JPWO2011086765A1 - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置 Download PDF

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Abstract

内燃機関の回転速度を示す回転速度パラメータに基づいて機関の失火を検出する失火検出装置が提供される。回転速度パラメータの第1所定期間における平均変化量及び機関の回転に伴う慣性速度変化成分が算出され、該平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて回転速度パラメータを補正して、第1補正回転速度パラメータが算出される。失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍に位置する基準時期に検出される回転速度パラメータに対応する第1補正回転速度パラメータである第1基準値と、第1補正回転速度パラメータとの偏差に応じて第1相対速度パラメータが算出される。第1相対速度パラメータをクランク角度720/N(Nは機関の気筒数)度の積算期間に亘って積算することにより第1判定パラメータが算出され、第1判定パラメータに基づいて失火判定が行われる。上記基準時期及び積算期間の開始時期が、機関の点火時期に応じて設定される。

Description

本発明は、内燃機関の失火検出装置に関し、特に機関回転速度を示す回転速度パラメータに基づいて失火の有無を判定するものに関する。
特許文献1には、機関の回転速度変動を示す回転変動パラメータに応じて、機関の暖機運転中における失火を判定する装置が示されている。この装置によれば、各気筒の点火時期に対応して回転変動が算出され、さらにクランク角360度前の回転変動との差である回転変動差Nxd360及びクランク角720度前の回転変動との差である回転変動差Nxd720が算出される。そして、回転変動差Nxd360及びNxd720に基づいて失火判定が行われる。
特開2006−266253号公報
機関の回転速度は、機関の回転に伴って必然的に発生する速度変化成分である慣性速度変動成分を含み、この慣性速度変動成分は各気筒のピストン位置に対応して変化する。特許文献1に示された装置では、点火時期に対応して回転変動が算出されるが、このとき慣性速度変動成分は考慮されていない。したがって、点火時期の変化によって回転変動の算出時期が変化すると、慣性速度変動成分の影響度合も変化し、算出される回転変動の精度が低下するおそれがある。
また特許文献1の装置は、機関の暖機運転中における失火を判定するものであり、機関の加速運転状態あるいは減速運転状態は考慮されていない。
本発明は上述した点に着目してなされたものであり、機関運転状態の変化に拘わらず、正確な失火判定を行うことができる内燃機関の失火検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、内燃機関の回転速度を示す回転速度パラメータ(OMG)を検出する回転速度パラメータ検出手段を備え、検出される回転速度パラメータ(OMG)に基づいて前記機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置を提供する。この失火検出装置は、前記回転速度パラメータ(OMG)の第1所定期間(クランク角720度に相当する期間)における平均変化量(DELTAOMGTDCA/4π)及び前記機関の回転に伴う慣性速度変化成分(OMGI)を算出し、該平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて前記回転速度パラメータ(OMG)を補正することにより、第1補正回転速度パラメータ(OMGMA)を算出する第1補正手段と、失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍にある基準時期(IGOFST)に検出される前記回転速度パラメータに対応する第1補正回転速度パラメータである第1基準値(OMGMATDC)と、前記第1補正回転速度パラメータ(OMGMA)との偏差(OMGREFA)に応じて第1相対速度パラメータ(OMGREFMA)を算出する第1相対速度パラメータ算出手段と、前記第1相対速度パラメータ(OMGREFMA)をクランク角度720/N(Nは前記機関の気筒数)度の積算期間に亘って積算することにより第1判定パラメータ(MFPARAMA)を算出する第1判定パラメータ算出手段と、前記第1判定パラメータに基づいて失火判定を行う判定手段とを備え、前記基準時期(IGOFST)及び前記積算期間の開始時期(IGOFST)を、前記機関の点火時期(IGLOG)に応じて設定することを特徴とする。
この構成によれば、機関回転速度を示す回転速度パラメータの第1所定期間における平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて、回転速度パラメータを補正することにより、第1補正回転速度パラメータが算出され、失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍にある基準時期に検出される回転速度パラメータに対応する第1補正回転速度パラメータである第1基準値と、第1補正回転速度パラメータとの偏差に応じて、第1相対速度パラメータが算出され、第1相対速度パラメータをクランク角度720/N度の積算期間に亘って積算することにより第1判定パラメータが算出される。そして、基準時期及び積算期間の開始時期が、点火時期に応じて設定される。基準時期及び積算期間の開始時期を点火時期に拘わらず一定とすると、点火時期が遅角方向に変更されたときに、失火発生時の第1判定パラメータの値が正常燃焼時の値に近づくため、誤判定し易くなる。基準時期及び積算期間の開始時期を点火時期に応じて設定することにより、点火時期に拘わらずに正確な判定を行うことが可能となる。
