JPWO2011126035A1 - サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法及びサイアロン系酸窒化物蛍光体 - Google Patents

サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法及びサイアロン系酸窒化物蛍光体 Download PDF

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Abstract

α−サイアロンを主成分とする酸窒化物蛍光体において、青色LEDを光源とする白色LEDの高輝度化を実現できるフォトルミネッセンス蛍光体の製造方法を提供する。軽装密度0.16〜0.22g/cm3のアモルファス窒化ケイ素粉末を含み、生成物が式MxSi12−(m+n)Al(m+n)OnN16−n:Lny(Mは、Li,Ca,Mg,Y、またはLa,Ceを除くランタニド金属から選ばれる少なくとも1種の金属であり、Lnは、Eu,Dy,Er,Tb,Ybから選ばれる少なくとも1種のランタニド金属である。)で表わされる様に配合された混合粉末を、窒素を含有する不活性ガス雰囲気中1400〜2000℃で焼成することを特徴とするα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法。

Description

本発明は、α−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法及びサイアロン系酸窒化物蛍光体に関する。具体的には、青色発光ダイオード(青色LED)を光源とする白色発光ダイオード(白色LED)の高輝度化を実現する、粉末状態の希土類金属元素で賦活されたα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法及びサイアロン系酸窒化物蛍光体に関する。
ケイ酸塩、リン酸塩(たとえば、アパタイトなど)、アルミン酸塩を母体材料とし、これら母体材料に遷移金属もしくは希土類金属を賦活材として添加した蛍光体が、広く知られている。特に、近年、青色LEDが実用化されたことにより、この青色LEDを利用した白色光源の開発が精力的に行われている。白色LEDは、既存の白色光源に比べて消費電力が低く、長寿命であることが期待されることから、液晶パネル用バックライト、屋内照明器具、自動車のパネル用バックライトなどへの用途開発が進行している。
現在開発されている白色LEDは、青色LEDの表面にYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の蛍光体を塗布したものであり、Ceで賦活されたYAG系蛍光体が青色LEDの青色光を黄色光に変換する。青色LEDが放射する波長450nmの青色光の一部は蛍光体層を透過し、残りは蛍光体に当たって黄色光に変換される。この青色、黄色の2色光が混ざり合って白色に見えることになる。
しかしながら、YAG系蛍光体は、励起波長が400nmを超えるとスペクトル強度が低下するので青味がかった白色光となるばかりでなく、青色LEDの励起エネルギーとYAG系蛍光体の励起エネルギーとが一致しないので発光効率が低いという課題がある。また、コーティングされた蛍光体層の耐久性が不十分であるという問題もある。このため、波長変換に使用する蛍光体自体の性能改善が求められている。
本出願人は、特許文献1において、一般式MSi12−(m+n)Al(m+n)16−n:Ln(式中、0.3≦x+y<1.5,0<y<0.7,0.3≦m<4.5、0<n<2.25、金属Mの原子価をa、ランタニド金属Lnの原子価をbとするとき、m=ax+byである。)で表わされ、α−サイアロンに固溶する金属M(Mは、Li,Ca,Mg,Y、またはLa,Ceを除くランタニド金属から選ばれる少なくとも1種の金属)の一部または全てが、発光の中心となるランタニド金属Ln(Lnは、Eu,Dy,Er,Tb,Ybから選ばれる少なくとも1種のランタニド金属)で置換されたα−サイアロン系酸窒化物蛍光体を開示した。
この特許文献1に開示されているα−サイアロン系酸窒化物蛍光体は一定の優れた蛍光体であるが、蛍光体の発光強度をさらに改良することが望ましい。
特開2004−238505号公報
本発明は、一般式:MSi12−(m+n)Al(m+n)16−n:Ln(式中、0.3≦x+y<1.5,0<y<0.7,0.3≦m<4.5、0<n<2.25、金属Mの原子価をa、ランタニド金属Lnの原子価をbとするとき、m=ax+byである)で表わされるα−サイアロンを主成分とする酸窒化物蛍光体において、青色LEDを光源とする白色LEDの高輝度化を実現できるフォトルミネッセンス蛍光体の製造方法を提供することを目的とする。
本出願人は、酸窒化物蛍光体の製造において、軽装密度の高いアモルファス窒化ケイ素粉末を原料として用いて、青色LEDを光源とする白色LEDの高輝度化を実現できるフォトルミネッセンス蛍光体を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、軽装密度0.1〜0.3g/cmであるアモルファス窒化ケイ素粉末を含み、代表的には、さらに、AlNおよび/またはAl粉末と、金属Mの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、ランタニド金属Lnの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを、生成物が式
Si12−(m+n)Al(m+n)16−n:Ln
(式中、Mは、Li,Ca,Mg,Y、またはLa,Ceを除くランタニド金属から選ばれる少なくとも1種の金属であり、Lnは、Eu,Dy,Er,Tb,Ybから選ばれる少なくとも1種のランタニド金属であり、0.3≦x+y<1.5、0<y<0.7、0.3≦m<4.5、0<n<2.25である。)
で表わされるとして計算した配合割合で組合せた混合粉末を、窒素を含有する不活性ガス雰囲気中1400〜2000℃で焼成することを特徴とする、粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法に関する。
また、本発明は、前記アモルファス窒化ケイ素粉末の比表面積が600超〜800m/gであることを特徴とする粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法に関する。
本発明のα−サイアロンを主成分とする酸窒化物蛍光体は、発光強度が高く、スペクトルも適正な波長であるため、青色LEDを光源とする、高輝度で、信頼性の高い白色LEDとして使用することができる。
