JP4715627B2 - 白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から白金族元素の回収方法 - Google Patents

白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から白金族元素の回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から白金族元素の回収方法に関し、さらに詳しくは、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から焙焼−酸浸出法により白金族元素を回収する方法において、吸着された白金族元素を高収率で浸出し、かつ共存する不純物元素から効率的に分離回収することができる回収方法に関する。これにより、白金族元素を含む鉱石、非鉄金属製錬からの副産物、廃触媒等の二次原料など白金族元素を含有する原料の処理プロセスで生成される白金族元素を含有する水溶液から、イオン交換樹脂を用いて、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム等の白金族元素を効率的に集合分離して回収することができる。
白金族元素は、資源的に希少な元素で、白金族元素を高品位で含有する白金鉱石のような天然鉱物での産出は少なく、工業的に生産される白金族元素の原料としては、銅、ニッケル、コバルトなどの非鉄金属製錬からの副産物、自動車排ガス処理触媒など各種の使用済み廃触媒などからのものが大部分を占めている。例えば、この非鉄金属製錬からの副産物は、製錬原料の中にごく微量含有されている白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、及びオスミウム等の白金族元素が、その化学的性質から主金属である銅、ニッケルなどの硫化濃縮物及び粗金属の中に濃縮され、さらに電解精製など主金属回収工程で残滓等として白金族元素を含む貴金属濃縮物で分離されるものである。
この濃縮物には、主金属である銅、ニッケル等と共に、他の構成元素である金、銀等の貴金属、鉛、ビスマス、セレン、テルル、ヒ素、アンチモン等が、白金族元素に比べて高含有量で共存するのが通常である。その後、金、銀の回収を経て、白金族元素の回収が行われるが、通常は一旦液中に浸出してから溶媒抽出、イオン交換法等で精製分離して回収される。
イオン交換樹脂を用いて白金族元素を含む貴金属元素を回収する方法は、一般的に広く知られており、上記白金族元素を含む原料の処理プロセスにおいて産出される原液から工業的に白金族元素を分離又は精製する方法として採用されている。
例えば、最も代表的な方法としては、陰イオン交換樹脂により白金族元素のクロロ錯体を吸着し、その後溶離して回収する方法である。特に、強塩基性陰イオン交換樹脂を用いて白金族元素の塩化物イオンが最大に配位した完全なクロロ錯体、例えば4価の白金を含むヘキサクロロ白金(IV)酸イオンを吸着する場合には、該樹脂への吸着は陰イオン交換反応によるものであるので、その溶離に際しては、還元剤、錯形成剤等を用いて比較的容易に行なわれる(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、このような吸着−溶離操作を繰返し行なうと、イオン交換樹脂中に白金族元素の一部が徐々に蓄積され、最終的にはイオン交換樹脂の吸着能力を著しく低下させるので、樹脂の繰返し使用が制限されることになる。
一方、処理プロセスの技術的な制限等により上記原液の塩化物濃度又は酸濃度を上昇させることができないため完全なクロロ錯体の形成が困難である場合、或いはロジウムのように完全なクロロ錯体であるヘキサクロロロジウム(III)酸イオンが強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着できない場合には、1〜3級アミン類又はポリアミンを官能基とする弱塩基性樹脂を用いて、キレート結合に近いメカニズムで吸着させる方法が用いられる。このような強い結合で吸着が行われた場合には、白金族元素が吸着された樹脂から溶離により白金族元素を回収することが極めて困難である。
以上のように白金族元素が蓄積し、事実上溶離による回収が困難となったイオン交換樹脂から吸着された白金族元素を回収する際には、該イオン交換樹脂を酸化焙焼して樹脂を分解し、その焙焼物を浸出することにより、白金族元素を液中に回収する、所謂焙焼−酸浸出法が行なえる。
