JP2004292912A - ロジウム含有金属廃棄物等から高純度ロジウムを回収する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃熱電対等のロジウムを比較的高濃度で含有し、かつ他の白金族金属も含有する少量の金属廃棄物等から高純度のロジウムを安全、簡便、かつ効率的に回収する方法の提供。
【解決手段】ロジウム含有金属廃棄物を溶解し精製して得た、又はロジウム化合物含有廃液を精製して得た、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物を、固体の蓚酸と共に磁器ルツボに収納し、その上に加熱終了後も形態を維持できる無灰濾紙等の炭素または炭素含有物質を更に収納した後蓋をし、次いで該ルツボを径の大きな別の磁器ルツボに収納し、内側ルツボと外側ルツボの間に加熱により炭化する物質又は炭素を入れた後、外側ルツボに蓋をして、高温にて加熱処理する。
【解決手段】ロジウム含有金属廃棄物を溶解し精製して得た、又はロジウム化合物含有廃液を精製して得た、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物を、固体の蓚酸と共に磁器ルツボに収納し、その上に加熱終了後も形態を維持できる無灰濾紙等の炭素または炭素含有物質を更に収納した後蓋をし、次いで該ルツボを径の大きな別の磁器ルツボに収納し、内側ルツボと外側ルツボの間に加熱により炭化する物質又は炭素を入れた後、外側ルツボに蓋をして、高温にて加熱処理する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃熱電対等のロジウム含有金属廃棄物から高純度のロジウムを回収する方法に関する。より詳しくは、廃熱電対等のロジウムを比較的高比率で含有し、かつ他の白金族金属をも合わせ含有する少量の貴金属廃棄物等から高純度のロジウムを比較的簡便、かつ安全に回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明が回収対象とするロジウムは、自動車排ガス触媒、化学反応用触媒あるいは熱電対等に利用され、貴重で高価な金属であり、その単価は1グラム当たり5000円前後である。このような用途と特性を有するロジウムは、銅の電解精錬過程の副産物として製造される。また、大量に廃棄される自動車排ガス触媒等の廃棄物からも回収されている(特開平5−125461号公報、特開平8−199252号公報)。
【0003】
前記した各利用分野においては、ロジウムは、いずれも高純度のものが要求されるが、そのロジウムは、先の副産物として製造される際には、電解槽中にできる各種白金属化合物が共存する沈殿物から分離されるものであり、また廃棄物から回収される過程においても、各種白金属化合物が共存しており、その中から分離されるものである。
【0004】
そのロジウムと、他の白金属化合物との分離は、一般的に還元する前に行われている。すなわち、ロジウムと他の白金属化合物とが共存する溶液から他の白金属化合物を分離し、高純度のロジウム化合物溶液とした後に金属ロジウムへの還元が行われる。そのための分離法としては、結晶化法(沈殿分離法)、イオン交換法あるいは溶媒抽出法等が一般的に知られており(特開平10−25525号公報)、またそれらを組み合わせ使用することも知られている(特開平8−199252号公報)。
【0005】
高純度のロジウム化合物から金属ロジウムへの還元は、従来ロジウム化合物を王水で溶解して塩化物とした後、塩化アンモニウムと化合させて析出させた塩化ロジウム酸アンモニウムを焙焼し、この焙焼過程で副生した酸化ロジウムを含有する焙焼物を管状電気炉に挿入し、水素ガスを流しながら加熱して副生した酸化ロジウムを水素ガスで還元するのが一般的な方法である(実験化学講座10 「稀有金属の製造」、丸善(株)発行、第356〜358頁)が、この水素ガスによる還元方法には、下記のとおりの問題がある。
【0006】
[水素ガスによる還元の危険性等]
▲1▼管状電気炉で水素ガスにより還元を行うために水素ガスを炉内に安全に送入するには、その前に炉内の空気(酸素)を完全に除去することが必要であり、そのためには前もって炉内を不活性ガスで置換する操作が必要となる。
▲2▼更に、還元処理終了後は、水素ガスを炉内からパージすることが必要であり、それを安全に行うには、還元処理前と同様に再度炉内を不活性ガスで置換する操作が必要となる。
【0007】
[不活性ガスによる炉冷却の長時間継続等]
還元後に生成するロジウム粉末は非常に活性化しており、これを管状電気炉内から化学変化させることなく取り出すには、管状電気炉全体を化学反応が発生しないような不活性状態下で完全に冷却させることが必要となる。そのため冷却は、不活性ガスを炉内に送入し続けた状態下で行うこととなり、不活性ガスの炉内への送入が長時間継続されることとなる。
【0008】
前記した従来から行われている水素ガスによる還元は、危険性を伴うことから十分に安全を配慮した設備が必要となり、その安全のために還元処理も長時間を要し、効率性にも欠けるものとなる。特に、ロジウム含有率は高いものの、全量が少ない廃熱電対等の廃棄物からロジウムを回収するために利用するには、設備投資と長時間処理のため非効率であり、適切性に欠ける方法である。
【0009】
このようにロジウム含有率は高いものの、全量が少ない廃棄物には、前記した廃熱電対以外に、めっき廃液、装飾用白金廃棄物、変色防止めっきが施された貴金属装飾品廃棄物等がある。それらは前記したとおり全体量がいずれも少量であるが、ロジウムが高価で貴重な金属であることから、小規模な回収にも適する、安全、簡便、かつ効率的な還元方法が開発されれば、貴重かつ高価な金属であるロジウムには、好適な回収方法の道が拓けることになる。そのようなことで、本発明者は、ロジウム含量100g前後の廃棄物中から、安全、簡便、かつ効率的に、ロジウムを高純度で回収することができる回収方法、特に還元方法を開発すべく研究に着手した。
【0010】
その開発にあたりまず先行技術を調査したところ、低ナトリウム、低塩素、かつ低酸素のロジウムを製造するために、他の白金属元素を分離された高純度のロジウム溶液に水素を吹き込み、ロジウムを金属粉として析出させ、その後この金属粉を水素雰囲気中800〜1000℃で加熱する方法(特開平8−199252号公報)の提案があった。この提案の方法においても、水素ガスは2段階の処理過程において使用されており、水素ガスの危険性の問題及びその対処については従来から行われている水素による還元方法と何ら変わるところはない。
【0011】
ロジウムの回収に関してはそれ以外にも提案があり、それには、ロジウム溶液の結晶化精製法(特開平10−25525号公報)、貴金属含有滓からの硫酸塩化剤を用いることによるロジウム化合物の抽出分離法(特開平5−125461号公報)、あるいはロジウム等の貴金属を含有するスクラップを活性炭等の炭素含有物と水蒸気との共存下で焼成する発生した水性ガスによる貴金属を回収する際の前処理還元法(特開平5−255771号)等がある。
