JP2005180356A - クランク角センサの補正装置および補正方法 - Google Patents

クランク角センサの補正装置および補正方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005180356A
JP2005180356A JP2003423808A JP2003423808A JP2005180356A JP 2005180356 A JP2005180356 A JP 2005180356A JP 2003423808 A JP2003423808 A JP 2003423808A JP 2003423808 A JP2003423808 A JP 2003423808A JP 2005180356 A JP2005180356 A JP 2005180356A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crank angle
angle sensor
cylinder
value
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003423808A
Other languages
English (en)
Inventor
Sakanori Moriya
栄記 守谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2003423808A priority Critical patent/JP2005180356A/ja
Publication of JP2005180356A publication Critical patent/JP2005180356A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】 ドライバビリティの低下を抑えつつ、クランク角センサの検出値を良好に補正するための補正量を算出して内燃機関のクランク角の高精度な測定を可能とする。
【解決手段】 内燃機関1は、クランク角を検出するクランク角センサ14と、筒内圧力を検出する筒内圧センサ15と、所定条件下で各燃焼室3における混合気の点火時期を遅角させることができるECU20とを備えており、ECU20は、各燃焼室3における混合気の点火時期を遅角させた際に、筒内圧センサ15の検出値に基づいて圧縮上死点に対応したクランク角の近似値を求めると共に、求めた近似値と圧縮上死点に対応したクランク角センサ14の検出値とに基づいてクランク角センサ14の補正量を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサの検出値を補正するためのクランク角センサの補正装置および補正方法に関する。
一般に、各種内燃機関では、クランク角センサを用いて出力軸(クランクシャフト)のクランク角が検出され、当該クランク角は、内燃機関の回転数を求めたり、点火時期等を設定したりするために用いられる。かかるクランク角の検出に用いられるセンサは、クランクシャフトに固定されるロータプレート(シグナルプレート)等を含む磁気センサまたは光電式センサ等であり、一般にディストリビュータに内蔵される。この場合、クランク角センサによるクランク角の検出精度は、ディストリビュータやロータプレート(シグナルプレート)の加工精度や取付精度に大きく依存する。また、クランク角センサの出力信号には、点火プラグやインジェクタ等からの電磁ノイズや、内燃機関自体の振動ノイズが重畳し易い。このため、実際には、クランク角センサの検出値と実際のクランク角(真値)とがズレてしまうことが多い。
クランク角の検出精度を向上させる技術としては、従来から、燃焼室(筒内)に対する燃料の供給を停止させた状態で検出される筒内圧力のピークに対応したクランク角を用いてクランク角センサの検出値を補正するものが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。かかる手法のもとでは、燃料の供給を停止させた状態で検出される筒内圧力のピークに対応したクランク角が圧縮上死点に相当するものとみなされる。そして、当該クランク角と、圧縮上死点に対応したクランク角センサの検出値との偏差(補正量)が求められ、この偏差を用いて、クランク角センサの検出値が補正される。
特開平3−47471号公報 特開平8−28338号公報
しかしながら、内燃機関の運転中に燃焼室に対する燃料の供給を停止させることができるタイミングは限られており、上述の従来の手法のもとでは、そのようなタイミングにならない限り、クランク角センサの検出値が補正されないことになる。また、上述の従来の手法を採用するために任意のタイミングで燃料供給を停止させたのでは、内燃機関の発生トルクが変動してドライバビリティの低下を招いてしまうことになる。
そこで、本発明は、ドライバビリティの低下を抑えつつ、クランク角センサの検出値を良好に補正するための補正量を算出して内燃機関のクランク角の高精度な測定を可能とするクランク角センサの補正装置および補正方法の提供を目的とする。