しかしながら、上記焙焼−酸浸出法において、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂を酸化焙焼する場合、完全に酸化が進行したときには、白金及びパラジウム以外の白金族元素は全て酸化物を形成し、そのため酸浸出での浸出率が著しく低下する。すなわち、特に、イリジウム、ロジウム、ルテニウムの4価の酸化物は安定であり、浸出に際して、あらゆる酸、アルカリ、酸化剤、及び錯形成剤にも溶解しないからである。したがって、特別な条件で酸化還元雰囲気を制御しない通常の酸化焙焼を行なって得られた焙焼物の浸出においては、白金族元素、特にイリジウム、ロジウム及びルテニウムの浸出率が非常に低いという問題があった。
また、使用済イオン交換樹脂の処理方法の工程として、不活性雰囲気中と酸化性雰囲気中の2段階で熱分解処理してイオン交換樹脂を分解する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)が、これは放射性元素の処理を主眼とするものであり、熱分解時の白金族元素の形態の制御による浸出性の向上に関するものではない。
また、イオン交換樹脂を用いて白金族元素を回収する際に、上記非鉄金属製錬からの副産物等を原料として用いる処理プロセスから産出される原液を扱う場合、原液中には白金族元素とともに多くの種類の不純物元素が共存するので、通常のイオン交換樹脂に吸着する不純物元素の種類と量を抑制することには限界がある。したがって、上記酸化焙焼−酸浸出法において、焙焼物から得られた浸出液は高濃度で不純物元素を含むことが一般的であり、これが該浸出液から不純物元素が分離精製された白金族元素を回収する際の大きな障害となっていた。
以上の状況から、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂を焙焼して樹脂を分解し、その焙焼物を湿式処理することにより、白金族元素を浸出し回収する際に、吸着された白金族元素を高収率で浸出し、かつ共存する不純物元素から効率的に分離回収する方法が求められている。
「Desalination」、第175巻、第2号、2005年、p.227−236 特公平6−31868号公報(第1頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から焙焼−酸浸出法により白金族元素を回収する方法において、吸着された白金族元素を高収率で浸出し、かつ共存する不純物元素から効率的に分離回収することができる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から焙焼−酸浸出法により白金族元素を回収する方法について、鋭意研究を重ねた結果、前記イオン交換樹脂を特定の酸化還元雰囲気下に焙焼した後、得られた焙焼物を特定の条件で浸出し、得られた浸出液を特定の条件で処理したところ、吸着された白金族元素を高収率で浸出し、かつ共存する不純物元素から効率的に分離回収することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から焙焼−酸浸出法により白金族元素を回収する方法であって、下記の(1)〜(3)の工程からなることを特徴とする白金族元素の回収方法が提供される。
(1)前記イオン交換樹脂を、吸着された白金族元素を合金化するが、樹脂分を分解するに十分な酸化還元雰囲気下に500〜1000℃の温度で焙焼する。
(2)得られた焙焼物を酸化剤の共存下に塩酸を用いて浸出する。
(3)得られた浸出液中に塩化カリウムを添加して白金族元素を含むヘキサクロロ錯塩の結晶を生成させ分離する。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、(1)の工程において、前記酸化還元雰囲気を、前記イオン交換樹脂を焙焼炉内に静置した容器中に100〜150mmの層厚で充填し、大気雰囲気下で保持することにより形成することを特徴とする白金族元素の回収方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、(1)の工程において、前記酸化還元雰囲気を、前記イオン交換樹脂を焙焼炉内に静置した容器中に10〜100mmの層厚で充填し、まず大気雰囲気下で保持した後、引き続いて炭素及び/又は鉄を添加して密閉状態下で保持することにより形成することを特徴とする白金族元素の回収方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、(2)の工程において、酸化還元電位を銀/塩化銀電極(塩化カリウム飽和水溶液中)に対して900〜1100mVに制御することを特徴とする白金族元素の回収方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、(2)の工程において、浸出温度は、60〜100℃に制御することを特徴とする白金族元素の回収方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、(3)の工程において、酸化還元電位を銀/塩化銀電極(塩化カリウム飽和水溶液中)に対して900〜1100mVに制御することを特徴とする白金族元素の回収方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、(3)の工程において、温度は、60〜100℃に制御することを特徴とする白金族元素の回収方法が提供される。