さらに、前記回転速度パラメータ(OMG)の、前記第1所定期間(クランク角720度に相当する期間)より長い第2所定期間(クランク角1440度に相当する期間)における平均変化量(DELTAOMGTDCB/8π)及び前記機関の回転に伴う慣性速度変化成分(OMGI)を算出し、該平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて前記回転速度パラメータ(OMG)を補正することにより、第2補正回転速度パラメータ(OMGMB)を算出する第2補正手段と、前記基準時期(IGOFST)に検出される前記回転速度パラメータに対応する第2補正回転速度パラメータである第2基準値(OMGMBTDC)と、前記第2補正回転速度パラメータ(OMGMB)との偏差(OMGREFB)に応じて第2相対速度パラメータ(OMGREFMB)を算出する第2相対速度パラメータ算出手段と、前記第2相対速度パラメータ(OMGREFMB)を前記積算期間に亘って積算することにより第2判定パラメータ(MFPARAMB)を算出する第2判定パラメータ算出手段とを備え、前記判定手段は、前記機関が所定運転状態(FCSTA=1)にあるとき前記第2判定パラメータ(MFPARAMB)に基づいて失火判定を行い、前記機関が前記所定運転状態以外の運転状態にあるとき前記第1判定パラメータ(MFPARAMA)に基づいて失火判定を行うことが望ましい。
この構成によれば、回転速度パラメータの、第1所定期間より長い第2所定期間における平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて回転速度パラメータを補正することにより、第2補正回転速度パラメータが算出され、基準時期に検出される回転速度パラメータに対応する第2補正回転速度パラメータである第2基準値と、第2補正回転速度パラメータとの偏差に応じて、第2相対速度パラメータが算出され、第2相対速度パラメータを積算期間に亘って積算することにより第2判定パラメータが算出される。そして機関が所定運転状態にあるとき第2判定パラメータに基づいて失火判定が行われ、機関が所定運転状態以外の運転状態にあるとき第1判定パラメータに基づいて失火判定が行われる。比較的長い第2所定期間における平均変化量に応じて補正された第2補正回転速度パラメータは、突発的に不整燃焼(失火ではないが正常燃焼に比べて発生トルクが小さい燃焼)が発生した気筒以外の気筒については、その不整燃焼の影響を受け難くなるため、第2判定パラメータを用いることにより、不整燃焼が発生し易い運転状態(所定運転状態)において不整燃焼と区別して失火を正確に判定することができる。また所定運転状態以外の運転状態では、通常の第1所定期間における平均変化量に応じて補正された第1補正回転速度パラメータに基づく第1判定パラメータを用いて判定を行うことにより、例えば機関の過渡運転状態においても正確な失火判定を行うことができる。
前記所定運転状態は、前記機関の冷間始動直後における暖機運転状態とすることが望ましい。この構成によれば、機関の冷間始動直後における暖機アイドル運転状態において、不整燃焼と区別して失火を正確に判定することができる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 失火気筒の燃焼行程における相対回転速度(OMGREF)の推移を示すタイムチャートである。 本実施形態における積算期間(TINTG)を説明するためのタイムチャートである。 失火判定を行う処理のフローチャートである。 失火判定を行う処理のフローチャートである。 図2及び図3の処理を説明するためのタイムチャートである。 図4の処理で参照されるテーブルを示す図である。 点火時期の変更に対する改善効果を説明するため図である。 突発的な不整燃焼に対する改善効果を説明するためのタイムチャートである。 図5に示す処理の変形例のフローチャートである。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、例えば6気筒を有し、吸気管2及び排気管5を備えている。吸気管2にはスロットル弁3が設けられている。また排気管5には排気の浄化を行う触媒コンバータ6が設けられている。
燃料噴射弁4はエンジン1とスロットル弁3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共に電子制御ユニット(以下「ECU」という)20に電気的に接続されてECU20からの制御信号により燃料噴射弁4の開弁時間が制御される。
エンジン1の各気筒の点火プラグ7は、ECU20に接続されており、ECU20からの点火信号により点火時期が制御される。
スロットル弁3の直ぐ下流には吸気管2内の吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ11が設けられており、その検出信号はECU20に供給される。
