JP2013160078A - 圧縮着火内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気行程後半に吸気バルブと排気バルブを閉弁させる負のオーバラップ期間において、気筒内に残留した排ガスの熱損失を減少させて圧縮着火運転を安定して継続可能にすると共に、機関内部のフリクションを減少させて運転効率を向上させるようにした圧縮着火内燃機関を提供する。
【解決手段】吸気バルブ34と排気バルブ46で開閉される燃焼室36に配置されるピストン16に接続されるクランク軸20を備えると共に、燃焼室に供給される混合気を予混合圧縮着火燃焼させる4サイクルの圧縮着火内燃機関において、4サイクルのうちの排気行程後半に吸気バルブと排気バルブの両方を閉弁させる負のオーバラップ期間が設定される動弁機構と、ピストンとクランク軸の間に介挿されるリンク機構72とを備え、動弁機構が動作しているとき、リンク機構を動作させてピストンの上死点位置を4サイクルのうちの排気行程と圧縮行程とで変更可能とする。
【選択図】図6

Description

この発明は圧縮着火内燃機関に関し、より詳しくは燃料と空気とを混合して得た予混合気を燃焼室に供給し、これを高圧縮比の下で自着火を行わせ、高い熱効率を得るようにした予混合圧縮自着火式内燃機関の改良に関する。
予混合圧縮自着火式内燃機関は、例えば特許文献1に開示されるように、燃焼室に供給される混合気(予混合気)を予混合圧縮着火燃焼させる圧縮着火運転(HCCI(Homogeneous Charge Compression Ignition)運転)を行うように構成される。このような内燃機関においては、予混合気を高圧縮比(通常の火花点火式内燃機関の圧縮比より高い)の下で圧縮することで同時多点的に自着火するため、燃焼室全体への火炎の伝播が早く、燃焼が短時間に完了し、よって熱効率が改善され、低燃費性を良好にしつつNOxの排出量を減少させ得る利点がある。
上記した内燃機関において、圧縮着火運転を安定して継続するには、気筒内を比較的高温に保持して混合気が圧縮着火燃焼し易い状態を維持する必要がある。そこで、特許文献2記載の技術にあっては、動弁機構を用いて排気行程後半に吸気バルブと排気バルブの両方を閉弁させる、即ち負のオーバラップ期間を設けるようにし、それによって気筒内に所定量の排ガスを残留させて混合気の温度(筒内ガス温度)を高めて圧縮着火運転を可能とするように構成される。
特開2005−69097号公報 特開2005−201127号公報(段落0044,0045、図3〜5など)
しかしながら、特許文献2記載の技術の如く、排気行程後半に吸気バルブと排気バルブを閉弁させるように構成すると、ピストンは各バルブの閉弁後に上死点位置に到達するため、気筒内に残留した排ガスがピストンによって圧縮されることとなる。そのため、排ガスの温度は上昇して気筒壁面からの熱損失がその分だけ増加し、結果としてピストンが圧縮前の位置まで戻ったときの残留排ガスの温度は圧縮前に比して低下してしまうという不具合があった。また、各バルブが閉弁した状態で残留した排ガスを圧縮・膨張させるため、ピストンに応力が発生して内燃機関の内部のフリクションが増加し、運転効率を低下させるという不都合も生じていた。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、排気行程後半に吸気バルブと排気バルブを閉弁させる負のオーバラップ期間において、気筒内に残留した排ガスの熱損失を減少させて圧縮着火運転を安定して継続可能にすると共に、機関内部のフリクションを減少させて運転効率を向上させるようにした圧縮着火内燃機関を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1にあっては、吸気バルブと排気バルブで開閉される燃焼室に配置されるピストンに接続されるクランク軸を備えると共に、前記燃焼室に供給される混合気を予混合圧縮着火燃焼させる4サイクルの圧縮着火内燃機関において、前記4サイクルのうちの排気行程後半に前記吸気バルブと排気バルブの両方を閉弁させる負のオーバラップ期間が設定される動弁機構と、前記ピストンとクランク軸の間に介挿されるリンク機構とを備え、前記動弁機構が動作しているとき、前記リンク機構を動作させて前記ピストンの上死点位置を前記4サイクルのうちの排気行程と圧縮行程とで変更可能とする如く構成した。
