JPWO2011089701A1 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

本発明により提供されるリチウム二次電池は、正極活物質および導電材を含む正極合材層を正極に備える。該正極合材層は、水銀ポロシメータで測定される細孔分布曲線において、細孔径0.01μm〜10μmの範囲に大小2つの微分細孔容積のピークを有する。そして、微分細孔容積の小さい方のピークBの細孔径は、微分細孔容積の大きい方のピークAの細孔径よりも小孔径に構成されていることを特徴とする。

Description

本発明は、リチウム二次電池および該電池の製造方法に関する。詳しくは、該電池の正極に関する。
近年、リチウム二次電池やニッケル水素電池等の二次電池は、電気を駆動源とする車両搭載用電源、あるいはパソコン及び携帯端末その他の電気製品等に搭載される電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン電池)は、車両(例えば自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車)搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。
特に、上記車両搭載用高出力電源として、急速充放電(いわゆるハイレート充放電)を繰り返し行われる態様で使用されるリチウム二次電池においては、長期に亘って良好な電気的性能を備える電池、即ち耐久性(サイクル特性)に優れる電池が求められている。かかる要求に対する一つの検討課題として、電極集電体の表面に形成された電荷担体(リチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る電極合材層(正極合材層および負極合材層)の構造をよりハイレート特性およびサイクル特性に優れるように改良する試みが行われている。
この種のリチウム二次電池において、正極合材層の構造について検討された先行技術として、特許文献1が挙げられる。特許文献1では、正極合材層における細孔径あるいは正極合材層における正極活物質の単位重量当たりの細孔容積を所定の範囲に設定することにより、電池の低温特性の向上が図られている。また、特許文献2および特許文献3では、正極合材層を構成する正極活物質の細孔分布等についてそれぞれ検討されている。
国際公開WO2006/129756号公報 日本国特許公開第2009−164140号公報 日本国特許公開第2006−081130号公報
しかしながら、特許文献1は、ハイレート特性またはサイクル特性に優れたリチウム二次電池に求められる一つの検討課題ともいえる、良好な導電性を有する正極合材層の構造に関する技術的検討は未だ十分とは言えない。例えば、正極合材層には、導電性を補う目的で高導電性材料の粉末(導電材)が正極合材層に含有されているにも関わらず、導電材の含有量を考慮した正極合材層の構造、即ち正極合材層を構成する材料に伴って形成される正極合材層内の細孔(空隙)状態についての十分な開示がない。そのため、正極合材層中に良好な導電経路(導電パス)が形成されず、ハイレート充放電を繰り返す態様でかかるリチウム二次電池が使用されると、内部抵抗を上昇させてしまう虞がある。
そこで、本発明は、リチウム二次電池に関する上記従来の問題点を解決すべく創出されたものであり、その目的とするところは、正極合材層において導電材の含有量を考慮した細孔分布状態を規定することにより、車両搭載用高出力電源として優れた電池特性(ハイレート特性またはサイクル特性)を備えるリチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を実現するべく本発明により、正極集電体および該集電体の表面に正極活物質および導電材を含む正極合材層を有する正極を備えるリチウム二次電池が提供される。本発明に係るリチウム二次電池の上記正極合材層は、水銀ポロシメータで測定される細孔分布曲線において、細孔径0.01μm〜10μmの範囲に大小2つの微分細孔容積のピークを有する。上記大小2つのピークのうち、微分細孔容積の小さい方のピークBの細孔径は、微分細孔容積の大きい方のピークAの細孔径よりも小孔径に構成されていることを特徴とする。
なお、本明細書において「リチウム二次電池」とは、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間のリチウムイオンの移動により充放電が実現される二次電池をいう。一般にリチウムイオン電池と称される二次電池は、本明細書におけるリチウム二次電池に包含される典型例である。
また、本明細書において「正極活物質」とは、二次電池において電荷担体となる化学種(ここではリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および脱離)可能な正極側の活物質をいう。
本発明者は、ハイレート特性またはサイクル特性に優れたリチウム二次電池における正極では、正極合材層内に多数の細孔(特に導電材同士の間隙で生じる小さい細孔径を有する細孔)が好適な状態で存在することにより、かかる細孔中に非水電解液が含浸(保持)され、良好な導電経路(導電パス)が形成されていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るリチウム二次電池は、正極活物質および導電材を含む正極合材層を有する正極を備えており、水銀ポロシメータで測定される正極合材層の細孔分布曲線において、大小2つの微分細孔容積のピークを有し、かかる大小2つのピークのうち、微分細孔容積の小さい方のピークBの細孔径は、微分細孔容積の大きい方の大孔径ピークAよりも小孔径に構成されている。
好ましくは、上記細孔分布曲線において、上記大小2つのピークの間の最小値における細孔径P[μm]が、0.1μm〜0.7μmの間に存在する。
ここで、正極合材層の構成材料の一つである、カーボン粉末等の導電性粉末材料からなる導電材は、嵩高く非常に小さい粒径(典型的には1μm以下、例えば0.001μm〜1μm)を有するのに対し、リチウム遷移金属複合酸化物などが用いられる正極活物質は、導電材の粒径よりも粒径が大きい物質(典型的には1μm〜50μm、好ましくは2μm〜20μm、例えば3μm〜8μm)が用いられる。そのため、上述の細孔分布曲線において、大孔径ピークAは概ね正極活物質同士の間隙で生じる細孔を示し、小孔径ピークBは概ね導電材同士の間隙で生じる細孔をそれぞれ示すものであることが考えられる。本発明では、このような大孔径ピークAおよび小孔径ピークBからなる細孔が正極合材層に形成されることにより、当該細孔における非水電解液の保持力が向上するため、細孔中に含浸(保持)された電解液を介してリチウムイオンの移動が効率良く行われるようになる。その結果、ハイレート充放電を繰り返す態様で使用されても優れた電池性能(サイクル特性またはハイレート特性)を有するリチウム二次電池を提供することができる。
