JP5276704B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、出力軸がねじれ要素を介して動力伝達機構の入力軸に接続されている内燃機関を動力源として備える車両の制御装置に関する。
特許文献1には、出力軸がダンパ(ねじれ要素)を介して動力伝達機構に接続されている機関の回転速度に基づいて失火を判定する装置が示されている。この装置では、ダンパより後段の回転軸(後段軸)の回転速度及び機関出力軸の回転速度の何れか一方または双方が通信によって取得され、通信の遅れ時間に応じた機関出力軸回転速度の補正が行われる。具体的には、取得された機関出力軸回転速度及び後段軸回転速度から、ねじれ要素の共振周波数成分が抽出され、2つの共振周波数成分の位相差が算出され、この位相差を時間に変換することより通信遅れ時間が推定される。
上述した従来の装置では、2つの検出回転速度信号について共振周波数成分を抽出するためのフィルタ処理、フィルタ処理後の2つの回転速度信号の位相差を算出する処理、及び位相差を遅れ時間に換算する処理が必要であり、通信に起因する時間差(位相差)を補正するための演算処理が複雑である。また、ねじれ要素が共振していない状態では、共振周波数成分の強度は比較的小さいので、フィルタ処理後の信号レベルが低下するという課題がある。
本発明は上述した点に着目してなされたものであり、出力軸がねじれ要素を介して動力伝達機構の入力軸に接続されている内燃機関を動力源として備える車両において、少なくも一方が通信によって取得される、ねじれ要素の入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータの位相差の補正処理を適切に実行し、通信によるデータ取得に起因する不具合を比較的簡便な演算処理によって解消できる制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、出力軸(8)がねじれ要素(21)を介して動力伝達機構(22)の入力軸に接続されている内燃機関(1)を動力源として備える車両の制御装置において、前記機関の出力軸(8)の回転速度を示す入力側回転速度パラメータ(OMGCRK)を検出する入力側回転速度パラメータ検出手段と、前記動力伝達機構の入力軸の回転速度を示す出力側回転速度パラメータ(OMGMAIN)を検出する出力側回転速度パラメータ検出手段と、検出される入力側回転速度パラメータ(OMGCRK)及び出力側回転速度パラメータ(OMGMAIN)の少なくとも一方を通信によって取得するパラメータ取得手段と、取得された入力側回転速度パラメータ(OMGCRK)と出力側回転速度パラメータ(OMGMAIN)との、前記通信に起因する位相差を補正する位相差補正手段と、取得された入力側回転速度パラメータ(OMGCRK)と出力側回転速度パラメータ(OMGMAIN)の相関係数(KCOR)を算出する相関係数算出手段と、前記ねじれ要素(21)の共振状態を判定する共振状態判定手段と、前記ねじれ要素(21)が共振状態にあるときに、前記相関係数(KCOR)が最小となる最小相関位相差(CAMIN)を算出する最小相関位相差算出手段と、前記位相差補正手段は、前記最小相関位相差(CAMIN)を用いて、前記取得された入力側回転速度パラメータ(OMGCRK)及び出力側回転速度パラメータ(OMGMAIN)の何れか一方の位相補正を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制御装置において、前記ねじれ要素(21)が非共振状態にあるときに、前記相関係数(KCOR)が最大となる最大相関位相差(CAMAX)を算出する最大相関位相差算出手段をさらに備え、前記位相差補正手段は、前記最小相関位相差(CAMIN)及び最大相関位相差(CAMAX)の何れか一方を用いて、前記取得された入力側回転速度パラメータ(OMGCRK)及び出力側回転速度パラメータ(OMGMAIN)の何れか一方の位相補正を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両の制御装置において、前記共振状態判定手段は、前記入力側回転速度パラメータ(OMGCRK)または出力側回転速度パラメータ(OMGMAIN)の速度変動振幅(WMAIN,WCRK)が所定速度振幅値(WMAINTH,WCRKTH)を超えるとき、前記ねじれ要素(21)が共振状態にあると判定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両の制御装置において、前記共振状態判定手段は、前記取得された入力側回転速度パラメータ(OMGCRK)と出力側回転速度パラメータ(OMGMAIN)の相対位相を変化させて前記相関係数(KCOR)の変動振幅(WKCOR)を算出し、算出される相関係数変動振幅(WKCOR)が所定係数振幅値(WKCORTH)を超えるとき、前記ねじれ要素(21)が共振状態にあると判定することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか1項に記載の車両の制御装置において、前記相関係数算出手段の演算負荷を監視する演算負荷監視手段をさらに備え、前記最小相関位相差算出手段は、設定角度(nINC)ずつ位相差を変化させつつ前記相関係数算出手段を用いて前記相関係数(KCOR)を算出することにより、前記最小相関位相差(CAMIN)の算出を行い、前記相関係数算出手段の演算負荷が所定負荷閾値を超えたときは、前記設定角度(nINC)をより大きな値に変更することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の車両の制御装置において、前記車両は前記入力側回転速度パラメータ検出手段と出力側回転速度パラメータ検出手段との間に滑り要素(22)を備えており、該滑り要素(22)の所定滑り状態を判定する滑り判定手段をさらに備え、前記位相差補正手段は、前記滑り判定手段により前記滑り要素(22)が前記所定滑り状態にあると判定されたときは、前記位相補正を行わないことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項7に記載の車両の制御装置において、前記滑り判定手段は、前記入力側回転速度パラメータ(OMGCRK)と出力側回転速度パラメータ(OMGMAIN)の差分(DOMG)を積算することにより、速度差分積算値(IDOMG)を算出し、該速度差分積算値(IDOMG)が所定滑り判定閾値(IDOMGTH)を超えたときに前記滑り要素(22)が前記所定滑り状態にあると判定することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7の何れか1項に記載の車両の制御装置において、前記位相補正された入力側回転速度パラメータ(OMGCRK(i))及び出力側回転速度パラメータ(OMGMAIN(i+nCACR))に基づいて前記機関の失火を判定する失火判定手段をさらに備えることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の車両の制御装置において、前記失火判定手段は、前記出力側回転速度パラメータ(OMGMAIN)と、前記ねじれ要素(21)の入力側の入力側回転モーメント(ICRK)と、前記ねじれ要素(21)の出力側の出力側回転モーメント(IMAIN)とに基づいて、前記入力側回転速度パラメータ(OMGCRK)を修正することにより、修正機関回転速度パラメータ(OMG)を算出する修正手段と、前記修正機関回転速度パラメータ(OMG)の所定期間における平均変化量(DELTAOMGTDCA/4π)及び前記機関の可動部品の慣性力に起因する慣性速度変化成分(OMGI)を所定クランク角度毎に算出し、前記平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて前記修正機関回転速度パラメータ(OMG)を補正することにより、補正回転速度パラメータ(OMGMA)を算出する回転速度補正手段と、前記機関の失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍に位置する基準時期(IGOFST))に検出される前記入力側回転速度パラメータ(OMGCRK)に対応する補正回転速度パラメータである基準値(OMGMATDC)と、前記補正回転速度パラメータ(OMGMA)との偏差に応じて、前記所定クランク角度毎に相対速度パラメータ(OMGREFMA)を算出する相対速度パラメータ算出手段と、前記相対速度パラメータ(OMGREFMA)をクランク角度720/N(Nは前記機関の気筒数)度の積算期間(TINTG)に亘って積算することにより判定パラメータ(MFPARAMA)を算出する判定パラメータ算出手段とを有し、前記判定パラメータ(MFPARAMA)に基づいて失火判定を行うことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1から7の何れか1項に記載の車両の制御装置において、前記機関の出力トルクを制御する機関出力制御手段をさらに備え、前記機関出力制御手段は、前記位相補正された入力側回転速度パラメータ(OMGCRK(i))及び出力側回転速度パラメータ(OMGMAIN(i+nCACR))に基づいて、前記機関出力軸の制振制御を行うことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、機関の出力軸の回転速度を示す入力側回転速度パラメータと、動力伝達機構の入力軸の回転速度を示す出力側回転速度パラメータとが検出され、これらの入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータの少なくとも一方が通信によって取得され、取得された入力側回転速度パラメータと出力側回転速度パラメータとの、通信に起因する位相差が補正される。すなわち、取得された入力側回転速度パラメータと出力側回転速度パラメータの相関係数が算出され、ねじれ要素が共振状態にあるときに、相関係数が最小となる最小相関位相差が算出され、最小相関位相差を用いて、取得された入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータの何れか一方の位相補正が行われる。ねじれ要素が共振状態にあるときは、入力側回転速度パラメータの変化波形と出力側回転速度パラメータの変化波形とが逆位相となるので、相関係数が最小となる最小相関位相差を用いて補正を行うことにより、通信によるデータ取得に起因する不具合を比較的簡便な演算処理によって解消できる。
