JP5291968B2 - ルテニウムの回収方法 - Google Patents
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Description
近年の需要の高まりから、ルテニウムの価格が高騰している一方、市場へのルテニウムの産出元は南アフリカが9割以上を占めており、資源の偏在からも、ルテニウムのリサイクル技術の開発が求められている。
「ルテニウム含有物から金属ルテニウムを回収する方法であって、
(1)該ルテニウム含有物を、高温のアルカリ中に溶融させるアルカリ溶融工程と、
(2)冷却後、水を加えて浸出液とした後、固液分離によりルテニウムの水溶液とする湿式浸出工程と、
(3)該ルテニウム溶解液に、還元剤を添加し、水酸化ルテニウムを生成させる湿式還元工程と、
(4)該水酸化ルテニウムを、還元性雰囲気中で加熱することにより金属ルテニウムとする加熱還元工程と
を行うことを特徴とするルテニウムの回収方法。」
の構成になるルテニウムの回収方法を開発し、特願2007−226755号明細書(以下、先願という)に開示した。
この新しいルテニウムの回収方法により、ルテニウム含有物質から高い回収率の下でのルテニウムの回収が可能になった。
これは、アルカリ熔融によるルテニウムの精製でルテニウム溶解液を水酸化ルテニウム(Ru(OH)3)に還元する際、ルテニウム溶解液中に溶存する鉄、銅、ビスマス、マンガン、鉛といった不純物金属元素が水酸化ルテニウム(Ru(OH)3)と共沈するため、結果として製品中のルテニウムメタルに前記のような不純物金属元素が混入してしまうからである。
ルテニウムメタルの主な用途は、Ru(OH)3等の電子工業用材料であり、金属不純物の低減が求められている。特に鉛は、RoHS(特定有害物質の使用制限に関する欧州議会等の指令)で使用が制限されている物質であり、RoHSの規制値である0.1%以下とすることが必要である。また、ルテニウムメタルを原料として製品を製造する過程での濃縮の可能性を考慮して、鉛濃度は、RoHSの規制値である0.1%以下の1/2〜1/10である0.05〜0.01質量%以下に低減することが望まれる。
しかしながら、先願の方法では、例えば、鉛を10質量%以上含有するルテニウム原料からルテニウムを回収する場合には、回収されたルテニウムメタル中に鉛が0.1質量%を超えて残留することが判明し、その改善が望まれていた。
その結果、前掲先願の湿式還元工程、すなわちルテニウム溶解液中のルテニウムを水酸化ルテニウム(Ru(OH)3)に還元する初期段階において、ルテニウム溶解液中に存在するビスマスや鉛、さらには鉄、銅、マンガン等の金属不純物は、水酸化ルテニウム(Ru(OH)3)と共沈することが判明した。
従って、このようにして共沈した沈殿物を系外に排除することができれば、これらの不純物元素の濃度を大幅に低減することが可能となる。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
1.ルテニウム含有物から金属ルテニウムを回収する方法であって、
(1)該ルテニウム含有物を、アルカリとともに加熱し、アルカリ熔融液とするアルカリ熔融工程と、
(2)該アルカリ熔融液を冷却してアルカリ熔融塊とし、水を加えて浸出液とした後、固液分離によりルテニウム溶解液とする湿式浸出工程と、
(3)該ルテニウム溶解液中に、還元剤を、酸化還元電位が50〜120mVの範囲になるまで添加し、固液分離により不純物を除去する湿式部分還元工程と、
(4)該不純物を除去したルテニウム溶解液に、さらに還元剤を、酸化還元電位が30〜−300mVの範囲になるまで添加し、水酸化ルテニウムを生成させる湿式還元工程と、
(5)該水酸化ルテニウムを、還元性雰囲気中で加熱することにより金属ルテニウムとする加熱還元工程と
を行うことを特徴とするルテニウムの回収方法。
(3)該ルテニウム溶解液中に、還元剤を、酸化還元電位が50〜120mVの範囲になるまで添加し、固液分離により不純物を除去する湿式部分還元工程と、
(4)該不純物を除去したルテニウム溶解液に、さらに還元剤を、酸化還元電位が30〜−300mVの範囲になるまで添加し、水酸化ルテニウムを生成させる湿式還元工程と、