本発明のクランク角センサの補正装置は、燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関に適用され、この内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサの検出値を補正するための補正装置であって、内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧検出手段と、所定条件下で筒内における混合気の燃焼開始時期を遅角させることができる燃焼制御手段と、燃焼制御手段によって筒内における混合気の燃焼開始時期が遅角させられている際に、筒内圧検出手段の検出値に基づいて圧縮上死点に対応したクランク角の近似値を求めると共に、求めた近似値と圧縮上死点に対応したクランク角センサの検出値とに基づいてクランク角センサの補正量を算出する演算手段とを備えることを特徴とする。
このクランク角センサの補正装置は、筒内における混合気の燃焼開始時期が遅角させられるタイミングを利用してクランク角センサの検出値を補正するための補正量を算出するものである。すなわち、この補正装置の燃焼制御手段は、所定条件下で筒内における混合気の燃焼開始時期を遅角させ、これにより、圧縮上死点における筒内圧力のピークと、筒内における燃焼により現れる筒内圧力のピークとが明確に分離されることになる。そして、この補正装置の演算手段は、このように分離された圧縮上死点に対応したクランク角の近似値(真値により近い値)を、筒内圧検出手段の(複数の)検出値に基づいて所定の近似処理(例えばガウス近似処理等)により求めた上で、求めた近似値と圧縮上死点に対応したクランク角センサの検出値とに基づいてクランク角センサの補正量を算出する。
このような本発明によるクランク角センサの補正装置によれば、筒内における混合気の燃焼開始時期を遅角させることができるタイミングは比較的多いことから、内燃機関のトルク変動によるドライバビリティの低下を抑えつつ、クランク角センサの検出値を良好に補正するための補正量を確実に得ることができるので、内燃機関のクランク角を精度よく測定することが可能となる。
この場合、内燃機関は、筒内の混合気に火花点火する点火手段を更に備え、燃焼制御手段は、所定条件下で点火手段による点火時期を遅角させると好ましい。
また、内燃機関は、インジェクタを備えたディーゼルエンジンであり、燃焼制御手段は、所定条件下で筒内における圧縮着火時期が遅角させられるようにインジェクタを制御すると好ましい。
更に、燃焼制御手段により筒内における混合気の燃焼開始時期が遅角させられなかった際にインクリメントされるカウンタを更に備え、このカウンタのカウント値が所定の閾値を上回った際に、燃焼制御手段は、筒内における混合気の燃焼開始時期を遅角させ、演算手段は、筒内圧検出手段の検出値に基づいて圧縮上死点に対応したクランク角の近似値を求めると共に、求めた近似値と圧縮上死点に対応したクランク角センサの検出値とに基づいてクランク角センサの補正量を算出すると好ましい。
このような構成のもとでは、ある程度の期間、筒内における混合気の燃焼開始時期が遅角させられていない場合、燃焼制御手段によって筒内における混合気の燃焼開始時期が強制的に遅角させられ、演算手段によってクランク角センサの検出値を補正するための補正量が算出される。これにより、クランク角センサの検出値を補正するための補正量を常に適正な値に設定すると共に、クランク角センサの補正量を得ることに伴うドライバビリティの低下を必要最小限に抑えることが可能となる。
本発明による他のクランク角センサの補正装置は、燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関に適用され、この内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサの検出値を補正するための補正装置であって、内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧検出手段と、筒内における失火状態を判定する失火判定手段と、失火判定手段によって筒内が失火状態にあると判断された際に、筒内圧検出手段の検出値に基づいて圧縮上死点に対応したクランク角の近似値を求めると共に、求めた近似値と圧縮上死点に対応したクランク角センサの検出値とに基づいてクランク角センサの補正量を算出する演算手段とを備えることを特徴とする。
このクランク角センサの補正装置は、筒内が失火状態にあると判断された際にクランク角センサの検出値を補正するための補正量を算出するものである。すなわち、内燃機関が作動しており、かつ、失火判定手段によって筒内が失火状態にあると判断された際にも、圧縮上死点における筒内圧力のピークは、筒内における燃焼により現れる筒内圧力のピークから明確に分離されることになる。そして、この補正装置の演算手段は、失火判定手段により筒内が失火状態にあると判断された際に、明確に分離された圧縮上死点に対応したクランク角の近似値(真値により近い値)を、筒内圧検出手段の(複数の)検出値に基づいて所定の近似処理(例えばガウス近似処理等)により求めた上で、求めた近似値と圧縮上死点に対応したクランク角センサの検出値とに基づいてクランク角センサの補正量を算出する。
