JP2024000106A - 内燃機関の失火判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】点火時期が遅角側に制御される場合でも、テーブルやマップを準備することなく、検出された内燃機関の燃焼状態に基づき、燃焼状態が良好に反映された失火判定パラメータを算出し、失火判定の精度を向上させる内燃機関の失火判定装置を提供する。【解決手段】内燃機関の失火判定装置では、内燃機関の燃焼状態パラメータOMGREFを検出し、燃焼行程の始期から所定クランク角度までの極値検索区間Yにおいて、燃焼状態パラメータの極値を検索し、極値が検索されたときに、極値に対応するクランク角度以降の所定のクランク角度区間を、失火判定パラメータ算出区間Xとして設定し、失火判定パラメータ算出区間において検出された燃焼状態パラメータに基づき、失火判定パラメータを算出し、失火判定パラメータに基づき、失火を判定する。【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関の回転速度を表す回転速度パラメータに基づいて失火の有無を判定する内燃機関の失火判定装置に関する。
従来の内燃機関の失火判定装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この失火判定装置では、所定クランク角度(例えば6度)ごとに、内燃機関の回転速度を検出し、フィルタ処理などを加えた後、回転速度と基準回転速度(その気筒の圧縮TDCにおける回転速度)との差を、相対回転速度として算出する。そして、算出された相対回転速度を燃焼行程の全体にわたって積分することにより、失火判定パラメータを算出するとともに、この失火判定パラメータが所定のしきい値よりも小さいときに、その気筒に失火が発生していると判定される。
しかし、上述した従来の失火判定装置では、点火時期が遅角側に制御された場合などには、以下の理由から、失火判定を精度良く行えないという問題がある。すなわち、点火時期が最適点火時期に設定された場合には、圧縮上死点付近で点火が行われ、燃焼が開始されるため、図5(a)に示すように、回転速度波形は圧縮上死点(TDC)付近から立ち上がる。これに対し、ノッキングの抑制や触媒の暖機の促進などのために、点火時期が遅角側に制御された場合には、それに応じて、実際の燃焼開始タイミングが遅れる結果、図5(b)に示すように、最適点火時期の場合と比較して、回転速度波形の位相が遅角側にずれる。
このように回転速度波形の位相が遅角側にずれた場合においても、従来の失火判定装置では、図6に示すように、燃焼行程全体を失火判定パラメータ算出区間X’として、失火判定パラメータが算出される。このため、この失火判定パラメータには、今回の燃焼が開始される前の回転速度が含まれるため、今回の燃焼による燃焼成分のみを適切に抽出できず、燃焼が正常に行われた場合でも、失火判定パラメータが小さめに算出される。その結果、失火判定パラメータとしきい値との比較結果に基づく失火判定を適切に行えず、その精度が低下してしまう。
このような不具合を解消するために、例えば、点火時期とパラメータ算出区間のオフセット量(失火判定パラメータの算出区間の始期の圧縮上死点からのオフセット量)との関係を表すテーブルを準備するとともに、設定された実際の点火時期に応じて、このテーブルからオフセット量を検索し、失火判定パラメータの算出区間を決定することが考えられる。しかし、その場合には、テーブルを作成するための実験などに多大な工数が必要になり、コストの増加を招く。また、回転速度波形の位相ずれに影響を及ぼす点火時期以外の要因(例えば燃料の燃焼特性の相違や気筒間のばらつき)に対応することができない。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、点火時期が遅角側に制御されるような場合においても、テーブルやマップをあらかじめ準備することなく、検出された内燃機関の燃焼状態に基づき、燃焼状態が良好に反映された失火判定パラメータを算出し、それにより、失火判定の精度を向上させることができる内燃機関の失火判定装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明による内燃機関の失火判定装置は、内燃機関3の燃焼状態を表す燃焼状態パラメータ(実施形態における(以下、本項において同じ)相対回転速度OMGREF)を検出する燃焼状態パラメータ検出手段(クランク角度位置センサ13、ECU2)と、燃焼行程の始期から所定クランク角度までの極値検索区間Yにおいて、燃焼状態パラメータの極値を検索する極値検索手段(ECU2、図3のステップ5)と、極値が検索されたときに、極値に対応するクランク角度以降の所定のクランク角度区間を、失火判定パラメータ算出区間Xとして設定するパラメータ算出区間設定手段(ECU2、ステップ6、式(5))と、失火判定パラメータ算出区間Xにおいて検出された燃焼状態パラメータに基づき、失火判定パラメータMFJUDを算出する失火判定パラメータ算出手段(ECU2、ステップ6)と、算出された失火判定パラメータMFJUDに基づき、失火を判定する失火判定手段(ECU2、ステップ7~9)と、を備えることを特徴とする。