(5)該水酸化ルテニウムを、還元性雰囲気中で加熱することにより金属ルテニウムとする加熱還元工程と
を行うことを特徴とするルテニウムの回収方法。
ルテニウムは、一般的に使用される塩酸、硝酸、フッ酸、王水などの酸性液に不溶であるが、高温のアルカリ中には速やかに溶解する性質がある。この性質を利用すると、多くの元素を含むルテニウム含有物からルテニウムを抽出できる。抽出液中で、ルテニウムは、RuO4 2-の形態で存在する。このアルカリを使用する方法は、ルテニウム含有物を、塩素ガスで塩素化合物としてルテニウムを溶解する方法と比べて、より低コストで安全性の高い方法である。
なお、アルカリとして水酸化カリウムを用いたときの化学反応式は、次のとおりである。
2KOH + RuO2 + 1/2O2 = K2RuO4 + H2O
酸化剤としては、例えば、硝酸カリウムや過酸化ナトリウムが好適である。特に好ましいのは、酸化力が強い硝酸カリウムである。
アルカリ熔融したルテニウム融液は、冷却して固化させアルカリ熔融塊とした後、水を加えて浸出液とする。この際、溶解しなかった不純物は固液分離により除去してルテニウム溶解液を得る。固液分離する際は、例えば、ガラス製のフィルターを使用できる。これはアルカリに対する耐久性に優れるためである。
なお、固液分離は複数回行っても良く、また、ろ過助剤を使用してもよい。好適なろ過助剤としては、活性炭がある。
次に、得られたルテニウム溶解液に対して還元剤を添加してルテニウムを水酸化ルテニウム(Ru(OH)3)として沈殿させるにあたって、還元反応初期の不純物の多くが水酸化ルテニウム(Ru(OH)3)と共に沈殿(共沈)する段階を、一つの別工程としたことが、本発明において最も重要な点である。
すなわち、鉄、ビスマス、亜鉛、クロム、コバルト、鉛、銅、マンガン等の不純物が多く沈殿する酸化還元電位まで酸化剤を添加し、水酸化ルテニウム(Ru(OH)3)と共に沈殿(共沈)させ、その沈殿物(共沈物)を不純物として除去する工程が、この湿式部分還元工程である。
この点先願は、この工程と後述する4.の工程を分けていなかったため、水酸化ルテニウム中に不純物の多くが混入したものと考えられる。
還元剤の添加を停止する酸化還元電位が、銀/塩化銀電極に対して50mV未満では、水酸化ルテニウム(Ru(OH)3)の沈殿量が過剰となり、ルテニウムの回収率が低下する。一方、酸化還元電位が、銀/塩化銀電極に対して120mVを超えると、不純物の沈殿が不十分で、不純物を効果的に除去することができない。従って、酸化還元電位は、銀/塩化銀電極に対して50〜120mVの範囲とする。好ましくは、60〜120mVの範囲である。より好ましくは、65〜90mVの範囲である。これは、回収されるルテニウムの純度と回収率のバランスが良いためである。
ルテニウム溶解液に還元剤を添加する際は、ルテニウム溶解液を攪拌することが好ましい。
なお、水素化ホウ素ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合溶液を用いた場合におけるルテニウムの化学反応式は、次のとおりである。
8K2RuO4+3NaBH4 +14H2O → 8Ru(OH)3 + 3NaBO2 + 16KOH
次に、湿式部分還元工程を終了し、不純物を除去したルテニウム溶解液に、さらに還元剤を添加してルテニウムを水酸化ルテニウムとして沈殿させる。還元剤の添加量は、溶液の酸化還元電位によって制御する。還元剤の添加を停止する酸化還元電位が、銀/塩化銀電極に対して−300mV未満では、アルミニウムやシリコン等の不純物が沈殿し、水酸化ルテニウム(Ru(OH)3)の純度が低下する。また、ルテニウムの回収率が向上せず不経済である。一方、酸化還元電位が銀/塩化銀電極に対して30mVを超えると、水酸化ルテニウム(Ru(OH)3)が十分に沈殿せず、ルテニウムの回収率が低下することがある。従って、還元剤の添加を停止する酸化還元電位は、銀/塩化銀電極に対して30〜−300mVの範囲とする。好ましくは、0〜−250mVの範囲である。より好ましくは、0〜−60mVの範囲である。これは、ルテニウムの回収率が安定し、余剰の薬剤および処理時間を必要としないからである。ルテニウム溶解液に還元剤を添加する際は、ルテニウム溶解液を攪拌することが好ましい。