【0012】
これら提案における技術に関しては、2段階の水素による処理だけが高純度のロジウム溶液から還元することにより直接高純度のロジウムを製造しようとするものであり、他の提案は前記したとおりの内容であるから、高純度のロジウム溶液を還元することにより直接高純度のロジウムを製造しようとするような技術に該当するものではない。してみると、これら提案の技術には、水素ガスを用いることなく還元することにより、高純度のロジウムを製造しようものは見当たらない。
【0013】
前記のとおりであるから、前記従来技術及び前記した提案の技術では、ロジウムを比較的高濃度で含有する金属廃棄物等から、まず高純度のロジウム化合物を生成し、次いで該ロジウム化合物を危険な水素ガスを用いることなく還元することにより、高純度のロジウムを回収することはできず、本発明者が知る限りそのような技術は今のところ見当たらない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、廃熱電対等のロジウムを比較的高比率で含有し、かつ他の白金族金属をも合わせ含有する少量の貴金属廃棄物、他の金属との分離が比較的簡単なロジウム含有金属廃棄物、又は他の金属化合物の分離が比較的簡単なロジウム化合物含有廃液から、まず高純度のロジウム化合物を生成し、次いで該ロジウム化合物を炉内で水素ガスを用いることなく還元し、その後炉内から取り出すだけで、還元後特別な処理を行うことなく、高純度のロジウムを回収する方法を提供することを発明の解決すべき課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記した高純度ロジウムを回収する方法を提供するものであり、その方法は、ロジウム含有金属廃棄物を溶解し分離精製して得た、又はロジウム化合物含有廃液を分離精製して得た、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物を、固体の蓚酸と共に磁器ルツボに収納し、その上に加熱終了後も形態を維持できる炭素又は炭素含有物質を更に収納した後蓋をし、次いで該ルツボを径の大きな別の磁器ルツボに収納し、内側ルツボと外側ルツボの間に加熱により炭化する物質又は炭素を入れた後、外側ルツボに蓋をして、加熱処理することを特徴とするものである。
【0016】
そして、この回収方法では、還元後100℃程度まで炉内を冷却し、ロジウムと炉内で共存する高純度炭素固形物あるいは無灰濾紙等の炭素又は炭素含有物質は、還元後も形態を維持できるものであるから、両者は特別な分離手段を用いることなく、簡単に固々分離でき、本発明では、還元後はこの分離を行うだけで高純度ロジウムを回収することができる。また、還元後の冷却は従来技術のように還元時に水素を使用することもないので、特別の注意を払う必要もなく極めて簡便である。以上のとおりであるから、本発明では、貴重かつ高価な高純度のロジウムが、安全、簡便、かつ効率的に回収することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明の高純度ロジウムを回収する方法は、ロジウム含有金属廃棄物を溶解し分離精製して得た、又はロジウム化合物含有廃液を分離精製して得た、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物を固体の蓚酸と共に磁器ルツボに収納し、その上に加熱終了後も形態を維持できる炭素又は炭素含有物質を更に収納した後蓋をし、次いで該ルツボを径の大きな別の磁器ルツボに収納し、内側ルツボと外側ルツボの間に加熱により炭化する物質又は炭素を入れた後外側ルツボに蓋をして、加熱処理することを特徴とするものである。
【0018】
本発明が回収対象とするロジウムを含有する廃棄物あるいは廃液としては、ロジウムを比較的高比率で含有し、かつ他の白金族金属をも合わせ含有する貴金属廃棄物、他の金属との分離が比較的簡単なロジウム含有金属廃棄物、又は他の金属化合物との分離が比較的簡単なロジウム化合物含有廃液であり、ロジウムを比較的高比率で含有し、かつ他の白金族金属をも合わせ含有する貴金属廃棄物としては廃熱電対、他の金属との分離が比較的簡単なロジウム含有金属廃棄物としては、装飾用白金廃棄物、変色防止めっきが施された廃銀製品等の貴金属装飾品廃棄物等が例示できる。また、前記ロジウム化合物含有廃液としては、ロジウムメッキ廃液が例示できる。
【0019】
本発明は前記のとおりであるが、この中でもロジウムを高比率で含有する少量の廃棄物から高純度のロジウムを回収するのに特に適しており、本発明の高純度ロジウムの回収方法は、比較的廃棄物の量が少なく、かつロジウムを比較的高比率で含有する廃熱電対からのロジウムの回収に特に好適である。また、前記したとおり含有比率が低くても、共存する他の金属との分離が簡単な廃棄物中のロジウムの回収にも適しており、装飾用白金廃棄物あるいは変色防止めっきが施された貴金属装飾品廃棄物等からのロジウムの回収にも好適である。
【0020】
本発明では、これらの廃棄物あるいは廃液から高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムを生成することになるが、その際に使用する分離精製技術としては、該廃棄物を溶解した溶液あるいは該廃液から、ロジウムと共存する他の白金属化合物とが分離できる技術であれば特に制限されることはなく、それには、前記した結晶化法(沈殿分離法)、イオン交換法、溶媒抽出法あるいはそれらの組み合わせ等が例示できるが、小規模かつ低コストで処理できる結晶化法とイオン交換法との組み合わせが本発明には好適である。前記した分離精製技術を具体的に示すと以下のとおりである。
【0021】
結晶化法には、亜硝酸塩の安定度の差を利用する方法、ロジウムが難溶性の錯塩を形成することを利用する方法等の複数の方法があり、前者は、廃熱電対等を溶解することにより得られる等のロジウムを含む白金属元素を含有する塩酸溶液に亜硝酸塩を混合することにより形成された白金属元素の亜硝酸塩の安定度の差を利用してロジウム以外の白金属元素を沈殿分離した後溶液中のロジウム濃度を高め、ついで溶液中よりロジウムを分離する方法である。
【0022】
また、後者は、ロジウムが難溶性の錯塩を形成することを利用する方法であり、廃熱電対等を溶解することにより得られる等のロジウムを含む白金属元素を含有する溶液に塩化アンモニウムあるいはエチレンジアミン等のアミン類を添加して、難溶性クロロ錯体を形成しロジウムの錯塩を沈殿させることにより他の白金属元素と固液分離する方法である。
【0023】
