JPWO2011096572A1 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な正極及び負極と、非水電解液と、正極と負極間に設けられたセパレータと、を有する非水電解液二次電池。負極は、バインダとして少なくともスチレン系重合体を、負極活物質層全体の質量に対して0.3〜8.0質量%の含量で含む負極活物質層を有する。非水電解液は、少なくともスルホニル基を2個有する環状スルホン酸エステルを、非水電解液全体の質量に対して0.002〜5.0質量%の含量で含む。

Description

本発明は、非水電解液二次電池に関する。
近年、民生用の携帯電話、ポータブル電子機器や携帯情報端末などの急速な小型軽量化・多様化が進んでいる。これに伴い、その電源である電池に対して、小型で軽量かつ高エネルギー密度で、さらに長期間繰り返し充放電が実現できる二次電池の開発が強く要求されている。中でも、水溶液系電解液を使用する鉛電池やニッケルカドミウム電池と比較して、これらの要求を満たす二次電池として、非水電解液リチウム二次電池などが実用化され、活発な研究がおこなわれている。
このようなリチウム二次電池は、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質が保持された集電体を有する正極板、リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質が保持された集電体を有する負極板、非プロトン性の有機溶媒にLiBFやLiPFなどのリチウム塩が溶解された電解液、正極板と負極板との間に介在して短絡を防止するセパレータ、から構成されている。
リチウム二次電池の電解液には、一般的に、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどの高誘電率溶媒と、ジメチルカーボネートやジエチルカーボネートなどの低粘度溶媒との混合溶媒が用いられている。この混合溶媒には、LiBFやLiPFなどの支持塩が溶解されている。
リチウム二次電池の正極活物質には、二硫化チタン、五酸化バナジウム、一般式LiMO、Li、LiMPO、LiMSiO(ただし、Mは少なくとも一種以上の遷移金属を含む。)で表される種々の化合物が検討されている。中でも、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物およびリチウムマンガン複合酸化物などは、4V(vs.Li/Li)以上の、極めて貴な電位で充放電をおこなうことができる。このため、正極活物質として用いることで、高い放電電圧を有するリチウム二次電池を実現することができる。
リチウム二次電池の負極活物質には、リチウムを含む合金をはじめとして、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な材料が研究されている。中でも炭素材料を使用すると、サイクル寿命の長いリチウム二次電池が得られ、かつ安全性が高いという利点があり、現在は実用化に至っている。
このようなリチウム二次電池は、最近では常温環境下のみならず、幅広い温度領域の環境下で使用される電子機器に採用されることが多くなってきている。例えば、ノートパソコンにおいては中央演算装置の高速化に伴い、パソコン内部の温度が高くなり、電池が高温環境下で長時間使用されるようになった。また、携帯電話やポータブル機器も高温環境下で使用されることが多くなってきた。そのため、このような高温環境下で繰り返し使用するリチウム二次電池のサイクル寿命の向上が強く要望されるようになった。
特許文献1(特許第3978881号公報)には、正極がリチウム複合酸化物を含む材料であり、負極がグラファイトを含む材料であるリチウム二次電池が開示されている。このリチウム二次電池の非水溶媒は、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとからなる群より選ばれる環状カーボネートおよび鎖状カーボネートを主成分とし、且つ非水溶媒中に0.1質量%以上4質量%以下の1,3−プロパンスルトンおよび/または1,4−ブタンスルトンを含有している。このリチウム二次電池を用いることで、電池のサイクル特性に優れ、さらに充電状態での保存特性などの電池特性にも優れたものとできる、としている。
特許文献2(特許第3059832号公報)には、黒鉛を負極材料とし、電解液溶媒としてビニレンカーボネート又はその誘導体と沸点150°C以下の低沸点溶媒との混合溶媒を用いたリチウム二次電池が開示されている。このリチウム二次電池は、電解液と炭素材料との反応による分解ガス発生を抑制し、これに起因した電池容量の低下も抑制できる、としている。
