JP6889542B2 - 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法 - Google Patents

内燃機関の失火判定装置および失火判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の失火を判定する装置および方法に関する。
本書では、「圧縮上死点(compression top dead center)」を「TDC」と略称する場合がある。「TDCよりも前(before TDC)」を「BTDC」と略称し、「TDCよりも後(after TDC)」を「ATDC」と略称する場合がある。TDCを基準にしてθ°だけ進角されたクランク角度位置を「θ°BTDC」と略称し、TDCを基準にしてθ°だけ遅角されたクランク角度位置を「θ°ATDC」と略称する場合がある。
「判定対象気筒」は、失火有無の判定の対象とされた気筒である。「前回点火気筒」は、判定対象気筒の1つ前に点火が行われた気筒であり、「次回点火気筒」は、判定対象気筒の次に点火が行われる気筒である。単気筒エンジンの場合、判定対象気筒も前回点火気筒も次回点火気筒も同じ1つの気筒である。多気筒エンジンの場合、判定対象気筒は前回点火気筒と異なる気筒であり、また、判定対象気筒は次回点火気筒と異なる気筒である。
動力源としてエンジンを搭載した車両のなかには、失火の有無を判定する失火判定装置を備えたものがある。特許文献1の装置は、各気筒に設定された失火判定区間におけるクランク角速度を順次演算していき、クランク角速度の今回値を前回値と比較する。今回値は、判定対象気筒の失火判定区間におけるクランク角速度であり、前回値は、前回点火気筒の失火判定区間におけるクランク角速度である。今回値と前回値との差が失火判定値を超えると、判定対象気筒で失火が生じたと判定する。
エンジン低回転域では、失火判定区間が、判定対象気筒のTDCを基準として145°ATDC〜235°ATDCの角度幅に設定され、当該角度幅におけるクランク角速度が、前述の今回値として用いられる。
なお、前回値は、前回点火気筒のTDCを基準として145°ATDC〜235°ATDCの角度幅である。特許文献1では4気筒等間隔爆発エンジンへの適用が想定されているので、前回点火気筒のTDCを基準とする145°ATDC〜235°ATDCの角度幅は、判定対象気筒のTDCを基準とする35°BTDC〜55°ATDCの角度幅と一致する。
特開平9−112334号公報
235°ATDCは、次回点火気筒のTDCを基準とする55°ATDCと一致し、次回点火気筒のTDCからは相当遅角されている。次回点火気筒で正常燃焼が行われた場合、235°ATDCでは、次回点火気筒での燃焼ガスによるピストン押下げに起因して、クランク軸が加速過程にある可能性がある。失火有無判定用のパラメータが、判定対象気筒とは別の気筒の燃焼状態の影響を受けるので、判定精度の低下を招く。
本発明は、失火判定精度の改善を目的としている。
本発明の一形態に係る内燃機関の失火判定装置は、判定対象気筒の圧縮上死点である第1圧縮上死点の付近と、前記判定対象気筒の次に点火が行われる次回点火気筒の圧縮上死点である第2圧縮上死点の付近との間に設定される2つのクランク角度位置それぞれに対応した2つのクランク角速度を取得する角速度取得部と、前記2つのクランク角速度の偏差が所定の失火判定閾値以上であれば、前記判定対象気筒で失火が生じたと判定する失火判定部と、を有する。
前記構成によれば、判定対象気筒での失火有無を判定するために2つのクランク角速度の偏差を利用するに際し、これら2つのクランク角速度の取得点が、判定対象気筒のTDC付近と次回点火気筒のTDC付近との間に設定されている。よって、失火有無を判定するためのパラメータ(例えば、クランク角速度)に、判定対象気筒とは別の気筒の燃焼状態の影響が及ぶことを抑制できる。逆にいえば、失火有無を判定するパラメータには、判定対象気筒での燃焼状態がより強く反映される。したがって、失火対象気筒で失火が生じたか否かの判定精度が改善される。
エンジン回転数が低回転領域にあるか否かを判定する領域判定部を更に備え、前記領域判定部によってエンジン回転数が前記低回転領域にあると判定されると、前記角速度取得部は、第1クランク角度幅におけるクランク角変化率を、前記クランク角速度として取得し、前記失火判定部は、当該2つのクランク角速度の偏差が予め定める低回転失火判定閾値以上であれば、前記判定対象気筒で失火が生じたと判定し、前記領域判定部によってエンジン回転数が前記低回転領域にないと判定されると、前記角速度取得部は、前記第1クランク角度幅よりも長い第2クランク角度幅におけるクランク角変化率を、前記クランク角速度として取得し、前記失火判定部は、当該2つのクランク角速度の偏差が予め定める高回転失火判定閾値以上であれば、前記判定対象気筒で失火が生じたと判定してもよい。
前記角速度取得部は、前記第1圧縮上死点以降に得られる情報に基づいて、前記クランク角速度を取得してもよい。
前記2つのクランク角度位置のうち遅角側である第2クランク角度位置は、前記第2圧縮上死点の付近に設定されてもよい。
前記2つのクランク角度位置のうち遅角側である第2クランク角度位置は、前記第1圧縮上死点と前記第2圧縮上死点との間の範囲において、前記判定対象気筒で正常燃焼が行われた場合にクランク角速度が最大化されるクランク角度位置の付近に設定されてもよい。
前記2つのクランク角度位置のうち進角側である第1クランク角度位置は、前記第1圧縮上死点の付近に設定されてもよい。
前記クランク角速度は、取得可能な最小のクランク角度幅を経過するまでの前記クランク角度位置の時間変化として求められてもよい。
本発明の一形態に係る内燃機関の失火判定方法は、判定対象気筒の圧縮上死点である第1圧縮上死点の付近と、前記判定対象気筒の次に点火が行われる次回点火気筒の圧縮上死点である第2圧縮上死点の付近との間に設定される2つのクランク角度位置それぞれに対応した2つのクランク角速度を取得する角速度取得工程と、前記角速度取得工程で取得された前記2つのクランク角速度の偏差が所定の失火判定閾値以上であれば、前記判定対象気筒で失火が生じたと判定する失火判定工程と、を備える。
本発明によれば、失火判定精度を改善できる。
