JP5351747B2 - 金の還元回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金を含む廃液等から抽出された金含有有機相を処理対象とし、この金を還元回収する方法に係るものである。特に、還元処理時に加熱を要することなく、不純物混入を防止することができる方法に関するものである。
金、白金、パラジウム等の白金族金属は、希少かつ高価であるため、廃棄物等にこれらの貴金属が含まれる場合は、廃棄物等から回収し、再利用することが必要となる。特に、金は、携帯電話等に搭載されている電子部品や電子機器の基板における電極やろう材の構成材料として多用されており、それら電子機器の廃棄においては、効率的な回収が好ましいものである。尚、上記のような金等を含む廃棄物は、一般には有価物とも称され、厳密には廃棄物と区別されるものであるが、本願では便宜のため廃棄物等と称する。
各種廃棄物等からの金の回収方法としては、ヒドラジンによる直接還元回収方法や、抽出法と還元法(沈殿法)とを組合せた方法がある。これら回収方法で、多く用いられるのは、後者の抽出法と還元法(沈殿法)とを組合せた方法であるが、この方法は、金を含む廃棄物等を王水等の酸で溶解し、この金を含む溶液に適宜の有機溶媒を接触させて抽出して有機相を得て、この有機相に還元剤を添加して金を還元析出させて沈殿する金を回収するものである。
このような金の回収工程において、抽出段階で使用される溶媒としては、各種のものが知られているが、近年、金への優れた選択性や引火点等の物性等の取扱い性が良好なジブチルカルビトール(DBC)がよく用いられるものとなっている(例えば特許文献1、2)。また、抽出後の有機相の還元処理の際の還元剤としては、従来、シュウ酸やシュウ酸ナトリウムの水溶液を単独で、あるいはこれらをブレンドして使用されてきた(例えば特許文献1、2)。そして、従来、これらの溶媒、還元剤を適用する回収法では、それぞれ段階における処理条件を適切に設定し、金の回収を可能なものとしている。
特開2006−233317号公報 特開平9−316561号公報
しかしながら、有機相の還元処理で使用される還元剤について、シュウ酸及びシュウ酸ナトリウムは、水への溶解度が低いという問題がある。また、シュウ酸については還元力そのものが低いという問題もある。そして、還元剤の溶解度や還元力が低い場合、還元剤溶液中の還元剤濃度は当然に低いものとなるから、必要な還元剤の化学量論量を満たすようにするために、還元剤溶液量を多くする必要があり、反応系の送液量が増大する。また、かかる低濃度の還元剤で必要な還元反応を進行させるためには室温以上(70℃〜90℃)の加熱が必要となる。
そして、還元処理時の反応系の加熱は、回収目的となる金の還元反応のみならず、他の金属(錫等)の還元反応を生じさせる要因となり、回収分である金への不純物の混入の要因となる。かかる回収分中の不純物は、その後に除去できないわけではないが、それによる処理工程数の増加や折角回収した金のロスが生じ得ることとなり、回収効率を著しく悪化させることとなる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、DBCによる抽出された有機相を対象に、従来のような還元時の加熱を要することなく、室温程度の温度下で十分な還元反応を進行させ、且つ、回収分中に不純物の混入を抑制することができる金の回収方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者等は、鋭意検討を行い、還元処理段階における還元剤として、シュウ酸カリウムの適用に想到した。そして、その上で還元条件の最適化を図り、本発明に想到した。
即ち、本発明は、金イオン及び塩化物イオンを含む溶液とジブチルカルビトールとの接触により抽出される金含有有機相に、水相である還元剤を加えることにより、金イオンを水相へ移行させると共に還元処理する金の還元回収方法において、前記還元剤はシュウ酸カリウム水溶液であり、還元処理時の反応温度を10℃〜50℃とし、更に、還元処理時のpHを2.5〜6.5とすることを特徴とする金の還元回収方法である。
本発明で適用する還元剤であるシュウ酸カリウムは、その溶解度や還元力が従来の還元剤よりも優れていることが特徴である。例えば、シュウ酸カリウムの溶解度は28.7g/100g水であり、従来の還元剤よりも高い(シュウ酸:12.5g/100g水、シュウ酸ナトリウム:3.7g/100水)。
また、還元力に関しては、その目安として酸化還元電位を基準とすると、例えば、20wt%シュウ酸カリウム溶液の酸化還元電位は270mV/25℃であり、5wt%シュウ酸溶液(480mV/25℃)よりも低い。