請求項2に記載の発明によれば、ねじれ要素が非共振状態にあるときに、相関係数が最大となる最大相関位相差が算出され、最小相関位相差及び最大相関位相差の何れか一方を用いて、取得された入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータの何れか一方の位相補正が行われる。ねじれ要素が非共振状態にあるときは、入力側回転速度パラメータの変化波形と出力側回転速度パラメータの変化波形とが同位相となるので、相関係数が最大となる最大相関位相差を用いて補正を行うことにより、通信によるデータ取得に起因する不具合を比較的簡便な演算処理によって解消できる。
請求項3に記載の発明によれば、入力側回転速度パラメータまたは出力側回転速度パラメータの速度変動振幅が所定速度振幅値を超えるとき、ねじれ要素が共振状態にあると判定される。ねじれ要素が共振状態にあるときは、入力側及び出力側の何れにおいても速度変動振幅が増加するので、速度変動振幅を所定速度振幅値と比較することによって、ねじれ要素の共振状態を判定することができる。
請求項4に記載の発明によれば、取得された入力側回転速度パラメータと出力側回転速度パラメータの相対位相を変化させて相関係数の変動振幅が算出され、算出される相関係数変動振幅が所定係数振幅値を超えるとき、ねじれ要素が共振状態にあると判定される。ねじれ要素が共振状態にあるときは、相関係数変動振幅が増加するので、相関係数変動振幅を所定係数振幅値と比較することによって、ねじれ要素の共振状態を判定することができる。
請求項5に記載の発明によれば、設定角度ずつ位相差を変化させて相関係数を算出することにより、最小相関位相差の算出が行われ、相関係数算出手段の演算負荷が所定負荷閾値を超えたときは、設定角度がより大きな値に変更される。したがって、最小相関位相差を算出するための繰り返し演算の回数が減少し、演算負荷を軽減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、入力側回転速度パラメータ検出手段と出力側回転速度パラメータ検出手段との間に設けられた滑り要素が所定滑り状態にあると判定されたときは、位相補正が行われない。滑り要素が所定滑り状態にあるときは、出力側回転速度パラメータが入力側回転速度パラメータより小さくなるため、相関係数の算出精度が低下する。したがって、位相補正を停止することにより、補正による弊害を回避することができる。
請求項7に記載の発明によれば、入力側回転速度パラメータと出力側回転速度パラメータの差分を積算することにより、速度差分積算値が算出され、該速度差分積算値が所定滑り判定閾値を超えたときに滑り要素が所定滑り状態にあると判定されるので、相関係数の算出精度が低下する状態を正確に判定することができる。
請求項8に記載の発明によれば、位相補正された入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータに基づいて機関の失火判定が行われる。出力軸がねじれ要素を介して動力伝達機構の入力軸に接続されている機関の失火判定を行う場合には、エンジン回転速度(入力軸回転速度)に対するねじれ要素の影響を除くための修正を行う必要があり、その際、出力側回転速度パラメータが使用される。入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータの位相ずれがある場合には、正確な失火判定を行うことができないため、位相補正された回転速度パラメータを用いることにより、失火判定精度を高めることができる。
請求項9に記載の発明によれば、出力側回転速度パラメータと、ねじれ要素の入力側の機関回転モーメントと、ねじれ要素の出力側の変速機回転モーメントとに基づいて、入力側回転速度パラメータを修正することにより、修正機関回転速度パラメータが算出され、修正機関回転速度パラメータの所定期間における平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて、修正機関回転速度パラメータを補正することにより、補正回転速度パラメータが算出される。失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍にある基準時期に検出される回転速度パラメータに対応する補正回転速度パラメータである基準値と、補正回転速度パラメータとの偏差に応じて、相対速度パラメータが所定クランク角度毎に算出され、相対速度パラメータをクランク角度720/N度の積算期間に亘って積算することにより判定パラメータが算出され、この判定パラメータを用いて失火判定が行われる。したがって、ねじれ要素の影響を除去して正確な判定を行うことができる。
請求項10に記載の発明によれば、位相補正された入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータに基づいて、機関出力軸の制振制御が、機関出力トルクを制御することによって行われる。機関出力トルクの変動と、動力伝達機構側から機関出力軸に加わるトルクの変動との相対位相に通信遅れが含まれていると、有効な制振制御を行うことができないので、位相補正された入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータを用いることにより、制振制御による制振効果を高めることができる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の一実施形態にかかる車両の動力源である内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、例えば6気筒を有し、吸気管2を備えている。吸気管2にはスロットル弁3が設けられている。
[第1の実施形態]
図1は本発明の一実施形態にかかる車両の動力源である内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、例えば6気筒を有し、吸気管2を備えている。吸気管2にはスロットル弁3が設けられている。
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にエンジン制御用電子制御ユニット(以下「ENGECU」という)5に電気的に接続されてENGECU5からの制御信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
エンジン1の各気筒の点火プラグ13は、ENGECU5に接続されており、ENGECU5からの点火信号により点火時期が制御される。
吸気管2のスロットル弁3の下流には吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ9が設けられており、その検出信号はENGECU5に供給される。
吸気管2のスロットル弁3の下流には吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ9が設けられており、その検出信号はENGECU5に供給される。
ENGECU5には、エンジン1のクランク軸8の回転角度を検出するクランク角度位置センサ10が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がENGECU5に供給される。クランク角度位置センサ10は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(6気筒エンジンではクランク角120度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば6度周期)で1パルス(以下「CRKパルス」という)を発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがENGECU5に供給される。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御、エンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。またENGECU5は、CRKパルスの発生時間間隔(以下「時間パラメータ」という)CRMEに基づいて、エンジン1における失火の検出を行う。