この失火判定装置では、内燃機関の燃焼状態を表す燃焼状態パラメータが検出される。また、燃焼行程の始期から所定クランク角度までの極値検索区間において、燃焼状態パラメータの極値が存在するか否かが検索される。極値が検索された場合には、極値に対応するクランク角度以降の所定のクランク角度区間を、失火判定パラメータ算出区間として設定するとともに、この失火判定パラメータ算出区間において検出された燃焼状態パラメータに基づき、失火判定パラメータが算出される。そして、算出された失火判定パラメータに基づき、失火が判定される。
以上のように、燃焼状態パラメータの極値に対応するクランク角度以降の所定のクランク角度区間を、失火判定パラメータ算出区間として設定するので、算出された失火判定パラメータには、今回の燃焼が開始される前の燃焼状態は含まれず、今回の燃焼による燃焼成分のみが適切に抽出され、その燃焼状態が良好に反映される。そして、そのように算出された失火判定パラメータに基づき、失火を精度良く判定することができる。
以上のように、本発明によれば、点火時期が遅角側に制御されるような場合においても、従来の場合と異なり、テーブルやマップをあらかじめ準備することなく、検出された内燃機関の燃焼状態に基づき、燃焼状態を良好に反映する失火判定パラメータを算出でき、それにより、失火判定の精度を向上させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の失火判定装置において、極値検索区間Yは、点火時期の遅角側への制御によって発生し得る、燃焼状態パラメータの波形の位相遅れ量の最大値に相当するように設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、極値検索区間が上記のように設定されているので、点火時期の遅角側への制御によって燃焼状態パラメータの位相遅れが発生した場合、燃焼状態パラメータの極値が極値検索区間に存在することで、確実に検索される。したがって、検索した極値に基づく失火判定パラメータ算出区間の設定を確実に行うことができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の失火判定装置において、燃焼状態パラメータは、内燃機関3の回転速度を表す回転速度パラメータ(相対回転速度OMGREF)であることを特徴とする。
内燃機関の回転速度は、内燃機関の燃焼状態を良好に反映し、例えば、燃焼が正常に行われた場合には大きくなり、失火が発生した場合には低下する。したがって、この構成によれば、燃焼状態パラメータとして、内燃機関の回転速度を表す回転速度パラメータを用いることによって、請求項1又は2による上述した作用を良好に得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1に示す内燃機関(以下「エンジン」という)3は、例えば車両(図示せず)に動力源として搭載されており、複数(例えば4つ)の気筒(図示せず)を有する。エンジン3には、空気(新気)が流れる吸気管4と、排気ガスが流れる排気管5が、接続されている。吸気管4には、エンジン3への吸入空気量を調整するためのスロットル弁6が設けられ、排気管5には、排気ガスを浄化するための触媒コンバータ7が設けられている。
吸気管4に接続された吸気マニホルド4aには、燃料を噴射する燃料噴射弁8が、気筒ごとに設けられている。燃料噴射弁8の開弁時間は、後述するECU(電子制御ユニット)2からの制御信号によって制御され、それにより各気筒の燃料噴射量が制御される。エンジン3には、燃焼室内の混合気を点火するための点火プラグ9が、気筒ごとに設けられている。点火プラグ9の点火時期は、ECU2からの制御信号によって制御される。
また、吸気管4のスロットル弁6のすぐ下流側には、吸気管4内の圧力(吸気圧)PBAを検出する吸気圧センサ11が設けられ、エンジン3には、その冷却水温(エンジン水温)TWを検出する水温センサ12が設けられている。それらの検出信号はECU2に出力される。
さらに、エンジン3のクランク軸(図示せず)には、その回転角度を検出するクランク角度位置センサ13が設けられている。クランク角度位置センサ12は、マグネットロータとMREピックアップで構成されており、クランク軸の回転に伴い、いずれもパルス信号であるCYL信号、TDC信号及びCRK信号を、ECU2に出力する。
