JP5240399B2 - Li含有α−サイアロン系蛍光体粒子とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置 - Google Patents

Li含有α−サイアロン系蛍光体粒子とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5240399B2
JP5240399B2 JP2012503301A JP2012503301A JP5240399B2 JP 5240399 B2 JP5240399 B2 JP 5240399B2 JP 2012503301 A JP2012503301 A JP 2012503301A JP 2012503301 A JP2012503301 A JP 2012503301A JP 5240399 B2 JP5240399 B2 JP 5240399B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sialon
lithium
phosphor particles
particles
source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012503301A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011108740A1 (ja
Inventor
信一 坂田
浩 小田
寛之 藤野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2012503301A priority Critical patent/JP5240399B2/ja
Publication of JPWO2011108740A1 publication Critical patent/JPWO2011108740A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5240399B2 publication Critical patent/JP5240399B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/02Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
    • H01L33/26Materials of the light emitting region
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/0883Arsenides; Nitrides; Phosphides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/77Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals
    • C09K11/7728Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals containing europium
    • C09K11/77348Silicon Aluminium Nitrides or Silicon Aluminium Oxynitrides
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/48Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor body packages
    • H01L33/50Wavelength conversion elements

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Description

本発明は、照射光の一部を、それとは異なる波長の光に変換する機能を有する光機能材料とその製造方法に関するものである。具体的には、紫外から青色の光源に好適な、希土類金属元素で賦活されたサイアロン系蛍光体粒子に関するものである。また、前記のサイアロン系蛍光体粒子の製造方法、それを利用した発光装置および画像表示装置に関するものである。
近年、青色発光ダイオード(LED)が実用化されたことにより、この青色LEDを利用した白色LEDの開発が精力的に行われている。白色LEDは、既存の白色光源に較べ消費電力が低く、長寿命であるため、液晶パネル用バックライト、室内外の照明機器等への用途展開が進行している。
現在、開発されている白色LEDは、青色LEDの表面にCeをドープしたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)を塗布したものである。しかしながら、CeをドープしたYAGの蛍光波長は530nm付近にあり、この蛍光の色と青色LEDの光を混合して白色光にすると、青みの強い白色光となり、良好な白色を得ることができない。
これに対して、希土類元素を賦活させたα−サイアロン系の蛍光体は、CeをドープしたYAGの蛍光波長より長い波長の蛍光を発生することが知られている(特許文献1参照)。このようなサイアロンの蛍光を用いて白色LEDを構成すると、YAGを用いた白色LEDよりも、色温度の低い電球色の白色LEDを作製することができる。
しかしながら、さまざまな白色光源に対する市場の要求に答えるには、α−サイアロンにおいても、さまざま色温度の白色光源を作ることができるさまざまな色の蛍光を放出することが求められる。そのため、より短波長の蛍光を放出することが可能なサイアロン系蛍光体が望まれる。
ところが、非特許文献1からも分かるように、Caを含むαサイアロン蛍光体では、蛍光波長が595nmより短波長側になると蛍光強度が低下していく。そのため、青色LEDと組み合わせて、高輝度の昼白色、昼光色のLEDを作製するのに適した短波長の蛍光を放出するサイアロン系蛍光体を作製することは困難であった。
これを解決するために特許文献2においてLi(リチウム)含有α−サイアロン系蛍光体が開示されている。このサイアロンはCa含有α−サイアロン系蛍光体にくらべ短波長の蛍光を放出することができる。さらに、Ca含有α−サイアロンと同様の蛍光波長の蛍光も放出できるので、適用できる色調の幅が広く、大変便利な蛍光体である。特許文献2では、加圧の窒素含有雰囲気において作製されているが、商業的には、常圧の雰囲気で作製するほうが、装置の安全性、コストの面で好ましい。ところが、常圧の窒素含有雰囲気では、蛍光強度の高いものが容易にできなくなるという問題があった。これは、Li含有α−サイアロンは、その作製過程において、Liの蒸発が多くなるため、発光元素であるEuの結晶サイトが安定にならないということに起因していると考えられる。
特開2002−363554号公報 WO2007/004493 A1
J.Phys.Chem.B 2004,108,12027−12031
本発明は、上記のようなサイアロン系蛍光体の問題点を解決するために為されたものであり、高蛍光強度で、青色LEDと組み合わせて、昼白色や昼光色の白色発光ダイオードを作製することが可能な蛍光色を発する蛍光体を提供することを目的とする。
また、本発明は高い蛍光強度のLi含有α−サイアロン系蛍光体を提供することにより、紫外または青色LEDを光源として、昼白色、昼光色の色を発する白色LEDなどの照明装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明の目的は、前記のような蛍光色を高強度で発光することが可能なサイアロン系蛍光体が高収率で得られる新規な製造方法を提供することにある。
また、電子線などの励起源を有する画像評価装置の高輝度化と色調安定化を達成することを目的とする。
本発明者らはLiとEu(ユーロピウム)を含有するα−サイアロン系蛍光体の蛍光強度に関する検討を行い、一旦作製したLi含有α−サイアロンに対し、さらに、Li源を混合し、焼成することで、蛍光強度が大きく向上することを突き止め、本発明を完成するにいたった。また、そのようにして作製したLi含有α−サイアロンは特殊な形態を呈することを突き止めた。
こうして、本発明によれば、下記が提供される。
〔1〕一般式(1):
LixEuySi12-(m+n)Al(m+n)n+δ16-n-δ (1)
(式中、0.4≦x≦1.5、0.001≦y≦0.2、1.0≦m≦2.8、0.1≦n+δ≦3.2であり、Euの平均価数をaとすると、x+ya+δ=mである。)
で表されるリチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子であって、450nm付近の波長領域において光の吸収率が65%以上であり、前記リチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子は、その表面に1μm以下の寸法の微粒子状のサイアロンによって形成された凹凸表面微細構造を有するサイアロン表面層を有する、Li含有α−サイアロン蛍光体粒子。
〔2〕0<δ、0.3≦x/m≦0.9である、〔1〕に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子。
