JP2007154250A - Ru及び又はRhの塩化処理方法 - Google Patents

Ru及び又はRhの塩化処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Ru及び又はRhを含む白金族金属を含む原料から、効率よく白金族金属を浸出・回収する。
【解決手段】少なくともRu及び又はRhを含む白金族金属(Pt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os)を含む原料(以下白金族含有物と称す。)に、平均粒径が100μm以下の塩化ナトリウム粉を混合し、塩素雰囲気中で塩化焙焼処理を行い、白金族金属を可溶性塩とし、次いで該処理物を水浸出し、Ru、Rh、Irの一種以上を浸出・回収するRu及び又はRhの塩化処理方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、少なくともRu及び又はRhを含む白金族金属(Pt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os)を含む原料(以下白金族含有物と称す。)、例えば銅電解スライムから得られるSe蒸留塔の釜残を乾固した残渣(乾固蒸留器で残留セレンを蒸留分離した後、Se、Te、白金族金属を含む乾固残渣が得られた物(以下 Se蒸留塔乾固残渣と記す。))、Teを還元した残渣を苛性ソーダでTeを浸出して濾別した残渣(以下 Te還元滓アルカリ浸出残渣)、自動車排ガス触媒および電気抵抗器用材料などから効率良くRu及び又はRhを浸出、回収する方法に関するものである。
白金族金属は通常の条件ではすべての鉱酸に対して非常に溶解し難い。このため本発明者らは特願2004−251721号(特許文献1)において、SeおよびTeを含む白金族含有物を塩素雰囲気中で塩化揮発処理を行いSe、Teを除去し、該処理物に塩化物塩を添加し塩素雰囲気中で塩化焙焼処理を行い、さらにSe、Teを除去し、白金族金属を可溶性塩とし、次いで該処理物を水浸出し、白金族金属を浸出・回収する方法を開示した。
塩化揮発処理ではSe、Teを除去することが主目的であるが、白金族金属の一部が塩素と反応してMCl(Mは白金族元素、nは2〜4)に転換するが、PtCl2、RuCl3などは水に難溶性である。このため、塩化揮発処理物に塩化物塩を添加して塩素雰囲気中で塩化焙焼処理を行って水に可溶な塩に転換する。例えば塩化物塩に塩化ナトリウムを用いた場合は、Na6-nMCl
6が生成する。塩化揮発処理物に塩化ナトリウムを混合して塩素雰囲気中で塩化焙焼処理を行う反応は、次式で示される。
2M +
(12-2n)NaCl + n Cl2 → 2Na6-nMCl 6