本発明の粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法は、軽装密度が0.1〜0.3g/cmであるアモルファス窒化ケイ素粉末を含み、代表的には、AlNおよび/またはAl粉末と、金属Mの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、ランタニド金属Lnの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを、生成物が式MSi12−(m+n)Al(m+n)16−n:Ln(式中、Mは、Li,Ca,Mg,Y、またはLa,Ceを除くランタニド金属から選ばれる少なくとも1種の金属であり、Lnは、Eu,Dy,Er,Tb,Ybから選ばれる少なくとも1種のランタニド金属であり、0.3≦x+y<1.5、0<y<0.7,0.3≦m<4.5、0<n<2.25である。)で表わされるとして計算した配合割合で組合せた混合粉末を、窒素を含有する不活性ガス雰囲気中1400〜2000℃で焼成することを特徴とする、粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法にある。
本発明の製造方法で製造するα−サイアロン系酸窒化物蛍光体を表す下記一般式
Si12−(m+n)Al(m+n)16−n:Ln
において、α−サイアロンに侵入固溶する金属M及び発光の中心となるランタニド金属Lnは、(Si,Al)(N,O)の4式量を含むα−サイアロンの大きな単位胞1個当たり最高2個まで固溶するので、固溶限界の観点から、前記の一般式において、0.3≦x+y<1.5,0<y<0.7,0.3≦m<4.5、0<n<2.25となり、金属Mの原子価をa、ランタニド金属Lnの原子価をbとするとき、m=ax+byである。例えば、侵入金属M、Lnが総て2価のときは、0.6≦m<3.0かつ0<n<1.5であり、侵入金属M、Lnが総て3価のときは、0.9≦m<4.5かつ0<n<2.25である。
軽装密度が0.1〜0.3g/cmであるアモルファス窒化ケイ素粉末を含む出発原料を用いて、α−サイアロン系酸窒化物蛍光体を製造すると、青色LEDを光源とする白色LEDの高輝度化を実現できるフォトルミネッセンス蛍光体を得ることができる。アモルファス窒化ケイ素粉末の軽装密度は、0.1〜0.3g/cmであるが、0.16〜0.22g/cmが好ましい。軽装密度が0.1g/cm未満では、蛍光強度を向上させる効果がなく、0.3g/cmを超えると、蛍光特性が低下する。
ここで、粉末の軽装密度はJIS R9301−2−3に準拠して測定するが、具体的には、サンプルをシュートを通じてゆっくりと測定容器に落下させて、その重さと体積から算出した値である。
また、アモルファス窒化ケイ素粉末の比表面積は、600超〜800cm/gであるが、650〜800cm/gが好ましい。比表面積が600cm/g以下では、α−サイアロンの結晶性が低下し、蛍光特性が向上しない。比表面積800cm/gより大きいと、α−サイアロン以外の結晶相が生成し、蛍光特性が低下する。
本発明に用いる軽装密度が0.16〜0.22g/cmであるアモルファス窒化ケイ素粉末は、限定されないが、軽装密度が0.10〜0.30g/cmである含窒素シラン化合物粉末を加熱処理して製造することができる。また、軽装密度が0.10〜0.30g/cmの含窒素シラン化合物の粉末は、本出願人が特願2009−82730号及び特願2009−82747号に開示した製法により得ることができる。以下にその製造方法を説明する。
この軽装密度が0.10〜0.30g/cmである含窒素シラン化合物粉末は、ハロゲン化シラン化合物を液体アンモニアと混合して反応させるに際し、ハロゲン化シラン化合物を無溶媒かあるいはハロゲン化シラン化合物濃度が50vol%以上の不活性有機溶媒の溶液として液体アンモニア中に供給口から吐出させて供給することを特徴とする製造方法によって製造することができる。
この含窒素シラン化合物粉末の製造方法で使用するハロゲン化シランとしては、SiF、HSiF、HSiF、HSiFSiF、HSiF等の弗化シラン、SiCl、HSiCl、HSiCl、HSiCl等の塩化シラン、SiBr、HSiBr、HSiBr、HSiBr等の臭化シラン、SiI、HSiI、HSiI、HSiI等のヨウ化シランを使用することができる。また、RSiX、RSiX、RSiX(Rはアルキル又はアルコキシ基、Xはハロゲン)等のハロゲン化シランも使用することができる。
この含窒素シラン化合物の製造方法の実施において、ハロゲン化シランは無溶媒あるいは少量の有機溶媒で希釈した溶液として供給することができる。ハロゲン化シランを無溶媒で供給した場合には、生成した含窒素シラン化合物粉末を反応スラリーからろ別して得られるろ液は、液体アンモニア及びこれに溶解したハロゲン化アンモニウムの二成分のみで構成される。
ハロゲン化シランの希釈に使用する有機溶媒は、ハロゲン化シランを溶解し、ハロゲン化シランや液体アンモニアと反応しないものの中から適宜選択して使用することができる。例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどのような炭素数5〜12の鎖状の脂肪族炭化水素、シクロヘキサンやシクロオクタンのような環状の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを挙げることが出来る。
有機溶媒とハロゲン化シランとの混合溶液における好ましいハロゲン化シラン濃度は、50vol%以上、より好ましくは66vol%以上である。50vol%未満の濃度では、生成する含窒素シラン化合物粉末について見掛け密度の充分な増加が得られない。
この含窒素シラン化合物の製造方法の実施において、ハロゲン化シランを無溶媒あるいは少量の有機溶媒で希釈した溶液として供給する際の吐出口は反応器内の液体アンモニア中に設置される。このときの供給口からの吐出線速度は5cm/sec以上に保つことが好ましい。線速度が充分でないと、吐出口から供給配管内部に向けて、微量のアンモニアが拡散によって侵入しやすくなる。この結果、吐出口近傍での窒素シラン化合物の生成や副生のハロゲン化アンモニウムの析出などによる供給配管の閉塞が起こりやすくなり、実用的でない。供給口からの吐出線速度は8cm/sec以上に保つことがより好ましい。
この含窒素シラン化合物の製造の実施において、ハロゲン化シランを無溶媒あるいは少量の有機溶媒で希釈した溶液として供給する際の供給ポンプの吐出圧力は、充分な圧力差を出せるようにしておくことが好ましい。例えば、反応器の圧力に対し5.9MPa以上、さらに好ましくは、7.8MPa以上の圧力差を出せる装置の能力を有することが望まれる。
この含窒素シラン化合物の製造の実施において、反応器におけるハロゲン化シランと液体アンモニアの混合比率は、ハロゲン化シラン体積/液体アンモニア体積=0.01〜0.1であることが好ましい。反応を実施する形式に特に制限はなく、バッチ式でも連続式でも良い。前記の混合比率は、反応をバッチ式で実施する場合には、1バッチあたりに反応器へ供給したハロゲン化シラン及び液体アンモニアの合計量の比率を指し、連続式の場合には、定常運転状態におけるハロゲン化シラン及び液体アンモニアの体積流量の比率を指す。