本発明の白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から白金族元素の回収方法は、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から焙焼−酸浸出法により白金族元素を回収する方法において、吸着された白金族元素を高収率で浸出することができ、かつ共存する不純物元素から効率的に分離回収することができるので、その工業的価値は極めて大きい。
本発明の白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から白金族元素の回収方法は、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から酸化焙焼−酸浸出法により白金族元素を回収する方法であって、下記の(1)〜(3)の工程からなることを特徴とする。
(1)前記イオン交換樹脂を、吸着された白金族元素を合金化するが、樹脂分を分解するに十分な酸化還元雰囲気下に500〜1000℃の温度で焙焼する。
(2)得られた焙焼物を酸化剤の共存下に塩酸を用いて浸出する。
(3)得られた浸出液中に塩化カリウムを添加して白金族元素を含むヘキサクロロ錯塩の結晶を生成させ分離する。
本発明の方法において、イオン交換樹脂を、吸着された白金族元素を合金化するが、樹脂分を分解するに十分な酸化還元雰囲気下に焙焼すること、及び得られた浸出液中に塩化カリウムを添加して白金族元素を含むヘキサクロロ錯塩の結晶を生成させることが重要である。これによって、焙焼物から白金族元素を高収率で浸出し、かつ共存する不純物元素から効率的に分離回収することができる。
上記方法に用いる白金族元素を吸着したイオン交換樹脂としては、特に限定されるものではなく、白金族元素を含む原料の処理プロセスから得られる白金族元素とともに不純物元素を含有する水溶液を原液として用いて、イオン交換工程において白金族元素を吸着させたイオン交換樹脂である。ここで使用されているイオン交換樹脂としては、処理プロセスから得られる原液の液性、白金族元素等の含有割合等により適切なものが選ばれるが、一般的には白金族元素を選択的に吸着させるため、白金族元素の陰イオン型錯体を吸着する形成する窒素原子を含有する官能基を有する陰イオン交換樹脂、例えば、強塩基性陰イオン交換樹脂、1〜3級アミン類又はポリアミンを官能基とする弱塩基性樹脂等が挙げられる。
また、上記イオン交換樹脂に吸着されている白金族元素及び不純物元素の種類及び含有割合は、前記原液の組成に起因してさまざまであり特に限定されるものではない。
1.(1)の工程
本発明の(1)の工程は、前記イオン交換樹脂を、吸着された白金族元素を合金化するが、樹脂分を分解するに十分な酸化還元雰囲気下に500〜1000℃の温度で焙焼する工程である。これによって、次工程において浸出されやすい合金形態に還元された白金族元素を含む焙焼物が得られる。なお、ここで不純物元素は、それぞれの特性からその一部は金属形態に還元され、他は酸化物形態で焙焼物中に含有される。
すなわち、焙焼においては、イオン交換樹脂の分解温度以上の温度まで加熱することにより、イオン交換樹脂の官能基と白金族元素イオンとの結合を断ち切り、それにより生成する炭素分を酸化しながら、白金族元素化合物が合金化される還元雰囲気を形成する。ここで、白金族元素の過酸化を防ぎつつ樹脂分を確実に分解し、最終的には白金族元素と共存する不純物元素の一部を合金化し、一方樹脂分を分解することが達成される。これにより、特にイリジウム、ルテニウム、及びロジウムの浸出率を大幅に向上させることができる。
上記焙焼時の白金族元素の合金化とイオン交換樹脂の分解の反応に関して、以下により詳細に説明する。
白金族元素イオンと結合した陰イオン交換樹脂の分解反応は、300℃付近から始まり、主要な反応は500℃でほぼ終了し、さらに800℃まで昇温すると、吸熱及び発熱を伴う反応もほぼ完全に終了する。一方、白金族元素を吸着した陰イオン交換樹脂は、通常塩化物を含有しているため、1000℃を超えると、塩化物の揮発が大きくなり、容器及び炉材の腐食が激しくなり、実用的でない。したがって、焙焼温度としては、500〜1000℃であり、好ましくは800〜1000℃である。
