JP2009191709A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

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忠義 佐々木
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武志 原
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Abstract

【課題】 失火を判定するための判定パラメータの気筒間ばらつきを低減することにより、特に高回転速度における失火判定の精度を向上させることができる内燃機関の失火検出装置を提供する。
【解決手段】 機関の回転速度を示す回転速度パラメータ(CRME、OMG)に基づいて、気筒毎に判定パラメータMFJUDを算出する(S31)。気筒毎に予め設定されている補正量テーブルを検索し、補正量MFJOFFSTを算出する(S32〜S42)。判定パラメータMFJUDに補正量MFJOFFSTを加算して補正判定パラメータMFJUDCを算出する(S43)。補正判定パラメータMFJUDCが負の値となったとき、対応する気筒で失火が発生したと判定する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関の失火検出装置に関し、特に機関回転速度に応じた回転速度パラメータに基づいて失火の有無を判定するものに関する。
特許文献1には、回転速度パラメータに基づいて失火判定を行う失火検出装置が示されている。この装置では、判定の対象となる気筒のピストンが上死点近傍に位置するときに検出される基準回転速度パラメータと、所定クランク角度(6度)毎に検出される回転速度パラメータとの偏差を積算して算出される積算値が判定パラメータとして使用され、判定パラメータと判定閾値との比較結果から失火の有無が判定される。
特許文献2は、内燃機関の出力変動測定方法を開示する。この方法によれば、出力変動を表すパラメータとして、回転速度変化量が使用され、回転速度変化量を回転速度が大きくなるほど大きく補正することにより、回転速度に拘わらず正確な出力変動が得られる。
特開2007−198368号公報 特公平4−61291号公報
特許文献1に示された装置では、失火が全く発生していない状態における判定パラメータの気筒間のばらつきが、回転速度の増加に伴って増加する場合があることが確認されており、そのような場合には高回転速度において誤判定が行われる可能性が高くなる。
また特許文献2に示された手法は、回転速度変化量と図示平均有効圧との関係がほぼ直線的な関係を示し、かつその直線の傾きが機関回転速度によって変化することに着目したものであるため、特許文献1に示された装置に、特許文献2で示された手法を適用しても、上記課題を解決することは困難であった。
本発明は上述した点に着目してなれたものであり、失火を判定するための判定パラメータの気筒間ばらつきを低減することにより、特に高回転速度における失火判定の精度を向上させることができる内燃機関の失火検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関の回転速度に応じた回転速度パラメータ(OMG)を検出する回転速度パラメータ検出手段を備え、検出される回転速度パラメータ(OMG)に基づいて前記機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置において、失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍にあるときに検出される前記回転速度パラメータを基準値(OMGR((k-1)NTDC))として算出する基準値算出手段と、前記基準値(OMGR((k-1)NTDC))と所定クランク角度毎に検出される回転速度パラメータ(OMGR(i))との偏差に応じて相対速度パラメータ(OMGREFMb)を算出する相対速度パラメータ算出手段と、前記相対速度パラメータ(OMGREFMb)をクランク角度720/N(Nは前記機関の気筒数)度の期間に亘って積算することにより判定パラメータ(MFJUD)を算出する判定パラメータ算出手段と、前記回転速度(NE)の変化に伴う前記回転速度パラメータ検出手段の検出特性の変化に応じて前記判定パラメータ(MFJUD)を補正する補正手段と、補正後の判定パラメータ(MFJUDC)に基づいて失火判定を行う判定手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置において、前記補正手段は、前記機関のクランク軸1回転周期で変化する前記回転速度パラメータ検出手段の検出特性に応じた補正量(MFJOFFST)により前記判定パラメータ(MFJUD)を補正することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の失火検出装置において、前記補正手段は、前記回転速度(NE)が増加するほど絶対値が増加するように前記補正量(MFJOFFST)を算出し、気筒数Nが偶数である機関においては、燃焼行程がクランク軸1回転分ずれている2つ気筒(#1と#4の組、#2と#3の組)について同一の補正量(MFJOFFSTAV1、MFJOFFSTAV2)を適用することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍にあるときに検出される回転速度パラメータが基準値として算出され、この基準値と所定クランク角度毎に検出される回転速度パラメータとの偏差に応じて相対速度パラメータが算出される。