JP4934791B2 - ルテニウムメタルの回収方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気抵抗体等の主要成分として用いられている、ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物やルテニウム酸化物よりルテニウムメタルを分離回収する方法に関する。
尚、本願明細書中において、「ルテニウムメタル」または「メタル」と記載しているメタルとは、金属以外の不純物をほとんど含有していない状態の金属のことをいう。
【0002】
【従来の技術】
現在、ルテニウム複合酸化物やルテニウム酸化物を主要成分とした電気抵抗体が電子工業の分野において大量に使用されている。これに伴い、電子工業の製造工程からは、不良や部品交換のためにルテニウム複合酸化物やルテニウム酸化物を含むスクラップが大量発生している。
【0003】
元来、ルテニウムは白金族の高価な金属であることから、ルテニウムメタルの回収と再利用は製造コスト削減等のためにも重要である。
電気抵抗体として用いられるルテニウムは、温度係数の向上やガラスとの馴染み性向上のため、一般にM2Ru27-x(但し、MはBi、Pb、Ba等)という複合酸化物の形や、RuO2という酸化物の形で用いられる。ところが、このように酸化物となった金属元素、特に複合酸化物となった金属元素は化学的に安定化し、酸やアルカリでの分解が困難になってしまう。
【0004】
そこで従来は、塩素を用いてルテニウムを揮発性の塩とし回収する方法(特願昭63−50304)、や溶融塩を用いてルテニウムを可溶性の塩にする方法(特願昭63−55791、特願昭63−55792)が提案されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記塩素を用いる方法では取り扱いの困難な物質が生成し、かつ回収操作も複雑であるため回収コストを下げることが困難である。
また前記溶融塩を用いる方法では、回収されるルテニウムメタルにアルカリが混入しさらに精製が必要になる、等の問題があった。
本発明は、上述のような背景でなされたものであり、比較的単純な工程でルテニウム複合酸化物や、ルテニウム酸化物より高品質のルテニウムメタルを高収率で回収することを目的とする。
【0006】
【問題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明者らが鋭意研究した結果、ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物を、還元雰囲気下において加熱処理することで、ルテニウムとルテニウム以外の金属元素の双方がメタルに還元されることを見出した。さらにこの後、ルテニウムとルテニウム以外のメタル混合物より、ルテニウム以外のメタルを化学的に溶解除去すれば、前記目的を達成できることを発明したものである。
【0007】
またルテニウム酸化物においても、前記ルテニウム複合酸化物と同様に、還元雰囲気下において加熱処理することで、ルテニウムメタルに還元されることを見出した。そして、前記ルテニウム酸化物に他の金属が混入している場合は、前記ルテニウム複合酸化物と同様に、ルテニウム以外のメタルを化学的に溶解除去すればよいことを発明したものである。
【0008】
さらに、ルテニウム複合酸化物とルテニウム酸化物との、混合物においても、前記ルテニウム複合酸化物と同様に、還元雰囲気下において加熱処理することで、ルテニウムメタルに還元されることを見出した。さらにこの後、ルテニウムとルテニウム以外のメタル混合物より、ルテニウム以外のメタルを化学的に溶解除去すれば、前記目的を達成できることを発明したものである。
【0009】
さらに加えて、前記ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物および/または前記ルテニウム酸化物に、ガラス成分や、プラスチック、樹脂、塗料等の有機性成分(以下、有機性成分と記載する。)が含有されている場合であっても、前記還元雰囲気における加熱処理の前に、これらガラス成分や有機性成分を除去する工程を設けることで、前記目的を達成できることを発明したものである。
【0010】
すなわち、第1の発明は、ルテニウムとルテニウム以外の金属元素との複合酸化物からルテニウムのメタルを回収する方法において、
前記ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物から各々の金属元素をメタルに還元する工程と、還元された前記メタルに酸を加えて、ルテニウム以外のメタルを溶解除去する工程とを有することを特徴とするルテニウムメタルの回収方法である。