また、本発明によって提供されるリチウム二次電池の一態様では、上記小孔径ピークBを包含する上記細孔径P[μm]よりも小さい細孔径を有する細孔における上記導電材の単位質量あたりの全細孔容積(積算細孔容積)は、0.18cm/g〜0.8cm/gを満たしている。
上記細孔分布曲線において示される大小2つのピークのうち、小孔径ピークBは、導電材同士の間隙によって形成された細孔を概ね示している。従って、上記小孔径ピークBを包含する上記細孔径P[μm]よりも小さい細孔径(典型的には、0.01μm〜P[μm]範囲の細孔径)を有する細孔における導電材の単位質量あたりの全細孔容積が0.18cm/g〜0.8cm/gに設定されたリチウム二次電池では、導電材間の間隙により形成された当該細孔に好適量の非水電解液が十分に保持されるため、正極合材層の導電性が向上する。その結果、優れた電池性能(サイクル特性またはハイレート特性)を有するリチウム二次電池を提供することができる。
さらに、本発明によって提供されるリチウム二次電池の好ましい他の一態様では、上記細孔分布曲線において、上記小孔径ピークBを包含する上記細孔径P[μm]よりも小さい細孔径を有する細孔の全細孔容積Sb[cm/g]は、上記大孔径ピークAを包含する上記細孔径P[μm]よりも大きい細孔径を有する細孔の全細孔容積Sa[cm/g]よりも小さく構成されている。
また、より好ましくは、上記全細孔容積Sb[cm/g]と、上記全細孔容積Sa[cm/g]との比率(Sb/Sa)が、0.4<(Sb/Sa)<1を満たしている。
上記小孔径ピークBを包含する全細孔容積Sb[cm/g]と上記大孔径ピークAを包含する全細孔容積Sa[cm/g]とが、上記関係を満たすように形成されたリチウム二次電池の正極合材層には、小孔径からなる細孔が大孔径からなる細孔よりも細孔量の上では上回る数あるいは同程度存在する。そして、かかる小孔径からなる細孔は、大孔径からなる細孔よりも非水電解液が一旦含浸(保持)されると充放電時に電解液が極群系外に流出することによる塩濃度ムラ発生を抑制し得る。その結果、正極合材層内の細孔中に含浸された電解液を介して、リチウムイオンの移動が効率良く行われるようになり、ハイレート充放電に対しても内部抵抗の上昇が抑制されたリチウム二次電池を提供することができる。
また、好ましく提供されるリチウム二次電池の他の一態様では、上記正極合材層に含まれる導電材として、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラックおよびグラファイト粉末からなる群より選択される少なくとも1種が使用される。
正極活物質よりも粒径が小さく導電性が良好な上記材料は、正極合材層中において細孔径の小さい間隙(細孔)を好適に形成する。その結果、かかる細孔中に非水電解液が含浸され易く、導電効率の優れたリチウム二次電池を提供し得る。
さらに、好ましい一態様では、上記正極合材層の層密度は、1.5g/cm〜2.8g/cmである。
上記正極活物質および導電材の固形材料(結着材等のその他の添加材を含む)によって構成される正極合材層の単位体積あたりの質量(層密度)が、1.5g/cm〜2.8g/cmの範囲になるように形成された正極合材層内には、大孔径と小孔径のそれぞれからなる細孔が存在し、良好な導電パスおよび液保持構造が形成される。その結果、ハイレート充放電を繰り返す態様で使用されても優れた電池性能(サイクル特性またはハイレート特性)を有するリチウム二次電池を提供することができる。
また、本発明は、他の側面として、リチウム二次電池を製造する方法を提供する。すなわち、本発明によって提供される製造方法は、正極集電体および該集電体の表面に正極活物質および導電材を含む正極合材層を有する正極を備えるリチウム二次電池の製造方法であって、以下の工程、(1)上記正極集電体の表面に上記正極合材層を形成する工程、(2)上記正極合材層の細孔分布を水銀ポロシメータで測定し、該測定で得られる細孔分布曲線が以下の条件を具備する正極を選択する工程、
(a)細孔径0.01μm〜10μmの範囲に大小2つの微分細孔容積のピークを有すること、
(b)上記大小2つのピークのうち、微分細孔容積の小さい方のピークBの細孔径は、微分細孔容積の大きい方のピークAの細孔径よりも小孔径に構成されていること、
(3)上記選択した正極を用いてリチウム二次電池を構築する工程、を包含することを特徴とする。
かかる製造方法によると、上記大孔径ピークAおよび小孔径ピークBからなる細孔を正極合材層に形成することができる。これにより、当該細孔における非水電解液の保持力が向上するため、細孔中に含浸(保持)された電解液を介してリチウムイオンの移動が効率良く行われるようになる。その結果、ハイレート充放電を繰り返す態様で使用されても優れた電池性能(サイクル特性またはハイレート特性)を有するリチウム二次電池を製造することができる。
好ましくは、上記測定で得られる細孔分布曲線において、上記大小2つのピークの間の最小値における細孔径P[μm]が、0.1μm〜0.7μmの間に存在する正極を選択する。
また、本発明によって提供される好ましい一態様のリチウム二次電池を製造する方法では、上記測定で得られる細孔分布曲線において、さらに条件として、上記小孔径ピークBを包含する上記細孔径P[μm]よりも小さい細孔径を有する細孔における上記導電材の単位質量あたりの全細孔容積が、0.18cm/g〜0.8cm/gを満たしている正極を選択する。
上記細孔分布曲線において示される大小2つのピークのうち、小孔径ピークBは、導電材同士の間隙によって形成された細孔を概ね示している。従って、上記小孔径ピークBを包含する上記細孔径P[μm]よりも小さい細孔径(典型的には、0.01μm〜P[μm]範囲の細孔径)を有する細孔における導電材の単位質量あたりの全細孔容積が0.18cm/g〜0.8cm/gを満たすリチウム二次電池では、導電材間の間隙により形成された当該細孔に好適量の非水電解液が十分に保持されるため、イオン拡散性および極群内での塩濃度均一性が向上する。その結果、優れた電池性能(サイクル特性またはハイレート特性)を有するリチウム二次電池を製造することができる。
また、本発明によると、ここに開示されるいずれかのリチウム二次電池を備える車両が提供される。本発明によって提供されるリチウム二次電池は、車両に搭載される動力源として適した電池特性(サイクル特性またはハイレート特性)を示すものであり得る。したがって、かかるリチウム二次電池は、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用の電源として好適に使用され得る。