CYL信号は、エンジン3の気筒を判別するためのものであり、特定の気筒の所定クランク角度位置において出力される。TDC信号は、いずれかの気筒において、ピストン(図示せず)が吸気行程の開始時の上死点よりも若干、手前の所定のクランク角度位置にあるタイミングで、出力される。また、CRK信号は、TDC信号よりも短い一定のクランク角度(例えば6度)ごとに出力される。
これらのCYL信号、TDC信号及びCRK信号は、各気筒における燃料噴射時期及び点火時期などのタイミング制御や、エンジン回転数NEの検出に用いられる。後述するように、本実施形態では特に、CRK信号の発生時間間隔(以下「時間パラメータ」という)CRMEに基づいて、エンジン3の失火が判定される。
ECU2は、CPU、RAM、ROM、及び入出力インターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。上記のRAMには、多数の時間パラメータCRMEなどを記憶するためのバッファメモリが設けられている。
ECU2は、ROMに記憶された制御プログラムに従って、スロットル弁6を介した吸入空気量制御や、燃料噴射弁8を介した燃料噴射制御、点火プラグ9を介した点火時期制御を含むエンジン制御を実行する。本実施形態では特に、時間パラメータCRMEに基づき、エンジン3の失火を気筒ごとに判定する失火判定処理が実行される。本実施形態では、ECU2によって、燃焼状態パラメータ検出手段、極値検索手段、パラメータ算出区間設定手段、失火判定パラメータ算出手段、及び失火判定手段が構成されている。
次に、図2を参照しながら、本実施形態における失火の判定手法について説明する。図2(a)は、エンジン3の各気筒の圧縮上死点近傍で検出される回転速度(以下「基準回転速度」という)を基準とした相対回転速度OMGREFの推移を示す。この相対回転速度OMGREFは、CRK信号の発生間隔であるクランク角度6度ごとに検出される回転速度(時間パラメータCRMEから算出される)から基準回転速度を減算することによって算出される。図2(a)の#1~#4は、4つの気筒を識別するために点火順に付した気筒識別番号である。
上述した定義から、相対回転速度OMGREFは、圧縮上死点後の燃焼行程では、失火が発生した場合には、点火が正常に行われた場合と比較して、より小さな値になる。すなわち、図2(a)の例では、#1、#2及び#4気筒において燃焼が正常に行われ、#3気筒において失火が発生していると推定される。
したがって、燃焼行程においてクランク角度6度ごとに算出される相対回転速度OMGREFを積分することによって得られる積算値(以下「失火判定パラメータ」という)は、図2(b)に示すように、失火が発生した#3気筒では、所定のしきい値MFTHよりも小さくなり、燃焼が正常に行われた#1、#2及び#4気筒では、しきい値MFTHよりも大きくなる。以上から、失火判定パラメータを用いて、失火を気筒ごとに判定することが可能になる。
図3は、上述した手法を用いた失火判定処理のフローチャートである。この処理は、TDC信号の発生に同期して、ECU2によって実行される。なお、クランク角度6度ごとに発生するCRK信号の時間間隔である時間パラメータCRME(i)は、クランク角度720度分のデータ(データ識別番号i=0~ND-1,データ数ND=120)がRAM内のバッファメモリに格納されている。このことは、クランク角度6度ごとに算出され、データ識別番号iが付される、後述する他のパラメータについても同様である。
また、点火順の気筒識別番号をk(1~4)とし、1TDC期間内のデータ数をNTDC(本実施形態ではNTDC=30)とすると、本処理の1回の実行で、データ識別番号iが(k-1)・NTDCから(k・NTDC-1)までの演算が行われる。例えば、今回の処理が#1気筒(k=1)に対する演算のときには、データ識別番号iは0から(NTDC-1)(=29)までの値をとり、今回の処理が#4気筒(k=4)に対する演算のときには、データ識別番号iは3NTDC(=90)から(4NTDC-1)(=119)までの値をとる。
図3の処理では、まずステップ1(「S1」と図示、以下同じ)において、次式(1)により、時間パラメータCRME(i)を回転速度OMG(i)(rad/s)に変換する。
ここで、Dθは、時間パラメータCRMEを計測する角度間隔4π/NDであり、本実施形態では、π/30(rad)である。
次に、ステップ2では、次式(2)により、回転速度OMGに720度フィルタ処理を施すことによって、フィルタ処理後回転速度OMGR(i)を算出する。