ところで、通常、樹脂分の分解により生成された遊離した白金族元素化合物は、金属形態又は酸化物形態に変化する。白金族元素の中で、白金は広い温度範囲で金属形態が安定であり、パラジウムもほぼ金属形態が安定であるが、他方その他の白金族元素は、樹脂の分解温度領域において酸化物を形成しやすい。白金族元素の酸化物の中で、MO型(式中Mは、白金族元素を表す。)の酸化物は極めて安定であり、全ての酸、アルカリ又は酸化剤を用いても溶解することができない。また、白金も共存元素の種類によっては複合酸化物を形成するが、そのときは、酸化物形態が安定となる。
したがって、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂が酸化還元雰囲気を制御しない通常の酸化焙焼で処理されると、全ての白金族元素が酸に不溶な酸化物を形成する可能性がある。
これに対して、焙焼時に非酸化性雰囲気下で加熱を行なうと、分解して生成された白金族元素化合物の酸化は防止され、金属形態の白金族元素を得ることができる。しかしながら、生成された炭素分が最終的には緻密なグラファイト状になるため、ミクロレベルでは金属形態の白金族元素が生成しているものの、疎水性でかつ緻密なグラファイト粒子に包含された白金族元素の合金を酸で浸出することは困難である。たとえ粉砕しても全ての白金族元素の合金粒子を酸に接触させることには限界がある。したがって、最終的に白金族元素の合金と浸出に用いる酸とが容易に接触することができるような状態を形成することが重要である。
以上の説明から明らかなように、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂の焙焼においては、白金族元素を高収率で浸出するためには、前述した適切な温度の設定とともに、適切な酸化還元雰囲気を保持することが必須である。
この解決策の一つとしては、酸化還元雰囲気を、前記イオン交換樹脂を焙焼炉内に静置した容器中に100〜150mmの層厚で充填し、大気雰囲気下で保持することにより形成することで行なわれることができる。すなわち、炉内に反応容器を静置させる一般的な焙焼炉(以下、静置式焙焼炉と呼称する場合がある。)を用いて、容器中へ充填するイオン交換樹脂の層厚を適切な範囲に調整することにより、大気雰囲気下であっても樹脂層内部を吸着された白金族元素を合金化するが、樹脂分を分解するに十分な酸化還元雰囲気下に保持することができる。例えば、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂を焙焼炉内に静置した容器中に好ましくは100〜150mm、より好ましくは130〜150mmの層厚で充填し、大気雰囲気下で保持する方法(A)が、酸化還元雰囲気を所望の条件に制御するため好ましい。これによって、吸着された白金族元素が合金化され、一方樹脂分が分解された焙焼物が得られるので、白金族元素を高収率で浸出することができる。
すなわち、ここで、層厚が100mm未満では、充填された樹脂層内部まで昇温した時点で、内部まで酸化雰囲気が形成され、白金族元素が酸化される。一方、層厚が150mmを超えると、内部まで均一に分解することができる温度以上に昇温することが困難となり、未分解の樹脂分が残留する。このとき、焙焼時間を3時間まで延長しても内部まで完全に分解することは困難であった。
また、焙焼時間としては、特に限定されるものでなく、加熱方法、層厚、重量、水分率、樹脂の初期温度等により大きく変化するが、炉内温度が目標温度に到達したのち、60〜180分でほぼ内部まで均一に加熱することができる。すなわち、イオン交換樹脂の加熱による分解反応に要する時間は短いので、樹脂自体の温度保持はほとんど不要である。したがって、焙焼時間としては、樹脂内部までの伝熱時間が律速となる。
また、前記の通り、1回の焙焼により、イオン交換樹脂中の白金族元素を全て確実に金属状態にすることができる条件範囲は限定され、それにより浸出率も限定されるので、さらに確実に高浸出率を得るためには、下記の通り、完全酸化と完全還元から成る2段階の焙焼を実施することが好ましい。前記イオン交換樹脂を焙焼炉内に静置した容器中に10〜100mmの層厚で充填し、まず大気雰囲気下で保持した後、引き続いて炭素及び/又は鉄を添加して密閉状態下で保持することにより行なわれる。すなわち、静置式焙焼炉を用いて、容器中へ充填するイオン交換樹脂の層厚を適切な範囲に調整し、さらに樹脂層内部の雰囲気を酸化と還元の2段階で制御することにより、最終的に吸着された白金族元素を合金化するが、樹脂分を分解するに十分な酸化還元雰囲気下での焙焼がなされ、白金族元素が合金化され、一方樹脂分が分解された焙焼物を得ることができる。