【0011】
第2の発明は前記ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物から各々の金属元素をメタルに還元する工程において、
還元雰囲気中における前記複合酸化物の加熱工程を用いることを特徴とする第1の発明に記載のルテニウムメタルの回収方法である。
【0012】
第3の発明は、ルテニウム酸化物からルテニウムのメタルを回収する方法において、
前記ルテニウム酸化物をメタルに還元する工程を有することを特徴とするルテニウムメタルの回収方法である。
【0013】
第4の発明は、前記ルテニウム酸化物をルテニウムメタルに還元する工程において、
還元雰囲気中における前記ルテニウム酸化物の加熱工程を用いることを特徴とする第3の発明に記載のルテニウムメタルの回収方法である。
【0014】
第5の発明は、ルテニウムとルテニウム以外の金属元素との複合酸化物と、ルテニウム酸化物との、混合物からルテニウムのメタルを回収する方法において、
前記ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物と、ルテニウム酸化物とから、各々の金属元素をメタルに還元する工程と、還元された前記メタルに酸を加えて、ルテニウム以外の金属元素を溶解除去する工程とを有することを特徴とするルテニウムメタルの回収方法である。
【0015】
第6の発明は、前記ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物と、前記ルテニウム酸化物とから、各々の金属元素をメタルに還元する工程において、
還元雰囲気中における前記複合酸化物の加熱工程を用いることを特徴とする第5の発明に記載のルテニウムメタルの回収方法である。
【0016】
第7の発明は、前記還元雰囲気として、大気および/または不活性ガスと、カーボンおよび/または炭素化合物とを、混合加熱したものを用いることを特徴とする、第2の発明、第4の発明または第6の発明のいずれかに記載のルテニウムメタルの回収方法である。
【0017】
第8の発明は、前記還元雰囲気として、一酸化炭素、アンモニア、水素のいずれかの少なくとも1つを用いることを特徴とする、第2の発明、第4の発明または第6の発明のいずれかに記載のルテニウムメタルの回収方法である。
【0018】
第9の発明は、前記還元雰囲気として、一酸化炭素、アンモニア、水素のいずれかの少なくとも1つと、大気および/または不活性ガスとの混合ガスを用いることを特徴とする、第2の発明、第4の発明または第6の発明のいずれかに記載のルテニウムメタルの回収方法である。
【0019】
第10の発明は、第1から第9の発明のいずれかに記載のルテニウムメタルの回収方法において、
前記ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物、および/または前記ルテニウム酸化物をメタルに還元する工程の前に、
前記ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物、および/または前記ルテニウム酸化物を100℃以上に加熱する工程を設けることを特徴とするルテニウムメタルの回収方法である。
【0020】
第11の発明は、第1から第9の発明のいずれかに記載のルテニウムメタルの回収方法において、
前記ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物、および/または前記ルテニウム酸化物をメタルに還元する工程の前に、
前記ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物、および/または前記ルテニウム酸化物をフッ化水素酸により処理する工程を設けることを特徴とするルテニウムメタルの回収方法である。
【0021】
第12の発明は、第1から第9の発明のいずれかに記載のルテニウムメタルの回収方法において、
前記ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物、および/または前記ルテニウム酸化物をメタルに還元する工程の前に、
前記ルテニウムとルテニウム以外の金属元素を含む複合酸化物、および/または前記ルテニウム酸化物を100℃以上に加熱する工程およびフッ化水素酸により処理する工程を設けることを特徴とするルテニウムメタルの回収方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1、2は本発明の実施の形態にかかる、スクラップ等のルテニウム原料よりルテニウムメタルを回収する方法の概略構成を示すフロー図である。