CRKセンサは、クランク軸に固定され、外周部に一定角度間隔で歯が形成されたパルスホイールと、該パルスホイールに対向して配置されたピックアップコイルとを備える。パルスホイールの回転によりピックアップコイルに交流信号が発生し、その交流信号がCRKパルスに変換されて出力される。
エンジン1のクランク軸8はねじれ要素21及びクラッチ22を介して、変速機24のメインシャフト(入力軸)23に連結されている。ねじれ要素21としては例えばデュアルマスフライホイール、クラッチダンパ(クラッチ22のクラッチ板とシャフトとの間に設けられるトーションダンパ)などが用いられる。変速機24には、メインシャフト23を直接回転駆動可能なモータ25が設けられており、モータ25はその回転速度を検出するためのレゾルバ26を有する。レゾルバ26の検出信号は、モータ制御用電子制御ユニット(以下「MOTECU」という)30に供給される。
MOTECU30は、車内通信LAN(Local Area Network)の通信バス40を介してENGECU5との間で相互に必要な情報の伝送を行う。MOTECU30は、レゾルバ26の検出信号に基づいて、メインシャフト23の回転速度(以下「変速機回転速度」という)OMGMAINを算出し、モータ25の駆動制御を行うとともに、変速機回転速度OMGMAINを、通信バス40を介してENGECU5に供給する。
ENGECU5は、入力回路、LAN通信回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、燃料噴射弁6、点火プラグ13などに制御信号を供給する出力回路等から構成される。ENGECU5のCPUは、以下に説明する失火判定を実行する。
本実施形態における失火判定手法の基本的な構成は、国際公開WO2011/086765号公報に記載されたものと同一のものであるが、以下の点で改良が加えられている。すなわち、検出される時間パラメータCRMEから算出される検出エンジン回転速度OMGCRKについて、ねじれ要素21の影響を考慮した修正を行うことにより、修正回転速度OMGを算出し、修正回転速度OMGに基づいて失火判定が行われる。また、修正回転速度OMGの算出においては、通信バス40を介して取得される変速機回転速度OMGMAINが用いられ、通信に起因するエンジン回転速度OMGCRKとの位相差の補正が行われる。
先ず修正回転速度OMGの算出手法を説明する。
ねじれ要素が発生するトルクTTSNは回転角度θに比例するので、比例定数をkTSNとすると、外乱入力がトルクTTSNのみである場合、下記式(1)及び(2)の運動方程式が得られる。なお、クラッチ22は係合されていること(滑りはなし)を前提としている。式(1)のICRK及びθCRKは、それぞれクランク軸8(及びクランク軸8と一体に回転する部品)の慣性モーメント(以下「エンジン回転モーメント」という)及び回転角度であり、式(2)のIMAIN及びθMAINは、それぞれメインシャフト23(及びメインシャフト23と一体に回転する部品)の慣性モーメント(以下「変速機回転モーメント」という)及び回転角度である。
ねじれ要素が発生するトルクTTSNは回転角度θに比例するので、比例定数をkTSNとすると、外乱入力がトルクTTSNのみである場合、下記式(1)及び(2)の運動方程式が得られる。なお、クラッチ22は係合されていること(滑りはなし)を前提としている。式(1)のICRK及びθCRKは、それぞれクランク軸8(及びクランク軸8と一体に回転する部品)の慣性モーメント(以下「エンジン回転モーメント」という)及び回転角度であり、式(2)のIMAIN及びθMAINは、それぞれメインシャフト23(及びメインシャフト23と一体に回転する部品)の慣性モーメント(以下「変速機回転モーメント」という)及び回転角度である。
式(1)及び(2)の解は、下記式(3)及び(4)で表すことができる。
θCRK(t)=a1×sin(ωt+φ) (3)
θMAIN(t)=a2×sin(ωt+φ) (4)
θCRK(t)=a1×sin(ωt+φ) (3)
θMAIN(t)=a2×sin(ωt+φ) (4)
式(3)及び(4)をそれぞれ式(1)及び(2)に適用すると下記式(5)及び(6)が得られる。
−ICRK×a1×ω2×sin(ωt+φ)=TTSN (5)
−IMAIN×a2×ω2×sin(ωt+φ)=−TTSN (6)
−ICRK×a1×ω2×sin(ωt+φ)=TTSN (5)
−IMAIN×a2×ω2×sin(ωt+φ)=−TTSN (6)
式(5)及び(6)から下記式(7)で示される関係が得られる。
a1×ICRK=−a2×IMAIN (7)
a1×ICRK=−a2×IMAIN (7)
クランク角度位置センサ10により検出されるクランク回転角度θCRKOBS、及びレゾルバ26により検出される変速機回転角度θMAINOBSは、それぞれ下記式(8)及び(9)で与えられる。
θCRKOBS=θCRKE+θCRKTSN (8)
θMAINOBS=θMAINE+θMAINTSN (9)
θCRKOBS=θCRKE+θCRKTSN (8)
θMAINOBS=θMAINE+θMAINTSN (9)
ここで、θCRKE及びθMAINEは、それぞれエンジン1の出力トルクによるクランク回転角度及び変速機回転角度である(以下「エンジントルククランク回転角度θCRKE」及び「エンジントルク変速機回転角度θMAINE」という)。またθCRKTSN及びθMAINTSNは、それぞれねじれ要素21が発生するトルクTTSNによるクランク回転角度及び変速機回転角度である(以下「ねじれ要素トルククランク回転角度θCRKTSN」及び「ねじれ要素トルク変速機回転角度θMAINTSN」という)。
式(3)及び(4)を用いると、ねじれ要素トルククランク回転角度θCRKTSN及びねじれ要素トルク変速機回転角度θMAINTSNは、それぞれ下記式(10)及び(11)で示される。
θCRKTSN(t)=a1×sin(ωt+φ) (10)
θMAINTSN(t)=a2×sin(ωt+φ) (11)
θCRKTSN(t)=a1×sin(ωt+φ) (10)
θMAINTSN(t)=a2×sin(ωt+φ) (11)
式(10)及び(11)から下記式(12)が得られる。
θCRKTSN/θMAINTSN=a1/a2 (12)
式(12)に式(7)の関係を適用すると、下記式(13)が得られる。
θCRKTSN/θMAINTSN=−IMAIN/ICRK (13)
θCRKTSN/θMAINTSN=a1/a2 (12)
式(12)に式(7)の関係を適用すると、下記式(13)が得られる。
θCRKTSN/θMAINTSN=−IMAIN/ICRK (13)
一方、式(8)及び(9)を変形すると下記式(8a)及び(9a)が得られるので、これらの式を式(13)に適用することにより式(14)が得られる。
θCRKTSN=θCRKOBS−θCRKE (8a)
θMAINTSN=θMAINOBS−θMAINE (9a)
θCRKTSN=θCRKOBS−θCRKE (8a)
θMAINTSN=θMAINOBS−θMAINE (9a)
ここで、クランク軸8やメインシャフト23等の、ねじれ要素以外の回転運動要素のねじれ量が無視できる程度に小さいという近似を導入することにより、エンジントルククランク回転角度θCRKEは、エンジントルク変速機回転角度θMAINEとほぼ等しいと近似することができる(θCRKE≒θMAINE)。したがって、式(14)は下記式(14a)で近似できる。
式(14a)を変形することにより下記式(15)が得られ、式(15)を時間微分することにより、エンジントルククランク回転速度ωCRKEは、下記式(16)で与えられる。式(16)のωMAINEは、エンジントルク変速機回転速度であり、ωCRKOBS及びωMAINOBSは、それぞれ検出エンジン回転速度及び検出変速機回転速度である。
失火判定に適用すべき回転速度は、エンジントルククランク回転速度ωCRKEであり、以下の説明では、修正回転速度OMGという。また検出エンジン回転速度ωCRKOBS及び検出変速機回転速度ωMAINOBSは、以下の説明では、それぞれエンジン回転速度OMGCRK及び変速機回転速度OMGMAINという。これらのラベルを使用すると、式(16)は下記式(17)で表される。
さらに慣性モーメント比率KRIを下記式(18)で定義することにより、修正回転速度OMGは下記式(19)で与えられる。
KRI=ICRK/(ICRK+IMAIN) (18)
OMG=KRI×OMGCRK+(1−KRI)×OMGMAIN (19)
KRI=ICRK/(ICRK+IMAIN) (18)
OMG=KRI×OMGCRK+(1−KRI)×OMGMAIN (19)
式(19)により算出される修正回転速度OMGに基づいて失火判定を行うことにより、ねじれ要素21によるねじれの影響を除いて正確な判定を行うことができる。なお、上記説明は、変速機回転速度OMGMAINを通信バス40を介して取得することに起因する位相ずれ(以下「通信位相ずれ」という)がない状態に対応している。
次に図2を参照して、通信位相ずれの補正手法を説明する。
