JP5315103B2 - ルテニウムの濃縮方法及び回収方法 - Google Patents

ルテニウムの濃縮方法及び回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、ルテニウムの濃縮方法及び回収方法に係り、更に詳細には、従来、アルカリ熔融法による処理が難しいとされた二酸化ケイ素やケイ酸鉛を代表とするケイ酸塩化合物、および酸化アルミニウムを質量パーセントで10%以上の高濃度で含有するルテニウム含有物からルテニウムを濃縮する方法に関する。
ルテニウムは、その電気的および電磁的特性の面から、電子工業分野において近年使用量が増大している。特に、パソコンの高容量ハードディスクの薄膜、自動車用ハイブリッドの集積回路およびプラズマディスプレイパネルの電極などに使用されている。また、高い触媒活性を有するため、燃料電池等の触媒化学分野にも使用されている。
近年の需要の高まりから、ルテニウムの価格が高騰している一方、市場へのルテニウムの産出元は南アフリカが9割以上を占めており、資源の偏在からも、ルテニウムのリサイクル技術の開発が求められている。
銅製錬に代表される非鉄製錬工程において、副産物として金、ルテニウム等の白金族元素、銀などを含んだ残渣が発生する。かような副産物のうち、金、ルテニウムを除く白金族元素および銀は、精製工程で回収されている。一方、ルテニウムは、銀精製の酸化工程でスラグ側へ移行し、大部分は次のセレン、テルル回収工程で残渣中に残留して系外へ排出、あるいは銅製錬の初期工程に戻されており、既存の銅、銀および白金族元素の精製工程中で回収できていないのが現状である。
従来から、ルテニウム含有物からルテニウムを濃縮し回収する技術としては、次のような方法が知られている。
特開平1−225730号公報(特許文献1)には、ルテニウム含有物を塩素ガスによってルテニウムの塩化物として抽出する方法が開示されているが、ルテニウムの分離効率を上げるために、還元剤として添加するカーボンを流動状態に保ちながら捕集剤による捕集効率を維持する必要があるため、ガス流量制御が難しいという問題があった。また、塩素ガスを使用することによって、安全対策および専用炉が必要であり、設備コストが高いという問題もあった。さらには回収品の純度を高める方法が示されておらず、リサイクル方法としては不十分であった。
特開2002−206122号公報(特許文献2)には、ルテニウム含有物を、還元焙焼した後、酸によって溶出する方法が開示されている。しかしながら、ルテニウム以外の元素を多く含有する複雑混合系では、ルテニウムと他元素との分離精度が悪く、他元素を完全には除去することができないため、高純度のルテニウムを得るには適用範囲が限られるという問題があった。
特開2003−201526号公報(特許文献3)には、ルテニウム含有物をアルカリ水酸化物と反応させてルテニウムを抽出した後、アルコール類で還元し、硝酸で精製する方法が開示されている。しかしながら、ルテニウム以外の成分との分離効率が悪く、特に不純物としてガラス成分が含まれてこのガラス中にルテニウムが分散もしくは固溶しているようなスクラップに対しては、ルテニウムを抽出するには大過剰の薬剤を使用しなければならなかった。このため、ルテニウムを経済的に回収することが困難であるという問題があった。
すなわち、上記の特許文献1〜3に記載されたいずれの方法も、ルテニウム以外の元素を多く含む物質からルテニウムを高純度で経済的に回収する方法としては十分ではなかった。
上記の問題を解決するものとして、発明者らは先に、
「ルテニウム含有物から金属ルテニウムを回収する方法であって、
(1)該ルテニウム含有物を、高温のアルカリ中に溶融させるアルカリ溶融工程と、
(2)冷却後、水を加えて浸出液とした後、固液分離によりルテニウムの水溶液とする湿式浸出工程と、
(3)該ルテニウム溶解液に、還元剤を添加し、水酸化ルテニウムを生成させる湿式還元工程と、
(4)該水酸化ルテニウムを、還元性雰囲気中で加熱することにより金属ルテニウムとする加熱還元工程と
を行うことを特徴とするルテニウムの回収方法。」
の構成になるルテニウムの回収方法を開発し、特願2007−226755(以下、先願1という。)明細書に開示した。
この新しいルテニウム回収方法により、ルテニウム含有物から高い回収率の下でのルテニウムの回収が可能になった。しかし、ルテニウム原料に鉄、ビスマス、マンガン、鉛といった不純物金属元素が混入している場合、これらの不純物元素の混入を阻止することが難しい問題があった。
これを改善するために発明者らは先に、
「ルテニウム含有物から金属ルテニウムを回収する方法であって、
(1)該ルテニウム含有物を、アルカリとともに加熱し、アルカリ熔融液とするアルカリ溶融工程と、
(2)該アルカリ熔融液を冷却してアルカリ熔融塊とし、水を加えて浸出液とした後、固液分離によりルテニウム溶解液とする湿式浸出工程と、
(3)該ルテニウム溶解液中に、還元剤を、酸化還元電位が50mV〜120mVの範囲になるまで添加し、固液分離により不純物を除去する湿式部分還元工程と、
(4)該不純物を除去したルテニウム溶解液に、さらに還元剤を、酸化還元電位が30mV〜−300mVの範囲になるまで添加し、水酸化ルテニウムを生成させる湿式還元工程と、
