JP2004225552A - 多気筒内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の失火検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、対向気筒の失火を常時正確に検出することができる多気筒内燃機関の失火検出装置を提供することを課題とする。
【解決手段】互いに角度Bを隔てて配置された第1及び第2のクランク角センサA1及びA2によりNEロータ7の同一の歯8に対する120度CAの所要時間T1及びT2をそれぞれ検出し、これら所要時間T1及びT2の差分を変動量ΔNEとしてこの変動量ΔNEと予め設定されている判定値THとの比較を行い、変動量ΔNEが判定値THを越えている場合に失火発生と判定する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多気筒内燃機関の失火検出装置に係り、特に対向気筒の失火検出に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、内燃機関の失火検出として、各気筒の爆発行程中におけるクランクシャフトの角速度変動を検出し、その変動値に基づいて失火の有無を判定する方法が用いられている。ここで、クランクシャフトの角速度変動は、複数の歯を有するNEロータをクランクシャフトに取り付け、回転中のNEロータの歯を回転センサで検出することにより測定することができるが、測定された変動値はNEロータの歯幅の公差精度により影響を受けることとなる。この影響を除去するために、従来はNEロータの同一の歯に対応する気筒、すなわち360度CA(クランク角)前に点火した気筒(以下、対向気筒とする)における変動値との差分を算出し、この差分を判定値と比較して失火の検出を行っていた。
【0003】
ところが、互いに対向する2つの気筒が共に失火している場合には、これら対向気筒における変動値の差分を算出しても、失火の検出を行うことはできない。そこで、例えば特許文献1に開示された失火検出装置では、燃料カット時のような燃焼の影響を受けない状態で回転センサによりNEロータの歯幅の公差を学習し、学習により得られた値で変動値を補正して失火の有無を判定している。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−54294号公報
【0005】
この従来の失火検出装置における対向気筒の失火検出の方法を図8に示す。まず、点火順序が連続する二つの気筒間の120度CA所要時間の差分と360度CA前に連続して点火した二つの気筒間の120度CA所要時間の差分との和からそれまでに計算された3つの和の加算平均値を減算してこれを回転変動量RF1とする。
NEロータの歯幅の公差学習がまだ完了していない場合(ステップS21)には、負荷が学習未完時の失火検出範囲すなわちNEロータの歯幅の公差が存在しても失火の有無を区別し得る高負荷領域にあるか否か確認され(ステップS22)、失火検出範囲内であれば、回転センサの出力から算出された回転変動量RF1と予め設定された判定値THとの比較が行われる(ステップS23)。そして、回転変動量RF1が判定値THを越えている場合に、対向気筒の失火発生と判定される(ステップS24)。
【0006】
一方、NEロータの歯幅の公差学習が一旦完了して学習値を求めた後(ステップS21)は、負荷が学習完了時の失火検出範囲、例えば中高負荷領域にあるか否か確認され(ステップS25)、失火検出範囲内であれば、回転センサの出力から得られた回転変動量RF1をNEロータの公差学習による学習値で補正した値を新たな回転変動量RF2として算出し、この回転変動量RF2と判定値THとの比較が行われる(ステップS26)。そして、回転変動量RF2が判定値THを越えると共に失火パターンであると認識された場合に(ステップS27)、対向気筒の失火発生と判定される(ステップS24)。
それ以外の場合は、今回の失火判定がリセットされる(ステップS28)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、NEロータの歯幅の公差学習が完了していないと、軽負荷状態においては、対向気筒の失火検出を正確に行うことができなかった。
また、触媒の高温時には触媒の劣化防止のために燃料カットは好ましくないが、NEロータの歯幅の公差を学習するには燃料カットをしなければならないという問題もある。