特許文献3(特許第3815087号公報)には、ジスルホン酸エステル誘導体を電解液の重量に対して0.1〜10質量%、含有する非水電解液が開示されている。この非水電解液を用いることで、天然黒鉛や人造黒鉛などの活性で高結晶化した炭素材料を不働態皮膜で被覆し、電解液の分解が抑制され、電池の可逆性を損なうことなく正常な充放電が繰り返される、としている。
特許文献4(特許第4229615号公報)には、リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解し、該非水系有機溶媒が、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、2−フェニルトルエン、3−フェニルトルエン、4−フェニルトルエン、3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジメチルビフェニル、ナフタレン、1−フェニルナフタレン、o−テルフェニル、m−テルフェニル、p−テルフェニル、芳香族炭化水素であるo−テルフェニル部分水素化物、芳香族炭化水素であるm−テルフェニル部分水素化物、芳香族炭化水素であるp−テルフェニル部分水素化物、ジフェニルメタン、アニソール、エチルフェニルエーテル、1,2’−ジメトキシベンゼン、1,3’−ジメトキシベンゼン、1,4’−ジメトキシベンゼン、2−メトキシビフェニル、4−メトキシビフェニル、ジフェニルエーテル、3−フェノキシトルエン及び1,3−ジフェノキシベンゼンからなる群より選ばれる化合物を、非水系電解液に対して10質量%以下、含有し、かつ、ビス有機スルホネート化合物を非水系電解液に対して0.1〜10質量%含有する非水系電解液が開示されている。この非水系電解液を用いることで、2つのスルホネート基がCo、Ni等の正極と相互作用するために強固なスルホネート吸着層が形成され、保存特性が向上する、としている。
特許文献5(特許第2548460号公報)には、負極バインダとしてスチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体、スチレン・ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴムおよびブタジエンゴムのうちから選ばれる少なくとも1種を用いた非水電解液二次電池用負極が開示されている。この非水電解液二次電池用負極を用いることで、充放電を繰り返しても電極が微細化せず、負極中の導電性が充分保持される、としている。そして、比較的少ない充放電サイクル数で充放電容量が低下することがなくなり、安定した電池特性を有することが可能になる、としている。
特許第3978881号公報 特許第3059832号公報 特許第3815087号公報 特許第4229615号公報 特許第2548460号公報
しかしながら、特許文献1のリチウム二次電池では、1,3−プロパンスルトンや1,4−ブタンスルトンを用いると、負極バインダ・電解液界面に電気抵抗の高い皮膜が形成されるという問題があった。特に、高温環境下において電極の抵抗が上昇し、容量低下を招いてしまう、という問題があった。
特許文献2のリチウム二次電池は、ビニレンカーボネートは負極活物質とバインダの界面に皮膜が形成されるため電極の密着性が低下してしまい、失活する活物質が発生して容量が低下する、という問題があった。
特許文献3の非水電解液は、バインダを介して負極活物質と電解液が接触すると、バインダ・負極活物質界面に皮膜が形成され、バインダの結着力が保てなくなり、容量低下が発生する、という問題があった。
特許文献4の非水系電解液は、充放電サイクルを繰り返すとスルホネート吸着層の上に更に電気伝導性の低い不動態層が形成され、リチウムイオンの移動が阻害され、容量が低下してしまう、という問題があった。
特許文献5の非水電解液二次電池用負極では、電解液がバインダに染み込みにくいことからリチウムイオンの移動が阻害されて抵抗が上昇し、電池の容量が低下してしまう、という問題があった。さらに、上記バインダは高温環境下では電解液中に溶出し、電極中のバインダ量が低下することで充放電による電極の膨張を抑制しきれず、電極の抵抗が増大することで容量が低下する、という問題があった。
上記のように、リチウム二次電池においては、電極活物質と電解液との反応に対する安定性が不十分であり、電極の密着性を十分、保てなくなったり、リチウムイオンの移動が阻害される。このため、高温環境下で長期間充放電を繰り返した場合においては、容量維持率が低下するという問題があった。
本発明の課題は、長期的に高温環境下で充放電サイクルを繰り返しても十分な容量維持率を示す非水電解液二次電池を提供することにある。
一実施形態は、
リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な正極と、