〔3〕前記リチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子の平均粒子径が0.5〜30μmである、〔1〕又は〔2〕に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子。
〔4〕前記サイアロン表面層がリチウム含有α−サイアロンであり、前記サイアロン表面層の微粒子状サイアロンの寸法が0.01〜0.8μmである、〔1〕〜〔3〕のいずれか1に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子。
〔5〕励起光を入射することにより、波長560nmから590nmのピーク波長の蛍光を放出する、〔1〕記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子。
〔6〕窒化ケイ素又は含窒素ケイ素化合物の粉末と、AlNを含むアルミニウム源となる物質と、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質からなるLi源と、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質からなるEu源とを混合し、常圧の窒素を含有する不活性ガス雰囲気中、1500〜1800℃で焼成して中間物としてのリチウム含有α−サイアロン粉末を得て、その粉末に追加のリチウム源を添加混合し、常圧の窒素を含有する不活性ガス雰囲気中、前記焼成温度よりも低い温度で又は1100℃以上1600℃未満で再焼成する、Li含有α−サイアロン蛍光体粒子の製造方法。
〔7〕前記再焼成により得られるリチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子が、一般式(1):
LixEuySi12-(m+n)Al(m+n)n+δ16-n-δ (1)
(式中、0.4≦x≦1.5、0.001≦y≦0.2、1.0≦m≦2.8、0.1≦n+δ≦3.2であり、Euの平均価数をaとすると、x+ya+δ=mであり;0<δ、0.3≦x/m≦0.9である。)
で表されるリチウム含有α−サイアロン粒子であって、450nm付近の波長領域において光の吸収率が65%以上であり、前記リチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子は、その表面に1μm以下の寸法の微粒子状のサイアロンによって形成された凹凸表面微細構造を有するサイアロン表面層を有する、〔6〕に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子の製造方法。
〔8〕前記の中間物としてのリチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子が、一般式(1)
LixEuySi12-(m+n)Al(m+n)n+δ16-n-δ (1)
(式中、0.3≦x<1.2、0.001≦y≦0.2、1.0≦m≦2.9、0.1≦n+δ≦3.2であり、Euの平均価数をaとすると、x+ya+δ=mである。)
で表されるリチウム含有α−サイアロン粒子であり、前記再焼成により得られるリチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子において前記の中間物としてのリチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子と比べてx/mが少なくとも0.02増加している、〔6〕又は〔7〕に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子の製造方法。
〔9〕前記の中間物としてのリチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子が、450nm付近の波長領域において光の吸収率が65%以上である、〔6〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子の製造方法。
〔10〕前記追加のリチウム源が、前記の中間物としてのリチウム含有α−サイアロン粉末1モルに対し、金属Li換算で、0.05〜1.6モルである、〔6〕〜〔9〕のいずれかに記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子の製造方法。
〔11〕前記再焼成により得られるLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子が、励起光を入射することにより、波長560nmから590nmのピーク波長の蛍光を放出する、〔6〕〜〔10〕のいずれかに記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子の製造方法。
〔12〕発光源と、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子を含有する蛍光体とから構成される照明器具。
〔13〕前記発光源が330〜500nmの波長の光を発光するLEDである、〔12〕に記載の照明器具。
〔14〕前記Li含有α−サイアロン系蛍光体粒子を600nm〜650nmの赤色の蛍光体と組み合わせて、昼白色や昼光色の発光色を得る、〔12〕又は〔13〕に記載の照明器具。
〔15〕励起源と、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子を含有する蛍光体とから構成される、画像表示装置。
〔16〕前記励起源が電子線、電場、真空紫外、紫外線である、〔15〕に記載の画像表示装置。
本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体(以下、「最終生成物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体」という。)は、一旦作製したLi含有α−サイアロン(以下、「中間物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体」という。)にLiを再拡散させることにより、従来得られなかった高い蛍光強度を示すLi含有α−サイアロンを得ることができ、紫外または青色LEDを光源として、昼白色、昼光色の色を発する白色LEDなどの照明装置を提供することができる。
(a)−(b)は、実施例1の試料(粒子)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例1の試料のEDS分析結果である。 比較例10に示した1600℃におけるLiの再拡散によって、蛍光強度が低下した試料(粒子)についてSEMにより観察した粒子形態の写真である。 実施例9に示した1600℃におけるLiの再拡散によって、蛍光強度が向上した試料(粒子)についてSEMにより観察した粒子形態の写真である。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明は、一旦製造したLi含有α−サイアロン系蛍光体(中間物)に対して、Li成分を添加して、再焼成を行う。
本発明の最終生成物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子は、一般式(1):LixEuySi12-(m+n)Al(m+n)n+δ16-n-δで示されるサイアロンである。再焼成前のLi含有α−サイアロン系蛍光体(「中間物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体」)も、一般式(1):LixEuySi12-(m+n)Al(m+n)n+δ16-n-δで示されるサイアロンであることが好ましいが、限定されない。
一般式(1)において、Euの平均価数をaとすると、x+ya+δ=mである(但し、δ>0である)。常圧の窒素含有雰囲気でLi含有α−サイアロンを作製すると、Liが不足し、Alが過剰になるような式(1)で表すことのできるLi含有α−サイアロンが安定に存在する。
中間物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体(Liの再拡散前のLi含有α−サイアロン系蛍光体)では、0.3≦x<1.2、より好ましくは0.45≦x<1.2、さらに好ましくは0.5≦x<1.1の範囲である。さらに好ましくは、0.6≦x<1.0の範囲である。xが0.3よりも小さいと、蛍光強度が低くなり、1.2より大きくなると、異相が生成し、単一相のα−サイアロン系蛍光体が得られなくなる。中間物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体では単一相のα−サイアロン系蛍光体が好ましい。特に、蛍光強度が高くなる組成範囲は、0.4≦x<1.2、さらには0.5≦x<1.1である。蛍光の波長は、Liの含有量が多くなると、短波長にシフトし、ピーク波長で565nm〜590nmの範囲で変化させることができる。
EuはLi含有α−サイアロン系蛍光体に固溶して発光源となる元素であり、yは、0.001≦y≦0.2が好ましい。yが0.001より小さい発光源が少なくなるために明るい蛍光体を得ることができない、また、0.2よりも大きいと短波長の蛍光を発するサイアロンが得られなくなる。より好ましい範囲は、0.01≦y≦0.15であり、さらに好ましい範囲は、0.01≦y≦0.15である。