さらに、NEロータの歯幅の公差学習には、NEロータの形状だけでなく、クランクプーリ、ダンパ、タイミングベルト、気筒間のフリクション等の他の要因も含まれるため、これら他の要因が経時劣化等により変化した場合には、過去に求めた学習値を用いると、正確な失火の判定をすることができなくなってしまう。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、対向気筒の失火を常時正確に検出することができる多気筒内燃機関の失火検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る多気筒内燃機関の失火検出装置は、多気筒内燃機関のクランクシャフトに連結されたNEロータに対して互いに異なる角度位置に配置されると共にそれぞれクランクシャフトに設けられた複数の被検知部を検知することにより各気筒に対応する所定のクランク回転角度の所要時間を検出する第1及び第2のクランク角センサと、第1及び第2のクランク角センサからの検出値に基づいてクランクシャフトの気筒間の回転変動を表す変動量を算出する変動量算出手段と、変動量算出手段で算出された変動量に基づいて失火の発生を判定する失火判定手段とを備えたものである。
【0009】
NEロータに対して互いに異なる角度位置に配置された第1及び第2のクランク角センサからの検出値に基づいてクランクシャフトの気筒間の回転変動を表す変動量が算出され、この変動量により失火の判定が行われる。
【0010】
NEロータの同一の歯によって第1及び第2のクランク角センサから得られた所定のクランク回転角度の所要時間の差分に基づいて変動量を算出し、この変動量が所定の判定値を越えたときに失火が発生したと判定することができる。同一の歯によるクランク回転角度の所要時間を双方のクランク角センサでそれぞれ求め、それら所要時間の差分を変動量とするので、NEロータの歯幅の公差の影響を受けることなく、気筒間の回転変動を把握することができる。
【0011】
また、同一タイミングで第1及び第2のクランク角センサから得られた所定のクランク回転角度の所要時間に基づいて変動量をそれぞれ算出し、これら二つの変動量がそれぞれ対応する所定の判定値を共に越えたときに失火が発生したと判定することもできる。NEロータの歯幅の公差の影響により一方のクランク角センサから得られた所要時間が判定値を越えることはあり得るが、同一タイミングで互いに異なる歯により得られたクランク回転角度の所要時間が共に判定値を越えている場合には、NEロータの回転自体に変動があるものと考えられ、失火の判定が可能となる。
【0012】
さらに、同一タイミングで第1及び第2のクランク角センサから得られた所定のクランク回転角度の所要時間の差分に基づいてNEロータの歯幅の公差に関する歯幅補正値を算出すると共にこの歯幅補正値により補正された変動量を算出し、補正された変動量が所定の判定値を越えたときに失火が発生したと判定することもできる。同一タイミングで互いに異なる歯により得られたクランク回転角度の所要時間の差分を用いるため、NEロータの回転変動の影響を受けずに歯幅の公差に関した補正値が得られる。すなわち、いつでもNEロータの歯幅の学習を行うことができる。
なお、第1及び第2のクランク角センサからの検出値により得られた歯幅補正値をなまし処理して使用すれば、補正の精度向上を図ることができる。
【0013】
また、好ましくは、無失火と判定したときのNEロータの同一の歯によって第1及び第2のクランク角センサから得られた所定のクランク回転角度の所要時間に基づいて二つのセンサのバラツキに関するセンサ補正値を算出し、このセンサ補正値により変動量が補正される。無失火の場合に同一の歯により双方のクランク角センサから得られる所要時間にはNEロータの回転変動の影響も歯幅の公差の影響も含まれないため、これら所要時間の差分あるいは比を算出すれば、二つのクランク角センサのバラツキに関する補正値が得られる。このセンサ補正値を用いて変動量を補正することによって、より高精度の失火判定が可能となる。
さらに、センサ補正値をなまし処理して使用すれば、補正の精度向上を図ることができる。
【0014】