バインダとして少なくともスチレン系重合体を含む負極活物質層を有し、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な負極であって、前記スチレン系重合体の含量は前記負極活物質層全体の質量に対して0.3〜8.0質量%である負極と、
少なくとも、スルホニル基を2個有する環状スルホン酸エステルを、非水電解液全体の質量に対して0.002〜5.0質量%、含む非水電解液と、
前記正極と負極間に設けられたセパレータと、
を有する非水電解液二次電池に関する。
負極用のバインダであるスチレン系重合体には電解液が染み込みにくいことから、バインダを介した負極活物質と電解液との接触を防止して、負極活物質と電解液との副反応を防ぐことができる。また、電解液中に、少なくともスルホニル基を2個有する環状スルホン酸エステルを有することで、負極活物質表面に安定な表面皮膜が形成され、高温環境下における電解液溶媒の分解を防ぐことができる。
加えて、負極のバインダとしてスチレン系重合体を負極活物質層中に0.3〜8.0質量%含み、且つ、電解液中に環状スルホン酸エステルを0.002〜5.0質量%含む。これにより、バインダと電解液の界面に、安定かつイオン伝導性の高い皮膜を形成する。従って、リチウムイオンが負極中を移動する際に、電解液が染み込みにくくリチウムイオンが移動しにくいバインダ層でなく、リチウムイオンの移動しやすい上記皮膜を通過する。このため、電極中におけるリチウムイオンのスムーズな移動と、負極活物質・電解液の反応の抑制を両立させることができる。また、上記皮膜が形成されることで高温環境下においても電解液中へのバインダの溶出が抑制され、電極の密着性が維持されることで電極膨張を抑制し、抵抗の増大を防ぐことができる。この結果、高温環境下において長期間、充放電サイクルを繰り返しても、高い容量維持率を得ることが可能となる。
実施例及び比較例で作製したリチウム二次電池の構成を示す模式図である。
非水電解液二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な正極・負極と、非水電解液と、セパレータ、を有する。負極は、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な負極活物質層と、集電体を有する。正極は、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な正極活物質と、集電体を有する。
負極のバインダとしては少なくとも、スチレン系重合体を負極活物質層全体の質量に対して0.3〜8.0質量%、含む。電解液中には少なくとも、スルホニル基を2個有する環状スルホン酸エステルを、電解液全体の質量に対して0.002〜5.0質量%、含む。
スチレン系重合体には電解液が染み込みにくいことから、バインダを介した負極活物質と電解液との接触を防止して、負極活物質と電解液との副反応を防ぐことができる。また、電解液中に、環状スルホン酸エステルを有することで、負極活物質表面に安定な表面皮膜が形成され、高温環境下における電解液溶媒の分解を防ぐことができる。
更に、スチレン系重合体及び環状スルホン酸エステルを、それぞれ負極及び非水電解液中に特定範囲の含量で含むことで、負極バインダ・電解液界面に電気伝導性の高い皮膜が形成される。従って、リチウムイオンが負極中を移動する際に、電解液が染込みにくくリチウムイオンが移動しにくいバインダ層でなく、皮膜内を介してリチウムイオンをスムーズに移動させることができる。このため、電極中におけるリチウムイオンのスムーズな移動と、負極活物質・電解液の反応の抑制を両立させることができる。また、上記皮膜が形成されることで高温環境下においても電解液中へのバインダの溶出が抑制され、電極の密着性が維持されることで電極膨張を抑制し、抵抗の増大を防ぐことができる。この結果、高温環境下において長期間、充放電サイクルを繰り返しても高い容量維持率を得ることが可能となる。
以下、非水電解液二次電池を構成する各部材及び材料を詳細に説明する。
(負極)
負極中に含まれるバインダとしての「スチレン系重合体」とは、スチレン単量体の重合体、又は、スチレン単量体及びスチレン単量体と共重合が可能な単量体の共重合体のことを表す。
本発明に係るスチレン単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられるが、これらのなかでもスチレンが好ましい。
スチレン単量体と共重合が可能な単量体としては、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリルなどのビニル系の単量体、
メタクリル酸からなるメタクリル酸単量体、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソボルニルなどのメタクリル酸エステル系の単量体、
ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのブタジエン系の単量体、
アクリル酸からなるアクリル酸単量体、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシルなどのアクリル酸エステル系の単量体、
マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸の無水物などの不飽和ジカルボン酸無水物系の単量体、
マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの不飽和ジカルボン酸のイミド化合物系の単量体
などが挙げられる。これらの単量体は、単独または2種以上を組み合わせても使用できる。
スチレン系重合体としては少なくとも、スチレン単量体とブタジエン単量体を含む共重合体、又は、スチレン単量体とアクリル酸単量体を含む共重合体が好ましい。また、これらの単量体以外の単量体を更に含んだ共重合体としても良い。上記のバインダを用いることで、負極中のバインダ・電解液界面に、より電気伝導性の高い皮膜が形成され、長期的にリチウムイオンをよりスムーズに移動させることができる。
スチレン単量体とブタジエン単量体を含む共重合体としては、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・エチレン・ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル・スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体など、スチレン・ブタジエン共重合体の一部に他のモノマーを添加させたものを用いても良い。スチレン単量体とアクリル酸単量体を含む共重合体としては、スチレン・アクリル共重合体、アクリル・スチレン・アクリロニトリル共重合体を用いても良い。
上記のスチレン系重合体をバインダとして用いることで、高温環境下における電解液中へのバインダ溶出をより確実に抑制できることから、電極の密着性をより確実に維持できる。
上記のスチレン系重合体において、スチレン系重合体中のスチレン単量体の含量の範囲は、5〜80質量%が好ましく、より好ましくは15〜70質量%、更に好ましくは25〜60質量%が良い。これらの範囲とすることで、電極の密着性を維持しつつ、バインダ・電解液界面に形成される皮膜の抵抗をより低くすることができる。
負極中に用いるスチレン系重合体のバインダは、負極括物質層中に0.3〜8.0質量%、含む必要があるが、好ましくは0.5〜6.0質量%、より好ましくは0.8〜5.0質量%、更に好ましくは1.0〜3.5質量%の範囲で含まれるのが良い。スチレン系重合体の負極括物質層中の含量が0.3質量%よりも少ないと電極の密着性が十分に得られない。8.0質量%よりも多いとバインダ・電解液界面に形成される皮膜による抵抗低減の効果よりも、電解液が染み込みにくいバインダによる抵抗上昇の効果が大きくなり、電池容量が十分に得られなくなる。
負極活物質としては、下記の材料を単独でまたは二種以上を混合して、使用することができる。
コークス類、ガラス状炭素類、グラファイト類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維、
Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd、Sb等を主体とした活物質、またはこれらとリチウムとの合金、
LiFe、WO、MoO、SiO、SiO、CuO、SnO、SnO、Nb、LiTi2−x(0≦x≦1)、PbO、PbO等の金属酸化物、
SnSやFeS等の金属硫化物、
金属リチウム、リチウム合金、ポリアセン、ポリチオフェン、
Li(LiN)、LiMnN、LiFeN、Li2.5Co0.5N、LiCoN等の窒化リチウム等、これらと炭素の複合体。
負極活物質として炭素質材料、特に黒鉛材料を用いることで、負極活物質表面に形成させる皮膜とバインダ・電解液界面に形成される皮膜の界面の抵抗を低減して、リチウムイオンの移動をよりスムーズにすることができる。上記黒鉛材料は、表面を核材より結晶性の低い炭素で被覆しても良い。
(非水電解液)
非水電解液中には少なくとも、スルホニル基を2個有する環状スルホン酸エステルを含む。環状スルホン酸エステルは、非水電解液中に0.002〜5.0質量%、含む必要があるが、好ましくは0.004〜4.6質量%、より好ましくは0.1〜4.2質量%、更に好ましくは1〜3.6質量%の範囲で含まれるのが良い。環状スルホン酸エステルの含量が0.002質量%よりも少ないと、バインダ・電解液界面の皮膜が十分に形成されない。また、環状スルホン酸エステルの含量が5質量%よりも多くなると、バインダ・電解液界面の皮膜が厚くなることで、リチウムイオンの溶媒和・脱溶媒和がスムーズに進行しなくなる。その結果、電池の抵抗上昇につながり、その特性が低下する。