第1実施形態に係るエンジンの構成を示す概念図である。 クランク角度位置と行程との関係を表すグラフである。 クランク角センサの構成図である。 第1実施形態に係る失火判定装置の構成を示す概念図である。 判定領域および低回転領域を示すグラフである。 失火判定原理の概念図である。 アイドル回転域におけるクランク角速度の時刻歴を示すグラフである。太線が失火を示し、細線が正常燃焼を示す。 アイドル回転域における第1TDC以降の角速度偏差の時刻歴を示すグラフである。太線が失火を示し、細線が正常燃焼を示す。 第1実施形態に係る失火判定装置によって実行される失火判定方法を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る低回転時第1クランク角度位置および低回転時第2クランク角度位置を示すグラフである。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
(第1実施形態)
[エンジン]
図1を参照して、内燃機関1(以下、「エンジン1」という)は1以上の気筒2を有する。図1は気筒2を1つのみ示すが、多気筒エンジンの場合、不図示の残余気筒も図示のものと同様に構成される。エンジン1は、気筒2内に往復動可能に挿入されるピストン3を有する。ピストン3は、コネクティングロッド4を介してクランク軸5と連結されている。
エンジン1には、クランク軸5の慣性モーメントを増やすフライホイール6が設けられている。エンジン1には、クランク角度位置(クランク軸5の回転位置)を検出するクランク角センサ7が設けられている。フライホイール6およびクランク角センサ7は、図示のとおりクランク軸5に設けられていてもよい。フライホイール6は、クランク軸5と連結されたクラッチまたは発電機に内蔵されていてもよい。クランク角センサ7は、クランク軸5によって回転駆動される他の回転部材(例えば、動弁用カム軸)に設けられていてもよい。
一例として、燃焼室8は、ピストン3の上方に形成されている。燃焼室8は、吸気弁10を介して吸気通路9と連通し、排気弁12を介して排気通路11と連通している。吸気通路9には、吸気量を調整するためのスロットル弁が設けられる。
エンジン1には、インジェクタ13および点火プラグ14が設けられている。インジェクタ13は、吸気通路9または燃焼室8に燃料を噴射する。点火プラグ14は、燃焼室8内で火花を発生して、燃焼室8内の混合気を点火燃焼させる。インジェクタ13および点火プラグ14は、電子制御ユニット20(以下、「ECU20」という)によって制御される。ECU20は、エンジン回転数やスロットル開度といった運転状態に応じて、燃料噴射量および点火時期を設定する。インジェクタ13の開弁期間および点火プラグ14の動作タイミングは、設定された燃料噴射量および点火時期に従って制御される。
エンジン1は、車両に搭載され、車輪を回転駆動するための動力を発生する動力源としての役割を果たす。エンジン1の排気系には、排ガス浄化のための三元触媒が設けられる。しかし、エンジン1での失火が看過され続けると、未燃ガスで三元触媒が過熱され、三元触媒の浄化能力が低下していく。このような事態を未然防止すべく、車両は、エンジン1で失火が生じているか否かを判定する失火判定装置30を搭載している。本実施形態では、失火判定装置30が、車両に搭載されたECU20で実現される。
図2は、クランク角度位置と行程の関係を表すグラフである。エンジン1は、一例として4気筒エンジンであり、A気筒5A、B気筒5B、C気筒5CおよびD気筒5Dを有する。
エンジン1は、一例として4ストロークエンジンである。クランク軸5が720度回転する間に、各気筒5において、混合気を取り込んで圧縮して燃焼し、燃焼ガスを排出するという一連の動作、いわゆる「1エンジンサイクル」が完了する。「1エンジンサイクル」は、吸気、圧縮、燃焼および排気の4行程からなり、各行程の開始から終了までの間にクランク軸5は180度回転する。
単なる説明の便宜上、A気筒5Aが排気上死点にあるときのクランク角度位置を0度とする。クランク角度位置が180度のときA気筒5Aは圧縮下死点にあり、クランク角度位置が360度のときA気筒5Aは圧縮上死点にあり、クランク角度位置が540度のときA気筒5Aは排気下死点にある。
エンジン1は、一例として、いわゆる「等間隔爆発エンジン」である。4気筒5A−DのTDCが、180度間隔で設定されている。クランク角度位置が0度のとき、B気筒5Bは排気下死点、C気筒5Cは圧縮上死点、D気筒5Dは圧縮下死点にある。クランク軸5が180度回転するたび、A、B、C、D、A、B……の順で点火が行われる。
エンジン1は、一例として、バルブオーバーラップを採用している。その場合、各気筒5で、吸気弁10の開弁時期が排気弁12の閉弁時期よりも早く、排気上死点付近に吸排気弁10,12が両方開弁する期間(図2中のクロスハッチ域VOLを参照)が存在する。これにより、内部EGR(排気再循環)が促進され、排ガス浄化や燃費向上が図られる。なお、エンジン1は、可変バルブタイミングを採用していてもよい。
[クランク角センサ]
図2の横軸に付された目盛は、クランク角センサ7(図1および3参照)によって検出されるクランク角度位置の一例を表している。本実施形態では、クランク角センサ7が、クランク角度位置を連続量ではなく離散量として検出する。隣接する2目盛によって定義されるクランク角度幅は、失火判定装置30が取得可能な最小の角度幅、すなわち、クランク角センサ7の検出分解能φrを表す。検出分解能φrは、連続する2TDC間のクランク角度幅(本例は180度)の約数に設定されてもよい。本実施形態では、検出分解能φrが15度であり、クランク角センサ7は、各気筒5のTDC付近で、10°BTDCおよび5°ATDCを検出する。ただし、検出分解能φrは15度に限られない。
なお、本実施形態では、エンジン1が4気筒4ストローク等間隔爆発エンジンであるので、A気筒5AのTDCを基準とする「170°ATDC」は、A気筒5Aの次に点火が行われるB気筒5BのTDCを基準とする「10°BTDC」に相当する。A気筒5AのTDCを基準とする「185°ATDC」は、B気筒5BのTDCを基準とする「5°ATDC」に相当する。