図1は、一実施形態に係るリチウム二次電池の正極合材層の細孔分布を示す図である。 図2は、一実施形態に係るリチウム二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図3は、図2におけるIII−III線断面図である。 図4は、一実施形態に係る捲回電極体を構成する正負極およびセパレータを示す断面図である。 図5は、本発明のリチウム二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。 図6は、小孔径ピークBを包含する細孔における導電材の単位質量あたりの細孔容積とハイレートサイクル後の抵抗上昇率との関係を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
まず、本実施形態に係るリチウム二次電池の正極の各構成要素について説明する。ここで開示されるリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン電池)は、上述のとおり、正極活物質および導電材を含む正極合材層が正極集電体の表面に形成された正極を備えている。上記正極合材層には、電荷担体となるリチウムイオンを吸蔵および放出可能な粉末状の正極活物質と導電材とを含んでいる。
上記正極合材層に含まれる正極活物質としては、本発明の目的を実現し得る限りにおいて従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。典型的な正極活物質として、層状岩塩構造あるいはスピネル構造等を有するリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。例えば、リチウム(Li)と少なくとも一種の遷移金属元素を含む、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物等が例示される。
ここで、リチウムニッケル系複合酸化物とは、リチウム(Li)とニッケル(Ni)とを構成金属元素とする酸化物のほか、LiおよびNi以外に他の少なくとも一種の金属元素(すなわち、LiとNi以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)を典型的にはNiよりも少ない割合(原子数換算。LiおよびNi以外の金属元素を二種以上含む場合にはそれらの合計量としてNiよりも少ない割合)で構成金属元素として含む酸化物をも包含する意味である。上記LiおよびNi以外の金属元素は、例えば、カルシウム(Ca),コバルト(Co),アルミニウム(Al),マンガン(Mn),クロム(Cr),鉄(Fe),バナジウム(V),マグネシウム(Mg),チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),タングステン(W),銅(Cu),亜鉛(Zn),ガリウム(Ga),インジウム(In),スズ(Sn),ランタン(La)およびセリウム(Ce)からなる群から選択される一種または二種以上の金属元素であり得る。リチウムコバルト系複合酸化物およびリチウムマンガン系複合酸化物についても同様の意味である。
または、リチウム以外の遷移金属元素を複数種含む、ニッケル・マンガン系のLiNiMn1−x(0<x<1)やLiNiMn2−x(0<x<2)、ニッケル・コバルト系のLiNiCo1−x(0<x<1)、コバルト・マンガン系のLiCoMn1−x(0<x<1)で表わされるような、二元系リチウム遷移金属複合酸化物でもよい。あるいは、ニッケル・コバルト・マンガン系のような三元系リチウム遷移金属複合酸化物(典型的にはLiNi1/3Co1/3Mn1/3)でもよい。なお、一般式がLiMPO(MはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種以上の元素;例えばLiFePO、LiMnPO)で表記されるオリビン型リン酸リチウムを正極活物質として用いてもよい。
また、上記正極活物質として、タップ密度が凡そ0.5g/cm〜3g/cm、好適には概ね1.0g/cm〜2.0g/cmであって、平均粒径が典型的には1μm〜50μm、好ましくは2μm〜20μm、例えば3μm〜8μmを好ましく使用し得る。ここで、「平均粒径」とは、レーザ散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置に基づいて測定した粒度分布から導き出せるメジアン径(D50:50%体積平均粒子径)をいう。
なお、正極活物質として使用し得る上記リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、従来公知の方法で調製・提供されるリチウム遷移金属複合酸化物粉末をそのまま使用することができる。例えば、原子組成に応じて適宜選択されるいくつかの原料化合物を所定のモル比で混合し、適当な手段で焼成することによって該酸化物を調製することができる。また、焼成物を適当な手段で粉砕、造粒および分級することにより、タップ密度および/または平均粒径を有する粒子によって実質的に構成された粒状のリチウム遷移金属複合酸化物粉末を得ることができる。
また、上記正極合材層に含まれる導電材としては、カーボン粉末やカーボンファイバー等の導電性粉末材料が好ましく用いられる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラックを使用してよい。例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラックおよびグラファイト粉末からなる群より選択される少なくとも1種を好適に使用し得る。また、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。なお、これらのうち一種のみを用いても、二種以上を併用してもよい。また、導電材の平均粒径は限定されないが、典型的には1μm以下、例えば0.001μm〜1μmの平均粒径を有する材料をより好ましく使用し得る。
また、ここに開示される上記正極合材層には、結着材等の任意成分を必要に応じて含有し得る。結着材としては、一般的なリチウム二次電池の正極に使用される結着材と同様のもの等を適宜採用することができる。使用する溶媒に溶解または分散可溶なポリマーを選択することが好ましい。