非水電解液中に加える環状スルホン酸エステルとしては、下記式(1)で示される化合物を含むことで、バインダ・電解液表面により安定な表面皮膜が形成される。
Figure 2011096572

(式(1)において、Qは酸素原子、メチレン基または単結合、Aは炭素数1〜5のアルキレン基、カルボニル基、スルフィニル基、炭素数1〜6のフルオロアルキレン基、またはエーテル結合を介してアルキレン単位もしくはフルオロアルキレン単位結合した炭素数2〜6の2価の基を示し、Bはアルキレン基、フルオロアルキレン基、または酸素原子を示す。)。
環状スルホン酸エステルの例としては、下記表1に示される化合物No.1〜22の有機化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの化合物例は、特許第4033074号公報に示されている。表1に示される化合物は、たとえば、米国特許第4950768号明細書、特公平5−4496号公報、西独国特許第2509738号明細書、及び西独国特許第2233859号明細書などに記載されている製造方法を用いて得ることができる。
Figure 2011096572
非水電解液に用いる非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル―γ―ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルアセテート、アセトニトリル等を単独でまたは二種以上を混合して使用することができる。特に酸化・還元に対する安定性から環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合系が好ましい。
非水電解液に使用する電解質は、上記の非水溶媒中に、支持塩として溶解させて使用する。支持塩としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiCFCFCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiPF(CF、LiCFCO、LiCl、LiBr、LiSCN等のリチウム塩を単独でまたは二種以上を混合して使用することができる。支持塩としては中でもLiPFを用いるのが好ましい。
上記のような電解質と溶媒の代わりに、イオン伝導性ポリマー電解質と有機電解液を組み合わせて使用することもできる。イオン伝導性ポリマー電解質の具体例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンアシパミド、ポリカプロラクタム、ポリウレタン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレンおよびこれらの誘導体を単独であるいは混合して用いることができる。
(正極)
正極活物質としては、たとえば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn1.5、LiFePO、LiMnPO、LiMnOなどのリチウム含有複合酸化物が挙げられる。これらのリチウム含有複合酸化物の遷移金属部分を他の元素で置換させたものでもよく、またこれらの混合物でもよい。
上記ポリマーを構成する各種モノマーを含むポリマーを用いてもよい。また、ポリマー電解質以外に、無機固体電解質あるいは有機ポリマー電解質と無機固体電解質との混合材料、もしくは有機バインダによって結着された無機固体粉末などを使用することができる。
(リチウム二次電池)
リチウム二次電池は、正極、負極、セパレータ、非水電解液の組み合わせからなっている。セパレータとしては、織布、不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリイミド、多孔性ポリフッ化ビニリデン膜などの多孔性ポリマー膜やイオン伝導性ポリマー電解質膜を単独または組み合わせで使用することができる。
電池の形状としては円筒形、角形、コイン型、ボタン型、ラミネート型などの種々の形状にすることができる。電池ケースの材質としてはステンレス、ニッケルメッキを施した鉄、アルミニウム、チタンもしくはこれらの合金およびメッキ加工のものを使用することができる。ラミネート樹脂フィルムの材質としては、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン箔などを使用することができる。金属ラミネート樹脂フィルムの熱溶着部の材質としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性高分子材料であればどのような材質でもよい。また、金属ラミネート樹脂層や金属箔層はそれぞれ1層に限定されるものではなく、2層以上であっても構わない。