イオン交換法は、塩化ロジウムと共存する白金属塩酸塩が、陰イオン交換樹脂に吸着する性質を利用する方法であり、その際廃熱電対等を溶解することにより得られる等のロジウムを含む白金属元素を含有する塩酸溶液中の塩化ロジウムは陰イオン交換樹脂に吸着することがないのでそれ以外の白金属金属の塩酸塩と分離できる。また、溶媒抽出法はロジウム以外の白金属元素の塩酸塩がトリブチルリン酸に抽出されることを利用する方法であり、この方法は多量の原料を大規模な装置を用いて処理するのに適している。
【0024】
本発明における高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムを生成する際に使用する分離精製技術としては、小規模かつ低コストで処理できることから結晶化法とイオン交換法との組み合わせが好ましいことは前記したとおりであるが、本発明で採用する前記組み合わせ方法をより具体的に述べると以下のとおりである。廃熱電対等を溶解した白金属元素化合物から予めロジウム以外の白金等の白金属元素化合物を塩化アンモニウム飽和溶液で沈澱分離し、分離後得られた粗塩化ロジウム溶液を、陰イオン交換樹脂を充填したカラムに通液する。
【0025】
その際には、粗塩化ロジウム溶液は、塩酸濃度が1N/L前後の濃度となるように純水により予め調節するのがよい。また、そのイオン交換処理においては、該溶液中に残留した塩化白金酸は溶液中で陰イオンの塩化白金酸イオンとなっており該陰イオン交換樹脂に吸着するが、塩化ロジウムは陽イオンのロジウムイオンとなっていることから吸着されることなく、カラムを通過するので、塩化ロジウム溶液中に残留する塩化白金酸は除去され、その結果塩化ロジウム溶液は精製される。
【0026】
その際に塩酸濃度が高いとロジウムもイオン交換樹脂に吸着される上に該樹脂は劣化されることになる。また逆に低いと塩化白金酸の一部が塩化白金となり、それが吸着されることなく通過し易くなり、ロジウムとの分離が不完全になる。さらに、このイオン交換法でイオン交換樹脂を充填するのに使用するカラムとしては、水道ホース等の合成樹脂製ホースが細いことから少量で長いカラムとすることができ、かつ焼却することにより吸着された貴金属成分が回収できることから好ましい。
【0027】
本発明において高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムを生成するには、廃熱電対等の廃棄物の場合には、固体であるからまずそれを溶解し、ロジウムを溶液化することが必要になるが、その際の溶解には既存の技術が特に制限されることなく使用でき、それには、直接王水溶解法、白金合金法、鉛合金法又は亜鉛合金法等など例示できる。それぞれの溶解法に関し具体的に述べると以下のとおりである。
【0028】
直接王水溶解法は、ロジウムと他の白金族元素とを含有する合金を加熱した王水で少しずつ溶解するものであり、溶解することにより塩化ロジウム含有液が得られるが、合金中のロジウムの含有量が10%を越えると王水に溶解し難くなり、溶解するには長時間を要することとなる。なお、金属ロジウム単独の場合には、ロジウムは全く溶解しない。白金合金法は、ロジウム含有廃棄物等の溶解対象物に白金を加えて加熱溶融してロジウム含有量5%程度の合金を造り、その後該合金を王水に溶解して、塩化白金と塩化ロジウムとを含有する混合溶液を作成する方法である。
【0029】
鉛合金法は、溶解対象物に必要なら鉛を加えて加熱溶融して、ロジウム及び白金の含有量がそれぞれ5%以下となるような鉛合金をまず造り、その後硝酸で処理して鉛を溶解することにより、白金及びロジウムの微粉末を得る。ついで、この微粉末を希王水で処理することにより白金だけを溶解して粗ロジウム粉末を得、これを王水で溶解することにより粗塩化ロジウム溶液を得る方法である。
【0030】
亜鉛合金法は以下のとおりの方法である。すなわち、鉛合金法と同様に溶解対象物に必要に応じて亜鉛を加えて加熱溶融して、ロジウム及び白金の含有量がそれぞれ5%以下となるような亜鉛合金をまず造る。ついで、この合金を塩酸で処理して亜鉛だけを溶解して微粉末を得る。この得られた微粉末を希王水で処理することにより白金だけを溶解し、粗ロジウム粉末を得る。この粗ロジウム粉末を王水で溶解することにより粗塩化ロジウム溶液を得る方法である。
【0031】
本発明においては、処理対象物がロジウム含有白金属金属の廃棄物の場合には、いずれの溶解方法も使用可能ではあるが、廃棄物がロジウムを10〜13wt%、白金を87〜90wt%含有する廃熱電対の場合には、処理費用、処理手数の点で、直接王水溶解法が好ましい。この廃熱電対を直接王水溶解法で溶解する場合に関し、好ましい態様を詳細かつより具体的に述べると以下のとおりである。廃熱電対100g当たり1Lの容積を目安として、溶解させる廃熱電対の重量に応じたガラス容器を選定し、その容器に廃熱電対をまず入れる。その後王水を規定容量まで満たし、70〜90℃の範囲で24時間以上加熱して、廃熱電対を完全溶解させる。
【0032】
次に、この廃熱電対を溶解した溶液に関し、その溶液から粗ロジウム塩を生成し、更に高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムを生成するまでの好ましい態様を以下において詳細かつ具体的に述べる。
前記した廃熱電対を溶解した溶液をまず脱硝する。脱硝は該溶液に濃塩酸を添加して煮沸し硝酸を気化させることで行う。
【0033】
この煮沸処理は硝酸から発生する褐色ガスが目視できなくなるまで、濃塩酸を加えながら数回繰り返す。この脱硝処理後は、前記溶液中の白金及びロジウムは塩化物となる。なお、この煮沸処理回数は1回当たりの濃塩酸の添加量により異なり、その量は特に限定されるわけではないが、該溶液1L当たり、1000〜1500mLを目安とするのがよい。
【0034】
脱硝処理終了後の液に、等量の塩化アンモニウム飽和溶液を添加し、白金を塩化白金酸アンモニウムとして析出・沈澱させ、濾別する。この析出、濾別処理により白金の95〜99%は分離できる。濾別した後、濾液に王水を加えて煮沸してアンモニア成分を揮発除去し、濾液中のロジウムは塩化物に、また残留する白金は塩化白金酸にそれぞれ再度戻す。
【0035】
この揮発処理後の濾液を陰イオン交換樹脂を充填したカラムに通液し、塩化白金酸を陰イオン交換樹脂に吸着し、塩化ロジウムをイオン交換樹脂に吸着させることなく通過させることにより、白金とロジウムを分離する。この分離処理により白金が分離された塩化ロジウム溶液が得られ、この溶液に塩化アンモニウムとエタノールが1:1からなる混合液を等量添加し、塩化ロジウム酸アンモニウムを沈澱、濾別して高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムを得る。
【0036】
