JP5032000B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に関する。
特許文献1には、吸気弁のバルブリフト特性を変更可能な可変動弁機構を備え、吸気弁の上流側の吸気通路内へ燃料を噴射供給するようにした内燃機関が開示されている。
特開2001−221083号公報
しかしながら、このような従来の内燃機関にあっては、吸気弁のバルブリフト量と吸気弁開閉時期の変化とに応じて燃料噴射時期を変更するようになっていなかったため、シリンダ内への燃料液滴の流入による未燃HC排出量の増大、吸入混合気の均質化が進まないことによる燃焼悪化、といった問題が発生する虞がある。
そこで、本発明の内燃機関は、吸気弁のリフト・作動角及び吸気弁のリフト中心角の位相を変更可能な可変動弁機構を備え、吸気弁の上流側の吸気通路に燃料噴射する内燃機関において、暖機後アイドル運転時に、上死点に近づくように吸気弁開時期を進角させ、かつ吸気下死点よりも進角側となるように吸気弁閉時期を進角させることでポンプ損失を低減して燃費を向上させる一方、燃焼安定性を確保する必要がある場合には吸気弁開時期を吸気弁閉時期とともに相対的に遅角させるとともに、吸気弁開時期を遅角させた際には燃料噴射時期を前サイクルの排気行程後半に設定し、吸気弁開時期を進角させた際には燃料噴射時期を前サイクルの吸気弁閉時期から吸気下死点までの間に設定することを特徴としている。つまり、吸気弁開時期を進角させた際には燃料噴射時期を進角させ、吸気弁開時期を遅角させた際には燃料噴射時期を遅角させる。
本発明によれば、吸気弁開時期を進角させ燃料噴射時期を進角させた際には、燃料噴射後吸気ポート内に燃料噴霧を滞留させる時間が十分確保でき、燃料の気化が促進させて、吸気行程中の燃焼室壁面への液体燃料付着量を低減することができ、未燃HC排出量を低減することができると共に、吸気量ばらつき、燃焼悪化といった問題を回避することができる。
また、吸気弁開時期を遅角させ燃料噴射時期を遅角させた際には、吸気行程時の筒内負圧が大きく、高速の吸気流による燃料の微粒化・気化を促進する効果が大きいため、高速の吸気流による燃料の微粒化・気化を促進する効果が得られ、燃料噴射時期を進角しなくとも、吸気行程中の燃焼室壁面への液体燃料付着量を低減することができ、未燃HC排出量を低減することができると共に、吸気量ばらつき、燃焼悪化といった問題を回避することができる。
本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態は、本発明を、自動車用火花点火式ガソリン機関として構成したものである。
図1は、内燃機関の吸気弁側可変動弁装置の構成を示す構成説明図であり、この可変動弁装置は、可変動弁機構として、吸気弁のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角可変機構1と、そのリフトの中心角の位相(図示せぬクランクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させる位相可変機構21(第2の可変動弁機構に相当する)と、を備えている。
まず、リフト・作動角可変機構1を説明する。なお、このリフト・作動角可変機構1は、本出願人が先に提案したものであるが、例えば特開平11−107725号公報等によって公知となっているので、その概要のみを説明する。
リフト・作動角可変機構1は、シリンダヘッド(図示せず)に摺動自在に設けられた吸気弁11と、シリンダヘッド上部のカムブラケット(図示せず)に回転自在に支持された駆動軸2と、この駆動軸2に、圧入等により固定された偏心カム3と、駆動軸2の上方位置に同じカムブラケットによって回転自在に支持されるとともに駆動軸2と平行に配置された制御軸12と、この制御軸12の偏心カム部18に揺動自在に支持されたロッカアーム6と、各吸気弁11の上端部に配置されたタペット10に当接する揺動カム9と、を備えている。偏心カム3とロッカアーム6とはリンクアーム4によって連係されており、ロッカアーム6と揺動カム9とは、リンク部材8によって連係されている。
駆動軸2は、後述するように、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって駆動されるものである。