以下では、本発明を適用した具体的な実施例について説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではなく、その主旨を超えない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1〜20)
図1は、本実施例で作製したリチウム二次電池の構成を示す模式図である。図1に示すように、アルミニウム箔等の金属からなる正極集電体11上にはリチウムイオンを吸蔵、放出し得る正極活物質層12が設けられている。銅箔等の金属からなる負極集電体13上には、リチウムイオンを吸蔵、放出する負極活物質層14が設けられている。そして、電解液15、およびこれを含む不織布、ポリオレフィン微多孔膜などからなるセパレータ16を介して、正極集電体11及び正極活物質層12と、負極集電体13及び負極活物質層14とが対向して配置され構成されている。
負極は、以下のようにして作製した。負極活物質として、人造黒鉛を使用した。スラリー増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」と呼ぶ)を含む水溶液中に黒鉛を投入・攪拌し、均一なスラリーとなった段階で、バインダとしてのスチレン・ブタジエン共重合体(スチレン系重合体)を投入した。この後、更に攪拌し、厚さ10μmの銅製集電体の両面に、単位面積当たりの容量が等しくなるように均一に塗布して、乾燥させた。この後、ロールプレスで圧縮成型することにより、負極活物質層全体に対して、CMCを1質量%、スチレン系重合体を0.3〜8.0質量%、含む負極電極(実施例1〜20)を作製した。
正極は、以下のようにして作製した。正極活物質として、Li(Li0.1Mn1.9)O、とLiNi0.85Co0.15を質量比で85:15に混合したものを用い、バインダとしてポリフッ化ビニリデン5質量%を混合させた。これをN−メチル−2−ピロリドン中に分散させることにより、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム製集電体の両面に、厚さが95μmになるように均一に塗布して、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成型することにより作製した。
セパレータとしては、厚さ25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。また、電解液溶媒には、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比30:70で混合し、リチウム塩としてLiPFを1.0mol/l溶解した溶媒を使用した。上記電解液中に、添加剤として、化合物No.2、あるいは化合物No.3に示す環状スルホン酸エステルを0.002〜5.0質量%、含む電池(実施例1〜20)を作製した。
電池は正極と負極を、セパレータを介して積層し、ラミネート外装型リチウム二次電池とした。作製した電池の放電容量は98mAhであった。
(実施例21〜40)
負極電極のバインダとして、スチレン・アクリル共重合体(スチレン系重合体)を使用する以外は実施例1〜20と同様に電池(実施例21〜40)を作製した。
(比較例1〜16)
電解液中に、添加剤として環状スルホン酸エステルの代わりに1,3−プロパンスルトン(以下、「PS」と記載する)を含む以外は、実施例1〜40と同様に電池(比較例1〜16)を作製した。
(比較例17〜24)
負極用のバインダとして、スチレン・ブタジエン共重合体を0.1質量%、又は9.0質量%含む以外は、実施例1〜20と同様に電池(比較例17〜24)を作製した。
(比較例25〜32)
負極用のバインダとして、スチレン・アクリル共重合体を0.1質量%、又は9.0質量%含む以外は、実施例21〜40と同様に電池(比較例25〜32)を作製した。
(比較例33〜40)
電解液添加剤として、電解液中に環状スルホン酸エステルを0.001質量%、又は6.0質量%含む以外は実施例1〜20と同様に電池(比較例33〜40)を作製した。
(比較例41〜48)
電解液添加剤として、電解液中に環状スルホン酸エステルを0.001質量%、又は6.0質量%含む以外は実施例21〜40と同様に電池(比較例41〜48)を作製した。
(充放電サイクル試験)
次に、上記のようにして作製した電池に対して、下記の条件による定電流定電圧方式で、充放電サイクル試験をおこなった。
(1)充電条件
温度:60℃
充電終止電圧:4.2V
充電電流:98mA
全充電時間:2.5時間
(2)放電条件
温度:60℃
放電終止電圧:3.0V
放電電流98mA。
容量維持率(%)は、500サイクル後の放電容量(mAh)の、10サイクル後の放電容量(mAh)に対する割合であり、下記式で表される。
