JP4633809B2 - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の失火検出装置に関し、特に機関回転速度に応じた回転速度パラメータに基づいて失火の有無を判定するものに関する。
特許文献1には、回転速度パラメータに基づいて失火判定を行う失火検出装置が示されている。この装置では、判定の対象となる気筒のピストンが上死点近傍に位置するときに検出される基準回転速度パラメータと、所定クランク角度(6度)毎に検出される回転速度パラメータとの偏差を積算して算出される積算値が判定パラメータとして使用され、判定パラメータと判定閾値との比較結果から失火の有無が判定される。
特許文献2は、内燃機関の出力変動測定方法を開示する。この方法によれば、出力変動を表すパラメータとして、回転速度変化量が使用され、回転速度変化量を回転速度が大きくなるほど大きく補正することにより、回転速度に拘わらず正確な出力変動が得られる。
特開2007−198368号公報 特公平4−61291号公報
特許文献1に示された装置では、機関への燃料供給を遮断するフュエルカット運転中における判定パラメータの値は、理想的には「0」となることが望ましい。ところが、特許文献1に示された要因以外の要因により判定パラメータの値が「0」からずれるために、特に機関の高回転運転領域において誤判定が行われる可能性が高くなることが確認されている。
また特許文献2に示された手法は、回転速度変化量と図示平均有効圧との関係がほぼ直線的な関係を示し、かつその直線の傾きが機関回転速度によって変化することに着目したものであるため、特許文献1に示された装置に、特許文献2で示された手法を適用しても、上記課題を解決することは困難であった。
本発明は上述した点に着目してなれたものであり、失火を判定するための判定パラメータの所望値からのずれを低減することにより、特に高回転運転領域における失火判定の精度を向上させることができる内燃機関の失火検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関の回転速度に応じた回転速度パラメータ(OMG)を検出する回転速度パラメータ検出手段を備え、検出される回転速度パラメータ(OMG)に基づいて前記機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置において、失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍にあるときに検出される前記回転速度パラメータを基準値(OMGR((k-1)NTDC))として算出する基準値算出手段と、前記基準値(OMGR((k-1)NTDC))と所定クランク角度毎に検出される回転速度パラメータ(OMGR(i))との偏差に応じて相対速度パラメータ(OMGREFMb)を算出する相対速度パラメータ算出手段と、前記相対速度パラメータ(OMGREFMb)をクランク角度720/N(Nは前記機関の気筒数)度の期間に亘って積算することにより判定パラメータ(MFJUD)を算出する判定パラメータ算出手段と、前記回転速度(NE)の変化に伴う前記機関のポンプ損失の変化に応じて補正量(MFJOFFP)を算出し、該補正量(MFJOFFP)により前記判定パラメータ(MFJUD)を補正する補正手段と、補正後の判定パラメータ(MFJUDC)に基づいて失火判定を行う判定手段とを備え、前記補正手段は、前記回転速度(NE)の増加に対して直線的に増加する第1成分と、前記回転速度(NE)の増加に対する前記機関の体積効率(ηv)の変化特性と同様の特性で変化する第2成分とを合成した特性で変化するように前記補正量(MFJOFFP)を算出し、前記判定パラメータ(MFJUD)から前記補正量(MFJOFFP)を減算することにより前記判定パラメータ(MFJUD)の補正を行い、前記補正手段は、前記回転速度(NE)に応じて前記補正量(MFJOFFP)が設定された補正量テーブルを用いて前記補正量(MFJOFFP)の算出を行うとともに、前記機関への燃料供給を遮断するフュエルカット運転中に得られる前記判定パラメータの平均値(MFJFCAV)に応じて、前記補正量テーブルに設定されている補正量(MFJOFFP)の修正を行うことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍にあるときに検出される回転速度パラメータが基準値として算出され、この基準値と所定クランク角度毎に検出される回転速度パラメータとの偏差に応じて相対速度パラメータが算出される。