JP2006002610A - エンジンの始動性能向上装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジン停止中の燃料噴射弁から吸気通路への燃料洩れに起因して、エンジン始動時にリッチ失火を生じるのを防止する。
【解決手段】 気筒判別後、燃料噴射が行われた実績のない気筒(#2)に対して点火を行って、当該気筒の膨張行程での発生トルクを検出する。検出されたトルクが第1の所定値を超えた場合は、その後に排気行程気筒(#2…)にて行われる燃料噴射の噴射量を減量補正する。また、前記噴射量の減量補正をする前に噴射済みで点火を迎える気筒(#3…)については、その点火時期を進角側に補正する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、吸気通路に各気筒毎に燃料噴射弁を有するエンジンにおいて、燃料噴射弁の油密性の低下によるエンジン停止中の吸気通路への燃料洩れに起因して、エンジン始動時にリッチ失火等を生じるのを防止する始動性能向上装置に関する。
従来、特許文献1に示されるように、スタータモータによる始動が成功したかどうかを判定し、始動の成功/失敗の履歴をメモリに記憶保持し、メモリに記憶した始動の成功/失敗の履歴(始動失敗の回数など)に応じてエンジン始動条件(始動時燃料噴射量、始動時点火時期など)を変更するようにしたものがある。
特開2003−172174号公報
しかしながら、始動毎の成功/失敗の回数履歴で判断して、始動時の燃料噴射量や点火時期を補正するため、フィードバックされるのが遅く、直ぐには効果が得られない。すなわち、今回の始動時の状況を直ぐに制御に反映させることは困難である。
本発明は、このような実状に鑑み、エンジン停止中の燃料噴射弁から吸気通路への燃料洩れに起因して、エンジン始動時にリッチ失火等を生じるのを、始動時に瞬時に対応して回避できるようにすることで、始動性能を向上させることを目的とする。
このため、本発明では、エンジン始動時に、燃料噴射が行われた実績のない気筒に対して点火を行って、当該気筒の燃焼で生じるトルクを検出し、検出されたトルクに応じて、その後に行われる燃料噴射の噴射量を補正する構成とする。
本発明によれば、燃料噴射が行われた実績のない気筒に対し点火を行って、当該気筒の燃焼で生じるトルクを検出することで、燃料噴射弁から吸気通路への燃料洩れのレベルを判定でき、これに応じて、その後に行われる燃料噴射の噴射量を補正することで、燃料噴射を伴う燃焼を良好に行わせ、リッチ失火等を回避できる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すエンジンのシステム図である。
エンジン(内燃機関)1の各気筒のピストン2により画成される燃焼室3には、点火栓4を囲むように、吸気弁5及び排気弁6を備えている。7は吸気通路、8は排気通路である。
吸気通路7には、吸気マニホールドの上流側に、モータ駆動の電制スロットル弁9が設けられている。吸気通路7にはまた、吸気マニホールドの各ブランチ部(シリンダヘッド側の吸気ポートに臨む位置)に、各気筒毎に、電磁式の燃料噴射弁10が設けられており、エンジン回転に同期して各気筒の排気行程にて吸気弁5に向けて燃料を噴射するようになっている。
ここにおいて、電制スロットル弁9、燃料噴射弁10及び点火栓4の作動は、エンジンコントロールユニット(以下ECUという)11により制御され、このECU11には、気筒判別用のカム角センサ12、エンジン回転に同期してクランク角信号を出力しこれによりクランク角位置と共にエンジン回転速度Neを検出可能なクランク角センサ13、吸気通路7の電制スロットル弁9上流にて吸入空気量Qaを検出するエアフローメータ14、エンジン冷却水温Twを検出する水温センサ15、排気通路8にて排気中の酸素濃度より空燃比のリッチ・リーンを検出する空燃比センサ16から、信号が入力されている。
また、必要により、筒内圧(燃焼室3内の圧力)Pcを検出する筒内圧センサ17、燃圧(燃料噴射弁10に供給される燃料の圧力)Pfを検出する燃圧センサ18、外気温Taを検出する外気温センサ19、大気圧Paを検出する大気圧センサ20などが設けられ、これらの信号もECU11に入力されている。
