JP5287321B2 - 内燃機関の排気制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気制御装置に関し、特に、冷間始動時などの触媒早期活性化技術に関する。
ガソリンエンジンに代表される内燃機関においては、冷間始動時などの触媒の早期活性化のために排気昇温・触媒暖機が要求される運転状態のときに、成層燃焼による始動を行うことで、点火時期を大幅に遅角化し、排気ガス温度を上昇させて触媒の暖機を促進する技術が知られている。また、このような冷間始動時における触媒早期活性化の技術として、特許文献1にも記載されているように、触媒上流の排気通路に二次エア(2次空気)を供給し、この触媒上流の排気通路内で燃焼室から排出されるCOやHCを再燃焼(後燃え)させることで、触媒の暖機を促進する技術が公知である。
特開平11−153027号公報
上記二次エアの供給時には、燃焼室より排気通路へ排出される未燃焼ガス、つまりHCの濃度(供給量)が高く、排気ガス温度が高いほど、排気通路での後燃えが促進され、触媒暖機効果が高く、触媒早期活性化による排気エミッションの低減効果は高い。しかしながら、HCの濃度を高くするために、燃料増量により燃焼室内の空燃比(以下、『燃焼A/F』とも呼ぶ)をリッチ化すると、トレードオフとして、この触媒暖機運転中における燃費の低下やNOx等の排気エミッションの増加といった問題がある。また、燃焼A/Fのリッチ化は燃焼限界から制限されるために、燃焼A/Fのリッチ化によるHC濃度の増加にも限界がある(通常、5000ppm程度)。更に、排気ガス温度の昇温を図るために、点火時期を遅角する場合、燃焼安定性を確保するために、やはり燃焼A/Fをリッチ化する必要がある。
本発明は、吸気弁のバルブリフト特性を変更可能な可変動弁機構を利用して、二次エア供給時における燃焼A/Fのリッチ化の抑制(リーン化)と、内燃機関から排出される未燃ガス(つまり、HC濃度)の増加と、を両立し得る新規な内燃機関の排気制御装置を提供するものである。
すなわち本発明は、触媒早期活性化が要求される冷間始動時のような二次エアを供給する所定の運転状態のときに、可変動弁機構によるバルブリフト特性を所定の二次エア用リフト設定とするものである。この二次エア用リフト設定は、吸気弁の作動角が最大の作動角よりも小さいものであり、あるいは、吸気弁の開時期を排気上死点近傍又は排気上死点後,吸気弁の閉時期を吸気下死点近傍とするものである。
ここで、『上死点近傍』,『下死点近傍』とは、吸気弁の開時期や閉時期が上死点や下死点に完全に一致しているものだけではなく、上死点や下死点に近い状態に設定されるものを含むものであり、例えば上死点・下死点から5°CA程度の範囲を意味する。
二次エア供給時の可変動弁機構によるバルブリフト特性を所定の二次エア用リフト設定とすることによって、燃料増量による燃焼室内の空燃比(燃焼A/F)の大幅なリッチ化を伴うことなく、内燃機関の燃焼室で燃焼されずに排気通路へ排出されるHC(ハイドロカーボン)等を含む未燃ガスを増加させることができる。つまり、燃焼A/Fのリッチ化の抑制(リーン化)と、燃焼室より排出されるHC濃度の増加と、を両立することができる。従って、燃焼A/Fのリッチ化の抑制により、燃費向上やNOx等の排気エミッションの低減化を図り、また、HC濃度の増加によって、二次エアの供給による後燃え促進により排気昇温効果を高め、触媒早期活性化を図ることができる。
本発明の一実施例に係る排気制御装置が適用される内燃機関の吸・排気系を示す構成図。 本実施例の可変動弁機構を示す斜視図。 代表的な運転条件でのバルブリフト特性を示す特性図。 吸気弁のバルブリフト特性として、大リフト設定(A)と、本実施例に係る中リフト設定(B)及び小リフト設定(C)を示す特性図。 本実施例に係る小リフト設定を用いた場合の効果を示す説明図。 本実施例に係る小リフト設定及び中リフト設定を用いた場合の効果を示す説明図。 本実施例に係る冷間始動時の制御の流れを示すフローチャート。 同じく本実施例に係る冷間始動時の制御を示すタイミングチャート。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係る内燃機関の吸・排気系を示すものである。この図1において、吸気は、エアクリーナ2通過後にエアフローメータ3で流量を計測され、その下流に設置されたスロットル弁4に導かれる。