この720度フィルタ処理は、1サイクル(クランク角度720度)の期間における線形変化分をキャンセルし、比較的周期の短い変動を抽出する処理である。
次に、ステップ3では、次式(3)により、相対回転速度OMGREF(i)を算出する。
ここで、OMGR((k-1)NTDC)は、基準回転速度であり、失火判定対象の気筒の圧縮上死点におけるフィルタ処理後回転速度OMGRに相当する。
次に、ステップ4では、相対回転速度OMGREF(i)の補正処理を実行する。この補正には、例えばエンジン3の可動部品の慣性力に起因する慣性力回転速度成分を補償するための補正が含まれる。
次に、ステップ5において、相対回転速度OMGREFの極値を検索する。図4に示すように、この極値の検索は、圧縮上死点(燃焼行程の始期)から所定クランク角度までの極値検索区間Yにおいて行われる。この極値検索区間Yは、点火時期の遅角側への制御によって発生し得る、回転速度波形の位相遅れ量の最大値に相当するよう、例えば燃焼行程の始期から60度の区間に設定されている。
また、極値の検索は、例えば次のように行われる。まず、極値検索区間Yにおいて得られた相対回転速度OMGREF(i)とその前回値OMGREF(i-1)との差を、相対回転速度変化量ΔOMGREF(i)として算出する。そして、ΔOMGREF(i)<0、かつΔOMGREF(i+1)≧0の関係が成立するときに、このときの相対回転速度OMGREF(i)を極値として検索するとともに、このときのデータ識別番号iを極値対応番号NPとする。一方、極値検索区間Yにおいて、上記の関係を満たす相対回転速度OMGREFが見出せない場合、その極値は検索されなかったものとされる。
次に、ステップ6では、相対回転速度OMGREFを積算し、失火判定パラメータMFJUD(k)として算出する。具体的には、相対回転速度OMGREFの極値が検索された場合には、まず、上記の極値対応番号NPを用い、次式(4)により、相対回転速度OMGREF(i)を算出する。式(3)との比較から明らかなように、式(4)は基準回転速度として、圧縮上死点における回転速度OMGR((k-1)NTDC)に代えて、極値に対応するクランク角度における回転速度OMGR(NP)を用い、相対回転速度OMGREFを改めて算出するものである。
次に、算出した相対回転速度OMGREFに補正を加えた後、次式(5)により、失火判定パラメータMFJUD(k)を算出する。
式(5)及び図4に示されるように、極値が検索された場合には、極値に対応するクランク角度から燃焼行程の終期までのクランク角度区間が、失火判定パラメータ算出区間X(k)として設定されるとともに、失火判定パラメータ算出区間X(k)において式(4)などにより得られた相対回転速度OMGREFを積算することによって、失火判定パラメータMFJUD(k)が算出される。
また、相対回転速度OMGREFの極値が検索されなかった場合には、次式(6)により、失火判定パラメータMFJUD(k)を算出する。
式(6)に示されるように、この場合には、燃焼行程全体が失火判定パラメータ算出区間になり、燃焼行程において式(3)などにより得られた相対回転速度OMGREFを積算することによって、失火判定パラメータMFJUD(k)が算出される。
次に、ステップ7では、失火判定パラメータMFJUD(k)が所定のしきい値MFTHよりも大きいか否かを判別する。この答えがYESで、MFJUD(k)>MFTHのときには、今回の判定対象気筒(#k気筒)において燃焼が正常に行われたと判定し、失火フラグF_MF(k)を「0」にセットする(ステップ8)。一方、ステップ7の答えがNOで、MFJUD(k)≦MFTHのときには、#k気筒において単失火が発生したと判定し、失火フラグF_MF(k)を「1」にセットする(ステップ9)。
前記ステップ8又はステップ9に続くステップ10では、今回の気筒識別番号kが気筒数Nと等しいか否かを判別する。その答えがNOのときには、気筒識別番号kを「1」だけインクリメントし(ステップ11)、k=Nのときには、気筒識別番号kを「1」に戻し(ステップ12)、その後、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、相対回転速度OMGREFの極値を検索し、検索された極値に対応するクランク角度からその燃焼行程の終期までのクランク角度区間を、失火判定パラメータ算出区間Xとして設定する。これにより、失火判定パラメータ算出区間Xにおいて算出された失火判定パラメータMFJUDには、今回の燃焼が開始される前の回転速度は含まれず、今回の燃焼による燃焼成分のみが適切に抽出され、その燃焼状態が良好に反映される。