この含窒素シラン化合物の製造を実施する反応温度に特別な制限はなく、設備仕様に応じて低温から常温の範囲で選択することができるが、反応温度を高くすると液体アンモニアの蒸気圧が高まり反応器の圧力仕様を高くする必要が生じる。一方、反応温度が低過ぎると冷却設備に過大な負荷がかかってしまう。好適な反応温度範囲は−10〜40℃、より好ましくは0〜30℃である。
この含窒素シラン化合物の製造を実施する際の圧力は、反応スラリーの大部分を占める液体アンモニアの蒸気圧によって実質的に規定される。反応スラリー中の液体アンモニアの蒸気圧は反応温度に依存するため、反応を実施する圧力は反応温度に対応した値となる。圧力の好適な範囲は0.3〜1.6MPa、より好ましくは0.4〜1.6MPaである(絶対圧)。このように設定された圧力条件下では、液体アンモニアは沸点近傍の温度で存在しており、含窒素シラン化合物を合成する際に発生する大きな反応熱は、近傍に存在するアンモニアが蒸発することによって吸収することができる。
この含窒素シラン化合物は、一般にシリコンジイミドとも呼ばれる化合物であるが、室温付近でも容易にNHを吸収又は放出し、Si1315,Si1212,Si11などの種々の組成式で存在し得るSi−N−H系化合物である。この含窒素シラン化合物あるいはシリコンジイミドは、Si(NH)という式で表されることが多いが、ケイ素に結合したイミノ基又はアミノ基を有する化合物であると考えて化学式Si(NH(式中、xは1又は2であり、yは2〜4である)で表されることもある。
この含窒素シラン化合物は、上記の如く、製造後の軽装密度が0.10〜0.30g/cm、好ましくは0.16〜0.22g/cmであることを特徴とするが、そのほか、限定するわけではないが、一般的に、真密度は1.4〜1.9g/cm、より好ましくは1.5〜1.7g/cm、比表面積は含窒素シラン化合物では700〜1100m/g、より好ましくは800〜1000m/gにすることができる。
この軽装密度が0.10〜0.30g/cmの含窒素シラン化合物を熱処理することで、軽装密度が0.10〜0.30g/cmのアモルファス窒化珪素を得ることができる。軽装密度が0.10〜0.30g/cmの含窒素シラン化合物から軽装密度が0.10〜0.30g/cmのアモルファス窒化珪素を得る熱処理としては、たとえば、不活性ガス又は窒素雰囲気中で、600〜1200℃で焼成することによって得ることができる。
本発明の粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法において、上記のアモルファス窒化珪素とともに原料として用いるアルミニウム源としては、AlNおよび/またはAl粉末を用いるが、金属アルミニウム粉末、窒化アルミニウム粉末の夫々を単独で使用しても良く、併用しても良い。窒化アルミニウム粉末は、酸素含有量が0.1〜8質量%、比表面積が1〜100m/gの一般的なものを使用することができる。
本発明の粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法では、そのほか、金属Mの酸化物または熱分解により金属Mの酸化物を生成する前駆体物質、及びランタニド金属Lnの酸化物または熱分解によりランタニド金属Lnの酸化物を生成する前駆体物質を用いることができるが、熱分解により金属Mまたはランタニド金属Lnの酸化物を生成する金属塩類としては、夫々の炭酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩、塩基性炭酸塩、水酸化物等を挙げることができる。
また、出発原料としては、上記の如く焼成して生成物が一般式MSi12−(m+n)Al(m+n)16−n:Ln(式中、Mは、Li,Ca,Mg,Y、またはLa,Ceを除くランタニド金属から選ばれる少なくとも1種の金属であり、Lnは、Eu,Dy,Er,Tb,Ybから選ばれる少なくとも1種のランタニド金属であり、0.3≦x+y<1.5、0<y<0.7、0.3≦m<4.5、0<n<2.25である。)で表わされる配合割合の混合粉末に、予め合成された同じく一般式MSi12−(m+n)Al(m+n)16−n:Lnで表わされるα−サイアロン粉末を添加した混合物を出発原料とするなどの変形を行うこともできる。
前記した各出発原料を混合する方法については、特に制約は無く、それ自体公知の方法、例えば、乾式混合する方法、原料各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式混合した後に溶媒を除去する方法などを採用することができる。混合装置としては、V型混合機、ロッキングミキサー、ボールミル、振動ミル、媒体攪拌ミルなどが好適に使用される。但し、含窒素シラン化合物および/またはアモルファス窒化ケイ素粉末は、水分、湿気に対して極めて敏感であるので、出発原料の混合は、制御された不活性ガス雰囲気下で行うことが必要である。
出発原料の混合物は、1気圧の窒素含有不活性ガス雰囲気中1400〜2000℃、好ましくは1500〜1800℃で焼成され、目的とするα−サイアロン粉末が得られる。焼成温度が1400℃よりも低いと、所望のα−サイアロン粉末の生成に長時間の加熱を要し、実用的でない。また、生成粉末中におけるα−サイアロン相の生成割合も低下する。焼成温度が2000℃を超えると、窒化ケイ素およびサイアロンが昇華分解し、遊離のシリコンが生成する好ましくない事態が起こる。
更に、α−サイアロンとLi化合物を混合後、窒素含有不活性ガス雰囲気中1000〜1400℃で再加熱することが出来る。
出発原料混合粉末を、加圧窒素ガス雰囲気下1600〜2000℃、好ましくは1600〜1900℃の温度範囲で焼成することもできる。この場合には、窒素ガス加圧により、高温下での窒化ケイ素およびサイアロンの昇華分解が抑制され、短時間で所望のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体を得ることができる。窒素ガス圧を高くすることで焼成温度を上げることができるが、例えば5気圧の窒素ガス加圧下では1600〜1850℃、10気圧の窒素ガス加圧下では1600〜2000℃で焼成することができる。
更に、α−サイアロンとLi化合物を混合後、窒素含有不活性ガス雰囲気中1000〜1400℃で再加熱することが出来る。
粉末混合物の焼成に使用される加熱炉については、とくに制約は無く、例えば、高周波誘導加熱方式または抵抗加熱方式によるバッチ式電気炉、ロータリーキルン、流動化焼成炉、プッシャ−式電気炉などを使用することができる。
本発明の製造方法で製造される粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体は、上記の一般式で表されるα−サイアロン系酸窒化物からなるが、蛍光の発光強度が従来のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体より改良されている。