なお、第1及び第2のクランク角センサは、互いに所要時間検出の対象となる所定のクランク回転角度より大きな角度間隔を有してクランクシャフトの外周部近傍に配置されることが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1にこの発明の実施の形態1に係る失火検出装置が適用される多気筒内燃機関の全体構成を示す。V型6気筒のエンジン1には、#1〜#6の各気筒に対応して点火コイル2が配設されると共にそれぞれクランクシャフトの回転角度を検出する第1及び第2のクランク角センサA1及びA2が設けられている。また、エンジン1の吸気管3には吸入空気量を検出するエアフローメータ4が取り付けられており、各点火コイル2、クランク角センサA1及びA2及びエアフローメータ4にECU(エンジン制御ユニット)5が接続されている。ECU5は、この発明の変動量算出手段及び失火判定手段を構成するもので、さらに他の各種センサ及び図示しない燃料噴射弁等に接続され、エンジン1の運転状態に関する各種情報を収集して燃料噴射制御、点火時期制御等の種々の制御を行うと共に、クランク角センサA1及びA2から入力される信号に基づいて後述する失火の検出を行う。
【0016】
図2に示されるように、クランクシャフト6には、クランクシャフト6と共に回転するNEロータ7が連結されている。このNEロータ7の外周部には、被検知部となる12個の歯8が互いに等間隔に突出形成されており、第1及び第2のクランク角センサA1及びA2はそれぞれNEロータ7の外周部に対向すると共にNEロータ7に対して互いに角度B=120度+αだけ隔てて配置されている。各クランク角センサA1及びA2は、回転中のNEロータ7の12個の歯8を順次検知することによりNEロータ7の2回転すなわち720度CA毎に基準位置信号を発すると共にそれぞれの歯8を検知する30度CA毎に単位信号を発する。ここで、上記の角度αは、NEロータ7の歯幅(互いに隣接する歯8の間隔)の公差を吸収し得る値に設定され、歯幅にバラツキがあっても、常に第2のクランク角センサA2から単位信号が発せられた後に第1のクランク角センサA1から単位信号が発せられるように構成されている。例えば、角度αは0.2度CAとすることができる。
【0017】
次に、図3のフローチャートを参照してこの実施の形態1の動作について説明する。まず、ステップS1で、エンジン1の駆動中に、NEロータ7の同一の歯8に対して第1及び第2のクランク角センサA1及びA2から得られる所定のクランク回転角度120度CAの所要時間T1及びT2がそれぞれECU5により計測される。
【0018】
ここで、所要時間T1及びT2の計測方法について述べる。例えば第1のクランク角センサA1から発せられた単位信号に基づき、基準位置信号を基準として30度CAの所要時間t30[0]を計測し、次の30度CAの所要時間t30[1]を計測し、このようにして所要時間t30[n](n=0〜23)を計測する。ECU5は、#1〜#6の各気筒の爆発行程に対応して連続する4つの所要時間t30[n]の和を求めることにより120度CAの所要時間T1を算出する。
同様にして、第2のクランク角センサA2からの単位信号に基づき、120度CAの所要時間T2を算出する。
【0019】
このようにして計測された所要時間T1及びT2の一例を図4に示す。(a)は無失火時、(b)は対向気筒の失火発生時をそれぞれ示し、a〜iは各気筒毎の120度CA所要時間T1の計測値、a’〜i’は各気筒毎の120度CA所要時間T2の計測値をそれぞれ表している。無失火時に対応する図4(a)において、計測値a〜i及びa’〜i’が気筒毎に変動するのは、NEロータ7の歯幅の公差の影響を受けているためである。
【0020】
また、図2に示されるように、第1のクランク角センサA1は第2のクランク角センサA2よりもNEロータ7の回転方向に対して角度B=120度+αだけ前方に配置されているため、同一の歯8に対して第1のクランク角センサA1により得られる所要時間T1は第2のクランク角センサA2により得られる所要時間T2より1気筒分だけ遅れて計測される。例えば、図4(a)の第1のクランク角センサA1による計測値aと第2のクランク角センサA2による計測値b’とが同一の歯8に対するものとなる。
【0021】
そこで、図3のステップS2で、同一の歯8に対して第1及び第2のクランク角センサA1及びA2から得られた所要時間T1とT2の差分(T1−T2)を求め、これを気筒間の回転変動を表す変動量ΔNEとする。
例えば、図4(a)の時刻Aでは、
ΔNE=a−b’
となる。
【0022】