MCln
+ (6-n)NaCl → Na6-nMCl 6
特開2004−251721
ここで塩化ナトリウム の融点である801℃未満の温度で塩化焙焼処理を行う場合、白金族元素、MClnおよび塩化ナトリウムがいずれも固体であるため、白金族元素、MCln
と塩化ナトリウム との反応は固相−固相反応となる。このため、粒子同士が接触した部分だけが反応して、粒子同士が接触していない部分に未反応物が残りやすい問題があった。
また塩化ナトリウム の融点である801℃以上の温度で塩化焙焼処理を行うと、塩化ナトリウムが融解して白金族元素、MClnの表面を覆うようになる。白金族元素を可溶性のNa6-nMCl
6にする反応には、塩素ガスが必要であるが、融解した塩化ナトリウムが表面を覆ってガスの通りを悪くするため反応が進みにくくなり、未反応物が残りやすい。さらに溶解した塩化ナトリウムが塩素ガスを遮断すると内部の塩素分圧が低下して、生成したNa6-nMCl
6が分解しやすくなる問題がある。
本発明の課題は白金族金属を含む原料から、効率よくRu及び又はRhを浸出・回収する方法を見出すことである。
すなわち、本発明は、
(1)少なくともRu及び又はRhを含む白金族金属(Pt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os)を含む原料(以下白金族含有物と称す。)に、平均粒径が100μm以下の塩化ナトリウム粉を混合し、塩素雰囲気中で塩化焙焼処理を行い、白金族金属を可溶性塩とし、次いで該処理物を水浸出し、Ru、Rh、Irの一種以上を浸出・回収するRu及び又はRhの塩化処理方法。
(2)(1)記載の白金族含有物が500μm以下の粉末であるRu及び又はRhの塩化処理方法。
(3)上記(1)から(2)の何れかに記載の白金族含有物に、Se及び又はTeを含有する場合は、予め塩化揮発処理し、Se及び又はTeを除去しておくRu及び又はRhの塩化処理方法。
(4)上記(1)から(3)の何れかに記載の塩化焙焼処理において、520〜570℃で保持した後に、700〜800℃で保持するRu及び又はRhの塩化処理方法。
上記発明により、
(1)Ru及び又はRhを95%以上の高い回収率で浸出・回収することができる。
(2)塩化ナトリウムを100μ以下に粉化し、塩化焙焼の塩化剤として使用することで、95%以上という高い回収率においてRu及び又はRhを処理することが出来る。
(3)Se蒸留塔の乾固残渣あるいは、Te還元滓アルカリ浸出残渣からRu及び又はRhの回収が効率的にできる。
(4)自動車排ガス触媒あるいは電気抵抗器用材料からRu及び又はRhの回収が効率的にできる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の目的は少なくともRu及び又はRhを含む白金族金属を含む原料から、Ru及び又はRhを浸出・回収することである。
例えば、銅電解スライムを通常の方法で脱銅した後、塩化浸出しAuを溶媒抽出で回収した後、SeをSOで還元し溶液から濾別する。濾別したSeは純度を上げるため蒸留精製するが、Seの中に一部混ざっている白金族金属がSe蒸留塔乾固残渣(主にSe、Pt、Pd、Ru、Rh、Ir)として回収される。
あるいはSe還元した後、Teを同様に還元するが、この還元滓を苛性ソーダでTeを浸出して濾別した残渣は、未溶解のSe、Te、白金族金属を含むTe還元滓アルカリ浸出残渣(主にSe、Te、Ru、Rh)として回収される。
また近年、白金族金属を用いた自動車排ガス触媒(主にアルミナ、Pt、Rh、Pd)や電気抵抗器用材料(主にガラス、Ru、Pd)が広く使われるようになったが、白金族金属をリサイクルするために、回収、精製することが求められる。
本発明においては、前記Se蒸留塔乾固残渣またはTe還元滓アルカリ浸出残渣を出発原料とする場合、原料を塩素気流中で昇温、加熱し、塩化揮発処理を行うことで、蒸気圧の高いSe、Teの塩化物を除去し、Ru及び又はRhを濃縮しておくことが好ましい。自動車排ガス触媒(主にアルミナ、Pt、Rh、Pd)や電気抵抗器用材料(主にガラス、Ru、Pd)を出発原料とする場合は粉砕して浮選等の方法でRu及び又はRhを濃縮しておくことが好ましい。
ここで水分を含むと塩素気流中で加熱する際に水蒸気を放出して、塩素分圧を一時的に低下させたり、酸化物を生成させたりする可能性があるので、予め十分に乾燥しておくことが望ましい。乾燥条件は特に限定されるものではないが、100〜150℃において、6〜15時間である。なお、水分が極めて少ない原料を用いる場合は、乾燥工程を省略できることはいうまでもない。
このようにして得られた白金族含有物は粉砕して好ましくは篩別して粒径が500μm以下にしておく。これは白金族含有物の粒径が500μmを超えると粒子の内部まで反応しにくくなるためである。
粉砕はハンマーミル、ジョークラッシャー、ロールクラッシャーなどの方法によるが、特に限定されるものではない。
塩化ナトリウムは不純物が少ない精製塩を用いる。不純物を多く含む並塩を用いると、浸出時にマグネシウムなどの不純物が同時に溶解して白金族金属の精製に手間がかかるため好ましくない。また市販の塩化ナトリウムは水分を含んでいるので、十分に乾燥して使用することが望ましい。乾燥条件は特に限定されるものではないが、100〜150℃において、6〜15時間である。
市販の精製塩は粒径が200〜500μm程度である。このため、塩化ナトリウムを平均粒径が100μm以下になるように粉砕して、上記の白金族含有物と十分に混合する。粉砕はハンマーミル、ピンミル、ボールミルなどの方法によるが、特に限定されるものではない。平均粒径は、塩化ナトリウムを溶解しないエチルアルコール中に分散してレーザー回折法などで測定する。粉砕した塩化ナトリウムは吸湿して固まりやすいので、白金族含有物と混合する直前に粉砕すると良い。なお、白金族含有物と塩化ナトリウムを混合したものを粉砕しても同様の効果を得られるが、硬さの異なる物を粉砕すると軟らかいものがクッションとなり、粉砕効果を得にくいことがある。
塩化ナトリウムの添加量は、白金族金属の可溶性塩化反応に必要とする量の1〜7倍が望ましい。なお、塩化ナトリウムの添加量が増えると、炉に装入できる総量に対して被塩化揮発処理物の割合が少なくなり、処理効率が悪くなるため、特に望ましくは2〜5倍の範囲である。
原料および塩化処理雰囲気中に酸素を含むと、Ru、Rhは不溶性の酸化物が生成して、回収率が低くなることがある。このため、白金族含有物と塩化ナトリウムを混合する際に少量の炭素粉を添加しておくことで酸化物の生成を抑制することができる。
この方法で得られた混合物をボートに入れて、塩素雰囲気中で塩化焙焼処理を行う。ボートの材質は石英、アルミナ、黒鉛などが好ましい。塩化焙焼処理の時間は特に規定されるものではないが、520〜570℃で30分〜3時間保持した後に、700〜800℃で1〜10時間保持することで白金族金属が可溶性塩となる。降温時も生成物の分解を抑制するため、少なくとも550℃以下の温度となるまでは塩素雰囲気を保つことが望ましい。
520〜570℃で30分〜3時間保持することが好ましい理由は、この段階で白金族元素と塩素との反応で塩化物が生成するが、処理物内部への塩素ガスの供給と塩化物の生成反応との両方に適しているためである。表1に白金族含有物を石英るつぼに入れて、塩素気流中で3時間保持したときの反応性を調べた結果を示す。
この結果から、520℃未満の温度では塩化物を生成する反応が十分に進まない。一方、570℃を超えると当該処理物が収縮し、るつぼの底部に未反応物が生じていた。
この段階で処理物の内部まで必要量の塩素ガスが早く供給されることが必要であるが、570℃を超えると当該処理物が収縮して塩素ガスの通りが悪く、内部まで十分に塩素が供給されない。
700〜800℃で1〜10時間保持することが好ましい理由は、この段階で白金族元素の塩化物と塩化ナトリウムとの反応で可溶性のNa6-nMCl
6が生成するが、700℃未満の温度では、反応が十分に進まないためである。また、800℃を超えると融解した塩化ナトリウムが塩素ガスを遮断するため、内部の塩素分圧が低下して、生成したNa6-nMCl
6が分解して回収率が低下するためである。
Figure 2007154250
その後、該処理物を水または希塩酸に入れ、白金族金属の可溶性塩を浸出する。この時の条件としては特に限定されるものではないが、50〜90℃の温水または希塩酸が望ましい。希塩酸の濃度は、該処理物を水浸出する際に遊離する塩素により塩酸酸性になる場合もある。このため、必要に応じて、0.5〜1.5Nになるように調整することがより好ましい。
過剰な塩化ナトリウム、未反応の炭素粉、および未反応の白金族金属等は濾別して、白金族金属の水溶液が得られる。
(実施例1)
以下実施例を具体的に説明する。実施例1は図1に示すフローで実施した。すなわち、原料となるRuおよびRhを含むTe還元滓およびアルカリ浸出残渣8,235gを、100℃に設定した乾燥機内で12時間乾燥した。
その後、石英製ボートに装入し、炉心管が石英製である管状炉内で、昇温開始時から塩素ガスを流しながら200℃および440℃にてそれぞれ1時間保持し、さらに820℃に加熱して、塩素量をSe、Te、白金族金属の塩化反応に必要とする量の2倍量を流して5時間の塩化揮発処理を行なった。
なお、降温時500℃にて窒素ガスで置換した。SeおよびTeは除去され、Ruが48wt%に、Rhが12wt%に濃縮された。
塩化揮発残渣はボールミルにて20分間粉砕し、目開き500μmの篩で篩別したが、全量が篩を通過した。なお、原料のTe還元滓アルカリ浸出残渣は微粒子状であり、塩化揮発処理後に粒子が凝集するが、容易に解砕することができる。
市販の塩化ナトリウム(精製塩、平均粒径350μm)7,800gは、塩化揮発残渣と別にボールミルにて1時間粉砕した。粉砕後の平均粒径は、エチルアルコール中に分散してレーザー回折法で測定した結果、80μmであった。塩化ナトリウム量は該処理物に対して白金族金属の可溶性塩化反応に必要とする量の3倍量である。
次に、粉砕した塩化揮発残渣および塩化ナトリウムに、炭素粉を白金族金属の酸化の抑制に必要とする量の350g添加し、よく混合した。
これを石英製ボートに装入し、炉心管が石英製である管状炉内で、図3に示すように塩素ガスを流しながら300℃1時間保持して残留水分を除去した後、550℃にて2時間保持さらに780℃に加熱して5時間の塩化焙焼処理を行なった。
なお、降温時500℃にて窒素ガスで置換した。該処理物を光学顕微鏡で観察したところ、未反応の塩化ナトリウム粒子がほとんど観察されず、ほぼ全量が均一に反応していた。
その後、該処理物を80℃の温水30L中で1時間撹拌して、白金族金属の可溶性塩を浸出した。残渣をろ別し、白金族金属の浸出液29.5Lを得た。
表2に示すように、Te還元滓アルカリ浸出残渣に対する水浸出液中への回収率は、Ruが99%以上、Rhが98%と高い。この方法でRuおよびRhの白金族浸出液を効率的に得ることができた。
Figure 2007154250
(実施例2)
実施例2は、図2に示すフローで実施した。
すなわち、原料となるRuを含む電気抵抗器用材料スクラップは、目開き500μmの篩を全量が通過するまで乳鉢で粉砕した。これを100℃に設定した乾燥機内で12時間乾燥した。
塩化ナトリウムは、実施例1と同様の方法で粉砕したものを用いた。粉砕後の平均粒径は、エチルアルコール中に分散してレーザー回折法で測定した結果、80μmであった。塩化ナトリウム量は該処理物に対して白金族金属の可溶性塩化反応に必要とする量の3倍量である。
次に、粉砕した電気抵抗器用材料スクラップ35gおよび粉砕した塩化ナトリウム42gに、炭素粉を白金族金属の酸化の抑制に必要とする量の1.8g添加し、よく混合した。これを石英製るつぼに装入し、炉心管が石英製である管状炉内で、実施例1と同様に塩素ガスを流しながら300℃1時間保持して残留水分を除去した後、550℃にて2時間保持さらに780℃に加熱して4時間の塩化焙焼処理を行なった。
該処理物を80℃の温水中で白金族金属の可溶性塩を浸出した。残渣をろ別し、白金族金属の浸出液460mLを得た。
表3に示すように、電気抵抗器用材料スクラップに対する水浸出液中へのRuの回収率は98%と高い。この方法でRuの浸出液を効率的に得ることができた。