例えば、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂を焙焼炉内に静置した容器中に10〜100mmの層厚で充填し、まず大気雰囲気下で保持した後、引き続いて炭素及び/又は鉄を添加して密閉状態下で保持する方法(B)が挙げられる。この方法(B)は、一旦全体を酸化物になるまで完全に酸化した後、再度還元剤により還元して白金族元素を合金化するので、前述した方法(A)比べてより確実に、吸着された白金族元素が合金化され、一方樹脂分が分解された焙焼物を得ることができる。すなわち、方法(A)では、平均的には適切な状態が形成されるが、大気雰囲気下にさらされる表層部の過酸化は避けられない。また、その過酸化を最小にするため焙焼温度又は時間を最小にすると、樹脂分の未分解部分が一部残留する結果となる。
上記方法(B)では、容器中へ充填するイオン交換樹脂の層厚としては、特に限定されるものでないが、10〜100mmが好ましい。すなわち、層厚が100mmを超えると、完全に樹脂分を分解することが難しい。一方、層厚が10mm未満では、焙焼物が極度に収縮し、焙焼容器に固着しやすく、実用上生産性が悪い。
ここで、1段目の酸化段階では、焙焼炉内は大気雰囲気とし、2段目の還元段階では、炉内への空気の流通を遮断して焙焼炉内を密閉状態下にする。また、2段目の還元段階では、1段目の酸化段階で生成した焙焼物に炭素及び/又は鉄を添加する。
すなわち、酸化段階で生成した焙焼物の還元剤としては、炭素、一酸化炭素、水素、炭化水素類、金属粉類等が用いられるが、設備的かつ安全上も最も簡便に用いられる還元剤として炭素が好ましい。ここで、炭素の添加割合としては、焙焼物中の酸化物に起因する酸素品位により決定されるが、通常、酸化物の重量に対して10〜20重量%が用いられる。また、炭素の形態としては、無定形炭素、グラファイトいずれも使用することができるが、木炭、コークス等の無定形炭素がより高速に反応するので好ましい。
さらに、還元剤として白金族元素と合金化可能な金属を添加することができる。すなわち、通常、白金族元素は、共存不純物元素中に分散し合金化しているので、不純物元素の溶解に伴い誘発溶解される。しかしながら、還元段階で理想的な金属化が達成できていても、イオン交換樹脂に吸着された金属の種類によっては、浸出後に白金族元素が残留する場合がある。この原因は、金属形態であっても単独、或いは高品位合金状態では酸に溶解しないイリジウム、ルテニウム、ロジウム等の含有量が特に高いこと、或いはこれらが偏在化していることである。
このような場合、還元段階において、敢えて合金化元素を添加して合金化することにより、溶解を促進することができる。既に、合金化元素が共存する場合でも、さらに、合金化元素を添加することにより、浸出率をより向上させることができる。
上記合金化元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、ビスマス、アンチモン、セレン、テルルが有効であるが、価格的に安価で、かつ毒性及び揮発性が少ないことから、鉄が最も実用的である。また、金属鉄は酸化を受けやすいため、白金族元素の還元剤として使用できるという利点もある。ここで、金属鉄の添加割合としては、焙焼物中の酸化物に起因する酸素品位、目標とする合金組成等により決定されるが、通常、酸化物の重量に対して20〜300重量%が用いられる。
なお、合金化元素の種類により、合金化が達成される温度は異なる。金属鉄を用いた場合には、還元段階での加熱温度としては、800℃以上が必要とされる。このときの合金化の機構としては、合金組成にも依存するが、800℃から1200℃までは粉末状態での拡散反応により、さらに高温では融解による合金化が主流となる。
2.(2)の工程
本発明の(2)の工程は、得られた焙焼物を酸化剤の共存下に塩酸を用いて浸出する工程である。ここで、例えば、まず所定量の焙焼物を所定量の塩酸中に懸濁させ、その中に酸化剤を添加しながら、酸化還元電位を所定値に制御し、かつ所定温度に維持する。これによって、焙焼物中の白金族元素が高収率で浸出されるが、特にイリジウム、ルテニウム、及びロジウムの浸出率が大幅に向上する。このとき合金化された不純物元素も同時に溶出される。
上記酸化剤としては、特に限定されるものではなく、塩素、臭素、硝酸、過酸化水素、塩素酸塩類、亜塩素酸類、次亜塩素酸塩類、臭素酸塩類等が挙げられるが、この中で、特に最も安価で、かつ副生物がない塩素ガスが工業的には好ましい。