このように溶解度と還元力の高いシュウ酸カリウムを使用する本発明によれば、室温において還元処理が可能であり、且つ錫の混入を抑制し、より高純度に金を回収することが可能となる。
本発明において、還元時の反応温度は10℃〜50℃であることを特徴とする。従来の技術では、金の回収効率を上げるために加熱する必要があるところ、本発明では加熱するための設備を必要としない。そして、上記温度範囲内であれば、金の純度を下げる要因となる錫の混入を抑制することができる。更に、10℃〜50℃の範囲内で実施可能であるため、夏季や冬季を問わず安定して高純度の金を回収することが可能となる。反応温度が10℃より低いと、還元反応速度が低下し還元反応に長時間要する。これに加えて、還元後の金が微粉末となってしまうことで、ろ過性が低下してしまい、ろ過時間も長時間必要となる。また、反応温度が50℃より高いと、金イオンと共に錫イオンが還元されてしまい、沈澱物中に錫が混入してしまう。以上を踏まえると、反応速度やろ過性を考慮すれば15℃以上、加温設備のコストや安定的な錫イオン還元の抑制を考慮すれば40℃以下がより好ましい反応温度である。
そして、本発明は、還元時のpHが2.5〜6.5であることを特徴とする。金の回収率を安定化させると共に、不純物の混入を抑制するためである。ここで、金の回収率とは、還元工程における当初Au量と、得られたAu粉の割合を指す。例えば、100gのAuを含む有機相から100gのAu粉が得られた場合、回収率は100%となる。
pHが2.5よりも低い場合は、シュウ酸カリウムが解離状態から非解離状態になる為に、還元力が低下し、水相や油相中に未還元のAuが残存してしまう。一方、pHが6.5よりも高い場合は、これ以上回収率は向上せず、更に、pH9.0以上になると錫が沈澱してしまうこととなる。これらを踏まえて、還元時の手間を考慮すれば、pHが3.0〜5.0の範囲であることがより好ましい。
尚、シュウ酸カリウムの添加量は、金含有有機相中の金イオン量に応じて適宜調整可能である。目安としては、シュウ酸イオンと金イオンがモル比で1.8:1.0〜3.0:1.0、より好ましくは1.8:1.0〜2.0:1.0となるように添加すればよい。
本発明に係る金の還元回収方法においては、還元処理前の金含有有機相を、塩酸濃度が0.5〜2.0mol/Lの塩酸水溶液により洗浄し、その後還元処理することが好ましい。金の回収対象となる廃棄物等には、金の他、鉄、ニッケル、銅等の金属が含まれている。これらの金属は、金及び塩化物イオンを含む溶液中に混入しており、ジブチルカルビトールにて抽出した場合、金と共に抽出されて金含有有機相中にも混入することとなる。このように不純物として混入している金属は、金含有有機相を塩酸水溶液により洗浄することで除去することができる。かかる塩酸水溶液の塩酸濃度は、0.5〜2.0mol/Lであることが好ましい。塩酸濃度が0.5mol/Lより低いと、Auの分配比(分配比=(有機相中の溶質の全濃度)/(水相中の溶質の全濃度))が低くなるため、抽出液からのAuの回収率が低くなる。また、2.0mol/Lより高いと、不純物が十分に除去出来ないからである。より好ましい塩酸濃度は、1.0〜1.5mol/Lの範囲である。
また、抽出の際の有機相/水相(体積比)(以下O/A比とする)は、4/1〜1/4であることが好ましい。O/A比が高くなると洗浄効率が低くなり、一方、O/A比が低いと洗浄効率は良いものの、Auの収率が低下する。より好ましくは、O/A比が1/2〜2/1の範囲である。
本発明における金回収工程は、DBCにより抽出された金含有有機相を対象とするものである。従って、還元処理前になされる、金イオン及び塩化物イオンを含む溶液の製造工程や、DBCによる抽出工程について特段の制限はない。
但し、上記還元前の工程について述べると、金イオン及び塩化物イオンを含む溶液は、金イオンを含む王水であることが好ましい。即ち、金を含む各種廃棄物等を溶解させる溶液は、王水が好ましい。王水は、酸化力が強く、通常の酸には溶けない金を溶解させることが可能であり、廃棄物等の金を効率的に溶液化することができるからである。
そして、金イオン及び塩化物イオンを含む溶液は、金イオンを含む王水であり、硝酸イオン(NO )の濃度が0.1mol/L以下であることがより好ましい。硝酸イオンは、金以外の貴金属(白金、パラジウム)と錯体を形成する性質があることに加え、ジブチルカルビトールにも溶解する傾向にある。このため、廃棄物等に白金やパラジウムが含まれているときに、硝酸イオン濃度の高い王水を使用すると、抽出後の金含有有機相にも混入するため、結果的には回収した金の純度を低下させてしまうこととなる。従って、硝酸イオンを全く含まないことが望ましいが、本願発明を実施するにあたり、硝酸イオン濃度が上記範囲内の王水(以下、脱硝王水とする)であれば、白金やパラジウムの混入を抑制することができる。より高純度の金を回収することを目的とする場合には、脱硝王水の硝酸イオン濃度は、0.05mol/L以下の範囲内であることが、更に好ましい。
尚、このような王水中の硝酸イオン濃度低減の方法としては、金を含む廃棄物等を溶解させた王水を加熱して2倍以上濃縮し、11N塩酸を同量添加後、再濃縮する操作を3回繰り返す方法が挙げられる。脱硝後の溶液の酸濃度は5〜6mol/Lである。有機相へのAuの分配比は酸濃度が高い程高くなるが、不純物も有機相へ移行しやすくなる。そこで、脱硝後の溶液の酸濃度は1.5〜3.0mol/Lとするのが好ましい。
また、上記王水以外にも、金イオン及び塩化物イオンを含む溶液は、酸化剤である塩素により金を塩酸に溶解して生成されたものであっても良い。塩酸のみでは金の溶解は困難であるが、塩素ガスを吹き込むことにより、金イオン濃度の高い溶液を得ることができる。この塩素混合塩酸は、王水と異なり硝酸イオンを含まないことから、上記のような他の貴金属の同伴を懸念する必要がないというメリットがある。具体的には、1N〜4N塩酸1Lに対して0.01L/min〜0.2L/minの塩素ガスを吹き込みにより加えるのが適当である。塩素の混合の手間と金の回収効率を考慮すれば、2N〜3N塩酸に対して塩素を加えるのが、より好ましい。
尚、廃棄物等の一般的定義は、粗大ごみ、廃油、廃酸、廃アルカリ等の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のものをいい、有価物か無価物かを問わない。とりわけ本願においては、廃棄物等のうち、有価物を含むものを対象としており、例えば金を含む廃液等である。
また、DBCによる抽出工程については、金の抽出量(有機相中の金含有量)に応じて溶媒量を設定する等、通常の抽出の条件設定で行うことができる。尚、金含有有機層と水相の密度が等しくなると、当該有機相と水相がエマルジョン化してしまい分離しなくなるため、有機相中の金含有量は多くても85g/L以下に維持することが好ましい(引用文献1、2)。金の回収効率を考えると、金含有量は40〜50g/L程度とするのが一般的である(引用文献1、2)。
以上で説明したように、本発明によれば、より簡便に高純度の金を安定して回収することができる。
本発明に係る方法(実施例2)により得られた金粉 還元剤にシュウ酸(従来例1)を用いた場合に得られた金粉
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
第1実施形態(基本条件の設定及び従来技術との比較)
この実施形態では、還元剤の種類や還元時の温度、pHが与える影響についての検証結果を示す。
金を含む樹脂やスクラップ、歯科材からなる廃棄物を焼成後、王水に溶解させることにより得られた金及び塩化物イオンを含む溶液(金濃度:114g/L、錫濃度:0.85g/L)を、ジブチルカルビトール(DBC)にて抽出し、金含有有機相(金濃度:45g/L、錫濃度:0.22g/L)を得た。得られた金含有有機相を1.5N塩酸にて2回洗浄した後、還元剤を加えて金を還元処理した。
抽出及び洗浄は、分液漏斗を用い、抽出では、O/A比=2/1、洗浄ではO/A比=1/5とし、振盪時間5分、相分離時間10分とした。また、還元処理は、ビーカーを用い、表1に示す還元剤を使用し、24wt%水酸化カリウム溶液を添加してpH調整を行った後、4時間攪拌することにより行った。還元処理時の温度、pHは、表1に示す条件とした。
還元処理後に沈澱した金粉は、純水洗浄とアルコール洗浄を3回以上繰り返した。洗浄の際は、真空を利用したろ過器を用い、30分以上ろ過器内で真空引きした後に、強制換気式乾燥機にて150℃以上で一昼夜乾燥を行った。
抽出法に用いた水溶液(廃棄物等を王水に溶解させた金及び塩化物イオンを含む溶液)の金と錫の濃度を高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下、ICP法とする。)により測定したところ、金濃度は114g/L、錫濃度は0.85g/Lであり、Pt、PdおよびFe、Ni、Cu等の遷移金属を含んでいた。また、還元された溶媒中のAu濃度(ジブチルカルビトールにて抽出した金含有有機相中のAuの濃度)は、ICP法によれば金濃度は45g/L、錫濃度は0.22g/Lであった。
Figure 0005351747
表2に、還元処理により回収した金の純度、回収した金に含まれる錫の含有量、及び還元処理後の有機相中の金含有量、水相中の金含有量を示す。尚、金の純度は灰吹き法により分析を行い、錫の含有量は固体発光プラズマ法により分析した。
また、有機相中の金含有量は有機相の金濃度と比重の相関値を用いて測定した。有機相中の金濃度と比重の相関は、既知濃度の塩化金酸のみを含む溶液と有機相を接触させた後、水相の金濃度をICP法により分析することで、有機相中の金濃度を計算により求め、有機相の比重を実測することで求めた。
Figure 0005351747
実施例1〜6の結果から、本願発明によれば、有機相中の金を高収率で還元することができ、また、得られた金は高純度であることがわかった。一方、比較例をみると、金に錫が混入するか、あるいは還元反応が十分でない結果となった。傾向としては、還元温度やpHが高い場合は錫が混入してしまい(比較例2、3、5)、還元温度が低い場合は還元反応が十分に進行しないことがわかった(比較例1)。また、pHが低い場合は、還元反応は完結し錫の混入は抑制されるものの、シュウ酸が析出してしまい、洗浄による金粉末中のシュウ酸除去が困難となり純度が低下してしまった(比較例4)。そして、還元剤にシュウ酸を使用した場合は、還元反応が進行するものの、80℃条件下では錫が混入してしまうため純度が低下してしまった(従来例1)。
図1、図2に、実施例2、従来例1により得られた金粉を示す。図からわかるように、還元剤としてシュウ酸を使用した場合には、シュウ酸カリウムを使用した場合と比較して金粉が塊状になりやすいことがわかった。この結果から、高温条件下で還元剤にシュウ酸を用いた場合は、不純物金属イオンの還元抑制ができずにアモルファスや合金粉末なども析出してしまい、金粉同士が付着しやすくなり塊状となってしまったことが予想される。
第2実施形態(不純物混入の抑制効果の検証)
第2実施形態では、金及び塩化物イオンを含む溶液を、王水、脱硝王水、塩酸と塩素の混合溶液とした場合の、白金やパラジウムの混入を抑制する効果について検証した結果を示す。
金及び塩化物イオンを含む溶液をジブチルカルビトール(DBC)にて抽出し、得られた金含有有機相に還元剤を加えて金を還元処理した。本実施形態に使用した金及び塩化物イオンを含む溶液の組成を表3に示す。抽出、還元処理は実施例2の条件と同様に行った。
尚、金含有の脱硝王水は、金を含む廃棄物等を溶解させた王水を加熱して2倍以上濃縮し、11N塩酸を同量添加後、再濃縮する操作を3回繰り返す方法により作製した。また、金含有の塩酸と塩素の混合溶液は、500mLのフラスコ内で、3N塩酸250mL中に金を含む廃棄物等を投入し、50℃、8時間の攪拌条件下で30mL/minで塩素ガスを吹き込み溶解した後、ろ過することにより作製した。
Figure 0005351747
表4は、還元処理により沈澱した金の純度、及び不純物として含まれる白金、パラジウムの含有量を示したものである。実施例7〜11をみると、金及び塩化物イオンを含む溶液中に含まれるNO の濃度に応じて、白金やパラジウムの含有量が若干増加する傾向が見られたが、いずれも高純度の金が得られる結果となった。
Figure 0005351747
以上の結果から、本発明による方法を用いれば、従来技術と比較して錫等の不純物の混入を抑制することができ、また、室温条件下にて高純度の金を高収率で回収可能であることは明確である。
本発明によれば、室温条件下で十分な還元性能を発揮し、且つ錫イオンの還元を抑制する還元剤を使用することにより、金を高純度で回収する方法を提供することができる。

Claims (5)

  1. 金イオン及び塩化物イオンを含む溶液とジブチルカルビトールとの接触により抽出される金含有有機相に、水相である還元剤を加えることにより、金イオンを水相へ移行させると共に還元処理する金の還元回収方法において、
    前記還元剤はシュウ酸カリウム水溶液であり、還元処理時の反応温度を10℃〜50℃とし、更に、還元処理時のpHを2.5〜6.5とすることを特徴とする金の還元回収方法。
  2. 還元処理前の金含有有機相を、塩酸濃度が0.5〜2.0mol/Lの塩酸水溶液により洗浄し、その後還元処理する請求項1に記載の金の還元回収方法。
  3. 金イオン及び塩化物イオンを含む溶液は、金イオンを含む王水である請求項1又は請求項2に記載の金の還元回収方法。
  4. 金イオン及び塩化物イオンを含む溶液は、金イオンを含む王水であり、その硝酸イオン(NO )の濃度が、0.1mol/L以下である請求項3に記載の金の還元回収方法。
  5. 金イオン及び塩化物イオンを含む溶液は、酸化剤である塩素により金を塩酸に溶解して生成されたものである請求項1又は請求項2に記載の金の還元回収方法。
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