偏心カム3は、円形外周面を有し、該外周面の中心が駆動軸2の軸心から所定量だけオフセットしているとともに、この外周面に、リンクアーム4の環状部が回転可能に嵌合している。
ロッカアーム6は、略中央部が偏心カム部18によって揺動可能に支持されており、その一端部に、連結ピン5を介して上記リンクアーム4のアーム部が連係しているとともに、他端部に、連結ピン7を介してリンク部材8の上端部が連係している。偏心カム部18は、制御軸12の軸心から偏心しており、従って、制御軸12の角度位置に応じてロッカアーム6の揺動中心は変化する。
揺動カム9は、駆動軸2の外周に嵌合して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部に、連結ピン17を介してリンク部材8の下端部が連係している。この揺動カム9の下面には、駆動軸2と同心状の円弧をなす基円面と、該基円面から所定の曲線を描いて延びるカム面と、が連続して形成されており、これらの基円面ならびにカム面が、揺動カム9の揺動位置に応じてタペット10の上面に当接するようになっている。
すなわち、上記基円面はベースサークル区間として、リフト量が0となる区間であり、揺動カム9が揺動してカム面がタペット10に接触すると、徐々にリフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
制御軸12は、図1に示すように、一端部に設けられたリフト・作動角制御用アクチュエータ13によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト・作動角制御用アクチュエータ13は、例えばウォームギア15を介して制御軸12を駆動するサーボモータ等からなり、エンジンコントロールユニット19(制御装置)からの制御信号によって制御されている。ここで、制御軸12の回転角度は、アナログセンサからなる制御軸センサ14によって検出され、この検出した実際の制御状態に基づいてアクチュエータ13がクローズドループ制御される。
このリフト・作動角可変機構1の作用を説明すると、駆動軸2が回転すると、偏心カム3のカム作用によってリンクアーム4が上下動し、これに伴ってロッカアーム6が揺動する。このロッカアーム6の揺動は、リンク部材8を介して揺動カム9へ伝達され、揺動カム9が揺動する。この揺動カム9のカム作用によって、タペット10が押圧され、吸気弁11がリフトする。
ここで、リフト・作動角制御用アクチュエータ13を介して制御軸12の角度が変化すると、ロッカアーム6の揺動運動の中心位置が動いてロッカアーム6の初期位置が変化し、ひいては揺動カム9の初期揺動位置が変化する。
例えば偏心カム部18が図の上方へ位置しているとすると、ロッカアーム6は全体として上方へ位置し、揺動カム9の連結ピン17側の端部が相対的に上方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム9の初期位置は、そのカム面がタペット10から離れる方向に傾く。従って、駆動軸2の回転に伴って揺動カム9が揺動した際に、基円面が長くタペット10に接触し続け、カム面がタペット10に接触する期間は短い。従って、リフト量が全体として小さくなり、かつその開時期から閉時期までの角度範囲つまり作動角も縮小する。
逆に、偏心カム部18が図の下方へ位置しているとすると、ロッカアーム6は全体として下方へ位置し、揺動カム9の連結ピン17側の端部が相対的に下方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム9の初期位置は、そのカム面がタペット10に近付く方向に傾く。従って、駆動軸2の回転に伴って揺動カム9が揺動した際に、タペット10と接触する部位が基円面からカム面へと直ちに移行する。従って、リフト量が全体として大きくなり、かつその作動角も拡大する。
偏心カム部18の初期位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性は、連続的に変化する。つまり、リフトならびに作動角を、両者同時に、連続的に拡大,縮小させることができる。各部のレイアウトによるが、例えば、リフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁11の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化する。