ここで、スロットル弁4の開度はスロットルセンサ5にて検出され、その検出信号が制御部としてのエンジンコントロールユニット6に出力されるようになっている。又、上記エアフローメータ3の検知信号もエンジンコントロールユニット6に出力される。次いで、吸気は、コレクタ7を経て各気筒の吸気通路8を通過する。ここで、吸気通路8には、燃料を噴射するインジェクタ10が設置されており、このインジェクタ10から噴射された燃料が吸気通路8の空気に混合される。この混合気は、吸気弁11が開くと燃焼室12内に導入され、ピストン13で圧縮され、点火プラグ14の火花で着火・燃焼させられる。尚、水温センサ15は、シリンダ壁16に取り付けられ、エンジン冷却水温度を検出し、その検出信号をエンジンコントロールユニット6に出力するようになっている。
燃焼後のガスは、排気弁17が開くと排気通路18に排出される。排気通路18には、酸素センサ(空燃比センサ)20が設置されており、この酸素センサ20により排気ガス中の酸素濃度が検出される。そして、この酸素センサ20は、検知信号をエンジンコントロールユニット6に出力するようになっている。
また、触媒上流の排気通路18へ二次エア(2次空気)を噴射・供給する二次エア供給装置1が設けられている。この二次エア供給装置1は、エンジンコントロールユニット6により制御されるエアポンプ22から送り出された二次エアを、二次空気導入通路21を通して、触媒上流の排気通路18へ噴射・供給するようになっている。
この排気通路18の下流側の排気系には、再燃焼器(再燃焼手段)23が設置されている。この再燃焼器23は、排気中に含まれる未燃焼燃料と導入された二次エア中の酸素とを用いて排気ガスの再燃焼を行い、触媒24の温度を速やかに上昇させて、触媒24の早期活性化を図ると共に、触媒24が活性化するまでの間においてHC,COを低減する。ここで、再燃焼器23の内部には、着火を補助する点火栓25と、温度を検出する温度センサ(温度検出手段)26,27とが設置されている。尚、本実施例においては、第2の温度センサ27が第1の温度センサ26の下流側(図1中右側)に配置されている。又、これら温度センサ26,27は、検知信号をエンジンコントロールユニット6に出力するようになっている。
上記再燃焼器23における排気再燃焼は、主に触媒24活性化前の冷間時に行い、その際はインジェクタ10により噴射する燃料を増量して、燃焼室12内に導入される混合気の空燃比を理論空燃比よりも濃い状態(リッチ)として、多量の未燃焼ガスを再燃焼器23に導入すると共に、二次エアを導入して再燃焼を促進する。触媒24活性後は、インジェクタ10による燃料増量を中止し、酸素センサ20の信号に基づくフィードバック制御により空燃比を理論空燃比に保つと共に、二次エア導入及び点火栓25による点火を中止し、再燃焼器23の使用を停止して、触媒24によりHC,CO及びNOxを転化する。排気ガスは、再燃焼器23及び触媒24を通過した後、排気管28を経て大気中に放出される。
ここで、エンジンコントロールユニット6は、上記したように、エアフローメータ3,スロットルセンサ5,水温センサ15,酸素センサ20及び温度センサ26,27からの検知信号が入力されると共に、エンジン回転速度が入力され、インジェクタ10により噴射する燃料量,点火プラグ14により点火するタイミング及びエアポンプ22により送り出す二次エアの流量を算出し、再燃焼器23を使用するかどうかの判断を行うようになっている。エアポンプ22により送り出す二次エアの流量はエンジンコントロールユニット6により機関運転状態に応じて制御される。
なお、上記図1の二次エア供給装置1は、排気通路中に点火栓25等を含む再燃焼器23を設けて強制的に再燃焼を行うものであるが、これに限らず、例えば、このような再燃焼器23を省略して、エアポンプで二次エアを排気ポートに強制的に噴射・供給し、排気マニホールド内で未燃焼ガス中のHCとCOを再燃焼させるものであっても良い。
また、図2に示すように、この内燃機関には、吸気弁11のバルブリフト特性を可変とする可変動弁機構として、第1可変動弁機構50及び第2可変動弁機構51が設けられている。これらの第1可変動弁機構50および第2可変動弁機構51は、その機械的な構成は特開2003−3872号公報等により公知であり、その概要のみを説明する。