(5)該水酸化ルテニウムを、還元性雰囲気中で加熱することにより金属ルテニウムとする加熱還元工程と
を行うことを特徴とするルテニウムの回収方法。」
の構成になるルテニウムの回収方法を開発し、特願2008−084253(以下、先願2という。)明細書に開示した。
これにより、ルテニウム以外に多くの元素を含んだ低濃度ルテニウム含有物から、高純度のルテニウムを回収することが可能になった。
しかし、上述した先顔1〜2の方法では、ルテニウム含有物に高濃度の鉛(Pb)が含まれる場合には、高収率で低いPb濃度の金属ルテニウムを回収することが困難であった。
上記問題を解決するために、発明者らは、さらに、
「ルテニウム含有物から金属ルテニウムを回収する方法であって、
(1)該ルテニウム含有物を、アルカリとともに加熱し、アルカリ熔融液とするアルカリ溶融工程と、
(2)該アルカリ熔融液を冷却してアルカリ熔融塊とし、水を加えて浸出液とした後、固液分離によりルテニウム溶解液とする湿式浸出工程と、
(3)前記浸出液に酸化剤を添加する工程と、
(4)該ルテニウム溶解液中に、還元剤を、酸化還元電位が50mV〜120mVの範囲になるまで添加し、固液分離により不純物を除去する湿式部分還元工程と、
(5)該不純物を除去したルテニウム溶解液に、さらに還元剤を、酸化還元電位が30mV〜−300mVの範囲になるまで添加し、水酸化ルテニウムを生成させる湿式還元工程と、
(6)該水酸化ルテニウムを還元性雰囲気中で加熱することにより金属ルテニウムとする加熱還元工程と
を行うことを特徴とするルテニウムの回収方法。」
の構成になるルテニウムの回収方法を開発し、特願2008−237514(以下、先願3という。)明細書に開示した。
この新しいルテニウムの回収方法により、ルテニウム含有物に高濃度の鉛(Pb)が含まれる場合についても、高収率で低いPb濃度の金属ルテニウムを回収することが可能になった。
特開平1−225730号公報 特開2002−206122号公報 特開2003−201526号公報
しかし、上述した先願1〜3の方法はいずれも、ルテニウム含有物に質量パーセントで10%以上の高濃度で二酸化ケイ素やケイ酸鉛、および酸化アルミニウムを含有する場合には、アルカリ熔融法でのルテニウムの回収が困難であった。以下、質量%を単に%と記載する。
具体例を挙げて説明すると、回収原料として、ルテニウム18.8%、ケイ素79.1%、その他の不純物元素2.1%を含む場合には、ケイ素が熔融阻害物質となるだけでなく、アルカリ溶解液の粘性が顕著に増大するため、加熱中にアルカリ溶解液が激しく発泡し、容器から溢れ出し、以降の溶融工程を進めることができないという問題があった。回収原料中の二酸化ケイ素やケイ酸鉛を代表とするケイ酸塩化合物、および酸化アルミニウムの含有量が10%以上の場合には、前記の問題が発生することがある。
本発明は、係る課題に鑑みてなされたものであり、二酸化ケイ素やケイ酸鉛を代表とするケイ酸塩化合物(二酸化ケイ素やケイ酸鉛を代表とするケイ酸塩化合物を単にケイ素と記載することがある。)、および酸化アルミニウム(酸化アルミニウムを単にアルミニウムと記載することがある。)を高濃度に含むルテニウム含有物からルテニウムを濃縮する方法であって、
(1)該ルテニウム含有物を、アルカリ金属水酸化物(又は、アルカリ金属水酸化物とアルカリ金属化合物、若しくは、二種以上のアルカリ金属水酸化物、これらを総称してアルカリと記載することがある。)とともに220〜400℃(好ましくは220〜350℃)の温度範囲に加熱し、ケイ素およびアルミニウムを溶解したアルカリ熔融液とルテニウム含有固形物の混合体を得る低温アルカリ熔融工程と、
(2)該混合体を冷却して凝固させ、水を加えて浸出した後、固液分離によりケイ素およびアルミニウムの溶解液を除去しルテニウムを残渣として濃縮する湿式浸出工程と、
を行うものであり、上記ケイ酸塩化合物がケイ酸鉛等のように鉛が含有されている場合はさらに、
(3)該ルテニウム残渣を、酸浸出により鉛などの不純物元素を除去する酸浸出工程と、
を行うことにより解決するものである。
すなわち、前記アルカリにより、前記ケイ素およびアルミニウムをアルカリ溶体中に溶融させることを特徴とするものである。
上記のように、本発明において前記アルカリは、単一の種類のアルカリ金属水酸化物を用いてもよいが、好ましくは複数の種類のアルカリを混合すると単一の種類のアルカリ金属水酸化物を用いた場合よりも低い温度で融解することができる。ここで、前記アルカリは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムの少なくとも一種とすることができる。
また、前記アルカリと前記ケイ素およびアルミニウムとのモル比は等倍〜5倍であることが好ましい。
本発明によれば、高濃度の二酸化ケイ素、ケイ酸鉛、酸化アルミニウムなどを含有するルテニウム含有物からケイ素、アルミニウムを効率よく分離することができる。なお、低温アルカリ熔融工程による、SiまたはAlの溶出率(低減率)が50%以上であれば、原料中のSiまたはAlの濃度に合わせて、低温アルカリ溶融工程を複数回繰返し行うことにより、本願の効果を一層高めることができる。
さらに、低温アルカリ溶融工程において複数種のアルカリを混合して用いるなど条件を調整することによって、ルテニウム含有物からケイ素、アルミニウムを効率よく分離するとともにルテニウムを高収率で濃縮させることができるという効果を奏する。