したがって、点火時期が遅角側に制御されるような場合においても、従来の場合と異なり、テーブルやマップをあらかじめ準備することなく、検出されたエンジン3の回転速度に基づき、燃焼状態が良好に反映された失火判定パラメータMFJUDを算出でき、それにより、失火判定の精度を向上させることができる。
また、相対回転速度OMGREFの極値を検索するための極値検索区間Yが、点火時期の遅角側への制御によって発生し得る、回転速度波形の位相遅れ量の最大値に相当するように設定されている。これにより、点火時期の遅角側への制御によって回転速度パラメータの位相遅れが発生した場合、相対回転速度OMGREFの極値を確実に検索でき、検索した極値に基づく失火判定パラメータ算出区間の設定を確実に行うことができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、燃焼状態パラメータとして、回転速度パラメータの1つである相対回転速度OMGREFを用いている。本発明は、これに限らず、燃焼状態パラメータとして、内燃機関の燃焼状態を良好に表す他の適当なパラメータを用いることが可能である。例えば、気筒に筒内圧センサを設けるとともに、筒内圧センサで検出された筒内圧を燃焼状態パラメータとして用いてもよい。
また、実施形態では、失火判定パラメータ算出区間Xを、検索された相対回転速度OMGREFの極値に対応するクランク角度から燃焼行程の終期までの区間に設定している。本発明は、これに限らず、例えば失火判定パラメータ算出区間Xの終期を、次の燃焼行程において検索された極値に対応するクランク角度まで延長してもよい。
また、実施形態では、極値検索区間Yを、燃焼行程の始期からクランク角度60度までの区間に設定しているが、点火時期の遅角側への制御によって発生し得る、回転速度波形の位相遅れ量の最大値に応じて適宜、変更してもよい。
さらに、実施形態において示した、相対回転速度OMGREFの極値の検索手法はあくまで例示であり、適当な他の検索手法を採用することが可能である。また、実施形態では、内燃機関の回転速度パラメータとして、相対回転速度OMGREFを主として用いているが、他の回転速度パラメータ、例えば時間パラメータCRMEや回転速度OMGなどを適宜、用いてもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
2 ECU(燃焼状態パラメータ検出手段、極値検索手段、パラメータ算出区
間設定手段、失火判定パラメータ算出手段、失火判定手段)
3 エンジン(内燃機関)
13 クランク角度位置センサ(燃焼状態パラメータ検出手段)
X 失火判定パラメータ算出区間
Y 極値検索区間
OMGREF 相対回転速度(燃焼状態パラメータ、回転速度パラメータ)
MFJUD 失火判定パラメータ
間設定手段、失火判定パラメータ算出手段、失火判定手段)
3 エンジン(内燃機関)
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X 失火判定パラメータ算出区間
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OMGREF 相対回転速度(燃焼状態パラメータ、回転速度パラメータ)
MFJUD 失火判定パラメータ
Claims (3)
- 内燃機関の燃焼状態を表す燃焼状態パラメータを検出する燃焼状態パラメータ検出手段と、
燃焼行程の始期から所定クランク角度までの極値検索区間において、前記燃焼状態パラメータの極値を検索する極値検索手段と、
前記極値が検索されたときに、当該極値に対応するクランク角度以降の所定のクランク角度区間を、失火判定パラメータ算出区間として設定するパラメータ算出区間設定手段と、
前記失火判定パラメータ算出区間において検出された燃焼状態パラメータに基づき、失火判定パラメータを算出する失火判定パラメータ算出手段と、
当該算出された失火判定パラメータに基づき、失火を判定する失火判定手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の失火判定装置。 - 前記極値検索区間は、点火時期の遅角側への制御によって発生し得る、燃焼状態パラメータの波形の位相遅れ量の最大値に相当するように設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の失火判定装置。
- 前記燃焼状態パラメータは、前記内燃機関の回転速度を表す回転速度パラメータであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の内燃機関の失火判定装置。
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