図3に示すように、クランク角センサ7は、クランク軸5上に取り付けられたロータ15とクランク軸5の径方向に対向している。ロータ15は軸方向に見て歯車状に形成されている。ロータ15は、その外縁部に、検出分解能φrに相当するクランク角度幅をおいて周方向に等間隔に並んだ複数の歯15aを有する。ただし、複数の歯15aは全周に亘って設けられておらず、ロータ15の一部区域に歯15aのない欠け歯部15bが設けられている。クランク軸5が回転している間、クランク角センサ7は、歯15aの端面(歯先面)と対向するとクランク角信号を出力し、隣接2歯15a,15a間の凹面(歯元面)と対向するとクランク角信号の出力を停止する。クランク角センサ7は、クランク軸5が検出分解能φrに相当する所定クランク角度幅だけ回転するたび、パルス状にクランク角信号を出力する。なお、欠け歯部15bの存在により、ECU20は、クランク軸5の基準角度を把握でき、また、クランク軸5が基準角度からどれだけ回転したのかを把握できる。
[Ne演算、点火時期設定]
図4に示すように、クランク角センサ7からのクランク角信号は、ECU20あるいは失火判定装置30に出力される。ECU20は、エンジン回転数演算部21および点火時期設定部22を有する。
エンジン回転数演算部21は、クランク角センサ7から出力されたクランク角信号に基づいてエンジン回転数[rpm]を求める。エンジン回転数演算部21は、エンジン回転数を演算するために予め定められたクランク角度幅(例えば、360度)を、クランク軸5が当該クランク角度幅だけ回転するのに要した時間(ECU20の内部クロックによって計測可能)で除算することで、エンジン回転数の数値を取得する。エンジン回転数取得のための演算は、予め定められた周期(例えば、5ms)おきに行われる。
点火時期設定部22は、エンジン回転数演算部21で求められたエンジン回転数、およびその他の運転状態(例えば、スロットル開度)に基づいて、点火時期を設定する。点火時期は、TDCと必ずしも一致しないが、TDC付近のクランク角度位置に設定される。なお、点火時期は、エンジン回転数およびその他の運転状態に応じて変化する。
[失火判定装置]
失火判定装置30は、領域判定部31、角速度取得部32、および失火判定部33を備える。失火有無の判定は、判定対象気筒を順繰りに変えながら、4気筒5A−Dのいずれに対しても実行される。
角速度取得部32は、判定対象気筒のTDCである第1TDC付近と、次回点火気筒のTDCである第2TDC付近との間に設定される2つのクランク角度位置φ1,φ2それぞれに対応した2つのクランク角速度ω1,ω2を取得する。例えば、A気筒5Aが判定対象気筒であれば、B気筒5Bが次回点火気筒であり、2つのクランク角度位置φ1,φ2はA気筒5AのTDC付近とB気筒5BのTDC付近との間に設定される。B気筒5Bが判定対象気筒であれば、C気筒5Cが次回点火気筒である。
別の言い方では、角速度取得部32は、判定対象気筒の点火時期である第1点火時期と、次回点火気筒の点火時期である第2点火時期との間に設定される2つのクランク角度位置φ1,φ2それぞれに対応した2つのクランク角速度ω1,ω2を取得する。
以下、2つのクランク角度位置φ1,φ2のうち進角側を「第1クランク角度位置φ1」といい、遅角側を「第2クランク角度位置φ2」という。第1クランク角度位置φ1に対応する角速度を「第1クランク角速度ω1」といい、第2クランク角度位置φ2に対応する角速度を「第2クランク角速度ω2」という。
失火判定部33は、角速度取得部32によって取得された2つのクランク角速度ω1,ω2の偏差Δωを所定の失火判定閾値THと比較する。失火判定部33は、この比較結果に基づいて、判定対象気筒で失火が生じたか否かを判定する。後に説明するとおり、判定対象気筒で失火が生じれば、第2クランク角速度ω2が第1クランク角速度ω1に比して小さくなる。
一例として、2つのクランク角速度ω1,ω2の偏差Δωは、第1クランク角速度ω1から第2クランク角速度ω2を減算した値として求められる(Δω=ω1−ω2)。この場合、失火が生じると偏差Δωは正値をとる。これに付随して、失火判定閾値THも正値に設定され、失火判定部33は、正値の偏差Δωが正値の失火判定閾値TH以上であれば、判定対象気筒で失火が生じたと判定する。失火判定閾値THは、実験によって失火状態を再現することによって事前に(失火判定装置30の設計段階で)得ることができ、失火判定装置30に予め設定される。
領域判定部31は、エンジン1の運転状態が判定領域A1(図5を参照)内に属するか否かを判定する。エンジン1の運転状態が判定領域A1内にあれば、失火有無の判定を行うべく、角速度取得部32および失火判定部33が上記および下記のとおり作動する。
図5に示すように、判定領域A1は、一例として、エンジン回転数および負荷によって定義され、エンジン回転数を横軸にとり負荷を縦軸にとった座標系において平面で表現される。
一例として、判定領域A1は、上記座標系内で右肩上がりに延びる線LAによって画定され、当該線LAよりも上方に形成されている。線LAの全部または一部が、いわゆるポジティブトルクライン(エンジン1と駆動輪との間に介在する変速機がニュートラルの状態におけるエンジン回転数と負荷との対応を表す曲線)であってもよい。
判定領域A1は、エンジン回転数が所定回転数NL以下の低回転領域A2(図5のクロスハッチ領域)と、それ以外の領域A3、少なくともこれら2つの領域A2,A3に細分されている。領域判定部31は、エンジン回転数演算部21によって求められたエンジン回転数が低回転領域A2にあるか否かを判定する。低回転領域A2は、所定負荷LL以下の低負荷域を兼ねてもよい。本例に係る領域A2は、低回転かつ低負荷の領域である。
失火判定装置30は、領域判定部31による領域判定処理のため、エンジン1の負荷、またはこれと相関するパラメータを検出するセンサと接続される。負荷は、吸気通路9を構成する吸気管の内圧(負圧)で代替可能であるので、このようなセンサの一好適例として、吸気管の内圧を検出する吸気圧センサ16(図1を参照)を挙げることができる。
図6は、失火判定装置30における失火判定の基本原理を示す概念図である。図6の細線は、正常燃焼が行われた場合のクランク角速度の時刻歴を概念的に示す。正常燃焼が継続している場合、或る一つ気筒のTDC付近からクランク角速度は上昇していき、その後に下降していく。次の気筒のTDC付近以降、クランク角速度は同じように推移する。
図6の太線は、失火が生じた場合のクランク角速度の時刻歴を概念的に示す。失火が生じると、失火を生じた気筒のTDC付近以降、クランク角速度は下降していく。次の気筒で正常燃焼が行われれば、下降されたクランク角速度が再び上昇し始める。エンジン1の低回転域でも高回転域でも、このような傾向が現れる。