次に、位相可変機構21は、図1に示すように、駆動軸2の前端部に設けられたスプロケット22と、このスプロケット22と駆動軸2とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用アクチュエータ23と、から構成されている。スプロケット22は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトに連動している。位相制御用アクチュエータ23は、例えば油圧式、電磁式などの回転型アクチュエータからなり、エンジンコントロールユニット19からの制御信号によって制御されている。この位相制御用アクチュエータ23の作用によって、スプロケット22と駆動軸2とが相対的に回転し、バルブリフトにおけるリフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も、連続的に得ることができる。この位相可変機構21の実際の制御状態は、駆動軸2の回転位置に応答する駆動軸センサ16によって検出され、これに基づいて、アクチュエータ23がクローズドループ制御される。
ここで、本実施形態においては、吸気弁11の上流側で吸気通路内に燃料噴射弁(図示せず)から噴射されている。また、暖機後アイドル運転時の吸気弁11のバルブリフト量を極小リフトと呼び、暖機後アイドル運転時より高負荷側の低負荷運転時の吸気弁11のバルブリフト量を小リフトと呼ぶ。尚、上記極小リフトは、上記小リフトよりも小さいものである。
本実施形態においては、暖機後アイドル運転時に、吸気弁11のバルブリフト量を極小リフトとすることによって吸入空気量が制御されている。このときポンプ損失を低減して燃費を向上するために吸気弁11のリフト中心角の位相を、吸気弁11と排気弁のバルブオーバラップが無いかまたは小さくなる程度に進角する。ただし、吸気弁11のリフト中心角の位相を進角させて吸気弁11の開時期を上死点に近づけると吸入空気流速が減少してシリンダ内混合気の流動エネルギが減少するため燃焼が悪化する虞がある。そのため、暖機後アイドル運転時においても、機関運転条件に応じて燃費と燃焼安定性を両立可能な吸気弁11のリフト中心角の位相に制御する必要がある。
そこで、暖機後アイドル運転時で吸気弁11のバルブリフト量が極小リフトの時において、ポンプ損失を低減して燃費向上を図る場合には、図2に示すように、吸気弁11のリフト中心角の位相を相対的に進角させ、燃料噴射時期を相対的に進角させる。そして、暖機後アイドル運転時で吸気弁11のバルブリフト量が極小リフトの時に図2に示す条件で吸気弁11及び燃料噴射時期を制御すると燃焼が悪化するような場合には、燃焼安定性を確保するために、図3に示すように、吸気弁11のリフト中心角の位相を相対的に遅角させ、燃料噴射時期を相対的に遅角させる。
つまり、暖機後アイドル運転時で吸気弁11のバルブリフト量が極小リフトの時においては、吸気弁11のリフト中心角の位相が進角している時の燃料噴射時期よりも、吸気弁11のリフト中心角の位相が遅角している時の燃料噴射時期の方が遅角するように、吸気弁11のリフト中心角の位相に応じて燃料噴射時期を可変に制御する。
換言すれば、吸気弁開時期を遅角させた際の燃料噴射時期に対して、吸気弁開時期を進角させた際の燃料噴射時期の方が進角するよう制御する。
尚、燃焼が悪化する要因としては、油水温の低下、経年劣化による気筒間の燃料噴射量のバラツキ、等が考えられる。
このように、極小リフト時の吸気弁11のリフト中心角の位相が進角して吸気弁11の開時期が上死点に近づいている場合、吸気行程時の筒内負圧が小さいため吸気流速が小さくなり、高速の吸気流による燃料の微粒化・気化を促進する効果が小さくなる。
そのため、燃料噴射時期を従来の内燃機関のように排気上死点前まで進角した場合、吸気行程開始前に燃料が吸気弁傘裏、吸気ポート壁面(吸気通路壁面)に付着した状態となり、吸気弁リフト開始後に吸気弁開口部に液体燃料が付着し、実質的な吸気弁開口面積が縮小する虞がある。このように吸気弁極小リフト時には吸気弁開口面積がもともと小さいため燃料付着による吸気弁11の実質開口面積変化の影響が大きく、同一リフトであっても気筒間、吸気弁11毎に吸気量のばらつきが生じ易く、気筒間またはサイクル毎の燃焼ばらつき、トルクばらつきが生じる虞がある。また、吸気弁・吸気ポート壁面に付着した燃料が蓄積すると、この蓄積された燃料が吸気行程中にシリンダ内に流れ込み、空燃比のばらつきが起こって燃焼が悪化する虞がある。さらに、シリンダ壁面に付着した燃料が増大すると未燃HC排出量が増大するという問題が発生する。