本発明では、この高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムを焙焼することになるが、その焙焼は、大部分の塩化ロジウム酸アンモニウムが金属ロジウムに還元され、少量の酸化ロジウムが副生するものである限り特に制限されことはないが、温度600〜800℃で大気中で行うのが好ましい。焙焼に使用する炉についても特に制限されるとことはなく、前記したのものが生成できる限り各種のものが使用可能である。
【0037】
次に、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物及び固体の蓚酸を磁器ルツボ内に収納することになるが、その収納は両者をよく混合した状態で行うのがよいが、固体の蓚酸をまず底部に配置し、その上に前記焙焼物を配置した状態で収納してもよいし、その逆に配置した状態で収納してもよい。磁器ルツボは、各種のものが特に制限されることなく使用可能であり、それには化学磁器あるいはアルミナ磁器等があるが、経済性及び温度変化に対する強度の点で化学磁器が好ましい。なお、石英ルツボも技術的には使用可能ではあるが経済性の点で劣る。
【0038】
本発明においては、蓚酸は前記副生した酸化ロジウムを還元するために使用されるものであり、それはルツボ内で加熱により熱分解されて、一酸化炭素、二酸化炭素及び水になる。その生成した一酸化炭素は還元性ガスであり、副生した酸化ロジウムを還元するために使用される。その使用量は、塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物の1/5〜1/20がよく、好ましくは1/10〜1/20がよい。
【0039】
また、炭素又は炭素含有物質については、加熱終了後も形態を維持できる炭素又は炭素含有物質で、加熱後簡便な固々分離でロジウムから分離できて、還元後ロジウムの純度を低下させることがないものであれば特に制限されることなく使用可能であり、それには無灰濾紙あるいは高純度炭素固形物(例えば発光分光分析に使用するアーク光発生用棒状又は板状黒鉛)が例示できるが、入手が容易で取り扱いが簡便な無灰濾紙が好ましい。
【0040】
本発明において、加熱終了後も形態を維持できるとは、加熱終了後にロジウム取出しのために内側ルツボの蓋を開けた際に、炭素又は炭素含有物質が収納時と同様の形態を維持していることを意味するものである。したがって、炭素又は炭化した炭素含有物質は、取り出し時に形態が破壊されてもよい。例えば、無灰濾紙の場合には、加熱終了後に内側ルツボの蓋を開けた際に形状が維持されていればよく、取り出し時に形状が破壊された場合には、気体を吹き付けることによりロジウムと簡便に分離できる。
【0041】
本発明において、内側ルツボと外側ルツボの間に入れる加熱により炭化する物質あるいは炭素は、還元終了後の冷却時に外気の酸素が内側ルツボに侵入することを抑制するためのものであり、それらのものとしては、無灰濾紙等の各種の紙、活性炭又は備長炭等の大気中もしくは不活性ガス中で加熱することにより炭化し炭化後形態を維持できる物質又は炭素固形物等がある。
【0042】
以上のとおりであるが、冷却時に内側ルツボ内にそれらが入りこむこともあり得るので、内側ルツボと外側ルツボの間に入れる加熱により炭化する物質あるいは炭素については、高純度の炭素あるいは炭化後可能な限り高純度の炭素となるものが好ましい。特に、無灰濾紙は、入手の容易性、取り扱いの簡便性、経済性及び炭化後高純度炭素となる等の点で好ましい。
【0043】
本発明における加熱処理は、焙焼物中に存在した酸化ロジウムをほぼ完璧に還元するものであり、具体的には還元後の金属ロジウムの純度が99.99%以上であることが好ましいのであるから、加熱温度はその還元ができる限り特に制限されることはないが、600〜800℃の範囲で加熱することが好ましく、また加熱処理時間は0.5〜1時間が好ましい。
【0044】
【実施例】
以下に、本発明に関し、実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、この実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。市販の塩化ロジウム(関東化学社製)の15%水溶液に、塩化アンモニウム飽和溶液とエタノールが1:1からなる液を等量を添加し、塩化ロジウム酸アンモニウムを沈澱させて、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムをまず生成する。
【0045】
この塩化ロジウム酸アンモニウムを焙焼して酸化ロジウムを約5%含有するロジウム粉末を得る。このロジウム粉末100gと特級蓚酸10gとを混合し、混合物を容積100mlのB3型磁器ルツボに強く詰め、その上に分析用C濾紙2枚を該混合物に密着しないように逆船形等の形状にして前記磁器ルツボの上部に置き、このルツボに磁器製の蓋をする。
【0046】
その後、この蓋をしたB3型磁器ルツボを一回り大きなB4型磁器ルツボに挿入し、両ルツボの間隙の底部に特級蓚酸10gを敷き、その上部に分析用C濾紙を4枚詰め、その後外側のB4型ルツボも蓋をする。ついで、それらルツボを箱型電気炉に入れ、30分で700℃になる昇温速度で加熱し、加熱後同温度に10分保持して、蓚酸を完全に熱分解させる。なお、熱分解の終了の確認は、ルツボの蓋から発生する分解ガスの挙動を目視にて観察することで行う。
【0047】
この熱分解ガスの発生終了を確認したら、箱型電気炉を一気に950℃に温度上昇させ、10分間保持して、一酸化炭素ガスによる還元作用を完結させる。その後、同電気炉内にて自然冷却させ、温度が200℃に低下した時点で磁器ルツボを蓋が外れないように注意して箱型電気炉から専用のルツボ鋏みを使用して取り出し、室温にて冷却する。
【0048】
磁器ルツボが完全に冷却した後、蓋を開けルツボ内に残っている炭化した濾紙片をピンセット等により取り除いたところ、濃銀白色のスポンジ状の金属ロジウムが得られた。このロジウムを発光分析法にて分析したところ純度99.99%以上であった。以上のとおりであり、本実施例により、水素を還元時に使用することなく、高純度のロジウムを回収できることが確認できた。
【0049】
【発明の効果】