次に、ステップS3で、変動量ΔNEと予めECU5内に設定されている判定値TH(>0)との比較を行い、変動量ΔNEが判定値THを越えている場合には、何らかの失火の発生に起因した回転の変動が生じていると判断してステップS4に進み、失火発生と判定される。一方、変動量ΔNEが判定値TH以下である場合には、失火は発生していないと判断してステップS5に進み、今回の失火判定がリセットされる。
【0023】
図4(a)のように無失火の場合には、同一の歯8に対して第1のクランク角センサA1により得られる所要時間T1の計測値a〜hは第2のクランク角センサA2により得られる所要時間T2の計測値b’〜i’とほぼ等しい値を有しているため、変動量ΔNEはほぼ0となり、ステップS3における比較の結果、失火は発生していないと判断されてステップS5に進むこととなる。
【0024】
一方、図4(b)のように対向気筒の失火が発生している場合には、NEロータ7の回転自体に大きな変動が生じるため、同一タイミングで第1のクランク角センサA1により得られる所要時間T1の計測値a〜iと第2のクランク角センサA2により得られる所要時間T2の計測値a’〜i’とは互いに近い値を有するが、同一の歯8に対する双方の計測値、例えば計測値aとb’は互いに異なる値を有する。従って、変動量ΔNE=a−b’は大きな値となり、ステップS3における比較の結果、失火が発生していると判断されてステップS4に進むこととなる。
【0025】
この実施の形態1では、NEロータ7の同一の歯8に対して第1及び第2のクランク角センサA1及びA2から得られた所要時間T1とT2との差分を変動量ΔNEとして失火の判定を行うので、NEロータ7の歯幅の公差学習を行うことなく対向気筒の失火を常時検出することができる。また、対向気筒の失火だけでなく、単一気筒の失火、間欠複数気筒の失火(点火順序が連続しない複数の気筒の同時失火)をも検出することができる。さらに、従来の技術の欄で記載したように、点火順序が連続する二つの気筒間の120度CA所要時間の差分と360度CA前に連続して点火した二つの気筒間の120度CA所要時間の差分との和に基づいて回転変動量を算出する従来の失火検出法を併用すれば、連続複数気筒の失火検出も可能となる。
【0026】
実施の形態2.
実施の形態2に係る失火検出装置は、実施の形態1の装置と同様の構成を有しているが、図5のフローチャートに示されるように失火検出の方法が異なっている。
まず、ステップS6で、エンジン1の駆動中に、同一タイミングで第1及び第2のクランク角センサA1及びA2から得られる所定のクランク回転角度120度CAの所要時間T1及びT2がそれぞれECU5により計測される。続くステップS7で、これら所要時間T1及びT2をそれぞれ回転変動を表す第1及び第2の変動量ΔNE1及びΔNE2とする。
【0027】
そして、ステップS8で、第1の変動量ΔNE1と予めECU5内に設定されている第1の判定値TH1との比較を行い、第1の変動量ΔNE1が第1の判定値TH1を越えている場合には、さらにステップS9に進んで第2の変動量ΔNE2と予めECU5内に設定されている第2の判定値TH2との比較を行う。ここで第2の変動量ΔNE2が第2の判定値TH2を越えている場合、すなわち二つの変動量ΔNE1及びΔNE2が共に対応する判定値TH1及びTH2を越えたときに、ステップS4に進み、失火発生と判定される。一方、ステップS8で第1の変動量ΔNE1が第1の判定値TH1以下である場合、あるいはステップS9で第2の変動量ΔNE2が第2の判定値TH2以下である場合には、失火は発生していないと判断してステップS5に進み、今回の失火判定がリセットされる。
【0028】
このように、同一タイミングで互いに異なる歯8により得られたクランク回転角度の所要時間T1及びT2が共に判定値TH1及びTH2を越えている場合には、NEロータ7の回転自体に変動があるものと考えて失火の発生を判定することが可能となる。
なお、第1及び第2のクランク角センサA1及びA2からの出力特性等に差異がない場合には、第1及び第2の判定値TH1及びTH2は、互いに同じ値であってもよい。
【0029】
このように、同一タイミングで二つのクランク角センサA1及びA2から得られた所要時間T1及びT2をそれぞれ変動量ΔNE1及びΔNE2として判定値と比較することにより失火の判定を行うので、NEロータ7の歯幅の公差学習を行うことなく対向気筒の失火を常時検出することができる。また、対向気筒の失火だけでなく、単一気筒の失火、連続複数気筒の失火、間欠複数気筒の失火をも検出することができる。
【0030】
実施の形態3.