そして、相対速度パラメータをクランク角度720/N度の期間に亘って積算することにより判定パラメータが算出され、さらに回転速度の変化に伴う回転速度パラメータ検出手段の検出特性の変化に応じて判定パラメータが補正され、補正後の判定パラメータに基づいて失火判定が行われる。上述した気筒間ばらつきの原因は、回転速度パラメータ検出手段の検出特性の変化に起因することが検討の結果判明しているので、その検出特性変化に応じて判定パラメータを補正することにより、気筒間ばらつきを低減し、特に高回転速度における失火判定の精度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、機関のクランク軸1回転周期で変化する回転速度パラメータ検出手段の検出特性に応じた補正量により判定パラメータが補正される。検出特性の変化はクランク軸1回転の周期であることが検討の結果判明しているので、その変化周期に応じた補正量を用いることにより、適切な補正を行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、回転速度が増加するほど絶対値が増加するように補正量が算出され、気筒数Nが偶数である機関においては、燃焼行程がクランク軸1回転分ずれている2つ気筒について同一の補正量が適用される。回転速度パラメータ検出手段の検出特性の変化量は回転速度が増加するほど大きくなるので、回転速度が増加するほど絶対値が増加するように補正量を算出することにより、適切な補正を行うことができる。また回転速度パラメータ検出手段の検出特性は、クランク軸1回転周期で変化するため、偶数気筒の機関では燃焼行程がクランク軸1回転分ずれている2つの気筒にそれぞれ同一の補正量を適用して補正を行うことが可能である。これにより、各気筒に対応して補正量を演算する場合に比べて、演算負荷及びメモリ容量を低減することができる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、例えば4気筒を有し、吸気管2及び排気管5を備えている。吸気管2にはスロットル弁3が設けられている。また排気管5には排気の浄化を行う触媒コンバータ6が設けられている。
燃料噴射弁4はエンジン1とスロットル弁3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共に電子制御ユニット(以下「ECU」という)20に電気的に接続されてECU20からの制御信号により燃料噴射弁4の開弁時間が制御される。
スロットル弁3の直ぐ下流には吸気管2内の吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ11が設けられており、その検出信号はECU20に供給される。
ECU20には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ12が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU20に供給される。クランク角度位置センサ12は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角180度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば6度周期)で1パルス(以下「CRKパルス」という)を発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがECU20に供給される。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御、エンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。またECU20は、CRKパルスの発生時間間隔(以下「時間パラメータ」という)CRMEに基づいて、エンジン1における失火の検出を行う。
CRKセンサは、クランク軸に固定され、外周部に一定角度間隔で歯が形成されたパルスホイールと、該パルスホイールに対向して配置されたピックアップコイルとを備える。パルスホイールの回転によりピックアップコイルに交流信号が発生し、その交流信号がCRKパルスに変換されて出力される。
ECU20は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、燃料噴射弁4などに制御信号を供給する出力回路等から構成される。ECU20のCPUは、以下に説明する失火検出を実行する。