図2(a)は、ねじれ要素21が共振状態にあるときのエンジン回転速度OMGCRK及び変速機回転速度OMGMAINの推移を示し、実線L1がエンジン回転速度OMGCRKに対応し、破線L2が変速機回転速度OMGMAINに対応する。また破線L3及びL4は、変速機回転速度OMGMAINの位相が、エンジン回転速度OMGCRKの逆位相となる状態(両回転速度の相対位相が180度となる状態)を探索するために、変速機回転速度OMGMAINの相対位相CAOFTを変化させた状態を示している。また図2(b)は、相対位相CAOFTを変化させた場合における、エンジン回転速度OMGCRKの変化波形と、変速機回転速度OMGMAINの変化波形との相関係数KCORの変化を示している。
図2(a)は、ねじれ要素21が共振状態にあるときのエンジン回転速度OMGCRK及び変速機回転速度OMGMAINの推移を示し、実線L1がエンジン回転速度OMGCRKに対応し、破線L2が変速機回転速度OMGMAINに対応する。また破線L3及びL4は、変速機回転速度OMGMAINの位相が、エンジン回転速度OMGCRKの逆位相となる状態(両回転速度の相対位相が180度となる状態)を探索するために、変速機回転速度OMGMAINの相対位相CAOFTを変化させた状態を示している。また図2(b)は、相対位相CAOFTを変化させた場合における、エンジン回転速度OMGCRKの変化波形と、変速機回転速度OMGMAINの変化波形との相関係数KCORの変化を示している。
ねじれ要素21が共振状態にあるときは、エンジン回転速度OMGCRKの変化波形と、変速機回転速度OMGMAINの変化波形とが互いに逆位相となり、そのとき波形の相関係数KCORは「−1」に近い最小値KCORMINをとる。すなわち、図2(a)に示す破線L4が通信位相ずれがない状態に対応する。よって破線L4で示される変化波形を選択することにより、上述した修正回転速度OMGを正確に算出することができる。具体的には、取得された変速機回転速度OMGMAINの位相を図2(a)に示す「CAMIN」だけ進角させる補正を行うことにより、通信位相ずれのない変速機回転速度OMGMAINが得られる。以下の説明では「CAMIN」を「最小相関位相差」という。
相対位相CAOFTをさらに増加させると、相関係数KCORは増加し、エンジン回転速度OMGCRKの変化波形と、変速機回転速度OMGMAINの変化波形とが同位相であるときは、相関係数KCORは「1」に近い最大値KCORMAXをとる。ねじれ要素21が共振状態にないとき(非共振状態であるとき)は、ねじれ要素21の影響は共振状態にあるときに比べて小さくなり、エンジン回転速度OMGCRKの変化波形と、変速機回転速度OMGMAINの変化波形とが同位相となる。そこで本実施形態では、ねじれ要素21が非共振状態であるときは、相関係数KCORが最大となる相対位相(以下「最大相関位相差」という)CAMAXを求め(図2(b)参照)、最大相関位相差CAMAXを用いて変速機回転速度OMGMAINの進角補正を行う。
なお、ねじれ要素21が非共振状態であるときは、図2(a)に示すような顕著な振動波形とはならないので、算出される相関係数KCORの最大値KORMAXは、図2(b)に示す値より小さくなる。
ねじれ要素21が共振状態にあるときは、ねじれ要素21が発生するトルクTTSNが大きくなり、しかも共振状態ではねじれ要素21からそのエンジン側に入力されるトルクと、変速機側に入力されるトルクとが逆位相になる。またトルクTTSNの絶対値が大きいため、他のトルク変動成分が相対的に小さくなり無視できる。したがって、ねじれ要素21が共振状態にあるときは、エンジン回転速度OMGCRKの変化波形と、変速機回転速度OMGMAINの変化波形とが逆位相となる。
図3は、CRKセンサにより検出される時間パラメータCRMEと、MOTECU30から通信バス40を介して取得される変速機回転速度OMGMAINとに基づいて、上述したねじれ要素及び通信位相ずれの影響を排除した修正回転速度OMGを算出する処理のフローチャートである。この処理は、ENGECU5のCPUでTDCパルスの発生に同期して実行される。なお、クランク角度6度毎に発生するCRKパルスの発生時間間隔である時間パラメータCRME(i)は、クランク角度1440度分のデータ(i=0〜240)及び点火時期IGLOGに応じた補正を行うための点火時期インデクスIGOFSTに対応するためのデータが、記憶回路内のバッファメモリに格納され、さらにクランク角度6度毎に検出される変速機回転速度OMGMAIN(i)もクランク角度1440度分のデータ及び上記位相補正に対応するためのデータが記憶回路内のバッファメモリに格納されている。点火時期IGLOGに応じた補正は、図4に示す失火判定処理で実行される。
図3のステップS11では、演算に必要なデータを取得する。その際、時間パラメータCRME(i)を下記式(20)を用いてエンジン回転速度OMGCRK(i)に変換する。
OMGCRK(i)=Dθ/CRME(i) (20)
ここで、Dθは、時間パラメータCRMEを計測する角度間隔であり、本実施形態では、π/30[rad](6deg)である。
OMGCRK(i)=Dθ/CRME(i) (20)
ここで、Dθは、時間パラメータCRMEを計測する角度間隔であり、本実施形態では、π/30[rad](6deg)である。
ステップS12ではノイズ成分を除去するためのローパスフィルタ処理を行う。ステップS13では、スリップフラグFSLIPが「1」であるか否かを判別する。スリップフラグFSLIPは、クラッチ22が所定滑り状態にあるとき「1」に設定される。より具体的には、エンジン回転速度OMGCRKと変速機回転速度OMGMAINの差分値DOMG(=OMGCRK−OMGMAIN)を積算することにより、差分積算値IDOMGを算出し、差分積算値IDOMGが所定滑り判定閾値IDOMGTHを超えると、クラッチ22は所定滑り状態にあると判定される。
ステップS13の答が肯定(YES)であるときは、位相補正値nCACRを「0」に設定する。位相補正値nCACRは、変速機回転速度OMGMAINの進角補正を行うための補正値である。
ステップS13の答が否定(NO)であって、クラッチ22が所定滑り状態でないときは、高演算負荷フラグFCLHが「1」であるか否かを判別する(ステップS14)。高演算負荷フラグFCLHは、ENGECU5のCPUの演算負荷が所定負荷閾値より大きい高演算負荷状態であるとき「1」に設定される。CPUの演算負荷を示すパラメータとしては、例えばエンジン回転速度OMGCRKが使用される。エンジン回転速度OMGCRKが増加すると単位時間当たりの演算量が増加するためである。
ステップS14の答が否定(NO)であるときは直ちにステップS16に進み、ステップS14の答が肯定(YES)であるときは、演算負荷を軽減するための間引き処理を行う。具体的には、最小相関位相差CAMINまたは最大相関位相差CAMAXの探索における増分値nINCを増加させる。本実施形態では、クランク角6度毎に回転速度データが検出されるので、通常は増分値nINCを「1」に設定し、クランク角6度毎に変速機回転速度OMGMAIN(i)の位相を変化させて相関係数演算を行うが、間引きを行うときは増分値nINCを「2」に設定し、クランク角12度毎に変速機回転速度OMGMAIN(i)の位相を変化させて相関係数演算を行う。
ステップS16では、周知の相関係数演算式(下記式(21)〜(23))を用いて、相関係数KCORを算出する。式(21)及び(22)のOMGCKAV及びOMGMNAVはそれぞれエンジン回転速度OMGCRK及び変速機回転速度OMGMAINの対象データの平均値であり、式(22)のnCADETは、最小相関位相差CAMINまたは最大相関位相差CAMAXの探索のために変更される探索パラメータであり(初期値は「0」)、式(23)のNは、演算に適用するデータ数である。本実施形態では、クランク角720度分のデータを適用するので、Nは「120」である。
DOMGCRK(i)=OMGCRK(i)−OMGCKAV (21)
DOMGMAIN(i+nCADET)=OMGMAIN(i+nCADET)−OMGMNAV (22)
DOMGCRK(i)=OMGCRK(i)−OMGCKAV (21)
DOMGMAIN(i+nCADET)=OMGMAIN(i+nCADET)−OMGMNAV (22)
すなわちステップS16では、取得データを式(21)及び(22)に適用して、平均値からの偏差量DOMGCRK(i)及びDOMGMAIN(i+nCADET)を算出し、偏差量DOMGCRK(i)及びDOMGMAIN(i+nCADET)を式(23)に適用して、相関係数KCORを算出する。
ステップS17では、共振状態フラグFRSNが「1」であるか否かを判別する。共振状態フラグFRSNは、変速機回転速度OMGMAINの変動振幅WMAIN(最小値と最大値との差)が所定判定閾値WMAINTHを超えると、ねじれ要素21が共振状態にあると判定され、「1」に設定される。
ステップS17の答が肯定(YES)であってねじれ要素21が共振状態にあるときは、上述した最小相関位相差CAMINを探索する処理を行う。具体的には、探索パラメータnCADETを増分値nINC(「1」または「2」)だけ増加させて、ステップS20を経由してステップS16に戻る処理を繰り返し、相関係数KCORが増加したときに探索完了と判定し(ステップS20)、位相補正値nCACRを探索パラメータnCADETの前回値nCADETZに設定する(ステップS21)。
