JP2010031696A - 自着火燃焼検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期段階での自着火燃焼の発生を検出可能にした自着火燃焼検出装置を新規に提供する。
【解決手段】初期段階での自着火燃焼時の筒内圧波形と正常燃焼時の筒内圧波形とを比較するにあたり、燃焼行程のピストン上死点TDCより後の第1期間G1での波形を比較すれば違いが認識できることが本発明者の検討により明らかになった。この点を鑑み、点火プラグの火花で着火させる火花点火式内燃機関において、内燃機関の筒内圧CP検出値のうち前記第1期間G1でのピークホールド値CPPKHを読み込み(S301)、そのピークホールド値CPPKHが第1閾値TH1より大きくなった場合に、初期段階の自着火燃焼が発生していると判定する初期自着火判定手段S302を備える。
【選択図】 図8

Description

本発明は、点火プラグの火花で着火させる火花点火式内燃機関を対象とした、自着火燃焼検出装置に関する。
点火プラグの火花で着火させる火花点火式内燃機関において、高圧縮比となるよう設計された近年の内燃機関では、点火プラグにより火花着火する場合よりも早いタイミングで圧縮自着火して燃焼する自着火燃焼の発生が懸念される。この懸念に対し特許文献1では、筒内圧のピーク値が基準値を超えた場合に自着火燃焼が発生していると判定し、このように自着火燃焼の発生を検出した場合には、燃料噴射を禁止する等の制御により自着火燃焼の抑制を図っている。
特開2008−8235号公報
ここで、本発明者による各種試験等により、自着火燃焼が一度発生すると、次回の燃焼では燃焼エネルギが大きな自着火燃焼が発生し、その次の燃焼ではさらに燃焼エネルギの大きな自着火燃焼が発生するといったように、自着火燃焼は徐々に増大成長していくことが明らかになった。この増大成長現象を表したのが図2の筒内圧検出値であり、実線L1に示す筒内圧波形が火花着火によるものであり、初回の自着火燃焼では実線L2に示す波形となる。そして、回を増すごとに実線L3,L4,L5,L6,L7と筒内圧は徐々に変化していくことが分かった。
しかしながら、実線L7に示される増大現象の後期段階での自着火燃焼では、筒内圧の最大値が正常燃焼時の最大値P1よりも遥かに大きくなっているものの、実線L4,L5に示される初期段階での自着火燃焼では、筒内圧の最大値は正常燃焼時の最大値P1と殆ど同じである。したがって、特許文献1記載の如く筒内圧の最大値が基準値を超えたか否かに基づき自着火燃焼の発生を検出する従来手法では、初期段階での自着火燃焼を検出することができない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、初期段階での自着火燃焼の発生を検出可能にした自着火燃焼検出装置を新規に提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、点火プラグの火花で着火させる火花点火式内燃機関に適用され、前記内燃機関の筒内圧又はその筒内圧と相関のある物理量を筒内圧検出値として取得する筒内圧取得手段と、前記筒内圧取得手段により取得した前記筒内圧検出値のうち、燃焼行程のピストン上死点より後に設定された所定の第1期間での値に基づき、初期段階の自着火燃焼が発生しているか否かを判定する初期自着火判定手段と、を備えることを特徴とする。
先述した図2に示す筒内圧波形のうち、初期段階での自着火燃焼時の波形L4,L5と正常燃焼時の波形L1とを比較するにあたり、燃焼行程のピストン上死点TDCより後の所定の第1期間G1での波形を比較すれば違いが認識できることが本発明者の検討により明らかになった。したがって、筒内圧検出値のうち、燃焼行程のピストン上死点より後に設定された第1期間での値に基づき、初期段階での自着火燃焼発生有無を判定する上記請求項1記載の発明によれば、初期段階での自着火燃焼の発生を容易に検出することができる。
請求項2記載の発明では、前記初期自着火判定手段は、前記筒内圧検出値のうち前記第1期間での最大値が所定の第1閾値(例えば図2中の符号TH1に示す値)よりも大きい場合に初期段階の自着火燃焼が発生していると判定することを特徴とする。これによれば、例えばピークホールド回路等を用いることにより、初期段階の自着火燃焼発生有無を容易に判定できる。すなわち、図2の例では波形L4に示す初期段階の自着火燃焼を容易に検出できる。