請求項2に係る圧縮着火内燃機関にあっては、前記動弁機構が動作しているとき、前記リンク機構を動作させ、前記上死点位置にあるときの前記ピストンから前記燃焼室のシリンダヘッドまでの離間距離が、前記4サイクルのうちの圧縮行程のときよりも排気行程のときに長くなるように変更可能とする如く構成した。
請求項3に係る圧縮着火内燃機関にあっては、前記リンク機構は、前記ピストンに接続されるコンロッドと、前記クランク軸のクランクピンに回動自在に接続されると共に、一端が前記コンロッドにコンロッドピンを介して回動自在に接続されるリンクと、前記クランク軸と平行な軸線を有すると共に、前記軸線から偏心する位置に偏心軸が設けられる回転軸と、一端が前記リンクの他端にスイングピンを介して回動自在に接続される一方、他端が前記偏心軸に回動自在に接続されるスイングロッドと、前記クランク軸の回転を前記回転軸に伝達するギヤとからなる如く構成した。
請求項1に係る圧縮着火内燃機関にあっては、4サイクルのうちの排気行程後半に吸気バルブと排気バルブの両方を閉弁させる負のオーバラップ期間が設定される動弁機構と、ピストンとクランク軸の間に介挿されるリンク機構とを備え、動弁機構が動作しているとき、即ち、負のオーバラップ期間のとき、リンク機構を動作させてピストンの上死点位置を排気行程と圧縮行程とで変更可能に構成するようにしたので、例えばリンク機構を動作させて上死点位置にあるときのピストンから燃焼室のシリンダヘッドまでの離間距離が、圧縮行程のときよりも排気行程のときに長くなるように変更することが可能となり、それによって排気行程後半において気筒内に残留した排ガスはピストンによって圧縮されることがなくなる。
これにより、残留排ガスの温度も圧縮によって上昇することがないため、気筒壁面との温度差は比較的少なく、よって気筒壁面からの熱損失を減少させることができると共に、圧縮着火に必要な残留排ガスの量も少なくでき(逆に言えば吸入空気量を増加させることが可能となり)、結果として圧縮着火運転を安定して継続可能にすることができる。さらに、熱損失の減少によって内燃機関の図示熱効率を上昇させることもできる。
また、気筒内の残留排ガスはピストンによって圧縮されないため、ピストンに応力が発生せず、内燃機関の内部のフリクションも減少し、よって機関の運転効率や正味熱効率を向上させることができる。
請求項2に係る圧縮着火内燃機関にあっては、動弁機構が動作しているとき、リンク機構を動作させ、上死点位置にあるときのピストンから燃焼室のシリンダヘッドまでの離間距離が、4サイクルのうちの圧縮行程のときよりも排気行程のときに長くなるように変更可能とするように構成したので、請求項1で述べた効果を確実に得ることができる。
請求項3に係る圧縮着火内燃機関にあっては、リンク機構は、ピストンに接続されるコンロッドと、クランク軸のクランクピンに回動自在に接続されると共に、一端がコンロッドにコンロッドピンを介して回動自在に接続されるリンクと、クランク軸と平行な軸線を有すると共に、軸線から偏心する位置に偏心軸が設けられる回転軸と、一端がリンクの他端にスイングピンを介して回動自在に接続される一方、他端が偏心軸に回動自在に接続されるスイングロッドと、クランク軸の回転を回転軸に伝達するギヤとからなる如く構成したので、上記した効果に加え、リンク機構を簡易な構成にできると共に、リンク機構を用いてピストンの上死点位置を排気行程と圧縮行程とで確実に変更可能にすることができる。
この発明の実施例に係る圧縮着火内燃機関を全体的に示す概略図である。 図1に示す内燃機関の部分断面拡大側面図である。 図2に示す内燃機関の部分断面底面図である。 図1に示す内燃機関の可変動弁機構によって切り換えられる(設定される)2つのバルブタイミング(およびリフト量)特性を示すグラフである。 図1に示す内燃機関の吸気行程から圧縮、膨張、排気行程に至るまでのピストンの気筒内における位置を示すグラフである。 図1に示す内燃機関の吸気行程から圧縮、膨張、排気行程におけるピストンやリンク機構の状態を示す説明図である。