α−サイアロン系酸窒化物蛍光体の粒度分布曲線におけるメジアン径は8μm以下のものが好ましく、1〜6μmのものは特に好ましい。
本発明の、希土類元素で賦活させたα−サイアロン系酸窒化物蛍光体は、公知の方法でエポキシ樹脂やアクリル樹脂等の透明樹脂と混練されてコーティング剤が製造され、該コーティング剤で表面をコーティングされた発光ダイオードは、光変換素子として使用される。
以下では具体的例を示し、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜5
四塩化ケイ素を無溶媒あるいは四塩化ケイ素濃度が50vol%以上の不活性有機溶媒の溶液として液体アンモニアを反応させることにより得られた比表面積1104m/gのシリコンジイミドを600〜1200℃で加熱分解して、軽装密度0.18〜0.22g/cm 比表面積689〜782m/gのアモルファス窒化ケイ素粉末を得た。本材料は、反応容器材質および粉末取り扱い機器における粉体と金属との擦れ合い状態を改良する公知の方法により、アモルファス窒化ケイ素粉末に混入する金属不純物は10ppm以下に低減される。また、加熱炉に流通させる窒素ガス中の酸素濃度を20ppm〜1000ppmの範囲で制御できる。
出発原料として使用するアモルファス窒化ケイ素粉末が所定の値になっていることを確認した後、窒化アルミニウム粉末、炭酸リチウム粉末、窒化リチウム粉末、酸化ユーロピウム粉末を、表1の組成になるように窒素ガス雰囲気中で秤量した。窒素ガス雰囲気中で振動ミルで1時間混合した。混合後、窒素パージされたグローボックス中で粉末を取り出し坩堝に充填して、抵抗加熱式電気炉にセットし、常圧の窒素雰囲気中で室温から1200℃までを2時間、1200℃から1440℃までを4時間、更に1440℃から1725℃までを2時間のスケジュールで昇温し、12時間保持して結晶化させ、α−サイアロン粉末を得た。更にα−サイアロンと酸化リチウムを混合後、常圧の窒素雰囲気中で1400℃で加熱処理した。
得られた粉末をめのう乳鉢・乾式粉砕機・湿式粉砕機を用いて粉砕した。所定の粒径にした後、日本分光社製、積分球付のFP−6500を用いて、励起波長を450nmとして、蛍光特性を評価した。
測定した蛍光特性は、蛍光の主波長(CIE色度図における、白色点の座標:x=0.33,y=0.33と試料の発光スペクトルの座標の二つの点を通る直線と、単色軌跡との交点から求められる波長)及びその主波長の強度(表1,2には相対強度を示す。)である。
本発明における粉末の軽装密度は、JIS R9301−2−3に準拠した手法で求めた。比表面積は窒素ガス吸着法によるBET法で測定した。
比較例1〜4
先ず四塩化ケイ素濃度が33vol%のトルエン溶液と液体アンモニアを反応させることにより得られた、軽装密度0.08g/cm、比表面積869m/gのシリコンジイミドを600〜1200℃で加熱分解して、軽装密度0.09g/cm、比表面積463m/gのアモルファス窒化ケイ素粉末を得た。
以下、実施例1と同様に、しかし表1の比較例1〜4に示した配合割合でα−サイアロンを作製して評価した。
比較例5
実施例1と同様に、しかし表1の比較例5に示した配合割合でα−サイアロンを作製して評価した。
Figure 2011126035
実施例6〜9
四塩化ケイ素を無溶媒あるいは四塩化ケイ素濃度が50vol%以上の不活性有機溶媒の溶液として液体アンモニアを反応させることにより得られた比表面積1104m/gのシリコンジイミドを600〜1200℃で加熱分解して、軽装密度0.18〜0.22g/cm、比表面積689〜782m/gのアモルファス窒化ケイ素粉末を得た。本材料は、反応容器材質および粉末取り扱い機器における粉体と金属との擦れ合い状態を改良する公知の方法により、アモルファス窒化ケイ素粉末に混入する金属不純物は10ppm以下に低減される。また、加熱炉に流通させる窒素ガス中の酸素濃度を20ppm〜1000ppmの範囲で制御できる。
出発原料として使用するアモルファス窒化ケイ素粉末が所定の値になっていることを確認した後、窒化アルミニウム粉末、炭酸カルシウム粉末、窒化カルシウム粉末、酸化ユーロピウム粉末を、表2の組成になるように窒素ガス雰囲気中で秤量した。窒素ガス雰囲気中で振動ミルで1時間混合した。混合後、窒素パージされたグローボックス中で粉末を取り出し坩堝に充填して、抵抗加熱式電気炉にセットし、常圧の窒素雰囲気中で室温から1200℃までを2時間、1200℃から1440℃までを4時間、更に1440℃から1725℃までを2時間のスケジュールで昇温し、12時間保持して結晶化させ、α−サイアロン粉末を得た。
得られた粉末をめのう乳鉢・乾式粉砕機・湿式粉砕機を用いて粉砕した。所定の粒径にした後、日本分光社製、積分球付のFP−6500を用いて蛍光特性を測定した。
比較例6〜9
先ず四塩化ケイ素濃度が33vol%のトルエン溶液と液体アンモニアを反応させることにより得られた、軽装密度0.08g/cm、比表面積869m/gのシリコンジイミドを600〜1200℃で加熱分解して、軽装密度0.09g/cm、比表面積463m/gのアモルファス窒化ケイ素粉末を得た。
以下、実施例6と同様に、しかし表1の比較例6〜8に示した配合割合でα−サイアロンを作製して評価した。
比較例9、10
実施例6と同様に、しかし表2の比較例9,10に示した配合割合でα−サイアロンを作製して評価した。
Figure 2011126035
本発明は、α−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法及びサイアロン系酸窒化物蛍光体に関する。具体的には、青色発光ダイオード(青色LED)を光源とする白色発光ダイオード(白色LED)の高輝度化を実現する、粉末状態の希土類金属元素で賦活されたα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法及びサイアロン系酸窒化物蛍光体に関する。
ケイ酸塩、リン酸塩(たとえば、アパタイトなど)、アルミン酸塩を母体材料とし、これら母体材料に遷移金属もしくは希土類金属を賦活材として添加した蛍光体が、広く知られている。特に、近年、青色LEDが実用化されたことにより、この青色LEDを利用した白色光源の開発が精力的に行われている。白色LEDは、既存の白色光源に比べて消費電力が低く、長寿命であることが期待されることから、液晶パネル用バックライト、屋内照明器具、自動車のパネル用バックライトなどへの用途開発が進行している。