Figure 2007154250
(比較例1)
以下に比較例について説明する。比較例1はTe還元滓アルカリ浸出残渣8,000gを、温度パターンを200℃および440℃にてそれぞれ1時間保持し、さらに800℃に加熱して2時間保持したことに変更した以外は実施例1と同様の方法で塩化揮発処理を行ない、塩化揮発残渣3,170gを得た。SeおよびTeは除去され、Ruが50wt%に、Rhが13wt%に濃縮された。
塩化揮発残渣3,170gおよび実施例1で用いた市販の塩化ナトリウム6,600gは粉砕、篩別をしないで、そのまま炭素粉297gを添加して、よく混合した。これを石英製ボートに装入し、炉心管が石英製である管状炉内で、図2に示すように塩素ガスを流しながら300℃1時間保持して残留水分を除去した後、600℃にて2時間保持さらに780℃に加熱して5時間の塩化焙焼処理を行なった。なお、降温時500℃にて窒素ガスで置換した。
該処理物を光学顕微鏡で観察したところ、未反応の塩化ナトリウム粒子が観察され、反応に寄与していない塩化ナトリウム粒子が観察された。
その後、該処理物を80℃の温水27L中で1時間撹拌して、白金族金属の可溶性塩を浸出後、残渣をろ別し、白金族金属の浸出液26.7Lが得られた。表4に示すように、水浸出液中への回収率は、Ruが86%、Rhが90%であった。実施例1と比較して、水浸出液中へのRu、Rhの回収率が低く好ましくない。
水浸出残渣をX線回折測定で分析した結果、RuCl3およびRhCl3が多く検出された。塩化ナトリウムの平均粒径が350μmと大きいために、白金族金属と塩化ナトリウム粒子が十分に接触していなく、可溶性のナトリウム塩となる反応が進まなかった。