ECU11による燃料噴射弁10の燃料噴射の制御については、吸入空気量Qaとエンジン回転速度Neとに基づいて基本燃料噴射量Tp=K・Qa/Ne(Kは定数)を演算し、これに各種補正を施して、最終的な燃料噴射量Ti=Tp・COEF(COFFは各種補正係数)を定め、このTiに相当するパルス幅の駆動パルス信号をエンジン回転に同期した所定のタイミングで各気筒の燃料噴射弁10に出力して、燃料噴射を行わせる。
本発明に係る始動性能向上装置は、ECU11にて、所定のプログラムを実行することにより実現されるので、以下、フローチャートに従って説明する。
図2は始動時制御のメインフローチャートであり、エンジン始動時に実行される。
S1では、前回のエンジン停止時の運転情報と今回のエンジン始動時の運転情報とから、燃料洩れ量を推定する。具体的には、前回のエンジン停止時に、運転情報として、水温Tw、燃圧Pf、外気温Ta、大気圧Paを検出し、これらを記憶保持しておく。そして、今回のエンジン始動時に、水温Twを検出し、前回のエンジン停止時の水温と今回のエンジン停止時の水温との差ΔTw=Tw1−Tw2(Tw1は前回のエンジン停止時の水温、Tw2は今回のエンジン始動時の水温)を求める。そして、この水温差ΔTwに基づいて、図6のテーブルを参照することで、エンジン停止中の燃料洩れ量を推定する(水温差ΔTwが大きいほど、燃料洩れ量が大きいと推定する)。また、前回のエンジン停止時の燃圧Pfによって燃料洩れ量が変化するので、燃圧Pfの大小に応じ、別のテーブルを用いて、燃料洩れ量を推定する(エンジン停止時の燃圧Pfが高いほど、燃料洩れ量が大きいと推定する)。また、エンジン停止時の外気温Taが高いほど、また大気圧Paが低いほど、燃料洩れ量が大きくなるので、これらも考慮して推定するとよい。尚、燃料洩れ量による補正を行わない場合は、このステップを省略することができる。
S2では、スタータスイッチONによりスタータモータによってエンジンが回転を開始した後、気筒判別用のカム角センサ12の信号に基づいて気筒判別を行う。すなわち、気筒別の燃料噴射制御及び点火制御のため、各気筒がいずれの行程にあるかを判別する。気筒判別がなされると、S3へ進む。
S3では、気筒判別結果に従って、各気筒への燃料噴射及び点火を開始する。
図4は気筒判別後の燃料噴射及び点火のパターンの例を示す図であり、4気筒エンジン(点火順序が#1→#3→#4→#2)で、最初の気筒判別で#1気筒が吸気行程であった場合である。以下この図4の例に従って説明する。
図4のR1のタイミングで最初の気筒判別がなされると、吸気行程にある気筒(#1気筒)と排気行程にある気筒(#3気筒)とに対し燃料噴射を行わせ、圧縮行程にある気筒(#2気筒)に対し点火を行わせる。尚、燃料噴射は気化時間を確保するため排気行程にて行うが、より速やかな始動(初爆)のため、初回は、吸気行程にある気筒に対しても燃料噴射を行う。次のR2のタイミングでは、排気行程にある気筒(#4気筒)に対し燃料噴射を行わせ、圧縮行程にある気筒(#1気筒)に対し点火を行わせる。
S4では、燃料噴射の実績のない気筒の膨張行程での発生トルクTeを検出する。すなわち、図4の#2気筒は、燃料噴射がなされないまま、圧縮行程にて点火がなされ、R2のタイミングで膨張行程を迎えるので、当該気筒の膨張行程での発生トルクTeを検出する。
膨張行程での発生トルクTeは、次の(1)又は(2)の方法で検出する。
(1)膨張行程にて予め定めた積分開始クランク角度から積分終了クランク角度までの間、単位クランク角度毎に、筒内圧センサ17により検出される筒内圧Pcを読込み、これを積算することで、トルク相当値として、図示平均有効圧ΣPcを算出する。この方法によれば、筒内圧(燃焼圧)に基づくため、正確な結果を得られる。