実施の形態3に係る失火検出装置は、実施の形態1の装置と同様の構成を有しているが、図6のフローチャートに示されるように失火検出の方法が異なっている。
まず、ステップS10で、エンジン1の駆動中に、同一タイミングで第1及び第2のクランク角センサA1及びA2から得られる所定のクランク回転角度120度CAの所要時間T1及びT2がそれぞれECU5により計測される。続くステップS11で、これら所要時間T1とT2との差分(T2−T1)を2倍したものを歯幅補正値dtとして算出する。
例えば、図4(a)の時刻Aでは、
dt=(b’−b)×2
となる。
【0031】
次に、ステップS12で、第1のクランク角センサA1から得られる所定のクランク回転角度120度CAの所要時間T1を用いて、従来の技術の欄で記載したように、点火順序が連続する二つの気筒間の120度CA所要時間の差分と360度CA前に連続して点火した二つの気筒間の120度CA所要時間の差分との和を算出すると共にこの和からそれまでに計算された3つの和の加算平均値を減算してこれを回転変動量RFとする。
例えば、図4(a)の時刻Aでは、
Figure 2004225552
となる。
【0032】
続くステップS13で、回転変動量RFから歯幅補正値dtを減算し、これをNEロータ7の回転変動を表す変動量ΔNEとする。
例えば、図4(a)の時刻Aでは、
Figure 2004225552
となる。
【0033】
このようにしてステップS13で求められた変動量ΔNEと予めECU5内に設定されている判定値THとの比較がステップS3で行われる。そして、変動量ΔNEが判定値THを越えている場合には、回転の変動が生じていると判断してステップS4に進んで失火発生と判定され、一方、変動量ΔNEが判定値TH以下である場合には、失火は発生していないと判断してステップS5で今回の失火判定がリセットされる。
【0034】
このように、同一タイミングで二つのクランク角センサA1及びA2から得られた所要時間T1及びT2に基づいて歯幅補正値dtを算出し、この歯幅補正値dtを用いて補正された回転変動量RFを判定値と比較することにより失火の判定を行うので、常時NEロータ7の歯幅の公差に関する補正を行って対向気筒の失火を正確に検出することができる。また、歯幅補正値dtの算出は、エンジンの運転状態に関係なく常時可能であるので、最新の歯幅補正値dtを算出することで、NEロータ7以外の要因の経時劣化等による変化の影響を受けることなく、正確な失火の判定を行うことができる。さらに、対向気筒の失火だけでなく、単一気筒の失火、連続複数気筒の失火、間欠複数気筒の失火をも検出することが可能である。
【0035】
なお、同一タイミングで得られる所要時間T1とT2との差分(T2−T1)を2倍したものを歯幅補正値dtとして使用したが、これに限るものではなく、例えば同一タイミングで得られる所要時間T1とT2との差分と360度CA前に同一タイミングで得られた所要時間T1とT2との差分との和を歯幅補正値dtとすることもできる。
図4(a)の時刻Aでは、
dt=(b’−b)+(e’−e)
となり、変動量ΔNEは、
Figure 2004225552
となる。
【0036】
また、歯幅補正値dtをなまし処理して使用することもできる。同一タイミングの所要時間T1及びT2が得られる毎に歯幅補正値dt[i](i=0〜5)を算出し、
歯幅補正値dt[0]=前回dt[0]+[{(b’−b)−前回dt[0]}/4]×2
歯幅補正値dt[1]=前回dt[1]+[{(c’−c)−前回dt[1]}/4]×2
歯幅補正値dt[2]=前回dt[2]+[{(d’−d)−前回dt[2]}/4]×2
として1/4なまし処理により歯幅補正値dtの精度を向上させる。
そして、例えば図4(a)の時刻Aにおいては、変動量ΔNEを、
ΔNE=(a−b)+(d−e)−(a−g)/3−dt[0]
と算出し、この変動量ΔNEを用いて判定を行うことにより、高精度の失火検出が可能となる。
なお、1/4なましに限らず、例えば1/8なまし、1/16なまし等の処理を行ってもよい。
【0037】
実施の形態4.