還元液を固液分離する際、ろ液のpHが中性になるまで純水を繰り返し添加してろ過することができる。これにより、残留する液中に含まれる成分によって回収ルテニウムの純度が低下することを抑制できる。
酸性溶液中で撹拌後、固液分離する際、ろ液のpHが中性になるまで純水をくりかえし添加してろ過する。これにより、残留する液中に含まれる成分によって回収ルテニウムの純度が低下することを抑制できる。
次に、湿式還元工程で得られた水酸化ルテニウムを還元雰囲気の炉内に装入し加熱して、金属ルテニウムへ還元させる。還元雰囲気とする際は、水素ガスと、ルテニウムと反応しない窒素ガスやアルゴンガスとを混合して、一定流量で炉内へ通気させる。この際、還元雰囲気は、400〜800℃の範囲であることが望ましい。より好適には、500〜700℃の範囲であることがよい。
なお、還元反応時の化学反応式は、次の通りである。
2Ru(OH)3 + 3H2 = 2Ru+ 6H2O
(1)投入原料(以下、試料という):蛍光X線装置(ポニー工業社製、ポータブル蛍光X線分析計 Model XT-260S)
(2)投入原料以外:誘導結合プラズマ発光分光分析装置(SII社製、SPS5100)
誘導結合プラズマ発光分光分析装置によるルテニウム濃度は、検出限界以上の濃度で検出された全元素の濃度の合計値を100質量%から差し引くことにより求めた。
試料としては、蛍光X線測定結果より、ルテニウム含有量が47質量%で、不純物として、鉄:17質量%、ビスマス:5質量%、亜鉛:10質量%、クロム:10質量%、コバルト:10質量%およびその他の元素の成分組成からなる固体試料を用いた。
実施例1と同一の試料を用いて、湿式部分還元工程を省略した以外は発明例1と同一の方法でルテニウムの回収を行った。この例は、先願に開示の技術に相当する。
酸洗浄工程で最終的に得られた固体の成分組成は、ルテニウム:99.87質量%、鉄:0.06質量%、ビスマスが0.05質量%およびその他の微量元素からなるものであった。
実施例1と比較例1とを対比すれば明らかなように、本発明によれば、先願の技術を用いた場合よりも、不純物金属元素であるビスマスを1/10以下まで、鉄を1/60以下まで低減することができた。
試料としては、蛍光X線測定結果より、ルテニウム含有量が82質量%で、不純物として鉛:15質量%およびその他元素の成分組成からなる固体試料を用いた。
湿式部分還元工程で得られた固体中には、ルテニウムの他、亜鉛が1質量%、鉛が9質量%含まれていた。
また、酸洗浄工程で最終的に得られた固体の成分組成は、ルテニウム:99.99質量%、鉛:0.01質量%以下およびその他の微量元素からなるものであった。
なお、ルテニウムの回収率は、80%であった。
実施例2と同一の試料を用いて、湿式部分還元工程を省略した以外は実施例2と同一の方法でルテニウムの回収を行った。この例は、先願に開示の技術に相当する。
酸洗浄工程で最終的に得られた固体の成分組成は、ルテニウム:99.68質量%、鉛:0.3質量%およびその他の微量元素からなるものであった。
実施例2と比較例2とを対比すれば明らかなように、本発明によれば、先願の技術を用いた場合よりも、不純物金属元素である鉛を1/30以下まで低減することができた。
試料としては、誘導結合プラズマ発光分光分析結果により、ルテニウム溶解液中のルテニウム濃度が0.19質量%で、ルテニウム以外にマンガンを高濃度にする含有する液体試料を用いた。この液体試料を、アルカリ熔融工程および湿式浸出工程を省略し、部分還元工程の終点の酸化還元電位を70mVとした以外は、実施例1と同じ方法で処理を行った。
湿式部分還元工程終了後、生成した固体とろ液を、ろ紙を用いて吸引ろ過して固液分離した。得られた固体中には、ルテニウムの他、マンガンが88質量%含まれていた。
湿式還元工程終了後、生成した固体とろ液を、ろ紙を用いて吸引ろ過して固液分離した。得られた固体を水洗・乾燥後、蛍光X線装置(ポニー工業社製、ポータブル蛍光X線分析計 Model XT-260S)で分析したところ、マンガンは検出されず、ルテニウムのみが検出された。
実施例3と同一の試料を用いて、湿式部分還元工程を省略した以外は実施例3と同一の方法でルテニウムの回収を行った。湿式還元工程の固液分離後に得られる固体中のマンガン含有量は80質量%以上であった。
