を示す。回収したルテニウムは不純物が少なく、99.9mass%以上の品位であった。



(実施例2)
実施例2は、成型したルテニウムターゲットの塊状の端材スクラップを原料にした。塊状の端材スクラップをクラッシャーで破砕し、さらにハンマーミルで粉砕して粉体状にして、目開き500μmの篩を通過した粉体試料を得た。表5に篩を通過した粉体試料の組成と含有量を示す。この粉体試料1.0kgに塩化ナトリウムを4.8kg、炭素粉220gを混合した。ここでスクラップに含まれるルテニウム量に対して、添加した塩化ナトリウム量は当量の3.0倍、炭素量は当量の1.0倍である。
この混合物を石英ボートに装入し、実施例1と同様の方法で塩化焙焼処理、水浸出、ろ別を行なうことで、該処理物から不純物を含むルテニウムの浸出液35Lを得た。表6に浸出液の組成、含有量、浸出率を示す。


この浸出液35Lに酸化剤である臭素酸ナトリウムを3.5kg加えて、実施例1と同様の方法で、ルテニウムの塩酸溶液29Lを得た。表7にルテニウム塩酸溶液の組成、含有量、スクラップからの回収率を示す。塩酸溶液中でルテニウム以外の不純物成分は1mg/L以下であった。また塩酸溶液中にスクラップに含まれていたルテニウムの96%を回収できた。
このルテニウムを含む塩酸溶液を実施例1と同様の方法にて、ルテニウムを868g回収した。スクラップに含まれていたルテニウムの95%を回収できた。
表8にこのルテニウム粉の分析結果を示す。回収したルテニウムは不純物が少なく、99.9mass%以上の品位であった。
(比較例1)
以下に本発明の比較例を説明する。比較例1は表1に示した研削屑および研磨屑の混合スクラップ1.0kgに添加する塩化ナトリウムの量を0.8kgしたこと以外は、実施例1と同様の方法で塩化焙焼処理を行なった。ここでスクラップに含まれるルテニウム量に対して、添加した塩化ナトリウム量は当量の0.9倍である。
該処理物を80℃に保った温水中で浸出し、真空ろ過器を用いてろ別した。不純物を含むルテニウムの浸出液30Lを得た。表9に浸出液の組成、含有量、浸出率を示す。浸出液に回収できたルテニウム量は、スクラップに含まれていたルテニウム量の59%と少なく、ルテニウムを十分に回収できていない。これは、塩化ナトリウムの量が不足していたため、可溶性のルテニウムのナトリウム塩にできていないものがあるためである。


(比較例2)
比較例2は表1に示した研削屑および研磨屑の混合スクラップ1.0kgに実施例1と同じ量の塩化ナトリウムと炭素粉を混合した。この混合物を石英ボートに装入し、炉心管が石英製である管状炉内で、塩素ガスを流しながら3時間保持する温度を650℃にて行なったこと以外は、実施例1と同様の方法で塩化焙焼処理を行なった。
該処理物を80℃に保った温水中で浸出し、真空ろ過器を用いてろ別した。不純物を含むルテニウムの浸出液34Lを得た。表10に浸出液の組成、含有量、浸出率を示す。浸出液に回収できたルテニウム量は、スクラップに含まれていたルテニウム量の52%と少なく、ルテニウムを十分に回収できていない。これは、塩化焙焼処理の温度が低いたため、ルテニウムと塩化ナトリウムが十分に反応していなく、可溶性のルテニウムのナトリウム塩にできていないためである。
(比較例3)
比較例3は成型したルテニウムターゲットの塊状の端材スクラップをクラッシャーで破砕しただけで、ハンマーミル等による粉砕および篩別を行わなかった。表11に破砕したルテニウムを含む塊状の端材スクラップの組成と含有量を示す。この破砕物を目開き500μmの篩で篩別を試みたところ、篩を通過したものは約40%であった。
篩別を行なっていない破砕物1.0kgに塩化ナトリウムを4.9kg、炭素粉220gを混合した。ここでスクラップに含まれるルテニウム量に対して、添加した塩化ナトリウム量は当量の3.0倍、炭素量は当量の1.0倍である。
この混合物を石英ボートに装入し、実施例1と同様の方法で塩化焙焼処理、水浸出、ろ別を行なうことで、該処理物から不純物を含むルテニウムの浸出液32Lを得た。表12に浸出液の組成、含有量、浸出率を示す。
浸出液に回収できたルテニウム量は、スクラップに含まれていたルテニウム量の65%と少なく、ルテニウムを十分に回収できていない。これは、塩化焙焼処理に用いたスクラップの粒子が大きかったため、ルテニウムと塩化ナトリウムが十分に反応していなく、可溶性のルテニウムのナトリウム塩にできていないためである。
本発明の一態様であるの処理フローシートである。

Claims (4)

  1. ルテニウムを含むスクラップに塩化ナトリウム及び炭素粉を添加し、塩素雰囲気中で塩化焙焼処理を行ってルテニウムを可溶性塩とし、
    次いで該処理物を水浸出して溶液とし、この溶液に酸化剤である臭素酸ナトリウムを加えてルテニウムを四酸化ルテニウムに変換して酸化蒸留し、
    四酸化ルテニウムを塩酸溶液中に導入してルテニウムの塩化物とすることを特徴とするルテニウムを含むスクラップからルテニウムを回収する方法。
  2. 請求項1に記載の方法に於いて、ルテニウムを含むスクラップ原料を、粒径が500μm以下に粉砕して、塩化ナトリウム及び炭素粉と混合することを特徴とするルテニウムを含むスクラップからルテニウムを回収する方法。
  3. 請求項1〜2の何れかに記載の方法に於いて、塩化ナトリウムの添加量がルテニウムの可溶性塩化反応に必要とする量の1〜7倍であり、炭素粉の添加量がルテニウムに対し必要とする量の0.5〜12倍であることを特徴とするルテニウムを含むスクラップからルテニウムを回収する方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の方法に於いて、塩化焙焼処理の加熱温度が700〜850℃で行うことを特徴とするルテニウムを含むスクラップからルテニウムを回収する方法。









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