そのため、本実施形態の失火判定装置30は、或る気筒のTDC付近と、その次に点火が行われる気筒のTDC付近との間で取得された2つのクランク角速度の偏差を求め、その偏差が閾値を超えるときに失火が生じているものと捉える。しかし、図7からわかるとおり、低回転域では閾値を適切に設定することが難しい。
図7は、本件発明者によって得られた実験データであって、エンジン1が低回転領域A2の一例としてのアイドル回転域にあるときのクランク角速度の時刻歴の実験データを示す。細線は正常燃焼時を示し、太線は失火時を示す。
低回転領域A2では、クランク角速度が大きくバラつきやすい。特に、車両が自動二輪車のような鞍乗型車両であると、バラつきは顕著である。鞍乗型車両のように小型軽量の車両では、アクセルレスポンスが重要視され、フライホイール6(図1を参照)が軽量である。すなわち、小型軽量の車両に搭載される駆動系は、クランク軸5の慣性モーメントが小さくなるように、あるいは、小さなトルクでクランク軸5の角加速度ひいては角速度を変えることができるように、チューニングされる。
エンジン1がバルブオーバーラップを採用している場合、低回転領域A2(特に、そのうちの低負荷域)では、内部EGRの効果がエンジン出力トルクに及ぼす影響が大きくなる一方で、内部EGRの効果としてのトルク上昇幅には行程毎のバラつきがある。よって、低回転領域A2では、正常燃焼が継続していても、内部EGRの影響により、(小トルクでクランク角速度が変わりやすいという事情も相俟って、)クランク角速度のバラつきが大きい。
自動二輪車のような小型軽量の車両では、ポジティブトルクラインが低負荷で推移するので、加速に必要なトルクが小さくて済む。低回転領域A2では、ポジティブトルクラインが特に低い負荷域で推移する。そのため、低回転領域A2、特にそのうちの低負荷域では、混合気が正常に燃焼してクランク軸5にトルクを与えることができた燃焼行程と、失火が生じてクランク軸5にトルクを与えることができなかった燃焼行程との間で、クランク角加速度ひいてはエンジン回転数に大きな差が現れにくい。
このように、正常燃焼時でさえもエンジン回転数が安定しない点、正常燃焼時と失火時とでエンジン回転数に顕著な差が出ない点に照らして、低回転領域A2、特にそのうちの低負荷域では、失火有無の判定が更に困難となる。そのため、正常燃焼と失火とを峻別するための閾値の適切な設定が困難である。
図7を参照して更に具体的に説明すると、例えば5°ATDC直後のクランク角度位置では、正常燃焼時のクランク角速度(最小値をとる線12を参照)が、失火時のクランク角速度(最大値をとる線20を参照)よりも小さくなることがある。5°ATDC直前のクランク角度位置でも、正常燃焼時のクランク角速度(最小値をとる線12を参照)が、失火時のクランク角速度(最大値をとる線20を参照)に対してさほど大きくならないことがある。このため、正常燃焼と失火とを峻別する閾値を適切に設定することが難しく、誤判定を招きやすい。
一方、失火時の時刻歴を示す複数の細線は、失火を生じた気筒のTDCから次に点火が行われる気筒のTDCとの間で、座標系の縦軸方向に略平行である。すなわち、失火を生じた気筒のTDCにおけるクランク角速度が違っていても、それ以降の時間経過に対するクランク角速度の変化の傾向は略同じである。
そこで図8に示すように、或る気筒で失火が生じた場合、失火を生じた気筒のTDCにおけるクランク角速度からのクランク角速度の変化量(角速度偏差)は、失火を生じた気筒のTDCにおけるクランク角速度の大きさに関わらず、それ以降は略同様に推移する。つまり、時間を横軸にとり角速度偏差を縦軸にとった座標系において、角速度偏差の時刻歴を表す線図は、失火を生じた気筒のTDCにおけるクランク角速度の大きさに関わらず、略重なるように推移し、高い同一性を示す。
正常燃焼時の角速度偏差の時刻歴を表す線図は、上記のとおり内部EGRの影響によるバラつきのため、失火時と比べて同一性が低い。しかし、正常燃焼時の角速度偏差は、失火時の角速度偏差よりも比較的高い値を示し、特に、失火が生じた気筒の次に点火が行われる気筒のTDCの付近では、正常燃焼時の角速度偏差が失火時の角速度偏差を下回ることがない。
ここで、図7の縦軸に表された「クランク角速度」は、「瞬時角速度」である。本実施形態において、「瞬時角速度」は、クランク角センサ7の検出分解能φrに相当するクランク角度幅(一例として、図3に示す15度)を、当該クランク角度幅だけクランク軸5が回転するのに要した時間で除算することによって得られた、クランク軸5の角速度である。図8の縦軸に表された「角速度偏差」も、瞬時角速度の変化量である。
[低回転/高回転角速度取得部、低回転/高回転失火判定部]
図4に戻り、上記見地を下に、角速度取得部32は、低回転角速度取得部32aおよび高回転角速度取得部32bを含む。失火判定部33は、低回転失火判定部33aおよび高回転失火判定部33bを含む。
領域判定部31により運転状態が低回転領域A2に属すると判定されると、低回転角速度取得部32aが、2つのクランク角速度を取得する。そして、低回転失火判定部33aが、低回転角速度取得部32aによって取得された2つのクランク角速度に基づいて、判定対象気筒での失火の有無を判定する。
領域判定部31により運転状態が判定領域A1内であって低回転領域A2にない、すなわち領域A3に属していると判定されると、高回転角速度取得部32bによって取得されたクランク角速度に基づいて、判定対象気筒での失火の有無を判定する。
低回転角速度取得部32aは、2つのクランク角度位置φ1L,φ2Lそれぞれにおいて、第1クランク角度幅ΔφLにおける時間変化率を、「クランク角速度ω1L,ω2L」として取得する。ここで、低回転角速度取得部32aと対応する2つのクランク角度位置(クランク角速度を取得する2点)を「低回転時第1クランク角度位置φ1L」および「低回転時第2クランク角度位置φ2L」という。低回転時第2クランク角度位置φ2Lは、低回転時第1クランク角度位置φ1Lよりも遅角側である。低回転時第1クランク角度位置φ1Lと対応するクランク角速度を「低回転時第1クランク角速度ω1L」といい、低回転時第2クランク角度位置φ2Lと対応するクランク角速度を「低回転時第2クランク角速度ω2L」という。