以下、添付図面に即してこの発明に係る圧縮着火内燃機関を実施するための形態について説明する。
図1はこの発明の実施例に係る圧縮着火内燃機関を全体的に示す概略図、図2は図1に示す内燃機関の部分断面拡大側面図、図3は図2に示す内燃機関の部分断面底面図である。
図1から3において、符号10は、都市ガス(あるいはLPガス。以下、単に「ガス」という)を燃料とする水冷4サイクルの単気筒OHV型の圧縮着火内燃機関(予混合圧縮自着火式内燃機関。以下「エンジン」という)を示す。エンジン10は、例えば発電機、農業機械、コージェネレーション装置(いずれも図示せず)の駆動源等として使用される汎用内燃機関であり、例えば163ccの排気量を備える。
エンジン10においては、図2,3に示す如く、シリンダヘッド12とシリンダブロック14が横(水平)方向に配置され、シリンダブロック14に形成されるシリンダ(気筒)14aに1個のピストン16が往復動自在に収容されると共に、ピストン16には軸線20aが鉛直方向となるように配置されたクランク軸20が接続される。また、エンジン10は、後述する如くピストン16の上死点位置(別言すればピストン16のストローク)が圧縮行程と排気行程とで変わるように設計される。即ち、エンジン10はバーチカル型の複リンク式可変ストローク内燃機関である。尚、図2,3以外の図面では、理解の便宜のため、ピストン16が紙面において上下方向に往復動するようにして示す。
図1に示すように、エンジン10において、エアクリーナ(図示せず)から吸入されて吸気管(吸気系)22を通る空気はミキサ24に入る。ミキサ24は、電動モータで駆動されるスロットルバルブと可変ジェット(いずれも図示せず)を備える。ミキサ24には燃料供給源(図示せず)からガスがガス管26、ガス比例弁ユニット30を介して供給され、そこで空気と混合させられる(予混合気が生成される)。
ミキサ24とガス比例弁ユニット30は共に、電子制御ユニット(Electronic Control Unit。以下「ECU」という)32に接続される。ECU32はCPU,ROM,RAMなどを備えたマイクロ・コンピュータからなり、入力される各種センサ(図示せず)の出力に基づいてミキサ24やガス比例弁ユニット30などの動作を制御する。
ミキサ24で生成された混合気(予混合気)は、吸気バルブ34が開弁されるとき、ピストン16とシリンダヘッド12とシリンダブロック14とで区画された空間、即ち燃焼室36に流入する。
燃焼室36の付近には点火プラグ40が配置される。点火プラグ40はイグナイタなどからなる点火装置42を介してECU32に接続され、ECU32から点火信号が点火装置42に供給されると、燃焼室36に臨む電極間に火花放電を生じる。混合気はそれによって着火されて燃焼し、ピストン16を駆動する。
尚、混合気は圧縮着火によっても燃焼させられる。即ち、エンジン10は、運転状態に応じて混合気を予混合圧縮着火燃焼させる圧縮着火運転と点火プラグ40を介して混合気を火花点火で燃焼させる火花点火運転(SI(Spark Ignition)運転)のいずれかを行う、換言すれば、運転を圧縮着火運転と火花点火運転との間で切り換える(予混合)圧縮着火内燃機関として構成される。具体的には、例えばエンジン10の始動時や暖機時には火花点火運転を行う一方、エンジン10が暖機後の定格運転領域にあるときには圧縮着火運転を行うように構成される。
燃焼によって生じた排気ガスは、排気バルブ46が開弁するとき、排気管(排気系)50を流れる。排気管50の途中には、排気浄化用の触媒(具体的には酸化触媒)からなる触媒装置52が配置される。排気は、触媒装置52が活性状態にあるとき、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)などの有害成分が除去されて浄化され、エンジン外の大気に放出される。