図1は還元雰囲気の調製のためにカーボンまたは炭素化合物を用いた場合であり、図2は還元雰囲気として一酸化炭素、アンモニア、水素、等を用いた場合である。
尚、図1、2において対応する部分には同一の符号を付して示した。
【0023】
以下、図1および図2を参照しながら、本発明の実施の形態にかかるルテニウムメタル回収方法を説明する。
まず、図1に示される例は、
(1)ルテニウム原料に含有される有機性成分を加熱処理により除去する加熱処理工程と、
(2)前記有機性成分が除去されたルテニウム原料へフッ化水素酸溶液を添加し、含有されるガラス成分をフッ化水素酸処理により除去するフッ化水素酸処理工程と、
(3)有機性成分および/またはガラス成分が除去されたルテニウム原料へ、カーボンおよび/または炭素化合物を添加し混合する混合工程と、
(4)前記ルテニウム原料とカーボンおよび/または炭素化合物の混合物を還元焙焼する還元焙焼工程と、
(5)前記還元焙焼されたルテニウム原料へ酸を添加して、酸浸出する酸浸出工程と、
(6)前記酸浸出されたルテニウム原料を、沈殿物とPb、Ag、Pd、Bi等を含有するろ液とに、ろ過するろ過工程と、
(7)前記沈殿物を乾燥して、回収ルテニウムメタルを得る乾燥工程とを有する。
【0024】
また、図2に示される例は、図1に示される例の(3)(4)の工程においてルテニウム原料と、カーボンおよび/または炭素化合物とを混合し還元焙焼する替わりに、還元性雰囲気中にて、ルテニウム原料の還元焙焼を実施する例である。
【0025】
ここで、従来の技術の項でも述べたように、本実施の形態にかかるルテニウムメタル回収方法の対象になるルテニウム原料としては、ルテニウム複合酸化物に限られず、ルテニウム酸化物、またはルテニウム複合酸化物とルテニウム酸化物との混合物、等もある。これら原料からルテニウムメタルを回収することも、同様の工程にて実施できる。
一方、これらルテニウム原料に、有機性成分もガラス成分も含有されていない場合は前記工程(1)(2)を省略することができ、有機性成分は含有されてないがガラス成分は含有されている場合は前記工程(1)を省略することができる。
また、有機性成分は含有されているがガラス成分は含有されていない場合、図1に示される例では、有機性成分は前記工程(3)にて添加されるカーボンおよび/または炭素化合物と共に前記工程(4)にて還元焙焼されるので前記工程(1)(2)を省略することができ、図2に示される例では前記工程(2)を省略することができる。
そして、ルテニウム原料に、他の金属元素が含有されていない場合は、前記工程(5)と(6)との両工程を省略することができる。
以下、各々の工程について説明する。
【0026】
(1)ルテニウム原料に含有される有機性成分を加熱処理により除去する加熱処理工程。
ルテニウム原料にガラス成分と有機性成分とが含有されている場合、まず有機性成分を除去するため、ルテニウム原料を大気等の酸素を含む雰囲気下で、100℃以上好ましくは300℃以上にで1時間以上好ましくは2時間以上、加熱処理する加熱処理工程を実施する。
何となれば、ルテニウム原料中に有機性成分が存在した状態でフッ化水素酸処理工程を実施すると、不溶性の生成物が生成して工程阻害要因となる為、予め除去しておくのが好ましいからである。
【0027】
(2)有機性成分が除去された、または有機成分を含有しないルテニウム原料へフッ化水素酸溶液を添加し、含有されるガラス成分をフッ化水素酸処理により除去するフッ化水素酸処理工程。
ルテニウム原料にガラス成分が含有されている場合、これを除去するためフッ化水素酸溶液を添加する。
フッ化水素酸溶液の添加量はルテニウム原料中に含有されるガラス成分の量により適宜決定すればよい、また濃度は(1+1)以上であることが好ましい。
フッ化水素酸溶液を添加後、30分以上好ましくは1時間以上攪拌し、沈殿物となったガラス成分を含まないルテニウム原料を回収する。
【0028】
(3)ガラス成分が除去された、またはガラス成分を含有しないルテニウム原料へ、カーボンおよび/または炭素化合物を添加し混合する混合工程。
前記工程(1)(2)にてガラス成分が除去されたルテニウム原料、またはガラス成分を含有しないルテニウム原料へカーボンおよび/または炭素化合物を添加混合する混合工程を実施する。
【0029】
(4)ルテニウム原料とカーボンおよび/または炭素化合物の混合物を添加混合した後、還元焙焼する還元焙焼工程。
前記カーボンおよび/または炭素化合物を添加したルテニウム原料を、還元性雰囲気下において、600℃以上好ましくは900℃以上で、1時間以上好ましくは2時間以上還元焙焼する還元焙焼工程を実施する。