高回転角速度取得部32bは、2つのクランク角度位置φ1H,φ2Hそれぞれにて、第2クランク角度幅ΔφHにおけるクランク角度位置の時間変化率を、「クランク角速度ω1H,ω2H」として取得する。ここで、高回転角速度取得部32bと対応する2つのクランク角度位置(クランク角速度を取得する2点)を、「高回転時第1クランク角度位置φ1H」および「高回転時第2クランク角度位置φ2H」という。高回転時第2クランク角度位置φ2Hは、高回転時第1クランク角度位置φ1Hよりも遅角側である。高回転時第1クランク角度位置φ1Hと対応するクランク角速度を「高回転時第1クランク角速度ω1H」といい、高回転時第2クランク角度位置φ2Hと対応するクランク角速度を「高回転時第2クランク角速度ω2H」という。
ここで、「或るクランク角度位置φにて或るクランク角度幅Δφにおける時間変化率を求める」という場合、クランク角度幅Δφの終点が当該クランク角度位置φに設定され、クランク角度幅Δφの始点が当該クランク角度位置φから当該クランク角度幅Δφだけ進角されたクランク角度位置に設定される。例えば、10°ATDCにて30度のクランク角度幅における時間変化率を求める場合には、20°BTDCが当該クランク角度幅の始点に設定され、10°ATDCが当該クランク角度幅の終点に設定され、30度が20°BTDCから10°ATDCになるまでに要した時間で除算される。
このため、第1クランク角速度ω1の演算に利用されるクランク角度幅ΔωLの終点は、第1TDC付近と第2TDC付近との間に設定される一方で、当該クランク角度幅ΔωLの始点は、第1TDC付近と第2TDC付近との間に設定されることもあれば、当該角度範囲を逸脱して第1TDCから進角側に離隔されたクランク角度位置に設定されることもある。第2クランク角度位置φ2は、第1クランク角度位置φ1よりも遅角側である。よって、第2クランク角速度ω2の導出に利用されるクランク角度幅ΔωHの始点は、第1TDC付近と第2TDC付近との間に設定される。
[クランク角度幅ΔφL,ΔφH]
第1クランク角度幅ΔφLは、第2クランク角度幅ΔφHよりも短い。一例として、第1クランク角度幅ΔφLは、クランク角センサ7の検出分解能φrに相当するクランク角度幅に設定される。換言すれば、第1クランク角度幅Δφ1は、クランク角センサ7のロータ1歯分に相当するクランク角度幅に設定される。この場合、低回転角速度取得部32aは、2つのクランク角度位置φ1L,φ2Lそれぞれにおいて、「瞬時角速度」を取得することになる。一例として、第2クランク角度幅ΔφHは、90度(ロータ15の6歯分に相当するクランク角度幅)に設定される。
[低回転時のクランク角度位置φ1L,φ2L]
本実施例では、低回転時第1クランク角度位置φ1Lは、第1TDCの付近に設定される。低回転時第2クランク角度位置φ2Lは、第2TDCの付近に設定される。
2つのクランク角度位置φ1L,φ2Lは、次回点火気筒での燃焼がクランク角速度に影響を及ぼす時期よりも前のクランク角度位置に設定される。「燃焼がクランク角速度に影響を及ぼす」とは、混合気の点火燃焼により生成された燃焼ガス圧がピストンの押下げに寄与し、それによりクランク軸5にトルクを与えることをいう。このトルク付与により、クランク軸5の回転は加速される。燃焼ガスがピストンの押下げに寄与し始める時期は、点火時期に応じて変わるが、次回点火気筒のTDCを基準として概ね10°ATDC(判定対象気筒のTDCを基準として190°ATDC)である。「第2TDCの付近」とは、次回点火気筒で正常燃焼が行われたとしてもその燃焼がクランク角速度に影響を及ぼし始める前に想定される角度幅である。10°ATDCは、「第2TDCの付近」の遅角側限界の一好適例である。上記事情を考慮して、低回転時第2クランク角度位置φ2Lは、次回点火気筒のTDCを基準として10°ATDCよりも前のクランク角度位置に設定されることができ、好ましくは5°ATDCまたはそれ以前のクランク角度位置に設定される。
「第2TDCの付近」の進角側限界に特に制限はない。ただし、燃焼がクランク角速度に影響を及ぼすのは点火時期以降であり、点火プラグ14が火花を発生するよう動作してからクランク角速度に影響が及ぶまでには時間差がある。この点考慮して、「第2TDCの付近」の進角側限界は、次回点火気筒の点火時期よりも後のクランク角度幅として定義されることもできる。
低回転時第1クランク角度位置φ1Lは、クランク角センサ7によって検出可能なクランク角度位置のうち、TDCまたはその直後のクランク角度位置に設定されている。本実施形態では、低回転時第1クランク角度位置φ1Lは5°ATDCである。本実施形態では、低回転時第2クランク角度位置φ2Lが、判定対象気筒のTDCを基準とする185°ATDCである。
[非低回転時のクランク角度位置φ1H,φ2H]
本実施例では、高回転時第1クランク角度位置φ1Hは、低回転時第1クランク角度位置φ1Lと異なる位置に設定されている。例えば、低回転時第1クランク角度位置φ1Lよりも前に高回転時クランク角度位置φ1Hは設定される。高回転時第2クランク角度位置φ2Hは、なるべく第2TDCの付近のクランク角度位置に設定されている。本実施形態では、高回転時第2クランク角度位置φ2Hは、単なる一例として、170°ATDCである。第2クランク角度幅ΔφHは、第1クランク角度幅Δφ1Lよりも大きければよく、一例として90°、180°、360°などに設定される。
[失火判定閾値THL,THH]
低回転失火判定部33aは、2つのクランク角速度ω1L,ω2Lの偏差ΔωLを求め、その偏差ΔωLを低回転失火判定閾値THLと比較する。一例として、偏差ΔωLは、低回転時第1クランク角速度ω1Lから低回転時第2クランク角速度ω2Lを減算することによって得られ、閾値THLは正値に設定されている。
低回転失火判定部33aは、偏差ΔωLが当該閾値THL以上であれば、判定対象気筒で失火が生じたと判定する。高回転失火判定部33bも、2つのクランク角速度ω1H,ω2Hの偏差ΔωHを求め、その偏差ΔωHを高回転失火判定閾値THHと比較する。
一例として、偏差ΔωHは、高回転時第1クランク角速度ω1Hから高回転時第2クランク角速度ω2Hを減算することによって得られ、閾値THHは正値に設定されている。
