JP2007239555A - 内燃機関 - Google Patents

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晋 石崎
Masayuki Tomita
全幸 富田
Takanobu Sugiyama
孝伸 杉山
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Abstract

【課題】1サイクル中にピストンストローク量が変化する可変ストロークエンジンにおいて、排気浄化用触媒を早期に活性化させる。
【解決手段】クランクシャフト1の回転に同期して周期的にピストンストローク量を変化させる可変ストローク機構と、運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態に応じて点火時期を調整する点火時期制御手段と、を備え、少なくとも機関冷機運転時には、前記可変ストローク機構は、ピストン8の排気上死点位置が圧縮上死点位置よりも高くなるようにピストンストローク量を変化させ、かつ、前記点火時期制御手段は点火時期を最適点火時期よりも遅角させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、1サイクル中にピストンストローク量を可変制御する機構を備える内燃機関に関する。
機関圧縮比を可変に制御する可変圧縮比機構を備え、さらに吸気弁開閉時期を可変に制御する可変動弁機構を備えるレシプロ式内燃機関が特許文献1に開示されている。
前記可変圧縮比機構は、複リンク式のピストン−クランク機構を用いてピストンの上死点位置を変化させることによって、圧縮比を変化させている。
前記可変動弁機構は、吸気弁のリフト量及び作動角を連続的かつ無段階に可変制御可能なリフト・作動角可変機構と、リフト中心角を変化させる位相可変機構とからなる。
上記構成の内燃機関では、冷機起動後であってアイドル回転数が通常運転時に比べて上昇した状態での運転時には、圧縮比を低く設定して膨張比を低下させ、かつ点火時期をMBT点よりも大幅に遅角させることによって排気温度を上昇させている。さらに、吸気弁の作動角を縮小し、吸気弁閉時期を上死点よりも遅らせることによって、筒内の負圧の発達による流速の増大、実圧縮比の確保等によって膨張比低下による燃焼安定性の低下を防止し、点火時期の遅角量増大を可能としている。
これらの低圧縮比化及び点火時期の遅角化によって排気温度を上昇させ、排気浄化触媒の早期活性化を図っている。
特開2003−328794号公報
しかしながら、特許文献1に記載の可変圧縮比機構では、圧縮比を低下させるとピストン上死点位置が相対的に降下するので燃焼室容積が増大し、これにより排気行程終了時の残ガス率が増加して燃焼安定性が低下するので、点火時期の遅角量は制限を受けてしまうという問題があった。
そこで、本発明では、燃焼安定性を確保しつつ排気浄化触媒をより早期に活性化することを目的とする。
本発明の内燃機関は、クランクシャフトの回転に同期して周期的にピストンストローク量を変化させる可変ストローク機構と、運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態に応じて点火時期を調整する点火時期制御手段と、を備え、少なくとも機関冷機運転時には、前記可変ストローク機構は、ピストンの排気上死点位置が圧縮上死点位置よりも高くなるようにピストンストローク量を変化させ、かつ、前記点火時期制御手段は点火時期を最適点火時期よりも遅角させる。
本発明によれば、膨張行程のピストンストローク量に比べて排気行程のピストンストローク量の方が大きいピストンストローク特性になるので、上死点位置が一定(膨張行程と排気行程のピストンストローク量が同じ)のエンジンに比べて残ガス率が低くなる。これにより燃焼安定性が高まるので、点火時期の遅角可能量が大きくなる。したがって、冷機運転時には、点火時期を最適点火時期(MBT点)よりも大幅に遅角させることによって排気温度を上昇させ、排気浄化触媒より早期に活性化させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態において、機関圧縮比とは圧縮上死点時の燃焼室容積と膨張下死点時のシリンダ内容積との比をいうものとする。これに対して、圧縮上死点時の燃焼室容積と吸気弁35を閉じたときのシリンダ内容積との比を実圧縮比という。
まず、第1実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る内燃機関に用いられる複リンク式ピストン−クランク機構を用いた可変ストローク機構の構成を示す図である。
1は複数のジャーナル部2及びクランクピン3を備えるクランクシャフト、16はジャーナル部2とクランクピン3とを接続するクランクウェブ、15は各ジャーナル部2の両端部からクランクピン3とは反対側に延びるカウンタウェイト、18はシリンダブロック、8はシリンダ19内を往復動するピストン、4はロアリンク(第2リンク)、5はアッパリンク(第1リンク)、10はロアリンク4の運動を拘束するコントロールリンク(第3リンク)、12は偏心カム部12aを備えるコントロールシャフトである。
クランクシャフト1はジャーナル部2がシリンダブロック18の主軸受に回転自在に支持されている。クランクピン3はジャーナル部2から所定量偏心しており、ここにロアリンク4が回転自在に連結されている。ロアリンク4は左右の2部材に分割可能に構成されているとともに、略中央の連結孔にクランクピン3が嵌合している。アッパリンク5は、下端側が連結ピン6によりロアリンク4の一端に回動可能に連結され、上部側がピストンピン7によりピストン8に回動可能に連結されている。ピストン8は、燃焼圧力を受けてシリンダブロック18のシリンダ19内を往復動する。コントロールリンク10は、上端側が連結ピン11によりロアリンク4の他端に回動可能に連結され、下端側が機関本体の一部となるシリンダブロック18の下部にコントロールシャフト12を介して回動可能に連結されている。