この際、還元性雰囲気としては
(a)大気および/または不活性ガスと、カーボンおよび/または炭素化合物とを、混合加熱したもの、
(b)一酸化炭素、アンモニア、水素等の還元性雰囲気のいずれかの少なくとも1つ、
(c)一酸化炭素、アンモニア、水素等の還元性雰囲気のいずれかの少なくとも1つと、不活性ガスとの混合ガス、
等を用いるのが作業性、コスト等から考えて好ましい。
ここで(a)を用いる場合は、上述したように、粉体のカーボンおよび/または炭素化合物と、ルテニウム原料とを混合する混合工程を実施した後、還元焙焼する還元焙焼工程を実施すればよい。
また(b)(c)を用いる場合は、雰囲気炉または管状炉等内にルテニウム原料を設置し、前記還元性雰囲気を保ちながら加熱して還元焙焼する還元焙焼工程を実施すればよい。
【0030】
(5)還元焙焼されたルテニウム原料へ酸を添加して、酸浸出する酸浸出工程。
前記(3)の工程後、複合酸化物を形成していたルテニウム、Pb、Ag、Pd、Bi等はメタルに迄還元されている。そこで、酸を用いて酸浸出をおこなう。ここで、酸の種類、濃度、処理時間、処理温度等を適宜に選択することで、ルテニウム以外の金属元素を酸に溶解させ、ろ液として除去することが可能となる。
因みに用いる酸の例として、塩酸、王水でも使用可能だがルテニウムも若干溶解されてしまう。ところが硝酸を用いると、ルテニウム以外のメタルは溶解し、ろ液として除去されるが、ルテニウムはほとんど溶解されず沈殿物として回収できることから好ましい構成である。
【0031】
(6)酸浸出されたルテニウム原料を、沈殿物とPb、Ag、Pd、Bi等を含有する、ろ液とにろ過する、ろ過工程。
酸浸出されたルテニウム原料にろ過を実施し、沈殿物とPb、Ag、Pd、Bi等を含有する、ろ液とに分離する。
【0032】
(7)前記沈殿物を乾燥して回収ルテニウムメタルを得る乾燥工程。
前記(6)の工程後、沈殿物として残ったルテニウムメタルを回収し純水等で洗浄後、乾燥を実施し回収ルテニウムメタルを得た。
この回収ルテニウムメタルの上述の工程における収率は、90%以上と高収率を示した。
【0033】
(実施例1)
ルテニウム複合酸化物、ガラス成分および樹脂、等を含む抵抗ペースト材を電気炉に設置し、大気下において350℃、2時間焼成して樹脂分を除去した。
この樹脂分を除去した抵抗ペースト材10gにフッ化水素酸(1+1)を50mlを添加し室温にて1時間攪拌の後、沈殿物を濾過して回収し、これを純水洗浄後乾燥し、試料1とした。試料1に対し蛍光X線分析を実施したところシリコンは検出されず、試料1よりガラス成分が除去されていることが判明した。
また、X線回折の測定により試料1は、ルテニウムと鉛の複合酸化物であることを確認した。
【0034】
試料1を6gと、粉体カーボンを3gとを混合し、純度95%以上のアルミナルツボに装填し蓋をする。この時、磁性ルツボを用いると浸食されるので好ましくない。
このルツボを大気焼成用の電気炉に設置し1000℃、2時間焙焼し試料2とした。
【0035】
焙焼後の試料2はルテニウムと鉛のメタルになっていることをX線回折の測定により確認した。
得られた試料2の全量に硝酸(1+1)を50ml添加し、室温で1時間攪拌した後、沈殿物をろ過回収し、純水洗浄後乾燥しルテニウムメタルが回収された。
この回収ルテニウムメタルにX線回折測定を実施したところ、純粋なルテニウムであることが確認された。この実施例におけるルテニウムメタルの収率は、前記抵抗ペースト材に含有されていたルテニウムの91%であった。
【0036】
(実施例2)
ルテニウム複合酸化物を含み、樹脂分およびフッ化水素酸と反応して不溶性生成物を生成するようなものを含まない電気抵抗体のスクラップ材を準備した。
前記スクラップ材13gにフッ化水素酸(1+1)を50mlを添加し室温にて1時間攪拌の後、沈殿物をろ過して回収し、これを純水洗浄後乾燥し試料3とした。試料3に対し蛍光X線分析を実施したところシリコンは検出されず、試料3よりガラス成分が除去されていることが判明した。
また、X線回折の測定により試料3は、ルテニウムと鉛の複合酸化物であることを確認した。
【0037】
試料3:10gと粉体カーボン:5gを混合し、純度95%以上のアルミナルツボに装填し蓋をする。この時、磁性ルツボを用いると浸食されるので好ましくない。
このルツボを大気焼成用の電気炉に設置し900℃、2時間焙焼し試料4とした。
【0038】
焙焼後の試料4はルテニウムと鉛のメタルになっていることをX線回折の測定により確認した。