容量維持率(%)=(500サイクル後の放電容量(mAh))/(10サイクル後の放電容量(mAh))
サイクル試験の結果を表2〜5に示す。
Figure 2011096572
Figure 2011096572
Figure 2011096572
Figure 2011096572
表2〜5に示した充放電サイクル試験の結果から、負極のバインダとしてスチレン系重合体を、負極活物質層中に0.3〜8.0質量%含み、且つ、電解液中に少なくともスルホニル基を2個有する環状スルホン酸エステルを0.002〜5.0質量%含む非水電解液二次電池(実施例1〜40)においては、高い容量維持率を有していることが確認された。
電解液中に、環状スルホン酸エステルの変わりにPSを含む場合(比較例1〜16)、実施例1〜40と比較して容量維持率は低下した。これは、バインダ・電解液界面に形成された皮膜の抵抗が高く、リチウムイオンがスムーズに移動できなくなったことが原因と考えられる。
負極中にバインダとしてスチレン系重合体を0.1質量%、又は9.0質量%含んだ(比較例17〜32)場合、実施例1〜40と比較して容量維持率が低下した。また、電解液中に環状スルホン酸エステルを0.001質量%、又は6.0質量%添加した場合(比較例33〜48)も、実施例1〜40と比較して容維持率が低下した。
負極電極中のスチレン系重合体を含むバインダが0.1質量%の場合(比較例17〜20、比較例25〜28)、負極電極中のバインダ量が少なすぎるため、電極の密着性が不十分となり、電池容量が得られなくなったものと考えられる。また、スチレン系重合体を含むバインダが9.0質量%の場合(比較例21〜24、比較例29〜32)、バインダ・電解液界面に形成される皮膜による抵抗低減の効果よりも、電解液が染み込みにくいバインダを用いたことによる抵抗上昇の効果が大きくなったものと考えられる。この結果、電池容量が十分に得られなくなってしまったものと考えられる。
電解液中の環状スルホン酸エステル添加量が0.001質量%の場合(比較例33〜36、41〜44)、環状スルホン酸エステルの量が少なすぎるため、負極活物質表面に皮膜が十分に形成されず、負極活物質と電解液の副反応が進行し、電池容量が低下したものと考えられる。また、添加量が6.0質量%の場合(比較例37〜40、45〜48)、バインダ・電解液界面の皮膜が厚くなりすぎてしまうことでリチウムイオンの溶媒和・脱溶媒和反応がスムーズに進行しなくなり、その結果電池の抵抗が上昇し、容量維持率が低下したものと考えられる。
(実施例41〜56)
負極中のバインダとして、メチルメタクリレート・スチレン・ブタジエン共重合体、又はアクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体を使用した以外は、実施例1〜20と同様に電池(実施例41〜56)を作製し、実施例1〜20と同様に充放電サイクル試験を行った。結果を表6に示す。
Figure 2011096572
表6に示した充放電サイクル試験の結果から、スチレン・ブタジエン共重合体の一部に他のモノマーを添加した場合(実施例41〜56)においても高い容量維持率を示し、本発明の効果が発現することを確認した。
(実施例57〜72)
負極用のバインダとして、アクリル・スチレン・アクリロニトリル共重合体、又は、カルボン酸エステル導入スチレン・アクリル共重合体を使用した以外は、実施例1〜20と同様に電池(実施例57〜72)を作製し、実施例1〜20と同様に充放電サイクル試験を行った。結果を表7に示す。
Figure 2011096572
表7に示した充放電サイクル試験の結果から、スチレン・アクリル共重合体の一部に他のモノマーを添加した場合(実施例57〜64)や、他の官能基を導入したスチレン・アクリル共重合体をバインダに用いた場合(実施例65〜72)においても高い容量維持率を示すことを確認した。この結果、スチレン・アクリル共重合体の一部に他のモノマーや官能基が導入されている場合においても本発明の効果が発現することを確認した。
(実施例73〜84)
電解液用の添加剤として、表1の化合物No.4、化合物No.5又は化合物No.6に示すような環状スルホン酸エステル化合物を、1質量%、又は3質量%含む以外は実施例1〜40と同様に電池(実施例73〜84)を作製した。
(比較例49〜60)
電解液添加剤としてビニレンカーボネート(VC)を含む以外は実施例1〜40と同様に電池(比較例49〜60)を作製した。
実施例73〜84、比較例49〜60について、実施例1〜40と同様に充放電サイクル試験を行った。結果を表8に示す。
Figure 2011096572