例えば、非水系溶媒を用いる場合においては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等のポリマーを好ましく採用することができる。このような結着材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記で例示したポリマー材料は、結着材としての機能の他に、増粘材その他の添加材としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
また、水系溶媒を用いる場合においては、水系溶媒に溶解するポリマーまたは分散するポリマーを使用することができ、水系溶媒に溶解するポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース(CMC;典型的にはナトリウム塩)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)等のセルロース誘導体、または、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。また、水系溶媒に分散するポリマーとしては、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂、酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)、アラビアゴム等のゴム類が挙げられる。
また、上記正極活物質、導電材および結着材等の固形材料によって構成される正極合材層の単位体積あたりの質量(層密度)は、特に制限されないが、例えば1.0g/cm〜3.0g/cm、好適には概ね1.5g/cm〜2.8g/cmの範囲をとり得る。
なお、ここで開示されるリチウム二次電池では、上記溶媒として水系溶媒および非水系溶媒のいずれも使用可能である。水系溶媒としては、典型には水であるが、全体として水性を示すものであればよく、すなわち、水または水を主体とする混合溶媒を好ましく用いることができる。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。例えば、水系溶媒の凡そ80質量%以上(より好ましくは凡そ90質量%以上、さらに好ましくは凡そ95質量%以上)が水である溶媒の使用が好ましい。特に好ましい例として、実質的に水からなる溶媒が挙げられる。また、非水系溶媒の好適例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン、トルエン等が例示される。
ここで、上記正極合材層を構成する材料のうち、カーボン粉末等の導電性粉末材料からなる導電材は、嵩高く非常に小さい粒径(典型的には1μm以下、例えば0.001μm〜1μm)を有するのに対し、リチウム遷移金属複合酸化物などが用いられる正極活物質は、導電材の粒径よりも大きい粒径(典型的には1μm〜50μm、好ましくは2μm〜20μm、例えば3μm〜8μm)を有する物質が用いられるため、これらの材料同士の間隙によって正極合材層内に多数の細孔が形成されている。そこで、かかる正極合材層の細孔分布を水銀ポロシメータで測定すると、図1に示されるような細孔分布曲線を有する。
図1は、一実施形態に係るリチウム二次電池の正極合材層の細孔分布状態を示す図である。図1における細孔径と微分細孔容積との関係を示す細孔分布曲線(白色プロット)によると、ここで開示されるリチウム二次電池の正極合材層は、細孔径0.01μm〜10μmの範囲に大小2つの微分細孔容積のピークを有する構造を備えている。そして、好ましくは、かかる大小2つのピークの間の最小値における細孔径P[μm]が0.1μm〜0.7μm(概ね0.2μm〜0.7μm、例えば0.2μm〜0.5μm)の間に存在する。
さらに、上記微分細孔容積の小さい方のピークBの細孔径は、上記微分細孔容積の大きい方のピークAの細孔径よりも小孔径に構成されている。すなわち、粒径の大きい正極活物質同士の間隙で生じる大きい細孔径を有する細孔と、粒径の小さい導電材同士の間隙で生じる小さい細孔径を有する細孔がそれぞれ正極合材層に存在することを示唆するものである。このような大孔径ピークAおよび小孔径ピークBからなる細孔が正極合材層に形成されることにより、当該細孔における非水電解液の保持力が向上するため、細孔中に含浸(保持)された電解液を介してリチウムイオンの移動が効率良く行われるようになる。
また、図1に示されるように、細孔径と積算細孔容積との関係を示す細孔分布曲線(黒色プロット)において、上記細孔径P[μm]より大きい細孔径を有する大孔径ピークAを包含する細孔と、該細孔径P[μm]より小さい細孔径を有する小孔径ピークBを包含する細孔とで二分し、前者の積算細孔容積を全細孔容積Sa[cm/g]、後者の積算細孔容積を全細孔容積Sb[cm/g]とすると、かかる全細孔容積Sb[cm/g]は、全細孔容積Sa[cm/g]よりも小さく構成されている。さらに好ましくは、上記全細孔容積Sb[cm/g]と、上記全細孔容積Sa[cm/g]との比率(Sb/Sa)が、0.4<(Sb/Sa)<1を満たしている。
小孔径ピークBを包含する全細孔容積Sb[cm/g]と大孔径ピークAを包含する全細孔容積Sa[cm/g]とが、上記関係を満たすように形成されたリチウム二次電池の正極合材層には、小孔径からなる細孔が大孔径からなる細孔よりも細孔量の上では上回る数あるいは同程度存在する。かかる小孔径からなる細孔は、大孔径からなる細孔よりも非水電解液が一旦含浸(保持)されると充放電時に電解液が極群系外に流出することによる塩濃度ムラ発生を抑制し得る。
さらに、ここで開示されるリチウム二次電池の正極合材層は、上記小孔径ピークBを包含する上記細孔径P[μm]よりも小さい細孔径を有する細孔における導電材の単位質量あたりの全細孔容積(以下、「小孔径ピークBを包含する細孔における導電材の単位質量あたりの細孔容積」ともいう)が、0.18cm/g〜0.8cm/g(より好ましくは0.18cm/g〜0.78cm/g、特に好ましくは0.2cm/g〜0.7cm/g)を満たしている。
上述のとおり、細孔分布曲線において示される大小2つのピークのうち、小孔径ピークBは、導電材同士の間隙によって形成された細孔を概ね示している。従って、上記小孔径ピークBを包含する細孔における導電材の単位質量あたりの細孔容積が上記範囲に設定されたリチウム二次電池では、導電材間の間隙により形成された細孔に好適量の非水電解液が十分に保持される。これにより、正極合材層内の細孔中に保持された電解液を介して、リチウムイオンの移動が効率良く行われるようになり、リチウムイオンの拡散性および極群内での塩濃度均一性が向上する。その結果、ハイレート充放電を繰り返す態様で使用されても優れた電池性能(サイクル特性またはハイレート特性)を有するリチウム二次電池を提供することができる。