mとnは1.0≦m≦2.9、0.05≦n≦2.5である。mはサイアロンへ金属元素が固溶する際に電気的中性を保つために決められる値で、m=x+ya+δ(aはEuの平均価数)である。ここで、α−サイアロンを構成する陽イオン(Si,Al)−陰イオン(O,N)−陽イオン(Si,Al)−陰イオン(O,N)−から成るネットワークにおいて、侵入固溶した金属元素(LiおよびEu)の数に対応する陽イオンサイトの置換Al原子数よりも過剰にSi原子を置換したAl原子数をδと表記する(但し、本発明においては、δ>0である)。mが1.0より小さいと金属元素(LiおよびEu)の固溶量が小さくサイアロン結晶が安定化し難いため、蛍光体の蛍光強度が低下するおそれがある。m値が2.9より大きいとサイアロン以外の結晶相が生成し易くなる。nはLi含有α−サイアロン系蛍光体への酸素の置換固溶量に関する値である。n値が0.05よりも小さい、または(n+δ)が0.1より小さいと、金属元素(LiおよびEu)の固溶量が小さく、サイアロン結晶が安定化し難いため、蛍光強度が低下する恐れがある。n値が2.5よりも大きい、または(n+δ)が3.2より大きいと、吸収率が小さくなり好ましくない、また、サイアロン以外の結晶相が生成し易くなる。より好ましい範囲は、1.0≦m≦2.2、0.2≦n≦2.0、0.8≦n+δ≦2.5であり、さらに好ましい範囲は、1.1≦m≦2.2、1.0≦n≦2.3、1.0≦n+δ≦2.0である。
なお、本発明において異相とは、Li含有α−サイアロン系蛍光体の結晶相と異なる結晶相を言い、X線回折の回折パターンによって同定される異相であって、X線回折に現れない成分、たとえば、ガラスなどは含まれない。単一相とは、X線回折の回折パターンによって同定される異相が存在しない単一の結晶相をいう。
Li含有α−サイアロンの作製では、他のサイアロンでは起こらないLi元素の蒸発が顕著になる。このような蒸発は、たとえば、Ca含有α−サイアロンでは問題にならない。蛍光体は完全性の高い結晶ほど高い蛍光が放出されるので、合成する温度をできるだけ高くして行うことが普通である。しかし、Li含有α−サイアロンの場合、そのような温度ではLiの蒸発が激しくなり、蛍光強度は低下を起こすという問題が生じる。この問題の取り組みとして、Liの蒸発を考慮して原料にLiを多く仕込むことが考えられる。発明者らもそのような対策を行った。そのような方法は、蛍光強度を改善するが、さらに高い蛍光強度を得ようとすると、焼成温度を上げる必要があり、結局、Liの蒸発の問題に突き当たってしまう。そこで、本発明では、まず、第一段階として、Liの蒸発を無視して結晶骨格を作ることを目的に焼成温度を上げて、Li含有α−サイアロンを作製する。しかし、その状態では、Liの蒸発により、Liの欠陥によって特性は低下する。そこで、後から、Liだけを結晶に補充し、より完全な結晶をつくるものである。これはLi元素が比較的小さなイオン半径で拡散しやすいという特徴を利用したもので、Li元素の特性をうまく生かした方法であるが、本発明者がはじめてその有効性を確認し、本発明のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子を提供するものである。しかも、単純なLiの再拡散ではなく、特殊な拡散の効果があることが形態的特徴から推測できた。
このようにして得られたLi含有α−サイアロンの蛍光体粒子の形態を図1(a)に示す。粒子の表面に微細な粒子が付着しているように見え、凹凸表面(微細構造)を形成している。比較として、Liの再拡散前の中間物試料の粒子形態の観察を行った(図1(b))。この場合、表面に微細な粒(凹凸)は観察されなかった。このことから、Li源を添加したことがこの表面の微細な粒子状物の生成に関与していることは確実である。微細な粒子状物の組成を、EDS(エネルギー分散型X線分光)によって分析したところ、表面に付着した微細な粒子状物は、Li2Oではなく、サイアロンであることが確認された(図2参照)。Liの再拡散温度が1600℃を超えると、蛍光特性は再び低下を始めるが、蛍光強度が低下した蛍光体粒子を観察すると、表面に付着しているように見えた微細な粒子状物は、消失し、再び微細な粒子状物による凹凸表面微細構造のないLi含有α−サイアロンの粒子となっていた(図3参照)。Li含有α−サイアロン蛍光体粒子がLiの再拡散によって特性が向上する場合に、表面に微細な粒子(微粒子状凹凸構造;凹凸表面微細構造)が現れると考えられる。
最終生成物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体(Liの再拡散後のLi含有α−サイアロン系蛍光体)では、xの値は中間物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子のときの0.3≦x<1.2より増加する。0.4≦x≦1.5、より好ましくは0.5≦x≦1.4、さらに好ましくは0.6≦x≦1.35の範囲である。しかし、最終生成物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体は0.4≦x<1.2でも蛍光強度は向上する。xが0.4よりも小さいと、蛍光強度が低くなり、1.5より大きくしても、蛍光強度を高くすることができない。最終生成物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体では単一相であることは好ましいが、蛍光特性及び蛍光強度を損なわない範囲で微量の異相が存在しても問題はない。特に、蛍光強度が高くなる組成範囲は、0.5≦x≦1.5、さらには0.6≦x≦1.31である。蛍光の波長は、Liの含有量が多くなると、短波長にシフトし、ピーク波長で565nm〜590nmの範囲で変化させることができる。
y、m、n、δ、(n+δ)の値は、好ましい範囲も含めて、基本的に、中間物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子同様の範囲であるが、mの上限は2.8である。
本発明の最終生成物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子は、δ>0であることが特徴であるが、特にδが0.05〜1.1であり、xとmとの比x/mで0.3〜0.9であることが、蛍光強度が高くなり、より好ましい。δが0.05〜1.0であり、x/m比が0.4〜0.6であれば、さらに好ましい。本発明の最終生成物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子は、中間物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子と比べて、xとmとの比x/mが増加することを特徴としており、少なくとも0.02の増加が好ましく、さらには0.03以上、0.04以上、0.06以上の増加がより好ましい。なお、中間物としてのLi含有α−サイアロン系蛍光体粒子では、xとmとの比x/mが0.3以上であることは好ましいが、0.3未満であってもよく、たとえば、0.2、さらには0.15であってもよい。
Li含有α−サイアロン蛍光体粒子本体は、一次粒子でも二次粒子であってもよいが、その寸法は、一般的には0.5〜30μm、好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは5〜20μmである。二次粒子の場合、その一次粒子の寸法は0.5〜8μm、さらには1〜5μmであることが好ましい。Li含有α−サイアロン蛍光体粒子の粒子径は、SEM写真から各粒子の最長径及び最短径を測定し、最長径及び最短径に基づく楕円から相当円半径を求めて、粒子径とすることができる。平均粒子径は個数平均でよい。
このようなLi含有α−サイアロン蛍光体粒子本体の表面を覆い、凹凸微細構造を有する表面層は、寸法(SEMで観察した平均直径)が1μm以下のサイアロン、特にLi含有α−サイアロンによって形成されている。蛍光体粒子本体の表面に存在する微粒子状サイアロンの寸法はさらに0.5μm以下、0.3μm以下、0.2μm以下であることができる。寸法の下限は特に限定されないが、一般的には0.001μm、あるいは0.01μmである。図1(a)に見られるように、このような微細な微粒子状のサイアロンがLi含有α−サイアロン粒子本体の表面を、そのほぼ全面を覆って、凹凸表面を形成している。
Li含有α−サイアロンの粒子の表面に形成されている凹凸微細構造を有する表面層は、サイアロン相であり、Li含有α−サイアロン粒子本体と同質であることができる。ここで、同質とは、少なくとも構成元素(Li,Eu,Si,Al,O,N)が同じで構成されるサイアロンあり、好ましくは一般式(1)で表される組成を有するが、必ずしもそれに限定されない。中間物としてのLi含有α−サイアロン粒子本体にLi源を混合しLiを粒子内部に拡散させて粒子のLi含有割合を高める際に、表面に形成されるサイアロンの表面層であり、このサイアロン表面層は構成元素がLi含有α−サイアロン粒子本体と同じであることが確認されたが、Li含有α−サイアロン粒子本体にLiが内部拡散されて本体のLi含有率が増加すればよく、表面層が本体と結晶相や組成まで同じサイアロンであることは好ましいが、必要ではない。