そして、相対速度パラメータをクランク角度720/N度の期間に亘って積算することにより判定パラメータが算出され、さらに回転速度の変化に伴う機関のポンプ損失の変化に応じて補正量が算出され、その補正量により判定パラメータが補正され、補正後の判定パラメータに基づいて失火判定が行われる。上述した判定パラメータの所望値からのずれは、機関のポンプ損失の変化に起因することが検討の結果判明しているので、そのポンプ損失の変化に応じて判定パラメータを補正することにより、判定パラメータのずれを低減し、特に高回転領域における失火判定の精度を向上させることができる。
また、回転速度の増加に対して直線的に増加する第1成分と、回転速度の増加に対する機関の体積効率の変化特性と同様の特性で変化する第2成分とを合成した特性で変化するように補正量が算出され、判定パラメータから補正量を減算することにより補正が行われる。このように補正量を設定することにより、回転速度の変化及びその変化に伴う機関の体積効率の変化が補正量に反映され、ポンプ損失に起因する判定パラメータのずれを正確に補正することができる。
さらに、回転速度に応じて補正量が設定された補正量テーブルを用いて補正量の算出が行われ、機関への燃料供給を遮断するフュエルカット運転中に得られる判定パラメータの平均値に応じて、補正量テーブルに設定されている補正量が修正される。したがって、機関のポンプ損失特性が経時変化しても、失火判定の精度を維持することができる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、例えば4気筒を有し、吸気管2及び排気管5を備えている。吸気管2にはスロットル弁3が設けられている。また排気管5には排気の浄化を行う触媒コンバータ6が設けられている。
燃料噴射弁4はエンジン1とスロットル弁3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共に電子制御ユニット(以下「ECU」という)20に電気的に接続されてECU20からの制御信号により燃料噴射弁4の開弁時間が制御される。
スロットル弁3の直ぐ下流には吸気管2内の吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ11が設けられており、その検出信号はECU20に供給される。
ECU20には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ12が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU20に供給される。クランク角度位置センサ12は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角180度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば6度周期)で1パルス(以下「CRKパルス」という)を発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがECU20に供給される。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御、エンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。またECU20は、CRKパルスの発生時間間隔(以下「時間パラメータ」という)CRMEに基づいて、エンジン1における失火の検出を行う。
CRKセンサは、クランク軸に固定され、外周部に一定角度間隔で歯が形成されたパルスホイールと、該パルスホイールに対向して配置されたピックアップコイルとを備える。パルスホイールの回転によりピックアップコイルに交流信号が発生し、その交流信号がCRKパルスに変換されて出力される。
ECU20は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、燃料噴射弁4などに制御信号を供給する出力回路等から構成される。ECU20のCPUは、以下に説明する失火検出を実行する。