ここで、上記正極合材層における細孔分布は、以下のようにして測定することができる。正極集電体の表面に正極合材層が形成された正極を所定面積に切り分けて試料片を用意し、市販される水銀ポロシメータを用いて圧力範囲約4psi〜60000psiの出力で試料片の細孔分布を測定する。これにより、細孔径と細孔容積との関係を示す細孔分布曲線(典型的には、上記圧力範囲において50μm〜0.003μmの範囲内の細孔分布曲線)が得られ、正極合材層に形成された細孔分布状態が確認される。但し、5μm以上は試料片間の隙間と考えられる。
また、得られた細孔分布曲線を用いて、上記小孔径ピークBを包含する細孔における導電材の単位質量あたりの細孔容積を求めることができる。すなわち、図1における細孔径と積算細孔容積を示す細孔分布曲線から、小孔径ピークBを包含する上記細孔径P[μm]よりも小さい細孔径を有する細孔の積算細孔容積、すなわち上記全細孔容積Sb[cm/g]を算出する。そして、正極合材層に含まれる導電材の質量比率で全細孔容積Sb[cm/g]を除すことにより、上記小孔径ピークBを包含する細孔における導電材の単位質量あたりの細孔容積[cm/g]が得られる。
なお、上記正極の基材となる正極集電体としては、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。正極集電体の形状は、リチウム二次電池の形状等に応じて異なり得るため、特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。
次いで、本発明に係るリチウム二次電池の製造方法の好ましい態様の一例として正極の製造方法について説明する。
ここに開示される製造方法は、正極活物質および導電材を含む正極合材層が正極集電体の表面に形成された正極を備えるリチウム二次電池を製造する方法であって、本発明の目的を実現し得る限りにおいて、従来から用いられる正極の製造方法と同様の技法を適宜採用することができる。具体的には以下の工程、(1)上記正極集電体の表面に上記正極合材層を形成する工程、(2)上記正極合材層の細孔分布を水銀ポロシメータで測定し、該測定で得られる細孔分布曲線が以下の条件を具備する正極を選択する工程、
(a)細孔径0.01μm〜10μmの範囲に大小2つの微分細孔容積のピークを有すること、
(b)上記大小2つのピークのうち、微分細孔容積の小さい方のピークBの細孔径は、微分細孔容積の大きい方のピークAの細孔径よりも小孔径に構成されていること、
(3)上記選択した正極を用いてリチウム二次電池を構築する工程、を包含する。
まず、正極活物質、導電材および結着材等の正極合材層を形成するための材料を適当な溶媒(水系溶媒または非水系溶媒)に添加して混練し、ペーストまたはスラリー状の正極合材層形成用組成物を調製する。なお、正極活物質としては、特に限定されるものではないが、タップ密度が凡そ0.5g/cm〜3g/cm、好適には概ね1.0g/cm〜2.0g/cmであって、平均粒径が典型的には1μm〜50μm、好ましくは2μm〜20μm、例えば3μm〜8μmを好ましく使用し得る。
次いで、正極集電体の表面に上記組成物の塗布量が12mg/cm〜20mg/cmになるように塗布した。そして、溶媒を揮発させて乾燥させた後、圧縮(プレス)することにより正極合材層の層密度が、1.0g/cm〜3.0g/cm、好適には概ね1.5g/cm〜2.8g/cmの範囲になるようにプレスを行い、リチウム二次電池用の正極を製造した。
なお、正極集電体に上記組成物を塗布する方法としては、従来公知の方法と同様の技法を適宜採用することができる。例えば、スリットコーター、ダイコーター、グラビアコーター、コンマコーター等の適当な塗布装置を使用することにより、正極集電体に該ペーストを好適に塗布することができる。また、溶媒を乾燥するにあたっては、自然乾燥、熱風、低湿風、真空、赤外線、遠赤外線、および電子線を、単独または組合せにて用いることにより良好に乾燥し得る。さらに、圧縮方法としては、従来公知のロールプレス法、平板プレス法等の圧縮方法を採用することができる。かかる厚さを調整するにあたり、膜厚測定器で該厚みを測定し、プレス圧を調整して所望の厚さになるまで複数回圧縮してもよい。
こうして正極合材層を形成した後に、正極を所定面積に切り分けて正極合材層の細孔分布を水銀ポロシメータで測定し、該測定で得られる細孔分布曲線が以下の条件を具備する正極を選択する。かかる条件とは、(a)細孔径0.01μm〜10μmの範囲に大小2つの微分細孔容積のピークを有すること、(b)上記大小2つのピークのうち、微分細孔容積の小さい方のピークBの細孔径は、微分細孔容積の大きい方のピークAの細孔径よりも小孔径に構成されていること、である。さらに好ましくは、上記測定で得られる細孔分布曲線において、上記小孔径ピークBを包含する上記細孔径P[μm]よりも小さい細孔径を有する細孔における上記導電材の単位質量あたりの全細孔容積が、0.18cm/g〜0.8cm/g(より好ましくは0.18cm/g〜0.78cm/g、特に好ましくは0.2cm/g〜0.7cm/g)を満たしている正極を選択する。
上記大孔径ピークAおよび小孔径ピークBからなる細孔を正極合材層に有する正極は、当該細孔における非水電解液の保持力が向上するため、細孔中に含浸(保持)された電解液を介してリチウムイオンの移動が効率良く行われるようになる。従って、上記選択した正極を用いてリチウム二次電池を構築することにより、ハイレート充放電を繰り返す態様で使用されても優れた電池性能(サイクル特性またはハイレート特性)を有するリチウム二次電池を提供することができる。
次に、ここで開示されるリチウム二次電池の負極の各構成要素について説明する。かかる負極は、負極集電体の表面に負極合材層が形成された構成を備える。上記負極の基材となる負極集電体としては、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、銅、または銅を主成分とする合金を用いることができる。負極集電体の形状は、リチウム二次電池の形状等に応じて異なり得るため特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。車両搭載用高出力電源として用いられるリチウム二次電池の負極の集電体としては、厚さが5〜100μm程度の銅箔が好適に用いられる。