表面に形成される凹凸微細構造が、Liの添加によるものは確かであるが、表面に付着したLiを核として表面にサイアロンが生成するのか、固溶したLiが表面に拡散して表面で新たなサイアロンを形成するのかは現時点では不明である。もし、前者ならば表面には粒子として付着していると考えられるが、後者ならば母体のサイアロン粒子の変形として捕らえられる。発明者らは、図1(a)のSEM写真からは表面付着物は、明確な粒子として観察されないので、後者の可能性が高いと考えている。図1(a)は1400℃において再焼成した試料であるが、1600℃で処理した実施例9の表面を観察した結果を図4に示す。ここでは、明らかに粒子状に見える。以上のことから発明者らは、理論に拘束されるわけではないが、低温で拡散したLiが表面に集まりながら表面に凹凸を形成し、さらにそれらが、粒子となり、最終的に蒸発していくという過程を考えている。その意味で、粒子状に見える付着物であっても、外部から粒子が来て付着したのではないと考えている。
本発明によって提供されるLi含有α−サイアロン蛍光体粒子の結晶性の完全性は、X線回折ピークの半値幅などの結晶学的指標によって表されるが、本発明の蛍光体粒子においては、間接的には光吸収率、蛍光強度などで評価することが可能である。
さらに、Li含有α−サイアロン蛍光体粒子の450nm付近における吸収率が65%以上であることが好ましい、さらに好ましくは、70%以上であり、より好ましくは80%以上である。吸収率が高いほど、Liの再拡散の効果が顕著に現れる。65%以下では、再拡散の効果が低下する。
次に本発明のサイアロン系蛍光体粉末の作製方法について述べる。
(本発明のLi再拡散前のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末の作製)
Li含有α−サイアロン系蛍光体粉末は、窒化ケイ素粉末と、AlNを含むアルミニウム源となる物質と、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質からなるLi源と、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質からなるEu源とを、計算されたLi含有α−サイアロン系蛍光体組成になるように秤量、混合し、混合物を得る。ここで、計算されたLi含有α−サイアロン系蛍光体組成とは、LixEuySi12-(m+n)Al(m+n)n16-nで表される組成であるが、Liを過剰に添加した組成であってもよい。
原料の窒化ケイ素又は含窒素シラン化合物粉末としては、結晶質窒化ケイ素、あるいは、含窒素シラン化合物および/または非晶質(アモルファス)窒化ケイ素粉末を用いてもよい。
主原料である含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末は、公知の方法、例えば、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四沃化ケイ素などのハロゲン化ケイ素とアンモニアとを気相または液相状態で反応させることにより生成するシリコンジイミド等のSi−N−H系前駆体化合物を窒素またはアンモニアガス雰囲気下に600〜1200℃に加熱分解して得ることができる。また、結晶質窒化ケイ素粉末は、得られた含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末を、1300℃〜1550℃で焼成することによって得られる。結晶質の窒化ケイ素は金属シリコンを窒素雰囲気中で、直接窒化することでも得ることができるが、この方法では微粉の粉末を得るには、粉砕工程を要することから、不純物が入りやすいので、高純度粉末を得やすい前駆体を分解する方法を採用することが好ましい。
また、含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末、結晶質窒化ケイ素粉末は、酸素含有量が1〜5質量%のものを使用する。酸素含有量1〜3質量%のものは更に好ましい。酸素含有量が1質量%未満のものでは、焼成過程での反応によるα−サイアロン相の生成が著しく困難となり、出発物質の結晶相の残存や21R等のAlNポリタイプの生成が起こり好ましくない。また、一方、酸素含有量が5質量%を超えると、α−サイアロン生成反応は促進される反面、β−サイアロンや酸窒化物ガラスの生成割合が増大する。
また、含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末は、80〜600m2/gの比表面積を持つものの使用が好ましい。340〜500m2/gのものは更に好ましい。結晶質窒化ケイ素の場合、1m2/g〜15m2/gの比表面積(BET比表面積)をもつ原料を用いることが好ましい。
アルミニウム源となる物質としては、酸化アルミニウム、金属アルミニウム、窒化アルミニウムが挙げられ、これらの粉末の夫々を単独で使用しても良く、併用しても良い。窒化アルミニウム粉末は、酸素含有量が0.1〜8質量%、比表面積が1〜100m2/gの一般的なものを使用することができる。
リチウム(Li)源としては、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質から選択されるが、たとえば、酸化リチウム(Li2O)、炭酸リチウム(Li2CO3)、窒化リチウム(Li3N)などが挙げられる。最も好ましいのは、Li2Oである。炭酸リチウムは、余分な炭酸ガスの放出があるので好ましくない。Li3Nは大気中で酸化するため、取り扱いが難しくなる。
Eu源は、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質から選択されるが、たとえば、酸化ユーロピウム(Eu23)、炭酸ユーロピウム(Eu2(CO33)、窒化ユーロピウム(EuN)などが挙げられる。最も好ましいのは、Eu23である。炭酸ユーロピウムは、余分な炭酸ガスの放出があるので好ましくない。EuNは大気中で酸化するため、取り扱いが難しくなる。
なお、LiおよびEuの熱分解により酸化物となる前駆体物質としては、夫々の炭酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩、塩基性炭酸塩、水酸化物等の金属塩類を挙げることができる。
本発明では、Li含有α−サイアロン系蛍光体の構成成分以外の、金属不純物量が0.01質量%以下となる様にすることが好ましい。特に、添加量の多い含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末、および/または結晶質窒化ケイ素並びに、酸化アルミニウム、AlNについては、金属不純物の含有量が0.01質量%以下、好ましくは0.005質量%以下、更に好ましくは0.001質量%のものを使用する。金属Liの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質と、金属Euの酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質についても、酸化物になった場合の金属不純物含有量が0.01質量%以下のものの使用が好ましい。
前記した各出発原料を混合する方法については、特に制約は無く、それ自体公知の方法、例えば、乾式混合する方法、原料各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式混合した後に溶媒を除去する方法などを採用することができる。混合装置としては、V型混合機、ロッキングミキサー、ボールミル、振動ミル、媒体攪拌ミルなどが好適に使用される。但し、含窒素シラン化合物および/または非晶質窒化ケイ素粉末は、水分、湿気に対して極めて敏感であるので、出発原料の混合は、制御された不活性ガス雰囲気下で行うことが必要である。
出発原料の混合物は、常圧の窒素含有不活性ガス雰囲気中1400〜1800℃、好ましくは1500〜1800℃、さらに好ましくは1600〜1750℃で焼成され、目的とするLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末が得られる。不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどが例示されるが、本発明においては、これらのガスと少量の水素ガスとを混合して使用することも可能である。焼成温度が1400℃よりも低いと、所望のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末の生成に長時間の加熱を要し、実用的でない。また、生成粉末中におけるLi含有α−サイアロン系蛍光体相の生成割合も低下する。焼成温度が1800℃を超えると、窒化ケイ素およびサイアロンが昇華分解し、遊離のシリコンが生成する好ましくない事態が起こる。焼成後のLi含有α−サイアロンは、Liの蒸発などにより仕込みの組成とは異なっている。