詳述すると、後述する図3に示すようにコントロールシャフト12は気筒列方向に延在し、かつ複数のジャーナル部2で軸受ブラケット26を介してシリンダブロック18側に回転可能に支持されるとともに、その回転中心から偏心している偏心カム部12aが各気筒ごとに固定又は一体に形成されており、各偏心カム部12aの外周面に、コントロールリンク10の他端が回転可能に外嵌している。つまり、コントロールリンク10の他端が偏心カム部12aに回転可能に支持されており、この偏心カム部12aの軸心が、機関本体に対するコントロールリンク10の揺動中心となる。
なお、ロアリンク4に対するクランクピン3、連結ピン6、及び連結ピン11の3つの連結位置は、同一直線上に配置されておらず、略三角形状をなすように配置されている。
また、上記の複リンク式ピストンクランク機構を用いると、ピストンストローク特性が単振動に近づき、一般的な単リンク式ピストンクランク機構に比べて上死点位置近傍でのピストン速度が緩やかになるという特性がある。
次に図2、図3を参照して可変ストローク機構の作動について説明する。
図2は後述するギア機構を示す図であり、図3はコントロールシャフト12周辺の構成を示すエンジン側面図である。
30(30a〜30c)は駆動力伝達用のギア、31はクランクシャフト1に対するコントロールシャフト12の位相を変化させ得る回転位相変更機構(位相制御手段、ピストンストローク制御手段)である。
上記可変ストローク機構によれば、シリンダブロック18に対するコントロールリンク10の揺動中心を、クランクシャフト1の回転に同期して変更することができる。
以下に可変ストローク機構の作動についての説明をする。
クランクシャフト1からコントロールシャフト12へ回転動力を伝達する動力伝達機構として、クランクシャフト1の一端に固定された第1ギア30aと、コントロールシャフト12の一端に固定された第3ギア30cと、これら第1ギア30a及び第3ギア30cの双方に噛合する第2ギア30bと、を有するギア列30が用いられている。
そして、コントロールシャフト12の回転角速度が、クランクシャフト1の回転角速度の1/2となるように設定されている。すなわち、クランクシャフト1からコントロールシャフト12へ伝達される回転運動の減速比が2分の1に設定されている。具体的には、第3ギア30cの歯車径(歯数)が第1ギア30aの歯車径(歯数)の2倍に設定されている。言い換えると、コントロールシャフト12が、吸排気弁を駆動するカムシャフト(駆動軸)と同じ回転速度に設定されている。したがって、コントロールシャフト12は機関の1回のサイクル中に1回転する。
これにより、クランクシャフト1に連動してコントロールシャフト12が回転すると、各サイクル単位で、偏心カム部12aを介してコントロールリンク10の揺動中心の支持位置が移動するため、1サイクル中の2回のピストン往復運動のピストンストローク特性が互いに異なるものとなる。つまり、吸気行程及び圧縮行程と膨張行程及び排気行程とではピストンストローク特性が互いに異なるものとなる。
また、第3ギア30cからコントロールシャフト12への回転動力伝達経路には、クランクシャフト1の回転位相に対するコントロールシャフト12の回転位相を変更する回転位相変更機構31が設けられている。この回転位相変更機構31は、例えばクランクシャフトの回転位相に対するカムシャフトの位相を変更するヘリカルギアやベーンを用いた周知のバルブタイミング調整機構(VTC)の構造を応用することができ、図示しないコントロールユニット(点火時期制御手段)からの制御信号に基づいて、油圧又は電磁ソレノイド等により駆動される。
この回転位相変更機構31によって、機関運転状態に応じてクランクシャフト1の回転位相に対するコントロールシャフト12の回転位相を変更することにより、偏心カム部12aを介してコントロールリンク10の揺動中心の支持位置が変化して、アッパリンク5、ロアリンク4の姿勢が変化し、機関圧縮比が変更される。
例えば、偏心カム部12aが回転してコントロールリンク10が押し上げられると、ロアリンク4はクランクピン3を中心に図中反時計周りに回転するので、連結ピン6の位置は相対的に下降し、これによりピストン8の上死点位置が相対的に下降して、機関圧縮比が相対的に低下する。
一方、偏心カム部12aが回転することによってコントロールリンク10の位置が下がると、上記とは逆にロアリンク4はクランクピン3を中心に図中時計回りに回転して連結ピン6の位置が相対的に上昇し、これによりピストン8の上死点位置が相対的に上昇して機関圧縮比が相対的に上昇する。
これらの変化とクランクシャフト1の回転の位相を制御することより、後述するピストンストローク特性の制御を行う。
なお、機関運転状態を表すパラメータとしては、機関回転数、機関負荷、アクセル開度、冷却水温、油温等がある。これらを検出するためにセンサ(運転状態検出手段)を設け、各センサの検出信号に基づいて、図示しないコントロールユニットにて運転状態を判断する。
次に、上述した可変ストローク機構を有する内燃機関の動弁機構(吸気弁駆動手段、排気弁駆動手段)について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態で使用するバルブのリフト量及び作動角を可変に制御することができる動弁機構の概略図であり、上記シリンダブロック18の上部に締結されるシリンダヘッド(図示せず)に備えられる。