本実施形態における失火判定手法は、上述した特許文献1に記載されたものと基本的には同一のものであり、本実施形態は、失火判定を行うための判定パラメータMFJUDを、エンジン1のポンプ損失の変化特性に応じて補正するようにしたものである。
図2は特許文献1に示された失火検出装置における課題を説明するための図であり、図2(a)は、フュエルカット運転を行ったとき(NE=6800rpm)に得られる判定パラメータMFJUDを示す。原理的にはすべての気筒の判定パラメータMFJUDが「0」となるはずであるが、全体的にプラス方向(トルク発生方向)にずれている(ずれDMFJが発生している)。
この原因を調べるため、フュエルカット運転中のエンジン1の各気筒の筒内圧(燃焼室内圧)を検出し、検出筒内圧から算出されるトルク変化特性と、理論的に求められる慣性力に起因するトルク変化特性とを比較することにより、機関のポンプ損失に起因して上記ずれDMFJが発生していることが確認された。図2(b)は、フュエルカット運転を行った場合における、吸気圧PBAと判定パラメータMFJUDとの関係を示す図であり、実線L1が実験により得られた特性を示し、破線L2は検出された筒内圧波形に基づいて算出された特性を示す。両者はほぼ一致していることが確認できる。
図2(c)は、正常燃焼時及び失火発生時の特性を示し、実線L3が正常燃焼時に対応し、破線L4が失火発生時に対応する。この図から明らかなように、吸気圧PBAが低いとき(吸入空気流量が低い低負荷運転時)に、失火発生時の判定パラメータ値が「0」に近くになり、誤判定が起きやすいことが確認できる。なお、図2(b)と図2(c)では縦軸のスケールが異なっており、実際の判定パラメータ値は図2(b)に示す実線L1の方が、図2(c)に示す実線L3より小さい。
ポンプ損失は吸入空気流量が増加するほど増加するので、吸気圧PBAが増加するほど増加し、また基本的にはエンジン回転数NEが増加するほど増加する。ただし、エンジンの体積効率ηvはエンジン回転数NEの変化に伴って変化し、ポンプ損失はその体積効率ηvの変化特性の影響を受ける。そのため、実際の補正量テーブル(図5(a)に示すMFJOFFPテーブル)は、エンジン回転数NEの増加に対して補正量MFJOFFPが単調に増加する特性とはならない。
本実施形態では、フュエルカット運転時に得られる判定パラメータ値をエンジン回転数NEを変化させて計測し、補正量MFJOFFPを算出するための補正量テーブル(図5(a)に示すMFJOFFPテーブル)を予め作成し、この補正量テーブルを用いて算出される補正量MFJOFFPにより、判定パラメータMFJUDを補正するようにしている。フュエルカット運転中に得られる判定パラメータ値に基づいて設定される補正量MFJOFFPは、吸気圧PBAが高い高負荷運転時においては適正値より小さいものとなる。しかし、図2(c)に示すように、吸気圧PBAが高くなるほど、正常時の判定パラメータ値と、失火発生時の判定パラメータ値との差が大きくなるため、高負荷運転中はもともと誤判定は起き難い。したがって、補正量MFJOFFPによる補正によって、判定精度の向上を図ることができる。
図3は、CRKセンサにより検出される時間パラメータCRMEに基づいて失火判定を行う処理のフローチャートである。この処理は、ECU20のCPUでTDCパルスに同期して実行される。なお、クランク角度6度毎に発生するCRKパルスの発生時間間隔である時間パラメータCRME(i)は、クランク角度720度分のデータ(i=0〜ND−1,データ数NDは120)が、記憶回路内のバッファメモリに格納されている。また、点火順の気筒識別番号をk(=1〜4)とし、1TDC期間内のデータ数をNTDC(本実施形態ではNTDC=30)とすると、本処理の1回の実行で、パラメータiが(k−1)NTDCから(kNTDC−1)までの演算が行われる。例えば今回の処理が1番目の気筒(k=1)に対応する演算を行うときは、パラメータiは0から(NTDC−1)までの値をとり、今回の処理が3番目の気筒(k=3)に対応する演算を行うときは、パラメータiは2NTDCから(3NTDC−1)までの値をとる。
ステップS11では、下記式(1)により、時間パラメータCRME(i)を回転速度OMG(i)[rad/s]に変換する。
OMG(i)=Dθ/CRME(i) (1)
ここで、Dθは、時間パラメータCRMEを計測する角度間隔4π/NDであり、本実施形態では、π/30[rad]である。