Figure 2007154250
(比較例2)
比較例2は、原料となるRuを含む電気抵抗器用材料スクラップ(平均粒径2mm)を、100℃に設定した乾燥機内で12時間乾燥した。乾燥した電気抵抗器用材料スクラップ31gを粉砕しないまま、実施例1と同様の方法で粉砕した塩化ナトリウム50g、および炭素粉を1.7g添加し、よく混合した。これを石英製るつぼに装入し、炉心管が石英製である管状炉内で、実施例2と同様に塩素ガスを流しながら300℃1時間保持して残留水分を除去した後、550℃にて2時間保持さらに780℃に加熱して4時間の塩化焙焼処理を行なった。
該処理物を80℃の温水中で白金族金属の可溶性塩を浸出した。残渣をろ別し、白金族金属の浸出液480mLを得た。表5に示すように、電気抵抗器用材料スクラップに対する水浸出液中へのRuの回収率は74%と低い。電気抵抗器用材料スクラップを粉砕しなかったため、粒子内のRuを効率的に浸出できなかった。
Figure 2007154250
(比較例3)
比較例3はTe還元滓アルカリ浸出残渣8,000gを、実施例1と同様の方法で塩化揮発処理を行ない、塩化揮発残渣2,954gを得た。SeおよびTeは除去され、Ruが49wt%に、Rhが13wt%に濃縮された。塩化揮発残渣はボールミルにて20分間粉砕し、目開き500μmの篩で篩別したが、全量が篩を通過した。
塩化揮発残渣は実施例1と同様の方法で粉砕した塩化ナトリウム6,600g、炭素粉350gを添加して、よく混合した。これを石英製ボートに装入し、炉心管が石英製である管状炉内で、塩素ガスを流しながら300℃1時間保持して残留水分を除去した後、500℃にて2時間保持さらに780℃に加熱して5時間の塩化焙焼処理を行なった。なお、降温時500℃にて窒素ガスで置換した。
その後、該処理物を80℃の温水中で1時間撹拌して、白金族金属の可溶性塩を浸出後、残渣をろ別し、白金族金属の浸出液22.5Lが得られた。表6に示すように、水浸出液中への回収率は、Ruが57%、Rhが81%であった。実施例1と比較して、水浸出液中へのRu、Rhの回収率が低く好ましくない。保持温度が500℃と低かったために、Ru、Rhの塩化反応が進まなかったことが原因である。