本発明のロジウム回収方法では、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物、すなわち酸化ロジウムを含有するロジウム粉末と固体の蓚酸とを磁器ルツボ内に充填し高温で還元することにより、酸化ロジウムを完全に金属ロジウムにするものであり、還元後は特別な分離手段を用いることなく、簡単に金属ロジウムと炉内に残留する他の物質とを固々分離できる。また、酸化ロジウムの還元には、水素を使用することもないので、還元時及び還元後の金属ロジウム取り出し時に特別の注意を払う必要もなく極めて簡便である。以上のとおりであるから、本発明では、貴重かつ高価な高純度のロジウムが、安全、簡便、かつ効率的に回収することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃熱電対等のロジウム含有金属廃棄物から高純度のロジウムを回収する方法に関する。より詳しくは、廃熱電対等のロジウムを比較的高比率で含有し、かつ他の白金族金属をも合わせ含有する少量の貴金属廃棄物等から高純度のロジウムを比較的簡便、かつ安全に回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明が回収対象とするロジウムは、自動車排ガス触媒、化学反応用触媒あるいは熱電対等に利用され、貴重で高価な金属であり、その単価は1グラム当たり5000円前後である。このような用途と特性を有するロジウムは、銅の電解精錬過程の副産物として製造される。また、大量に廃棄される自動車排ガス触媒等の廃棄物からも回収されている(特開平5−125461号公報、特開平8−199252号公報)。
【0003】
前記した各利用分野においては、ロジウムは、いずれも高純度のものが要求されるが、そのロジウムは、先の副産物として製造される際には、電解槽中にできる各種白金属化合物が共存する沈殿物から分離されるものであり、また廃棄物から回収される過程においても、各種白金属化合物が共存しており、その中から分離されるものである。
【0004】
そのロジウムと、他の白金属化合物との分離は、一般的に還元する前に行われている。すなわち、ロジウムと他の白金属化合物とが共存する溶液から他の白金属化合物を分離し、高純度のロジウム化合物溶液とした後に金属ロジウムへの還元が行われる。そのための分離法としては、結晶化法(沈殿分離法)、イオン交換法あるいは溶媒抽出法等が一般的に知られており(特開平10−25525号公報)、またそれらを組み合わせ使用することも知られている(特開平8−199252号公報)。
【0005】
高純度のロジウム化合物から金属ロジウムへの還元は、従来ロジウム化合物を王水で溶解して塩化物とした後、塩化アンモニウムと化合させて析出させた塩化ロジウム酸アンモニウムを焙焼し、この焙焼過程で副生した酸化ロジウムを含有する焙焼物を管状電気炉に挿入し、水素ガスを流しながら加熱して副生した酸化ロジウムを水素ガスで還元するのが一般的な方法である(実験化学講座10 「稀有金属の製造」、丸善(株)発行、第356〜358頁)が、この水素ガスによる還元方法には、下記のとおりの問題がある。
【0006】
[水素ガスによる還元の危険性等]
▲1▼管状電気炉で水素ガスにより還元を行うために水素ガスを炉内に安全に送入するには、その前に炉内の空気(酸素)を完全に除去することが必要であり、そのためには前もって炉内を不活性ガスで置換する操作が必要となる。
▲2▼更に、還元処理終了後は、水素ガスを炉内からパージすることが必要であり、それを安全に行うには、還元処理前と同様に再度炉内を不活性ガスで置換する操作が必要となる。
【0007】
[不活性ガスによる炉冷却の長時間継続等]
還元後に生成するロジウム粉末は非常に活性化しており、これを管状電気炉内から化学変化させることなく取り出すには、管状電気炉全体を化学反応が発生しないような不活性状態下で完全に冷却させることが必要となる。そのため冷却は、不活性ガスを炉内に送入し続けた状態下で行うこととなり、不活性ガスの炉内への送入が長時間継続されることとなる。
【0008】
前記した従来から行われている水素ガスによる還元は、危険性を伴うことから十分に安全を配慮した設備が必要となり、その安全のために還元処理も長時間を要し、効率性にも欠けるものとなる。特に、ロジウム含有率は高いものの、全量が少ない廃熱電対等の廃棄物からロジウムを回収するために利用するには、設備投資と長時間処理のため非効率であり、適切性に欠ける方法である。
【0009】
このようにロジウム含有率は高いものの、全量が少ない廃棄物には、前記した廃熱電対以外に、めっき廃液、装飾用白金廃棄物、変色防止めっきが施された貴金属装飾品廃棄物等がある。それらは前記したとおり全体量がいずれも少量であるが、ロジウムが高価で貴重な金属であることから、小規模な回収にも適する、安全、簡便、かつ効率的な還元方法が開発されれば、貴重かつ高価な金属であるロジウムには、好適な回収方法の道が拓けることになる。そのようなことで、本発明者は、ロジウム含量100g前後の廃棄物中から、安全、簡便、かつ効率的に、ロジウムを高純度で回収することができる回収方法、特に還元方法を開発すべく研究に着手した。
【0010】
その開発にあたりまず先行技術を調査したところ、低ナトリウム、低塩素、かつ低酸素のロジウムを製造するために、他の白金属元素を分離された高純度のロジウム溶液に水素を吹き込み、ロジウムを金属粉として析出させ、その後この金属粉を水素雰囲気中800〜1000℃で加熱する方法(特開平8−199252号公報)の提案があった。この提案の方法においても、水素ガスは2段階の処理過程において使用されており、水素ガスの危険性の問題及びその対処については従来から行われている水素による還元方法と何ら変わるところはない。
【0011】
ロジウムの回収に関してはそれ以外にも提案があり、それには、ロジウム溶液の結晶化精製法(特開平10−25525号公報)、貴金属含有滓からの硫酸塩化剤を用いることによるロジウム化合物の抽出分離法(特開平5−125461号公報)、あるいはロジウム等の貴金属を含有するスクラップを活性炭等の炭素含有物と水蒸気との共存下で焼成する発生した水性ガスによる貴金属を回収する際の前処理還元法(特開平5−255771号)等がある。
【0012】
これら提案における技術に関しては、2段階の水素による処理だけが高純度のロジウム溶液から還元することにより直接高純度のロジウムを製造しようとするものであり、他の提案は前記したとおりの内容であるから、高純度のロジウム溶液を還元することにより直接高純度のロジウムを製造しようとするような技術に該当するものではない。してみると、これら提案の技術には、水素ガスを用いることなく還元することにより、高純度のロジウムを製造しようものは見当たらない。
【0013】
前記のとおりであるから、前記従来技術及び前記した提案の技術では、ロジウムを比較的高濃度で含有する金属廃棄物等から、まず高純度のロジウム化合物を生成し、次いで該ロジウム化合物を危険な水素ガスを用いることなく還元することにより、高純度のロジウムを回収することはできず、本発明者が知る限りそのような技術は今のところ見当たらない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、廃熱電対等のロジウムを比較的高比率で含有し、かつ他の白金族金属をも合わせ含有する少量の貴金属廃棄物、他の金属との分離が比較的簡単なロジウム含有金属廃棄物、又は他の金属化合物の分離が比較的簡単なロジウム化合物含有廃液から、まず高純度のロジウム化合物を生成し、次いで該ロジウム化合物を炉内で水素ガスを用いることなく還元し、その後炉内から取り出すだけで、還元後特別な処理を行うことなく、高純度のロジウムを回収する方法を提供することを発明の解決すべき課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記した高純度ロジウムを回収する方法を提供するものであり、その方法は、ロジウム含有金属廃棄物を溶解し分離精製して得た、又はロジウム化合物含有廃液を分離精製して得た、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物を、固体の蓚酸と共に磁器ルツボに収納し、その上に加熱終了後も形態を維持できる炭素又は炭素含有物質を更に収納した後蓋をし、次いで該ルツボを径の大きな別の磁器ルツボに収納し、内側ルツボと外側ルツボの間に加熱により炭化する物質又は炭素を入れた後、外側ルツボに蓋をして、加熱処理することを特徴とするものである。