高回転失火判定部33bは、偏差ΔωHが閾値THH以上であると、判定対象気筒で失火が生じたと判定する。高回転域では、回転数を維持するために必要なトルクが比較的大きくなるので、失火に起因してトルクを発生できなかった場合におけるクランク角速度の低下が、低回転域と比べて顕著になる。このため、高回転失火判定閾値THHは、低回転失火判定閾値THLよりも高値に設定されてもよく、そのように閾値THHを設定しても正常燃焼と失火とを峻別可能となる。
[失火判定方法]
以上の機能ブロック32a,32b,33a,33bの動作および機能について、図9を参照して説明する。図9に示す処理は、エンジン1の運転状態が判定領域A1内にある場合において所定のサンプリング周期(例えば、5ms)おきに繰返し実行される。まず、領域判定部31は、エンジン1の運転状態が低回転領域A2にあるか否かを判定する(S1)。
エンジン1の運転状態が低回転領域A2にあれば(S1:YES)、低回転角速度取得部32aが、低回転時第1クランク角度位置ω1Lにて第1クランク角度幅ΔφLにおけるクランク角速度、すなわち、低回転時第1クランク角速度ω1Lを取得する(S11)。その後、低回転角速度取得部32aが、低回転時第2クランク角度位置ω2Lにて第1クランク角度幅ΔφLにおけるクランク角速度、すなわち、低回転時第2クランク角速度ω2Lを取得する(S12)。低回転時第1クランク角速度ω1Lおよび低回転時第2クランク角速度ω2Lはどちらも、判定対象気筒のTDCである第1TDCの付近と、次回点火気筒のTDCである第2TDCの付近との間に設定されている。
次に、低回転失火判定部33aが、取得された2つのクランク角速度ω1L,ω2Lの偏差ΔωLを取得する(S13)。更に、低回転失火判定部33aは、偏差ΔωLを低回転失火判定閾値THLと比較する(S14)。偏差ΔωLが閾値THL以上であれば(S14:YES)、低回転失火判定部33aは、判定対象気筒で失火が生じたと判定する(S2)。偏差ΔωLが閾値THL未満であれば(S14:NO)、低回転失火判定部33aは、判定対象気筒で正常燃焼が行われたと判定する(S3)。
エンジン1の運転状態が低回転領域A2になければ(S1:NO)、高回転角速度取得部32bが、高回転時第1クランク角度位置ω1Hにて第2クランク角度幅ΔφHにおけるクランク角速度、すなわち、高回転時第1クランク角速度ω1Hを取得する(S21)。その後、高回転角速度取得部32bが、高回転時第2クランク角度位置ω2Hにて第2クランク角度幅ΔφHにおけるクランク角速度、すなわち、高回転時第2クランク角速度ω2Hを取得する(S22)。
次に、高回転失火判定部33bが、取得された2つのクランク角速度ω1H,ω2Hの偏差ΔωHを取得する(S23)。更に、高回転失火判定部33bは、偏差ΔωHを高回転失火判定閾値THHと比較する(S24)。偏差ΔωHが閾値THH以上であれば(S24:YES)、高回転失火判定部33bは、判定対象気筒で失火が生じたと判定する(S2)。偏差ΔωHが閾値THH未満であれば(S24:NO)、高回転失火判定部33bは、判定対象気筒で正常燃焼が行われたと判定する(S3)。
S11,S12,S21,S22は、或るクランク角度位置におけるクランク角速度を取得する角速度取得工程である。S13,S14,S23,S24は、取得されたクランク角速度を閾値と比較し、その比較結果に基づいて判定対象気筒で失火が生じたか否かを判定する失火判定工程である。
[作用]
上記失火判定装置30は、角速度取得部32と失火判定部33とを有する。角速度取得部32は、判定対象気筒のTDCである第1TDCの付近と、判定対象気筒の次に点火が行われる次回点火気筒のTDCの第2TDCの付近との間に設定される2つのクランク角度位置φ1,φ2それぞれに対応した2つのクランク角速度ω1,ω2を取得する。失火判定部33は、取得された2つのクランク角速度ω1,ω2の偏差Δωと所定の失火判定閾値THとの比較結果に基づいて判定対象気筒で失火が生じたか否かを判定する。
前記構成によれば、判定対象気筒での失火有無を判定するために2つのクランク角速度ω1,ω2の偏差Δωを利用するに際し、これら2つのクランク角速度ω1,ω2の取得点が、判定対象気筒のTDC付近と次回点火気筒のTDC付近との間に設定されている。よって、失火有無を判定するためのパラメータ(例えば、クランク角速度)に、判定対象気筒とは別の気筒の燃焼状態の影響が及ぶことを抑制できる。逆にいえば、失火有無を判定するパラメータには、判定対象気筒での燃焼状態がより強く反映される。したがって、失火対象気筒で失火が生じたか否かの判定精度が改善される。
失火判定装置30は、エンジン回転数が低回転領域A2にあるか否かを判定する領域判定部31を更に備え、角速度取得部32が取得部32a,32bを含み、失火判定部33が判定部33a,33bを含む。領域判定部31によってエンジン回転数が低回転領域A2にあると判定されると、低回転角速度取得部32aは、第1クランク角度幅ΔφLにおけるクランク角変化率を、クランク角速度ω1L,ω2Lとして取得する。低回転失火判定部33aは、当該2つのクランク角速度ω1L,ω2Lの偏差ΔωLと、所定の低回転失火判定閾値THLとの比較結果に基づいて、判定対象気筒で失火が生じたか否かを判定する。
一方、領域判定部31によってエンジン回転数が低回転領域A2にないと判定されると、高回転角速度取得部32bは、第1クランク角度幅ΔφLよりも長い第2クランク角度幅ΔφHにおけるクランク角変化率を、クランク角速度ω1H,ω2Hとして取得する。高回転失火判定部33bは、当該2つのクランク角速度ω1H,ω2Hの偏差ΔωHと、所定の高回転失火判定閾値THHとの比較結果に基づいて、判定対象気筒で失火が生じたか否かを判定する。
低回転領域A2では、クランク角速度ω1L,ω2Lの取得演算に用いるクランク角度幅ΔφLが比較的短く設定される。これにより、判定対象気筒のTDC以前のクランク角速度のバラつきの影響を無くすことができ、失火判定精度が向上する。非低回転領域では、低回転域と比べてクランク角速度のバラつきが小さい。そのため、クランク角速度ω1H,ω2Hの取得演算に用いるクランク角度幅ΔφHを長く設定したとしても、判定対象気筒のTDC以前のクランク角速度のバラつきに起因する検出精度の低下を防ぐことができる。また、高回転域では、クランク角度幅ΔφHを長く設定することで、クランク角速度が大きくなったとしても、サンプリング時間や検出精度を過剰とせずに、低回転域と比べてクランク角速度を精度よく演算することができる。このように、低回転域および非低回転域の両方で、それぞれ精度低下に影響を及ぼす支配的な要因への対処がなされ、全域に亘って判定精度が向上する。