粉末混合物の焼成に使用される加熱炉については、とくに制約は無く、例えば、高周波誘導加熱方式または抵抗加熱方式によるバッチ式電気炉、ロータリーキルン、流動化焼成炉、プッシャー式電気炉などを使用することができる。焼成のるつぼには、BN製の坩堝、窒化ケイ素製の坩堝、黒鉛製の坩堝、炭化珪素製の坩堝を用いることができる。黒鉛製の坩堝の場合には、その内壁に窒化珪素、窒化ホウ素等で被覆しておくことが好ましい。
(本発明のLi含有α−サイアロン系蛍光体粉末へのLi再拡散)
次に、作製したLi含有α−サイアロンと拡散するLi源粉末を秤量し、混合する。Li源となる原料としては、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物、または熱分解により酸化物となる前駆体物質など前述したものを採用できる。Li含有α−サイアロンとLi源を、振動ミルなどの混合機を用いて混合し、混合物を、アルミナ製坩堝等、BN製の坩堝、窒化ケイ素製の坩堝、炭素製の坩堝などの坩堝に入れ、常圧の窒素含有雰囲気において焼成を行う。焼成温度は、中間物としてのLi含有α−サイアロンを作製する際の焼成温度より低い温度であればよいが、一般的には1100〜1600℃が採用される。好ましくは1300〜1500℃、より好ましくは1350〜1450℃である。1100℃未満では蛍光強度改善の効果が小さくなり、1600℃を超えると、Liの蒸発が多くなり、蛍光強度の向上の効果が少なく、かえって低下を引き起こす恐れもある。また、Liを再拡散させる焼成温度は、中間物としてのLi含有α−サイアロンを作製する際の焼成温度より高い温度であっても、焼成温度が1100〜1600℃の範囲内であれば、追加のLiを再拡散させる一定の効果を得ることができる。窒素含有雰囲気の窒素以外のガスとしては不活性ガスを用いることができ、不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどが例示されるが、本発明においては、これらのガスと少量の水素ガスとを混合して使用することも可能である。
焼成温度での保持時間は0.5〜5時間が好ましい。0.5時間未満では十分な反応が進行しない恐れがある。5時間を越えても蛍光強度の向上の効果は発現するが、顕著な効果は得られず、生産コストが高くなるので好ましくない。
焼成後の粉末は取り出し後に弱く融着するので、軽く解砕して、必要に応じ粒子表面に付着したガラス層等を除去して、蛍光体としての評価を行う。
Liの再拡散に使用される加熱炉については、とくに制約は無く、例えば、高周波誘導加熱方式または抵抗加熱方式によるバッチ式電気炉、ロータリーキルン、流動化焼成炉、プッシャー式電気炉などを使用することができる。焼成のるつぼには、アルミナ坩堝、BN製の坩堝、窒化ケイ素製の坩堝、黒鉛製の坩堝、炭化珪素製の坩堝を用いることができる。黒鉛製の坩堝の場合には、その内壁に窒化珪素、窒化ホウ素等で被覆しておくことが好ましい。
このようにして得られたLi含有α−サイアロン系蛍光体には、表面にガラス層が付着しており、より高い蛍光強度の蛍光体を得るためには、ガラス層の除去が好ましい。蛍光体粒子の表面のガラス層の除去には、酸による洗浄がもっとも容易である。すなわち、硫酸、塩酸または硝酸から選ばれる酸溶液に前記サイアロン粒子を入れ表面のガラス層を除去する処理である。酸溶液の濃度は0.1規定から7規定であり、好ましくは、1規定から3規定である。過度に濃度が高いと酸化が著しく進み良好な蛍光特性を得られなくなる。濃度を調整した酸溶液に、サイアロン系蛍光体粉末を溶液に対し5wt%入れ、攪拌しながら、所望の時間保持する。洗浄後、サイアロン系蛍光体粉末の入った溶液をろ過して水洗によって、酸を洗い流して乾燥する。
本発明の、希土類元素で賦活させたLi含有α−サイアロン系蛍光体は、公知の方法でエポキシ樹脂やアクリル樹脂等の透明樹脂と混練されてコーティング剤が製造され、該コーティング剤で表面をコーティングされた発光ダイオードは、発光素子として各種照明器具に用いることができる。
特に、励起光のピーク波長が330〜500nmの範囲にある発光源は、Li含有α−サイアロン系蛍光体に好適である。紫外領域では、Li含有α−サイアロン系蛍光体の発光効率が高く、良好な性能の発光素子を構成することが可能である。また、青色の光源でも発光効率高く、Li含有α−サイアロン系蛍光体の黄色の蛍光と青色の励起光との組み合わせで、良好な昼白色〜昼光色の発光素子を構成できる。
さらに、色調の調整に600nm〜650nmの赤色の蛍光体と組み合わせて、昼白色や昼光色(daylight)の発光色を、温かみのある電球色の領域に制御することができる。このような電球色の発光素子は、一般家庭の照明に広く使うことができる。ここで、昼白色とは、JISに従い、相関色温度で4600〜5500Kであり、昼光色とは、相関色温度で5700〜7100Kをいう。
また、Li含有α−サイアロン系蛍光体を用いて画像表示素子を作ることも可能である。この場合、前述した発光素子を用いることも可能であるが、直接、電子線、電場、紫外線などの励起源を用いてLi含有α−サイアロン系蛍光体を励起して発光させることも可能であり、たとえば、蛍光灯のような原理での利用ができる。そのような発光素子でも、画像表示装置を構成することができる。
以下では、具体的例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
原料Li−α−サイアロン(中間物)の作製
はじめに、各種組成のLi含有サイアロンの作製を行った。具体的な作製方法を例示す。
四塩化珪素とアンモニアを反応させて作製したアモルファス窒化ケイ素または、結晶質窒化ケイ素と酸化ユーロピウム(信越化学社製、REUグレード、99.99%)、炭酸リチウム(レアメタリック社製、99.9%)、窒化アルミニウム(トクヤマ社製、タイプE、99.9%)、酸化アルミニウム(住友化学、AKP−30、99.9%)を表1に示したm、nに従って秤量した。なお、m値、n値の計算は、定比のLi−α−サイアロンLixEuySi12-(m+n)Al(m+n)n16-n(x+ay=m、aはEuの平均価数で、原料の時点では3価とした。)を仮定した。秤量した原料を窒素雰囲気中、乾式の振動ミルを用いて混合し、混合粉末を得た。この粉末を、窒化珪素製のるつぼに入れて、電気炉に仕込み、常圧の雰囲気下、窒素を流しながら昇温し、表1に示した保持温度にて12時間保持し焼成を行い、Li−α−サイアロンを得た。
このようにして得られたLi−α−サイアロンの組成は、仕込みの組成とは異なる。焼成後、取り出した粉末を、2規定の硝酸溶液で洗浄し、表面のガラス層を除去した試料について、酸素窒素に関しては、LECO社製の酸素窒素同時分析装置を用いて測定し、その他の元素についてはICP(誘導結合プラズマ発光分光分析法)を用いて分析を行った。分析結果からサイアロンの組成を計算し、表1に示した。なおEuの価数は2価とした。また、分析誤差のために、必ずしも、m=x+ay+δとならない。
なお、ICPの分析は以下のとおり、Liについては、試料を硝酸とフッ化水素酸で加圧酸分解したのち、硫酸を加えて白煙が発生するまで加熱濃縮し、これに塩酸を加えて加熱溶解したのち、エスアイアイ・ナノテクノロジー社のSPS5100型を用いてICP−AES法によって定量分析を行った。Siについては、試料を炭酸ナトリウムとほう酸で過熱融解したのち、塩酸で溶解し凝集重量法に準拠して定量分析を行った。Al,Euについては、Siの定量分析の前処理で得られたろ液を回収し、ICP−AESによる定量分析を行った。
X線回折によって、結晶相の同定を行った結果、S1〜5に関しては、サイアロン単相であったが、S6〜7に関しては、サイアロンの他に異相としてAlNの多形である12Hタイプの結晶を含んでいた。異相を含むので、表1に示した組成表において、S6〜7はサイアロン組成を表しているのではなく、組成全体をサイアロンと仮定して計算した場合の結果になっている。そのため、S6〜7の組成には物理的な意味はない。S1〜5において、計算されたδは正となっており、通常のLi−α−サイアロンにくらべ、Liが不足しAlが過剰になっていた。
次に、これらの粉末について、日本分光社製、積分球付のFP−6500を用いて蛍光のピーク波長とピーク強度、吸収率の評価を行った。なお、測定の励起波長は450nmとした。結果を表1に示す。本件明細書の実施例(表1〜表3)における蛍光強度は、表1中のS4で示したサイアロンの蛍光強度を100として、その相対強度を表した。
原料のLi−α−サイアロンへのLiの再拡散
実施例1〜5
表1に示すLi−α−サイアロン1モルに対し、酸化リチウム(Li2O、高純度化学、99.0%)を表2に示す分量を添加し、振動ミルを用いて混合した。得られた粉末をアルミナ坩堝にいれ、300℃/hの昇温速度で、表2に示す焼成条件で加熱した。焼成後、2Nの硝酸溶液で酸洗浄し、組成の測定、蛍光測定を前述の方法で行った。結果を表2に示す。蛍光強度は大きく改善していることがわかる。組成分析の結果も表2に示した。その結果、Liと酸素が増加していることがわかる。蛍光特性の改善の理由のひとつとして、不足していたLiの増加が関与している可能性がある。なお、表2に示す変化割合とは、蛍光強度の増加量を、用いた原料のサイアロン(S1〜S7)の蛍光強度で割った値(すなわち、蛍光強度の変化割合)である。
図1(a)に得られたサイアロン粒子のSEM写真を示す。母体のサイアロン粒子の表面付着物は明確な粒子として観察されないので、表面付着物は母体のサイアロン粒子の変形と考えられる。