第1可変動弁機構50は、吸気弁のバルブリフト量と作動角を両者同時かつ連続的に可変とするものであり、内燃機関1のクランクシャフトにより駆動される駆動軸52と、この駆動軸52に固定された偏心カム53と、回転自在に支持された制御軸32と、この制御軸32の偏心カム部38に揺動自在に支持されたロッカアーム56と、吸気弁11のタペット30に当接する揺動カム59と、を備えており、上記偏心カム53とロッカアーム56とはリンクアーム54によって連係され、ロッカアーム56と揺動カム59とは、リンク部材58によって連係されている。
上記ロッカアーム56は、略中央部が上記偏心カム部38によって揺動可能に支持されており、その一端部に、連結ピン55を介して上記リンクアーム54のアーム部が連係しているとともに、他端部に、連結ピン57を介して上記リンク部材58の上端部が連係している。上記偏心カム部38は、制御軸32の軸心から偏心しており、従って、制御軸32の角度位置に応じてロッカアーム56の揺動中心は変化する。
上記揺動カム59は、駆動軸52の外周に嵌合して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部に、連結ピン37を介して上記リンク部材58の下端部が連係している。この揺動カム59の下面には、駆動軸52と同心状の円弧をなす基円面と、該基円面から所定の曲線を描いて延びるカム面と、が連続して形成されており、これらの基円面ならびにカム面が、揺動カム59の揺動位置に応じてタペット30の上面に当接する。
上記制御軸32は、一端部に設けられたリフト・作動角制御用アクチュエータ33によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト・作動角制御用アクチュエータ33は、例えばウォームギア35を介して制御軸32を駆動する電動モータからなり、コントロールユニット6からの制御信号によって制御される。上記制御軸32の回転角度は、制御軸センサ34によって検出される。
上記第1可変動弁機構50によれば、上記制御軸32の回転角度位置に応じて吸気弁11のリフトならびに作動角が、両者同時に、連続的に拡大,縮小し、このリフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁11の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化する。リフト・作動角の大きさは、制御軸32の回転角度によって一義的に定まるので、上記制御軸センサ34の検出値により、そのときの実際のリフト・作動角が示されることになる。
一方、吸気弁のリフトの中心角を可変制御する第2可変動弁機構51は、上記駆動軸52の前端部に設けられたスプロケット42と、このスプロケット42と上記駆動軸52とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用アクチュエータ43と、から構成されている。上記スプロケット42は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトに連動している。上記位相制御用アクチュエータ43は、本実施例では油圧式の回転型アクチュエータからなり、コントロールユニット6からの制御信号によって図示せぬ油圧制御弁を介して制御される。この位相制御用アクチュエータ43の作用によって、スプロケット42と駆動軸52とが相対的に回転し、バルブリフトにおけるリフト中心角が遅進する。つまり、バルブリフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も、連続的に得ることができる。この第2可変動弁機構51の制御状態は、駆動軸52の回転位置に応答する駆動軸センサ36によって検出される。
なお、本実施例では、最も遅角したときのリフト中心角が、始動時中心角となり、従って、位相制御用アクチュエータ43内部に、スプロケット42と駆動軸52との相対位置を、中心角の最遅角位置でもって固定保持する図示せぬロックピン等からなる保持機構が設けられている。この保持機構となるロックピンは、機関停止後に最遅角位置となったときに係合し、かつ機関の始動後に油圧が供給されると係合離脱する構成となっている。