現在開発されている白色LEDは、青色LEDの表面にYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の蛍光体を塗布したものであり、Ceで賦活されたYAG系蛍光体が青色LEDの青色光を黄色光に変換する。青色LEDが放射する波長450nmの青色光の一部は蛍光体層を透過し、残りは蛍光体に当たって黄色光に変換される。この青色、黄色の2色光が混ざり合って白色に見えることになる。
しかしながら、YAG系蛍光体は、励起波長が400nmを超えるとスペクトル強度が低下するので青味がかった白色光となるばかりでなく、青色LEDの励起エネルギーとYAG系蛍光体の励起エネルギーとが一致しないので発光効率が低いという課題がある。また、コーティングされた蛍光体層の耐久性が不十分であるという問題もある。このため、波長変換に使用する蛍光体自体の性能改善が求められている。
本出願人は、特許文献1において、一般式 MxSi12-(m+n)Al(m+n)n16-n:Lny(式中、0.3≦x+y<1.5,0<y<0.7,0.3≦m<4.5、0<n<2.25、金属Mの原子価をa、ランタニド金属Lnの原子価をbとするとき、m=ax+byである。)で表わされ、α−サイアロンに固溶する金属M(Mは、Li,Ca,Mg,Y、またはLa,Ceを除くランタニド金属から選ばれる少なくとも1種の金属)の一部または全てが、発光の中心となるランタニド金属Ln(Lnは、Eu,Dy,Er,Tb,Ybから選ばれる少なくとも1種のランタニド金属)で置換されたα−サイアロン系酸窒化物蛍光体を開示した。
この特許文献1に開示されているα−サイアロン系酸窒化物蛍光体は一定の優れた蛍光体であるが、蛍光体の発光強度をさらに改良することが望ましい。
特開2004−238505号公報
本発明は、一般式:MxSi12-(m+n)Al(m+n)n16-n:Lny(式中、0.3≦x+y<1.5,0<y<0.7,0.3≦m<4.5、0<n<2.25、金属Mの原子価をa、ランタニド金属Lnの原子価をbとするとき、m=ax+byである)で表わされるα−サイアロンを主成分とする酸窒化物蛍光体において、青色LEDを光源とする白色LEDの高輝度化を実現できるフォトルミネッセンス蛍光体の製造方法を提供することを目的とする。
本出願人は、酸窒化物蛍光体の製造において、軽装密度の高いアモルファス窒化ケイ素粉末を原料として用いて、青色LEDを光源とする白色LEDの高輝度化を実現できるフォトルミネッセンス蛍光体を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、軽装密度0.1〜0.3g/cm3であるアモルファス窒化ケイ素粉末を含み、代表的には、さらに、AlNおよび/またはAl粉末と、金属Mの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、ランタニド金属Lnの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを、生成物が式
xSi12-(m+n)Al(m+n)n16-n:Lny
(式中、Mは、Li,Ca,Mg,Y、またはLa,Ceを除くランタニド金属から選ばれる少なくとも1種の金属であり、Lnは、Eu,Dy,Er,Tb,Ybから選ばれる少なくとも1種のランタニド金属であり、0.3≦x+y<1.5、0<y<0.7、0.3≦m<4.5、0<n<2.25である。)
で表わされるとして計算した配合割合で組合せた混合粉末を、窒素を含有する不活性ガス雰囲気中1400〜2000℃で焼成することを特徴とする、粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法に関する。
また、本発明は、前記アモルファス窒化ケイ素粉末の比表面積が600超〜800m2/gであることを特徴とする粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法に関する。
本発明のα−サイアロンを主成分とする酸窒化物蛍光体は、発光強度が高く、スペクトルも適正な波長であるため、青色LEDを光源とする、高輝度で、信頼性の高い白色LEDとして使用することができる。
本発明の粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法は、軽装密度が0.1〜0.3g/cm3であるアモルファス窒化ケイ素粉末を含み、代表的には、AlNおよび/またはAl粉末と、金属Mの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、ランタニド金属Lnの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを、生成物が式MxSi12-(m+n)Al(m+n)n16-n:Lny(式中、Mは、Li,Ca,Mg,Y、またはLa,Ceを除くランタニド金属から選ばれる少なくとも1種の金属であり、Lnは、Eu,Dy,Er,Tb,Ybから選ばれる少なくとも1種のランタニド金属であり、0.3≦x+y<1.5、0<y<0.7,0.3≦m<4.5、0<n<2.25である。)で表わされるとして計算した配合割合で組合せた混合粉末を、窒素を含有する不活性ガス雰囲気中1400〜2000℃で焼成することを特徴とする、粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法にある。
本発明の製造方法で製造するα−サイアロン系酸窒化物蛍光体を表す下記一般式
xSi12-(m+n)Al(m+n)n16-n:Lny
において、α−サイアロンに侵入固溶する金属M及び発光の中心となるランタニド金属Lnは、(Si,Al)3(N,O)4の4式量を含むα−サイアロンの大きな単位胞1個当たり最高2個まで固溶するので、固溶限界の観点から、前記の一般式において、0.3≦x+y<1.5,0<y<0.7,0.3≦m<4.5、0<n<2.25となり、金属Mの原子価をa、ランタニド金属Lnの原子価をbとするとき、m=ax+byである。例えば、侵入金属M、Lnが総て2価のときは、0.6≦m<3.0かつ0<n<1.5であり、侵入金属M、Lnが総て3価のときは、0.9≦m<4.5かつ0<n<2.25である。
軽装密度が0.1〜0.3g/cm3であるアモルファス窒化ケイ素粉末を含む出発原料を用いて、α−サイアロン系酸窒化物蛍光体を製造すると、青色LEDを光源とする白色LEDの高輝度化を実現できるフォトルミネッセンス蛍光体を得ることができる。アモルファス窒化ケイ素粉末の軽装密度は、0.1〜0.3g/cm3であるが、0.16〜0.22g/cm3が好ましい。軽装密度が0.1g/cm3未満では、蛍光強度を向上させる効果がなく、0.3g/cm3を超えると、蛍光特性が低下する。
ここで、粉末の軽装密度はJIS R9301-2-3に準拠して測定するが、具体的には、サンプルをシュートを通じてゆっくりと測定容器に落下させて、その重さと体積から算出した値である。