一方ステップS17の答が否定(NO)であって、ねじれ要素21が非共振状態にあるときは、上述した最大相関位相差CAMAXを探索する処理を行う。具体的には、探索パラメータnCADETを増分値nINC(「1」または「2」)だけ増加させて、ステップS20を経由してステップS16に戻る処理を繰り返し、相関係数KCORが減少したときに探索完了と判定し(ステップS20)、位相補正値nCACRを探索パラメータnCADETの前回値nCADETZに設定する(ステップS21)。
ステップS23では、修正回転速度OMG(i)を算出する。具体的には、エンジン回転速度OMGCRK(i)を下記式(24)に適用して、修正回転速度OMG(i)を算出する。式(24)は前記式(19)に位相補正された変速機回転速度OMGMAIN(i+nCACR)を適用した式である。
OMG(i)=KRI×OMGCRK(i)
+(1−KRI)×OMGMAIN(i+nCACR) (24)
OMG(i)=KRI×OMGCRK(i)
+(1−KRI)×OMGMAIN(i+nCACR) (24)
図3の処理によれば、エンジン回転速度OMGCRKと、通信により取得された変速機回転速度OMGMAINとの、通信に起因する位相差が補正される。すなわち、取得されたエンジン回転速度OMGCRKと変速機回転速度OMGMAINの相関係数KCORが算出され、ねじれ要素21が共振状態にあるときに、相関係数KCORが最小となる最小相関位相差CAMINの探索が行われる一方、ねじれ要素21が非共振状態にあるときに、相関係数KCORが最大となる最大相関位相差CAMAXの探索が行われ、その探索結果から位相補正値nCACRが算出され、位相補正値nCACRを用いて変速機回転速度OMGMAINの位相補正が行われる。ねじれ要素21が共振状態にあるときは、エンジン回転速度OMGCRKの変化波形と変速機回転速度OMGMAINの変化波形とが逆位相となるので、相関係数KCORが最小となる最小相関位相差CAMINの探索結果を用いて補正を行うことにより、通信位相ずれを比較的簡便な演算処理によって解消できる。
また、変速機回転速度OMGMAINの変動振幅WMAINが所定判定閾値WMAINTHを超えると、ねじれ要素21が共振状態にあると判定される(ステップS17)。ねじれ要素21が共振状態にあるときは、ねじれ要素21の入力側及び出力側の何れにおいても速度変動振幅が増加するので、変動振幅WMAINを所定判定閾値WMAINTHと比較することによって、ねじれ要素21の共振状態を判定することができる。なお、エンジン回転速度OMGCRKの変動振幅WCRKが所定判定閾値WCRKTHを超えたときに、ねじれ要素21が共振状態にあると判定するようにしてもよい。
またENGECU5のCPUの演算負荷が所定負荷閾値を超えたときは、増分値nINCが「1」から「2」に変更されるので、最小相関位相差CAMIN及び最大相関位相差CAMAXの探索するための繰り返し演算の回数が減少し、演算負荷を軽減することができる。
またクラッチ22が所定滑り状態にあると判定されたときは、変速機回転速度OMGMAINの位相補正が行われない(ステップS13)。クラッチ22が所定滑り状態にあるときは、変速機回転速度OMGMAINがエンジン回転速度OMGCRKより小さくなるため、相関係数KCORの算出精度が低下する。したがって、位相補正を停止することにより、補正による弊害を回避することができる。またエンジン回転速度OMGCRKと変速機回転速度OMGMAINの差分値DOMG(=OMGCRK−OMGMAIN)を積算することにより、差分積算値IDOMGが算出され、差分積算値IDOMGが所定滑り判定閾値IDOMGTHを超えると、クラッチ22が所定滑り状態にあると判定されるので、相関係数KCORの算出精度が低下する状態を正確に判定することができる。
図4及び図5は、図3の処理により算出される修正回転速度OMG(i)に基づく失火判定処理のフローチャートである。この処理は、ENGECU5のCPUでTDCパルスの発生に同期して実行される。
点火順の気筒識別番号をk(=1〜6)とし、1TDC期間内のデータ数をNTDC(本実施形態ではNTDC=20)とすると、本処理の1回の実行で、インデクスパラメータiが(k−1)NTDCから(kNTDC−1)までの演算、または{(k−1)NTDC+120}から{(kNTDC−1)+120}までの演算が行われる。例えば今回の処理が1番目の気筒(k=1)に対応する演算を行うときは、インデクスパラメータiは0から19までの値、または120から139までの値をとり、今回の処理が3番目の気筒(k=3)に対応する演算を行うときは、インデクスパラメータiは40から59までの値、または160から179までの値をとる。
ステップS31では、対象気筒のピストンが圧縮上死点にあるときの修正回転速度OMGを、上死点回転速度OMGTDCとする。具体的には、上死点回転速度OMGTDCは、OMG{(k-1)NTDC}またはOMG{(k-1)NTDC+120}に設定される。
ステップS32では、クランク角度720度の期間における修正回転速度OMG(i)の変化量(以下「第1変化量」という)DELTAOMGTDCAを下記式(31)により算出する。第1変化量DELTAOMGTDCAは、図6に示すようにクランク角1440度分のデータの中心に位置する720度の期間における速度変化量として算出される。
DELTAOMGTDCA=OMG(180)−OMG(60) (31)
DELTAOMGTDCA=OMG(180)−OMG(60) (31)
ステップS33では、クランク角度1440度の期間における修正回転速度OMG(i)の変化量(以下「第2変化量」という)DELTAOMGTDCBを下記式(32)により算出する(図6参照)。
DELTAOMGTDCB=OMG(240)−OMG(0) (32)
DELTAOMGTDCB=OMG(240)−OMG(0) (32)
ステップS34では、上死点回転速度OMGTDCを下記式(33)に適用し、慣性力回転速度OMGI(i)を算出する。慣性力回転速度OMGI(i)は、エンジン1が回転することにより必然的に発生する速度変化成分を示すパラメータであり、エンジン1の往復運動部品(ピストン及びコンロッド)の質量、コンロッドの長さ、クランク半径、及びクランクプーリ、トルクコンバータ、ロックアップクラッチなどのエンジン1の負荷側の回転部品の慣性モーメントIに応じて算出される。式(33)のKは所定の値に設定される定数であり、慣性モーメントIはエンジンの仕様にしたがって予め算出される。FCR(i)は、外乱の影響を排除するための燃焼相関関数であり、本実施形態では、下記式(34)で与えられる。なお、慣性力回転速度OMGI(i)の詳細な算出手法は、上記特開2007−198368号公報に示されている。式(5)の「N」は気筒数であり、本実施形態では「6」である。
OMGI(i)=K×OMGTDC×(−2)×FCR(i)/3I (33)
FCR(i)={1−cos(N・Dθ・i/2)}/2 (34)
OMGI(i)=K×OMGTDC×(−2)×FCR(i)/3I (33)
FCR(i)={1−cos(N・Dθ・i/2)}/2 (34)
ステップS35では、点火時期IGLOG(圧縮上死点に対応するクランク角度位置からの進角量で定義される)に応じて図7に示すIGOFSTテーブルを検索し、点火時期インデクスIGOFSTを算出する。IGOFSTテーブルは、点火時期IGLOGが遅角されるほど(遅角量が増加するほど)、点火時期インデクスIGOFSTが増加するように設定されている。
ステップS36では、下記式(35)により720度フィルタ処理を実行するとともに、慣性力回転速度OMGI(i)の影響を相殺し、第1補正回転速度OMGMA(i+IGOFST)を算出する。720度フィルタ処理は、1サイクルの期間における線形変化分をキャンセルし、比較的周期の短い変動を抽出する処理である。720度フィルタ処理は、エンジン1の負荷側からエンジン1に加わるトルク(エンジン1により駆動される車両のタイヤや補機から加わるトルク、あるいはエンジン1の摺動部品の摩擦によるトルクなど)に起因する回転変動成分を除くために行うものである。なお、インデクスパラメータiが120以上であるときは、下記式(6a)により、第1補正回転速度OMGMA(i+IGOFST)を算出する。
OMGMA(i+IGOFST)=OMG(i+IGOFST)
−DELTAOMGTDCA×Dθ×i/4π
−OMGI(i) (35)
OMGMA(i+IGOFST)=OMG(i+IGOFST)
−DELTAOMGTDCA×Dθ×(i−120)/4π
−OMGI(i) (35a)
OMGMA(i+IGOFST)=OMG(i+IGOFST)
−DELTAOMGTDCA×Dθ×i/4π
−OMGI(i) (35)
OMGMA(i+IGOFST)=OMG(i+IGOFST)
−DELTAOMGTDCA×Dθ×(i−120)/4π
−OMGI(i) (35a)
ステップS37では、下記式(36)により1440度フィルタ処理を実行するとともに、慣性力回転速度OMGI(i)の影響を相殺し、第2補正回転速度OMGMB(i+IGOFST)を算出する。第2補正回転速度OMGMB(i+IGOFST)は、後述するようにエンジン1の冷間始動直後の暖機アイドル運転状態における失火判定に適用される。
OMGMB(i+IGOFST)=OMG(i+IGOFST)
−DELTAOMGTDCB×Dθ×i/8π