比較例1、2
表2に示すサイアロン(S6、S7)を用いる以外は実施例1と同じ方法でLiの再拡散を行った。その結果、Li再拡散によって、蛍光強度の改善が少ないことが確認された。比較例1,2に用いた原料サイアロン(S6、S7)の吸収率は65%よりも低く、このような低い吸収率のLi−α−サイアロンに関してはLi再拡散の効果を得ることはできない。
実施例3A〜5A
表3に示すサイアロン(S3〜S5)を用い、処理温度を1000℃にする以外は、実施例1と同じ方法でLiの再拡散を行った。吸収率の高い試料では、実施例3〜5と同じように蛍光強度の改善は見られる。しかし、改善する量は小さく結果として、絶対的な蛍光強度は得られていない。1000℃のような低い温度では、再拡散の効果を十分に得ることはできない。
比較例6〜7
表3に示すサイアロン(S6〜S7)を用い、処理温度を1000℃にする以外は、実施例1と同じ方法でLiの再拡散を行った。比較例6、7では、1000℃の焼成条件に加えて、原料の吸収率は65%よりも小さい。このような条件では、Liの再拡散の効果は全く得られない。
実施例6〜8
表3に示すサイアロン(S3〜S5)を用い、処理温度を5時間に伸ばした以外は実施例1と同じ方法でLiの再拡散を行った。蛍光特性の改善は見られる。しかし、実施例3〜5のものに比べ、改善量はほとんど変わらない。処理は温度のほうが、時間よりも重要である。
比較例8、9
表3に示すサイアロン(S6,S7)を用い、処理温度を5時間に伸ばして以外は実施例1と同じ方法でLiの再拡散を行った。その結果、Li再拡散によって、蛍光強度の改善が少ないことが確認された。比較例8,9に用いた原料サイアロン(S6,S7)の吸収率は65%よりも低く、このような低い吸収率のLi−α−サイアロンに関しては、Liの再拡散時間を伸ばしてもLi再拡散の効果を得ることはできない。
実施例9
表3に示すサイアロン(S3)を用いて、処理温度を1600℃にした以外は、実施例1と同じ方法でLiの再拡散を行った。表3に示すように、実施例3と同様に蛍光強度の改善が見られた。
比較例10、11
表3に示すサイアロン(S4、S5)を用いて、処理温度を1600℃にした以外は、実施例1と同じ方法でLiの再拡散を行った。用いた試料の吸収率は65%以上であり、実施例4,5のような1300℃では効果があったが、1600℃になると蛍光強度改善の効果が見られなくなった。処理温度を上げると効果がえられない傾向がある。
比較例12
表3に示すサイアロン(S3)を用いて、Liの添加を0にした以外は、実施例1と同じ方法で焼成を行った。蛍光強度改善は見られなかった。本特許の効果は、Liの添加によってもたらされていることがわかる。
実施例10、11
表3に示すサイアロン(S3)を用いて、Liの添加量を変化させた以外は、実施例1と同じ方法でLiの再拡散を行った。蛍光強度の改善が見られた。Li2Oの添加量で0.03モルでも、十分に大きな効果が得られることがわかった。一方、Li2Oの添加量で0.75モルに増やしても、実施例3と比較して、変化割合が大きくなることはなかった。添加の量が多くなっても蛍光強度の改善が大きくなることはないことがわかる。
実施例12
表3に示すサイアロン(S3)を用いて、Li源として炭酸リチウムを表3に示す量を添加した以外は、実施例1と同じ方法でLiの再拡散を行った。蛍光強度の改善が見られた。
実施例13
表3に示すサイアロン(S3)を用いて、Li源として窒化リチウムを表3に示す量を添加し、窒素ボックス中で混合し、酸素に触れないようにして原料を準備した。それ以外は、実施例1と同じ方法でLiの再拡散を行った。蛍光強度の改善が見られた。
実施例14
表3に示すサイアロン(S3)を用いて、坩堝として窒化ホウ素の坩堝を用いた以外は、実施例1と同じ方法でLiの再拡散を行った。蛍光強度の改善が見られた。
Liの再拡散による結晶相の変化
実施例1の蛍光強度の改善した試料について、X線回折(XRD)を行い相の同定を行った。また、Liの再拡散前の試料(S1)についても同様のXRDを行い相の同定を行った。その結果、Liの再拡散前後で、サイアロンに関するXRDパターンの大きな変化はなかった。厳密には、組成の変化に伴う格子定数の変化は生じると考えられるが、通常のXRDパターンでは顕著な差はないと言える。新しいピークとしては、Liに由来する新たな結晶相、例えば、LiSi23のような結晶相が出現するが、ごく微量であった。
粒子の組成と形態の変化
実施例1の試料について走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて粒子の形態を観察した。比較として、Li再拡散前の試料(S1)についての粒子形態も観察した。結果をそれぞれ図1(a)及び図1(b)に示す。再拡散によって粒子の表面に1μm以下、具体的には0.2μm程度の微粒子状物による凹凸微細構造が観察された。処理前の試料では表面には微粒子状の凹凸微細構造はない。
比較例12に示したように、Liを添加せずに再焼成を行い粒子のSEM観察を行ったが、粒子の表面形態の変化は見られなかった。従って、粒子表面におけるこの変化はLiの再拡散によって現れたと言える。
XRDの結果から、この微粒子状物は、Li2Oではなく、サイアロンであると考えられる。
そこで、SEM装置に付属するEDS装置によって局所的な分析を行った。結果を図2に示す。微粒子状物においても、Si、Alが測定されることから、やはり、Li2Oが表面に付着しているのではなく、微粒子状の凹凸表面層はサイアロンであることが確認された。比較として、微粒子状物のない部分でのEDSによる分析を行った。その結果の比較から、微粒子状の凹凸表面層は酸素に増加が見られた。微粒子状物は酸素の多いサイアロンになっていると考えられる。
次に、比較例10に示した1600℃におけるLiの再拡散によって、蛍光強度が低下した試料についてSEMによる粒子形態の観察を行った。結果を図3に示す。粒子の表面の微粒子状構造はほぼ消失していた。この比較例10と実施例1の比較から、蛍光特性が改善するときには、粒子表面の微粒子状の凹凸が現れると考えられる。
本発明のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子、それを用いた照明器具、画像表示装置の産業上の有用性は明らかである。

Claims (15)

  1. 一般式(1):
    LixEuySi12-(m+n)Al(m+n)n+δ16-n-δ (1)
    (式中、0.4≦x≦1.5、0.001≦y≦0.2、1.0≦m≦2.8、0.1≦n+δ≦3.2であり、Euの平均価数をaとすると、x+ya+δ=mである。)
    で表されるリチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子であって、450nmの波長領域において光の吸収率が65%以上であり、前記リチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子は、その表面に1μm以下の寸法の微粒子状のサイアロンによって形成された凹凸表面微細構造を有するサイアロン表面層を有する、Li含有α−サイアロン蛍光体粒子。
  2. 0<δ、0.3≦x/m≦0.9である、請求項1に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子。
  3. 前記リチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子の平均粒子径が0.5〜30μmである請求項1又は2に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子。
  4. 前記サイアロン表面層がリチウム含有α−サイアロンであり、前記サイアロン表面層の微粒子状サイアロンの寸法が0.01〜0.8μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子。
  5. 励起光を入射することにより、波長560nmから590nmのピーク波長の蛍光を放出する、請求項1記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子。
  6. 窒化ケイ素又は含窒素ケイ素化合物粉末と、AlNを含むアルミニウム源となる物質と、Liの窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質からなるLi源と、Euの窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質からなるEu源とを混合し、常圧の窒素を含有する不活性ガス雰囲気中、1500〜1800℃で焼成して中間物としてのリチウム含有α−サイアロン粉末を得て、その粉末に追加のリチウム源を添加混合し、常圧の窒素を含有する不活性ガス雰囲気中、1100℃以上の温度で、前記焼成温度よりも低い温度で又は1600℃未満で再焼成し、
    前記再焼成により得られるリチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子が、一般式(1):
    Li x Eu y Si 12-(m+n) Al (m+n) n+δ 16-n-δ (1)