また、アモルファス窒化ケイ素粉末の比表面積は、600超〜800cm2/gであるが、650〜800cm2/gが好ましい。比表面積が600cm2/g以下では、α―サイアロンの結晶性が低下し、蛍光特性が向上しない。比表面積800cm2/gより大きいと、α―サイアロン以外の結晶相が生成し、蛍光特性が低下する。
本発明に用いる軽装密度が0.16〜0.22g/cm3であるアモルファス窒化ケイ素粉末は、限定されないが、軽装密度が0.10〜0.30g/cm3である含窒素シラン化合物粉末を加熱処理して製造することができる。また、軽装密度が0.10〜0.30g/cm3の含窒素シラン化合物の粉末は、本出願人が特願2009−82730号及び特願2009−82747号に開示した製法により得ることができる。以下にその製造方法を説明する。
この軽装密度が0.10〜0.30g/cm3である含窒素シラン化合物粉末は、ハロゲン化シラン化合物を液体アンモニアと混合して反応させるに際し、ハロゲン化シラン化合物を無溶媒かあるいはハロゲン化シラン化合物濃度が50vol%以上の不活性有機溶媒の溶液として液体アンモニア中に供給口から吐出させて供給することを特徴とする製造方法によって製造することができる。
この含窒素シラン化合物粉末の製造方法で使用するハロゲン化シランとしては、SiF4、H2SiF6、HSiF3、H3SiF53SiF、H5SiF3等の弗化シラン、SiCl4、HSiCl3、H2SiCl2、H3SiCl等の塩化シラン、SiBr4、HSiBr3、H2SiBr2、H3SiBr等の臭化シラン、SiI4、HSiI3、H2SiI2、H3SiI等のヨウ化シランを使用することができる。また、RSiX3、R2SiX2、R3SiX(Rはアルキル又はアルコキシ基、Xはハロゲン)等のハロゲン化シランも使用することができる。
この含窒素シラン化合物の製造方法の実施において、ハロゲン化シランは無溶媒あるいは少量の有機溶媒で希釈した溶液として供給することができる。ハロゲン化シランを無溶媒で供給した場合には、生成した含窒素シラン化合物粉末を反応スラリーからろ別して得られるろ液は、液体アンモニア及びこれに溶解したハロゲン化アンモニウムの二成分のみで構成される。
ハロゲン化シランの希釈に使用する有機溶媒は、ハロゲン化シランを溶解し、ハロゲン化シランや液体アンモニアと反応しないものの中から適宜選択して使用することができる。例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどのような炭素数5〜12の鎖状の脂肪族炭化水素、シクロヘキサンやシクロオクタンのような環状の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを挙げることが出来る。
有機溶媒とハロゲン化シランとの混合溶液における好ましいハロゲン化シラン濃度は、50vol%以上、より好ましくは66vol%以上である。50vol%未満の濃度では、生成する含窒素シラン化合物粉末について見掛け密度の充分な増加が得られない。
この含窒素シラン化合物の製造方法の実施において、ハロゲン化シランを無溶媒あるいは少量の有機溶媒で希釈した溶液として供給する際の吐出口は反応器内の液体アンモニア中に設置される。このときの供給口からの吐出線速度は5cm/sec以上に保つことが好ましい。線速度が充分でないと、吐出口から供給配管内部に向けて、微量のアンモニアが拡散によって侵入しやすくなる。この結果、吐出口近傍での含窒素シラン化合物の生成や副生のハロゲン化アンモニウムの析出などによる供給配管の閉塞が起こりやすくなり、実用的でない。供給口からの吐出線速度は8cm/sec以上に保つことがより好ましい。
この含窒素シラン化合物の製造の実施において、ハロゲン化シランを無溶媒あるいは少量の有機溶媒で希釈した溶液として供給する際の供給ポンプの吐出圧力は、充分な圧力差を出せるようにしておくことが好ましい。例えば、反応器の圧力に対し5.9MPa以上、さらに好ましくは、7.8MPa以上の圧力差を出せる装置の能力を有することが望まれる。
この含窒素シラン化合物の製造の実施において、反応器におけるハロゲン化シランと液体アンモニアの混合比率は、ハロゲン化シラン体積/液体アンモニア体積=0.01〜0.1であることが好ましい。反応を実施する形式に特に制限はなく、バッチ式でも連続式でも良い。前記の混合比率は、反応をバッチ式で実施する場合には、1バッチあたりに反応器へ供給したハロゲン化シラン及び液体アンモニアの合計量の比率を指し、連続式の場合には、定常運転状態におけるハロゲン化シラン及び液体アンモニアの体積流量の比率を指す。
この含窒素シラン化合物の製造を実施する反応温度に特別な制限はなく、設備仕様に応じて低温から常温の範囲で選択することができるが、反応温度を高くすると液体アンモニアの蒸気圧が高まり反応器の圧力仕様を高くする必要が生じる。一方、反応温度が低過ぎると冷却設備に過大な負荷がかかってしまう。好適な反応温度範囲は−10〜40℃、より好ましくは0〜30℃である。
この含窒素シラン化合物の製造を実施する際の圧力は、反応スラリーの大部分を占める液体アンモニアの蒸気圧によって実質的に規定される。反応スラリー中の液体アンモニアの蒸気圧は反応温度に依存するため、反応を実施する圧力は反応温度に対応した値となる。圧力の好適な範囲は0.3〜1.6MPa、より好ましくは0.4〜1.6MPaである(絶対圧)。このように設定された圧力条件下では、液体アンモニアは沸点近傍の温度で存在しており、含窒素シラン化合物を合成する際に発生する大きな反応熱は、近傍に存在するアンモニアが蒸発することによって吸収することができる。
この含窒素シラン化合物は、一般にシリコンジイミドとも呼ばれる化合物であるが、室温付近でも容易にNH3を吸収又は放出し、Si61315,Si61212,Si6119などの種々の組成式で存在し得るSi−N−H系化合物である。この含窒素シラン化合物あるいはシリコンジイミドは、Si(NH)2という式で表されることが多いが、ケイ素に結合したイミノ基又はアミノ基を有する化合物であると考えて化学式Si(NHxy(式中、xは1又は2であり、yは2〜4である)で表されることもある。
この含窒素シラン化合物は、上記の如く、製造後の軽装密度が0.10〜0.30g/cm3、好ましくは0.16〜0.22g/cm3であることを特徴とするが、そのほか、限定するわけではないが、一般的に、真密度は1.4〜1.9g/cm3、より好ましくは1.5〜1.7g/cm3、比表面積は含窒素シラン化合物では700〜1100m2/g、より好ましくは800〜1000m2/gにすることができる。
この軽装密度が0.10〜0.30g/cm3の含窒素シラン化合物を熱処理することで、軽装密度が0.10〜0.30g/cm3のアモルファス窒化珪素を得ることができる。軽装密度が0.10〜0.30g/cm3の含窒素シラン化合物から軽装密度が0.10〜0.30g/cm3のアモルファス窒化珪素を得る熱処理としては、たとえば、不活性ガス又は窒素雰囲気中で、600〜1200℃で焼成することによって得ることができる。