上記工程において、浸出液中の白金族元素は溶解直後には必ずしもクロロ錯体を形成していない可能性があるため、必要に応じて、クロロ錯体化を進めるため浸出温度は60〜100℃の温度に加熱することができる。温度が100℃を超えると、液及び塩化水素ガスの揮発が激しくなり、それを防止するには、加圧容器が必要になるので経済的でない。
上記工程で用いる酸化還元電位としては、特に限定されるものではないが、銀/塩化銀電極(塩化カリウム飽和水溶液中)に対して900〜1100mVに制御することが好ましい。すなわち、その酸化還元電位が900mV未満では、白金族元素の浸出率が低下する。一方、その酸化還元電位が1100mVを超えても、それ以上の効果は見られない。また、後工程で回収する白金族元素のクロロ錯塩は4価が最も溶解度が低いため、浸出後の酸化還元電位が低下している場合には、酸化剤を添加し酸化還元電位を制御することが望ましい。
上記工程で用いる塩酸の濃度としては、3〜9mol/Lが好ましい。すなわち、3mol/L未満では、白金族のクロロ錯体形成が困難であり、一方、9mol/Lを超えると、90℃付近で塩化水素の飽和点を越え、塩化水素の急激な発生、及び突沸が起こりやすくなる。また、その使用量としては、焙焼物中の白金族元素が十分に浸出される量で、つ、前記塩酸濃度が確保できる量が望ましい。例えば、焙焼物1kg当たり6mol/Lの塩酸1〜10Lが好ましい。
3.(3)の工程
本発明の(3)の工程は、得られた浸出液中に塩化カリウムを添加して、白金族元素を含むヘキサクロロ錯塩の結晶を生成させ分離する工程である。これによって、白金族元素を一括して結晶化することができるので、他の共存する不純物元素から分離することができる。ここで、例えば、上記(2)の工程からろ過により得られる浸出液中に、所定量の塩化カリウムを添加し、再度所定温度に昇温し、酸化剤を添加しながら酸化還元電位を所定値に制御する。すなわち、ここでは、白金族元素のクロロ錯体の特異反応である水や酸に溶解しにくいヘキサクロロ錯塩の結晶を析出させる。
上記工程において、白金族元素を含むヘキサクロロ錯塩の結晶を生成させるためには、浸出液中に塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、又はエチレンジアミン塩酸塩等のアミン類の塩酸塩のいずれかを添加することにより、水に溶解しにくいクロロ錯体塩の結晶を析出させることができる。ここで、クロロ錯体塩の結晶を析出させるための添加剤としては、アルカリ金属では原子番号が大きくなるに伴ない溶解度が低い塩が形成され、またアミン類ではさらに溶解度が低い塩が形成されるので、原子番号が大きなアルカリ金属又はアミン類が望ましい。しかしながら、カリウムよりも原子番号が大きなアルカリ金属は価格が高いこと、また、塩化アンモニウム又はアミン類の塩酸塩は、後工程で白金族元素の相互分離を行う際に白金族元素と安定な錯塩を形成したり、酸化反応を妨害する等精製の障害になることが多いことなどの理由から、塩化カリウムが最も実用的である。
上記工程において、浸出液中の白金族元素クロロ錯体塩の結晶化を進めるため、必要に応じて60〜100℃の温度に加熱することができる。温度が100℃を超えると、塩化水素が発生しやすく、それを防止するためには、加圧容器が必要になるので経済的でない。
上記工程で用いる酸化還元電位としては、特に限定されるものではないが、銀/塩化銀電極(塩化カリウム飽和水溶液中)に対して900〜1100mVに制御することが好ましい。すなわち、その酸化還元電位が900mV未満では、ヘキサクロロ錯塩の結晶化率が低下する。一方、その酸化還元電位が1100mVを超えても、それ以上の効果は見られない。
ここで、浸出液中に含まれる白金族元素の結晶化率としては、91%以上が得られる.一方、その他の不純物元素の共沈は僅かである。この中で、鉛は塩化鉛(II)結晶として混入するので、比較的共沈が多いが、温水で洗浄することにより容易に溶解除去することができる。なお、回収された白金族元素ヘキサクロロ錯塩の結晶は、既知の方法により個々の白金族元素に相互分離し、精製後に製品化することができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた金属の分析はICP発光分析法で行った。また、実施例及び比較例で用いた白金族元素を吸着したポリアミン型イオン交換樹脂の化学組成を表1に示す。
Figure 0004715627
(実施例1)
炉内に縦0.9m×横1.4m×深さ0.05m(底面積:1.26m)の直方体形状のSUS304製の平鍋を静置したガス燃焼加熱方式の焙焼炉を用いた。