このように、筒内における失火が発生したタイミングを有効に利用しても、クランク角センサの検出値を良好に補正するための補正量を得ることが可能となり、それにより、内燃機関のクランク角を精度よく測定することが可能となる。もちろん、当該補正量の算出に関連して内燃機関のトルク変動によるドライバビリティの低下を生じさせてしまうことはない。
本発明によるクランク角センサの補正方法は、燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関に適用され、この内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサの検出値を補正するための補正方法であって、所定条件下で筒内における混合気の燃焼開始時期を遅角させるステップと、燃焼開始時期を遅角させた際に、筒内圧検出手段の検出値に基づいて圧縮上死点に対応したクランク角の近似値を求めると共に、求めた近似値と圧縮上死点に対応したクランク角センサの検出値とに基づいてクランク角センサの補正量を算出するステップとを含むものである。
本発明による他のクランク角センサの補正方法は、燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関に適用され、この内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサの検出値を補正するための補正方法であって、筒内における失火状態を判定するステップと、筒内が失火状態にあると判断された際に、筒内圧検出手段の検出値に基づいて圧縮上死点に対応したクランク角の近似値を求めると共に、求めた近似値と圧縮上死点に対応したクランク角センサの検出値とに基づいてクランク角センサの補正量を算出するステップとを含むものである。
本発明によれば、ドライバビリティの低下を抑えつつ、クランク角センサの検出値を良好に補正するための補正量を算出して内燃機関のクランク角の高精度な測定を可能とするクランク角センサの補正装置および補正方法の実現が可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明によるクランク角センサの補正装置を備えた内燃機関を示す概略構成図である。同図に示される内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生するものである。なお、図1には1気筒のみが示されるが、内燃機関1は多気筒エンジンとして構成されると好ましく、本実施形態の内燃機関1は、例えば4気筒エンジンとして構成される。
各燃焼室3の吸気ポートは、吸気管(吸気マニホールド)5にそれぞれ接続され、各燃焼室3の排気ポートは、排気管(排気マニホールド)6にそれぞれ接続されている。また、内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが燃焼室3ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは、例えば、可変バルブタイミング機能を有する動弁機構(図示省略)によって開閉させられる。更に、内燃機関1は、気筒数に応じた数の点火プラグ7を有し、点火プラグ7は、対応する燃焼室3内に臨むようにシリンダヘッドに配設されている。
吸気管5(吸気マニホールド)は、図1に示されるように、サージタンク8に接続されている。サージタンク8には、給気ラインL1が接続されており、給気ラインL1は、エアクリーナ9を介して図示されない空気取入口に接続されている。そして、給気ラインL1の中途(サージタンク8とエアクリーナ9との間)には、スロットルバルブ(本実施形態では、電子スロットルバルブ)10が組み込まれている。一方、排気管6には、図1に示されるように、三元触媒を含む前段触媒装置11aおよびNOx吸蔵還元触媒を含む後段触媒装置11bが接続されている。
更に、内燃機関1は複数のインジェクタ12を有し、インジェクタ12は、対応する燃焼室3内に臨むようにシリンダヘッドに配設されている。また、内燃機関1の各ピストン4は、いわゆる深皿頂面型に構成されており、その上面には、凹部4aが形成されている。そして、内燃機関1では、各燃焼室3内に空気を吸入させた状態で、各インジェクタ12から各燃焼室3内のピストン4の凹部4aに向けてガソリン等の燃料が直接噴射される。これにより、内燃機関1では、点火プラグ7の近傍に燃料と空気との混合気の層が周囲の空気層と分離された状態で形成(成層化)されるので、極めて希薄な混合気を用いて安定した成層燃焼を実行することが可能となる。なお、本実施形態の内燃機関1は、いわゆる直噴エンジンとして説明されるが、これに限られるものではなく、本発明が吸気管(吸気ポート)噴射式の内燃機関に適用され得ることはいうまでもない。
上述の各点火プラグ7、スロットルバルブ10、各インジェクタ12および動弁機構等は、内燃機関1の制御装置として機能するECU20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポートおよび記憶装置等を含むものである。ECU20には、各種センサが電気的に接続されており、ECU20は、記憶装置に記憶されている各種マップ等を用いると共に各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12、動弁機構等を制御する。