    (式中、0.4≦x≦1.5、0.001≦y≦0.2、1.0≦m≦2.8、0.1≦n+δ≦3.2であり、Euの平均価数をaとすると、x+ya+δ=mであり;0<δ、0.3≦x/m≦0.9である。)
    で表されるリチウム含有α−サイアロン粒子であって、450nmの波長領域において光の吸収率が65%以上であり、前記リチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子は、その表面に1μm以下の寸法の微粒子状のサイアロンによって形成された凹凸表面微細構造を有するサイアロン表面層を有する、Li含有α−サイアロン蛍光体粒子の製造方法。
  7. 前記の中間物としてのリチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子が、一般式(1)
    LixEuySi12-(m+n)Al(m+n)n+δ16-n-δ (1)
    (式中、0.3≦x<1.2、0.001≦y≦0.2、1.0≦m≦2.9、0.1≦n+δ≦3.2であり、Euの平均価数をaとすると、x+ya+δ=mである。)
    で表されるリチウム含有α−サイアロン粒子であり、前記再焼成により得られるリチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子において前記の中間物としてのリチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子と比べてx/mが少なくとも0.02増加している、請求項に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子の製造方法。
  8. 前記の中間物としてのリチウム含有α−サイアロン蛍光体粒子が、450nmの波長領域において光の吸収率が65%以上である、請求項6又は7に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子の製造方法。
  9. 前記追加のリチウム源が、前記の中間物としてのリチウム含有α−サイアロン粉末1モルに対し、金属Li換算で、0.05〜1.6モルである、請求項6〜のいずれか1項に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子の製造方法。
  10. 前記再焼成により得られるLi含有α−サイアロン蛍光体粒子が、励起光を入射することにより、波長560nmから590nmのピーク波長の蛍光を放出する、請求項6〜のいずれか1項に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子の製造方法。
  11. 発光源と、請求項1〜5のいずれか1項に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子を含有する蛍光体とから構成される照明器具。
  12. 前記発光源が330〜500nmの波長の光を発光するLEDである、請求項11に記載の照明器具。
  13. 前記Li含有α−サイアロン蛍光体粒子を600nm〜650nmの赤色の蛍光体と組み合わせて、昼白色や昼光色の発光色を得る、請求項11又は12に記載の照明器具。
  14. 励起源と、請求項1〜5のいずれか1項に記載のLi含有α−サイアロン蛍光体粒子を含有する蛍光体とから構成される、画像表示装置。
  15. 前記励起源が電子線、電場、真空紫外又は紫外線である、請求項1記載の画像表示装置。
JP2012503301A 2010-03-01 2011-03-01 Li含有α−サイアロン系蛍光体粒子とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置 Expired - Fee Related JP5240399B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012503301A JP5240399B2 (ja) 2010-03-01 2011-03-01 Li含有α−サイアロン系蛍光体粒子とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010044524 2010-03-01
JP2010044524 2010-03-01
PCT/JP2011/055176 WO2011108740A1 (ja) 2010-03-01 2011-03-01 Li含有α-サイアロン系蛍光体粒子とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置
JP2012503301A JP5240399B2 (ja) 2010-03-01 2011-03-01 Li含有α−サイアロン系蛍光体粒子とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011108740A1 JPWO2011108740A1 (ja) 2013-06-27
JP5240399B2 true JP5240399B2 (ja) 2013-07-17

Family

ID=44542383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012503301A Expired - Fee Related JP5240399B2 (ja) 2010-03-01 2011-03-01 Li含有α−サイアロン系蛍光体粒子とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置

Country Status (7)

Country Link
US (1) US8497624B2 (ja)
EP (1) EP2543714B1 (ja)
JP (1) JP5240399B2 (ja)
KR (1) KR101366866B1 (ja)
CN (1) CN102753650B (ja)
TW (1) TWI513798B (ja)
WO (1) WO2011108740A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2314659B1 (en) * 2008-08-13 2014-07-23 Ube Industries, Ltd. Li-containing -sialon fluorescent substance and method for manufacturing same, illumination device, and image display device
KR102142672B1 (ko) * 2012-11-13 2020-08-07 덴카 주식회사 형광체, 발광소자 및 조명장치
KR102205640B1 (ko) 2012-11-13 2021-01-20 덴카 주식회사 형광체, 발광소자 및 조명장치
DE102013100429B4 (de) 2013-01-16 2023-12-07 Osram Gmbh Verfahren zur Herstellung eines pulverförmigen Precursormaterials und Verwendung eines mit dem Verfahren hergestellten pulverförmigen Precursormaterials
JP6398997B2 (ja) * 2014-02-03 2018-10-03 宇部興産株式会社 酸窒化物蛍光体粉末およびその製造方法
KR101476217B1 (ko) 2014-05-28 2014-12-24 엘지전자 주식회사 황색 발광 형광체 및 이를 이용한 발광 소자 패키지
JP6970658B2 (ja) * 2016-03-11 2021-11-24 デンカ株式会社 蛍光体、発光素子及び発光装置
JP6667027B1 (ja) * 2019-03-29 2020-03-18 デンカ株式会社 蛍光体粉末、複合体および発光装置
JP7497206B2 (ja) 2020-05-18 2024-06-10 デンカ株式会社 リチウム含有α-サイアロン蛍光体の製造方法
WO2024101040A1 (ja) * 2022-11-07 2024-05-16 デンカ株式会社 蛍光体粉末および発光装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004067837A (ja) * 2002-08-06 2004-03-04 Toyota Central Res & Dev Lab Inc α−サイアロン蛍光体
WO2007004493A1 (ja) * 2005-07-01 2007-01-11 National Institute For Materials Science 蛍光体とその製造方法および照明器具
WO2010018873A1 (ja) * 2008-08-13 2010-02-18 宇部興産株式会社 Li含有α-サイアロン系蛍光体とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6458512B1 (en) * 1998-10-13 2002-10-01 3M Innovative Properties Company Oxynitride encapsulated electroluminescent phosphor particles