上記負極集電体の表面に形成された負極合材層には、電荷担体となるリチウムイオンを吸蔵および放出可能な負極活物質が含まれる。負極活物質としては、従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、カーボン粒子が挙げられる。少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が好ましく用いられる。いわゆる黒鉛質のもの(グラファイト)、難黒鉛化炭素質のもの(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質のもの(ソフトカーボン)、これらを組み合わせた構造を有するもののいずれの炭素材料も好適に使用され得る。中でも特に、黒鉛粒子を好ましく使用することができる。黒鉛粒子(例えばグラファイト)は、電荷担体としてのリチウムイオンを好適に吸蔵することができるため導電性に優れる。また、粒径が小さく単位体積当たりの表面積が大きいことからよりハイレート充放電に適した負極活物質となり得る。
また、上記負極合材層は、典型的には、その構成成分として、上記負極活物質の他に、結着材等の任意成分を必要に応じて含有し得る。かかる結着材としては、一般的なリチウム二次電池の負極に使用される結着材と同様のものを適宜採用することができ、上述の正極の構成要素で列挙した結着材として機能し得る各種のポリマー材料を好適に使用し得る。
次いで、上記リチウム二次電池の負極の製造方法について説明する。上記負極集電体の表面に負極合材層を形成するため、まず、負極活物質を、結着材等と共に適当な溶媒(水系溶媒または非水系溶媒)で混合して、ペーストまたはスラリー状の負極合材層形成用組成物を調製する。
なお、各構成材料の配合比率は、例えば、負極合材層に占める負極活物質の割合が、凡そ50質量%以上であることが好ましく、凡そ85〜99質量%(例えば90〜97質量%)であることがより好ましい。また、負極合材層に占める結着材の割合を例えば凡そ1〜15質量%とすることができ、通常は凡そ3〜10質量%とすることが好ましい。こうして調製した組成物を負極集電体に塗布し、溶媒を揮発させて乾燥させた後、圧縮(プレス)する。これにより該ペーストを用いて形成された負極合材層を負極集電体上に有するリチウム二次電池の負極が得られる。なお、塗布、乾燥および圧縮方法は、上述の正極の製造方法と同様に従来公知の手段を用いることができる。
以下、ここに開示される正極を用いて構築される角型形状のリチウム二次電池(リチウムイオン電池)を例にして詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に限定することを意図したものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、電極体の構成および製造方法、セパレータの構成および製造方法、リチウム二次電池その他の電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
図2は、一実施形態に係る角型形状のリチウム二次電池を模式的に示す斜視図であり、図3は、図2中のIII−III線断面図である。また、図4は、電極体を捲回して作製する状態を模式的に示す斜視図である。
図2および図3に示されるように、本実施形態に係るリチウム二次電池100は、直方体形状の角型の電池ケース10と、該ケース10の開口部12を塞ぐ蓋体14とを備える。この開口部12より電池ケース10内部に扁平形状の電極体(捲回電極体20)及び電解質を収容することができる。また、蓋体14には、外部接続用の正極端子38と負極端子48とが設けられており、それら端子38,48の一部は蓋体14の表面側に突出している。また、外部端子38,48の一部はケース内部で内部正極端子37または内部負極端子47にそれぞれ接続されている。
次に、図3および図4を参照し、本実施形態に係る捲回電極体20について説明する。図4に示されるように、捲回電極体20は、長尺状の正極集電体32の表面に正極合材層34を有するシート状の正極シート30、長尺シート状のセパレータ50、長尺状の負極集電体42の表面に負極合材層44を有するシート状の負極シート40とから構成される。そして、捲回軸方向Rの方向での断面視において、正極シート30及び負極シート40は、2枚のセパレータ50を介して積層されており、正極シート30、セパレータ50、負極シート40、セパレータ50の順に積層されている。該積層物は、軸芯(図示しない)の周囲に筒状に捲回され、得られた捲回電極体20を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形されている。
また、図3に示されるように、本実施形態に係る捲回電極体20は、その捲回軸方向Rの中心部には、正極集電体32の表面上に形成された正極合材層34と、負極集電体42の表面上に形成された負極合材層44とが重なり合って密に積層された部分が形成されている。また、捲回軸方向Rに沿う方向での断面視において、該方向Rの一方の端部において、正極合材層34が形成されずに正極集電体32の露出した部分(正極合材層非形成部36)がセパレータ50および負極シート40(あるいは、正極合材層34と負極合材層44との密な積層部分)からはみ出た状態で積層されて構成されている。即ち、上記電極体20の端部には、正極集電体32における正極合材層非形成部36が積層されて成る正極集電体積層部35が形成されている。また、電極体20の他方の端部も正極シート30と同様の構成であり、負極集電体42における負極合材層非形成部46が積層されて、負極集電体積層部45が形成されている。なお、セパレータ50は、ここでは正極合材層34および負極合材層44の積層部分の幅より大きく、該電極体20の幅より小さい幅を備えるセパレータが用いられ、正極集電体32と負極集電体42が互いに接触して内部短絡を生じさせないように正極合材層34および負極合材層44の積層部分に挟まれるように配されている。
セパレータ50は、正極シート30および負極シート40の間に介在するシートであって、正極シート30の正極合材層34と、負極シート40の負極合材層44にそれぞれ接するように配置される。そして、正極シート30と負極シート40における両合材層34,44の接触に伴う短絡防止や、該セパレータ50の空孔内に電解質(非水電解液)を含浸させることにより電極間の伝導パス(導電経路)を形成する役割を担っている。
かかるセパレータ50の構成材料としては、樹脂からなる多孔性シート(微多孔質樹脂シート)を好ましく用いることができる。ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の多孔質ポリオレフィン系樹脂が特に好ましい。