判定対象気筒で正常燃焼が行われた場合、その点火燃焼後のクランク角速度は、点火燃焼前のクランク角速度の影響を受ける。第1TDC以前のクランク角速度が高いと、点火燃焼後のクランク角速度も高く、第1TDC以前のクランク角速度が低いと、点火燃焼後のクランク角速度も低い。第1TDCから比較的直前の時期であれば、「第1TDCの付近」として取り扱われ得る。第1TDCの付近は、判定対象気筒の点火時期に設定されてもよいし、20°BTDC以降に設定されてもよい。好ましくは第1TDC付近として10°BTDC付近に設定される。本実施形態では、第1TDC付近に第1クランク角度位置φ1L,φ1Hが設定され、第2TDC付近に第2クランク角度位置φ2L,φ2Hが設定されている(図2を参照)。
判定対象気筒の点火時期を第1点火時期、次回点火気筒の点火時期を第2点火時期という場合、第1クランク角度位置および第2クランク角度位置は、クランク角速度に次回点火気筒における燃焼の影響が及ぶ前のクランク角度位置、より具体的には、第1TDCの付近と第2TDCの付近との間に設定されている。例えば、第2TDCよりも後となる185°ATDCでもよい。慣性エネルギや検出分解能の粗さの影響の他、第2TDCよりも遅れて第2点火時期が設定される場合などによって、次回点火燃焼での燃焼の影響が現れるのが遅れることがある。クランク角速度は、予め定める基準位置からのクランク角度幅を角変位するまでの時間を計測することで演算している。したがって、点火してから点火に起因してクランク角速度が変化するまでに遅れが生じる。この場合には、次回点火気筒での燃焼の影響でクランク角速度に変化が生じる時期は、第2点火時期から所定期間の遅れ時間を加えたクランク角度位置に設定されてもよい。
第1TDCの付近は、判定対象気筒での燃焼がクランク角速度の変化に影響を及ぼす時期(以下、「第1点火影響時期」という)よりも後に設定される。判定対象気筒で正常燃焼が行われた場合、その点火燃焼後のクランク角速度は、その点火燃焼前のクランク角速度に依存して影響を受ける。したがって、第1点火時期以前に第1TDCの付近が設定されてもよい。
第2クランク角度幅は、180°未満に設定されることが好ましい。これにより、判定対象気筒より前で行われた燃焼の影響が判定演算に用いるパラメータに及ぶのを抑制できる。
低回転域では、仮に判定対象気筒で正常燃焼が生じたとすればその燃焼の影響がクランク角速度に生じるであろうクランク角度位置以降に、第1クランク角度位置および第2クランク角度位置が設定される。そのため、少なくとも、低回転域では、第1点火時期以降に得られる情報に基づいて、判定対象気筒の失火の有無が判定される。高回転域では、第1点火時期以前に得られる情報、例えば、仮に判定対象気筒で正常燃焼が生じたとすればその燃焼の影響がクランク角速度に生じるであろうクランク角度位置以前に、第1クランク角度位置が設定される。
低回転域では、瞬時角速度を求めるためのクランク角度幅を最小幅とすることで、第1クランク角度位置と第2クランク角度位置との時間間隔を大きくとることができる。また、最小幅とすることで、第1クランク角度位置を第1TDCに近づけることができる。また、最小幅とすることで第2クランク角度位置を第2TDCに近づけることができる。このように、2つのクランク角度位置の時間を離すことで、更に失火による速度低下の影響を高めることができ、低回転域での失火判定精度を高めることができる。
高回転域では、第1クランク角度位置と、第2クランク角度位置との時間間隔を大きくとるために、クランク角度幅の始点を低回転域に比べて早めて、更にクランク角度幅を大きくしている。このように、2つのクランク角度位置の時間を離すことで、更に失火による速度低下の影響を高めることができ、低速度域での失火判定精度を更に高めることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、低回転時第2クランク角度位置が第2TDCよりも前に設定されている点で、第1実施形態と相違している。以下、この点を中心にして第2実施形態について説明する。
図7を参照して、正常燃焼時には、クランク角速度が、正常燃焼が行われた気筒のTDCと、その次に点火が行われる気筒のTDCとの間の範囲内において、140°ATDC付近で最大化される。図8を参照して、この140°ATDC付近では、失火時における角速度偏差と、正常燃焼時における角速度偏差との間の乖離も最大化される。
図10に示すように、本実施形態では、低回転時第2クランク角度位置φ2Lが、140°ATDC付近に設定されている。換言すれば、低回転時第2クランク角度位置φ2Lは、第1TDCと第2TDCとの間の範囲において、判定対象気筒で正常燃焼が行われた場合にクランク角速度が最大化されるクランク角度位置の付近に設定されている。更に別の言い方では、低回転時第2クランク角度位置φ2Lは、第1TDCと第2TDCとの間の範囲において、判定対象気筒で正常燃焼が行われた場合における第1TDCでのクランク角速度に対する角速度偏差と、判定対象気筒で失火が生じた場合における第1TDCでのクランク角速度に対する角速度偏差との差が最大化されるクランク角度位置の付近に設定されている。
低回転時第2クランク角度位置φ2Lをこのようなクランク角度位置に設定することで、正常燃焼と失火とを峻別する閾値の設定が容易になり、失火判定精度が向上する。
(変形例)
これまで実施形態について説明したが、上記構成は本発明の範囲内で適宜変更、削除または追加可能である。
例えば、上記実施形態では、低回転時に取得されるクランク角速度が「瞬時角速度」であり、この「瞬時角速度」の導出に用いるクランク角度幅は、検出分解能φr(ロータ1歯分の角度幅)に限定されない。低回転時に取得されるクランク角速度の導出に用いるクランク角度幅は、ロータ複数歯分の角度幅であってもよい。この場合にも、低回転時に取得されるクランク角速度の導出に用いるクランク角度幅は、高回転時に取得されるクランク角度幅の導出に用いるクランク角度幅よりも短いことが好ましい。また、複数歯分の角度幅を用いる場合にあっても、低回転時には、クランク角速度の導出に用いるクランク角度幅の始点および終点の両方が、第1TDC付近と第2TDC付近との間に設定されることが好ましい。高回転時には、始点と終点のいずれか一方が、第1TDC付近と第2TDC付近との間の範囲から離れていてもよい。