Figure 2007154250
(比較例4)
比較例4はTe還元滓アルカリ浸出残渣9,017gを、実施例1と同様の方法で塩化揮発処理を行ない、塩化揮発残渣3,922gを得た。SeおよびTeは除去され、Ruが49wt%に、Rhが8.8wt%に濃縮された。塩化揮発残渣はボールミルにて20分間粉砕し、目開き500μmの篩で篩別したが、全量が篩を通過した。
塩化揮発残渣は実施例1と同様の方法で粉砕した塩化ナトリウム6,600g、炭素粉350gを添加して、よく混合した。これを石英製ボートに装入し、炉心管が石英製である管状炉内で、塩素ガスを流しながら300℃1時間保持して残留水分を除去した後、600℃にて2時間保持さらに780℃に加熱して5時間の塩化焙焼処理を行なった。なお、降温時500℃にて窒素ガスで置換した。
その後、該処理物を80℃の温水中で1時間撹拌して、白金族金属の可溶性塩を浸出後、残渣をろ別し、白金族金属の浸出液31.0Lが得られた。表7に示すように、水浸出液中への回収率は、Ruが87%、Rhが90%であった。実施例1と比較して、水浸出液中へのRu、Rhの回収率が低く好ましくない。保持温度が600℃と高かったために、塩素ガスの通りが悪くなりRu、Rhの塩化反応時に未反応物が残ってしまったことが原因である。