−OMGI(i) (36)
OMGMB(i+IGOFST)=OMG(i+IGOFST)
−DELTAOMGTDCB×Dθ×i/8π
−OMGI(i) (36)
ステップS38では、下記式(37)により、第1相対回転速度OMGREFA(i+IGOFST)を算出する。
OMGREFA(i+IGOFST)=OMGMA(i+IGOFST)−OMGMATDC (37)
ここで、OMGMATDCは第1基準回転速度であり、判定対象の気筒のピストンが圧縮上死点(燃焼行程が開始される上死点)近傍に位置する基準時期(=(k−1)NTDC+IGOFSTまたは(k−1)NTDC+120+IGOFST)における第1補正回転速度に相当する。
OMGREFA(i+IGOFST)=OMGMA(i+IGOFST)−OMGMATDC (37)
ここで、OMGMATDCは第1基準回転速度であり、判定対象の気筒のピストンが圧縮上死点(燃焼行程が開始される上死点)近傍に位置する基準時期(=(k−1)NTDC+IGOFSTまたは(k−1)NTDC+120+IGOFST)における第1補正回転速度に相当する。
ステップS39では、下記式(38)により、第2相対回転速度OMGREFB(i+IGOFST)を算出する。
OMGREFB(i+IGOFST)=OMGMB(i+IGOFST)−OMGMBTDC (38)
ここで、OMGMBTDCは第2基準回転速度であり、判定対象の気筒のピストンが圧縮上死点(燃焼行程が開始される上死点)近傍に位置する基準時期(=(k−1)NTDC+IGOFSTまたは(k−1)NTDC+120+IGOFST)における第2補正回転速度に相当する。
OMGREFB(i+IGOFST)=OMGMB(i+IGOFST)−OMGMBTDC (38)
ここで、OMGMBTDCは第2基準回転速度であり、判定対象の気筒のピストンが圧縮上死点(燃焼行程が開始される上死点)近傍に位置する基準時期(=(k−1)NTDC+IGOFSTまたは(k−1)NTDC+120+IGOFST)における第2補正回転速度に相当する。
ステップS40では、ステップS38で算出した第1相対回転速度OMGREFMA(i+IGOFST)及び燃焼相関関数FCR(i)(式(34))を下記式(39)に適用し、第1修正相対回転速度OMGREFMA(i+IGOFST)を算出する。
OMGREFMA(i+IGOFST)=OMGREFA(i+IGOFST)×FCR(i) (39)
OMGREFMA(i+IGOFST)=OMGREFA(i+IGOFST)×FCR(i) (39)
ステップS41では、ステップS39で算出した第2相対回転速度OMGREFMB(i+IGOFST)及び燃焼相関関数FCR(i)を下記式(40)に適用し、第2修正相対回転速度OMGREFMB(i+IGOFST)を算出する。
OMGREFMB(i+IGOFST)=OMGREFB(i+IGOFST)×FCR(i) (40)
OMGREFMB(i+IGOFST)=OMGREFB(i+IGOFST)×FCR(i) (40)
ステップS42では、下記式(41)または式(41a)に第1修正相対回転速度OMGREFMA(i+IGOFST)を適用し、第1判定パラメータMFPARAMA(k)を算出する。式(41)及び式(41a)により、失火判定対象気筒の積算期間中に検出された修正回転速度OMG(i+IGOFST)に対応する第1修正相対回転速度OMGREFMA(i+IGOFST)を積算する演算が行われる。式(41a)は、インデクスパラメータiが120以上の値をとるときに使用される。
ステップS43では、下記式(42)または式(42a)に第2修正相対回転速度OMGREFMB(i+IGOFST)を適用し、第2判定パラメータMFPARAMB(k)を算出する。式(42)及び式(42a)により、失火判定対象気筒の積算期間中に検出された修正回転速度OMG(i+IGOFST)に対応する第2修正相対回転速度OMGREFMB(i+IGOFST)を積算する演算が行われる。式(42a)は、インデクスパラメータiが120以上の値をとるときに使用される。
続くステップS51(図5)では、第1判定パラメータMFPARAMA(k)が第1判定閾値MFJUDA(例えば「0」)より大きいか否かを判別する。この答が肯定(YES)であるときは、正常燃焼が行われたと判定し、失火フラグFMF(k)を「0」に設定する(ステップS55)。一方、第1判定パラメータMFPARAMA(k)≦MFJUDAであるときは、暖機運転フラグFCSTAが「1」であるか否かを判別する(ステップS52)。暖機運転フラグFCSTAは、エンジン1が冷間始動直後における暖機アイドル運転状態にあるとき「1」に設定される。
ステップS52でFCSTA=0であってエンジン1が暖機アイドル運転状態にないときは、気筒識別番号kに対応する気筒(本実施形態では、k=1,2,3,4,5,及び6が、それぞれ#1気筒、#5気筒、#3気筒、#6気筒、#2気筒、及び#4気筒に対応する)で失火が発生したと判定し、失火フラグFMF(k)を「1」に設定する(ステップS54)。
ステップS52でFCSTA=1であってエンジン1が暖機アイドル運転状態にあるときは、第2判定パラメータMFPARAMB(k)が第2判定閾値MFJUDBより大きいか否かを判別する(ステップS53)。第2判定閾値MFJUDBは、第1判定閾値MFJUDAより小さな値に設定される。ステップS53の答が肯定(YES)であるときは正常燃焼または不整燃焼が行われたと判定し、前記ステップS55に進む。一方、MFPARAMB(k)≦MFJUDBであるときは、気筒識別番号kに対応する気筒で失火が発生したとき判定し、前記ステップS54に進む。
ステップS56では、気筒識別番号kが気筒数Nと等しいか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、気筒識別番号kを「1」だけインクリメントする(ステップS58)。またk=Nであるときは、気筒識別番号kを「1」に戻す(ステップS57)。
また図4及び図5の処理によれば、通信位相ずれが補正されたエンジン回転速度OMGCRK及び変速機回転速度OGMMAINを用いて算出される修正回転速度OGMを用いて失火判定が行われるので、失火判定精度を高めることができる。
具体的には720度フィルタ処理により、第1補正回転速度OMGMAが算出され、第1補正回転速度OMGMAと、基準時期における第1補正回転速度に相当する第1基準回転速度OMGMATDCとの差として第1相対回転速度OMGREFAが算出される。そして、第1相対回転速度OMGREFAに燃焼相関関数FCRを乗算することにより、第1修正相対回転速度OMGREFMAが算出され、第1修正相対回転速度OMGREFMAを積算期間TINTGについて積算することにより、第1判定パラメータMFPARAMA(k)が算出され、第1判定パラメータMFPARAMAと第1判定閾値MFJUDAとの比較結果に応じた失火判定が行われる。さらに基準時期及び積算期間TINTGの開始時期について点火時期依存補正が行われるので、点火時期IGLOGが遅角方向に変更されたときに、失火発生時の第1判定パラメータMFPARAMAの値が正常燃焼時の値に近づくことが防止され、点火時期に拘わらずに正確な判定を行うことが可能となる。しかも、ねじれ要素21の影響を考慮して算出される修正回転速度OMGを用いることにより、ねじれ要素21の影響を除去して正確な判定を行うことができる。
また1440度フィルタ処理により第2補正回転速度OMGMBが算出され、第2補正回転速度OMGMBと第2基準回転速度OMGMBTDCとの差として第2相対回転速度OMGREFBが算出される。さらに第2相対回転速度OMGREFBに燃焼相関関数FCRを乗算することにより、第2修正相対回転速度OMGREFMBが算出され、第2修正相対回転速度OMGREFMB(i+IGOFST)を積算期間TINTGについて積算することにより、第2判定パラメータMFPARAMB(k)が算出される。
そして第1判定パラメータMFPARAMA(k)により失火発生の可能性が高いと判定され、かつエンジン1が冷間始動直後における暖機アイドル運転状態にあるときは、第2判定パラメータMFPARAMB(k)により失火判定が行われる。クランク角720度の期間より長いクランク角1440度の期間における第2変化量DELTAOMGTDCBを用いて算出される平均変化量(DELTAOMGTDCB/8π)は、突発的な不整燃焼の影響を受けにくくなるため、第2補正回転速度OMGMBは、突発的に不整燃焼が発生した気筒以外の気筒については、その不整燃焼の影響を受け難くなる。したがって、第2判定パラメータMFPARAMBを用いることにより、不整燃焼が発生し易い暖機アイドル運転状態において不整燃焼と区別して失火を正確に判定することができる。また暖機アイドル運転状態以外の運転状態では、通常のクランク角720度の期間における第1変化量DELTAOMGTDCAを用いて算出される平均変化量(DELTAOMGTDCA/4π)に応じて補正された第1補正回転速度OMGMA(i+IGOFST)に基づく第1判定パラメータMFPARAMAを用いて判定を行うことにより、例えばエンジン1の過渡運転状態においても正確な失火判定を行うことができる。