本実施形態における失火判定手法は、上述した特許文献1に記載されたものと基本的には同一のものであり、本実施形態は、失火判定を行うための判定パラメータMFJUDを、エンジン回転数NEが比較的高い高回転領域において、CRKセンサの検出特性の変化に応じて補正するようにしたものである。
図2は特許文献1に示された失火検出装置における課題を説明するための図であり、図2(a)は、フュエルカット運転を行ったとき(NE=6800rpm)に得られる気筒毎の判定パラメータMFJUDを示す。原理的にはすべての気筒の判定パラメータMFJUDが同じ値をとるはずであるが、#1気筒及び#4気筒の値と、#2気筒及び#3気筒の値とに差が生じている。図2(b)は、判定パラメータMFJUDの分散(気筒間のばらつきを示す)と、エンジン回転数NEとの関係を示す図であり、エンジン回転数NEが増加するほど分散が増加することが確認できる。
この原因を調査した結果、図3(a)に示すように、高エンジン回転数領域では、CRKセンサのパルスホイールとピックアップコイルとの間隔(以下「エアギャップ」という)DGAPが、クランク軸の振動によってクランク軸1回転周期で変動していることが判明した。同図の振幅WDは、NE=6800rpmで0.02mm程度である。図3(b)は、エアギャップDGAPと、CRKセンサにより検出されるクランク角度CAとの関係を示す図であり、エアギャップDGAPが変化すると、検出されるクランク角度CAも変化し、CRKセンサ出力に基づいて算出される判定パラメータMFJUDが影響を受ける。その結果、図2に示すような、判定パラメータMFJUDの気筒間のばらつきが発生する。
そこで本実施形態では、制御対象となるエンジンについて、エンジン回転数NEに対するエアギャップDGAPの変化特性を計測し、エンジン回転数NEに応じた補正量テーブルを予め作成し、判定パラメータMFJUDを補正するようにしている。
図4は、CRKセンサにより検出される時間パラメータCRMEに基づいて失火判定を行う処理のフローチャートである。この処理は、ECU20のCPUでTDCパルスに同期して実行される。なお、クランク角度6度毎に発生するCRKパルスの発生時間間隔である時間パラメータCRME(i)は、クランク角度720度分のデータ(i=0〜ND−1,データ数NDは120)が、記憶回路内のバッファメモリに格納されている。また、点火順の気筒識別番号をk(=1〜4)とし、1TDC期間内のデータ数をNTDC(本実施形態ではNTDC=30)とすると、本処理の1回の実行で、パラメータiが(k−1)NTDCから(kNTDC−1)までの演算が行われる。例えば今回の処理が1番目の気筒(k=1)に対応する演算を行うときは、パラメータiは0から(NTDC−1)までの値をとり、今回の処理が3番目の気筒(k=3)に対応する演算を行うときは、パラメータiは2NTDCから(3NTDC−1)までの値をとる。
ステップS11では、下記式(1)により、時間パラメータCRME(i)を回転速度OMG(i)[rad/s]に変換する。
OMG(i)=Dθ/CRME(i) (1)
ここで、Dθは、時間パラメータCRMEを計測する角度間隔4π/NDであり、本実施形態では、π/30[rad]である。
ステップS12では、下記式(2)により、720度フィルタ処理を実行し、フィルタ処理後回転速度OMGR(i)を算出する。720度フィルタ処理は、1サイクルの期間における線形変化分をキャンセルし、比較的周期の短い変動を抽出する処理である。720度フィルタ処理は、エンジン1の負荷側からエンジン1に加わるトルク(エンジン1により駆動される車両のタイヤや補機から加わるトルク、あるいはエンジン1の摺動部品の摩擦によるトルクなど)に起因する回転変動成分を除くために行うものである。
OMGR(i)=OMG(i)−(OMG(ND)−OMG(0))×Dθ×i/4π
(2)
ステップS13では、下記式(3)により、相対回転速度OMGREFを算出する。
OMGREF(i)=OMGR(i)−OMGR((k-1)NTDC) (3)
ここで、OMGR((k-1)NTDC)は基準回転速度であり、判定対象の気筒のピストンが圧縮上死点(燃焼行程が開始される上死点)にあるときのフィルタ処理後回転速度に相当する。
ステップS14では、下記式(4)により、慣性力回転速度OMGI(k)を算出する。慣性力回転速度OMGIは、エンジン1の往復運動部品(ピストン及びコンロッド)の質量、コンロッドの長さ、クランク半径、及びクランクプーリ、トルクコンバータ、ロックアップクラッチなどのエンジン1の負荷側の回転部品の慣性モーメントIに応じて算出される。式(4)のKは所定の値に設定される定数であり、慣性モーメントIはエンジンの仕様にしたがって予め算出される。
OMGI(k)=K・OMG((k-1)NTDC)/2I (4)