ケイ素化合物とアルミニウム化合物のうちの少なくとも一方の不純物を含むルテニウム含有物からケイ素、アルミニウムを分離する方法の工程図である。 ケイ酸鉛を不純物として含むルテニウム含有物からケイ素、鉛を分離する方法の工程図である。
以下、本発明の代表的な実施形態を、図1及び図2に示す一連の工程に従って、具体的に説明する。
1.低温アルカリ熔融工程
二酸化ケイ素、ケイ酸鉛、酸化アルミニウムは、一般的に塩酸、硝酸、王水などの酸性溶液に不溶であるため、酸溶解除去が困難であるが、融解アルカリ塩とは速やかに溶解する性質がある。この性質を利用すると高濃度に二酸化ケイ素、ケイ酸鉛、酸化アルミニウムを含有するルテニウム含有原料中のルテニウムを濃縮することができる。
本実施形態のルテニウム含有物は、ルテニウム、二酸化ケイ素および/またはケイ酸鉛および/または酸化アルミニウムを含んだものである。
低温アルカリ熔融工程において、二酸化ケイ素および/またはケイ酸鉛および/または酸化アルミニウムを高濃度に含有したルテニウム含有物を前記アルカリ(すなわち、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水酸化物とアルカリ金属化合物、又は、二種以上のアルカリ金属水酸化物)とともに加熱してケイ素および/またはアルミニウムを融解し、ケイ素および/またはアルミニウムを含有したアルカリ融液を得る。アルカリ融液は220〜400℃とする。好ましくは220℃〜350℃の範囲である。これは、温度が220℃より低いとアルカリが十分融解しないために、ケイ素および/またはアルミニウムが十分融解されず、一方、温度が400℃より高いとルテニウム含有物本体が融解されルテニウムがアルカリ融液側に溶解してしまうためである。
すなわち、アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物、又は、さらに、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩等のいずれか一種のアルカリ金属化合物をさらに添加した物を使用できる。好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどである。特に好ましいのは、融点が非常に低くなる水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの1:1混合物(モル比)である。
なお、アルカリとして水酸化カリウムを用いたときの二酸化ケイ素、ケイ酸鉛、酸化アルミニウムの融解反応の化学反応式はそれぞれ次の通りである。
2KOH + SiO2 = K2SiO3 + H2
2KOH + Al23 = 2KAlO2 + H2
2KOH + PbSiO4 = K2SiO3 + H2O + PbO2
低温アルカリ熔融時に用いる容器としては、アルカリ熔融工程中に容器が侵されずまたアルカリ融液中に容器成分による不純物混入がなく且つ容器の高耐久性及び高強度などの観点から、ステンレス製、ニッケル製又はニッケル合金製の容器が好適であり、内面のみがステンレス製、ニッケル製又はニッケル合金製の容器でもよい。
2.湿式浸出工程
低温アルカリ熔融して得られたケイ素およびアルミニウムを溶解したアルカリ熔融液とルテニウム含有固形物の混合体は、冷却して固化させた後、水を加えて浸出する。浸出液中では、ケイ素はSiO3 2-の形態で存在し、アルミニウムはAlO2-の形態で存在する。この際、浸出されなかったルテニウム含有残渣は固液分離により回収する。固液分離する際は、例えば、ガラス製のフィルターを使用できる。これはアルカリに対する耐久性に優れるためである。
固液分離で得られるルテニウム含有残渣には、アルカリ性で不溶の二酸化鉛(PbO2)も含まれる(原料中にPbSiO4が含まれている場合)。
3.酸浸出工程
低温アルカリ熔融前のルテニウム含有物中にケイ酸鉛が高濃度で含有されている場合は、湿式浸出工程で得られるルテニウム含有残渣(ルテニウム濃縮残渣ともいう。)中に多量の二酸化鉛(PbO2)が含まれる。そこで、このPbO2を除去するためにこのルテニウム含有残渣を酸溶液中に添加して浸出し、PbO2を溶解処理(酸浸出)する。
ここで、PbO2を完全に溶解除去するには、酸溶液のpHを0〜5にすることが好ましい。より好ましくはpH1〜3の範囲である。
なお、PbO2を酸で浸出した際の化学反応式は次の通りである。
PbO2 + 4H+ = Pb4+ + 2H2
浸出用の酸としては、例えば硝酸や王水などが使用できる。この中で、特に好ましいのは設備への負荷の低い硝酸である。酸性溶液で攪拌後、固液分離する際、ろ液のpHが中性になるまで純水を繰り返し添加してろ過することがよい。
かくして、二酸化ケイ素および/またはケイ酸鉛および/または酸化アルミニウムを高濃度に含有したルテニウム含有物から、ケイ素または/およびアルミニウムを除去し、さらには鉛を除去してルテニウムを濃縮処理することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、ルテニウム回収用原料および低温アルカリ熔融処理後の残渣の元素組成は、蛍光X線装置(島津製作所社製、波長分散型蛍光X線装置、Model XRF−1700)により測定された元素の組成比を質量%に換算することにより求めた。