そこで、燃料噴射時期を前サイクルの吸気行程終了直後に大幅に進角させ、燃料噴射後吸気ポート内に燃料噴霧が滞留する時間を十分確保し、燃料の気化を促進させる。これによって、吸気行程中の燃焼室壁面への液体燃料付着量を低減することができ、未燃HC排出量を低減することができると共に、吸気量ばらつき、燃焼悪化といった問題を回避することができる。
一方、極小リフト時の吸気弁11のリフト中心角の位相が遅角して吸気弁11の開時期が上死点から遠ざかる場合、吸気行程時の筒内負圧が大きく、高速の吸気流による燃料の微粒化・気化を促進する効果が大きいため、高速の吸気流による燃料の微粒化・気化を促進する効果が得られる。
そのため、燃料噴射時期を進角しなくとも、吸気行程中の燃焼室壁面への液体燃料付着量を低減することができ、未燃HC排出量を低減することができると共に、吸気量ばらつき、燃焼悪化といった問題を回避することができる。また、吸気弁11の位相可変機構21が作動していないときや故障時にはリフト中心角が最遅角化されているため、そのような場合にも燃料噴射時期を過度に早期化して吸気行程中に次行程の燃料噴射が開始されることを回避するため、吸気弁11のリフト中心角遅角時の燃料噴射時期を吸気弁11のリフト中心角進角時の燃料噴射時期よりも遅角側に設定したほうがよい。また、極小リフト時の吸気弁11のリフト中心角遅角時は吸気流速が大きいためバルブ開口面積当たりの吸気流量が大きく、吸気弁・吸気ポートへのわずかな燃料付着によるバルブ開口面積の変化が吸入空気量に大きな影響を与えるため、極小リフト時にはリフト中心角の進角によって燃料の気化を促進するよりも、リフト中心角の遅角によって吸気行程時の吸気ポート内ガス中への燃料噴霧滞留量を増大して吸気弁・吸気ポートへの燃料付着量を低減しておくことを優先することが望ましい。それによって燃料の気化量が減少し筒内への微粒液滴燃料流入量が増大するが、リフト中心角の遅角によって吸気流速が大きいため燃料の微粒化を促進し燃焼室壁面への付着燃料を高速吸気流によって吹き飛ばすことができるため、未燃HC排出量増大を回避できる。
暖機後アイドル運転時より高負荷側の低負荷運転時で吸気弁11のバルブリフト量が小リフトの時には、吸気弁11と排気弁のバルブオーバーラップ量を拡大することによって燃費を向上させると共に、燃焼が安定している範囲内で可能なかぎりポンプ損失を低減し燃費を向上させる制御を行う。そのため、機関運転条件に応じて燃焼が安定している場合には吸気弁11のリフト中心角の位相を進角させ、燃焼安定性が悪化する場合には吸気弁11のリフト中心角の位相を遅角する制御を行う必要がある。
そこで、暖機後アイドル運転時より高負荷側の低負荷運転時で吸気弁11のバルブリフト量が小リフトの時において、ポンプ損失を低減して燃費向上を図る場合には、図4に示すように、吸気弁11のリフト中心角の位相を相対的に進角させ、燃料噴射時期を相対的に遅角させる。そして、暖機後アイドル運転時よりも高負荷側の低負荷運転時で吸気弁11のバルブリフト量が小リフトの時に図4に示す条件で吸気弁11及び燃料噴射時期を制御すると燃焼が悪化するような場合には、燃焼安定性を確保するために、図5に示すように、吸気弁11のリフト中心角の位相を相対的に遅角させ、燃料噴射時期を相対的に進角させる。
つまり、暖機後アイドル運転時よりも高負荷側の低負荷運転時で吸気弁11のバルブリフト量が小リフトの時においては、吸気弁11のリフト中心角の位相が進角している時の燃料噴射時期よりも、吸気弁11のリフト中心角の位相が遅角している時の燃料噴射時期の方が進角するように、吸気弁11のリフト中心角の位相に応じて燃料噴射時期を可変に制御する。
換言すれば、図4に示すように吸気弁11と排気弁のバルブオーバラップ量が大きい時よりも、図5に示すように吸気弁11と排気弁のバルブオーバラップが小さい時に、燃料噴射時期の方が進角するように、吸気弁11と排気弁のバルブオーバラップ量に応じて燃料噴射時期を制御する。
このように、吸気弁小リフト時に吸気弁11のリフト中心角の位相を進角させた場合、吸気弁11と排気弁のバルブオーバラップ量が大きくなり、筒内残留ガスの吸気ポートへの逆流量が増大するため、燃料噴射時期を遅らせて高温の吸気ポート内のガス中に燃料を噴射することによって、急速に燃料と高温ガスを攪拌して燃料の気化を促進することができる。そのため、吸気行程中の燃焼室壁面への液体燃料付着量を低減することができ、未燃HC排出量を低減することができると共に、吸気量ばらつき、燃焼悪化といった問題を回避することができる。