まず、上記イオン交換樹脂を平鍋内部に層厚150mmで充填し、次いで大気雰囲気で、800〜850℃の温度範囲で1時間保持した。次いで焙焼物を放冷後、均一に混合して粉砕した。その後、焙焼物の状態を確認するため、次の浸出評価を行なった。ここで、粉砕した焙焼物20gの試料を採取して、塩酸140mLと硝酸60mLを用いて浸出を行ない、白金、パラジウム、イリジウム、ルテニウム及びロジウムの浸出率を求めた。結果を表3に示す。
続いて、浸出液から白金族元素ヘキサクロロ錯塩の結晶の分離回収を確認するため、上記粉砕した焙焼物500gを濃度6mol/Lの塩酸1L中に懸濁した後、80℃に保持しながら、塩素ガスを吹き込み、酸化還元電位を銀/塩化銀電極(塩化カリウム飽和水溶液中)に対して900〜1100mVに制御した。この条件を3時間維持して、浸出を行なった。その後、得られたスラリーを濾過し、濾液を分析し浸出液の組成を求めた。結果を表2に示す。
次に得られた濾液に塩化カリウムを濾液に対して150g/Lの割合でを添加した後、再び80℃に昇温して、亜塩素酸ナトリウムを添加し、酸化還元電位を銀/塩化銀電極(塩化カリウム飽和水溶液中)に対して900〜1100mVに制御した。この条件を1時間維持して、結晶化を行なった。この結晶が析出された液を室温まで冷却し、濾過して結晶を分離回収した。その後、濾液を分析し結晶分離後の母液の組成を求めた。結果を表2に示す。また、これらの濃度より、結晶化率を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0004715627
表2より、浸出液中の白金族元素は、高結晶化率で回収され、一方その他の主な不純物元素の共沈は僅かであることが分かる。すなわち、イリジウムが90%以上であることを除いて98%以上の結晶化率が得られる。なお、比較的共沈が大きかった鉛は、その後の温水による洗浄で容易に溶解除去された。
(実施例2)
上記イオン交換樹脂の焙焼に際して、層厚が100mmになるように充填したこと以外は、実施例1と同様に行ない、その後、焙焼物の状態を確認するため、粉砕した焙焼物の浸出評価を実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。
続いて、浸出液から白金族元素ヘキサクロロ錯塩の結晶の分離回収を確認するため、結晶化を実施例1と同様に行なったところ、浸出液中の白金族元素は、高結晶化率で回収された。
(比較例1)
上記イオン交換樹脂の焙焼に際して、層厚が10mmになるように充填したこと以外は、実施例1と同様に行ない、その後、焙焼物の状態を確認するため、粉砕した焙焼物の浸出評価を実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。
(比較例2)
上記イオン交換樹脂の焙焼に際して、層厚が50mmになるように充填したこと以外は、実施例1と同様に行ない、その後、焙焼物の状態を確認するため、粉砕した焙焼物の浸出評価を実施例1と同様に行なった。結果を表3に示す。
(比較例3)
上記イオン交換樹脂の焙焼に際して、層厚が200mmになるように充填したこと以外は、実施例1と同様に行ない、その後、焙焼物の状態を確認したところ、焙焼物中に未分解の樹脂が残留していた。これより、浸出評価するまでもなく、所望の状態の焙焼物が得られていないと判定した。結果を表3に示す。
Figure 0004715627
表3より、実施例1又は2では、吸着された白金族元素を合金化するが、樹脂分を分解するに十分な酸化還元雰囲気下になるようにして焙焼され、本発明の方法に従って行われたので、樹脂分は分解され、かつ白金族元素の合金化により白金族元素の高浸出率が得られること、またこのような焙焼物の望ましい状態は静置式焙焼炉で層厚が100〜150mmであるときに得られることが分かる。これに対して、比較例1〜3では、静置式焙焼炉で層厚がこれらの条件に合わないので、樹脂分の分解が不十分であるか、又は白金族元素の酸化により白金族元素の浸出率が低くく、満足すべき結果が得られないことが分かる。
(実施例3)
炉内に縦0.9m×横1.4m×深さ0.05m(底面積:1.26m)の直方体形状のSUS304製の平鍋を静置したガス燃焼加熱方式の焙焼炉を用いた。
比較例2と同様の条件で、上記イオン交換樹脂を平鍋内部に層厚50mmで充填し、次いで大気雰囲気で、800〜850℃の温度範囲で1時間保持して焙焼物を得た。