また、加熱還元、酸処理などを行って回収した金属ルテニウムのルテニウム含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(SII社製、SPS5100)による分析を行って検出限界以上の濃度で検出された全元素の濃度(質量%)の合計値を100質量%から差し引くことにより求めた。
[実施例1−1]
ルテニウム回収用原料のルテニウム含有物としては、蛍光X線測定により求めた組成が、下記の3種類の原料(固体)を準備した。
原料1:ルテニウム含有率:18.8%、ケイ素含有率:79.1%、その他元素:残部
原料2:ルテニウム含有率:3.6%、アルミニウム含有率:66.8%、コバルト含有率:27.0%、その他元素:残部
原料3:ルテニウム含有率:19.7%、ケイ素含有率:44.1%、鉛含有率:36.2%、その他元素:残部(なお、ケイ素と鉛はケイ酸鉛として含有されたものである)
この原料1:2500gに対して、アルカリとして、モル比でケイ素(アルミニウム)含有量の2.5倍の水酸化ナトリウムと、モル比でケイ素(アルミニウム)含有量の2.5倍の水酸化カリウム(アルカリ合計添加量が、モル比で、ケイ素(アルミニウム)量の5倍)を加えて、ステンレス製の容器に封入し、定温加熱器に入れた。定温加熱器の加熱温度は250℃に固定し、2時間維持してアルカリ溶融液とルテニウム含有固形物との混合体を得た(低温アルカリ熔融工程)。その後、混合体を加熱器内で自然放冷した。
上記混合体の容器を常温まで冷却して凝固させ、これに水を添加して容器内に残留する固体を浸出した。得られた浸出後のスラリーからルテニウム含有残渣を回収するために、ガラス性フィルターで吸引ろ過し、固液分離した(湿式浸出工程)。
湿式浸出工程の固液分離後、ルテニウム含有残渣を水洗・乾燥して回収した。乾燥後の前記ルテニウム含有残渣(ルテニウム濃縮残渣)の成分組成は、実施例1−1では、ルテニウム:95.2%、ケイ素:0.83%、残部:その他の不純物元素からなるものであった。
つまり、低温アルカリ溶融工程と湿式浸出工程によるケイ素の浸出率(低温アルカリ熔融工程に投入した原料1中のケイ素量に対する湿式浸出工程で最終的に得られたルテニウム濃縮残渣中のケイ素質量の比率から求めた。)は99.0%であった。
また、ルテニウムの回収率(アルカリ熔融工程に投入した原料1中のルテニウム量に対する湿式浸出工程で得られた固体中のルテニウム量の比率から求めた。)は99.98%でありルテニウムのロス率は0.02%であった。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0005315103
上記の湿式浸出工程で得られたルテニウム濃縮残渣に対して、質量比で4倍の水酸化カリウムと、酸化剤として、質量比で0.8倍の硝酸カリウムを加えて坩堝に封入し、固定炉で昇温した。坩堝は銀製のものを用いた。固定炉の温度は750℃とし、3時間保持し装入物全体を溶融した。その後、炉内で自然放冷した。
常温まで冷却した坩堝内に、水を添加し混合して坩堝内に残留する固体からルテニウムを浸出した。得られた浸出液をガラス性フィルターで吸引ろ過し、固液分離した。
固液分離して得たルテニウム溶液中に、12%濃度の水素化ホウ素ナトリウムと、40%濃度の水酸化ナトリウムの混合溶液を、純水で10倍に希釈した後、約1g/分の一定速度で、攪拌機で攪拌しながら添加した。混合溶液の添加は、分離液の酸化還元電位が−30mVになるまで添加した。なお、本発明における酸化還元電位の値は、銀/塩化銀電極に対する酸化還元電位の値である。
還元終了後、捕集粒子1μmのろ紙を用いて吸引ろ過し固液分離した。この際、ろ液のpHが中性になるまで純水を繰り返し添加してろ過し、乾燥させた。
乾燥後に得られた固体の成分組成は、ルテニウム99.95%、およびその他の微量元素からなるものであった(実施例1−1〜3とも)。
得られた乾燥粉末を、水素と窒素ガスを流した炉内で500℃に加熱し、還元した。
加熱後、冷却して得られた粉末を王水(66%硝酸水溶液と45%塩酸水溶液を容量比1:3で混合した溶液)中で加熱しながら2時間攪拌し、洗浄した。洗浄後の残渣とろ液を、ろ紙を用いて吸引ろ過して固液分離した。
酸洗浄工程の固液分離後、残渣を乾燥して金属ルテニウムを回収した。最終的に得られた固体の成分組成はルテニウム99.99質量%以上、およびその他の微量元素からなるものであった。
つまり、回収されるルテニウム中のルテニウム以外の不純物元素の含有量は0.01質量%以下であった。
また、ルテニウムの回収率(低温アルカリ溶融工程に投入した原料1のルテニウム質量に対する上記酸洗浄工程で最終的に得られた固体中のルテニウム質量の比率)は、95%であった。
[実施例1−2]
ルテニウム回収用原料のルテニウム含有物を原料2とし、溶融時間を5時間とした以外は実施例1−1と同様に行った場合、低温アルカリ溶融工程と湿式浸出工程によるアルミニウムの浸出率(低温アルカリ熔融工程に投入した原料2中のアルミニウム量に対する湿式浸出工程で最終的に得られたルテニウム濃縮残渣中のアルミニウム量の比率から求めた。)は98.2%、ルテニウムの回収率は99.98%であった。
以上の結果を表2に示す。