なお、ここでいうリフト量とは、最大リフト量のことをいう。また、リフト量の可変制御とは最大リフト量を可変制御することをいい、クランクシャフトの回転に同期して開閉する際のリフト量変化は除くものである。
また、本実施形態では吸気弁35側にのみ前記可変動弁機構を設けるが、排気弁側にも同様の可変動弁機構を設けて、運転状態に応じて排気弁の開閉時期を制御しても構わない。
可変動弁機構は、吸気弁35のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角可変機構20と、そのリフトの中心角の位相(クランクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させる位相可変機構21と、が組み合わされて構成されている。
なお、このリフト・作動角可変機構20は、本出願人が先に提案し、位相可変機構21とともに特開2002−89303号公報や特開2002−89341号公報等によって公知となっているので、その概要のみを説明する。
リフト・作動角可変機構20は、図1のシリンダブロック18の上部に接続されるシリンダヘッド上部の図示せぬカムブラケットに回転自在に支持された中空状の駆動軸22と、この駆動軸22に圧入等により固定された偏心カム23と、上記駆動軸22の上方位置に同じカムブラケットによって回転自在に支持されるとともに駆動軸22と平行に配置された制御軸24と、この制御軸24の偏心カム部25に揺動自在に支持されたロッカアーム28と、各吸気弁35の上端部に配置されたタペット34に当接する揺動カム33と、を備えている。ロッカアーム28は一方の端部付近が連結ピン27を介してリンクアーム26と連結されており、他方の端部付近が連結ピン29を介してリンク部材32の上方側端部と連結されている。リンク部材32の下方側端部は連結ピン37を介して揺動カム33と連結されている。
上記駆動軸22は、後述するように、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって駆動されるものである。
上記偏心カム23は、円形外周面を有し、該外周面の中心が駆動軸22の軸心から所定量だけオフセットしているとともに、この外周面に、リンクアーム26の環状部26aが回転可能に嵌合している。
上記ロッカアーム28は、略中央部を上記偏心カム部25が回転可能に貫通している。上記偏心カム部25は、制御軸24の軸心から偏心しており、従って、制御軸24の角度位置に応じてロッカアーム28の揺動中心は変化する。
上記揺動カム33は、駆動軸22の外周に嵌合して回転自在に支持されており、駆動軸22の軸方向に対して直角方向へ延びた端部33aに、前述したようにリンク部材32の下端部が連結ピン37を介して連結している。この揺動カム33の下面には、駆動軸22と同心状の円弧をなす基円面33cと、該基円面33cから上記端部へと所定の曲線を描いて延びるカム面33bと、が連続して形成されており、これらの基円面33cならびにカム面33bが、揺動カム33の揺動位置に応じてタペット34の上面に当接するようになっている。
すなわち、上記基円面33cはベースサークル区間として、リフト量がゼロとなる区間であり、揺動カム33が揺動してカム面33bがタペット34に接触すると、徐々にリフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
上記制御軸24は、図2に示すように、一方の端部に設けられたリフト・作動角制御用油圧アクチュエータ36によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト・作動角制御用油圧アクチュエータ36への油圧供給は、エンジンコントロールユニット38からの制御信号に基づいて制御されている。
このリフト・作動角可変機構20の作用を説明する。駆動軸22が回転すると、偏心カム23のカム作用によってリンクアーム26が上下動し、これに伴ってロッカアーム28が制御軸24を揺動軸として揺動する。このロッカアーム28の揺動は、リンク部材32を介して揺動カム33へ伝達され、該揺動カム33が揺動する。この揺動カム33のカム作用によって、タペット34が押圧され、吸気弁35がリフトする。
ここで、リフト・作動角制御用油圧アクチュエータ36を介して制御軸24の角度が変化すると、ロッカアーム28の揺動中心位置が変化し、ひいては揺動カム33の初期揺動位置が変化する。
例えば、偏心カム部25が上方へ位置しているとすると、ロッカアーム28は全体として上方へ位置し、揺動カム33の端部20aが相対的に上方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム33の初期揺動位置は、そのカム面33bがタペット34から離れる方向に傾く。従って、駆動軸22の回転に伴って揺動カム33が揺動した際に、基円面33cが長い間タペット34に接触し続け、カム面33bがタペット34に接触する期間は短い。従って、リフト量が全体として小さくなり、かつ、その開時期から閉時期までの角度範囲、すなわちカムの作動角も縮小する。
逆に、偏心カム部25が下方へ位置しているとすると、ロッカアーム28は全体として下方へ位置し、揺動カム33の端部33aが相対的に下方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム33の初期揺動位置は、そのカム面33bがタペット34に近付く方向に傾く。従って、駆動軸22の回転に伴って揺動カム33が揺動した際に、タペット34と接触する部位が基円面33cからカム面33bへと直ちに移行する。従って、リフト量が全体として大きくなり、かつその作動角も拡大する。