ステップS15では、式(4)により算出される慣性力回転速度OMGI(k)を下記式(5)に適用し、各サンプルタイミングにおける慣性力回転速度OMGIa(i)を算出する。式(5)において、2TDC期間前の慣性力回転速度OMGI(k-2)を適用するのは、上述した720度フィルタ処理における中央の値を用いた方が演算精度が高くなるからである。なお、パラメータkは気筒識別番号であるので、k=0,−1は、それぞれk=N(=4),N−1(=3)に対応する。
OMGIa(i)=OMGI(k-2)×{cos(N・Dθ・i/2)−1}
(5)
ステップS16では、下記式(6)にステップS15で算出した慣性力回転速度OMGIa(i)を適用し、第1修正相対回転速度OMGREFMa(i)を算出する。
OMGREFMa(i)=OMGREF(i)−OMGIa(i) (6)
ステップS17では、ステップS16で算出した第1修正相対回転速度OMGREFMa(i)、及び下記式(7)により算出される燃焼相関関数FCR(i)を下記式(8)に適用し、第2修正相対回転速度OMGREFMb(i)を算出する。燃焼相関関数FCR(i)は、エンジンにおいて正常燃焼が行われ、かつクランク角度位置センサの検出値に影響を与える外乱がない場合の回転速度変化を近似する関数である。燃焼相関関数FCR(i)を乗算することにより、クランク軸の捩れやクランク角度位置センサによる時間パラメータCRMEの検出誤差などに起因する外乱の影響を排除することができる。
FCR(i)={1−2cos(N・Dθ・i/2)}/2 (7)
OMGREFMb(i)=OMGREFMa(i)×FCR(i) (8)
ステップS18では、図5のMFJUDC(k)算出処理を実行し、補正判定パラメータMFJUDC(k)を算出する。
ステップS19では、補正判定パラメータMFJUDC(k)が負の値であるか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、正常燃焼が行われたと判定し、失火フラグFMF(k)を「0」に設定する(ステップS20)。一方、MFJUDC(k)<0であるときは、気筒識別番号kに対応する気筒(本実施形態では、k=1,2,3,及び4が、それぞれ#1気筒、#3気筒、#4気筒、及び#2気筒に対応する)で失火が発生したと判定し、失火フラグFMF(k)を「1」に設定する(ステップS21)。
ステップS22では、気筒識別番号kが気筒数Nと等しいか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、気筒識別番号kを「1」だけインクリメントする(ステップS24)。またk=Nであるときは、気筒識別番号kを「1」に戻す(ステップS23)。
図4の処理により、各気筒毎に失火判定が行われる。
図5は、図4のステップS18で実行されるMFJUDC(k)算出処理のフローチャートである。
ステップS31では、下記式(9)により、第2修正相対回転速度OMGREFMb(i)の1TDC期間の積算値として、判定パラメータMFJUD(k)を算出する。
Figure 2009191709
ステップS32では、気筒識別番号kが「1」であるか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、エンジン回転数NEに応じて図6に示すMFJOFFST1テーブル(実線L1)を検索し、#1気筒補正量MFJOFFST1を算出する(ステップS33)。MFJOFFST1テーブルは、エンジン回転数NEが増加するほど#1気筒補正量MFJOFFST1が増加するように設定されている。ステップS34では、補正量MFJOFFSTを#1気筒補正量MFJOFFST1に設定する。その後ステップS43に進む。
ステップS32の答が否定(NO)であるときは、気筒識別番号kが「2」であるか否かを判別し(ステップS35)、その答が肯定(YES)であるときは、エンジン回転数NEに応じて図6に示すMFJOFFST3テーブル(破線L3)を検索し、#3気筒補正量MFJOFFST3を算出する(ステップS36)。MFJOFFST3テーブルは、エンジン回転数NEが増加するほど#3気筒補正量MFJOFFST3が減少するように設定されている。ステップS37では、補正量MFJOFFSTを#3気筒補正量MFJOFFST3に設定する。その後ステップS43に進む。
ステップS35の答が否定(NO)であるときは、気筒識別番号kが「3」であるか否かを判別し(ステップS38)、その答が肯定(YES)であるときは、エンジン回転数NEに応じて図6に示すMFJOFFST4テーブル(破線L4)を検索し、#4気筒補正量MFJOFFST4を算出する(ステップS39)。MFJOFFST4テーブルは、エンジン回転数NEが増加するほど#4気筒補正量MFJOFFST4が増加するように設定されている。ステップS40では、補正量MFJOFFSTを#4気筒補正量MFJOFFST4に設定する。その後ステップS43に進む。