Figure 0005315103
また、実施例1−1同様に、還元終了後に固液分離し乾燥して得られた固体の成分組成はルテニウム99.95%、およびその他の微量元素からなるものであり、酸洗浄工程の固液分離後に残渣を乾燥して最終的に得られた金属ルテニウムの成分組成はルテニウム99.99質量%以上であった。
[実施例1−3]
ルテニウム回収用原料のルテニウム含有物を原料3とし、湿式浸出工程後に引続いて下記の条件で酸浸出工程を行い、酸浸出工程で得られたルテニウム再濃縮残渣中の鉛含有量を測定した以外は実施例1−1と同様の試験を行った。
(酸浸出工程条件)
湿式浸出工程で得られたルテニウム濃縮残渣と、該残渣と同質量の硝酸水溶液(硝酸濃度:67.5g/kg、25℃)を混合し、12時間撹拌した。その後、ろ別して得たルテニウム再濃縮残渣に対し、水洗・濾過をその水洗後の液のpHが6以上になるまで繰り返し行った。
低温アルカリ溶融工程と湿式浸出工程によるケイ素の浸出率(低温アルカリ熔融工程に投入した原料3中のケイ素量に対する湿式浸出工程で最終的に得られたルテニウム濃縮残渣中のケイ素量の比率から求めた。)は98.3%、ルテニウムの回収率は99.98%であった。また、酸浸出工程で得られたルテニウム再濃縮残渣中の鉛含有量は分析検出限界以下であった。
以上の結果を表3に示す。
Figure 0005315103
また、実施例1−1同様に、還元終了後に固液分離し乾燥して得られた固体の成分組成はルテニウム99.95%、およびその他の微量元素からなるものであり、酸洗浄工程の固液分離後に残渣を乾燥して最終的に得られた金属ルテニウムの成分組成はルテニウム99.99%であった。
[実施例2−1、2−2、2−3]
低温アルカリ溶融工程での水酸化ナトリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の2倍とし、水酸化カリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の2倍(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素(アルミニウム)量の4倍)とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例2−1、2−2、2−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は91.5〜96.8%であり、Ruロス率はいずれも0.02%であった。
[実施例3−1、3−2、3−3]
低温アルカリ溶融工程での水酸化ナトリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の3倍とし、水酸化カリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の3倍(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素(アルミニウム)量の6倍)とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例3−1、3−2、3−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は98.5〜99.1%であり、Ruロス率はいずれも0.02%であった。
[実施例4−1、4−2、4−3]
低温アルカリ溶融工程での水酸化ナトリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の1.5倍とし、水酸化カリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の1.5倍(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素(アルミニウム)量の3倍)とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例4−1、4−2、4−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は78.0〜87.0%であり、Ruロス率はいずれも0.01%であった。
[実施例5−1、5−2、5−3]
低温アルカリ溶融工程における溶融維持時間をそれぞれ3時間、10時間、3時間とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例5−1、5−2、5−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は98.5〜99.1%であり、Ruロス率はいずれも0.03%であった。
[実施例6−1、6−2、6−3]
低温アルカリ溶融工程における溶融維持時間をそれぞれ1時間、2時間、1時間とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例6−1、6−2、6−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は88.9〜94.8%であり、Ruロス率はいずれも0.02%であった。
[比較例1−1、1−2、1−3]
低温アルカリ溶融工程における加熱温度を200℃とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ比較例1−1、1−2、1−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、Ruロス率はいずれも0.01%未満であったが、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は0.9〜25.8%と低いものであった。
[実施例7−1、7−2、7−3]
低温アルカリ溶融工程における加熱温度を300℃とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例7−1、7−2、7−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は98.9〜99.2%であったが、Ruロス率が16.2〜17.6%と高いものであった。
[実施例8−1、8−2、8−3]
低温アルカリ溶融工程における加熱温度を220℃とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例8−1、8−2、8−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は50.6〜64.9%であり、Ruロス率はいずれも0.01%未満であった。
[実施例9−1、9−2、9−3]
低温アルカリ溶融工程における加熱温度を270℃とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例9−1、9−2、9−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は98.8〜99.1%であり、Ruロス率は6.21〜8.87%であった。
[実施例10−1、10−2、10−3]
低温アルカリ溶融工程での水酸化ナトリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の3.5倍とし、水酸化カリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の1.5倍(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素(アルミニウム)の5倍量)とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例10−1、10−2、10−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は90.4〜97.0%であり、Ruロス率は0.01〜0.02%であった。
[実施例11−1、11−2、11−3]
低温アルカリ溶融工程での水酸化ナトリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の3倍とし、水酸化カリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の2倍(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素(アルミニウム)の5倍量)とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例11−1、11−2、11−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は96.7〜97.3%であり、Ruロス率はいずれも0.02%であった。
[実施例12−1、12−2、12−3]
低温アルカリ溶融工程での水酸化ナトリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の4倍とし、水酸化カリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の1倍(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素(アルミニウム)の5倍量)とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例12−1、12−2、12−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は80.2〜90.0%であり、Ruロス率はいずれも0.02%であった。
[実施例13−1、13−3]
低温アルカリ溶融工程において水酸化ナトリウムを添加せず、水酸化カリウムの添加量をモル比でケイ素含有率の5倍(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素量の5倍)とし、加熱温度を300℃とした以外は、実施例1−1、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例13−1、13−3においてケイ素等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表3に記載のとおり、ケイ素などの不純物の浸出率は61.6〜64.9%であり、Ruロス率はいずれも0.03%であった。
[実施例14−1、14−2、14−3]
低温アルカリ溶融工程において水酸化ナトリウムを添加せず、水酸化カリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の5倍(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素(アルミニウム)量の5倍)とし、加熱温度を350℃とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例14−1、14−2、14−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は81.4〜99.3%、Ruロス率は13.4〜16.6%であった。
[実施例15−1、15−2、15−3]
低温アルカリ溶融工程において水酸化ナトリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の5倍、水酸化カリウムを添加しない(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素(アルミニウム)量の5倍)とし、加熱温度を350℃とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例15−1、15−2、15−3においてルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は77.8〜85.9%であり、Ruロス率は4.5〜6.2%であった。
[実施例16−1、16−2、16−3]
低温アルカリ溶融工程において水酸化ナトリウムを添加せず、水酸化カリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の2.5倍、硝酸カリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の2.5倍(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素(アルミニウム)量の5倍)とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例15−1、15−2、15−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は98.8〜99.5%であったが、Ruロス率が28.6〜31.8%と高いものであった。
[実施例17−1、17−2、17−3]
低温アルカリ溶融工程において水酸化ナトリウムを添加せず、水酸化カリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の2.5倍、硝酸カリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の2.5倍(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素(アルミニウム)量の5倍)とし、加熱温度を220℃とした以外は、実施例1−1、1−2、1−3と同様の方法で、それぞれ実施例17−1、17−2、17−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行った。
表1、表2、表3に記載のとおり、ケイ素・アルミニウムなどの不純物の浸出率は93.0〜95.2%であったが、Ruロス率が4.4〜5.5%と高いものであった。
[比較例2−1、2−2、2−3]
低温アルカリ溶融工程において水酸化ナトリウムを添加せず、水酸化カリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の5倍(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素(アルミニウム)量の5倍)とし、加熱温度を500℃とした比較例2−1、2−2、2−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行おうとしたところ、アルカリ溶融液が発泡して容器から溢れ出したため、実施を中止した。
[比較例3−1、3−2、3−3]
低温アルカリ溶融工程において水酸化カリウムを添加せず、水酸化ナトリウムの添加量をモル比でケイ素(アルミニウム)含有率の5倍(アルカリ合計添加量として、モル比で、ケイ素(アルミニウム)量の5倍)とし、加熱温度を500℃とした比較例3−1、3−2、3−3においてケイ素、アルミニウム等の不純物の除去及びルテニウムの濃縮を行おうとしたところ、アルカリ溶融液が発泡して容器から溢れ出したため、実施を中止した。

Claims (17)

  1. ケイ素化合物とアルミニウム化合物のうちの少なくとも一方の不純物を含むルテニウム含有物からルテニウムを濃縮する方法であって、
    (1)該ルテニウム含有物を、アルカリ金属水酸化物とともに、220〜400℃の温度範囲に加熱してアルカリ溶融液とルテニウム含有固形物との混合体を得る低温アルカリ溶融工程と、
    (2)該混合体を冷却して該アルカリ溶融液を凝固させ、水を加えて浸出した後、固液分離してルテニウム濃縮残渣を得る湿式浸出工程と、
    を有するルテニウムの濃縮方法。