請求項3記載の発明では、前記第1閾値は、前記内燃機関の運転状態に応じて可変設定されることを特徴とする。例えば、クランク軸の回転速度(以下、エンジン回転速度と記載)が高回転である場合や内燃機関の負荷(以下、エンジン負荷と記載)が高負荷である場合には、正常燃焼による筒内圧の波形も全体的に高くなるので、このような場合には自着火初期判定に用いる第1閾値を高くするよう可変設定することが望ましい。これによれば、自着火初期判定の判定精度を向上できる。
請求項4記載の発明では、前記第1期間は、前記内燃機関の運転状態に応じて可変設定されることを特徴とする。
筒内圧波形のうち、初期段階での自着火燃焼時の波形L4,L5と正常燃焼時の波形L1との比較で違いが顕著に現れる第1期間は、内燃機関の運転状態(例えば、エンジン回転速度やエンジン負荷等)に応じて変化するので、その運転状態に応じて第1期間を可変設定する上記請求項4記載の発明によれば、初期自着火判定手段による判定の精度を向上できる。
請求項5記載の発明では、前記初期自着火判定手段により初期段階の自着火燃焼が発生していると判定された場合に、自着火燃焼を抑制させるよう前記内燃機関の制御内容を変更する初期自着火抑制手段を備えることを特徴とする。
これによれば、自着火燃焼を初期段階で検出してその自着火燃焼が抑制されるので、増大成長現象により燃焼エネルギの大きな自着火燃焼が発生することを、初期段階で未然に防止できる。
前記初期自着火抑制手段の具体例として、前記初期自着火判定手段により初期段階の自着火燃焼が発生していると判定された場合に、燃料噴射量を増大させるよう燃料噴射弁の制御内容を変更すること(請求項6参照)と、吸気バルブの閉弁時期が吸気行程のピストン下死点よりも遅くなるようバルブタイミング調整装置の制御内容を変更すること(請求項7参照)とが挙げられる。
上記請求項6記載の如く燃料噴射量を増大させれば、噴射された液体の燃料が気化することにより、その気化熱分だけ気筒内温度を冷却できるので、自着火を容易に抑制できる。また、上記請求項7記載の如く吸気バルブの閉弁時期を吸気行程のピストン下死点よりも遅くすれば、ピストンが下死点から上昇して圧縮するにあたり実質的な圧縮期間が短くなるので、自着火を容易に抑制できる。
請求項8,9記載の発明では、前記筒内圧取得手段により取得した前記筒内圧検出値のうち、燃焼行程のピストン上死点を少なくとも含む所定の第2期間での最大値が所定の第2閾値(例えば図2中の符号TH2に示す値)よりも大きい場合に、自着火燃焼の後期状態であると判定する後期自着火判定手段を備えることを特徴とする。
先述したように、初期段階での自着火燃焼時の波形L4,L5と正常燃焼時の波形L1とを比較すると、燃焼行程のピストン上死点TDCより後の第1期間G1で顕著に波形の違いが現れる。これに対し、後期段階での自着火燃焼時の波形L7と正常燃焼時の波形L1とを比較すると、燃焼行程のピストン上死点を含む所定の第2期間G2で顕著に波形の違いが現れる。
この点に鑑みた上記請求項8,9記載の発明によれば、自着火燃焼の初期段階については、ピストン上死点より後に設定された第1期間での筒内圧検出値に基づき発生有無を判定し、自着火燃焼の後期段階については、ピストン上死点を含む第2期間での筒内圧検出値に基づき発生有無を判定するので、自着火燃焼の後期段階を精度良く検出できるとともに、初期段階及び後期段階のいずれが発生しているかの判別をも精度良く検出できる。
なお、後期自着火判定手段による判定で用いる第2閾値は、初期自着火判定手段による判定で用いる第1閾値よりも大きい値に設定することが望ましい。
さらに請求項9記載の発明では、前記後期自着火判定手段により後期段階の自着火燃焼が発生していると判定された場合に、自着火燃焼を抑制させるよう前記内燃機関の制御内容を変更する後期自着火抑制手段を備え、前記後期自着火抑制手段では、前記初期自着火抑制手段に比べて大きく抑制させる、或いは前記内燃機関の運転を停止させるよう前記変更を行うことを特徴とする。
先述したように、後期自着火発生時の燃焼エネルギは初期自着火発生時に比べて極めて大きいため、後期自着火発生時には内燃機関の各部位損傷がより一層懸念される。そこで、上記請求項9記載の発明では、後期自着火抑制手段では、初期自着火抑制手段に比べて大きく抑制或いは機関運転停止させるので、上記懸念を好適に解消できる。
前記後期自着火抑制手段の具体例として、請求項10記載の如く、吸入空気量に制限をかける、機関回転速度及び負荷に制限をかける、燃料噴射を禁止して内燃機関を運転停止させる、等が挙げられる。これによれば、後期自着火を迅速に回避できるので、前述した内燃機関の各部位損傷の懸念を好適に解消できる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態は、車両に搭載される火花点火式の多気筒4サイクルガソリンエンジンを制御対象とし、当該エンジンにおける各種アクチュエータの電子制御を実施するものとしている。まず、図1によりエンジン制御システムの全体概略構成を説明する。