ステップS12では、下記式(2)により、720度フィルタ処理を実行し、フィルタ処理後回転速度OMGR(i)を算出する。720度フィルタ処理は、1サイクルの期間における線形変化分をキャンセルし、比較的周期の短い変動を抽出する処理である。720度フィルタ処理は、エンジン1の負荷側からエンジン1に加わるトルク(エンジン1により駆動される車両のタイヤや補機から加わるトルク、あるいはエンジン1の摺動部品の摩擦によるトルクなど)に起因する回転変動成分を除くために行うものである。
OMGR(i)=OMG(i)−(OMG(ND)−OMG(0))×Dθ×i/4π
(2)
ステップS13では、下記式(3)により、相対回転速度OMGREFを算出する。
OMGREF(i)=OMGR(i)−OMGR((k-1)NTDC) (3)
ここで、OMGR((k-1)NTDC)は基準回転速度であり、判定対象の気筒のピストンが圧縮上死点(燃焼行程が開始される上死点)にあるときのフィルタ処理後回転速度に相当する。
ステップS14では、下記式(4)により、慣性力回転速度OMGI(k)を算出する。慣性力回転速度OMGIは、エンジン1の往復運動部品(ピストン及びコンロッド)の質量、コンロッドの長さ、クランク半径、及びクランクプーリ、トルクコンバータ、ロックアップクラッチなどのエンジン1の負荷側の回転部品の慣性モーメントIに応じて算出される。式(4)のKは所定の値に設定される定数であり、慣性モーメントIはエンジンの仕様にしたがって予め算出される。
OMGI(k)=K・OMG((k-1)NTDC)/2I (4)
ステップS15では、式(4)により算出される慣性力回転速度OMGI(k)を下記式(5)に適用し、各サンプルタイミングにおける慣性力回転速度OMGIa(i)を算出する。式(5)において、2TDC期間前の慣性力回転速度OMGI(k-2)を適用するのは、上述した720度フィルタ処理における中央の値を用いた方が演算精度が高くなるからである。なお、パラメータkは気筒識別番号であるので、k=0,−1は、それぞれk=N(=4),N−1(=3)に対応する。
OMGIa(i)=OMGI(k-2)×{cos(N・Dθ・i/2)−1}
(5)
ステップS16では、下記式(6)にステップS15で算出した慣性力回転速度OMGIa(i)を適用し、第1修正相対回転速度OMGREFMa(i)を算出する。
OMGREFMa(i)=OMGREF(i)−OMGIa(i) (6)
ステップS17では、ステップS16で算出した第1修正相対回転速度OMGREFMa(i)、及び下記式(7)により算出される燃焼相関関数FCR(i)を下記式(8)に適用し、第2修正相対回転速度OMGREFMb(i)を算出する。燃焼相関関数FCR(i)は、エンジンにおいて正常燃焼が行われ、かつクランク角度位置センサの検出値に影響を与える外乱がない場合の回転速度変化を近似する関数である。燃焼相関関数FCR(i)を乗算することにより、クランク軸の捩れやクランク角度位置センサによる時間パラメータCRMEの検出誤差などに起因する外乱の影響を排除することができる。
FCR(i)={1−2cos(N・Dθ・i/2)}/2 (7)
OMGREFMb(i)=OMGREFMa(i)×FCR(i) (8)
ステップS18では、図4のMFJUDC(k)算出処理を実行し、補正判定パラメータMFJUDC(k)を算出する。
ステップS19では、補正判定パラメータMFJUDC(k)が負の値であるか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、正常燃焼が行われたと判定し、失火フラグFMF(k)を「0」に設定する(ステップS20)。一方、MFJUDC(k)<0であるときは、気筒識別番号kに対応する気筒(本実施形態では、k=1,2,3,及び4が、それぞれ#1気筒、#3気筒、#4気筒、及び#2気筒に対応する)で失火が発生したと判定し、失火フラグFMF(k)を「1」に設定する(ステップS21)。
ステップS22では、気筒識別番号kが気筒数Nと等しいか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、気筒識別番号kを「1」だけインクリメントする(ステップS24)。またk=Nであるときは、気筒識別番号kを「1」に戻す(ステップS23)。
図3の処理により、各気筒毎に失火判定が行われる。