図3は、代表的な運転条件における吸気弁11のバルブリフト特性の一例を示したもので、図示するように、アイドル等の極低負荷域においては、リフト・作動角が最小となり、かつ中心角の位相は、最も遅角した位置となる。これによって、閉時期は、吸気下死点直前位置となる。本実施例では、始動時の特性もこのアイドル時の特性と同じであり、始動時作動角となる最小作動角ならびに始動時中心角となる最遅角中心角の下で、クランキングが行われる。アイドル等の極低負荷域よりも負荷の大きな低負荷領域(補機負荷が加わっているアイドル状態を含む)においては、リフト・作動角が大きくなり、かつ中心角は進角した位置となる。このときには、吸気弁閉時期を早めることで、吸気量が比較的少量に制御される。さらに負荷が増加し、燃焼が安定してくる中負荷域では、リフト・作動角をさらに拡大しつつ、中心角の位相を進角させる。中心角の位相は、中負荷域のある点で、最も進角した状態となる。また、最大負荷時には、さらにリフト・作動角を拡大し、かつ最適なバルブタイミングとなるように第2可変動弁機構51を制御する。なお、図示するように、機関回転速度によっても最適なバルブリフト特性は異なるものとなる。
図4は、吸気弁のバルブリフト特性の設定例を示している。図4(A)は、高回転高負荷〜全開域で用いられる大リフト設定を示しており、この大リフト設定では、吸入空気量を最大限確保するように、第1可変動弁機構50による吸気弁の作動角(及びバルブリフト量)を最大作動角Δθmaxの設定とし、かつ、第2可変動弁機構51によるリフト中心角を最遅角位置θretの設定としている。これによって、吸気弁の開時期IVOは排気上死点近傍となり、吸気弁の閉時期IVCは吸気下死点BDCよりも大幅に(30°CA以上)遅角したものとなる。
そして本実施例では、冷間始動時(ファーストアイドル時)のように、触媒24の暖機による触媒早期活性化が要求される所定の触媒暖機運転状態のときには、二次エアを供給するとともに、吸気弁のバルブリフト特性を、上記最大作動角の設定よりも作動角の小さい所定の二次エア用リフト設定、具体的には、図4(B)に示す中リフト設定、あるいは図4(C)に示す小リフト設定とするものである。
小リフト設定では、図4(C)に示すように、第1可変動弁機構50による吸気弁の作動角(及びバルブリフト量)を所定の小作動角、この例では最小作動角Δθminの設定とし、かつ、第2可変動弁機構51によるリフト中心角を所定の遅角位置、この例では最遅角位置θretの設定としている。これによって、吸気弁の開時期IVOは排気上死点よりも例えば20°CA以上と大幅に遅角してマイナスオーバーラップが大きく付与された設定となり、吸気弁の閉時期IVCは吸気下死点BDC近傍となる。また、最小作動角Δθminの設定では、吸気弁のバルブリフト量が例えば2mm以下の極小のものとなり、吸気ポートから燃焼室へ流れ込む混合気は、僅かな隙間を通してペントルーフ型燃焼室を構成するシリンダヘッドの壁面に沿って流れる形となる。これによって壁流が増加し、燃焼室壁面や排気弁周りへ付着する燃料が増加し、燃焼室内で燃焼されずに排気通路へ排出される未燃ガスが増加して、内燃機関から排出されるHCの濃度(エンジンアウトHC濃度)、つまり燃料噴射量に対して排気通路側へ排出されるHCの割合が増加する。
このようなHC濃度の増加は、暖機後の通常の運転状態であれば、排気エミッションの増加や燃費の悪化を招くために望ましくないものであるが、上述した触媒暖機運転での二次エア供給時に限っては、HC濃度の増加により二次エアと併せて排気通路での後燃え・再燃焼が促進され、排気昇温効果による触媒早期活性化が促進されるために、望ましいものとなる。従って、上記の二次エア供給時に小リフト設定を用いることで、燃料増量による燃焼室内の空燃比のリッチ化を抑えつつ、HC濃度を増加し、あるいは、所定のHC濃度を維持しつつ、燃焼A/Fのリッチ化を抑えることができる。