Figure 2007154250
(比較例5)
比較例5はTe還元滓アルカリ浸出残渣8,000gを、実施例1と同様の方法で塩化揮発処理を行ない、塩化揮発残渣3,405gを得た。SeおよびTeは除去され、Ruが47wt%に、Rhが12wt%に濃縮された。塩化揮発残渣はボールミルにて20分間粉砕し、目開き500μmの篩で篩別したが、全量が篩を通過した。
塩化揮発残渣は実施例1と同様の方法で粉砕した塩化ナトリウム6,800g、炭素粉350gを添加して、よく混合した。これを石英製ボートに装入し、炉心管が石英製である管状炉内で、塩素ガスを流しながら300℃1時間保持して残留水分を除去した後、550℃にて2時間保持さらに680℃に加熱して5時間の塩化焙焼処理を行なった。なお、降温時500℃にて窒素ガスで置換した。
その後、該処理物を80℃の温水中で1時間撹拌して、白金族金属の可溶性塩を浸出後、残渣をろ別し、白金族金属の浸出液26.0Lが得られた。表8に示すように、水浸出液中への回収率は、Ruが42%、Rhが58%であった。実施例1と比較して、水浸出液中へのRu、Rhの回収率が低く好ましくない。塩化焙焼温度が680℃と低かったために、Ru、RhとNaClとの反応が進まず、可溶性の塩への転化が十分でなかったことが原因である。
















Figure 2007154250
(比較例6)
比較例5はTe還元滓アルカリ浸出残渣9,178gを、実施例1と同様の方法で塩化揮発処理を行ない、塩化揮発残渣4,082gを得た。SeおよびTeは除去され、Ruが42wt%に、Rhが15wt%に濃縮された。塩化揮発残渣はボールミルにて20分間粉砕し、目開き500μmの篩で篩別したが、全量が篩を通過した。
塩化揮発残渣は実施例1と同様の方法で粉砕した塩化ナトリウム6,200g、炭素粉350gを添加して、よく混合した。これを石英製ボートに装入し、炉心管が石英製である管状炉内で、塩素ガスを流しながら300℃1時間保持して残留水分を除去した後、550℃にて2時間保持さらに820℃に加熱して5時間の塩化焙焼処理を行なった。なお、降温時500℃にて窒素ガスで置換した。
その後、該処理物を80℃の温水中で1時間撹拌して、白金族金属の可溶性塩を浸出後、残渣をろ別し、白金族金属の浸出液25.0Lが得られた。表8に示すように、水浸出液中への回収率は、Ruが89%、Rhが94%であった。実施例1と比較して、水浸出液中へのRu、Rhの回収率が低く好ましくない。塩化焙焼温度が820℃と高かったために、NaClが熔融して塩素ガスを遮断し、内部の塩化物が分解したことが原因である。















Figure 2007154250
本発明の実施例1のフローシートである。 本発明の実施例2のフローシートである。 本発明の実施例1の塩化焙焼処理の温度パターンおよび通気したガスパターンの模式図である。

Claims (4)

  1. 少なくともRu及び又はRhを含む白金族金属(Pt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os)を含む原料(以下白金族含有物と称す。)に、平均粒径が100μm以下の塩化ナトリウム粉を混合し、塩素雰囲気中で塩化焙焼処理を行い、白金族金属を可溶性塩とし、次いで該処理物を水浸出し、Ru、Rh、Irの一種以上を浸出・回収することを特徴とするRu及び又はRhの塩化処理方法。
  2. 請求項1記載の白金族含有物が500μm以下の粉末であることを特徴とするRu及び又はRhの塩化処理方法。
  3. 請求項1から請求項2の何れかに記載の白金族含有物に、Se及び又はTeを含有する場合は、予め塩化揮発処理し、Se及び又はTeを除去しておくことを特徴とするRu及び又はRhの塩化処理方法。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載の塩化焙焼処理において、520〜570℃で保持した後に、700〜800℃で保持することを特徴とするRu及び又はRhの塩化処理方法。












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