本実施形態に係るリチウム二次電池は、以下のように構築することができる。上述した態様で正極(典型的には正極シート30)及び負極(典型的には負極シート40)を2枚のセパレータ50と共に積重ね合わせて捲回し、得られた捲回電極体20を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形する。そして、正極集電体32の正極合材層非形成部36に内部正極端子37を、負極集電体42の負極合材層非形成部46には内部負極端子47をそれぞれ超音波溶接、抵抗溶接等により接合し、上記扁平形状に形成された捲回電極体20の正極シート30または負極シート40と電気的に接続する。こうして得られた捲回電極体20を電池ケース10に収容した後、非水電解液を注入し、注入口を封止することによって、本実施形態のリチウム二次電池100を構築することができる。なお、電池ケース10の構造、大きさ、材料(例えば金属製またはラミネートフィルム製であり得る)、および正負極を主構成要素とする電極体の構造(例えば捲回構造や積層構造)等について特に制限はない。
なお、非水電解液は、従来からリチウム二次電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等からなる群から選択された一種又は二種以上を用いることができる。また、上記支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等のリチウム化合物(リチウム塩)を用いることができる。なお、非水電解液における支持塩の濃度は、従来のリチウム二次電池で使用される非水電解液と同様でよく、特に制限はない。適当なリチウム化合物(支持塩)を0.5〜1.5mol/L程度の濃度で含有させた電解質を使用することができる。
このようにして構築されたリチウム二次電池100は、上述したように、車両搭載用高出力電源として優れた電池特性(ハイレート特性またはサイクル特性)を示すものであり得る。従って、本発明に係るリチウム二次電池100は、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。従って、図5に模式的に示すように、かかるリチウム二次電池100(当該リチウム二次電池100を複数個直列に接続して形成される組電池の形態であり得る。)を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)1を提供する。
以下、本発明に関する試験例につき説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
[試験用リチウム二次電池の正極の作製]
試験用リチウム二次電池の正極を作製した。まず、正極における正極合材層を形成するにあたり、正極活物質としての平均粒径が3μm〜7μm、タップ密度が凡そ1.0g/cm〜2.0g/cmのLi1.0Ni0.34Co0.33Mn0.33と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)と、導電材としてのアセチレンブラックとを、これら材料の質量%比が様々な値をとり得るようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて混合し、ペースト状の正極合材層形成用組成物を調製した。
そして、正極集電体としての厚み約15μmのアルミニウム箔の両面に上記ペースト状組成物を塗布量が12mg/cm〜20mg/cmになるように塗布した。塗布後、乾燥させてローラプレス機にてプレスを行い、層密度が凡そ1.5〜2.8g/cmとなるように正極合材層を形成し、サンプルNo.1〜16の計16通りの正極シートを作製した。
<細孔分布測定>
上記作製した各正極シートを約2cm×1cm角に切り分けて試料片を調製し、正極合材層内の細孔分布を測定した。試料片重量は凡そ0.5g、ステム使用率10〜25%とした。測定には、水銀ポロシメータ(株式会社島津製作所製「オートポアIII9410」)を用いた。上記試料片をセルに入れ、圧力4psi〜60000psiで、正極合材層内の細孔分布を測定した。そして、細孔径0.01μm〜10μmの範囲の細孔分布曲線から、上述のとおり、小孔径ピークBを包含する細孔径P[μm]よりも小さい細孔径を有する細孔における導電材の単位質量あたりの全細孔容積を算出した(図1参照)。測定結果を表1に示す。
[試験用リチウム二次電池の負極の作製]
次に、試験用リチウム二次電池の負極を作製した。まず、負極における負極合材層を形成するにあたり、負極活物質としての黒鉛と、結着材としてのスチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)と、カルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これら材料の質量%比が98:1:1となるようにイオン交換水を加えて混合し、ペースト状の負極活物質層形成用組成物を調製した。
そして、負極集電体としての厚み約10μmの銅箔に単位面積あたりの塗布量が6.4〜11mg/cmになるように上記ペースト状組成物を負極集電体の両面に塗布した。塗布後、乾燥させてローラプレス機にてプレスを行い、負極シートを作製した。
[試験用リチウム二次電池の構築]
上記作製した各正極シートと負極シートとを用いて試験用リチウム二次電池を構築した。すなわち、正極シート及び負極シートを2枚のセパレータとともに積層し、この積層シートを捲回して捲回電極体を作製した。そして、この電極体を電解質とともに容器に収容して、18650型電池(径18mm、高さ65mm)を構築した。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との3:4:3(体積比)混合溶媒に1mol/LのLiPFを溶解させた組成を用いた。
<出力特性評価>
上記構築した各電池につき、測定温度25℃において、1Cの定電流でSOC60%に調整し、2.5時間定電圧で充電した。充電後、10分間休止し、次いでSOC60%の状態から5W〜50Wの範囲の定ワット条件にて放電し、2.5Vまでの放電時間を測定した。測定後、各ワット条件で測定した2.5Vまでの時間[秒]を横軸に、その時の出力[W]を縦軸にそれぞれとり、近似曲線から10秒時点の出力を算出した。測定結果を表1に示す。
<ハイレートサイクル特性評価>
上記構築した各電池をSOC(State of Charge)60%に調整し、−15℃の温度下にて20Cの定電流で放電させ、その10秒後電圧降下から初期IV抵抗を求めた。
次に、各電池を再びSOC60%に調整し、−15℃において、以下の(1)〜(4)からなる充放電サイクルを2500回繰り返すハイレートサイクル試験を行った。その間、100サイクル毎に、SOCを60%に調整する操作を行った。
(1)20Cの定電流で10秒間放電させる。
(2)5秒間休止する。