上記の偏心カム部25の初期位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性も連続的に変化する。つまり、リフトならびに作動角を、両者同時に、連続的に拡大,縮小させることができる。なお、この実施例では、リフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁35の開時期と閉時期がほぼ対称に変化する。
次に、位相可変機構21は、図8に示すように、上記駆動軸22の前端部に設けられたスプロケット39と、このスプロケット39と上記駆動軸22とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用アクチュエータ40と、から構成されている。上記スプロケット39は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトと同期して回転している。位相制御用アクチュエータ40は、エンジンコントロールユニット38からの制御信号に基づいて制御される。この位相制御用アクチュエータ40の制御によって、スプロケット39と駆動軸22とが相対的に回転し、リフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も連続的に得ることができる。位相可変機構21としては、油圧式、電磁式アクチュエータを利用したものなど、種々の構成が可能である。
なお、前記シリンダヘッドには、燃焼室内の混合気に火花点火するための点火栓(図示せず)が備えられており、前記点火栓の点火時期は運転状態に基づいて制御される。
上述した可変ストローク機構及び可変動弁機構を備えるエンジンにおける燃料噴射は、吸気ポート内に噴射するいわゆるポート噴射、又は燃焼室内に直接噴射するいわゆる筒内直接噴射式のいずれであっても構わない。
以下、上述したように構成されるエンジンの具体的な制御方法について説明する。
まず、図4、図5を参照して、ピストンストローク特性について説明する。
図4は、運転領域ごとのピストンストローク特性、及び各ピストンストローク特性時におけるクランクシャフト1とコントロールシャフト12との位相差を示した図である。ピストンストローク特性図の縦軸はピストンストローク量、横軸はクランク角度である。
ここで、図4中の「位相差」は、ピストン8が排気上死点位置となってからコントロールリンク10の揺動中心の支持位置が最も低くなるまでのクランク角を表しており、ピストン8が排気上死点位置にあるときに、コントロールリンク10の揺動中心の支持位置が最も低くなる場合を「位相差ゼロ」とする。
図5は運転領域マップであり、縦軸は機関負荷、横軸は機関回転速度である。図に示すように、負荷L1以下を低負荷領域、負荷L2を低負荷に近い中負荷、負荷L3を高負荷に近い中負荷、負荷L4以上を高負荷とする。なお、負荷L2、L3に替えて、図中に点線で示したように負荷方向に一定の幅をもった領域Lα、Lβとしてもよい。
なお、機関負荷及び機関回転速度(運転状態)は一般的に行われているのと同様に、それぞれアクセル開度センサ(図示せず)及びクランク角センサ(図示せず)により検出する。また、運転状態としては上記の他に冷却水温を水温センサにより検出し、検出した冷却水温に基づいて、エンジンが冷機運転若しくは暖機運転のいずれであるかの判定を行う。
図4に示すように、機関高負荷時は、排気上死点でのピストン位置が圧縮上死点でのピストン位置より高く、下死点でのピストン位置が略一定であることを特徴とするピストンストローク特性(パターンA)、機関低負荷時は排気上死点でのピストン位置が圧縮上死点でのピストン位置より低く、下死点でのピストン位置が略一定であることを特徴とするピストンストローク特性(パターンC)、低負荷に近い中負荷時は、圧縮上死点でのピストン位置がパターンAにおける排気上死点と圧縮上死点との略中間位置で略一定で、膨張下死点でのピストン位置が吸気下死点でのピストン位置より低いことを特徴とするピストンストローク特性(パターンB1)、高負荷に近い中負荷時は、圧縮上死点でのピストン位置がパターンAにおける排気上死点と圧縮上死点との略中間位置で略一定で、膨張下死点でのピストン位置が吸気下死点でのピストン位置より高いことを特徴とするピストンストローク特性(パターンB2)とする。
負荷L1以下の領域はパターンC、負荷L4以上の領域はパターンA、負荷L1からL2の間の領域は、パターンCから負荷の上昇に合わせて徐々にパターンB2に近づくように変化する。すなわち、負荷L1から負荷L2に近づくに連れて、排気上死点及び吸気下死点が徐々に高くなり、圧縮上死点及び膨張下死点が徐々に低くなるように変化する。
負荷L2から負荷L3の間、負荷L3から負荷L4の間についても同様に、負荷の上昇に応じて排気上死点や圧縮上死点等が変化する。なお、本実施形態では上述した負荷に応じた各パターンの切換を、コントロールシャフト12を無段階かつ連続的に回転させることによって切換るが、例えば、所定の負荷変化量ごとにコントロールシャフト12を所定角度だけ回転させることにより、ステップ的に変化させてもよい。
ここで、ピストンストローク特性の各パターンについて詳細に説明する。
機関高負荷時のパターンAは、排気上死点よりも圧縮上死点の方がピストン位置が低く、かつ吸気下死点と膨張下死点のピストン位置が略等しい。すなわち、排気行程のピストンストロークと吸気行程のピストンストロークが略等しく、圧縮行程のピストンストロークと膨張行程のピストンストロークが略等しく、かつ、排気行程及び吸気行程のピストンストロークが圧縮行程及び膨張行程のピストンストロークより大きい。
また、低負荷時に比べてピストン8の排気上死点が高いため、排気上死点における燃焼室容積が相対的に小さくなるとともに、低負荷時に比べて吸気行程におけるピストンストロークが大きくなっている。