ECU20には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ12が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU20に供給される。クランク角度位置センサ12は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(6気筒エンジンではクランク角120度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば6度周期)で1パルス(以下「CRKパルス」という)を発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがECU20に供給される。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御、エンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。またECU20は、CRKパルスの発生時間間隔(以下「時間パラメータ」という)CRMEに基づいて、エンジン1における失火の検出を行う。
CRKセンサは、クランク軸に固定され、外周部に一定角度間隔で歯が形成されたパルスホイールと、該パルスホイールに対向して配置されたピックアップコイルとを備える。パルスホイールの回転によりピックアップコイルに交流信号が発生し、その交流信号がCRKパルスに変換されて出力される。
ECU20は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、燃料噴射弁4などに制御信号を供給する出力回路等から構成される。ECU20のCPUは、以下に説明する失火検出を実行する。
本実施形態における失火判定手法の基本的な構成は、特開2007−198368号公報に記載されたものと同一のものであり、本実施形態は、基準とするエンジン回転速度(基準値)の検出時期(基準時期)と、基準値とエンジン回転速度との差分に相当する相対速度パラメータの積算期間の開始時期とを、点火時期IGLOGに応じて設定するようにしたものである。さらに本実施形態では、失火判定を行うための判定パラメータが2つの手法で算出され(第1及び第2判定パラメータMFPARAMA,MFPARAMB)、エンジンの運転状態に応じて2つの判定パラメータの一方が適宜選択され、または双方を用いて失火判定が行われる。
図2は、圧縮上死点におけるエンジン回転速度を基準値とした相対回転速度OMGREFの、失火発生時の推移を示すタイムチャートである(横軸はクランク角度CA)。破線L1は、点火時期IGLOGが遅角されていない状態に対応し、実線L2は、点火時期IGLOGが圧縮上死点より遅角された状態に対応する。図2に示されるように、点火時期が遅角されると、失火発生時の相対回転速度OMGREFが増加するため、失火が発生しているにも拘わらず正常燃焼と誤判定される可能性が高くなる。
図3(a)は、点火時期が遅角されている状態で、クランク角度CAが120度から240度の期間が燃焼行程となる気筒で失火が発生したときのエンジン回転速度OMGの推移を示す。同図に示すOMGTDCは、エンジン回転速度の基準値であり、TINTGが積算期間であり、各気筒の燃焼行程と一致するように設定されている。点火時期を遅角することによって、失火気筒の燃焼行程の最初の部分(CA=120〜150deg)で回転速度OMGが若干増加していることが示されている。
そこで、本実施形態では、相対回転速度OMGREF(=OMG−OMGTDC)を積算する積算期間の開始時期CAISを図3(b)に示すようにCAIS1(=CARTD),CAIS2(=120+CARTD),CAIS3(=240+CARTD)...に設定し、回転速度基準値OMGTDCを開始時期CAISにおける回転速度に設定するようにしている(以下「点火時期依存補正」という)。この図に示すCARTDは、点火時期IGLOGの遅角量に対応する補正角度である。本実施形態では、時間パラメータCRMEは、クランク角6度毎に検出されるので、実際には角度6度で離散化された点火時期インデクスIGOFSTを用いて点火時期依存補正が行われる。
図4及び図5は、CRKセンサにより検出される時間パラメータCRMEに基づいて失火判定を行う処理のフローチャートである。この処理は、ECU20のCPUでTDCパルスに同期して実行される。なお、クランク角度6度毎に発生するCRKパルスの発生時間間隔である時間パラメータCRME(i)は、クランク角度1440度分のデータ(i=0〜240)及び点火時期インデクスIGOFSTに対応するためのデータが、記憶回路内のバッファメモリに格納されている。また、点火順の気筒識別番号をk(=1〜6)とし、1TDC期間内のデータ数をNTDC(本実施形態ではNTDC=20)とすると、本処理の1回の実行で、インデクスパラメータiが(k−1)NTDCから(kNTDC−1)までの演算、または{(k−1)NTDC+120}から{(kNTDC−1)+120}までの演算が行われる。例えば今回の処理が1番目の気筒(k=1)に対応する演算を行うときは、インデクスパラメータiは0から19までの値、または120から139までの値をとり、今回の処理が3番目の気筒(k=3)に対応する演算を行うときは、インデクスパラメータiは40から59までの値、または160から179までの値をとる。
ステップS11では、下記式(1)により、時間パラメータCRME(i)を回転速度OMG(i)[rad/s]に変換する。
OMG(i)=Dθ/CRME(i) (1)
ここで、Dθは、時間パラメータCRMEを計測する角度間隔であり、本実施形態では、π/30[rad]である。
ステップS12では、対象気筒のピストンが圧縮上死点にあるときの回転速度を、上死点回転速度OMGTDCとする。具体的には、上死点回転速度OMGTDCは、OMG{(k-1)NTDC}またはOMG{(k-1)NTDC+120}に設定される。