(3)1Cの定電流で200秒間充電する。
(4)145秒間休止する。
上記ハイレートサイクル試験後の各電池につき、初期IV抵抗の測定と同様にして、ハイレートサイクル後IV抵抗を測定した。そして、ハイレートサイクル後のIV抵抗値を初期のIV抵抗値で除すことにより、上記ハイレートサイクル試験による抵抗上昇率を算出した。測定結果を表1に示す。また、上記測定した小孔径ピークBを包含する細孔における導電材の単位質量あたりの細孔容積とハイレートサイクル後の抵抗上昇率との関係を図6に示す。
Figure 2011089701
小孔径ピークBを包含する細孔における導電材の単位質量あたりの細孔容積[cm/g]=小孔径ピークBを包含する全細孔容積(Sb)[cm/g]×1/正極合材層中の導電材重量[g]
図6に示されるように、小孔径ピークBを包含する細孔における導電材の単位質量あたりの細孔容積が0.183cm/g〜0.782cm/gを示したサンプルNo.2〜サンプルNo.13では、ハイレートサイクル後の抵抗上昇率が2.0よりも低い数値を示した。このことから、小孔径ピークBを包含する細孔における導電材の単位質量あたりの細孔容積とハイレートサイクル後の抵抗上昇率とは明らかな相関が確認された。
また、表1に示されるように、上記出力特性評価において、サンプルNo.2〜サンプルNo.13では、放電10秒時に高い出力を維持することが確認された。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上述した捲回型の電池に限られず、種々の形状のリチウム二次電池に適用することができる。また、該電池の大きさおよびその他の構成についても、用途(典型的には車載用)によって適切に変更することができる。
本発明に係るリチウム二次電池100は、正極合材層において導電材の含有量を加味した細孔分布を有することにより、優れた電池特性(ハイレート特性またはサイクル特性)を備える。かかる特性により、本発明に係るリチウム二次電池100は、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。従って、図5に示されるように、かかるリチウム二次電池100(当該リチウム二次電池100を複数個直列に接続して形成される組電池の形態であり得る。)を電源として備える車両1(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)を提供する。

Claims (11)

  1. 正極集電体および該集電体の表面に正極活物質および導電材を含む正極合材層を有する正極を備えるリチウム二次電池であって、
    前記正極合材層は、水銀ポロシメータで測定される細孔分布曲線において、細孔径0.01μm〜10μmの範囲に大小2つの微分細孔容積のピークを有し、
    前記大小2つのピークのうち、微分細孔容積の小さい方のピークBの細孔径は、微分細孔容積の大きい方のピークAの細孔径よりも小孔径に構成されていることを特徴とする、リチウム二次電池。
  2. 前記細孔分布曲線において、前記大小2つのピークの間の最小値における細孔径P[μm]が、0.1μm〜0.7μmの間に存在する、請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記細孔分布曲線において、前記小孔径ピークBを包含する前記細孔径P[μm]よりも小さい細孔径を有する細孔における前記導電材の単位質量あたりの全細孔容積は、0.18cm/g〜0.8cm/gを満たしている、請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記細孔分布曲線において、前記小孔径ピークBを包含する前記細孔径P[μm]よりも小さい細孔径を有する細孔の全細孔容積Sb[cm/g]は、前記大孔径ピークAを包含する前記細孔径P[μm]よりも大きい細孔径を有する細孔の全細孔容積Sa[cm/g]よりも小さく構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  5. 前記細孔分布曲線において、前記全細孔容積Sb[cm/g]と、前記全細孔容積Sa[cm/g]との比率(Sb/Sa)が、0.4<(Sb/Sa)<1を満たしている、請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  6. 前記正極合材層に含まれる導電材として、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラックおよびグラファイト粉末からなる群より選択される少なくとも1種が使用される、請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  7. 前記正極合材層の層密度は、1.5g/cm〜2.8g/cmである、請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  8. 正極集電体および該集電体の表面に正極活物質および導電材を含む正極合材層を有する正極を備えるリチウム二次電池の製造方法であって、以下の工程:
    前記正極集電体の表面に前記正極合材層を形成する工程;
    前記正極合材層の細孔分布を水銀ポロシメータで測定し、該測定で得られる細孔分布曲線が以下の条件:
    細孔径0.01μm〜10μmの範囲に大小2つの微分細孔容積のピークを有すること:
    前記大小2つのピークのうち、微分細孔容積の小さい方のピークBの細孔径は、微分細孔容積の大きい方のピークAの細孔径よりも小孔径に構成されていること:
    を具備する正極を選択する工程;
    前記選択した正極を用いてリチウム二次電池を構築する工程;
    を包含することを特徴とする、製造方法。
  9. 前記測定で得られる細孔分布曲線において、前記大小2つのピークの間の最小値における細孔径P[μm]が、0.1μm〜0.7μmの間に存在する正極を選択する、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記測定で得られる細孔分布曲線において、さらに条件として、前記小孔径ピークBを包含する前記細孔径P[μm]よりも小さい細孔径を有する細孔における前記導電材の単位質量あたりの全細孔容積が、0.18cm/g〜0.8cm/gを満たしている正極を選択する、請求項8または9に記載の製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載のリチウム二次電池を備える車両。
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