そして、低負荷時に比べてピストン8の圧縮上死点位置が低いことにより、圧縮上死点における機関の圧縮比が低くなると共に、低負荷時に比べて膨張行程におけるピストンストロークが小さくなっている。
また、排気上死点での燃焼室容積は、低負荷時の圧縮上死点での燃焼室容積より小、若しくは略同等となっている。すなわち、吸気行程におけるピストンストローク量が最大のとき、ピストン8の排気上死点での燃焼室容積が相対的に最も小さくなる。
上記のようなピストンストローク特性にすると、図7に示すように、吸気行程におけるピストンストローク量が大きいために吸入空気量が増大し、エンジンの出力及びトルクの増大を図ることができる。また、排気上死点での燃焼室容積が小さいことにより、排気行程終了時にシリンダ19内に残留するガス(以下、残留ガスと称する)が減少して、次サイクルの吸入行程でより多くの新気を導入することができるので、エンジンの出力及びトルクの増大を図ることができる。さらに、機関圧縮比が小さいことでノッキングの発生を回避することができる。
なお、リフト・作動角可変機構20を吸気弁35及び排気弁(図示せず)の両方に設けて、いずれのリフト量も低くすることにより、上死点近傍でのピストン8と吸気弁35及び排気弁との干渉を回避しつつピストン8の上死点位置をより高くすることができる。すなわち、排気上死点をより高くすることによって残留ガスをさらに低減することが可能となり、後述する冷機運転時の点火時期遅角量をより大きくすることができる。
機関低負荷時のパターンCは、排気上死点よりも圧縮上死点の方がピストン位置が高く、かつ吸気下死点と膨張下死点のピストン位置が略等しい。すなわち、排気行程のピストンストロークと吸気行程のピストンストロークが略等しく、圧縮行程のピストンストロークと膨張行程のピストンストロークが略等しく、かつ、排気行程及び吸気行程のピストンストロークが圧縮行程及び膨張行程のピストンストロークより小さい。
また、高負荷時に比べてピストン8の排気上死点位置が低いため、排気上死点における燃焼室容積が相対的に大きくなるとともに、高負荷時に比べて吸気行程におけるピストンストローク量が小さくなっている。
そして、高負荷時に比べてピストン8の圧縮上死点位置が高いため、圧縮上死点における機関圧縮比が相対的に高くなるとともに、高負荷時に比べて膨張行程におけるピストンストローク量が大きくなっている。なお、低負荷時におけるピストン8の排気上死点位置と圧縮上死点位置とは異なる高さである。
上記のようなピストンストローク特性にすると、図6に示すように、吸気行程におけるピストンストロークが小さいために排気量が減少し、さらに排気上死点位置が低いため残留ガス量が増加するので、ポンプ損失の低減を図ることができる。また、排気上死点における燃焼室容積が相対的に大きくなることにより、残留ガス量が増加して内部EGRの効果を得ることができる。
そして、機関圧縮比が高くなるため、燃焼性を確保することができる。さらに、膨張行程におけるピストンストロークが大きくなることで膨張仕事が増大し、燃費向上を図ることができる。
機関負荷が高負荷に近い中負荷時のパターンB1は、排気上死点と圧縮上死点のピストン位置が略等しく、かつ、吸気下死点のピストン位置が膨張下死点のピストン位置より低い。すなわち、吸気行程と圧縮行程とでピストンストロークが略等しく、排気行程と膨張行程とでピストンストロークが略等しく、かつ、吸気行程と圧縮行程のピストンストロークが排気行程と膨張行程のピストンストロークより大きい。
また、排気上死点及び圧縮上死点でのピストン位置は、ともに高負荷時と低負荷時との略中間となり、吸気下死点のピストン位置は低負荷時及び高負荷時のピストン位置よりも低く、膨張下死点のピストン位置は低負荷時及び高負荷時のピストン位置よりも高い。
上記のようなピストンストローク特性にすると、吸気行程のピストンストロークが大きくなるので、エンジンの出力及びトルクの増大を図ることができる。また、パターンAに比べると排気上死点位置が低く、残留ガス量が増加するので、ポンプ損失がパターンAより少なくなるという効果も得られる。
機関負荷が低負荷に近い中負荷時のパターンB2は、排気上死点と圧縮上死点のピストン位置が略等しく、かつ、吸気下死点のピストン位置が膨張下死点のピストン位置より高い。すなわち、吸気行程と圧縮行程とでピストンストロークが略等しく、排気行程と膨張行程とでピストンストロークが略等しく、かつ、吸気行程と圧縮行程のピストンストロークが排気行程と膨張行程のピストンストロークより小さい。
また、排気上死点及び圧縮上死点でのピストン位置は、ともに高負荷時と低負荷時との略中間となり、吸気下死点のピストン位置は低負荷時及び高負荷時のピストン位置よりも高く、膨張下死点のピストン位置は低負荷時及び高負荷時のピストン位置よりも低い。
上記のようなピストンストローク特性にすると、吸気行程のピストンストロークが小さくなるので、ポンプ損失が低減される。また、パターンB1と同様に、排気上死点位置がパターンAより低いため、ポンプ損失低減効果も得られる。
次に、リフト・作動角可変機構20及び位相可変機構21の制御について説明する。
リフト・作動角可変機構20及び位相可変機構21は、排気系統に備えられた排気浄化用触媒(図示せず)が活性化温度に達した後は、リフト量及び作動角を運転状態に応じて制御する。具体的な制御については、前述した特開2002−89303号公報や特開2002−89341号公報等に記載されているものと同様なので、説明を省略する。
ここでは、冷機始動してから排気浄化用触媒が活性化するまでの制御について、図9、図10を参照して説明する。