US6632379B2 (en) 2001-06-07 2003-10-14 National Institute For Materials Science Oxynitride phosphor activated by a rare earth element, and sialon type phosphor
JP3668770B2 (ja) 2001-06-07 2005-07-06 独立行政法人物質・材料研究機構 希土類元素を付活させた酸窒化物蛍光体
JP4072632B2 (ja) * 2002-11-29 2008-04-09 豊田合成株式会社 発光装置及び発光方法
JP4165318B2 (ja) * 2003-07-16 2008-10-15 宇部興産株式会社 サイアロン系蛍光体およびその製造方法
JP4277666B2 (ja) * 2003-12-01 2009-06-10 宇部興産株式会社 サイアロン系蛍光体の製造方法およびサイアロン系蛍光体
US7906040B2 (en) * 2004-06-18 2011-03-15 National Institute For Materials Science α-Sialon, α-sialon phosphor and method for producing the same
WO2006070899A1 (ja) * 2004-12-27 2006-07-06 Ube Industries, Ltd. サイアロン蛍光体粒子およびその製造方法
JP4822203B2 (ja) * 2005-04-28 2011-11-24 独立行政法人物質・材料研究機構 リチウム含有サイアロン蛍光体およびその製造法
US7825580B2 (en) * 2005-07-01 2010-11-02 National Institute For Materials Science Fluorophor and method for production thereof and illuminator
JP5119502B2 (ja) * 2006-05-05 2013-01-16 プリズム インコーポレイテッド 表示システムおよびデバイス用のリン光体組成物およびその他の蛍光材料
KR101354896B1 (ko) * 2006-07-05 2014-01-24 우베 고산 가부시키가이샤 사이알론계 산질화물 형광체 및 그 제조방법
CN101271939B (zh) * 2007-03-23 2010-12-15 光宝科技股份有限公司 具有开回路控制的发光装置及其制造方法
JP5578597B2 (ja) * 2007-09-03 2014-08-27 独立行政法人物質・材料研究機構 蛍光体及びその製造方法、並びにそれを用いた発光装置
DE102008038249A1 (de) * 2008-08-18 2010-02-25 Osram Gesellschaft mit beschränkter Haftung alpha-Sialon-Leuchtstoff
CN101629077A (zh) * 2009-08-14 2010-01-20 上海芯光科技有限公司 多元系氧氮化物基或氮化物基荧光粉及其制备方法
KR101455486B1 (ko) * 2010-03-31 2014-10-27 우베 고산 가부시키가이샤 사이알론계 산질화물 형광체의 제조 방법 및 사이알론계 산질화물 형광체

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004067837A (ja) * 2002-08-06 2004-03-04 Toyota Central Res & Dev Lab Inc α−サイアロン蛍光体
WO2007004493A1 (ja) * 2005-07-01 2007-01-11 National Institute For Materials Science 蛍光体とその製造方法および照明器具
WO2010018873A1 (ja) * 2008-08-13 2010-02-18 宇部興産株式会社 Li含有α-サイアロン系蛍光体とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN102753650B (zh) 2014-12-10
EP2543714A4 (en) 2014-04-23
KR20120099525A (ko) 2012-09-10
TWI513798B (zh) 2015-12-21
WO2011108740A1 (ja) 2011-09-09
US8497624B2 (en) 2013-07-30
EP2543714A1 (en) 2013-01-09
JPWO2011108740A1 (ja) 2013-06-27
TW201139620A (en) 2011-11-16
CN102753650A (zh) 2012-10-24
US20120319566A1 (en) 2012-12-20
EP2543714B1 (en) 2015-02-25
KR101366866B1 (ko) 2014-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5240399B2 (ja) Li含有α−サイアロン系蛍光体粒子とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置
WO2010018873A1 (ja) Li含有α-サイアロン系蛍光体とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置
JP5835469B2 (ja) 酸窒化物蛍光体粉末
JP6610739B2 (ja) 酸窒化物蛍光体粉末およびそれを用いた発光装置
JP4813577B2 (ja) β型サイアロン蛍光体の製造方法
TWI555824B (zh) Nitroxide phosphor powder, nitroxide phosphor powder, and nitrogen oxide phosphor powder for manufacturing the same
JP2005336253A (ja) 蛍光体の製造方法
Han et al. Large micro-sized K 2 TiF 6: Mn 4+ red phosphors synthesised by a simple reduction reaction for high colour-rendering white light-emitting diodes
JP5565046B2 (ja) Li含有α−サイアロン系蛍光体の製造方法
Huang et al. Effect of fluxes on synthesis and luminescence properties of BaSi2O2N2: Eu2+ oxynitride phosphors
JP6036987B2 (ja) 酸窒化物蛍光体粉末およびその製造方法
Wan et al. Facile synthesis of monodisperse SrAl 2 O 4: Eu 2+ cage-like microspheres with an excellent luminescence quantum yield
JP2014503605A (ja) 窒素化合物発光材料及びその調製方法並びにそれによって製造された照明光源
JP6015851B2 (ja) 酸窒化物蛍光体粉末およびその製造方法
Zhang et al. Improving the luminescence properties and powder morphologies of red-emitting Sr0. 8Ca0. 19AlSiN3: 0.01 Eu2+ phosphors for high CRIs white LEDs by adding fluxes
US8734680B2 (en) Silicate-based phosphor and manufacturing method of silicate-based phosphor
JP5170247B2 (ja) Li含有α−サイアロン系蛍光体とその製造方法、照明器具ならびに画像表示装置
Pawlik et al. The Role of Aluminium Source (Al2O3/AlN) in the Synthesis of the Ca-α-SiAlON: Eu2+ Phosphor
金孝盛 Studies on Synthesis of Rare Earth Phosphors and

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130318

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5240399

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees