JP2015131989A - 有機相からのAuの還元回収方法 - Google Patents
有機相からのAuの還元回収方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】Au及び不純物を含む有機相から純度の高い金属Auを得るにあたり70℃以上の高温にする必要がなく、50℃を超えても高純度のAuを得ることができ、水相のpHが低下しても還元力が落ちない方法を提供する。
【解決手段】Auを抽出したジブチルカルビトールから、亜硫酸塩の水溶液を用いてAuを還元する。反応温度は5℃〜60℃、水相のpHは10以下とする。
【選択図】なし
【解決手段】Auを抽出したジブチルカルビトールから、亜硫酸塩の水溶液を用いてAuを還元する。反応温度は5℃〜60℃、水相のpHは10以下とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、Auを溶媒抽出により分離回収する方法に関する。
使用済みの電子材料、宝飾品、歯科材料やこれらの製造工程で発生するスクラップはAuを始め他の貴金属(Ag,Pt,Pd)、重金属(Cu、Feなど)を含んでいる。Auは希少であるため、これらの使用済み製品やスクラップからAuを分離回収し、再利用している。
Auを分離回収する方法は種々存在するが、代表的な方法の一つに王水や酸化剤を加えた塩酸に上記の原料を溶解させ、Auを有機溶媒に抽出するという方法がある。抽出溶媒はAuに対する選択性の高さからジブチルカルビトール(DBC)がよく用いられている。DBCはAuに安定に配位するためAu抽出後の有機相に還元剤水溶液を加えると、Auの水相への移行と還元が連続的に起こり、有機相から直接金属Auを得ることができるという利点もある。従来は還元剤水溶液にシュウ酸またはシュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウムが使用されている(特許文献1、2)。
しかしシュウ酸、シュウ酸ナトリウムは水に対する溶解度が低いため還元反応を進めるには加熱(70〜90℃程度)を行わなければならない。Auを抽出した後のDBCには少量ながらSn、Fe等の不純物が存在しているが、高温で還元反応を行うとこれら不純物も還元され、金属Auの純度低下を招くという問題があった。
シュウ酸カリウムはシュウ酸、シュウ酸ナトリウムに比べて水に対する溶解度は高く70℃以上の高温まで加熱をする必要はないが、シュウ酸で還元する点では同じため前記問題の根本的な解決にはなっておらず、温度を50℃より高くするとシュウ酸、シュウ酸ナトリウムと同様に得られる金属Auの純度が低下するという問題があった。
さらに特許文献2にも示されているように、シュウ酸はpHが2.5を下回ると非解離状態が有利となり還元力が低下する。本発明者らが試験を行なったところ、Au抽出後のDBCには原料溶液中の王水・塩酸などが混ざっているため還元時にこれらの酸が水相に移ってpHが2.5を下回り、還元を進めるためにアルカリを添加してpH2.5以上に調整しなければならなかった。
Au及び不純物を含む有機相から純度の高い金属Auを得るにあたり、還元反応を進めるために70℃以上の高温にする必要がなく、かつ50℃を超える温度でも純度の高いAuを得ることができ、さらに水相のpHが低下しても還元力が落ちない方法を提供する。
これらの課題を解決するため、本発明者らはAuイオン及び塩化物イオンを含む溶液とDBCとの接触により抽出されるAu含有有機相に、水相である還元剤を加えることによりAuイオンを水相へ移行させると共に還元処理するAuの還元回収方法において、前記還元剤に亜硫酸塩の水溶液を用い、還元処理時の反応温度を5℃〜60℃、水相のpHを10以下とすることが有効であることを見出した。
本発明によれば水に対する溶解度の高い亜硫酸塩の水溶液を還元剤に用いるため水相を70℃以上に上げずとも反応が進む上、Auに対する選択性が向上し、50℃を超えても純度の高い金属Auを得ることができる。亜硫酸塩は水相が酸性になるほど還元反応が促進されるので、酸の混ざったAu含有有機相との接触で水相のpHが下がった場合も還元力は低下しない。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった。還元剤水溶液をAu含有有機相と混合すると、有機相中のAuイオンが水相に移行し、その後Auイオンが還元される。その際、Au含有有機相中の不純物はAuイオンと共に水相に移行する。そこで本発明者らはAuに対して選択性の高い還元剤を用いることが課題解決に有効であると考え、種々の還元剤を試験した。
その結果、亜硫酸塩に高いAu選択性があることを見出した。従来から亜硫酸塩はAuイオンの還元に一般的に用いられているが、精製工程を経たAu含有溶液から単にAuイオンを還元する目的で使用されているだけであって、Auイオンに対する高い選択性を有していることは、本発明者らの検討により新たに発見したものである。
還元剤として働くのは亜硫酸イオンであるので、亜硫酸塩の種類は特に限定されない。一般的に用いられるのは亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムである。
亜硫酸塩による還元はAuとFe、Snなどの卑金属のみならず、貴金属であるPt、Pd、Agとも分離可能である。また亜硫酸塩は水に対する溶解度が高いため還元反応は常温(5℃〜30℃)で起こるが、加熱すると反応が促進される。亜硫酸イオンは高温に加熱しても選択性に影響はないが、設備の耐熱性やコストの観点から温度の上限は60℃くらいがよい。
Au含有有機相からの亜硫酸塩によるAuイオンの還元は水素イオンを消費する反応であるため水相のpHが低いほど促進でき、pHが高くなるほど反応速度が低下する(化1参照)。本発明者らが試験を行なったところ、還元処理時の水相pHが10を超えると反応速度が著しく低下することが分かった。従って、還元処理時の水相のpHは10以下とする。ただし、pHが低すぎると生成した金属Auが水相に再溶解することがあるため、pH0以上にすることが好ましい。
pHが10を超えている場合、還元反応が著しく遅くなるためAuイオンが水相に残ってしまう場合がある。そうした時は水相pHが10以下となるように、還元処理時に酸を添加する、あるいは亜硫酸塩水溶液に酸を添加し、あらかじめ酸性にしておくとよい。さらに研究の結果、本発明者らは還元処理時の水相pHが低いほど得られる金属Auは粒が大きく金色に近い色であるのに対し、水相pHが高いほど粒が小さく茶色になることが分かった。得られた金属Auは従来法に基づきろ過・洗浄を行い、用途に応じて成形する。よって金属Auの粒が大きいほうがこれらの後工程において取扱いが容易で早く作業ができる。還元時に水相を酸性に近づけることは、この点でも有利である。
実施例1
従来法に従ってAuを含む塩酸酸性溶液からAuを抽出、希塩酸洗浄したDBC10Lに対し、128g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶液20Lを加えて10分間攪拌したところ、水相のpHは11から0.2まで低下し、DBC中のAuは全て還元された。液温制御は行わず、15℃〜25℃であった。抽出・洗浄後のDBCに含まれる金属の組成と得られた金属Au中の不純物量を表1に示す。DBCに含まれる金属の組成は抽出前後、洗浄前後の水相の組成分析により求めた。
従来法に従ってAuを含む塩酸酸性溶液からAuを抽出、希塩酸洗浄したDBC10Lに対し、128g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶液20Lを加えて10分間攪拌したところ、水相のpHは11から0.2まで低下し、DBC中のAuは全て還元された。液温制御は行わず、15℃〜25℃であった。抽出・洗浄後のDBCに含まれる金属の組成と得られた金属Au中の不純物量を表1に示す。DBCに含まれる金属の組成は抽出前後、洗浄前後の水相の組成分析により求めた。
Claims (1)
- Auイオン及び塩化物イオンを含む溶液とジブチルカルビトールとの接触により抽出されるAu含有有機相に、水相である還元剤を加えることによりAuイオンを水相へ移行させると共に還元処理するAuの還元回収方法において、前記還元剤は亜硫酸塩水溶液であり、還元処理時の反応温度を5℃〜60℃とし、更に、還元処理時の水相pHを10以下とすることを特徴とする有機相からのAuの還元回収方法。
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JP2014003593A JP2015131989A (ja) | 2014-01-10 | 2014-01-10 | 有機相からのAuの還元回収方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017086497A1 (ko) * | 2015-11-17 | 2017-05-26 | 삼덕금속(주) | 용매추출에 의한 금의 회수방법 |
JP2020132956A (ja) * | 2019-02-20 | 2020-08-31 | 三菱マテリアル株式会社 | 金の回収方法 |
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2014
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