前記した吸気バルブ34と排気バルブ46は可変動弁機構(動弁機構)60に接続される。可変動弁機構60は詳細な図示は省略するが、例えば本出願人が先に提案した特開2010−65565号公報に開示される構造を備える。可変動弁機構60が部分的に示される図3を参照しつつ説明すると、具体的には、クランク軸20にギヤ60aを介して連結される動弁カム軸(カムシャフト)60b上に第1、第2吸気カムと第1、第2排気カムの4個のカム(図3では第2排気カム60cのみ見える)が隣接して配置され、第1、第2吸気カムには吸気リフタ(図3で見えず)が、第1、第2排気カム60cには排気リフタ60dが摺接される。吸気リフタと排気リフタ60dはそれぞれプッシュロッド60eを介してロッカアーム60fに接続される。
エンジン10の火花点火運転のときは、各カムに接続される電磁アクチュエータや制御ロッドなどの動作を適宜に制御することで、第1吸気カムの回転動作によって吸気リフタ、吸気側のプッシュロッド60eおよびロッカアーム60fを動作させ、第1吸気カムで決定されるバルブタイミング(およびリフト量)特性で吸気バルブ34を駆動し、燃焼室36を開閉する。
他方、エンジン10の圧縮着火運転のときは、第2吸気カムの回転動作によって吸気リフタ、吸気側のプッシュロッド60eおよびロッカアーム60fを動作させ、第2吸気カムで決定されるバルブタイミング(およびリフト量)特性で吸気バルブ34を駆動する。また、排気バルブ46に関しても同様に動作するように構成される。
図4にその特性を示す(吸気バルブ34のそれを34、排気バルブ46のそれを46と表示する)。圧縮着火運転のとき、バルブタイミング(およびリフト量)は図4に実線で示す特性に設定される。具体的には、排気バルブ46の閉弁時期を進角させると共に、吸気バルブ34の開弁時期を遅角させる(クランク角度において)。即ち、可変動弁機構60は、4サイクルのうちの排気行程後半から吸気行程前半に亘って吸気バルブ34と排気バルブ46の両方を閉弁させる、いわゆる負のオーバラップ期間を設けるように設定される。それによって、気筒内に所定量の排ガス(内部EGR)を残留させて混合気の温度(筒内ガス温度)を高めて圧縮着火運転を可能とする。
一方、火花点火運転のとき、バルブタイミング(およびリフト量)は、図4に破線で示す特性に設定される。具体的には、排気バルブ46の閉弁時期と吸気バルブ34の開弁時期を共にピストン上死点付近に変更させる。それによって、排気バルブ46の閉弁が遅角されて燃焼室内のガスの排出量が増加する一方、吸気バルブ34の開弁が進角されて吸入空気の流入が早められることから、排ガスは燃焼室36に残留することなく、排気系に送り出される。
図1の説明に戻ると、可変動弁機構60は制御回路62を介してECU32に接続される。ECU32は、制御回路62を通じて可変動弁機構60(正確には電磁アクチュエータ)の動作を制御し、吸気バルブ34と排気バルブ46のバルブタイミング(およびリフト量)を上記した2つの特性のいずれかに設定(変更)する。
このように、エンジン10の吸気バルブ34と排気バルブ46は、可変動弁機構60によって任意の時期(バルブタイミングおよびリフト量)で開閉自在とされると共に、エンジン10の運転は、可変動弁機構60の動作を制御することで火花点火運転と圧縮着火運転との間で切り替えられる。
次いで図2,3などを参照してこの発明に係るエンジン10の特徴のひとつである、ピストン16とクランク軸20との接続構造やピストン16の動作などについて説明する。
図示の如く、シリンダブロック14には、クランクケース70が一体的に形成される。クランクケース70の内部のクランク室70aには、クランク軸20が回転自在に収容されると共に、ピストン16とクランク軸20との間に介挿されるリンク機構72も収容される。尚、クランク軸20の一端(上端)20bは、クランクケース70から外方に向けて突出するように配置され、そこに発電機などが接続される。
クランク軸20は、2個のバランスウエイト74と、バランスウエイト74同士を連結すると共に、軸線76aがクランク軸20の軸線20aと略平行で、かつ軸線20aから偏心する位置に設けられるクランクピン76とを備える。