(2)圧縮上死点付近の所定クランク角(例えば10°)に要する時間を計測することで、このときの角速度ω1(deg/s )を検出する。また、膨張行程の中間位置付近の所定クランク角(例えば10°)に要する時間を計測することで、このときの角速度ω2(deg/s )を検出する。そして、圧縮上死点付近の角速度ω1と膨張行程中間位置付近の角速度ω2とから、トルク相当値として、角加速度Δω=ω2−ω1を算出する。より正確に、角加速度Δω=(ω2−ω1)/dtとして算出してもよい。dtはω1の検出時からω2の検出時までの時間である。この方法によれば、クランク角センサ13のみで計測でき、筒内圧センサ17が不要となる。
S5では、S4でのトルク検出が終了すると(すなわち図4のR3のタイミングとなると)、第1のトルク判定として、S4で検出した燃料噴射の実績のない気筒の膨張行程での発生トルクTeを、予め定めた第1の所定値SL1と比較し、Te>SL1か否かを判定する。第1の所定値SL1は、燃料噴射がなされていないにもかかわらず、洩れ燃料による燃焼が認められる程度の値である(図5参照)。
Te<SL1の場合は、S12へ進む。この場合については後述する。
Te>SL1の場合は、燃料噴射の実績のない気筒に対し点火したときに、当該気筒の燃焼により比較的大きなトルクが発生した場合で、正規の燃料噴射を行うとリッチ失火を生じるような燃料洩れを生じている場合である。従って、この場合は、燃料噴射量を減量補正する必要があるため、S6へ進む。
S6では、燃料噴射量の減量補正のため、第1補正要求フラグF1をセットする(F1=1)。
第1補正要求フラグF1=1となると、後述する図3の回転同期ルーチンにより、排気行程にある気筒の燃料噴射量の減量補正がなされる。詳細は後述するが、図4のR3のタイミングでは#2気筒の燃料噴射量が減量補正され、R4のタイミングでは#1気筒の燃料噴射量が減量補正される。一方、燃料噴射量の減量補正が間に合わない気筒に対しては、点火時期が進角補正される(図3の回転同期ルーチンの説明で後述するように、本実施形態ではR3のタイミングでの#3気筒、R4のタイミングでの#4気筒が該当する)。
S7では、最初に減量補正した気筒(#2気筒)の膨張行程での発生トルクTeを検出する。すなわち、図4のR3のタイミングで燃料噴射量を減量補正した#2気筒がR6のタイミングで膨張行程を迎えるのを待って、当該気筒の膨張行程での発生トルクTeを検出する。トルク検出の方法は、S4と同じである。
S8では、S7でのトルク検出が終了すると(すなわち図4のR7のタイミングとなると)、第2のトルク判定として、S7で検出した最初に減量補正した気筒の膨張行程での発生トルクTeを、予め定めた第2の所定値SL2と比較し、Te>SL2か否かを判定する。第2の所定値SL2は、適正な燃焼で生じるべきトルクの下限値であり、SL2>SL1である(図5参照)。言い換えれば、燃料噴射量の減量補正が適正になされて、所望のトルクが得られたか否かを判定する。
Te>SL2の場合は、適正であるため、現在の燃料噴射量の減量補正を続けることにして、S10へ進む。
Te<SL2の場合は、所望のトルクが得られていないため、燃料噴射量の減量補正に加え、点火時期の進角補正、又は、吸入空気量の増量補正(空燃比のリーン化)を行うべく、S9へ進んで、で第2補正要求フラグF2をセットする(F2=1)。この後、S10へ進む。
第2補正要求フラグF2=1となると、後述する図3の回転同期ルーチンにより、燃料噴射量の減量補正に加え、点火時期の進角補正、又は、吸入空気量の増量補正(空燃比のリーン化)がなされる。詳細は後述するが、点火時期の進角補正を行う場合、R7のタイミングで#3気筒の点火時期が進角補正され、R8のタイミングで#4気筒の点火時期が進角補正される。
S10では、吸気ボリューム分の吸気が終了したか否かを判定する。ここで、吸気ボリュームとは、吸気通路7のスロットル弁9から吸気弁5までの、吸気マニホールド及び吸気ポートの容積である。具体的には、エンジン回転毎に吸入空気量Qaを積算して、始動からの積算吸入空気量ΣQaを求め、これを既知の吸気ボリューム分IVと比較して、ΣQa>IVになったか否かを判定する。
ΣQa<IVの場合は、エンジン停止中の洩れ燃料(特に吸気ボリューム中で気化して存在していた燃料)がまだ消費されていないと考え、この判定を繰り返し、後述する図3の回転同期ルーチンによる補正を続行する。