表8に示した充放電サイクル試験の結果から、電解液用の添加剤として、化合物No.4、化合物No.5又は化合物No.6に示すような環状スルホン酸エステル化合物を用いた場合(実施例73〜84)においても、良好な容量維持率を示した。この結果から、電解液の添加剤として、スルホニル基を2個有する環状スルホン酸エステルを使用すれば、同様の効果が得られることが判明した。
これに対して、電解液用の添加剤としてVCを用いた場合(比較例49〜60)は、良好な容量維持率が得られなかった。これは、添加剤としてVCを用いた場合では、負極活物質とバインダの界面に皮膜を形成して電極の密着性が低下してしまい、失活する活物質が発生して容量が低下したためと考えられる。
(比較例61〜65、71〜75)
電解液の添加剤として、下記式(2)に示すエチレングリコールジメタンスルホネートを含む以外は、実施例1〜40と同様に電池(比較例61〜65、71〜75)を作製した。
Figure 2011096572
(比較例66〜70、76〜80)
電解液にベンゼン1質量%と、添加剤として下記式(3)に示す1,4−ブタンジオールジメタンスルホネートを含む以外は実施例1〜40と同様に電池(比較例66〜70、76〜80)を作製した。
Figure 2011096572
比較例61〜80について、実施例1〜40と同様に充放電サイクル試験を行った。結果を表9に示す。
Figure 2011096572
表9の結果から、電解液添加剤としてエチレングリコールジメタンスルホネートを含んだ場合(比較例61〜65、71〜75)は、十分な容量維持率が得られなかった。これは、バインダ・電解液界面に電気伝導性の高い皮膜が得られず、さらに、正極に電気伝導性の高い不動態層が形成され、電池全体の抵抗が上昇したことが原因と考えられる。
また、電解液にベンゼン1質量%と、添加剤として1,4−ブタンジオールジメタンスルホネートを含んだ場合(比較例66〜70、76〜80)も十分な容量維持率が得られなかった。
また、電解液中にベンゼンを添加した場合も同様に、十分な容量維持率が得られなかった。これは、電解液中に添加したベンゼンとバインダとの間に副反応が発生し、バインダ量が減少して電極の密着性が低下したことが原因と考えられる。
以上の結果より、本発明によって高温環境下で長期間、充放電を繰り返しても良好な容量維持率を示す非水電解液二次電池を提供できることを確認できた。
11 正極集電体
12 正極活物質層
13 負極集電体
14 負極活物質層
15 電解液
16 セパレータ
本出願は、2010年2月8日に出願された日本出願特願2010−024945を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (6)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な正極と、
    バインダとして少なくともスチレン系重合体を含む負極活物質層を有し、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な負極であって、前記スチレン系重合体の含量は前記負極活物質層全体の質量に対して0.3〜8.0質量%である負極と、
    少なくとも、スルホニル基を2個有する環状スルホン酸エステルを、非水電解液全体の質量に対して0.002〜5.0質量%、含む非水電解液と、
    前記正極と負極間に設けられたセパレータと、
    を有する非水電解液二次電池。
  2. 前記環状スルホン酸エステルは、下記式(1)で示される化合物を含む、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
    Figure 2011096572

    (ただし、式(1)において、Qは酸素原子、メチレン基または単結合、Aは炭素数1〜5のアルキレン基、カルボニル基、スルフィニル基、炭素数1〜6のフルオロアルキレン基、またはエーテル結合を介してアルキレン単位もしくはフルオロアルキレン単位が結合した炭素数2〜6の2価の基を示し、Bはアルキレン基、フルオロアルキレン基、または酸素原子を示す。)
  3. 前記負極のバインダは、スチレン・ブタジエン共重合体を含む、請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池。
  4. 前記負極のバインダは、スチレン・アクリル共重合体を含む、請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池。
  5. 前記負極は、活物質として炭素質材料を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の非水電解液二次電池。
  6. 前記炭素質材料が黒鉛材料である、請求項5に記載の非水電解液二次電池。
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