得られた試料4の全量に硝酸(1+1)を50ml添加し、室温で1時間攪拌した後、沈殿物をろ過回収し、純水洗浄後乾燥しルテニウムメタル金属が回収された。
この回収ルテニウムメタルにX線回折測定を実施したところ、純粋なルテニウムであることが確認された。この実施例におけるルテニウムメタルの収率は、前記電気抵抗体のスクラップ材に含有されていたルテニウムの91%であった。
【0039】
(比較例)
ルテニウム複合酸化物、ガラス成分および樹脂分等を含む抵抗ペースト材を電気炉に設置し、大気下において350℃、2時間焼成して樹脂分を除去し試料5とした。
得られた試料5の10gに硝酸(1+1)を50ml添加し、室温で1時間攪拌した後、沈殿物を濾過回収し、純水洗浄後乾燥した。
この回収沈殿物にX線回折測定を実施したところ、ルテニウムと鉛の複合酸化物であることが確認された。このことより、大気下における350℃、2時間焼成の前後で、ルテニウムと鉛の複合酸化物に変化のないことが確認された。また、この回収沈殿物に蛍光X線分析を実施したところ、シリコンの含有も確認された。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、ルテニウムとルテニウム以外の金属元素との複合酸化物や、ルテニウム酸化物より、ルテニウムメタルを回収する方法において、各々の金属元素を金属に還元する工程と、還元された前記金属に酸を加えて、ルテニウム以外の金属元素を溶解除去する工程とを有するものである、この発明により、取り扱いの困難な生成物を発生させることなく、比較的単純な工程でルテウニムメタルを回収することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る、ルテニウムの回収方法の概略構成を示すフロー図である。
【図2】本発明の異なる実施の形態に係る、ルテニウムの回収方法の概略構成を示すフロー図である。

Claims (5)

  1. ルテニウムと鉛との複合酸化物からルテニウムのメタルを回収する方法において、
    前記ルテニウムと鉛とを含む複合酸化物から各々の金属元素をメタルに還元する工程と、
    還元された前記メタルに酸を加えて、鉛を溶解除去する工程とを有し、
    前記ルテニウムと鉛とを含む複合酸化物から各々の金属元素をメタルに還元する工程において、還元雰囲気中における前記複合酸化物の加熱工程を用い、
    前記還元雰囲気として、大気と、カーボンおよび/または炭素化合物とを、混合加熱したものを用いることを特徴とするルテニウムメタルの回収方法。
  2. ルテニウムと鉛との複合酸化物と、ルテニウム酸化物との、混合物からルテニウムのメタルを回収する方法において、
    前記ルテニウムと鉛とを含む複合酸化物と、ルテニウム酸化物とから、各々の金属元素をメタルに還元する工程と、還元された前記メタルに酸を加えて、鉛を溶解除去する工程とを有し、
    前記ルテニウムと鉛とを含む複合酸化物と、前記ルテニウム酸化物とから、各々の金属元素をメタルに還元する工程において、還元雰囲気中における前記複合酸化物の加熱工程を用い、
    前記還元雰囲気として、大気と、カーボンおよび/または炭素化合物とを、混合加熱したものを用いることを特徴とするルテニウムメタルの回収方法。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のルテニウムメタルの回収方法において、前記ルテニウムと鉛とを含む複合酸化物、および/または前記ルテニウム酸化物をメタルに還元する工程の前に、前記ルテニウムと鉛とを含む複合酸化物、および/または前記ルテニウム酸化物を100℃以上に加熱する工程を設けることを特徴とするルテニウムメタルの回収方法。
  4. 請求項1または2のいずれかに記載のルテニウムメタルの回収方法において、前記ルテニウムと鉛とを含む複合酸化物、および/または前記ルテニウム酸化物をメタルに還元する工程の前に、前記ルテニウムと鉛とを含む複合酸化物、および/または前記ルテニウム酸化物をフッ化水素酸により処理する工程を設けることを特徴とするルテニウムメタルの回収方法。
  5. 請求項1または2のいずれかに記載のルテニウムメタルの回収方法において、前記ルテニウムと鉛とを含む複合酸化物、および/または前記ルテニウム酸化物をメタルに還元する工程の前に、前記ルテニウムと鉛とを含む複合酸化物、および/または前記ルテニウム酸化物を100℃以上に加熱する工程およびフッ化水素酸により処理する工程を設けることを特徴とするルテニウムメタルの回収方法。
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