図1に示す火花点火式エンジン(以下、エンジン10という)において、吸気管11の上流部には吸入空気量を検出するためのエアフロメータ12が設けられている。エアフロメータ12の下流側には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ13によって開度調節されるスロットルバルブ14が設けられており、該スロットルバルブ14の開度(スロットル開度)はスロットルアクチュエータ13に内蔵されたスロットル開度センサにより検出される。
吸気管11のうちサージタンク部15の下流側には、電磁駆動式のインジェクタ16(燃料噴射弁)が設けられており、該インジェクタ16により吸気管11内に噴射される。つまり、当該エンジン10はポート噴射式である。インジェクタ16に対しては、図示しない高圧ポンプと燃料配管(デリバリパイプ)とを通じて高圧燃料が供給されるようになっている。
また、エンジン10の吸気ポート及び排気ポートにはそれぞれ吸気バルブ17及び排気バルブ18が設けられており、吸気バルブ17の開動作により吸入空気が燃焼室24内に導入され、排気バルブ18の開動作により燃焼後の排気が排気管に排出される。吸気バルブ17の開閉時期(バルブタイミング)は可変バルブ装置19(バルブタイミング調整装置)により調整可能である。具体的には、可変バルブ装置19はクランク軸20からカム軸21への動力伝達経路に配置されており、クランク軸20の回転角度に対するカム軸21の回転角度の相対位置(位相)を可変とする構造である。
エンジン10のシリンダヘッドには各気筒に対して点火プラグ22が取り付けられており、点火プラグ22には、点火コイル23等を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ22の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室24内において燃料が着火されて燃焼に供される。
エンジン10のシリンダブロックには、燃焼室24内の圧力を検出する筒内圧センサ25、エンジン冷却水の温度を検出する冷却水温センサ26、エンジンの所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角センサ27等が取り付けられている。そして、エンジン制御を司る電子制御ユニット(以下、ECU40という)には、これらのセンサ25,26,27や前述したエアフロメータ12による検出信号が入力される。また、車両ドライバによるアクセル操作量を検出するためのアクセルセンサ等、エンジン10の運転状態や車両の各種情報が符号28に示す如くECU40に入力される。
ECU40は、CPU42(図6参照)、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、上記各種センサ12,25〜28等の検出信号に応じてインジェクタ16の燃料噴射量や燃料噴射時期、点火プラグ22の点火時期、スロットルバルブ14の開度等を制御するとともに、可変バルブ装置19の油圧アクチュエータ29の作動を制御することで吸気バルブ17の開閉時期を適宜制御する。
ところで、エンジン10を高圧縮比となるよう設計している場合には、燃焼室24の温度が高温になってくると、点火プラグ22により火花着火する場合よりも早いタイミングで圧縮自着火して燃焼する自着火燃焼の発生が懸念される。そして、図2を用いて先述したように、筒内圧センサ25にて検出された筒内圧の波形は、自着火燃焼が一度発生すると、L2,L3,L4,L5,L6,L7と徐々に変化していき、燃焼エネルギが徐々に増大するよう自着火燃焼の態様は増大成長していく。
ECU40は、このような初期段階での自着火燃焼L4,L5の発生有無と、後期段階での自着火燃焼L7の発生有無とを検出する。以下、自着火燃焼の発生有無を判定する手順を説明する。図3は、この判定を実行するECU40のマイコンによるベースルーチン処理の手順を示しており、イグニッションスイッチがオン操作されたことをトリガとして起動した後、所定周期(例えばCPU42が行う演算周期)毎又は所定のクランク角度毎に繰り返し実行される。なお、図3の処理を実行する時のECU40は自着火燃焼検出装置に相当する。