リンク機構72は、一端80aがピストンピン82を介してピストン16に回動自在に接続(連結)されるコンロッド80と、平面視(底面視)略三角形状を呈するリンク(トリゴナルリンク。サブコンロッド)84と、クランク軸20と略平行な軸線86aを有する回転軸(エキセントリックシャフト)86と、リンク84と回転軸86の間に介挿されるスイングロッド90と、クランク軸20の回転を回転軸86に伝達する減速機構(ギヤ)92とからなる。
リンク84の一端84aは、コンロッド80の他端80bにコンロッドピン94を介して回動自在に接続される。また、リンク84の本体部84bはクランク軸20のクランクピン76に、他端84cはスイングピン96を介してスイングロッド90の一端90aに、それぞれ回動自在に接続される。このように、スイングロッド90の一端90aは、コンロッド80の接続位置(一端84a)からオフセットした(ずれた)位置でリンク84に接続される。
回転軸86は、クランク軸20と同様、クランクケース70のクランク室70aに回転自在に収容(支承)される。回転軸86には、軸線86aと略平行で、かつ軸線86aから偏心する位置に軸線100aを有する偏心軸100が設けられる。スイングロッド90の他端90bは、この回転軸86の偏心軸100部分に回動自在に接続される。
減速機構92は、クランク軸20に設けられる第1ギヤ(タイミングギヤ。駆動ギヤ)92aと、回転軸86に設けられると共に、第1ギヤ92aに噛合される第2ギヤ(エキセントリックギヤ。被動ギヤ)92bとからなり、クランク軸20の回転動力を1/2に減速して回転軸86に伝達するように設定される。
尚、上記したリンク機構72を構成する各部の詳細は、本出願人が別途提出した出願(特願2011−37278)に詳しく記載されているので、これ以上の説明は省略する。
エンジン10のリンク機構72を前述の如く構成することで、リンク機構72の動作によってピストン16の上死点位置を4サイクルのうちの排気行程と圧縮行程とで変更することが可能になる。
図5はエンジン10の吸気行程から圧縮、膨張、排気行程に至るまでのピストン16の気筒内における位置を示すグラフであり、図6は各行程におけるピストン16やリンク機構72の状態を示す説明図である。
尚、図6においては、紙面左側から順に、(a)吸気行程においてピストン16が下死点位置にあるとき、(b)圧縮行程で上死点位置にあるとき、(c)膨張行程で下死点位置にあるとき、(d)排気行程で上死点位置にあるときを示すと共に、図5においては、前記(a)〜(d)の状態と対応する箇所に同一の符号a〜dを付す。
また、エンジン10で圧縮着火運転が行われているときを例にとって説明する。また、以下において、上下あるいは左右などの方向を表す記載は、紙面における上下方向あるいは左右方向を意味し、必ずしも実際のエンジン10の上下左右方向を意味するものではない。
先ず4サイクルのうちの吸気行程において、ピストン16が下降して下死点位置に到達したとき、図6(a)に示す如く、クランクピン76とクランクピン76に接続されるリンク84は、クランク軸20に対して略下側に位置させられると共に、偏心軸100は回転軸86に対して略右側に位置させられる。
次いで圧縮行程に移行すると、クランク軸20の回転に伴ってクランクピン76とリンク84もクランク軸20を中心に回転し、コンロッド80を介してピストン16を上方へ押し上げる。そして、ピストン16が上死点位置に到達すると、クランク軸20が(a)の状態から反時計回りに約180度回転していることから、(b)に示すように、クランクピン76とリンク84はクランク軸20に対して略上側に位置させられることとなる。
さらに、このときのクランク軸20の回転は減速機構92を介して回転軸86に伝達され、それによって偏心軸100は回転軸86を中心に時計回りに約90度回転させられ、回転軸86の略下側に位置させられる。尚、この偏心軸100はリンク84の他端84cにスイングロッド90を介して接続されるため、偏心軸100の位置に応じてリンク84の角度(向き)は変わる(換言すれば、リンク84の一端84aと他端84cの相対位置が偏心軸100の位置によって変わる)。