実施例1と同一の試料を用いて、湿式部分還元工程での終点電位を60mVとした以外は、実施例1と同様の方法でルテニウムの回収を行った。
酸洗浄工程で最終的に得られた固体の成分組成は、ルテニウム:99.99質量%、鉄:0.001質量%以下、ビスマス:0.005質量%以下およびその他の微量元素からなるものであった。
実施例1と同一の試料を用いて、湿式部分還元工程での終点電位を100mVとした以外は、実施例1と同様の方法でルテニウムの回収を行った。
酸洗浄工程で最終的に得られた固体の成分組成は、ルテニウム:99.99質量%、鉄:0.001質量%以下、ビスマス:0.005質量%以下およびその他の微量元素からなるものであった。
実施例1と同一の試料を用いて、湿式部分還元工程での終点電位を140mVとした以外は、実施例1と同様の方法でルテニウムの回収を行った。
酸洗浄工程で最終的に得られた固体の成分組成は、ルテニウム:99.88質量%、ビスマス0.05質量%、鉄0.05質量%およびその他の微量元素からなるものであった。
実施例1と比較例4とを対比すれば明らかなように、湿式部分還元工程の終点電位が高すぎる場合には、湿式還元工程で不純物を十分沈殿させて固液分離によりルテニウム溶解液から除去することができず、結果として、酸洗浄工程で最終的に得られる固体中の不純物濃度を低減する効果は小さくなる。
実施例1と同一の試料を用いて、湿式部分還元工程での終点電位を40mVとした以外は、実施例1と同様の方法でルテニウムの回収を行った。
酸洗浄工程後で最終的に得られた固体の不純物およびルテニウム濃度は、実施例1と差がなかったが、ルテニウム回収率が35%であり、ルテニウム回収率の点で、実施例1と比較して大きく劣った。
実施例2と同一の試料を用いて、湿式部分還元工程での終点電位を50mV、湿式還元工程での終点電位を−60mVとした以外は、実施例2と同様の方法でルテニウムの回収を行った。
酸洗浄工程で最終的に得られた固体の成分組成は、ルテニウム:99.99質量%、鉛:0.01質量%以下およびその他の微量元素からなるものであった。
なお、ルテニウムの回収率は、50%であった。
実施例2と同一の試料を用いて、湿式部分還元工程での終点電位を120mVとした以外は、実施例2と同様の方法でルテニウムの回収を行った。
酸洗浄工程で最終的に得られた固体の成分組成は、ルテニウム:99.91質量%、鉛:0.06質量%以下およびその他の微量元素からなるものであった。
なお、ルテニウムの回収率は、90%であった。
実施例2と同一の試料を用いて、湿式還元工程での終点電位を20mVとした以外は、実施例2と同様の方法でルテニウムの回収を行った。
酸洗浄工程で最終的に得られた固体の成分組成は、ルテニウム:99.99質量%、鉛:0.01質量%以下およびその他の微量元素からなるものであった。
なお、ルテニウムの回収率は、50%であった。
実施例2と同一の試料を用いて、湿式還元工程での終点電位を−250mVとした以外は、実施例2と同様の方法でルテニウムの回収を行った。
酸洗浄工程で最終的に得られた固体の成分組成は、ルテニウム:99.97質量%、鉛:0.01質量%およびその他の微量元素からなるものであった。
なお、ルテニウムの回収率は、80%であった。
実施例2と同一の試料を用いて、湿式還元工程での終点電位を40mVとした以外は、実施例2と同様の方法でルテニウムの回収を行った。
酸洗浄工程後で最終的に得られた固体の不純物およびルテニウム濃度は、実施例2と差がなかったが、ルテニウム回収率が40%であり、ルテニウム回収率の点で、実施例2と比較して大きく劣った。
実施例2と同一の試料を用いて、湿式還元工程での終点電位を−350mVとした以外は、実施例2と同様の方法でルテニウムの回収を行った。
酸洗浄工程で最終的に得られた固体の成分組成は、ルテニウム:99.1質量%、鉛:0.02質量%、アルミニウム、珪素、およびその他の微量元素からなるものであった。
実施例2と比較例7を比較すると、湿式還元工程の終点電位か低いために、沈殿する水酸化ルテニウムに不純物が混入し、酸洗浄工程で最終的に得られた固体の不純物濃度が上昇する結果となったことがわかる。