図5は、上記図4(C)に示す小リフト設定を用いた場合と、小リフト設定よりも作動角の大きい大リフトの設定を用いた場合との、燃焼室内の空燃比(燃焼A/F)と、内燃機関より排出されるHCの濃度(エンジンアウトHC濃度)との変化を示している。小リフト設定を用いた場合、大リフトの設定に比して、同図の矢印Y1に示すように、同程度の燃焼A/Fを維持しつつ、エンジンアウトHC濃度を大幅に高めることができる。従って、燃焼A/Fのリッチ化による燃費低下や燃焼安定性の低下を招くことなく、HC濃度を高めて二次エア供給との組み合わせによる排気系での後燃え・再燃焼を促進し、触媒早期活性化により排気エミッションを大幅に低減することができる。あるいは、燃料増量を抑えることで、矢印Y2に示すように、大リフト設定に比して、エンジンアウトHC濃度を同程度に維持して、所期の排気昇温効果を維持しつつ、燃焼A/Fを大幅にリーン化することで、触媒暖機運転中における燃費の向上は排気エミッションの低下を図ることができる。
図4(B)に示す中リフト設定では、第1可変動弁機構50による吸気弁の作動角(及びバルブリフト量)を所定の中作動角Δθmidの設定とし、かつ、第2可変動弁機構51によるリフト中心角を所定の進角位置、この例では最進角位置θadvの設定としている。これによって、吸気弁の開時期IVOは排気上死点近傍となり、吸気弁の閉時期IVCは吸気下死点近傍となる。この中作動角Δθmidの設定では、上記最小作動角Δθminの設定に比して、吸気弁のバルブリフト量が例えば5〜6mm程度となり、壁流増加によるHC濃度の増加は抑えられるものの、吸気弁開時期IVOが排気上死点TDCに近づくことから、燃焼室へ流れ込む混合気の流速が低下し、燃焼室内の流動による燃料の気化が抑制されることで、燃焼室から排出される未燃ガスが増え、HC濃度が増加する。従って、この中リフト設定を用いた場合にも、上記の最小作動角Δθminを用いた小リフト設定の場合と同様、燃焼A/Fのリーン化とHC濃度の増加とを両立することができる。
また、上述した小リフト設定及び中リフト設定では、ともに吸気弁の閉時期IVCが吸気下死点BDC近傍とされている。このために、有効圧縮比が高くなり、燃焼安定性が向上するために、点火時期の大幅な遅角化が可能となり、これによる排気昇温効果によって、更なる触媒早期活性化・排気エミッションの低減化がなされる。
図6は、図4に示す大リフト、中リフト、及び小リフト設定での、冷機始動後(0〜15sec)の燃焼A/FとHC濃度とを示している。同図に示すように、中リフトや小リフトの設定では、大リフトの設定に比して、同じ燃焼A/FであればHC濃度が高く、また、同等のHC濃度であれば燃焼A/Fがリーン側となる。なお、燃焼室や吸・排気弁の形状やレイアウト等にもよるが、この実施例のものでは、中リフト設定のときに最も高いHC濃度が得られる。
図7及び図8は、本実施例に係る冷間始動時における制御の一例を示すフローチャート及びタイミングチャートである。イグニッションキー等の機関始動スイッチ(ST/SW)のON操作による内燃機関の始動要求を検出すると、ステップS11からステップS12へ進み、始動時の水温が所定の冷機始動判定エンジン冷却水温Tw0以下の冷間始動時であるかを判定する。冷間始動時でない、つまり暖機後の通常の始動時であれば、後述するステップS22へと進み、通常の設定が用いられる。
冷間始動時であると判定されると、ステップS13以降へ進み、触媒早期活性化のための排気昇温制御が行われる。先ず、ステップS13では、触媒推定残存率の演算を開始する。触媒推定残存率は、触媒24に供給される特定成分つまりHCに対する触媒24から排出されるHCの割合であり、触媒24の活性化に必要な熱量、つまりは触媒24の活性度合いに対応する値であって、機関回転速度や機関負荷等に基づいて推定される(触媒活性状態判定手段)。
ステップS14では、上述した図4(B)に示す中リフト設定とし、つまり、上記第1可変動弁機構50(図ではVELとも記す)を所定の中作動角Δθmidとし、第2可変動弁機構51(図ではVTCとも記す)を最進角位置θadvとして、吸気弁開時期IVOを排気上死点TDC近傍、吸気弁閉時期IVCを吸気下死点BDC近傍とする。
ステップS15では、燃焼A/Fが、上記の中リフト設定におけるリッチ側燃焼限界値AF1となるように燃料増量を行い、かつ、二次エアの供給流量が所定値Air1となるように二次エアを供給・噴射する。このAir1は、中リフト設定でのエンジンアウトHC濃度で最も高い排気低減効果が得られるように設定される。ステップS16では、点火時期を、この中リフト設定での遅角側の燃焼安定限界点火時期ADV1へ向けてリタードする。