【0016】
そして、この回収方法では、還元後100℃程度まで炉内を冷却し、ロジウムと炉内で共存する高純度炭素固形物あるいは無灰濾紙等の炭素又は炭素含有物質は、還元後も形態を維持できるものであるから、両者は特別な分離手段を用いることなく、簡単に固々分離でき、本発明では、還元後はこの分離を行うだけで高純度ロジウムを回収することができる。また、還元後の冷却は従来技術のように還元時に水素を使用することもないので、特別の注意を払う必要もなく極めて簡便である。以上のとおりであるから、本発明では、貴重かつ高価な高純度のロジウムが、安全、簡便、かつ効率的に回収することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明の高純度ロジウムを回収する方法は、ロジウム含有金属廃棄物を溶解し分離精製して得た、又はロジウム化合物含有廃液を分離精製して得た、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物を固体の蓚酸と共に磁器ルツボに収納し、その上に加熱終了後も形態を維持できる炭素又は炭素含有物質を更に収納した後蓋をし、次いで該ルツボを径の大きな別の磁器ルツボに収納し、内側ルツボと外側ルツボの間に加熱により炭化する物質又は炭素を入れた後外側ルツボに蓋をして、加熱処理することを特徴とするものである。
【0018】
本発明が回収対象とするロジウムを含有する廃棄物あるいは廃液としては、ロジウムを比較的高比率で含有し、かつ他の白金族金属をも合わせ含有する貴金属廃棄物、他の金属との分離が比較的簡単なロジウム含有金属廃棄物、又は他の金属化合物との分離が比較的簡単なロジウム化合物含有廃液であり、ロジウムを比較的高比率で含有し、かつ他の白金族金属をも合わせ含有する貴金属廃棄物としては廃熱電対、他の金属との分離が比較的簡単なロジウム含有金属廃棄物としては、装飾用白金廃棄物、変色防止めっきが施された廃銀製品等の貴金属装飾品廃棄物等が例示できる。また、前記ロジウム化合物含有廃液としては、ロジウムメッキ廃液が例示できる。
【0019】
本発明は前記のとおりであるが、この中でもロジウムを高比率で含有する少量の廃棄物から高純度のロジウムを回収するのに特に適しており、本発明の高純度ロジウムの回収方法は、比較的廃棄物の量が少なく、かつロジウムを比較的高比率で含有する廃熱電対からのロジウムの回収に特に好適である。また、前記したとおり含有比率が低くても、共存する他の金属との分離が簡単な廃棄物中のロジウムの回収にも適しており、装飾用白金廃棄物あるいは変色防止めっきが施された貴金属装飾品廃棄物等からのロジウムの回収にも好適である。
【0020】
本発明では、これらの廃棄物あるいは廃液から高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムを生成することになるが、その際に使用する分離精製技術としては、該廃棄物を溶解した溶液あるいは該廃液から、ロジウムと共存する他の白金属化合物とが分離できる技術であれば特に制限されることはなく、それには、前記した結晶化法(沈殿分離法)、イオン交換法、溶媒抽出法あるいはそれらの組み合わせ等が例示できるが、小規模かつ低コストで処理できる結晶化法とイオン交換法との組み合わせが本発明には好適である。前記した分離精製技術を具体的に示すと以下のとおりである。
【0021】
結晶化法には、亜硝酸塩の安定度の差を利用する方法、ロジウムが難溶性の錯塩を形成することを利用する方法等の複数の方法があり、前者は、廃熱電対等を溶解することにより得られる等のロジウムを含む白金属元素を含有する塩酸溶液に亜硝酸塩を混合することにより形成された白金属元素の亜硝酸塩の安定度の差を利用してロジウム以外の白金属元素を沈殿分離した後溶液中のロジウム濃度を高め、ついで溶液中よりロジウムを分離する方法である。
【0022】
また、後者は、ロジウムが難溶性の錯塩を形成することを利用する方法であり、廃熱電対等を溶解することにより得られる等のロジウムを含む白金属元素を含有する溶液に塩化アンモニウムあるいはエチレンジアミン等のアミン類を添加して、難溶性クロロ錯体を形成しロジウムの錯塩を沈殿させることにより他の白金属元素と固液分離する方法である。
【0023】
イオン交換法は、塩化ロジウムと共存する白金属塩酸塩が、陰イオン交換樹脂に吸着する性質を利用する方法であり、その際廃熱電対等を溶解することにより得られる等のロジウムを含む白金属元素を含有する塩酸溶液中の塩化ロジウムは陰イオン交換樹脂に吸着することがないのでそれ以外の白金属金属の塩酸塩と分離できる。また、溶媒抽出法はロジウム以外の白金属元素の塩酸塩がトリブチルリン酸に抽出されることを利用する方法であり、この方法は多量の原料を大規模な装置を用いて処理するのに適している。
【0024】
本発明における高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムを生成する際に使用する分離精製技術としては、小規模かつ低コストで処理できることから結晶化法とイオン交換法との組み合わせが好ましいことは前記したとおりであるが、本発明で採用する前記組み合わせ方法をより具体的に述べると以下のとおりである。廃熱電対等を溶解した白金属元素化合物から予めロジウム以外の白金等の白金属元素化合物を塩化アンモニウム飽和溶液で沈澱分離し、分離後得られた粗塩化ロジウム溶液を、陰イオン交換樹脂を充填したカラムに通液する。
【0025】
その際には、粗塩化ロジウム溶液は、塩酸濃度が1N/L前後の濃度となるように純水により予め調節するのがよい。また、そのイオン交換処理においては、該溶液中に残留した塩化白金酸は溶液中で陰イオンの塩化白金酸イオンとなっており該陰イオン交換樹脂に吸着するが、塩化ロジウムは陽イオンのロジウムイオンとなっていることから吸着されることなく、カラムを通過するので、塩化ロジウム溶液中に残留する塩化白金酸は除去され、その結果塩化ロジウム溶液は精製される。
【0026】