ステップS13では、クランク角度720度の期間における回転速度OMG(i)の変化量(以下「第1変化量」という)DELTAOMGTDCAを下記式(2)により算出する。第1変化量DELTAOMGTDCAは、図6に示すようにクランク角1440度分のデータの中心に位置する720度の期間における速度変化量として算出される。
DELTAOMGTDCA=OMG(180)−OMG(60) (2)
ステップS14では、クランク角度1440度の期間における回転速度OMG(i)の変化量(以下「第2変化量」という)DELTAOMGTDCBを下記式(3)により算出する(図6参照)。
DELTAOMGTDCB=OMG(240)−OMG(0) (3)
ステップS15では、上死点回転速度OMGTDCを下記式(4)に適用し、慣性力回転速度OMGI(i)を算出する。慣性力回転速度OMGI(i)は、エンジン1が回転することにより必然的に発生する速度変化成分を示すパラメータであり、エンジン1の往復運動部品(ピストン及びコンロッド)の質量、コンロッドの長さ、クランク半径、及びクランクプーリ、トルクコンバータ、ロックアップクラッチなどのエンジン1の負荷側の回転部品の慣性モーメントIに応じて算出される。式(4)のKは所定の値に設定される定数であり、慣性モーメントIはエンジンの仕様にしたがって予め算出される。FCR(i)は、外乱の影響を排除するための燃焼相関関数であり、本実施形態では、下記式(5)で与えられる。なお、慣性力回転速度OMGI(i)の詳細な算出手法は、上記特開2007−198368号公報に示されている。式(5)の「N」は気筒数であり、本実施形態では「6」である。
OMGI(i)=K×OMGTDC×(−2)×FCR(i)/3I (4)
FCR(i)={1−cos(N・Dθ・i/2)}/2 (5)
ステップS16では、点火時期IGLOG(圧縮上死点に対応するクランク角度位置からの進角量で定義される)に応じて図7に示すIGOFSTテーブルを検索し、点火時期インデクスIGOFSTを算出する。IGOFSTテーブルは、点火時期IGLOGが遅角されるほど(遅角量が増加するほど)、点火時期インデクスIGOFSTが増加するように設定されている。
ステップS17では、下記式(6)により720度フィルタ処理を実行するとともに、慣性力回転速度OMGI(i)の影響を相殺し、第1補正回転速度OMGMA(i+IGOFST)を算出する。720度フィルタ処理は、1サイクルの期間における線形変化分をキャンセルし、比較的周期の短い変動を抽出する処理である。720度フィルタ処理は、エンジン1の負荷側からエンジン1に加わるトルク(エンジン1により駆動される車両のタイヤや補機から加わるトルク、あるいはエンジン1の摺動部品の摩擦によるトルクなど)に起因する回転変動成分を除くために行うものである。なお、インデクスパラメータiが120以上であるときは、下記式(6a)により、第1補正回転速度OMGMA(i+IGOFST)を算出する。
OMGMA(i+IGOFST)=OMG(i+IGOFST)
−DELTAOMGTDCA×Dθ×i/4π
−OMGI(i) (6)
OMGMA(i+IGOFST)=OMG(i+IGOFST)
−DELTAOMGTDCA×Dθ×(i−120)/4π
−OMGI(i) (6a)
ステップS18では、下記式(7)により1440度フィルタ処理を実行するとともに、慣性力回転速度OMGI(i)の影響を相殺し、第2補正回転速度OMGMB(i+IGOFST)を算出する。第2補正回転速度OMGMB(i+IGOFST)は、後述するようにエンジン1の冷間始動直後の暖機アイドル運転状態における失火判定に適用される。
OMGMB(i+IGOFST)=OMG(i+IGOFST)
−DELTAOMGTDCB×Dθ×i/8π
−OMGI(i) (7)
ステップS19では、下記式(8)により、第1相対回転速度OMGREFA(i+IGOFST)を算出する。
OMGREFA(i+IGOFST)=OMGMA(i+IGOFST)−OMGMATDC
(8)
ここで、OMGMATDCは第1基準回転速度であり、判定対象の気筒のピストンが圧縮上死点(燃焼行程が開始される上死点)近傍に位置する基準時期(=(k−1)NTDC+IGOFSTまたは(k−1)NTDC+120+IGOFST)における第1補正回転速度に相当する。
ステップS20では、下記式(9)により、第2相対回転速度OMGREFB(i+IGOFST)を算出する。
OMGREFB(i+IGOFST)=OMGMB(i+IGOFST)−OMGMBTDC
(9)
ここで、OMGMBTDCは第2基準回転速度であり、判定対象の気筒のピストンが圧縮上死点(燃焼行程が開始される上死点)近傍に位置する基準時期(=(k−1)NTDC+IGOFSTまたは(k−1)NTDC+120+IGOFST)における第2補正回転速度に相当する。
ステップS21では、ステップS19で算出した第1相対回転速度OMGREFMA(i+IGOFST)及び燃焼相関関数FCR(i)(式(5))を下記式(10)に適用し、第1修正相対回転速度OMGREFMA(i+IGOFST)を算出する。
OMGREFMA(i+IGOFST)=OMGREFA(i+IGOFST)×FCR(i)
(10)
ステップS22では、ステップS20で算出した第2相対回転速度OMGREFMB(i+IGOFST)及び燃焼相関関数FCR(i)を下記式(11)に適用し、第2修正相対回転速度OMGREFMB(i+IGOFST)を算出する。
OMGREFMB(i+IGOFST)=OMGREFB(i+IGOFST)×FCR(i)
(11)