上記の実施の形態1〜3において、二つのクランク角センサA1及びA2のバラツキに関するセンサ補正値を算出し、このセンサ補正値を用いて変動量ΔNEを補正することによって、より高精度の失火判定が可能となる。
図7のフローチャートに示されるように、まず、ステップS14で、無失火と判定したときのNEロータ7の同一の歯8によって第1及び第2のクランク角センサA1及びA2から得られる所定のクランク回転角度120度CAの所要時間T1及びT2がそれぞれECU5により計測される。続くステップS15で、所要時間T1及びT2の差分(T2−T1)が算出される。無失火の場合に同一の歯8により双方のクランク角センサA1及びA2から得られる所要時間T1及びT2にはNEロータ7の回転変動の影響も歯幅の公差の影響も含まれないため、ここで算出された差分(T2−T1)は二つのクランク角センサA1及びA2のバラツキを的確に表すものとなり、これをセンサ補正値dsとする。
【0038】
例えば、図4(a)の時刻Aでは、
ds=b’−a
となる。
【0039】
ステップS16で、実施の形態1〜3のそれぞれの方法によりNEロータ7の変動量ΔNEが算出されると、次のステップS17で、この変動量ΔNEからセンサ補正値dsが減算され、これを新たな変動量ΔNEとする。そして、新たな変動量ΔNEと予めECU5内に設定されている判定値THとの比較がステップS18で行われ、変動量ΔNEが判定値THを越えている場合には、ステップS4に進んで失火発生と判定され、一方、変動量ΔNEが判定値TH以下である場合には、ステップS5で今回の失火判定がリセットされる。
【0040】
なお、センサ補正値dsとして、NEロータ7の同一の歯8によって第1及び第2のクランク角センサA1及びA2から得られる所定のクランク回転角度120度CAの所要時間T1及びT2の比T2/T1を用いることもできる。
【0041】
また、センサ補正値dsをなまし処理して使用することもできる。同一の歯8に対する所要時間T1及びT2が得られる毎にセンサ補正値ds[i](i=0〜5)を算出し、
センサ補正値ds[0]=前回ds[0]+{(b’−a)−前回ds[0]}/4
センサ補正値ds[1]=前回ds[1]+{(c’−b)−前回ds[1]}/4
センサ補正値ds[2]=前回ds[2]+{(d’−c)−前回ds[2]}/4
として1/4なまし処理によりセンサ補正値dsの精度を向上させる。このようなセンサ補正値dsを用いて変動量ΔNEを補正すれば、さらに高精度の失火検出が可能となる。
なお、1/4なましに限らず、例えば1/8なまし、1/16なまし等の処理を行ってもよい。
【0042】
上記の各実施の形態においては、所定のクランク回転角度120度CAの所要時間に基づいて失火の検出を行ったが、これに限るものではなく、例えば90度CAや180度CA等の他のクランク回転角度θの所要時間に基づく方法を採ることもできる。この場合、第1及び第2のクランク角センサA1及びA2は、互いにNEロータ7の歯幅の公差を吸収し得る角度αだけθより大きな角度を隔てて配置することが望ましい。
さらに、第1及び第2のクランク角センサA1及びA2の配置位置は、必ずしも失火検出のための所定のクランク回転角度θ程度だけ隔てて配置しなくてもよく、例えば、所定のクランク回転角度θが120度CAの場合に、第1及び第2のクランク角センサA1及びA2を60度CAの間隔をあけて配置することもできる。
また、この発明は、V型6気筒のエンジン1に限られるものではなく、各種の多気筒内燃機関に幅広く適用することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、互いに異なる角度位置に配置された第1及び第2の二つのクランク角センサによりそれぞれ所定のクランク回転角度の所要時間を検出し、これらの所要時間に基づいてクランクシャフトの気筒間の回転変動を表す変動量を算出するようにしたので、対向気筒の失火を常時正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る失火検出装置が適用される多気筒内燃機関の全体構成を示す図である。
【図2】実施の形態1におけるNEロータと第1及び第2のクランク角センサとの位置関係を示す図である。