その際に塩酸濃度が高いとロジウムもイオン交換樹脂に吸着される上に該樹脂は劣化されることになる。また逆に低いと塩化白金酸の一部が塩化白金となり、それが吸着されることなく通過し易くなり、ロジウムとの分離が不完全になる。さらに、このイオン交換法でイオン交換樹脂を充填するのに使用するカラムとしては、水道ホース等の合成樹脂製ホースが細いことから少量で長いカラムとすることができ、かつ焼却することにより吸着された貴金属成分が回収できることから好ましい。
【0027】
本発明において高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムを生成するには、廃熱電対等の廃棄物の場合には、固体であるからまずそれを溶解し、ロジウムを溶液化することが必要になるが、その際の溶解には既存の技術が特に制限されることなく使用でき、それには、直接王水溶解法、白金合金法、鉛合金法又は亜鉛合金法等など例示できる。それぞれの溶解法に関し具体的に述べると以下のとおりである。
【0028】
直接王水溶解法は、ロジウムと他の白金族元素とを含有する合金を加熱した王水で少しずつ溶解するものであり、溶解することにより塩化ロジウム含有液が得られるが、合金中のロジウムの含有量が10%を越えると王水に溶解し難くなり、溶解するには長時間を要することとなる。なお、金属ロジウム単独の場合には、ロジウムは全く溶解しない。白金合金法は、ロジウム含有廃棄物等の溶解対象物に白金を加えて加熱溶融してロジウム含有量5%程度の合金を造り、その後該合金を王水に溶解して、塩化白金と塩化ロジウムとを含有する混合溶液を作成する方法である。
【0029】
鉛合金法は、溶解対象物に必要なら鉛を加えて加熱溶融して、ロジウム及び白金の含有量がそれぞれ5%以下となるような鉛合金をまず造り、その後硝酸で処理して鉛を溶解することにより、白金及びロジウムの微粉末を得る。ついで、この微粉末を希王水で処理することにより白金だけを溶解して粗ロジウム粉末を得、これを王水で溶解することにより粗塩化ロジウム溶液を得る方法である。
【0030】
亜鉛合金法は以下のとおりの方法である。すなわち、鉛合金法と同様に溶解対象物に必要に応じて亜鉛を加えて加熱溶融して、ロジウム及び白金の含有量がそれぞれ5%以下となるような亜鉛合金をまず造る。ついで、この合金を塩酸で処理して亜鉛だけを溶解して微粉末を得る。この得られた微粉末を希王水で処理することにより白金だけを溶解し、粗ロジウム粉末を得る。この粗ロジウム粉末を王水で溶解することにより粗塩化ロジウム溶液を得る方法である。
【0031】
本発明においては、処理対象物がロジウム含有白金属金属の廃棄物の場合には、いずれの溶解方法も使用可能ではあるが、廃棄物がロジウムを10〜13wt%、白金を87〜90wt%含有する廃熱電対の場合には、処理費用、処理手数の点で、直接王水溶解法が好ましい。この廃熱電対を直接王水溶解法で溶解する場合に関し、好ましい態様を詳細かつより具体的に述べると以下のとおりである。廃熱電対100g当たり1Lの容積を目安として、溶解させる廃熱電対の重量に応じたガラス容器を選定し、その容器に廃熱電対をまず入れる。その後王水を規定容量まで満たし、70〜90℃の範囲で24時間以上加熱して、廃熱電対を完全溶解させる。
【0032】
次に、この廃熱電対を溶解した溶液に関し、その溶液から粗ロジウム塩を生成し、更に高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムを生成するまでの好ましい態様を以下において詳細かつ具体的に述べる。
前記した廃熱電対を溶解した溶液をまず脱硝する。脱硝は該溶液に濃塩酸を添加して煮沸し硝酸を気化させることで行う。
【0033】
この煮沸処理は硝酸から発生する褐色ガスが目視できなくなるまで、濃塩酸を加えながら数回繰り返す。この脱硝処理後は、前記溶液中の白金及びロジウムは塩化物となる。なお、この煮沸処理回数は1回当たりの濃塩酸の添加量により異なり、その量は特に限定されるわけではないが、該溶液1L当たり、1000〜1500mLを目安とするのがよい。
【0034】
脱硝処理終了後の液に、等量の塩化アンモニウム飽和溶液を添加し、白金を塩化白金酸アンモニウムとして析出・沈澱させ、濾別する。この析出、濾別処理により白金の95〜99%は分離できる。濾別した後、濾液に王水を加えて煮沸してアンモニア成分を揮発除去し、濾液中のロジウムは塩化物に、また残留する白金は塩化白金酸にそれぞれ再度戻す。
【0035】
この揮発処理後の濾液を陰イオン交換樹脂を充填したカラムに通液し、塩化白金酸を陰イオン交換樹脂に吸着し、塩化ロジウムをイオン交換樹脂に吸着させることなく通過させることにより、白金とロジウムを分離する。この分離処理により白金が分離された塩化ロジウム溶液が得られ、この溶液に塩化アンモニウムとエタノールが1:1からなる混合液を等量添加し、塩化ロジウム酸アンモニウムを沈澱、濾別して高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムを得る。
【0036】
本発明では、この高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムを焙焼することになるが、その焙焼は、大部分の塩化ロジウム酸アンモニウムが金属ロジウムに還元され、少量の酸化ロジウムが副生するものである限り特に制限されことはないが、温度600〜800℃で大気中で行うのが好ましい。焙焼に使用する炉についても特に制限されるとことはなく、前記したのものが生成できる限り各種のものが使用可能である。
【0037】
次に、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物及び固体の蓚酸を磁器ルツボ内に収納することになるが、その収納は両者をよく混合した状態で行うのがよいが、固体の蓚酸をまず底部に配置し、その上に前記焙焼物を配置した状態で収納してもよいし、その逆に配置した状態で収納してもよい。磁器ルツボは、各種のものが特に制限されることなく使用可能であり、それには化学磁器あるいはアルミナ磁器等があるが、経済性及び温度変化に対する強度の点で化学磁器が好ましい。なお、石英ルツボも技術的には使用可能ではあるが経済性の点で劣る。
【0038】
本発明においては、蓚酸は前記副生した酸化ロジウムを還元するために使用されるものであり、それはルツボ内で加熱により熱分解されて、一酸化炭素、二酸化炭素及び水になる。その生成した一酸化炭素は還元性ガスであり、副生した酸化ロジウムを還元するために使用される。その使用量は、塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物の1/5〜1/20がよく、好ましくは1/10〜1/20がよい。
【0039】