また、圧縮行程の上死点位置にあるときのピストン16(正確には、ピストン16の上面16a)から燃焼室36のシリンダヘッド12までの離間距離を「d1」とする。
続く膨張行程では、燃焼室36での混合気の燃焼によってピストン16が押し下げられ、コンロッド80などを介してクランク軸20を回転させる。そして、ピストン16が下死点位置に到達すると、クランク軸20は(b)の状態から反時計回りに約180度回転しているため、クランクピン76とリンク84はクランク軸20に対して再び略下側に位置させられることとなる。また、このときのクランク軸20の回転によって偏心軸100は回転軸86を中心に時計回りに約90度回転させられ、回転軸86の略左側に位置させられる。
尚、図5および図6(a)と(c)から分かるように、ピストン16の吸気行程のときの下死点位置と膨張行程のときの下死点位置は略同じ高さとされる。
次いで排気行程に移行すると、クランク軸20の回転に伴ってクランクピン76とリンク84もクランク軸20を中心に回転し、コンロッド80を介してピストン16を上方へ押し上げる。そして、前述したように、圧縮着火運転で排気行程の後半になると、可変動弁機構60が動作して吸気バルブ34と排気バルブ46の両方を閉弁させ、気筒内に排ガスを残留させる。
このときにピストン16は上死点位置に到達すると共に、クランク軸20が(c)の状態から反時計回りに約180度回転していることから、(d)に示す如く、クランクピン76とリンク84はクランク軸20に対して略上側に位置させられることとなる。
また、クランク軸20の回転によって偏心軸100は回転軸86を中心に時計回りに約90度回転させられ、回転軸86の略上側に位置させられる。これにより、排気行程の上死点位置にあるときのピストン16からシリンダヘッド12までの離間距離d2を、圧縮行程のときの離間距離d1に比して長くすることができる、換言すれば、排気行程のピストン上死点位置を圧縮行程のピストン上死点位置に比して低くすることができる。
即ち、図6(b)と(d)を対比するとよく分かるように、偏心軸100の位置が圧縮行程のときと排気行程のときとでは異なる。具体的には、圧縮行程のときの偏心軸100の位置は回転軸86の略下側であるのに対し、排気行程では回転軸86の略上側である。そのため、リンク84の角度(向き)が圧縮行程のときと排気行程のときとで相違させられることとなり、よって排気行程のときのピストン16のストロークを圧縮行程のときよりも短くできる、即ち、離間距離d2をd1に比して長く(d2>d1)することが可能となる。
以上の如く、この発明の実施例にあっては、吸気バルブ34と排気バルブ46で開閉される燃焼室36に配置されるピストン16に接続されるクランク軸20を備えると共に、前記燃焼室36に供給される混合気を予混合圧縮着火燃焼させる4サイクルの圧縮着火内燃機関(エンジン)10において、前記4サイクルのうちの排気行程後半に前記吸気バルブ34と排気バルブ46の両方を閉弁させる負のオーバラップ期間が設定される動弁機構(可変動弁機構)60と、前記ピストン16とクランク軸20の間に介挿されるリンク機構72とを備え、前記動弁機構60が動作しているとき、前記リンク機構72を動作させて前記ピストン16の上死点位置を前記4サイクルのうちの排気行程と圧縮行程とで変更可能とする如く構成した。
このように、可変動弁機構60が動作しているとき、即ち、負のオーバラップ期間のとき、リンク機構72を動作させてピストン16の上死点位置を排気行程と圧縮行程とで変更可能に構成するようにしたので、例えばリンク機構72を動作させて上死点位置にあるときのピストン16から燃焼室36のシリンダヘッド12までの離間距離d1,d2が、圧縮行程のとき(d1)よりも排気行程のとき(d2)に長くなるように変更することが可能となり、それによって排気行程後半において気筒内に残留した排ガスはピストン16によって圧縮されることがなくなる。