先ず、ベースルーチン処理である図3のステップS1においてプログラムの初期化が行われ、続くステップS2は、初期段階での自己着火を検出するための自己着火検出ゲート(以下、CIゲートと記載)を設定する、自己着火検出ゲートルーチンである。このCIゲートは、筒内圧センサ25の検出値(筒内圧検出値CP)のうち以下に説明する所定の第1期間G1で検出された値のみを抽出するためのゲートである。
ここで、初期段階での自着火燃焼時の波形L4,L5と正常燃焼時の波形L1とを比較するにあたり、クランク角のうち、燃焼行程でのピストン30の上死点TDCより後の第1期間G1での波形を比較すれば違いが認識できることは先述した通りである。そして、初期段階での自着火燃焼時の波形L4,L5と正常燃焼時の波形L1との比較で違いが顕著に現れる第1期間G1は、エンジン10の運転状態(例えば、エンジン回転速度Neや吸気量Ga等)に応じて変化する。そこで上記ステップS2では、その運転状態に応じて所定期間G1が可変設定されるよう、CIゲートを設定する。
続くステップS3(初期自着火判定手段)は、ステップS2にて設定されたCIゲートにより抽出された筒内圧検出値CPに基づき、初期段階での自己着火が発生したか否かを判定する為の、自己着火初期段階判定ルーチンである。続くステップS4(後期自着火判定手段)は、燃焼行程でのピストン30の上死点を少なくとも含む所定の第2期間G2に検出された筒内圧検出値CPに基づき、後期段階での自己着火が発生したか否かを判定する為の、自己着火後期段階判定ルーチンである。
続くステップS5(初期自着火抑制手段,後期自着火抑制手段)は、ステップS3で自己着火発生と判定された場合に、その自己着火燃焼を抑制するようエンジンの制御内容を変更する為の、自己着火抑制ルーチンである。ステップS5によるルーチン処理が終了した後は、ステップS1での初期化処理を避け、ステップS2以降の処理を繰り返し実行する。
次に、上記ステップS2による自己着火検出ゲートルーチンの詳細を、図4を用いて説明する。自己着火検出ゲートルーチンS2はTDC毎(ピストン上死点位置に相当するクランク角毎)に実行するルーチンである。
先ずステップS201にて、クランク角センサ27から出力される検出信号に基づき算出された、エンジン回転速度Neを読み込む。次にステップS202にて、エアフロメータ12から出力される検出信号に基づき算出された、吸入空気の質量流量(吸気量Ga)を読み込む。次にステップS203にて、冷却水温センサ26から出力される検出信号に基づき算出された、エンジン冷却水温THwを読み込む。
続くステップS204では、ステップS203で読み込んだエンジン冷却水温THwが、所定の水温αより高いか否かを判定する。ここで、THw≦αの場合には、エンジン10の暖機状態が不充分であるため燃焼も緩慢であり、自己着火が発生する可能性は極めて低い。そこで、THw≦αと判定された場合(S204:NO)には、続くステップS205において、自己着火検出ゲート(CIゲート)に対して設定されたON/OFFタイミングをイニシャルセットする。そのため、ステップS3による自己着火燃焼の発生有無判定は実質的に実行されないこととなる。
一方、THw>αの場合には、自己着火が発生する可能性が高いため、続くステップS206,S207において、CIゲートのON/OFFタイミングを設定することで、ステップS3による自己着火燃焼の発生有無判定を実行させる。ON/OFFタイミングは、エンジン運転状態(ここではエンジン回転速度Ne及び吸気量Ga)に基づき設定される。
図4中のマップM1は、Ne及びGaに対するCIゲートの最適ONタイミングが記憶されたマップであり、マップM2は、Ne及びGaに対するCIゲートの最適OFFタイミングが記憶されたマップである。つまり、初期段階での自着火燃焼時の波形L4,L5と正常燃焼時の波形L1との比較で違いが顕著に現れる第1期間G1は、Ne及びGaに応じて変化するので、そのNe及びGaに応じて前記違いが顕著に現れる最適な第1期間G1を予め試験等により取得しておき、その取得した最適値をマップM1,M2に記憶させている。
そして、前記ステップS206,S207では、ステップS201,S202で読み込んだNe及びGaに基づき前記マップM1,M2を参照して、最適ONタイミング(A)と最適OFFタイミング(B)を算出する。これらの算出が為されると、図4に示す本ルーチンを終了する。
次に、自己着火を検出する為の検出範囲(第1期間G1)を指定するCIゲートの生成プロセスを、図5に示すタイムチャートを用いて説明する。