ステップS23では、下記式(12)または式(12a)に第1修正相対回転速度OMGREFMA(i+IGOFST)を適用し、第1判定パラメータMFPARAMA(k)を算出する。式(12)及び式(12a)により、失火判定対象気筒の積算期間中に検出された回転速度OMG(i+IGOFST)に対応する第1修正相対回転速度OMGREFMA(i+IGOFST)を積算する演算が行われる。式(12a)は、インデクスパラメータiが120以上の値をとるときに使用される。
Figure 2011086765
ステップS24では、下記式(13)または式(13a)に第2修正相対回転速度OMGREFMB(i+IGOFST)を適用し、第2判定パラメータMFPARAMB(k)を算出する。式(13)及び式(13a)により、失火判定対象気筒の積算期間中に検出された回転速度OMG(i+IGOFST)に対応する第2修正相対回転速度OMGREFMB(i+IGOFST)を積算する演算が行われる。式(13a)は、インデクスパラメータiが120以上の値をとるときに使用される。
Figure 2011086765
続くステップS31(図3)では、第1判定パラメータMFPARAMA(k)が第1判定閾値MFJUDA(例えば「0」)より大きいか否かを判別する。この答が肯定(YES)であるときは、正常燃焼が行われたと判定し、失火フラグFMF(k)を「0」に設定する(ステップS35)。一方、第1判定パラメータMFPARAMA(k)≦MFJUDAであるときは、暖機運転フラグFCSTAが「1」であるか否かを判別する(ステップS32)。暖機運転フラグFCSTAは、エンジン1が冷間始動直後における暖機アイドル運転状態にあるとき「1」に設定される。
ステップS32でFCSTA=0であってエンジン1が暖機アイドル運転状態にないときは、気筒識別番号kに対応する気筒(本実施形態では、k=1,2,3,4,5,及び6が、それぞれ#1気筒、#5気筒、#3気筒、#6気筒、#2気筒、及び#4気筒に対応する)で失火が発生したと判定し、失火フラグFMF(k)を「1」に設定する(ステップS34)。
ステップS32でFCSTA=1であってエンジン1が暖機アイドル運転状態にあるときは、第2判定パラメータMFPARAMB(k)が第2判定閾値MFJUDBより大きいか否かを判別する(ステップS33)。第2判定閾値MFJUDBは、第1判定閾値MFJUDAより小さな値に設定される。ステップS33の答が肯定(YES)であるときは正常燃焼または不整燃焼が行われたと判定し、前記ステップS35に進む。一方、MFPARAMB(k)≦MFJUDBであるときは、気筒識別番号kに対応する気筒で失火が発生したとき判定し、前記ステップS34に進む。
ステップS36では、気筒識別番号kが気筒数Nと等しいか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、気筒識別番号kを「1」だけインクリメントする(ステップS38)。またk=Nであるときは、気筒識別番号kを「1」に戻す(ステップS37)。
図8は、点火時期IGLOGを遅角方向に変更したときの失火判定パラメータMFPARAMAの計測データを示す図であり、図8(a)が点火時期インデクスIGOFSTによる点火時期依存補正を行わない場合に対応し、図8(b)が点火時期依存補正を行う本実施形態に対応する。これらの図において白丸(○)が正常燃焼(または不整燃焼)に対応し、黒丸(●)が失火に対応する。点火時期依存補正を行わないと失火を精度良く判定することが困難であるが(図8(a))、点火時期依存補正を行うことにより、正確な失火判定が可能となる(図8(b))ことが確認できる。
以上のように図4及び図5の処理によれば、720度フィルタ処理により、第1補正回転速度OMGMAが算出され、第1補正回転速度OMGMAと、基準時期における第1補正回転速度に相当する第1基準回転速度OMGMATDCとの差として第1相対回転速度OMGREFAが算出される。そして、第1相対回転速度OMGREFAに燃焼相関関数FCRを乗算することにより、第1修正相対回転速度OMGREFMAが算出され、第1修正相対回転速度OMGREFMAを積算期間TINTGについて積算することにより、第1判定パラメータMFPARAMA(k)が算出され、第1判定パラメータMFPARAMAと第1判定閾値MFJUDAとの比較結果に応じた失火判定が行われる。さらに基準時期及び積算期間TINTGの開始時期について点火時期依存補正が行われるので、点火時期が遅角方向に変更されたときに、失火発生時の第1判定パラメータMFPARAMAの値が正常燃焼時の値に近づくことが防止され、点火時期に拘わらずに正確な判定を行うことが可能となる。
また1440度フィルタ処理により第2補正回転速度OMGMBが算出され、第2補正回転速度OMGMBと第2基準回転速度OMGMBTDCとの差として第2相対回転速度OMGREFBが算出される。さらに第2相対回転速度OMGREFBに燃焼相関関数FCRを乗算することにより、第2修正相対回転速度OMGREFMBが算出され、第2修正相対回転速度OMGREFMB(i+IGOFST)を積算期間TINTGについて積算することにより、第2判定パラメータMFPARAMB(k)が算出される。