図1に示されるように、ECU20に接続されるセンサ類には、クランク角センサ(クランク角センサ)14が含まれる。クランク角センサ14は、クランクシャフトに固定されるロータプレート(シグナルプレート)等を含む磁気センサまたは光電式センサ等であり、クランクシャフトの回転角度を示すパルス信号をECU20に与える。また、内燃機関1は、半導体素子、圧電素子あるいは光ファイバセンサ等を含む筒内圧センサ(筒内圧検出手段)15を気筒数に応じた数だけ有している。各筒内圧センサ15は、対応する燃焼室3内に受圧面が臨むようにシリンダヘッドに配設されており、ECU20に電気的に接続されている。各筒内圧センサ15は、燃焼室3内でその受圧面に加わる圧力(筒内圧力)に応じた電圧信号(検出値を示す信号)をECU20に与える。
クランク角センサ14や各筒内圧センサ15の検出値は、微小時間おきにECU20に順次与えられ、ECU20の所定の記憶領域(バッファ)に所定量ずつ格納保持される。そして、クランク角センサ14や各筒内圧センサ15から信号を受け取ったECU20は、各センサの検出値を内燃機関1の制御に用いる。ここで、クランク角センサ14によるクランク角の検出精度は、ロータプレート(シグナルプレート)等の加工精度や取付精度に大きく依存し、クランク角センサの出力信号には、点火プラグ7やインジェクタ12等からの電磁ノイズや、内燃機関1自体の振動ノイズが重畳し易い。このため、実際には、クランク角センサ14の検出値と実際のクランク角(真値)とがズレてしまうことが多い。この点に鑑みて、本発明では、各筒内圧センサ15およびECU20等により、クランク角センサ14の検出値を補正するための補正量を算出して内燃機関1のクランク角の高精度な測定を可能とするクランク角センサ14の補正装置が構成される。
次に、図2を参照しながら、上述の内燃機関1におけるクランク角センサ14の検出値を補正するための補正量を算出する手順について説明する。
図2に示されるように、クランク角センサ14の検出値を補正するための補正量を算出するに際して、ECU20は、まず、詳細については後述される学習カウンタ(図示省略)のカウント値Jを読み込み(S10)、学習カウンタのカウント値Jが予め定められている閾値を下回っているか否か判定する(S12)。S12にてカウント値Jが上記閾値を下回っていると判断した場合、ECU20は、目標トルクや周囲環境条件等の機関運転条件を読み込み(S14)、読み込んだ機関運転条件に基づいて、各点火プラグ7による点火時期を遅角させることができるか否か判定する(S16)。
EUC20は、S16の判定処理の実行時が、内燃機関1の冷間始動時、クランキング時、アイドル時および減速指示時(減速運転時)等に該当している場合、各点火プラグ7による点火時期を遅角させることができる条件(点火遅角条件)が成立していると判断する。そして、このような場合、ECU20は、各点火プラグ7による点火時期を遅角させるべく、所定の遅角量を設定する(S18)。
ここで、図3に示されるように、点火プラグ7による点火時期が遅角された燃焼室3において検出される筒内圧力(筒内圧センサ15の検出信号の波形)には、クランク角センサ14の検出値θが所定値付近(本実施形態の場合、0°付近)にある際、圧縮上死点における筒内圧力のピークが現れ、その後に、当該燃焼室3における燃焼による筒内圧力のピークが現れることになる。すなわち、点火プラグ7による点火時期を遅角させることにより、圧縮上死点における筒内圧力のピークと、燃焼室3における燃焼により現れる筒内圧力のピークとが明確に分離されることになる。なお、図3において、実線は、通常時から点火時期を30°だけ遅角させた場合の筒内圧力を、一点鎖線は、通常時から点火時期を15°だけ遅角させた場合の筒内圧力を、二点鎖線は、点火時期を通常時のものとした場合の筒内圧力を示す。
S18にて点火時期の遅角量を設定すると、ECU20は、各点火プラグ7による点火時期を遅角させると共に、所定の記憶領域から、S18の処理時の前後に検出・保持されたθ=−10°,0°,10°の時の筒内圧力を読み出す(S20)。ここでは、θ=−10°の時のクランク角(クランク角センサ14の検出値θ)および筒内圧を(x−10,y−10)と表し、θ=0°の時のクランク角および筒内圧を(x,y)と表し、θ=10°の時のクランク角および筒内圧を(x10,y10)と表す(ただし、x−10=−10°、x=0°、x10=10°である)。
S20の処理が完了すると、ECU20は、燃焼室3(筒内圧センサ15)ごとに、S20にて取得した(x−10,y−10),(x,y),(x10,y10)を用いてガウス近似処理を実行し、圧縮上死点に対応したクランク角の近似値(真値により近い値)を求める(S22)。すなわち、本発明において、クランク角が−10°から10°の範囲で、筒内圧力は、その特性を良好に反映した次の(1)式(ガウス関数)により表されると仮定される。この場合、(1)式のyすなわち筒内圧力が最大となるのは、x=mのときであるから、yを最大にするmは、圧縮上死点に対応したクランク角(の近似値)に相当する。また、(x−10,y−10),(x,y)および(x10,y10)を(1)式にそれぞれ代入して両辺の対数をとると、次の(2)式が得られ、(2)式を解くことにより、圧縮上死点に対応したクランク角の近似値(m)を求めことができる。なお、(2)式において、dは時定数を、Kはゲインを示す。