図9、図10はいずれもクランクシャフト1とコントロールシャフト12との位相差、点火時期及びバルブリフト量と、排気浄化用触媒の温度(以下、触媒温度と称する)との関係を示しており、図9は低負荷時において排気浄化用触媒を早期に活性化温度まで昇温することを優先する場合、図10は中負荷時において排気浄化用触媒を活性化温度まで昇温する事を優先する場合を示している。なお、図10の「中負荷」は、上述したパターンB1のピストンストローク特性を適用する高負荷に近い中負荷を意味する。高負荷運転時、低負荷に近い中負荷運転時については後述する。
なお、排気浄化用触媒の温度の検出は、排気浄化用触媒に温度センサを設けて検出する方法、排気通路中に排気温度計を設けて、その検出値から推定する方法、燃料噴射量及び点火時期等から推定する方法等、種々の方法を用いることができる。
図9に示すように、低負荷運転時において排気浄化用触媒の昇温を優先する場合は、触媒温度が活性化温度に達するまでの間、クランクシャフト1とコントロールシャフト12との位相差をゼロとする。すなわち、低負荷運転にもかかわらず、高負荷運転時用のピストンストローク特性である上記パターンAのピストンストローク特性を採用する。
点火時期は活性化温度到達後のMBT点に比べて遅角させる。遅角量が大きくなるほど排気温度が上昇して排気浄化用触媒の昇温が促進されるので、ここでの遅角量は燃焼安定性を確保できる範囲で、できるだけ大きくする。
なお、燃焼安定性が確保できる遅角量の限界は、エンジンの仕様等により異なるので、予め実験やシミュレーション等により求めておく。
バルブリフト量は活性化温度到達後に比べて小さくする。バルブリフト量を小さくすると、吸気弁35が開いたときの吸気ポートの開口面積が減少する。すなわち、吸気ポートからシリンダ内に流入する際の流路面積が絞られることとなり、吸入空気の吸気流速は増大する。これによりシリンダ内のガス流動が強まり燃焼性が向上する。また、吸気ポートに燃料噴射する場合には、流路面積が絞られることによって、吸気弁35と図示しない着座部(バルブシート)との間におけるノズル効果によって流速が増し、噴射された燃料の霧化が促進されて燃焼性が向上するという効果も得られる。
そして、活性化温度に到達した後は、ピストンストローク特性をパターンCに切換え、点火時期は通常運転時の点火時期、すなわち最適点火時期(MBT点)まで進角し、バルブリフト量も通常運転時用のリフト量まで大きくする。
上記のように、活性化温度に到達するまでの間、ピストン8の排気上死点位置を圧縮上死点位置よりも高くすることによって、残留ガスが低減して燃焼性が向上するので、点火時期をMBT点より大幅に遅角させることが可能となり、失火等に起因するエンジン振動及び排気性能の悪化を伴うことなく、排気温度を大幅に上昇させて排気浄化触媒をより早期に活性化させることが可能となる。
図10に示すように、中負荷運転時において排気浄化用触媒の昇温を優先する場合は、触媒温度が活性化温度に到達するまでの間、クランクシャフト1とコントロールシャフト12との位相差をゼロとする。すなわち、中負荷運転にもかかわらず、高負荷運転時用のピストンストローク特性である上記パターンAのピストンストローク特性を採用する。
このとき、点火時期は活性化温度到達後のMBT点に比べて遅角し、バルブリフト量は活性化温度到達後に比べて小さくする。
そして、活性化温度に到達した後は、ピストンストローク特性をパターンB1に切換え、点火時期はMBT点に戻し、バルブリフト量も通常運転時用のリフト量まで大きくする。
上記のように制御することによって、図9の制御と同様に失火等によるエンジン振動や排気成分を悪化させることなく、排気温度を早期に上昇させることが可能となる。
低負荷に近い中負荷運転時における制御は、排気浄化用触媒が活性化温度に到達した後の位相差が90度である点を除き、図10と同様の制御を行う。
高負荷運転時は、冷機始動時から活性化温度に達するまでの間の位相差をゼロ度、すなわち活性化温度到達後と同様にして、点火時期を遅角させることで排気温度を上昇させて排気浄化用触媒の昇温の促進を図る。
また、上述した触媒温度が活性化温度に到達するまでの間、すなわち冷機運転中は、吸気弁35の閉時期が吸気下死点近傍、かつ、排気バルブ開時期から膨張下死点までのクランク角度が、吸気下死点から吸気弁閉時期までのクランク角度よりも大きくなるようにする。これは、実圧縮比をできるだけ大きくし、かつ膨張比を小さくするためである。
実圧縮比を大きくすると、圧縮上死点付近での筒内温度の低下が抑制されるので、筒内の燃焼性が安定し、点火時期をより遅角させて排気温度を上昇させることが可能となる。また、排気弁開時期を膨張下死点より進角させて膨張比を圧縮比より小さくすると、燃焼が完全に終了する前に排気が開始されるので排気温度が上昇する。これらにより、排気浄化触媒をより早期に活性化させることが可能となる。
以上説明した実施形態によれば、下記の効果を得ることができる。
冷機運転時には、ピストン8の排気TDC点位置が圧縮TDC位置よりも高いピストンストローク特性とするので、残留ガスが低減されて燃焼安定性が高まり、点火時期を遅角した場合の振動や排気成分の悪化を抑制できる。そして、点火時期をMBTよりも遅角させることにより、排気温度を上昇させて、排気浄化用触媒の早期活性化を図ることができる。
クランクシャフト1の回転とコントロールシャフト12の位相差を運転状態に応じて変化させることによってピストンストローク特性を変化させ、冷機運転時かつ低中負荷運転領域のときには、暖機終了後の同一回転速度、同一負荷のときに比べてピストンの排気上死点位置が高いピストンストローク特性にするので、排気浄化用触媒の早期活性化と、暖機終了後の運転性能、例えば燃費性能等を両立することができる。