本発明の粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法において、上記のアモルファス窒化珪素とともに原料として用いるアルミニウム源としては、AlNおよび/またはAl粉末を用いるが、金属アルミニウム粉末、窒化アルミニウム粉末の夫々を単独で使用しても良く、併用しても良い。窒化アルミニウム粉末は、酸素含有量が0.1〜8質量%、比表面積が1〜100m2/gの一般的なものを使用することができる。
本発明の粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法では、そのほか、金属Mの酸化物または熱分解により金属Mの酸化物を生成する前駆体物質、及びランタニド金属Lnの酸化物または熱分解によりランタニド金属Lnの酸化物を生成する前駆体物質を用いることができるが、熱分解により金属Mまたはランタニド金属Lnの酸化物を生成する金属塩類としては、夫々の炭酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩、塩基性炭酸塩、水酸化物等を挙げることができる。
また、出発原料としては、上記の如く焼成して生成物が一般式MxSi12-(m+n)Al(m+n)n16-n:Lny(式中、Mは、Li,Ca,Mg,Y、またはLa,Ceを除くランタニド金属から選ばれる少なくとも1種の金属であり、Lnは、Eu,Dy,Er,Tb,Ybから選ばれる少なくとも1種のランタニド金属であり、0.3≦x+y<1.5、0<y<0.7、0.3≦m<4.5、0<n<2.25である。)で表わされる配合割合の混合粉末に、予め合成された同じく一般式MxSi12-(m+n)Al(m+n)n16-n:Lnyで表わされるαーサイアロン粉末を添加した混合物を出発原料とするなどの変形を行うこともできる。
前記した各出発原料を混合する方法については、特に制約は無く、それ自体公知の方法、例えば、乾式混合する方法、原料各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式混合した後に溶媒を除去する方法などを採用することができる。混合装置としては、V型混合機、ロッキングミキサー、ボールミル、振動ミル、媒体攪拌ミルなどが好適に使用される。但し、含窒素シラン化合物および/またはアモルファス窒化ケイ素粉末は、水分、湿気に対して極めて敏感であるので、出発原料の混合は、制御された不活性ガス雰囲気下で行うことが必要である。
出発原料の混合物は、1気圧の窒素含有不活性ガス雰囲気中1400〜2000℃、好ましくは1500〜1800℃で焼成され、目的とするα−サイアロン粉末が得られる。焼成温度が1400℃よりも低いと、所望のα−サイアロン粉末の生成に長時間の加熱を要し、実用的でない。また、生成粉末中におけるα−サイアロン相の生成割合も低下する。焼成温度が2000℃を超えると、窒化ケイ素およびサイアロンが昇華分解し、遊離のシリコンが生成する好ましくない事態が起こる。
更に、αーサイアロンとLi化合物を混合後、窒素含有不活性ガス雰囲気中1000〜1400℃で再加熱することが出来る。
出発原料混合粉末を、加圧窒素ガス雰囲気下1600〜2000℃、好ましくは1600〜1900℃の温度範囲で焼成することもできる。この場合には、窒素ガス加圧により、高温下での窒化ケイ素およびサイアロンの昇華分解が抑制され、短時間で所望のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体を得ることができる。窒素ガス圧を高くすることで焼成温度を上げることができるが、例えば5気圧の窒素ガス加圧下では1600〜1850℃、10気圧の窒素ガス加圧下では1600〜2000℃で焼成することができる。
更に、αーサイアロンとLi化合物を混合後、窒素含有不活性ガス雰囲気中1000〜1400℃で再加熱することが出来る。
粉末混合物の焼成に使用される加熱炉については、とくに制約は無く、例えば、高周波誘導加熱方式または抵抗加熱方式によるバッチ式電気炉、ロータリーキルン、流動化焼成炉、プッシャ−式電気炉などを使用することができる。
本発明の製造方法で製造される粉末状態のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体は、上記の一般式で表されるα−サイアロン系酸窒化物からなるが、蛍光の発光強度が従来のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体より改良されている。
α−サイアロン系酸窒化物蛍光体の粒度分布曲線におけるメジアン径は8μm以下のものが好ましく、1〜6μmのものは特に好ましい。
本発明の、希土類元素で賦活させたα−サイアロン系酸窒化物蛍光体は、公知の方法でエポキシ樹脂やアクリル樹脂等の透明樹脂と混練されてコーティング剤が製造され、該コーティング剤で表面をコーティングされた発光ダイオードは、光変換素子として使用される。
以下では具体的例を示し、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜5
四塩化ケイ素を無溶媒あるいは四塩化ケイ素濃度が50vol%以上の不活性有機溶媒の溶液として液体アンモニアを反応させることにより得られた比表面積1104m2/gのシリコンジイミドを600〜1200℃で加熱分解して、軽装密度0.18〜0.22g/cm3 比表面積689〜782m2/gのアモルファス窒化ケイ素粉末を得た。本材料は、反応容器材質および粉末取り扱い機器における粉体と金属との擦れ合い状態を改良する公知の方法により、アモルファス窒化ケイ素粉末に混入する金属不純物は10ppm以下に低減される。また、加熱炉に流通させる窒素ガス中の酸素濃度を20ppm〜1000ppmの範囲で制御できる。
出発原料として使用するアモルファス窒化ケイ素粉末が所定の値になっていることを確認した後、窒化アルミニウム粉末、炭酸リチウム粉末、窒化リチウム粉末、酸化ユーロピウム粉末を、表1の組成になるように窒素ガス雰囲気中で秤量した。窒素ガス雰囲気中で振動ミルで1時間混合した。混合後、窒素パージされたグローボックス中で粉末を取り出し坩堝に充填して、抵抗加熱式電気炉にセットし、常圧の窒素雰囲気中で室温から1200℃までを2時間、1200℃から1440℃までを4時間、更に1440℃から1725℃までを2時間のスケジュールで昇温し、12時間保持して結晶化させ、α―サイアロン粉末を得た。更にαーサイアロンと酸化リチウムを混合後、常圧の窒素雰囲気中で1400℃で加熱処理した。
得られた粉末をめのう乳鉢・乾式粉砕機・湿式粉砕機を用いて粉砕した。所定の粒径にした後、日本分光社製、積分球付のFP−6500を用いて、励起波長を450nmとして、蛍光特性を評価した。