次に、上記平鍋内で、得られた焙焼物50kgに木炭5kg混合し、さらにその表層に木炭5kgを散布した後、平鍋の全面が被覆できるSUS304製の蓋をした。次いで、800〜850℃で温度で1時間保持した後、焙焼物を放冷した。得られた焙焼物は、容器に密着しやすい、板状の脆い金属状態に変化していた。その後、焙焼物の状態を確認するため、次の浸出評価を行なった。ここで、粉砕した焙焼物20gの試料を採取して、塩酸140mLと硝酸60mLを用いて浸出を行ない、白金、パラジウム、イリジウム、ルテニウム及びロジウムの浸出率を求めた。結果を表4に示す。
(実施例4)
炉内にアルミナ製坩堝を静置した電熱式の焙焼炉を用いた。
まず、上記イオン交換樹脂1000gを坩堝内部に層厚50mmで充填し、次いで大気雰囲気で、800℃の温度で4時間保持し、続いて1000℃で1時間保持した酸化焙焼を行ない焙焼物を得た。
次に、得られた焙焼物69.6gに鉄粉17.7gと塩化ナトリウム23.6gを混合し、密閉したアルミナ製坩堝にいれ、1000℃で2時間保持し還元焙焼を行ない焙焼物を得た。なお、塩化ナトリウムは酸化防止のため表面を被覆した。その後、焙焼物を放冷した。その後、焙焼物の状態を確認するため、次の浸出評価を行なった。ここで、粉砕した焙焼物20gの試料を採取して、塩酸140mLと硝酸60mLを用いて浸出を行ない、白金、パラジウム、イリジウム、ルテニウム及びロジウムの浸出率を求めた。結果を表4に示す。
Figure 0004715627
表4より、実施例3又は4では、焙焼時の酸化還元雰囲気を所望の焙焼物の状態が得られるように制御して本発明の方法に従って行われたので、樹脂分は分解され、かつ白金族元素の合金化により白金族元素の高浸出率が得られること、またこのような焙焼物の望ましい状態は静置式焙焼炉で大気雰囲気下で保持した後、引き続いて炭素又は鉄を添加して密閉状態下で保持する方法であるときに得られることが分かる。
また、このような2段焙焼で焙焼することにより、層厚を調整した1段焙焼に比べて白金族元素の高浸出率が得られること、また、還元剤として木炭を用いた場合に比べてより高浸出率が得られ、その結果残渣も極めて少なることが分かった。
以上より明らかなように、本発明の白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から白金族元素の回収方法は、該イオン交換樹脂から焙焼−酸浸出法により白金族元素を回収する方法において、吸着された白金族元素を高収率で浸出し、かつ共存する不純物元素から効率的に分離回収することができるので、白金族元素を吸着したイオン交換樹脂の処理方法として、好適である。特にイリジウム、ルテニウム及びロジウムが高収率で回収されるので、これらを含むイオン交換樹脂に対して、さらに有用である。

Claims (7)

  1. 白金族元素を吸着したイオン交換樹脂から焙焼−酸浸出法により白金族元素を回収する方法であって、下記の(1)〜(3)の工程からなることを特徴とする白金族元素の回収方法。
    (1)前記イオン交換樹脂を、吸着された白金族元素を合金化するが、樹脂分を分解するに十分な酸化還元雰囲気下に500〜1000℃の温度で焙焼する。
    (2)得られた焙焼物を酸化剤の共存下に塩酸を用いて浸出する。
    (3)得られた浸出液中に塩化カリウムを添加して白金族元素を含むヘキサクロロ錯塩の結晶を生成させ分離する。
  2. (1)の工程において、前記酸化還元雰囲気を、前記イオン交換樹脂を焙焼炉内に静置した容器中に100〜150mmの層厚で充填し、大気雰囲気下で保持することにより形成することを特徴とする請求項1に記載の白金族元素の回収方法。
  3. (1)の工程において、前記酸化還元雰囲気を、前記イオン交換樹脂を焙焼炉内に静置した容器中に10〜100mmの層厚で充填し、まず大気雰囲気下で保持した後、引き続いて炭素及び/又は鉄を添加して密閉状態下で保持することにより形成することを特徴とする請求項1に記載の白金族元素の回収方法。
  4. (2)の工程において、酸化還元電位を銀/塩化銀電極(塩化カリウム飽和水溶液中)に対して900〜1100mVに制御することを特徴とする請求項1に記載の白金族元素の回収方法。
  5. (2)の工程において、浸出温度は、60〜100℃に制御することを特徴とする請求項1に記載の白金族元素の回収方法。
  6. (3)の工程において、酸化還元電位を銀/塩化銀電極(塩化カリウム飽和水溶液中)に対して900〜1100mVに制御することを特徴とする請求項1に記載の白金族元素の回収方法。
  7. (3)の工程において、温度は、60〜100℃に制御することを特徴とする請求項1に記載の白金族元素の回収方法。
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