図4は、図3のステップS18で実行されるMFJUDC(k)算出処理のフローチャートである。
ステップS31では、下記式(9)により、第2修正相対回転速度OMGREFMb(i)の1TDC期間の積算値として、判定パラメータMFJUD(k)を算出する。
Figure 0004633809
ステップS32では、エンジン回転数NEに応じて図5(a)に示すMFJOFFPテーブルを検索し、補正量MFJOFFPを算出する。MFJOFFPテーブルは、エンジン回転数NEの増加に対して直線的に増加する第1成分と、図5(b)に示す、エンジン回転数NEに対する体積効率ηvの変化特性と同様の特性で変化する第2成分とを合成した特性となるように設定されている。図5において、所定回転数NE0,NE1,及びNE2は、それぞれ例えば2000rpm,3000rpm、及び6000rpmである。
ステップS33では、ステップS31で算出した判定パラメータMFJUD及びステップS32で算出した補正量MFJOFFPを下記式(10)に適用し、補正判定パラメータMFJUDCを算出する。
MFJUDC(k)=MFJUD(k)−MFJOFFP (10)
図6は気筒毎に算出された判定パラメータMFJUDと、補正判定パラメータMFJUDCとを対比して示す図である。図6(a)はフュエルカット運転を行っている状態に対応し、図6(b)は通常運転中において#2気筒及び#3気筒で失火が発生している状態に対応する。
図6(a)から明らかなように、フュエルカット運転中の補正判定パラメータMFJUDCはすべて「0」となっており、補正前の判定パラメータMFJUDにおけるずれDMFJが解消されていることが確認できる。
また図6(b)に示す補正前の判定パラメータMFJUDでは、#2気筒及び#3気筒の判定パラメータ値が判定閾値である「0」に近くなっており、誤判定が起きやすくなっているのに対し、補正判定パラメータMFJUDCでは、#2気筒及び#3気筒の補正判定パラメータ値は「0」から離れて、余裕度が増加していることが確認できる。ここで、余裕度SNを下記式(11)で定義すると、補正前の判定パラメータでは、#2気筒は4.24、#3気筒は4.38である。これに対し、補正判定パラメータでは、それぞれ7.85及び8.03に改善されている。
SN=|MFJUDAVE|/σ (11)
ここで、MFJUDAVEは1つの気筒について算出された多数の判定パラメータ値の平均値であり、σは多数の判定パラメータ値の標準偏差である。
以上のように本実施形態では、ポンプ損失の変化特性に応じて設定されたMFJOFFPテーブルを用いて補正量MFJOFFPを算出し、補正量MFJOFFPにより判定パラメータMFJUDを補正して補正判定パラメータMFJUDCを算出し、補正判定パラメータMFJUDCにより失火判定を行うようにしたので、判定パラメータの理想値からのずれを低減し、特に高回転領域における失火判定の精度を向上させることができる。
また回転速度の増加に対して直線的に増加する成分と、回転速度の増加に対するエンジンの体積効率ηvの変化特性と同様の特性で変化する成分とを合成した特性で補正量MFJOFFPが変化するようにMFJOFFPテーブルが設定されているので、エンジン回転数NEの変化、及びエンジン回転数NEの変化に伴う体積効率ηvの変化が補正量MFJOFFPに反映され、ポンプ損失に起因する判定パラメータMFJUDのずれを正確に補正することができる。
本実施形態では、クランク角度位置センサ12及びECU20が回転速度パラメータ検出手段を構成し、ECU20が、基準値算出手段、相対速度パラメータ算出手段、判定パラメータ算出手段、補正手段、及び判定手段を構成する。具体的には、図3のステップS11が回転速度パラメータ検出手段の一部に相当し、ステップS13〜S17が基準値算出手段及び相対速度パラメータ算出手段に相当し、ステップS18が判定パラメータ算出手段及び補正手段に相当し、ステップS19〜S21が判定手段に相当する。また図4のステップS31が判定パラメータ算出手段に相当し、ステップS32及びS33が補正手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、フュエルカット運転中においても判定パラメータMFJUDを算出し、フュエルカット運転中の判定パラメータMFJUDの値の平均値MFJFCAVを算出し、その期間中のエンジン回転数NEの平均値NEAVに応じてMFJOFFPテーブルの設定値MFJOFFP(NE)を、下記式(11)により修正するようにしてもよい。式(11)のCLは、例えば0.02程度に設定されるなまし係数であり、右辺のMFJOFFP(NE)は、修正前のテーブル設定値である。