ΣQa>IVの場合は、エンジン停止中の洩れ燃料が全て消費されたと考え、S11へ進む。S11では、第1補正要求フラグF1及び第2補正要求フラグF2をリセットすることで(F1=0、F2=0)、後述する図3の回転同期ルーチンによる補正を終了する。以降は、通常制御へ移る。
次に、S5での第1のトルク判定で、Te<SL1の場合について、説明する。Te<SL1の場合は、S12へ進む。
S12では、最初に燃料噴射した気筒の膨張行程での発生トルクTeを検出する。すなわち、図4のR1のタイミングで最初に燃料噴射を行った#1気筒(又は#3気筒)がR3(又はR4)のタイミングで膨張行程を迎えるのを待って、当該気筒の膨張行程での発生トルクTeを検出する。トルク検出方法は、S4と同じである。
S13では、S12でのトルク検出が終了すると(すなわち図4のR4(又はR5)のタイミングとなると)、第3のトルク判定として、S12で検出した最初に燃料噴射した気筒の膨張行程での発生トルクTeを、予め定めた第3の所定値SL3と比較し、Te>SL3か否かを判定する。第3の所定値SL2は、適正な燃焼で生じるべきトルクの下限値であり、簡易には、SL3=SL2とすればよい。言い換えれば、適正な初爆が得られたか否かを判定する。
Te>SL3の場合は、適正であるため、補正を行うことなく、通常制御へ移行する。
Te<SL3の場合は、適正な初爆が得られていないため、S14へ進む。
S14では、空燃比センサ16の信号に基づいて、空燃比がリッチかリーンかを判定する。
空燃比がリッチの場合は、第1のトルク判定においてTe<SL1となったのは、燃料洩れを生じていなかったためではなく、燃料洩れ量が多すぎて、リッチ失火を生じたものと考え、燃料噴射量の減量補正を実施すべく、S6へ進む。
空燃比がリーンの場合は、燃料洩れが原因ではないと考え、通常制御により処理することにして、通常制御へ移行する。
尚、本実施形態では、4気筒エンジンとしたため、第1のトルク判定はR3のタイミングで#2気筒に対してのみ行っているが、気筒数の多いエンジンでは、S4、S5を繰り返して燃料噴射の実績のない気筒の膨張行程での(第1の)トルク判定を複数回にわたって実施することになる。
次に図3の回転同期ルーチンについて説明する。本ルーチンは、4気筒の場合、180°毎に実行される。
S21では、第1補正要求フラグF1が立っているか否かを判定する。F1=0の場合は処理を終了し、F1=1の場合にS22へ進む。
S22では、排気行程にある気筒の燃料噴射量を減量補正する。例えば図4のR3のタイミングでは、#2気筒の燃料噴射量を減量補正し、R4のタイミングでは#1気筒の燃料噴射量を減量補正する。
S23では、補正無しで噴射済みの圧縮行程気筒は有るか否かを判定する。有る場合は、S24へ進み、当該気筒の点火時期を進角側に補正する。例えば図4のR3のタイミングでの#3気筒、R4のタイミングでの#4気筒が該当し、燃料噴射量の補正が間に合わないので、点火時期を進角側に補正することで、回転落ち等を防止する。
S25では、第2補正要求フラグF2が立っているか否かを判定する。F2=0の場合はリターンし、F2=1の場合にS26へ進む。
S26では、圧縮行程にある気筒の点火時期を進角側に補正する。例えば図4のR7のタイミングでは#3気筒、R8のタイミングでは#4気筒に対し、点火時期を進角補正する。燃料噴射量減量補正のみではトルクが不足しているので、点火時期の進角補正によりトルクアップを図るのである。
又は、吸入空気量を増量補正してもよい。すなわち、例えば図4のR7のタイミングから、電制スロットル弁9の開度を増大側に補正することで、吸入空気量を増量し、空燃比をリーン化して、トルクアップを図るのである。
尚、S22での燃料噴射量の減量補正、S24での点火時期の進角補正、S26での点火時期の進角補正又は吸入空気量の増量補正に際しては、前述のS1で推定した燃料洩れ量に応じて、補正量を決定し、推定燃料洩れ量が多いほど、補正量を大きくするとよい。このように、前回のエンジン停止時の運転情報(水温、燃圧、外気温、大気圧のうち少なくとも1つ)を記憶し、これに基づいてエンジン停止中の燃料噴射弁から吸気通路への燃料洩れ量を推定し、前記噴射量の補正、前記点火時期の補正、又は、前記吸入空気量の補正に反映させることにより、補正量の最適化を図ることができる。