本実施形態では、クラッチ22が滑り要素に相当し、レゾルバ26及びENGECU5が出力側回転速度パラメータ検出手段を構成し、クランク角度位置センサ10及びENGECU5が入力側回転速度パラメータ検出手段を構成し、ENGECU5が、パラメータ取得手段、位相差補正手段、相関係数算出手段、共振状態判定手段、最小相関位相差算出手段、最大相関位相差算出手段、演算負荷監視手段、滑り判定手段、失火判定手段、修正手段、回転速度補正手段、相対速度パラメータ算出手段、判定パラメータ算出手段を構成する。具体的には、図3のステップS11がパラメータ取得手段に相当し、ステップS21及びS23が位相差補正手段に相当し、ステップS16及びS17がそれぞれ相関係数算出手段及び共振状態判定手段に相当し、ステップS18及びS19がそれぞれ最小相関位相差算出手段及び最大相関位相差算出手段に相当し、ステップS13及びS14がそれぞれ滑り判定手段及び演算負荷監視手段に相当する。また図3のステップS23並びに図4及び5に示す処理が失火判定手段に相当し、図3のステップS23が修正手段に相当し、図4のステップS32,S33,S36,及びS37が回転速度補正手段に相当し、ステップS38及びS39が相対速度パラメータ算出手段に相当し、ステップS42及びS43が判定パラメータ算出手段に相当する。
図8は、式(25)により検出エンジン回転速度OMGCRKを修正することによる効果を説明するためのタイムチャートであり、この図は上述した実施形態とは異なり、4気筒エンジンの#1気筒及び#3気筒で失火が発生している状態における実測データを示す。図8(a)及び(b)は、それぞれ検出エンジン回転速度OMGCRK及び修正回転速度OMGの推移を示し、各図の上部に示す数字は、気筒番号であって、各気筒の燃焼行程に対応する。図8(a)の曲線L11,L12,L13は、それぞれ異なる車速VP1,VP2,VP3に対応し、VP1<VP2<VP3なる関係を有する。また図8(b)に示す曲線L21,L22,L23は、それぞれ曲線L11〜L13に対応する修正回転速度の推移を示す。
曲線L12及びL13に示す特性では、失火気筒(#1,#3)で、回転速度OMGCRKが減少する傾向があり、失火判定が行える可能性があるが、曲線L11に示す特性では、失火気筒#3で回転速度OMGCRKが増加し、正常燃焼気筒#2で減少するため、正確な失火判定を行うことはできない。
これに対し修正回転速度OMGは、曲線L21〜L23のすべての特性において失火気筒で減少するので、正確な失火判定が可能となる。
[変形例1]
図3に示す処理は、図9に示すように変形してもよい。図9の処理は、図3のステップS19を削除し、ステップS17の答が否定(NO)、すなわちねじれ要素21が非共振状態であるときは、ステップS22に進んで、位相補正値nCACRを「0」に設定するようにしたものである。
ねじれ要素21が非共振状態であるときは、ねじれ要素21による悪影響はほとんど無視できるため、変速機回転速度OMGMAINの位相補正を行わなくても、失火判定精度を維持することができる。
図3に示す処理は、図9に示すように変形してもよい。図9の処理は、図3のステップS19を削除し、ステップS17の答が否定(NO)、すなわちねじれ要素21が非共振状態であるときは、ステップS22に進んで、位相補正値nCACRを「0」に設定するようにしたものである。
ねじれ要素21が非共振状態であるときは、ねじれ要素21による悪影響はほとんど無視できるため、変速機回転速度OMGMAINの位相補正を行わなくても、失火判定精度を維持することができる。
なお、ねじれ要素21が非共振状態であるときは、修正回転速度OMGを元のエンジン回転速度OMGCRKそのものに設定する(式(24)のKRIを「1」に設定する)ようにしてもよい。
[変形例2]
図5に示す処理は、図11に示すように変形してもよい。図11においては、先ず暖機運転フラグFCSTAが「1」であるか否かを判別し(ステップS52)、FCSTA=0であるときは、第1判定パラメータMFPARAMA(k)による判定を行い(ステップS51)、FCSTA=1であるときは、第2判定パラメータMFPARAMB(k)による判定を行う(ステップS53)。
図5に示す処理は、図11に示すように変形してもよい。図11においては、先ず暖機運転フラグFCSTAが「1」であるか否かを判別し(ステップS52)、FCSTA=0であるときは、第1判定パラメータMFPARAMA(k)による判定を行い(ステップS51)、FCSTA=1であるときは、第2判定パラメータMFPARAMB(k)による判定を行う(ステップS53)。
[第2の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態における通信位相ずれの補正手法を、エンジン1のクランク軸8(メインシャフト23)の制振制御(以下「出力軸制振制御」という)に適用したものである。以下に説明する点以外は、第1の実施形態と同一である。
本実施形態は、第1の実施形態における通信位相ずれの補正手法を、エンジン1のクランク軸8(メインシャフト23)の制振制御(以下「出力軸制振制御」という)に適用したものである。以下に説明する点以外は、第1の実施形態と同一である。
図11は、出力軸制振制御を行う処理のフローチャートであり、この処理はENGECU5のCPUで図3の処理と同様に実行される。図11のステップS11〜S22は、図3の処理と同一である。
ステップS61では、制振制御サブルーチンを実行する。制振制御サブルーチンでは、エンジン回転速度OMGCRK(i)を用いてエンジン出力軸トルクTRQCRK(i)を算出するとともに、位相補正された変速機回転速度OMGMAIN(i+nCACR)を用いてメインシャフトトルクTRQMAIN(i)を算出し、エンジン出力軸トルクTRQCRK(i)とメインシャフトトルクTRQMAIN(i)の合計トルクTRQT(i)(=TRQCRK(i)+TRQMAIN(i))が「0」となるように、点火時期IGLOGを制御する。
エンジン出力トルクの変動と、変速機24側からクランク軸8に加わるトルクの変動との相対位相に通信位相ずれ(通信遅れ)が含まれていると、有効な制振制御を行うことができないので、位相補正された変速機回転速度OMGMAIN(i+nCACR)を用いることにより、制振制御による制振効果を高めることができる。その結果、例えばエンジン1の急加速時における不快な振動を抑制することができる。本実施形態では、図11のステップS61が機関出力制御手段に相当する。
[変形例]
上述した実施形態では、合計トルクTRQTが「0」となるようにエンジン1の点火時期IGLOGのみを制御したが、これに代えてモータ25の出力トルク制御のみによって合計トルクTRQTが「0」となるように制御してもよい。また点火時期IGLOGの制御及びモータ出力トルク制御をともに実行するようにしてもよい。なお、モータ出力制御はMOTECU30で実行されるため、例えば合計トルクTRQTが通信バス40を介してENGECU5からMOTECU30に供給される。
また、本実施形態においても第1の実施形態の変形例1と同様の変形が可能である。
本変形例では、MOTECU30がモータ出力制御手段を構成する。
上述した実施形態では、合計トルクTRQTが「0」となるようにエンジン1の点火時期IGLOGのみを制御したが、これに代えてモータ25の出力トルク制御のみによって合計トルクTRQTが「0」となるように制御してもよい。また点火時期IGLOGの制御及びモータ出力トルク制御をともに実行するようにしてもよい。なお、モータ出力制御はMOTECU30で実行されるため、例えば合計トルクTRQTが通信バス40を介してENGECU5からMOTECU30に供給される。
また、本実施形態においても第1の実施形態の変形例1と同様の変形が可能である。
本変形例では、MOTECU30がモータ出力制御手段を構成する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、変速機回転速度OGMMAINを通信によって取得する例を示したが、変速機回転速度OGMMAINではなくエンジン回転速度OMGCRKを通信によって取得する場合にも本発明を適用することが可能であり、また本発明は、変速機回転速度OGMMAIN及びエンジン回転速度OMGCRKの双方を通信によって取得する場合にも適用可能である。
また上述した実施形態では、位相補正値nCACRを用いて変速機回転速度OMGMAINを進角補正するようにしたが、これに代えてエンジン回転速度OMGCRKを近く補正するようにしてもよい。すなわち、通信位相ずれを解消するように何れか一方の回転速度を補正すればよい。
また上述した実施形態では、変速機回転速度OMGMAINの変動振幅WMAINが所定判定閾値WMAINTHを超えたとき、またはエンジン回転速度OMGCRKの変動振幅WCRKが所定判定閾値WCRKTHを超えたときに、ねじれ要素21が共振状態にあると判定するようにしたが、以下のような手法により共振状態を判定してもよい。すなわち、取得された変速機回転速度OMGMAINとエンジン回転速度OMGCRKの相対位相を変化させて相関係数KCORの変動振幅WKCORを算出し、算出される相関係数変動振幅WKCORが所定係数振幅値WKCORTHを超えるとき、ねじれ要素21が共振状態にあると判定するようにしてもよい。