一方、吸気弁小リフト時の吸気弁11のリフト中心角の位相を遅角させた場合、吸気弁11と排気弁のバルブオーバラップ量が小さくなり、筒内残留ガスの吸気ポートへの逆流量が少なくなるので、燃料噴射時期を遅らせても低温の吸気ポート内のガス中に燃料が噴射されることになり、燃料と高温ガスを攪拌しても短時間で気化を促進することができない。そのため、吸気弁小リフト時の吸気弁11のリフト中心角の位相を遅角させた場合には、燃料噴射時期を相対的に進角することによって、高温の吸気ポート壁面に燃料を早期に噴射して燃料と吸気ポート壁面との接触時間を十分に確保し、吸気ポートからの燃料の受熱量を増大させて、気化を促進することによって、吸気行程中の燃焼室壁面への液体燃料付着量が低減され、未燃HC排出量を低減することができると共に、吸気量ばらつき、燃焼悪化といった問題を回避することができる。
また、吸気ポート壁温を検知する手段を備えることによって、吸気ポートの壁面温度が高くなるほど燃料噴射時期を相対的に進角させる制御を行うようにしてもよい。尚、吸気ポートの壁面温度を検出する手段としては、温度センサ等により直接検知する方法や、吸気温度、バルブオーバラップ量、エンジン油水温などから吸気ポートの壁面温度を推定する方法がある。
全負荷運転直後や、吸気弁11と排気弁の大バルブオーバラップによる残留ガスの吸気ポート逆流時のように吸気ポートの壁面温度が高い場合には、吸気ポート壁からの熱の受熱を利用して燃料の気化を促進することが可能である。しかし、冷機時や、アイドル運転が長時間継続した後や、オーバラップが小さく残留ガスの吸気ポート逆流が少ない場合のように吸気ポート壁温が低い場合には、吸気ポート壁からの熱の受熱を利用して燃料の気化を促進することができない。
そのため、吸気ポート壁温によっては燃料噴射時期を進角して吸気ポート壁からの熱の受熱を利用して燃料の気化を促進することが好ましい場合と、吸気ポート壁からの熱の受熱によらず燃料噴射時期を遅角して燃料噴射直後の微粒化燃料を高速の吸気流で筒内に吸気することが好ましい場合とがある。
そこで、吸気ポート壁温が高くなるほど燃料噴射時期を進角し、吸気ポート壁温が低くなるほど燃料噴射時期を遅角するよう制御すれば、吸気ポート壁温が高い場合にも低い場合にも燃料の気化を促進することが可能となり、燃焼室壁面への燃料付着量が低減され、未燃HC排出量を効果的に低減することができると共に、吸気量ばらつき、燃焼悪化といった問題を回避することができる。
上記実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について、その効果とともに列記する。
(1) 吸気弁のリフト・作動角及び吸気のリフト中心角の位相を変更可能な可変動弁機構を備え、吸気弁の上流側の吸気通路に燃料噴射する内燃機関において、吸気弁開時期を遅角させた際の燃料噴射時期に対して、吸気弁開時期を進角させた際の燃料噴射時期の方が進角するよう設定されている。すなわち、吸気弁開時期を進角させた際には燃料噴射時期を進角させ、吸気弁開時期を遅角させた際には燃料噴射時期を遅角させる。これによって、吸気弁開時期を進角させ燃料噴射時期を進角させた際には、燃料噴射後吸気ポート内に燃料噴霧を滞留させる時間が十分確保でき、燃料の気化が促進させて、吸気行程中の燃焼室壁面への液体燃料付着量を低減することができ、未燃HC排出量を低減することができると共に、吸気量ばらつき、燃焼悪化といった問題を回避することができる。また、吸気弁開時期を遅角させ燃料噴射時期を遅角させた際には、吸気行程時の筒内負圧が大きく、高速の吸気流による燃料の微粒化・気化を促進する効果が大きいため、高速の吸気流による燃料の微粒化・気化を促進する効果が得られ、燃料噴射時期を進角しなくとも、吸気行程中の燃焼室壁面への液体燃料付着量を低減することができ、未燃HC排出量を低減することができると共に、吸気量ばらつき、燃焼悪化といった問題を回避することができる。
(2) 上記(1)に記載の内燃機関は、暖気後アイドル運転時で吸気弁のバルブリフト量が極小リフトの時に前記燃料噴射時期の制御が行われる。