本実施形態によれば、エンジン始動時に、燃料噴射が行われた実績のない気筒に対して点火を行って、当該気筒の燃焼で生じる第1のトルクを検出し、検出された第1のトルクに応じて、その後に行われる燃料噴射の噴射量を補正することにより、特に、前記第1のトルクが第1の所定値を超えた場合に、前記噴射量を減量補正することにより、エンジン停止中の燃料噴射弁の油密不良による燃料洩れに起因するリッチ失火を防止することができる。
すなわち、図5を参照し、燃料噴射が行われた実績のない気筒に対し点火を行ったときに、当該気筒の燃焼で生じるトルクがトルク判定しきい値(SL1)より大きいとき、言い換えれば図5の点線のようにイレギュラーな初爆を生じたときは、燃料洩れが多いことを意味し、噴射量を補正しないときは、過剰に燃料が供給されて、リッチ失火によるトルク低下を招くことがあるが、その後の噴射量等を補正することで、図5の点線から実線のようにトルクアップを図ることができ、またエミッションの悪化(HC)を図5の点線から実線のレベルまで低下させ、始動時の回転上昇も図5の点線から実線のレベルへ変化させて、始動不良を回避できる。また、高価な油密対策を必要とせず、コストの低減ができる。
また、スロットル弁から吸気弁までの吸気通路の容積に相当する量の吸気が行われた後は、前記噴射量の補正を終了することにより、洩れ燃料が消費された後の無駄な補正を速やかに終わらせることができる他、他制御の演算遅延を防止することができる。
また、前記第1のトルクが前記第1の所定値を超えた場合に、前記噴射量の減量補正をする前に噴射済みで点火を迎える気筒については、その点火時期を進角側に補正することにより、燃料噴射量の補正が間に合わない気筒についても最低限の補正を行って、速やかに対応することが可能となる。
また、前記噴射量の減量補正をした気筒について当該気筒の燃焼で生じる第2のトルクを検出し、検出された第2のトルクが第2の所定値を超えない場合に、前記噴射量の減量補正と共に、点火時期を進角側に補正することにより、噴射量の減量補正のみでは対応しきれない場合でも、点火時期の補正によって、より適切な対応が可能となる。
また、前記噴射量の減量補正をした気筒について当該気筒の燃焼で生じる第2のトルクを検出し、検出された第2のトルクが第2の所定値を超えない場合に、前記噴射量の減量補正と共に、吸入空気量を増量補正することにより、噴射量の減量補正のみでは対応しきれない場合でも、吸入空気量の補正によって、より適切な対応が可能となる。
また、前記第1のトルクが前記第1の所定値を超えない場合は、最初に燃料噴射を行った気筒について当該気筒の燃焼で生じる第3のトルクを検出し、検出された第3のトルクが第3の所定値を超えない場合に、その後に行われる燃料噴射の噴射量を減量補正することにより、燃料洩れ量が多すぎて、噴射前の点火で燃えず、噴射後の点火でも燃えなかった場合にも、その後の噴射量の減量補正により、リッチ失火を回避することができる。
また、前記第3のトルクが前記第3の所定値を超えない場合の前記噴射量の減量補正は、空燃比を検出し、空燃比がリッチ側の場合のみ行うことにより、何らかの影響(バッテリ電圧低下による燃料噴射弁の開弁時間の減少、燃圧低下、燃料噴射弁の詰まり等)でリーン失火している場合は、補正を行わないようにして、適切な対応が可能となる。
本発明の一実施形態を示すシステム図 始動時制御のメインフローチャート 始動時の回転同期ルーチンのフローチャート 気筒判別後の燃料噴射及び点火のパターン図 補正のイメージ図 燃料洩れ量予測テーブルを示す図
符号の説明
1 エンジン
3 燃焼室
4 点火栓
5 吸気弁
6 排気弁
7 吸気通路
8 排気通路
9 電制スロットル弁
10 燃料噴射弁
11 ECU
12 カム角センサ
13 クランク角センサ
14 エアフローメータ
15 水温センサ
16 空燃比センサ

Claims (14)

  1. 吸気通路に各気筒毎に燃料噴射弁を有するエンジンにおいて、