少なくとも冷機運転時には、吸気弁閉時期を吸気下死点近傍とし、かつ、排気弁開時期から膨張下死点までのクランク角度を、吸気下死点から吸気弁閉時期までのクランク角度よりも大きくするので、実圧縮比が確保されて燃焼が安定し、点火時期の大幅な遅角が可能となり、排気浄化用触媒の早期活性化を図ることができる。
運転状態に応じて少なくともリフト量を可変に制御することが可能な可変動弁機構を備えるので、リフト量を小さくすることにより上死点近傍でのピストン8と吸気弁35及び排気弁との干渉を回避しつつ、ピストン8の上死点位置をより高くすることができる。すなわち、排気上死点をより高くすることによって残留ガスをさらに低減することが可能となり、点火時期遅角量をより大きくすることができる。
可変動弁機構はリフト量を連続的かつ無段階に変更可能であり、冷機運転時には暖機終了後の同一機関回転数、同一機関負荷での運転時に比べてリフト量を小さくする。これにより、冷機運転時に吸気弁35が開いたときの吸気ポートの開口面積が減少するので、吸気ポートからシリンダ内に流入する際の流路面積が絞られることとなり、吸入空気の吸気流速は増大してシリンダ内のガス流動が強まり、燃焼性が向上する。
本実施形態の複リンク式ピストンクランク機構では、ピストンストローク特性が単振動に近づき、一般的な単リンク式ピストンクランク機構に比べて上死点位置近傍でのピストン速度が緩やかになるので、燃焼速度の遅い冷機運転時にも、高圧状態で火炎核の生成及び成長が行われることになり、燃焼が安定する。
可変ストローク機構は、上死点近傍と下死点近傍とでピストンスピードが略等しくなるように、各リンクの長さ、連結位置およびコントロールシャフト12の位置を設定するので、上死点通過後のピストンスピードが一般的な単リンク式のピストンクランク機構に比べて揺るやかになり、これにより点火時期の大幅な遅角が可能となり、排気温度を上昇させて、排気浄化用触媒の早期活性化を図ることができる。
なお、リフト量・作動角可変機構20はリフト量及び作動角を連続的に変更可能な機構であるが、有段で切り換える機構であっても同様に昇温を優先する制御が可能である。
例えば、特開05−010161号公報等に記載されているような、カムシャフトにカムプロフィールの異なる2種類のカムを備え、運転状態に応じていずれかのカムを選択して使用する機構を用いて、一方のカムを図9、図10の活性化温度到達前のリフト量となるように、他方のカムを図9、図10の活性化温度到達後のリフト量となるように設計すればよい。
第2実施形態について説明する。
本実施形態の構成及び通常運転時のピストンストローク特性等は第1実施形態と同様であるが、冷機始動してから排気浄化用触媒が活性化するまでの制御が異なる。具体的には、第1実施形態が、排気浄化用触媒の昇温を優先する点火時期等の制御を行うのに対して、本実施形態では冷機運転時の燃費の低下を抑制しつつ、排気浄化用触媒の早期活性化を図る制御を行う。
具体的な制御について図11、図12を参照して説明する。
図11は、低負荷運転時において燃費を優先する場合の制御を示すものである。冷機始動時は図9と同様の位相差、点火時期、バルブリフト量であるが、その後、排気浄化用触媒の温度上昇に伴って、位相差は徐々に90度(パターンB2)に近づくように、点火時期及びバルブリフト量は活性化温度到達後の値に近づくようにそれぞれ制御する。そして、活性化温度に到達したら位相を180度に切換える。
ここで、位相差を180度ではなく90度に近づける理由について説明する。位相差が90度より大きくなると、排気TDCが圧縮TDCよりも低くなるので、残留ガスが多くなり燃焼安定性が低下する。したがって、点火時期を大きく遅角することができなくなり、排気温度を上昇させるのに不利だからである。
なお、位相差や点火時期等の温度上昇に応じた変化量は、エンジンの仕様等に応じて予め設定するものとする。
上記のように制御することにより、排気浄化用触媒の温度上昇にともなって、徐々に膨張比が大きく、そして点火時期の遅角量が小さくなるので、燃費性能の悪化を抑制しつつ排気浄化用触媒の昇温を促進することができる。
図12は中負荷時において燃費を優先する場合の制御について示すものであり、冷機始動時は図10と同様の位相差、点火時期、バルブリフト量であるが、その後、排気浄化用触媒の温度上昇に伴って、それぞれ活性化温度到達後の値に近づくように制御する。
これにより、低負荷運転時において、燃費を優先する場合と同様に燃費性能の悪化を抑制しつつ、排気浄化用触媒の昇温を促進することができる。
なお、図10、図12では活性化温度到達後の位相差を−90度(270度)としたが、これは中負荷運転時の代表的なピストンストローク特性としてパターンB1を用いたものである。したがって、負荷の大きさによっては、パターンB1とパターンAとの中間の特性等、すなわち、活性化温度到達後の位相差が−90度以外となる場合もある。
なお、第1実施形態の昇温を優先する制御と本実施形態の燃費を優先する制御のいずれかを選択的に実施可能として、例えば、機関始動時の排気浄化用触媒の温度を検出し、燃費又は昇温のいずれを優先するかを判定するための所定温度を予め設定しておき、機関始動時の排気浄化用触媒の温度が所定温度より高温の場合は燃費優先の制御を選択し、所定温度より低温の場合は昇温優先の制御を選択して実行するようにしてもよい。
以上説明した実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加えて、さらに、同一機関回転数、同一機関負荷における冷機運転時と暖機終了後のリフト量の差を、暖機終了に近づくに連れて、すなわち、排気浄化用触媒の温度が上昇するほど小さくするので、排気浄化用触媒の活性化と、暖機終了までの燃費の悪化抑制を両立することができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