Figure 2005180356
Figure 2005180356
S22の処理により、燃焼室3(筒内圧センサ15)ごとに、圧縮上死点に対応したクランク角の近似値(m)を求めると、ECU20は、求めた近似値(m)と、圧縮上死点に対応したクランク角センサ14の検出値(本実施形態では、0°)との偏差をとることにより、クランク角センサ14の検出値に対する補正量(例えば全燃焼室3についての平均値)を算出し、当該補正量を所定の記憶領域に記憶させる(S24)。そして、ECU20は、クランク角の測定に際し、当該補正量を用いてクランク角センサ14の検出値θを補正する。
このように、内燃機関1では、各燃焼室3における混合気の点火時期が遅角させられるタイミングを利用してクランク角センサ14の検出値を補正するための補正量が算出される。そして、内燃機関1において各燃焼室3における混合気の点火時期を遅角させることができるタイミングは比較的多いことから、クランク角センサ14の検出値を補正するための補正量が適正な値に設定(更新)される。従って、内燃機関1では、クランク角を精度よく測定することが可能となり、クランク角センサ14の補正量を得ることに伴う内燃機関1のトルク変動によるドライバビリティの低下が確実に抑制されることになる。
S24の処理を実行した後、ECU20は、所定時間ごとに、S10以降の処理を繰り返し実行する。また、上述のS16において、各点火プラグ7による点火時期を遅角させることができる条件が成立していないと判断した場合、ECU20は、上述の図示されない学習カウンタを1だけインクリメントした上で(S26)、S10以降の処理を再度実行する。そして、S12では、上述のように、学習カウンタのカウント値Jが所定の閾値を下回っているか否か判定されることになる。
S12にて学習カウンタのカウント値Jが所定の閾値を下回っていないと判断した場合、ECU20は、S14およびS16の処理をスキップして、各点火プラグ7による点火時期を遅角させるべく所定の遅角量を設定し(S18)、更にS20からS24の処理を実行する。すなわち、各燃焼室3における混合気の点火時期が遅角させられなかった際にインクリメントされる学習カウンタのカウント値Jが所定の閾値を上回っている場合には、ECU20によって、各燃焼室3における混合気の点火時期が遅角させられると共に各筒内圧センサ15の検出値に基づいて圧縮上死点に対応したクランク角の近似値(m)が求められ、当該近似値(m)を用いてクランク角センサ14の検出量が算出されることになる。
このように、内燃機関1では、ある程度の期間、各燃焼室3における混合気の点火時期が遅角させられていない場合、ECU20によって各燃焼室3における混合気の点火時期が強制的に遅角させられると共に、クランク角センサ14の検出値の補正量が算出される。この結果、内燃機関1では、クランク角センサ14の検出値を補正するための補正量を常に適正な値に設定(更新)すると共に、クランク角センサ14の補正量を得る際のドライバビリティの低下を必要最小限に抑えることが可能となる。
なお、S16において、内燃機関1が冷間始動されていると判断される場合、未燃燃料が燃焼室3を吹き抜けるようにすることで触媒装置11aおよび11bの暖機を促進させることができるので、S18では、所定時間、各燃焼室3における点火プラグ7による点火を休止させてもよい。すなわち、本発明における「燃焼開始時期の遅角」に代えて、所定条件下で筒内に燃料を供給すると共に火花点火を休止させてもよく、また、所定条件下で筒内に燃料を供給すると共に排気弁を強制的に開弁させてもよく、更に、所定条件下で筒内に燃料を供給すると共にグロープラグへの通電を停止させてもよい。
また、S18において筒内圧力を取得するクランク角(θ)は、−10°,0°,10°に限られるものではなく、圧縮上死点に対応した値が含まれるであろう角度範囲から選択される任意の複数点とすることができる。更に、S22にて実行される近似処理は、ガウス関数を用いたガウス近似処理に限られるものではなく、S22では、例えば2次または4次関数、sin関数等を用いた他の近似処理が実行されてもよい。
そして、上述の内燃機関1は、燃焼室3の混合気に火花点火する点火プラグ7を備えたガソリンエンジンではなく、ディーゼルエンジンとして構成されてもよい。この場合、ECU20は、S16にて点火時期遅角条件が成立していると判断した場合、S18にて、各燃焼室3における圧縮着火時期が遅角させられるようにインジェクタを制御することはいうまでもない。
図4は、上述の内燃機関1においてクランク角センサ14の検出値を補正するための補正量を算出する他の手順を説明するためのフローチャートである。