また上述した第1の実施形態では、時間パラメータCRMEをエンジン回転速度OMGCRKに変換して失火判定を行うようにしたが、特開2007−198368号公報に示されるように時間パラメータCRMEそのものをエンジン回転速度パラメータとして用いて失火判定を行うようにしてもよい。変速機回転速度OMGMAINについても同様であり、変速機回転速度OMGMAINの逆数に比例する時間パラメータを変速機回転速度パラメータとして用いて、修正エンジン回転速度パラメータを算出するようにしてもよい。
また上述した実施形態では、レゾルバ26により変速機回転速度OMGMAINを検出するようにしたが、メインシャフト23の回転速度を検出するセンサを別に設けても良い。
また上述した第1の実施形態では、エンジン1の冷間始動直後の暖機アイドル運転状態において、第2判定パラメータMFPARAMBを用いた判定を行うようにしたが、エンジン1のアイドル運転状態において空燃比を理論空燃比よりリーン側に設定するリーンバーン運転を行っている運転状態で、第2判定パラメータMFPARAMBを用いた判定を行うようにしてもよい。
また上述した第1の実施形態では、相対回転速度OMGREFA,OMGREFBを燃焼相関関数FCRにより修正した修正相対回転速度OMGREFMA,OMGREFMBを積算して判定パラメータMFPARAMA,MFPARAMBを算出したが、燃焼相関関数FCRによる修正を行っていない相対回転速度OMGREFA,OMGREFBを積算して判定パラメータMFPARAMA,MFPARAMBを算出するようにしてもよい。その場合には、慣性力回転速度OMGI(i)を算出する式(33)のFCR(i)を一定値(例えば「1」)に設定する。
また上述した実施形態では、内燃機関及びモータを動力源として備える車両の制御装置に本発明を適用した例を示したが、本発明は内燃機関のみを動力源として備える車両の制御装置にも適用可能である。また上述した実施形態では、6気筒エンジンに本願発明を適用した例を示したが、本発明は気筒数に拘わらず適用可能である。また、本発明の失火判定手法は、燃料を燃焼室内に直接噴射するガソリンエンジンの失火判定にも適用可能である。
1 内燃機関
5 エンジン制御用電子制御ユニット(パラメータ取得手段、位相差補正手段、相関係数算出手段、共振状態判定手段、最小相関位相差算出手段、最大相関位相差算出手段、演算負荷監視手段、滑り判定手段、失火判定手段、修正手段、回転速度補正手段、相対速度パラメータ算出手段、判定パラメータ算出手段、エンジン出力制御手段)
10 クランク角度位置センサ(入力側回転速度パラメータ検出手段)
21 ねじれ要素
22 クラッチ(滑り要素)
26 レゾルバ(出力側回転速度パラメータ検出手段)
30 モータ制御用電子制御ユニット(モータ出力制御手段)
40 通信バス
5 エンジン制御用電子制御ユニット(パラメータ取得手段、位相差補正手段、相関係数算出手段、共振状態判定手段、最小相関位相差算出手段、最大相関位相差算出手段、演算負荷監視手段、滑り判定手段、失火判定手段、修正手段、回転速度補正手段、相対速度パラメータ算出手段、判定パラメータ算出手段、エンジン出力制御手段)
10 クランク角度位置センサ(入力側回転速度パラメータ検出手段)
21 ねじれ要素
22 クラッチ(滑り要素)
26 レゾルバ(出力側回転速度パラメータ検出手段)
30 モータ制御用電子制御ユニット(モータ出力制御手段)
40 通信バス
Claims (10)
- 出力軸がねじれ要素を介して動力伝達機構の入力軸に接続されている内燃機関を動力源として備える車両の制御装置において、
前記機関の出力軸の回転速度を示す入力側回転速度パラメータを検出する入力側回転速度パラメータ検出手段と、
前記動力伝達機構の入力軸の回転速度を示す出力側回転速度パラメータを検出する出力側回転速度パラメータ検出手段と、
検出される入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータの少なくとも一方を通信によって取得するパラメータ取得手段と、
取得された入力側回転速度パラメータと出力側回転速度パラメータとの、前記通信に起因する位相差を補正する位相差補正手段と、
取得された入力側回転速度パラメータと出力側回転速度パラメータの相関係数を算出する相関係数算出手段と、
前記ねじれ要素の共振状態を判定する共振状態判定手段と、
前記ねじれ要素が共振状態にあるときに、前記相関係数が最小となる最小相関位相差を算出する最小相関位相差算出手段と、
前記位相差補正手段は、前記最小相関位相差を用いて、前記取得された入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータの何れか一方の位相補正を行うことを特徴とする車両の制御装置。 - 前記ねじれ要素が非共振状態にあるときに、前記相関係数が最大となる最大相関位相差を算出する最大相関位相差算出手段をさらに備え、
前記位相差補正手段は、前記最小相関位相差及び最大相関位相差の何れか一方を用いて、前記取得された入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータの何れか一方の位相補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。 - 前記共振状態判定手段は、前記入力側回転速度パラメータまたは出力側回転速度パラメータの速度変動振幅が所定速度振幅値を超えるとき、前記ねじれ要素が共振状態にあると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車両の制御装置。
- 前記共振状態判定手段は、前記取得された入力側回転速度パラメータと出力側回転速度パラメータの相対位相を変化させて前記相関係数の変動振幅を算出し、算出される相関係数変動振幅が所定係数振幅値を超えるとき、前記ねじれ要素が共振状態にあると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車両の制御装置。
- 前記相関係数算出手段の演算負荷を監視する演算負荷監視手段をさらに備え、
前記最小相関位相差算出手段は、設定角度ずつ位相差を変化させつつ前記相関係数算出手段を用いて前記相関係数を算出することにより、前記最小相関位相差の算出を行い、前記相関係数算出手段の演算負荷が所定負荷閾値を超えたときは、前記設定角度をより大きな値に変更することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の車両の制御装置。 - 前記車両は前記入力側回転速度パラメータ検出手段と出力側回転速度パラメータ検出手段との間に滑り要素を備えており、
該滑り要素の所定滑り状態を判定する滑り判定手段をさらに備え、
前記位相差補正手段は、前記滑り判定手段により前記滑り要素が前記所定滑り状態にあると判定されたときは、前記位相補正を行わないことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の車両の制御装置。 - 前記滑り判定手段は、前記入力側回転速度パラメータと出力側回転速度パラメータの差分を積算することにより、速度差分積算値を算出し、該速度差分積算値が所定滑り判定閾値を超えたときに前記滑り要素が前記所定滑り状態にあると判定することを特徴とする請求項7に記載の車両の制御装置。
- 前記位相補正された入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータに基づいて前記機関の失火を判定する失火判定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の車両の制御装置。
- 前記失火判定手段は、
前記出力側回転速度パラメータと、前記ねじれ要素の入力側の入力側回転モーメントと、前記ねじれ要素の出力側の出力側回転モーメントとに基づいて、前記入力側回転速度パラメータを修正することにより、修正機関回転速度パラメータを算出する修正手段と、
前記修正機関回転速度パラメータの所定期間における平均変化量及び前記機関の可動部品の慣性力に起因する慣性速度変化成分を所定クランク角度毎に算出し、前記平均変化量及び慣性速度変化成分に応じて前記修正機関回転速度パラメータを補正することにより、補正回転速度パラメータを算出する回転速度補正手段と、
前記機関の失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍に位置する基準時期に検出される前記入力側回転速度パラメータに対応する補正回転速度パラメータである基準値と、前記補正回転速度パラメータとの偏差に応じて、前記所定クランク角度毎に相対速度パラメータを算出する相対速度パラメータ算出手段と、
前記相対速度パラメータをクランク角度720/N(Nは前記機関の気筒数)度の積算期間に亘って積算することにより判定パラメータを算出する判定パラメータ算出手段とを有し、
前記判定パラメータに基づいて失火判定を行うことを特徴とする請求項8に記載の車両の制御装置。 - 前記機関の出力トルクを制御する機関出力制御手段をさらに備え、
前記機関出力制御手段は、前記位相補正された入力側回転速度パラメータ及び出力側回転速度パラメータに基づいて、前記機関出力軸の制振制御を行うことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の車両の制御装置。
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