高回転域では、2つのクランク角速度の偏差に基づいて失火の有無が判定されたが、そのクランク角速度の導出に、低回転域でのクランク角度幅よりも大きな角度幅を用いたクランク角速度に基づいて求めればよく、他の失火判定方法を用いてもよい。例えば、2つのクランク角速度の偏差ではなく、クランク角速度の平均値に対してクランク角速度が所定値以上低下した場合を失火判定してもよい。
2つのクランク角度位置(2つのクランク角速度の取得ポイント)を、第1TDC付近と第2TDC付近との間に設定するとし、設定法を角度位置(ピストン位置)に基づくものとしたが、2つのクランク角度位置は点火時期に基づいて設定されてもよい。点火時期は、エンジン回転数、スロットル開度などでTDCに対して前後する場合がある。前後することを考慮して、2つのクランク角度位置が設定されてもよい。点火時期が前後することを考慮せずに、点火時期が前後したとしても、判定対象気筒の燃焼の影響後で、次回点火気筒の燃焼の影響前となる時期に、2つのクランク角度位置が設定されてもよい。
失火判定装置30が判定対象とするエンジン1は、4気筒エンジンに限らない。例えば、単気筒エンジン、あるいは2気筒や3気筒などの複数気筒エンジンにも適用可能である。また、等間隔爆発エンジンに限らず、不等間隔爆発エンジンにも適用可能であり、気筒の配列は並列型でもV型でもよい。
1 内燃機関
5 気筒
30 失火判定装置
31 領域判定部
32 角速度取得部
32a 低回転角速度取得部
32b 高回転角速度取得部
33 失火判定部
33a 低回転失火判定部
33b 高回転失火判定部
S11,S12,S21,S22 角速度取得工程
S13,S14,S23,S24 失火判定工程
φ1 第1クランク角度位置
φ2 第2クランク角度位置
ΔφL 第1クランク角度幅
ΔφH 第2クランク角度幅
φr 検出分解能
ω1 第1クランク角速度
ω2 第2クランク角速度
Δω (2つのクランク角速度の)偏差
TH 失火判定閾値

Claims (7)

  1. 判定対象気筒の圧縮上死点である第1圧縮上死点の付近と、前記判定対象気筒の次に点火が行われる次回点火気筒の圧縮上死点である第2圧縮上死点の付近との間に設定される2つのクランク角度位置それぞれに対応した2つのクランク角速度を取得する角速度取得部と、
    前記2つのクランク角速度の偏差と、所定の失火判定閾値との比較結果に基づいて、前記判定対象気筒で失火が生じたか否かを判定する失火判定部と、
    エンジン回転数が低回転領域にあるか否かを判定する領域判定部と、を備え、
    前記角速度取得部は、前記領域判定部によってエンジン回転数が前記低回転領域にないと判定されるときの前記クランク角度位置を、前記領域判定部によってエンジン回転数が前記低回転領域にあると判定されるときの前記クランク角度位置よりも進角側に設定する、内燃機関の失火判定装置。
  2. 前記領域判定部によってエンジン回転数が前記低回転領域にあると判定されると、
    前記角速度取得部は、第1クランク角度幅におけるクランク角変化率を、前記クランク角速度として取得し、
    前記失火判定部は、当該2つのクランク角速度の偏差と、所定の低回転失火判定閾値との比較結果に基づいて、前記判定対象気筒で失火が生じたか否かを判定し、
    前記領域判定部によってエンジン回転数が前記低回転領域にないと判定されると、
    前記角速度取得部は、前記第1クランク角度幅よりも長い第2クランク角度幅におけるクランク角変化率を、前記クランク角速度として取得し、
    前記失火判定部は、当該2つのクランク角速度の偏差と、所定の高回転失火判定閾値との比較結果に基づいて、前記判定対象気筒で失火が生じたか否かを判定する、請求項1に記載の内燃機関の失火判定装置。
  3. 前記角速度取得部は、前記領域判定部によってエンジン回転数が前記低回転領域にあると判定されるとき、前記第1圧縮上死点以降に得られる情報に基づいて、前記2つのクランク角速度を取得する、請求項1または2に記載の内燃機関の失火判定装置。
  4. 前記2つのクランク角度位置のうち遅角側である第2クランク角度位置は、前記第2圧縮上死点の付近に設定される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の内燃機関の失火判定装置。
  5. 前記2つのクランク角度位置のうち遅角側である第2クランク角度位置は、前記第1圧縮上死点と前記第2圧縮上死点との間の範囲において、前記判定対象気筒で正常燃焼が行われた場合にクランク角速度が最大化されるクランク角度位置の付近に設定される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の内燃機関の失火判定装置。
  6. 前記角速度取得部は、前記領域判定部によってエンジン回転数が前記低回転領域にあると判定されるとき、クランク角センサのロータ1歯分に相当するクランク角度幅を経過する際のクランク角度位置の時間変化を前記クランク角速度として求める、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の内燃機関の失火判定装置。
  7. エンジン回転数が低回転領域にあるか否かを判定する領域判定工程と、
    判定対象気筒の圧縮上死点である第1圧縮上死点の付近と、前記判定対象気筒の次に点火が行われる次回点火気筒の圧縮上死点である第2圧縮上死点の付近との間に設定される2つのクランク角度位置それぞれに対応した2つのクランク角速度を取得する角速度取得工程であって、エンジン回転数が所定の低回転領域にないと判定されるときの前記クランク角度位置を、エンジン回転数が前記低回転領域にあると判定されるときのクランク角度位置よりも進角側に設定する角速度取得工程と、
    前記角速度取得工程で取得された前記2つのクランク角速度の偏差が所定の失火判定閾値以上であれば、前記判定対象気筒で失火が生じたと判定する失火判定工程と、を備える、内燃機関の失火判定方法。
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