図4からわかるように、内燃機関1では、所定数の燃焼室3が失火状態にあると判断された際にも、クランク角センサ14の検出値を補正するための補正量が算出される。すなわち、内燃機関1のECU20は、例えば所定時間ごとに失火判定処理を実行しており、失火判定処理を実行すべきタイミングになると、各筒内圧センサ15からの信号に基づいて、燃焼室3ごとにその時点の筒内圧力を求める(S30)。そして、ECU20は、各燃焼室3における筒内圧力が所定の閾値を下回っているか否か判定し(S32)、例えば所定数の燃焼室3に関して筒内圧力が当該閾値を下回っていると判断した場合、内燃機関1において失火が発生しているとみなし、所定の警告表示を行う(S34)。
ここで、内燃機関1が作動しており、かつ、S32にて所定数の燃焼室3が失火状態にあると判断される際にも、圧縮上死点における筒内圧力のピークは、筒内における燃焼により現れる筒内圧力のピークから明確に分離されることになる。このため、内燃機関1では、S32にて所定数の燃焼室3が失火状態にあると判断された場合、ECU20によって、クランク角センサ14の補正量の算出が実行される。
ECU20は、S34の処理の後またはそれとほぼ同時に、所定の記憶領域から、S30における筒内圧力の検出タイミングの前後に検出・保持されたθ=−10°,0°,10°の時の筒内圧力を読み出す(S36)。ECU20は、燃焼室3(筒内圧センサ15)ごとに、読み出した(x−10,y−10),(x,y),(x10,y10)を用いて上述のようなガウス近似処理を実行し、圧縮上死点に対応したクランク角の近似値を求める(S38)。
更に、ECU20は、求めた近似値と、圧縮上死点に対応したクランク角センサ14の検出値(本実施形態では、0°)との偏差をとることにより、クランク角センサ14の検出値に対する補正量(例えば全燃焼室3についての平均値)を算出する。そして、ECU20は、当該補正量を用いてクランク角センサ14の検出値θを補正すると共に、当該補正量を所定の記憶領域に記憶させる(S40)。なお、S32にて所定数の燃焼室3が失火状態にあると判断されなかった場合、クランク角センサ14の検出値の補正量の算出(更新)は実行されない。
このように、内燃機関1では、何れかの燃焼室3において失火が発生したタイミングをも有効に利用して、クランク角センサ14の検出値の補正量が設定(更新)されるので、内燃機関1のクランク角を精度よく測定することが可能となる。もちろん、図4の処理におけるクランク角の補正量の算出に関連して内燃機関1のトルク変動によるドライバビリティの低下を生じさせてしまうことはない。なお、図4における失火判定処理は、上述のようなものに限られるものではなく、失火判定処理は、どのようなものであっても差し支えない。
本発明によるクランク角センサの補正装置を備えた内燃機関の概略構成図である。 図1の内燃機関においてクランク角センサの検出値を補正するための補正量を算出する手順を説明するためのフローチャートである。 点火時期を遅角させた場合の筒内圧力の変化を例示するグラフである。 図1の内燃機関においてクランク角センサの検出値を補正するための補正量を算出する他の手順を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 シリンダブロック
3 燃焼室
4 ピストン
5 吸気管
6 排気管
7 点火プラグ
8 サージタンク
9 エアクリーナ
10 スロットルバルブ
11a,11b 触媒装置
12 インジェクタ
14 クランク角センサ
15 筒内圧センサ
Ve 排気弁
Vi 吸気弁

Claims (7)

  1. 燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関に適用され、この内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサの検出値を補正するための補正装置であって、
    前記内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧検出手段と、
    所定条件下で前記筒内における混合気の燃焼開始時期を遅角させることができる燃焼制御手段と、
    前記燃焼制御手段によって前記筒内における混合気の燃焼開始時期が遅角させられている際に、前記筒内圧検出手段の検出値に基づいて圧縮上死点に対応したクランク角の近似値を求めると共に、求めた近似値と前記圧縮上死点に対応した前記クランク角センサの検出値とに基づいて前記クランク角センサの補正量を算出する演算手段とを備えることを特徴とするクランク角センサの補正装置。
  2. 前記内燃機関は、前記筒内の混合気に火花点火する点火手段を更に備え、前記燃焼制御手段は、所定条件下で前記点火手段による点火時期を遅角させることを特徴とする請求項1に記載のクランク角センサの補正装置。
  3. 前記内燃機関は、インジェクタを備えたディーゼルエンジンであり、前記燃焼制御手段は、所定条件下で前記筒内における圧縮着火時期が遅角させられるように前記インジェクタを制御することを特徴とする請求項1に記載のクランク角センサの補正装置。