また、炭素又は炭素含有物質については、加熱終了後も形態を維持できる炭素又は炭素含有物質で、加熱後簡便な固々分離でロジウムから分離できて、還元後ロジウムの純度を低下させることがないものであれば特に制限されることなく使用可能であり、それには無灰濾紙あるいは高純度炭素固形物(例えば発光分光分析に使用するアーク光発生用棒状又は板状黒鉛)が例示できるが、入手が容易で取り扱いが簡便な無灰濾紙が好ましい。
【0040】
本発明において、加熱終了後も形態を維持できるとは、加熱終了後にロジウム取出しのために内側ルツボの蓋を開けた際に、炭素又は炭素含有物質が収納時と同様の形態を維持していることを意味するものである。したがって、炭素又は炭化した炭素含有物質は、取り出し時に形態が破壊されてもよい。例えば、無灰濾紙の場合には、加熱終了後に内側ルツボの蓋を開けた際に形状が維持されていればよく、取り出し時に形状が破壊された場合には、気体を吹き付けることによりロジウムと簡便に分離できる。
【0041】
本発明において、内側ルツボと外側ルツボの間に入れる加熱により炭化する物質あるいは炭素は、還元終了後の冷却時に外気の酸素が内側ルツボに侵入することを抑制するためのものであり、それらのものとしては、無灰濾紙等の各種の紙、活性炭又は備長炭等の大気中もしくは不活性ガス中で加熱することにより炭化し炭化後形態を維持できる物質又は炭素固形物等がある。
【0042】
以上のとおりであるが、冷却時に内側ルツボ内にそれらが入りこむこともあり得るので、内側ルツボと外側ルツボの間に入れる加熱により炭化する物質あるいは炭素については、高純度の炭素あるいは炭化後可能な限り高純度の炭素となるものが好ましい。特に、無灰濾紙は、入手の容易性、取り扱いの簡便性、経済性及び炭化後高純度炭素となる等の点で好ましい。
【0043】
本発明における加熱処理は、焙焼物中に存在した酸化ロジウムをほぼ完璧に還元するものであり、具体的には還元後の金属ロジウムの純度が99.99%以上であることが好ましいのであるから、加熱温度はその還元ができる限り特に制限されることはないが、600〜800℃の範囲で加熱することが好ましく、また加熱処理時間は0.5〜1時間が好ましい。
【0044】
【実施例】
以下に、本発明に関し、実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、この実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。市販の塩化ロジウム(関東化学社製)の15%水溶液に、塩化アンモニウム飽和溶液とエタノールが1:1からなる液を等量を添加し、塩化ロジウム酸アンモニウムを沈澱させて、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムをまず生成する。
【0045】
この塩化ロジウム酸アンモニウムを焙焼して酸化ロジウムを約5%含有するロジウム粉末を得る。このロジウム粉末100gと特級蓚酸10gとを混合し、混合物を容積100mlのB3型磁器ルツボに強く詰め、その上に分析用C濾紙2枚を該混合物に密着しないように逆船形等の形状にして前記磁器ルツボの上部に置き、このルツボに磁器製の蓋をする。
【0046】
その後、この蓋をしたB3型磁器ルツボを一回り大きなB4型磁器ルツボに挿入し、両ルツボの間隙の底部に特級蓚酸10gを敷き、その上部に分析用C濾紙を4枚詰め、その後外側のB4型ルツボも蓋をする。ついで、それらルツボを箱型電気炉に入れ、30分で700℃になる昇温速度で加熱し、加熱後同温度に10分保持して、蓚酸を完全に熱分解させる。なお、熱分解の終了の確認は、ルツボの蓋から発生する分解ガスの挙動を目視にて観察することで行う。
【0047】
この熱分解ガスの発生終了を確認したら、箱型電気炉を一気に950℃に温度上昇させ、10分間保持して、一酸化炭素ガスによる還元作用を完結させる。その後、同電気炉内にて自然冷却させ、温度が200℃に低下した時点で磁器ルツボを蓋が外れないように注意して箱型電気炉から専用のルツボ鋏みを使用して取り出し、室温にて冷却する。
【0048】
磁器ルツボが完全に冷却した後、蓋を開けルツボ内に残っている炭化した濾紙片をピンセット等により取り除いたところ、濃銀白色のスポンジ状の金属ロジウムが得られた。このロジウムを発光分析法にて分析したところ純度99.99%以上であった。以上のとおりであり、本実施例により、水素を還元時に使用することなく、高純度のロジウムを回収できることが確認できた。
【0049】
【発明の効果】
本発明のロジウム回収方法では、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物、すなわち酸化ロジウムを含有するロジウム粉末と固体の蓚酸とを磁器ルツボ内に充填し高温で還元することにより、酸化ロジウムを完全に金属ロジウムにするものであり、還元後は特別な分離手段を用いることなく、簡単に金属ロジウムと炉内に残留する他の物質とを固々分離できる。また、酸化ロジウムの還元には、水素を使用することもないので、還元時及び還元後の金属ロジウム取り出し時に特別の注意を払う必要もなく極めて簡便である。以上のとおりであるから、本発明では、貴重かつ高価な高純度のロジウムが、安全、簡便、かつ効率的に回収することができる。
Claims (6)
- ロジウム含有金属廃棄物を溶解し分離精製して得た、又はロジウム化合物含有廃液を分離精製して得た、高純度の塩化ロジウム酸アンモニウムの焙焼物を固体の蓚酸と共に磁器ルツボに収納し、その上に加熱終了後も形態を維持できる炭素又は炭素含有物質を更に収納した後蓋をし、次いで該ルツボを径の大きな別の磁器ルツボに収納し、内側ルツボと外側ルツボの間に加熱により炭化する物質又は炭素を入れた後外側ルツボに蓋をして、加熱処理することを特徴とする高純度ロジウムを回収する方法。
- ロジウム含有金属廃棄物が廃熱電対である請求項1に記載の高純度ロジウムを回収する方法。
- ロジウム含有金属廃棄物の溶解が王水により行われる請求項1又は2に記載の高純度ロジウムを回収する方法。
- ロジウム含有金属廃棄物を溶解した溶液又はロジウム化合物含有廃液からの塩化ロジウム溶液の分離精製が、まず塩化白金酸アンモニウムを結晶化分離することにより粗塩化ロジウム溶液を生成し、この粗塩化ロジウム溶液を陰イオン交換樹脂に通液して残留する塩化白金酸を吸着せしめて分離することである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高純度ロジウムを回収する方法。
- 陰イオン交換樹脂を合成樹脂ホースに充填する請求項4に記載の高純度ロジウムを回収する方法。
- 炭素又は炭素含有物質が高純度炭素固形物又は無灰濾紙である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の高純度ロジウムを回収する方法。
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