そして第1判定パラメータMFPARAMA(k)により失火発生の可能性が高いと判定され、かつエンジン1が冷間始動直後における暖機アイドル運転状態にあるときは、第2判定パラメータMFPARAMB(k)により失火判定が行われる。クランク角720度の期間より長いクランク角1440度の期間における第2変化量DELTAOMGTDCBを用いて算出される平均変化量(DELTAOMGTDCB/8π)は、突発的な不整燃焼の影響を受けにくくなるため、第2補正回転速度OMGMBは、突発的に不整燃焼が発生した気筒以外の気筒については、その不整燃焼の影響を受け難くなる。したがって、第2判定パラメータMFPARAMBを用いることにより、不整燃焼が発生し易い暖機アイドル運転状態において不整燃焼と区別して失火を正確に判定することができる。また暖機アイドル運転状態以外の運転状態では、通常のクランク角720度の期間における第1変化量DELTAOMGTDCAを用いて算出される平均変化量(DELTAOMGTDCA/4π)に応じて補正された第1補正回転速度OMGMA(i+IGOFST)に基づく第1判定パラメータMFPARAMAを用いて判定を行うことにより、例えばエンジン1の過渡運転状態においても正確な失火判定を行うことができる。
また本実施形態では、第2所定期間(請求項2)をクランク角1440度に対応する期間とし、1440度の期間における回転速度の変化量を平均化することにより得られる平均変化量(DELTAOMGTDCB/8π)を用いて、第2補正回転速度OMGMBを算出するようにしたが、第2所定期間を1440度より長い期間としてもよい。ただし、720度の整数倍の期間とすることが望ましい。
図9(a)は、不整燃焼と、失火とがランダムに発生している状態(例えば冷間始動直後の運転状態)において、720度フィルタ処理を用いて算出された第1判定パラメータMFPARAMAの推移を示す図であり、黒丸(●)が失火したときの値を示し、白丸(○)が不整燃焼が発生したときの値を示す。この図から、720度フィルタ処理では、失火と不整燃焼とを区別して判定することが困難であることが確認できる。
図9(b)は、図9(a)と同様の運転状態で1440度フィルタ処理を行って算出された第2判定パラメータMFPARAMBの推移を示し、黒丸(●)が失火が発生したときの値を示し、白丸(○)が不整燃焼が発生したときの値を示す。失火が発生したときの値が、不整燃焼が発生したときの値を上回る場合がまだ多少あるが、図9(a)に示す第1判定パラメータMFPARAMAよりかなり改善されることが確認できる。
図9(c)は、第2所定期間をさらに長くして2880度とした場合の第2判定パラメータMFPARAMB’の推移を示す。この図から明らかなように、第2所定期間を長くすることにより、失火と不整燃焼とをより正確に判別することが可能となる。
本実施形態では、クランク角度位置センサ12及びECU20が回転速度パラメータ検出手段を構成し、ECU20が、第1補正手段、第2補正手段、第1相対速度パラメータ算出手段、第2相対速度パラメータ、第1判定パラメータ算出手段、第2判定パラメータ算出手段、及び判定手段を構成する。具体的には、図2のステップS13及びS17が第1補正手段に相当し、ステップS14及びS18が第2補正手段に相当し、ステップS19が第1相対速度パラメータ算出手段に相当し、ステップS20が第2相対速度パラメータ算出手段に相当し、ステップS23及びS24がそれぞれ第1判定パラメータ算出手段及び第2判定パラメータ算出手段に相当し、図3のステップS31〜S35が判定手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、時間パラメータCRMEを回転速度OMGに変換して失火判定を行うようにしたが、特開2007−198368号公報に示されるように時間パラメータCRMEそのものを回転速度パラメータとして用いて失火判定を行うようにしてもよい。
また上述した実施形態では、エンジン1の冷間始動直後の暖機アイドル運転状態において、第2判定パラメータMFPARAMBを用いた判定を行うようにしたが、エンジン1のアイドル運転状態において空燃比を理論空燃比よりリーン側に設定するリーンバーン運転を行っている運転状態で、第2判定パラメータMFPARAMBを用いた判定を行うようにしてもよい。
また図5に示す処理は、図10に示すように変形してもよい。図10においては、先ず暖機運転フラグFCSTAが「1」であるか否かを判別し(ステップS32)、FCSTA=0であるときは、第1判定パラメータMFPARAMA(k)による判定を行い(ステップS31)、FCSTA=1であるときは、第2判定パラメータMFPARAMB(k)による判定を行う(ステップS33)。
また上述した実施形態では、相対回転速度OMGREFA,OMGREFBを燃焼相関関数FCRにより修正した修正相対回転速度OMGREFMA,OMGREFMBを積算して判定パラメータMFPARAMA,MFPARAMBを算出したが、燃焼相関関数FCRによる修正を行っていない相対回転速度OMGREFA,OMGREFBを積算して判定パラメータMFPARAMA,MFPARAMBを算出するようにしてもよい。その場合には、慣性力回転速度OMGI(i)を算出する式(4)のFCR(i)を一定値(例えば「1」)に設定する。
また上述した実施形態では、6気筒エンジンに本願発明を適用した例を示したが、本願発明は気筒数に拘わらず適用可能である。また、本願発明は、燃料を燃焼室内に直接噴射するガソリンエンジンの失火判定にも適用可能である。さらに本願発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの失火判定にも適用が可能である。
1 内燃機関
12 クランク角度位置センサ(回転速度パラメータ検出手段)
20 電子制御ユニット(回転速度パラメータ検出手段、第1補正手段、第2補正手段、第1相対速度パラメータ算出手段、第2相対速度パラメータ、第1判定パラメータ算出手段、第2判定パラメータ算出手段、判定手段)