(3) 吸気弁のリフト・作動角及び吸気のリフト中心角の位相を変更可能な可変動弁機構を備え、吸気弁の上流側の吸気通路に燃料噴射する内燃機関において、吸気弁と排気弁とのバルブオーバーラップが大きい時の燃料噴射時期に対して、吸気弁と排気弁とのバルブオーバラップが小さい時の燃焼噴射時期が進角するよう設定されている。吸気弁と排気弁のバルブオーバラップ量が大きい場合には、筒内残留ガスの吸気ポートへの逆流量が増大するため、燃料噴射時期を遅らせて高温の吸気ポート内のガス中に燃料を噴射することによって、急速に燃料と高温ガスを攪拌して燃料の気化を促進することができ、吸気行程中の燃焼室壁面への液体燃料付着量を低減することができ、未燃HC排出量を低減することができると共に、吸気量ばらつき、燃焼悪化といった問題を回避することができる。また、吸気弁と排気弁のバルブオーバラップ量が小さい場合には、燃料噴射時期を相対的に進角させることによって、燃料と吸気ポート壁面との接触時間を十分に確保し、吸気ポートからの燃料の受熱量を増大させて気化を促進させることができ、吸気行程中の燃焼室壁面への液体燃料付着量を低減することができ、未燃HC排出量を低減することができると共に、吸気量ばらつき、燃焼悪化といった問題を回避することができる。
(4) 上記(3)に記載の内燃機関は、低負荷運転時で吸気弁のバルブリフト量が小リフトの時に前記燃料噴射時期の制御が行われる
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の内燃機関は、吸気ポート壁温を検知する手段を備え、吸気ポート壁温が高くなるほど燃料噴射時期を進角するよう設定されている。これによって、吸気ポートの壁面温度が高い場合には、燃料噴射時期を進角させ、吸気ポート壁からの熱の受熱を利用して燃料の気化を促進しさせることで、吸気行程中の燃焼室壁面への液体燃料付着量を低減することができ、未燃HC排出量を低減することができる。また、吸気ポートの壁面温度が低い場合には、燃料噴射直後の微粒化燃料を高速の吸気流で筒内に吸気することで燃料の気化が促進し、吸気行程中の燃焼室壁面への液体燃料付着量を低減することができ、未燃HC排出量を低減することができると共に、吸気量ばらつき、燃焼悪化といった問題を回避することができる。
本発明の内燃機関に用いられる可変動弁機構の全体構成を模式的に示した説明図。 暖機後アイドル運転時で吸気弁のバルブリフト量が極小リフトのときの吸気弁のリフト中心角の位相と燃料噴射時期との相関関係を模式的に示した説明図。 暖機後アイドル運転時で吸気弁のバルブリフト量が極小リフトのときの吸気弁のリフト中心角の位相と燃料噴射時期との相関関係を模式的に示した説明図。 低負荷運転時で吸気弁のバルブリフト量が小リフトでバルブオーバーラップが大きいときの吸気弁のリフト中心角の位相と燃料噴射時期との相関関係を模式的に示した説明図。 低負荷運転時で吸気弁のバルブリフト量が小リフトでバルブオーバーラップが小さいときの吸気弁のリフト中心角の位相と燃料噴射時期との相関関係を模式的に示した説明図。
符号の説明
1…リフト・作動角可変機構
2…駆動軸
3…偏心カム
6…ロッカアーム
8…リンク部材
9…揺動カム
11…吸気弁
12…制御軸
14…制御軸センサ
16…駆動軸センサ
19…エンジンコントロールユニット
21…位相可変機構

Claims (2)

  1. 吸気弁のリフト・作動角及び吸気のリフト中心角の位相を変更可能な可変動弁機構を備え、吸気弁の上流側の吸気通路に燃料噴射する内燃機関において、
    暖機後アイドル運転時に、上死点に近づくように吸気弁開時期を進角させ、かつ吸気下死点よりも進角側となるように吸気弁閉時期を進角させることでポンプ損失を低減して燃費を向上させる一方、燃焼安定性を確保する必要がある場合には吸気弁開時期を吸気弁閉時期とともに相対的に遅角させるとともに、吸気弁開時期を遅角させた際には燃料噴射時期を前サイクルの排気行程後半に設定し、吸気弁開時期を進角させた際には燃料噴射時期を前サイクルの吸気弁閉時期から吸気下死点までの間に設定することを特徴とする内燃機関。
  2. 吸気ポート壁温を検知する手段を備え、吸気ポート壁温が高くなるほど燃料噴射時期を進角するよう設定されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
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