このように、冷間始動直後(〜T1)では、中リフト設定とすることで、HC濃度を大幅に高めて、二次エア供給量Air1の増加と併せて排気系での後燃え・再燃焼を促進し、排気ガス温度を速やかに昇温して触媒暖機・早期活性化を促進しつつ、触媒24から排出されるテールパイプHCを速やかに低減することができる。つまり、冷間始動直後は、触媒暖機を最優先するように、中リフト設定としてHC濃度を最大限まで高め、これに見合う二次エアの増量Air1を行う。
ステップS17では、触媒推定残存率が所定の第1判定値C1以下であるか、つまり触媒活性化が所定レベルまで進行したかを判定する。触媒推定残存率が第1判定値C1に達していなければ上記のステップS14へ戻り、中リフト設定による触媒暖機運転を続行する。
触媒推定残存率が第1判定値C1に達し、触媒活性化が所定レベルまで進行した時点T1(図8参照)で、上述したHC濃度の増加による触媒暖機を最優先させる中リフト設定から、所定の触媒暖機効果を確保しつつ燃焼A/Fのリーン化(リッチ度合いの低減化)を図る小リフト設定へと切り換える。
具体的には、先ず、ステップS18において、上述した図4(C)に示す小リフト設定とし、つまり、上記第1可変動弁機構50を所定の小作動角Δθminとし、第2可変動弁機構51を最遅角位置θretとして、吸気弁開時期IVOを排気上死点TDCよりも大幅に遅角させつつ、吸気弁閉時期IVCは吸気下死点BDC近傍に維持する。
ステップS19では、燃焼A/Fが、この小リフト設定におけるリッチ側燃焼限界値AF2となるように燃料増量を行い、かつ、二次エアの流量が所定値Air2となるように二次エアを供給・噴射する。この小リフト設定でのAF2は、中リフト設定でのAF1よりもリーン側の値であり、Air2は、この小リフト設定でのエンジンアウトHC濃度で最も高い排気低減効果が得られるように設定され、中リフト設定でのAir1よりも低い値(Air1>Air2)となる。
ステップS20では、点火時期を、この小リフト設定での遅角側の燃焼安定限界点火時期ADV2へ向けてリタードする。このADV2は、中リフト設定でのADV1よりも進角側への値が小さい、つまりリタード量が大きい値となる。従って、小リフト設定では中リフト設定よりも点火時期のリタード化による排気昇温効果は高いものとなる。
このように、冷間始動後に触媒残存率が所定の第1判定値C1まで低下すると、中リフト設定から小リフト設定に切り換えるとともに、二次エア供給量を抑えつつ、燃焼A/Fをリーン化することで、二次エア供給による最小限の排気昇温効果を維持しつつ、燃焼A/Fをリーン化により燃費の向上を図るとともに、触媒24を通るガスボリュームを低減し、NOxの増加を抑制することで、この触媒暖機運転中における燃費向上と排気エミッションの低下を図ることができる。
ステップS21では、触媒推定残存率が0近傍の所定の第2判定値C2以下であるか、つまり触媒活性状態となったかを判定する。触媒推定残存率が第2判定値C2以下でなければ上記ステップS18へ戻り、小リフト設定による触媒暖機運転を続行する。触媒推定残存率が0近傍の所定の第2判定値C2以下となった時点T2(図8参照)で、触媒24が活性化したと判断して、触媒暖機運転を終了し、暖機後の通常制御へと復帰する。具体的には、ステップS22において、第1可変動弁機構50を暖機後の通常の作動角、例えば上記の中作動角Δθmidよりも大きな所定の作動角とするとともに、第2可変動弁機構51を通常のリフト中心角、例えば最遅角位置θminとする。また、ステップS23において、燃焼A/Fの設定を通常の例えばストイキ値(λ=1)とし、二次エアの供給量を0とする。更に、ステップS24において、点火時期のリタード制御を解除し、最適点火時期(MBT)へ向けて進角させる。
他の実施例として、触媒早期活性化を最優先する場合、図8の一転鎖線で示すように、上記の時期T1でリフト設定を切り換えず、触媒活性状態と判定される時期T2まで、触媒早期活性化を最優先する中リフト設定を維持するようにしても良い。
あるいは逆に、冷間始動直後から小リフト設定を用いるようにしても良い。この場合、始動直後から燃料重軽質差の小さい小リフト設定、つまり吸気弁開時期IVOを排気上死点よりも遅角させてマイナスオーバーラップを大きく付与した設定とすることで、前述の排気エミッション低減効果に加え、燃料重軽質差によるHC濃度差が低減し、燃料重軽質差によるに排気エミッションのばらつきを低減することができる。