  4. 前記燃焼制御手段により前記筒内における混合気の燃焼開始時期が遅角させられなかった際にインクリメントされるカウンタを更に備え、このカウンタのカウント値が所定の閾値を上回った際に、前記燃焼制御手段は、前記筒内における混合気の燃焼開始時期を遅角させ、前記演算手段は、前記筒内圧検出手段の検出値に基づいて圧縮上死点に対応したクランク角の近似値を求めると共に、求めた近似値と前記圧縮上死点に対応した前記クランク角センサの検出値とに基づいて前記クランク角センサの補正量を算出することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のクランク角センサの補正装置。
  5. 燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関に適用され、この内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサの検出値を補正するための補正装置であって、
    前記内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧検出手段と、
    前記筒内における失火状態を判定する失火判定手段と、
    前記失火判定手段によって前記筒内が失火状態にあると判断された際に、前記筒内圧検出手段の検出値に基づいて圧縮上死点に対応したクランク角の近似値を求めると共に、求めた近似値と前記圧縮上死点に対応した前記クランク角センサの検出値とに基づいて前記クランク角センサの補正量を算出する演算手段とを備えることを特徴とするクランク角センサの補正装置。
  6. 燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関に適用され、この内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサの検出値を補正するための補正方法であって、
    所定条件下で前記筒内における混合気の燃焼開始時期を遅角させるステップと、
    前記燃焼開始時期を遅角させた際に、筒内圧検出手段の検出値に基づいて圧縮上死点に対応したクランク角の近似値を求めると共に、求めた近似値と前記圧縮上死点に対応した前記クランク角センサの検出値とに基づいて前記クランク角センサの補正量を算出するステップとを含むクランク角センサの補正方法。
  7. 燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関に適用され、この内燃機関のクランク角を検出するクランク角センサの検出値を補正するための補正方法であって、
    前記筒内における失火状態を判定するステップと、
    前記筒内が失火状態にあると判断された際に、筒内圧検出手段の検出値に基づいて圧縮上死点に対応したクランク角の近似値を求めると共に、求めた近似値と前記圧縮上死点に対応した前記クランク角センサの検出値とに基づいて前記クランク角センサの補正量を算出するステップとを含むクランク角センサの補正方法。
JP2003423808A 2003-12-19 2003-12-19 クランク角センサの補正装置および補正方法 Pending JP2005180356A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003423808A JP2005180356A (ja) 2003-12-19 2003-12-19 クランク角センサの補正装置および補正方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003423808A JP2005180356A (ja) 2003-12-19 2003-12-19 クランク角センサの補正装置および補正方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005180356A true JP2005180356A (ja) 2005-07-07

Family

ID=34784189

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003423808A Pending JP2005180356A (ja) 2003-12-19 2003-12-19 クランク角センサの補正装置および補正方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005180356A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008184969A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Mazda Motor Corp ガソリンエンジンの制御装置
JP2010031696A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Denso Corp 自着火燃焼検出装置
CN109751143A (zh) * 2017-11-03 2019-05-14 现代自动车株式会社 用于补偿曲柄传感器的噪声的方法