  2. ケイ素化合物とアルミニウム化合物のうちの少なくとも一方の不純物を含むルテニウム含有物からルテニウムを濃縮する方法であって、
    (1)該ルテニウム含有物を、アルカリ金属水酸化物とアルカリ金属化合物とともに、220〜400℃の温度範囲に加熱してアルカリ溶融液とルテニウム含有固形物との混合体を得る低温アルカリ溶融工程と、
    (2)該混合体を冷却して該アルカリ溶融液を凝固させ、水を加えて浸出した後、固液分離してルテニウム濃縮残渣を得る湿式浸出工程と、
    を有するルテニウムの濃縮方法。
  3. ケイ素化合物とアルミニウム化合物のうちの少なくとも一方の不純物を含むルテニウム含有物からルテニウムを濃縮する方法であって、
    (1)該ルテニウム含有物を、二種以上のアルカリ金属水酸化物とともに、220〜400℃の温度範囲に加熱してアルカリ溶融液とルテニウム含有固形物との混合体を得る低温アルカリ溶融工程と、
    (2)該混合体を冷却して該アルカリ溶融液を凝固させ、水を加えて浸出した後、固液分離してルテニウム濃縮残渣を得る湿式浸出工程と、
    を有するルテニウムの濃縮方法。
  4. 不純物としてケイ酸鉛を含むルテニウム含有物からルテニウムを濃縮する方法であって、
    (1)該ルテニウム含有物を、アルカリ金属水酸化物とともに、220〜400℃の温度範囲に加熱してアルカリ溶融液とルテニウム含有固形物との混合体を得る低温アルカリ溶融工程と、
    (2)該混合体を冷却して該アルカリ溶融液を凝固させ、水を加えて浸出した後、固液分離してルテニウム濃縮残渣を得る湿式浸出工程と、
    (3)該ルテニウム濃縮残渣を酸浸出した後、固液分離してルテニウム再濃縮残渣を得る酸浸出工程と、
    を有するルテニウムの濃縮方法。
  5. 不純物としてケイ酸鉛を含むルテニウム含有物からルテニウムを濃縮する方法であって、
    (1)該ルテニウム含有物を、アルカリ金属水酸化物とアルカリ金属化合物とともに、220〜400℃の温度範囲に加熱してアルカリ溶融液とルテニウム含有固形物との混合体を得る低温アルカリ溶融工程と、
    (2)該混合体を冷却して該アルカリ溶融液を凝固させ、水を加えて浸出した後、固液分離してルテニウム濃縮残渣を得る湿式浸出工程と、
    (3)該ルテニウム濃縮残渣を酸浸出した後、固液分離してルテニウム再濃縮残渣を得る酸浸出工程と、
    を有するルテニウムの濃縮方法。
  6. 不純物としてケイ酸鉛を含むルテニウム含有物からルテニウムを濃縮する方法であって、
    (1)該ルテニウム含有物を、二種以上のアルカリ金属水酸化物とともに、220〜400℃の温度範囲に加熱してアルカリ溶融液とルテニウム含有固形物との混合体を得る低温アルカリ溶融工程と、
    (2)該混合体を冷却して該アルカリ溶融液を凝固させ、水を加えて浸出した後、固液分離してルテニウム濃縮残渣を得る湿式浸出工程と、
    (3)該ルテニウム濃縮残渣を酸浸出した後、固液分離してルテニウム再濃縮残渣を得る酸浸出工程と、
    を有するルテニウムの濃縮方法。
  7. 前記アルカリ金属化合物が、水酸化物、硝酸塩、酸化物、炭酸塩のうちの少なくとも一種である、請求項2または5に記載の濃縮方法。
  8. 前記アルカリ金属水酸化物中のアルカリ金属モル数が前記不純物中のケイ素モル数とアルミニウムモル数との合計モル数の1〜5倍である、請求項1、3、4、6のいずれかに記載の濃縮方法。
  9. 前記アルカリ金属水酸化物中と前記アルカリ金属化合物中のアルカリ金属の合計モル数が前記不純物中のケイ素モル数とアルミニウムモル数との合計モル数の1〜5倍である、請求項2、5、7のいずれかに記載の濃縮方法。
  10. 前記温度範囲が220〜350℃である、請求項1〜9のいずれかに記載の濃縮方法。
  11. 前記低温アルカリ溶融工程において前記温度範囲に30分〜20時間維持する、請求項1〜10のいずれかに記載の濃縮方法。
  12. 前記低温アルカリ溶融工程をステンレス製、ニッケル製又はニッケル合金製の容器内で行う、請求項1〜11のいずれかに記載の濃縮方法。
  13. 請求項1〜3のいずれかに記載のルテニウム濃縮残渣又は請求項4〜6のいずれかに記載のルテニウム再濃縮残渣をアルカリ金属化合物とともに加熱してアルカリ溶融液とするアルカリ溶融工程と、該アルカリ溶融液を冷却して凝固させ水を加えて浸出した後固液分離してルテニウム溶液を得る浸出工程と、該ルテニウム溶液中に還元剤を酸化還元電位が30〜−300mVの範囲になるまで添加して水酸化ルテニウムを生成させる湿式還元工程と、該水酸化ルテニウムを還元性雰囲気中で加熱することにより金属ルテニウムとする加熱還元工程とを有するルテニウムの回収方法。
  14. 前記アルカリ溶融工程において加熱する際に酸化剤を添加する、請求項13記載の回収方法。
  15. 前記アルカリ溶融工程を銀製、銀合金製、ニッケル製又はニッケル合金製の容器内で行う、請求項13又は14に記載の回収方法。
  16. 前記還元剤が水素化ホウ素化合物である、請求項13〜15のいずれかに記載の回収方法。
  17. 前記還元剤を一定速度で添加する、請求項13〜16のいずれかに記載の回収方法。
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