    エンジン始動時に、燃料噴射が行われた実績のない気筒に対して点火を行って、当該気筒の燃焼で生じる第1のトルクを検出し、検出された第1のトルクに応じて、その後に行われる燃料噴射の噴射量を補正することを特徴とするエンジンの始動性能向上装置。
  2. スロットル弁から吸気弁までの吸気通路の容積に相当する量の吸気が行われた後は、前記噴射量の補正を終了することを特徴とする請求項1記載のエンジンの始動性能向上装置。
  3. 前記第1のトルクが第1の所定値を超えた場合に、前記噴射量を減量補正することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエンジンの始動性能向上装置。
  4. 前記第1のトルクが前記第1の所定値を超えた場合に、前記噴射量の減量補正をする前に噴射済みで点火を迎える気筒については、その点火時期を進角側に補正することを特徴とする請求項3記載のエンジンの始動性能向上装置。
  5. 前記噴射量の減量補正をした気筒について当該気筒の燃焼で生じる第2のトルクを検出し、検出された第2のトルクが第2の所定値を超えない場合に、前記噴射量の減量補正と共に、点火時期を進角側に補正することを特徴とする請求項3又は請求項4記載のエンジンの始動性能向上装置。
  6. 前記噴射量の減量補正をした気筒について当該気筒の燃焼で生じる第2のトルクを検出し、検出された第2のトルクが第2の所定値を超えない場合に、前記噴射量の減量補正と共に、吸入空気量を増量補正することを特徴とする請求項3又は請求項4記載のエンジンの始動性能向上装置。
  7. 前記第1のトルクが前記第1の所定値を超えない場合は、最初に燃料噴射を行った気筒について当該気筒の燃焼で生じる第3のトルクを検出し、検出された第3のトルクが第3の所定値を超えない場合に、その後に行われる燃料噴射の噴射量を減量補正することを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1つに記載のエンジンの始動性能向上装置。
  8. 前記第3のトルクが前記第3の所定値を超えない場合の前記噴射量の減量補正は、空燃比を検出し、空燃比がリッチ側の場合のみ行うことを特徴とする請求項7記載のエンジンの始動性能向上装置。
  9. 前回のエンジン停止時の運転情報を記憶し、これに基づいてエンジン停止中の燃料噴射弁から吸気通路への燃料洩れ量を推定し、前記噴射量の補正に反映させることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載のエンジンの始動性能向上装置。
  10. 前回のエンジン停止時の運転情報を記憶し、これに基づいてエンジン停止中の燃料噴射弁から吸気通路への燃料洩れ量を推定し、前記点火時期の補正に反映させることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のエンジンの始動性能向上装置。
  11. 前回のエンジン停止時の運転情報を記憶し、これに基づいてエンジン停止中の燃料噴射弁から吸気通路への燃料洩れ量を推定し、前記吸入空気量の補正に反映させることを特徴とする請求項6記載のエンジンの始動性能向上装置。
  12. 前回のエンジン停止時の運転情報として、水温、燃圧、外気温、大気圧のうち少なくとも1つを記憶することを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれか1つに記載のエンジンの始動性能向上装置。
  13. 前記トルクとして、筒内圧に基づく図示平均有効圧を検出することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載のエンジンの始動性能向上装置。
  14. 前記トルクとして、膨張行程での角加速度を検出することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載のエンジンの始動性能向上装置。
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