上記目的を達成するため本発明は、内燃機関の回転速度を示す回転速度パラメータ(OMG)を検出する回転速度パラメータ検出手段を備え、検出される回転速度パラメータ(OMG)に基づいて前記機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置を提供する。この失火検出装置は、前記回転速度パラメータ(OMG)の第1所定期間(クランク角720度に相当する期間)における第1平均変化量(DELTAOMGTDCA/4π)を算出するとともに、前記機関の回転に伴う慣性速度変化成分(OMGI)を算出し、該第1平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて前記回転速度パラメータ(OMG)を補正することにより、第1補正回転速度パラメータ(OMGMA)を算出する第1補正手段と、失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍にある基準時期(IGOFST)に検出される前記回転速度パラメータに対応する第1補正回転速度パラメータである第1基準値(OMGMATDC)と、前記第1補正回転速度パラメータ(OMGMA)との偏差(OMGREFA)に応じて第1相対速度パラメータ(OMGREFMA)を算出する第1相対速度パラメータ算出手段と、前記第1相対速度パラメータ(OMGREFMA)をクランク角度720/N(Nは前記機関の気筒数)度の積算期間に亘って積算することにより第1判定パラメータ(MFPARAMA)を算出する第1判定パラメータ算出手段と、前記第1判定パラメータに基づいて失火判定を行う判定手段とを備え、前記基準時期(IGOFST)及び前記積算期間の開始時期(IGOFST)を、前記機関の点火時期(IGLOG)に応じて設定することを特徴とする。
この構成によれば、機関回転速度を示す回転速度パラメータの第1所定期間における第1平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて、回転速度パラメータを補正することにより、第1補正回転速度パラメータが算出され、失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍にある基準時期に検出される回転速度パラメータに対応する第1補正回転速度パラメータである第1基準値と、第1補正回転速度パラメータとの偏差に応じて、第1相対速度パラメータが算出され、第1相対速度パラメータをクランク角度720/N度の積算期間に亘って積算することにより第1判定パラメータが算出される。そして、基準時期及び積算期間の開始時期が、点火時期に応じて設定される。基準時期及び積算期間の開始時期を点火時期に拘わらず一定とすると、点火時期が遅角方向に変更されたときに、失火発生時の第1判定パラメータの値が正常燃焼時の値に近づくため、誤判定し易くなる。基準時期及び積算期間の開始時期を点火時期に応じて設定することにより、点火時期に拘わらずに正確な判定を行うことが可能となる。
さらに、前記回転速度パラメータ(OMG)の、前記第1所定期間(クランク角720度に相当する期間)より長い第2所定期間(クランク角1440度に相当する期間)における第2平均変化量(DELTAOMGTDCB/8π)を算出するとともに、前記機関の回転に伴う慣性速度変化成分(OMGI)を算出し、該第2平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて前記回転速度パラメータ(OMG)を補正することにより、第2補正回転速度パラメータ(OMGMB)を算出する第2補正手段と、前記基準時期(IGOFST)に検出される前記回転速度パラメータに対応する第2補正回転速度パラメータである第2基準値(OMGMBTDC)と、前記第2補正回転速度パラメータ(OMGMB)との偏差(OMGREFB)に応じて第2相対速度パラメータ(OMGREFMB)を算出する第2相対速度パラメータ算出手段と、前記第2相対速度パラメータ(OMGREFMB)を前記積算期間に亘って積算することにより第2判定パラメータ(MFPARAMB)を算出する第2判定パラメータ算出手段とを備え、前記判定手段は、前記機関が所定運転状態(FCSTA=1)にあるとき前記第2判定パラメータ(MFPARAMB)に基づいて失火判定を行い、前記機関が前記所定運転状態以外の運転状態にあるとき前記第1判定パラメータ(MFPARAMA)に基づいて失火判定を行うことが望ましい。
この構成によれば、回転速度パラメータの、第1所定期間より長い第2所定期間における第2平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて回転速度パラメータを補正することにより、第2補正回転速度パラメータが算出され、基準時期に検出される回転速度パラメータに対応する第2補正回転速度パラメータである第2基準値と、第2補正回転速度パラメータとの偏差に応じて、第2相対速度パラメータが算出され、第2相対速度パラメータを積算期間に亘って積算することにより第2判定パラメータが算出される。そして機関が所定運転状態にあるとき第2判定パラメータに基づいて失火判定が行われ、機関が所定運転状態以外の運転状態にあるとき第1判定パラメータに基づいて失火判定が行われる。比較的長い第2所定期間における第2平均変化量に応じて補正された第2補正回転速度パラメータは、突発的に不整燃焼(失火ではないが正常燃焼に比べて発生トルクが小さい燃焼)が発生した気筒以外の気筒については、その不整燃焼の影響を受け難くなるため、第2判定パラメータを用いることにより、不整燃焼が発生し易い運転状態(所定運転状態)において不整燃焼と区別して失火を正確に判定することができる。また所定運転状態以外の運転状態では、通常の第1所定期間における第1平均変化量に応じて補正された第1補正回転速度パラメータに基づく第1判定パラメータを用いて判定を行うことにより、例えば機関の過渡運転状態においても正確な失火判定を行うことができる。