【図3】実施の形態1の動作を示すフローチャートである。
【図4】第1及び第2のクランク角センサから得られた120度CA所要時間を示し、(a)は無失火時、(b)は対向気筒の失火発生時を表すグラフである。
【図5】実施の形態2の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態3の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態4の動作を示すフローチャートである。
【図8】従来の失火検出方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン、2 点火コイル、3 吸気管、4 エアフローメータ、5 ECU、6 クランクシャフト、7 NEロータ、8 歯、A1 第1のクランク角センサ、A2 第2のクランク角センサ。

Claims (8)

  1. 多気筒内燃機関のクランクシャフトの回転方向に対して互いに異なる角度位置に配置されると共にそれぞれ前記クランクシャフトに設けられた複数の被検知部を検知することにより各気筒に対応する所定のクランク回転角度の所要時間を検出する第1及び第2のクランク角センサと、
    前記第1及び第2のクランク角センサからの検出値に基づいてクランクシャフトの気筒間の回転変動を表す変動量を算出する変動量算出手段と、
    前記変動量算出手段で算出された変動量に基づいて失火の発生を判定する失火判定手段と
    を備えたことを特徴とする多気筒内燃機関の失火検出装置。
  2. 前記変動量算出手段は、前記NEロータの同一の歯によって前記第1及び第2のクランク角センサから得られた所定のクランク回転角度の所要時間の差分に基づいて変動量を算出し、
    前記失火判定手段は、前記変動量算出手段で算出された変動量が所定の判定値を越えたときに失火が発生したと判定する請求項1に記載の多気筒内燃機関の失火検出装置。
  3. 前記変動量算出手段は、同一タイミングで前記第1及び第2のクランク角センサから得られた所定のクランク回転角度の所要時間に基づいて変動量をそれぞれ算出し、
    前記失火判定手段は、前記変動量算出手段で得られた二つの変動量がそれぞれ対応する所定の判定値を共に越えたときに失火が発生したと判定する請求項1に記載の多気筒内燃機関の失火検出装置。
  4. 前記変動量算出手段は、同一タイミングで前記第1及び第2のクランク角センサから得られた所定のクランク回転角度の所要時間の差分に基づいて前記NEロータの歯幅の公差に関する歯幅補正値を算出すると共にこの歯幅補正値により補正された変動量を算出し、
    前記失火判定手段は、前記変動量算出手段で歯幅補正値により補正された変動量が所定の判定値を越えたときに失火が発生したと判定する請求項1に記載の多気筒内燃機関の失火検出装置。
  5. 前記変動量算出手段は、前記歯幅補正値をなまし処理することにより得られた値を新たな歯幅補正値として変動量を算出する請求項4に記載の多気筒内燃機関の失火検出装置。
  6. 前記変動量算出手段は、前記失火判定手段が無失火と判定したときの前記NEロータの同一の歯によって前記第1及び第2のクランク角センサから得られた所定のクランク回転角度の所要時間に基づいて二つのセンサのバラツキに関するセンサ補正値を算出し、このセンサ補正値により変動量を補正する請求項1〜5のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関の失火検出装置。
  7. 前記変動量算出手段は、前記センサ補正値をなまし処理することにより得られた値を新たなセンサ補正値として変動量を補正する請求項6に記載の多気筒内燃機関の失火検出装置。
  8. 前記第1及び第2のクランク角センサは、互いに前記所定のクランク回転角度より大きな角度間隔を有して前記クランクシャフトの外周部近傍に配置されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の多気筒内燃機関の失火検出装置。
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