ステップS38の答が否定(NO)であるときは、気筒識別番号kは「4」である。したがって、ステップS41で、エンジン回転数NEに応じて図6に示すMFJOFFST2テーブル(実線L2)を検索し、#2気筒補正量MFJOFFST2を算出する。MFJOFFST2テーブルは、エンジン回転数NEが増加するほど#2気筒補正量MFJOFFST2が減少するように設定されている。ステップS42では、補正量MFJOFFSTを#2気筒補正量MFJOFFST2に設定する。その後ステップS43に進む。
ステップS43では、下記式(10)にステップS31で算出された判定パラメータMFJUD(k)、及び補正量MFJOFFSTを適用し、補正判定パラメータMFJUDC(k)を算出する。
MFJUDC(k)=MFJUD(k)+MFJOFFST (10)
図6に示す各テーブルは、上述したように制御対象となるエンジンについて、エンジン回転数NEに対するエアギャップDGAPの変化特性に対応して、設定されており、補正量MFJOFFSTにより判定パラメータMFJUDを補正することにより、判定パラメータMFJUDの気筒間ばらつきをほぼ「0」とした補正判定パラメータMFJUDCが得られる。
図7は気筒毎に算出された判定パラメータMFJUDと、補正判定パラメータMFJUDCとを対比して示す図である。図7において「○」は失火が発生していない状態に対応し、「●」は#2気筒及び#3気筒において失火が発生している状態に対応する。図7(a)に示すように、失火が発生しているにも拘わらず#2気筒及び#3気筒の判定パラメータMFJUDは、「0」より若干大きな値となり、失火していないと誤判定される。#2気筒及び#3気筒の補正判定パラメータMFJUDCは、補正量MFJOFFSTだけ判定パラメータMFJUDより小さくなるため、「0」より小さな値となり、失火が発生していることを検出できる。
以上のように本実施形態では、時間パラメータCRMEを検出するCRKセンサの検出特性がエンジン回転数NEの増加に伴って変化することに着目し、その特性変化に応じた補正量MFJOFFSTにより判定パラメータMFJUDを補正し、その補正により得られる補正判定パラメータMFJUDCを用いて失火判定を行うようにした。その結果、補正判定パラメータMFJUDCの気筒間ばらつきが低減され、特に高回転速度における失火判定の精度を向上させることができる。
またCRKセンサの検出特性の変化は、エアギャップDGAPに変化によるものであり、エアギャップDGAPの変化は、クランク軸1回転の周期を有する。したがって、その変化周期に対応する補正量MFJOFFSTを用いることにより、適切な補正を行うことができる。#1気筒補正量MFJOFFST1と#4気筒補正量MFJOFFST4がほぼ同じ値をとり、#2気筒補正量MFJOFFST2と#3気筒補正量MFJOFFST3がほぼ同じ値をとることが、クランク軸1回転の周期に対応するものであることを示す。これは、主として2次変動成分(クランク角度180度周期の成分)の影響によるものと考えられる。
なお、図6に示すMFJOFFSTテーブルの設定値は、実際には判定パラメータMFJUDの実測データに基づいて作成しているため、#1気筒補正量MFJOFFST1と#4気筒補正量MFJOFFST4が完全に同じ値とはなっておらず、また#2気筒補正量MFJOFFST2と#3気筒補正量MFJOFFST3が完全に同じ値とはなっていない。
ただし、両者の差はわずかであり、#1気筒補正量MFJOFFST1と#4気筒補正量MFJOFFST4の平均値MFJOFFSTAV1、及び#2気筒補正量MFJOFFST2と#3気筒補正量MFJOFFST3の平均値MFJOFFSTAV2をそれぞれMFJOFFSTAV1テーブル及びMFJOFFSTAV2テーブルとして設定しておき、#1気筒及び#4気筒についてはMFJOFFSTAV1テーブルを適用し、#2気筒及び#3気筒についてはMFJOFFSTAV2テーブルを適用するようにしてもよい。このようにテーブル数を半分にすることにより、制御装置の演算負荷及びメモリ容量を低減することができる。
図8は、CRKセンサの検出特性がクランク軸1回転周期で変化する場合に、偶数気筒(具体的には4,6,及び8気筒)のエンジンにおける各気筒に対応する補正量MFJOFFSTn(n=1〜N(Nは気筒数))が基本的にどのような関係を有するかを検討するためのタイムチャートである。図8の縦軸は無次元の相対レベルVIBを示す。
図8(a)及び図8(b)は、上述した4気筒エンジンに対応し、図8(a)は、CRKセンサ出力の変化に対応する360度周期の波形と、慣性力回転速度の変化に対応する180度周期の波形とをそれぞれ示し、図8(b)は両者を合成した波形を示す。図8(b)から、基本的には、#1気筒と#4気筒の補正量が同一の値となり、#2気筒と#3気筒の補正量が同一の値となることが確認できる。
図8(c)及び図8(d)は、6気筒エンジンに対応する。6気筒エンジンでは、慣性力回転速度は120度周期で変化するため、図8(d)から、基本的には、#1気筒と#5気筒の補正量が同一の値となり、#4気筒と#3気筒の補正量が同一の値となり、#2気筒と#6気筒の補正量が同一の値となることが確認できる。