CN112682240A (zh) * 2020-12-29 2021-04-20 联合汽车电子有限公司 点火角控制方法及其控制装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008184969A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Mazda Motor Corp ガソリンエンジンの制御装置
JP2010031696A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Denso Corp 自着火燃焼検出装置
CN109751143A (zh) * 2017-11-03 2019-05-14 现代自动车株式会社 用于补偿曲柄传感器的噪声的方法
CN109751143B (zh) * 2017-11-03 2022-08-16 现代自动车株式会社 用于补偿曲柄传感器的噪声的方法
CN112682240A (zh) * 2020-12-29 2021-04-20 联合汽车电子有限公司 点火角控制方法及其控制装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7909018B2 (en) Control for determining a firing timing of an internal-combustion engine
US6560526B1 (en) Onboard misfire, partial-burn detection and spark-retard control using cylinder pressure sensing
US7448360B2 (en) Controller of internal combustion engine
KR101500395B1 (ko) 단일 기통 연소 위상 정보와 각가속도 신호를 이용한 엔진의 연소 위상 예측 장치 및 방법
US6925987B2 (en) Method for setting a knock determination period in an internal combustion engine, method for setting a fuel injection timing in an internal combustion engine, and control apparatus for an internal combustion engine
JP2005291182A (ja) 失火検出装置
US20070235009A1 (en) Control apparatus for direct injection type spark ignition internal combustion engine
JP2007211654A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US8924134B2 (en) Knock control device of internal combustion engine
JP4120276B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP4507975B2 (ja) エンジン制御装置
JP2005180356A (ja) クランク角センサの補正装置および補正方法
JP2011157852A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010174705A (ja) 内燃機関の制御装置
CA2513222C (en) Ignition control system for internal combustion engine
JP4277280B2 (ja) クランク角測定装置および測定方法
JP2008309006A (ja) 内燃機関の制御装置
JPS6181532A (ja) 多気筒内燃エンジンの燃料供給制御方法
JP4186163B2 (ja) 筒内圧測定装置および筒内圧測定方法
JP4345723B2 (ja) 内燃機関の図示平均有効圧の推定方法
JP4281063B2 (ja) クランク角センサの補正装置および補正方法
JP2008297922A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006002610A (ja) エンジンの始動性能向上装置
JP4269931B2 (ja) 筒内圧測定装置および筒内圧測定方法
US20230408374A1 (en) Misfire determination device for internal combustion engine

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060317

A977 Report on retrieval

Effective date: 20080424

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080425

A02 Decision of refusal

Effective date: 20080815

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02