Claims (13)
- ルテニウム含有物から金属ルテニウムを回収する方法であって、
(1)該ルテニウム含有物を、アルカリとともに加熱し、アルカリ熔融液とするアルカリ熔融工程と、
(2)該アルカリ熔融液を冷却してアルカリ熔融塊とし、水を加えて浸出液とした後、固液分離によりルテニウム溶解液とする湿式浸出工程と、
(3)該ルテニウム溶解液中に、還元剤を、酸化還元電位が50〜120mVの範囲になるまで添加し、固液分離により不純物を除去する湿式部分還元工程と、
(4)該不純物を除去したルテニウム溶解液に、さらに還元剤を、酸化還元電位が30〜−300mVの範囲になるまで添加し、水酸化ルテニウムを生成させる湿式還元工程と、
(5)該水酸化ルテニウムを、還元性雰囲気中で加熱することにより金属ルテニウムとする加熱還元工程と
を行うことを特徴とするルテニウムの回収方法。 - 上記(1)のアルカリ熔融工程において、アルカリが、水酸化物および/または炭酸化合物であることを特徴とする請求項1に記載のルテニウムの回収方法。
- 上記(1)のアルカリ熔融工程において、ルテニウム含有物を溶融させる際、酸化剤を加えて金属ルテニウムを酸化ルテニウムとすることを特徴とする請求項1または2に記載のルテニウムの回収方法。
- 上記(1)のアルカリ熔融工程において、ルテニウム含有物を、銀製またはニッケル製の容器中で溶融させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のルテニウムの回収方法。
- 上記(2)の湿式浸出工程において、固液分離に際し、該固液分離を複数回行うことまたはろ過助剤を添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のルテニウムの回収方法。
- ルテニウムを含有する溶液から金属ルテニウムを回収する方法であって、
(3)該ルテニウム溶解液中に、還元剤を、酸化還元電位が50〜120mVの範囲になるまで添加し、固液分離により不純物を除去する湿式部分還元工程と、
(4)該不純物を除去したルテニウム溶解液に、さらに還元剤を、酸化還元電位が30〜−300mVの範囲になるまで添加し、水酸化ルテニウムを生成させる湿式還元工程と、
(5)該水酸化ルテニウムを、還元性雰囲気中で加熱することにより金属ルテニウムとする加熱還元工程と
を行うことを特徴とするルテニウムの回収方法。 - 前記(3)の湿式部分還元工程において、酸化還元電位を60〜100mVの範囲とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のルテニウムの回収方法。
- 上記(3)の湿式部分還元工程において、酸化還元電位を65〜90mVの範囲とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のルテニウムの回収方法。
- 上記(4)の湿式還元工程において、酸化還元電位を0〜−250mVの範囲とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のルテニウムの回収方法。
- 上記(4)の湿式還元工程において、酸化還元電位を0〜−60mVの範囲とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のルテニウムの回収方法。
- 上記(3)の湿式部分還元工程において、還元剤が、水素化ホウ素化合物を含む溶液であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のルテニウムの回収方法。
- 上記(4)の湿式還元工程において、還元剤が、水素化ホウ素化合物を含む溶液であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のルテニウムの回収方法。
- 上記(4)の湿式還元工程後、水酸化ルテニウムを酸性溶液中で撹拌する酸洗浄工程を行うことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のルテニウムの回収方法。
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