図8(e)及び図8(f)は、8気筒エンジンに対応する。8気筒エンジンでは、慣性力回転速度は90度周期で変化するため、図8(f)から、基本的には、#1気筒と#3気筒の補正量が同一の値となり、#5気筒と#7気筒の補正量が同一の値となり、#2気筒と#4気筒の補正量が同一の値となり、#6気筒と#8気筒の補正量が同一の値となることが確認できる。
以上の検討から一般に偶数気筒の機関では、2つの気筒のついて同一の補正量を適用することにより、CRKセンサの検出特性の変化に応じた補正を行うことができる。その結果、補正量算出用テーブルの数を半分にすることができ、制御装置の演算負荷及びメモリ容量を低減することができる。
本実施形態では、クランク角度位置センサ12及びECU20が回転速度パラメータ検出手段を構成し、ECU20が、基準値算出手段、相対速度パラメータ算出手段、判定パラメータ算出手段、補正手段、及び判定手段を構成する。具体的には、図4のステップS11が回転速度パラメータ検出手段の一部に相当し、ステップS13〜S17が基準値算出手段及び相対速度パラメータ算出手段に相当し、ステップS18が判定パラメータ算出手段及び補正手段に相当し、ステップS19〜S21が判定手段に相当する。また図5のステップS31が判定パラメータ算出手段に相当し、ステップS32〜S43が補正手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、時間パラメータCRMEを回転速度OMGに変換して失火判定を行うようにしたが、特許文献1に示されるように時間パラメータCRMEそのものを回転速度パラメータとして用いて失火判定を行うようにしてもよい。
また上述した実施形態では、4気筒エンジンに本願発明を適用した例を示したが、本願発明は気筒数に拘わらず適用可能である。また、本願発明は、燃料を燃焼室内に直接噴射するガソリンエンジン、あるいはディーゼルエンジンの失火判定にも適用可能である。さらに本願発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの失火判定にも適用が可能である。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 従来の手法における問題点を説明するための図である。 クランク角度位置センサの特性変化を説明するための図である。 失火判定を行う処理のフローチャートである。 図4の処理で実行される、補正判定パラメータ(MFJUDC)を算出する処理のフローチャートである。 図5の処理で参照されるテーブルを示す図である。 判定パラメータの補正の効果を説明するための図である。 偶数気筒の機関における各気筒の補正量の関係を説明するためのタイムチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
12 クランク角度位置センサ(回転速度パラメータ検出手段)
20 電子制御ユニット(回転速度パラメータ検出手段、基準値算出手段、相対速度パラメータ算出手段、判定パラメータ算出手段、補正手段、判定手段)

Claims (3)

  1. 内燃機関の回転速度に応じた回転速度パラメータを検出する回転速度パラメータ検出手段を備え、検出される回転速度パラメータに基づいて前記機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置において、
    失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍にあるときに検出される前記回転速度パラメータを基準値として算出する基準値算出手段と、
    前記基準値と所定クランク角度毎に検出される回転速度パラメータとの偏差に応じて相対速度パラメータを算出する相対速度パラメータ算出手段と、
    前記相対速度パラメータをクランク角度720/N(Nは前記機関の気筒数)度の期間に亘って積算することにより判定パラメータを算出する判定パラメータ算出手段と、
    前記回転速度の変化に伴う前記回転速度パラメータ検出手段の検出特性の変化に応じて前記判定パラメータを補正する補正手段と、
    補正後の判定パラメータに基づいて失火判定を行う判定手段とを備えることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  2. 前記補正手段は、前記機関のクランク軸1回転周期で変化する前記回転速度パラメータ検出手段の検出特性に応じた補正量により前記判定パラメータを補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置。
  3. 前記補正手段は、前記回転速度が増加するほど絶対値が増加するように前記補正量を算出し、気筒数Nが偶数である機関においては、燃焼行程がクランク軸1回転分ずれている2つ気筒について同一の補正量を適用することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の失火検出装置。
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