MFJOFFP(NE)=CL×MFJFCAV
(1−CL)×MFJOFFP(NE) (11)
このようにMFJOFFPテーブル設定値を修正することにより、ポンプ損失特性が経時変化した場合においても、失火判定の精度を維持することが可能となる。
また上述した実施形態では、時間パラメータCRMEを回転速度OMGに変換して失火判定を行うようにしたが、特許文献1に示されるように時間パラメータCRMEそのものを回転速度パラメータとして用いて失火判定を行うようにしてもよい。
またMFJOFFPテーブルは、エンジン回転数NE及び吸気圧PBAに応じたMFJOFFPマップに代え、検出したエンジン回転数NE及び吸気圧PBAに応じて補正量MFJOFFPを算出するようにしてもよい。MFJOFFPマップは、吸気圧PBAが増加するほど補正量MFJOFFPが増加し、かつエンジン回転数NEに対しては図5に示すMFJOFFPテーブルと同様に補正量MFJOFFPが変化するように設定する。
また上述した実施形態では、4気筒エンジンに本願発明を適用した例を示したが、本願発明は気筒数に拘わらず適用可能である。また、本願発明は、燃料を燃焼室内に直接噴射するガソリンエンジン、あるいはディーゼルエンジンの失火判定にも適用可能である。さらに本願発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの失火判定にも適用が可能である。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 従来の手法における問題点を説明するための図である。 失火判定を行う処理のフローチャートである。 図3の処理で実行される、補正判定パラメータ(MFJUDC)を算出する処理のフローチャートである。 図4の処理で参照されるテーブルを示す図である。 判定パラメータの補正の効果を説明するための図である。
符号の説明
1 内燃機関
12 クランク角度位置センサ(回転速度パラメータ検出手段)
20 電子制御ユニット(回転速度パラメータ検出手段、基準値算出手段、相対速度パラメータ算出手段、判定パラメータ算出手段、補正手段、判定手段)

Claims (1)

  1. 内燃機関の回転速度に応じた回転速度パラメータを検出する回転速度パラメータ検出手段を備え、検出される回転速度パラメータに基づいて前記機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置において、
    失火判定の対象となる気筒のピストンが圧縮上死点近傍にあるときに検出される前記回転速度パラメータを基準値として算出する基準値算出手段と、
    前記基準値と所定クランク角度毎に検出される回転速度パラメータとの偏差に応じて相対速度パラメータを算出する相対速度パラメータ算出手段と、
    前記相対速度パラメータをクランク角度720/N(Nは前記機関の気筒数)度の期間に亘って積算することにより判定パラメータを算出する判定パラメータ算出手段と、
    前記回転速度の変化に伴う前記機関のポンプ損失の変化に応じて補正量を算出し、該補正量により前記判定パラメータを補正する補正手段と、
    補正後の判定パラメータに基づいて失火判定を行う判定手段とを備え
    前記補正手段は、前記回転速度の増加に対して直線的に増加する第1成分と、前記回転速度の増加に対する前記機関の体積効率の変化特性と同様の特性で変化する第2成分とを合成した特性で変化するように前記補正量を算出し、前記判定パラメータから前記補正量を減算することにより前記判定パラメータの補正を行い、
    前記補正手段は、前記回転速度に応じて前記補正量が設定された補正量テーブルを用いて前記補正量の算出を行うとともに、前記機関への燃料供給を遮断するフュエルカット運転中に得られる前記判定パラメータの平均値に応じて、前記補正量テーブルに設定されている補正量の修正を行うことを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
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