また、図8の破線α1,α2に示すように、触媒活性判定時点(T2)での燃焼A/Fや点火時期の急激な切換による運転性の低下やトルク変動等を抑制するように、触媒活性が所定レベルに達した時点(T1)から、燃焼A/Fを暖機後の値(λ=1)へ向けて徐々に進角していくとともに、点火時期を暖機後の進角側の値へ向けて徐々に進角させていくようにしても良い。
また、可変動弁機構50,51による作動角やリフト中心角の設定、特に、吸気弁開時期IVOに応じて、燃料噴射タイミングを最適化することによって、エンジンアウトHC濃度を更に増加させることも可能である。
なお、触媒活性状態(T1,T2)の判定として、上記実施例では触媒推定残存率の判定値(C1,C2)を用いて判定しているが、水温の判定値(Tw1,Tw2)を用いて判定しても良く、更に簡易的に、一定時間が経過した時点で触媒の活性レベルを判定しても良い。
また、上記実施例では、2つの可変動弁機構50,51を用いているが、吸気弁のリフト中心角を可変とする第2可変動弁機構51を省略することも可能である。この場合、二次エア用リフト設定として図4(C)の小リフト設定を用いればよい。あるいは、吸気弁の作動角のみを変更可能な可変動弁機構を用いることも可能である。
1…二次エア供給装置
6…エンジンコントロールユニット
11…吸気弁
12…燃焼室
50…第1可変動弁機構

Claims (5)

  1. 内燃機関の燃焼室内に混合気を供給する吸気通路を開閉する吸気弁と、
    この吸気弁の作動角を変更可能な可変動弁機構と、
    排気通路に設けられた触媒と、
    この触媒よりも上流側の排気通路へ二次エアを供給する二次エア供給装置と、を有し、
    上記二次エアを供給する所定の運転状態のときに、吸気弁の作動角が最大の作動角よりも小さい所定の二次エア用リフト設定とし、
    上記二次エア用リフト設定が、吸気弁の開時期が排気上死点近傍,吸気弁の閉時期が吸気下死点近傍となる所定の中リフト設定を含むことを特徴とする内燃機関の排気制御装置。
  2. 上記可変動弁機構が吸気弁の作動角とバルブリフト量の双方を変更可能なものであり、
    上記二次エア用リフト設定が、吸気弁のバルブリフト量が極小となり、かつ、吸気弁の閉時期が吸気下死点近傍となる所定の小リフト設定を含むことを特徴とする請求項に記載の内燃機関の排気制御装置。
  3. 上記二次エア用リフト設定が、所定の中リフト設定と、この中リフト設定よりも吸気弁の作動角が小さい所定の小リフト設定と、を含んでおり、
    かつ、触媒活性状態を検出又は推定する触媒活性状態判定手段を有し、
    触媒活性状態が所定レベルに達した場合に、上記二次エア用リフト設定を、上記中リフト設定から上記小リフト設定に切り換えるととともに、上記中リフト設定に比して、二次エアの供給量を低下するとともに燃焼室内の空燃比をリーン側に制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気制御装置。
  4. 上記二次エアを供給する所定の運転状態が、触媒暖機運転を行う冷間始動時であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の排気制御装置。
  5. 内燃機関の燃焼室内に混合気を供給する吸気通路を開閉する吸気弁と、
    この吸気弁の作動角を変更可能な可変動弁機構と、
    排気通路に設けられた触媒と、
    この触媒よりも上流側の排気通路へ二次エアを供給する二次エア供給装置と、を有し、
    上記二次エアを供給する所定の運転状態のときに、吸気弁の作動角が最大の作動角よりも小さい所定の二次エア用リフト設定とし、
    上記二次エア用リフト設定が、所定の中リフト設定と、この中リフト設定よりも吸気弁の作動角が小さい所定の小リフト設定と、を含んでおり、
    かつ、触媒活性状態を検出又は推定する触媒活性状態判定手段を有し、
    触媒活性状態が所定レベルに達した場合に、上記二次エア用リフト設定を、上記中リフト設定から上記小リフト設定に切り換えるととともに、上記中リフト設定に比して、二次エアの供給量を低下するとともに燃焼室内の空燃比をリーン側に制御することを特徴とする内燃機関の排気制御装置。
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