例えば、負荷に応じたピストンストローク特性の制御は、高負荷運転時と低負荷運転時とで2つのピストンストローク特性を切換えるようにしてもよい。
可変圧縮比機構を表す図である。 可変圧縮比機構の位相を制御するギア機構を説明するための図である。 可変圧縮比機構の側面図である。 ピストンストローク特性を表す図である。 運転領域を表す図である。 低負荷運転領域でのPV線図である。 高負荷運転領域でのPV線図である。 可変動弁機構を表す図である。 触媒温度に対する各部の動作例を表す図である(低負荷・昇温優先)。 触媒温度に対する各部の動作例を表す図である(中負荷・昇温優先)。 触媒温度に対する各部の動作例を表す図である(低負荷・燃費優先)。 触媒温度に対する各部の動作例を表す図である(中負荷・燃費優先)。
符号の説明
1 クランクシャフト
2 ジャーナル部
3 クランクピン
4 ロアリンク
5 アッパリンク
8 ピストン
10 コントロールリンク
12 コントロールシャフト
15 カウンタウェイト
20 リフト・作動角可変機構
21 位相可変機構
30 駆動力伝達用ギア
31 位相調整機構
33 揺動カム
35 吸気弁
36 リフト・作動角制御用油圧アクチュエータ

Claims (10)

  1. クランクシャフトの回転に同期して周期的にピストンストローク量を変化させる可変ストローク機構と、
    運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    運転状態に応じて点火時期を調整する点火時期制御手段と、
    を備え、
    少なくとも機関冷機運転時には、
    前記可変ストローク機構は、ピストンの排気上死点位置が圧縮上死点位置よりも高くなるようにピストンストローク量を変化させ、
    かつ、前記点火時期制御手段は点火時期を最適点火時期よりも遅角させることを特徴とする内燃機関。
  2. クランクシャフトの回転と前記可変ストローク機構によるピストンストローク量の変化の周期との位相差を運転状態に応じて変化させることによってピストンストローク特性を変化させるピストンストローク制御手段と、
    を備え、
    前記ピストンストローク制御手段は、機関が冷機状態かつ低中負荷運転領域のときには、暖機終了後の同一機関回転速度、同一機関負荷での運転時に比べて、ピストンの排気上死点位置が高いピストンストローク特性に制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 吸気弁駆動手段及び排気弁駆動手段を備え、
    前記吸気弁駆動手段及び排気弁駆動手段は、少なくとも機関冷機運転時には、吸気弁閉時期が吸気下死点近傍、かつ排気弁開時期から膨張下死点までのクランク角度が吸気下死点から吸気弁閉時期までのクランク角度よりも大きくなるように、吸気弁及び排気弁を開閉駆動することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関。
  4. 吸気弁駆動手段又は排気弁駆動手段のいずれか一方もしくは両方に、運転状態に応じて少なくともリフト量を可変に制御することが可能な可変動弁機構を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の内燃機関。
  5. 前記可変動弁機構は、リフト量を連続的かつ無段階に変更可能であることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関。
  6. 前記可変動弁機構は、冷機運転時には暖機終了後の同一機関回転数、同一機関負荷での運転時に比べてリフト量を小さくすることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
  7. 同一機関回転数、同一機関負荷における冷機運転時と暖機終了後のリフト量の差を、暖機終了に近づくに連れて小さくすることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関。
  8. 前記可変ストローク機構は、
    一端がピストンにピストンピンを介して連結された第1リンクと、
    前記第1リンクの他端に揺動可能に連結されると共にクランクシャフトのクランクピン部に回転可能に連結された第2リンクと、
    前記第2リンクに第2連結ピンを介して一端が連結されるとともに、クランクシャフトと同期回転し、かつクランクシャフト回転速度の半分の速度で回転するコントロールシャフトに他端が揺動可能に連結される第3リンクと、
    前記コントロールシャフトの前記クランクシャフトに対する位相を機関運転状態に応じて可変制御する位相制御手段と、
    から構成されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の内燃機関。
  9. 前記可変ストローク機構は、上死点近傍と下死点近傍とでピストンスピードが略等しくなるように、各リンクの長さ、連結位置および揺動支持位置が設定されていることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関。
  10. 排気通路に排気浄化用触媒と、
    前記排気浄化用触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
    を備え、
    前記排気浄化用触媒が活性化温度以下の状態を機関冷機状態とし、前記活性化温度に到達した後を暖機終了後とすることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の内燃機関。
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