これにより、残留排ガスの温度も圧縮によって上昇することがないため、気筒壁面との温度差は比較的少なく、よって気筒壁面からの熱損失を減少させることができると共に、圧縮着火に必要な残留排ガスの量も少なくでき(逆に言えば吸入空気量を増加させることが可能となり)、結果として圧縮着火運転を安定して継続可能にすることができる。さらに、熱損失の減少によってエンジン10の図示熱効率を上昇させることもできる。
また、気筒内の残留排ガスはピストン16によって圧縮されないため、ピストン16に応力が発生せず、エンジン10の内部のフリクションも減少し、よってエンジン10の運転効率や正味熱効率を向上させることができる。
また、前記動弁機構(可変動弁機構)60が動作しているとき、前記リンク機構72を動作させ、前記上死点位置にあるときの前記ピストン16から前記燃焼室36のシリンダヘッド12までの離間距離d1,d2が、前記4サイクルのうちの圧縮行程のとき(d1)よりも排気行程のとき(d2)に長くなるように変更可能とする如く構成したので、上記した効果を確実に得ることができる。
また、前記リンク機構72は、前記ピストン16に接続されるコンロッド80と、前記クランク軸20のクランクピン76に回動自在に接続されると共に、一端84aが前記コンロッド80にコンロッドピン94を介して回動自在に接続されるリンク84と、前記クランク軸20と平行な軸線86aを有すると共に、前記軸線86aから偏心する位置に偏心軸100が設けられる回転軸86と、一端90aが前記リンク84の他端84cにスイングピン96を介して回動自在に接続される一方、他端90bが前記偏心軸100に回動自在に接続されるスイングロッド90と、前記クランク軸20の回転を前記回転軸86に伝達するギヤ(減速機構(第1、第2ギヤ92a,92b))92とからなる如く構成したので、リンク機構72を簡易な構成にできると共に、リンク機構72を用いてピストン16の上死点位置を排気行程と圧縮行程とで確実に変更可能にすることができる。
尚、上記においては、エンジン10の排気量などを具体的な値で示したが、それらは例示であって限定されるものではない。
10 エンジン(圧縮着火内燃機関)、12 シリンダヘッド、16 ピストン、20 クランク軸、34 吸気バルブ、36 燃焼室、46 排気バルブ、60 可変動弁機構(動弁機構)、72 リンク機構、76 クランクピン、80 コンロッド、84 リンク、86 回転軸、90 スイングロッド、92 減速機構(ギヤ)、92a 第1ギヤ、92b 第2ギヤ、94 コンロッドピン、96 スイングピン、100 偏心軸

Claims (3)

  1. 吸気バルブと排気バルブで開閉される燃焼室に配置されるピストンに接続されるクランク軸を備えると共に、前記燃焼室に供給される混合気を予混合圧縮着火燃焼させる4サイクルの圧縮着火内燃機関において、前記4サイクルのうちの排気行程後半に前記吸気バルブと排気バルブの両方を閉弁させる負のオーバラップ期間が設定される動弁機構と、前記ピストンとクランク軸の間に介挿されるリンク機構とを備え、前記動弁機構が動作しているとき、前記リンク機構を動作させて前記ピストンの上死点位置を前記4サイクルのうちの排気行程と圧縮行程とで変更可能に構成したことを特徴とする圧縮着火内燃機関。
  2. 前記動弁機構が動作しているとき、前記リンク機構を動作させ、前記上死点位置にあるときの前記ピストンから前記燃焼室のシリンダヘッドまでの離間距離が、前記4サイクルのうちの圧縮行程のときよりも排気行程のときに長くなるように変更可能としたことを特徴とする請求項1記載の圧縮着火内燃機関。
  3. 前記リンク機構は、前記ピストンに接続されるコンロッドと、前記クランク軸のクランクピンに回動自在に接続されると共に、一端が前記コンロッドにコンロッドピンを介して回動自在に接続されるリンクと、前記クランク軸と平行な軸線を有すると共に、前記軸線から偏心する位置に偏心軸が設けられる回転軸と、一端が前記リンクの他端にスイングピンを介して回動自在に接続される一方、他端が前記偏心軸に回動自在に接続されるスイングロッドと、前記クランク軸の回転を前記回転軸に伝達するギヤとからなることを特徴とする請求項1または2記載の圧縮着火内燃機関。
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