Claims (6)

  1. 内燃機関の回転速度を示す回転速度パラメータを検出する回転速度パラメータ検出手段を備え、検出される回転速度パラメータに基づいて前記機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置において、
    前記回転速度パラメータの第1所定期間における平均変化量及び前記機関の回転に伴う慣性速度変化成分を算出し、該平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて前記回転速度パラメータを補正することにより、第1補正回転速度パラメータを算出する第1補正手段と、
    失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍に位置する基準時期に検出される前記回転速度パラメータに対応する第1補正回転速度パラメータである第1基準値と、前記第1補正回転速度パラメータとの偏差に応じて第1相対速度パラメータを算出する第1相対速度パラメータ算出手段と、
    前記第1相対速度パラメータをクランク角度720/N(Nは前記機関の気筒数)度の積算期間に亘って積算することにより第1判定パラメータを算出する第1判定パラメータ算出手段と、
    前記第1判定パラメータに基づいて失火判定を行う判定手段とを備え、
    前記基準時期及び前記積算期間の開始時期を、前記機関の点火時期に応じて設定することを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  2. 前記回転速度パラメータの、前記第1所定期間より長い第2所定期間における平均変化量及び前記慣性速度変化成分を算出し、該平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて前記回転速度パラメータを補正することにより、第2補正回転速度パラメータを算出する第2補正手段と、
    前記基準時期に検出される前記回転速度パラメータに対応する第2補正回転速度パラメータである第2基準値と、前記第2補正回転速度パラメータとの偏差に応じて第2相対速度パラメータを算出する第2相対速度パラメータ算出手段と、
    前記第2相対速度パラメータを前記積算期間に亘って積算することにより第2判定パラメータを算出する第2判定パラメータ算出手段とをさらに備え、
    前記判定手段は、前記機関が所定運転状態にあるとき前記第2判定パラメータに基づいて失火判定を行い、前記機関が前記所定運転状態以外の運転状態にあるとき前記第1判定パラメータに基づいて失火判定を行う請求項1の失火検出装置。
  3. 前記所定運転状態は、前記機関の冷間始動直後における暖機アイドル運転状態である請求項2の失火検出装置。
  4. 内燃機関の回転速度を示す回転速度パラメータを検出し、検出される回転速度パラメータに基づいて前記機関の失火を検出する内燃機関の失火検出方法であって、
    a)前記回転速度パラメータの第1所定期間における平均変化量及び前記機関の回転に伴う慣性速度変化成分を算出し、
    b)該平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて前記回転速度パラメータを補正することにより、第1補正回転速度パラメータを算出し、
    c)失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍に位置する基準時期に検出される前記回転速度パラメータに対応する第1補正回転速度パラメータである第1基準値と、前記第1補正回転速度パラメータとの偏差に応じて第1相対速度パラメータを算出し、
    d)前記第1相対速度パラメータをクランク角度720/N(Nは前記機関の気筒数)度の積算期間に亘って積算することにより第1判定パラメータを算出し、
    e)前記第1判定パラメータに基づいて失火判定を行うステップを備え、
    前記基準時期及び前記積算期間の開始時期が、前記機関の点火時期に応じて設定されることを特徴とする内燃機関の失火検出方法。
  5. f)前記回転速度パラメータの、前記第1所定期間より長い第2所定期間における平均変化量及び前記慣性速度変化成分を算出し、
    g)該平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて前記回転速度パラメータを補正することにより、第2補正回転速度パラメータを算出し、
    h)前記基準時期に検出される前記回転速度パラメータに対応する第2補正回転速度パラメータである第2基準値と、前記第2補正回転速度パラメータとの偏差に応じて第2相対速度パラメータを算出し、
    i)前記第2相対速度パラメータを前記積算期間に亘って積算することにより第2判定パラメータを算出するステップをさらに備え、
    前記機関が所定運転状態にあるとき前記第2判定パラメータに基づいて失火判定が行われ、前記機関が前記所定運転状態以外の運転状態にあるとき前記第1判定パラメータに基づいて失火判定が行われる請求項4の失火検出方法。
  6. 前記所定運転状態は、前記機関の冷間始動直後における暖機アイドル運転状態である請求項5の失火検出方法。
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