測定した蛍光特性は、蛍光の主波長(CIE色度図における、白色点の座標:x=0.33,y=0.33と試料の発光スペクトルの座標の二つの点を通る直線と、単色軌跡との交点から求められる波長)及びその主波長の強度(表1,2には相対強度を示す。)である。
本発明における粉末の軽装密度は、JIS R9301−2−3に準拠した手法で求めた。比表面積は窒素ガス吸着法によるBET法で測定した。
比較例1〜4
先ず四塩化ケイ素濃度が33vol%のトルエン溶液と液体アンモニアを反応させることにより得られた、軽装密度0.08g/cm2、比表面積869m2/gのシリコンジイミドを600〜1200℃で加熱分解して、軽装密度0.09g/cm2、比表面積463m2/gのアモルファス窒化ケイ素粉末を得た。
以下、実施例1と同様に、しかし表1の比較例1〜4に示した配合割合でα―サイアロンを作製して評価した。
比較例5
実施例1と同様に、しかし表1の比較例5に示した配合割合でα―サイアロンを作製して評価した。
Figure 2011126035
実施例6〜9
四塩化ケイ素を無溶媒あるいは四塩化ケイ素濃度が50vol%以上の不活性有機溶媒の溶液として液体アンモニアを反応させることにより得られた比表面積1104m2/gのシリコンジイミドを600〜1200℃で加熱分解して、軽装密度0.18〜0.22g/cm3、比表面積689〜782m2/gのアモルファス窒化ケイ素粉末を得た。本材料は、反応容器材質および粉末取り扱い機器における粉体と金属との擦れ合い状態を改良する公知の方法により、アモルファス窒化ケイ素粉末に混入する金属不純物は10ppm以下に低減される。また、加熱炉に流通させる窒素ガス中の酸素濃度を20ppm〜1000ppmの範囲で制御できる。
出発原料として使用するアモルファス窒化ケイ素粉末が所定の値になっていることを確認した後、窒化アルミニウム粉末、炭酸カルシウム粉末、窒化カルシウム粉末、酸化ユーロピウム粉末を、表2の組成になるように窒素ガス雰囲気中で秤量した。窒素ガス雰囲気中で振動ミルで1時間混合した。混合後、窒素パージされたグローボックス中で粉末を取り出し坩堝に充填して、抵抗加熱式電気炉にセットし、常圧の窒素雰囲気中で室温から1200℃までを2時間、1200℃から1440℃までを4時間、更に1440℃から1725℃までを2時間のスケジュールで昇温し、12時間保持して結晶化させ、α―サイアロン粉末を得た。
得られた粉末をめのう乳鉢・乾式粉砕機・湿式粉砕機を用いて粉砕した。所定の粒径にした後、日本分光社製、積分球付のFP−6500を用いて蛍光特性を測定した。
比較例6〜9
先ず四塩化ケイ素濃度が33vol%のトルエン溶液と液体アンモニアを反応させることにより得られた、軽装密度0.08g/cm2、比表面積869m2/gのシリコンジイミドを600〜1200℃で加熱分解して、軽装密度0.09g/cm2、比表面積463m2/gのアモルファス窒化ケイ素粉末を得た。
以下、実施例6と同様に、しかし表1の比較例6〜8に示した配合割合でα―サイアロンを作製して評価した。
比較例9、10
実施例6と同様に、しかし表2の比較例9,10に示した配合割合でα―サイアロンを作製して評価した。
Figure 2011126035

Claims (9)

  1. 生成物が式MSi12−(m+n)Al(m+n)16−n:Ln(Mは、Li,Ca,Mg,Y、またはLa,Ceを除くランタニド金属から選ばれる少なくとも1種の金属であり、Lnは、Eu,Dy,Er,Tb,Ybから選ばれる少なくとも1種のランタニド金属である。)で表わされる様に配合された混合粉末であって、軽装密度が0.1〜0.3g/cmのアモルファス窒化ケイ素粉末を含む混合粉末を、窒素を含有する不活性ガス雰囲気中1400〜2000℃で焼成することを特徴とするα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法。
  2. 前記混合粉末が、前記アモルファス窒化ケイ素粉末と、AlNおよび/またはAl粉末と、金属Mの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、ランタニド金属Lnの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質を含むことを特徴とする請求項1に記載のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法。
  3. 前記混合粉末が、アモルファス窒化ケイ素粉末と、AlNおよび/またはAl粉末と、金属Mの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、ランタニド金属Lnの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質とを組合わせた混合粉末に、予め合成した一般式MSi12−(m+n)Al(m+n)16−nまたは一般式MSi12−(m+n)Al(m+n)16−n:Ln(式中の記号は上記式中と同じである。)で表わされるα−サイアロン粉末を添加した混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法。
  4. 前記アモルファス窒化ケイ素粉末の比表面積が600超〜800cm/gであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法。
  5. アモルファス窒化ケイ素粉末が、0.1〜0.3g/cmの軽装密度と、650〜800cm/gの比表面積を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法。
  6. 1気圧の窒素含有不活性ガス雰囲気中1400〜1800℃で焼成することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法。
  7. 軽装密度が0.16〜0.22g/cmである前記アモルファス窒化ケイ素粉末を、軽装密度が0.10〜0.30g/cmである含窒素シラン化合物粉末を加熱処理して製造することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法。
  8. 軽装密度が0.10〜0.30g/cmである前記含窒素シラン化合物粉末を、ハロゲン化シラン化合物を液体アンモニアと混合して反応させるに際し、ハロゲン化シラン化合物を無溶媒かあるいはハロゲン化シラン化合物濃度が50vol%以上の不活性有機溶媒の溶液として液体アンモニア中に供給口から吐出させて供給する製造方法によって製造することを特徴とする、請求項7に記載のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のα−サイアロン系酸窒化物蛍光体の製造方法で製造されたことを特徴とするα−サイアロン系酸窒化物蛍光体。
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