先ず、TDCのタイミングt1で、前記ステップS206で算出したONタイミング(A)までの時間を、計時手段であるタイマAにセットし、タイマAによる計時を開始する。その後、タイマAによる計時カウントがONタイミング(A)となった時、CIゲートをONするとともに、前記ステップS207で算出したOFFタイミング(B)までの時間を、計時手段であるタイマBにセットし、タイマBによる計時を開始する。その後、タイマBによる計時カウントがOFFタイミング(B)となった時、CIゲートをOFFし、CIゲートを生成する。
次に、筒内圧CPを検出して初期段階での自己着火燃焼を検出する為のハード構成を、図6のブロック図を用いて説明する。
ECU40内には、図6に示すA/Dコンバータ41、CPU42、ゲート回路43、ピークホールド回路44等が備えられている。そして、エンジン回転速度Ne、吸気量Ga、冷却水温THw等のエンジン10の運転情報(検出信号)は、各種センサ27,12,26からA/Dコンバータ41を介して、或いは直接に、CPU42に入力される。また、筒内圧センサ25から出力される筒内圧信号CPは、ゲート回路43を介してピークホールド回路44に取り込まれ、ピークホールド信号CPPKHがCPU42に入力される構成となっている。
ゲート回路43は、CPU42より指示されたゲートON時のみ、筒内圧信号CPをピークホールド回路に入力させるよう機能する。ピークホールド回路44は、ゲート開区間中(つまり第1期間G1)に入力される筒内圧信号CPの最大値を抽出して、CPU42に出力する。
このゲート開区間におけるピークホールド値CPPKHの状態を、図7のタイムチャートを用いて説明する。ゲート回路43は、CIゲートのONしている区間をゲート開区間(第1期間G1)として設定し、ピークホールド回路44は、ゲート開区間の筒内圧CPよりピーク圧力をホールドし、そのホールド値をピークホールド値CPPKHとしてCPU42に出力する。CPU42は、入力されたピークホールド値CPPKHが所定の第1閾値TH1より大きい場合に、初期段階の自己着火が発生していると判定する。
図7中の1点鎖線は自己着火なしの場合の筒内圧CP及びピークホールド値CPPKHの変化を示し、図7中の実線は初期段階の自己着火ありの場合における両値CP,CPPKHの変化を示す。CPPKH>TH1であり初期段階の自己着火が発生していると判定した時には初期自己着火発生フラグXCIを1にセットする。
図7の最上段に示す筒内圧CPの波形のうち、初期段階での自着火燃焼時の実線に示す波形と、1点鎖線に示す正常燃焼時の波形との比較で違いが顕著に現れる期間は、エンジン10の運転状態(例えば、エンジン回転速度Neや吸気量Ga)に応じて変化するので、その運転状態に応じてゲート開区間(第1期間G1)を可変設定する。
また、初期段階での自着火燃焼が発生している場合には、第1期間G1での筒内圧CPが全体的に高くなるものの、そのピークホールド値CPPKHは、ピストン30の圧縮によるTDC時の筒内圧CPよりは低くなっている場合がある。その為、第1閾値TH1を、燃焼が生じていない場合のTDC時の筒内圧CPより低い値に設定している。
図8は、前述した初期段階での自己着火の発生有無を判定する、図3のベースルーチンにおけるステップS3の処理を示すフローチャートであり、本ルーチンは、CIゲートのOFFタイミング毎に実行されるルーチンである。
先ずステップS301(筒内圧取得手段)にて、CIゲートの開区間(第1期間G1)でのピークホールド値CPPKHを読み込む。本実施形態での第1期間G1は、例えばATDC30℃A〜90℃Aに設定されている。
続くステップS302(初期自着火判定手段)では、CPPKH>TH1であるか否かを判定する。CPPKH≦TH1である場合には初期段階の自己着火が発生していないと判定して、ステップS303にて初期自己着火発生フラグXCIをゼロにセットする。一方、CPPKH>TH1である場合には初期段階の自己着火が発生していると判定して、ステップS304にて初期自己着火発生フラグXCIを1にセットする。ステップS303,S304の処理後、本ルーチンを終了する。
図2を用いて先述したように、自着火燃焼が一度発生すると、自着火燃焼を抑制するようエンジン10の制御内容を変更しなければ、自着火燃焼は徐々に増大成長していく。図9は、このように増大成長した後期段階での自己着火の発生有無を判定する、図3のベースルーチンにおけるステップS4の処理を示すフローチャートであり、本ルーチンは、1燃焼サイクル毎に実行されるルーチンである。
先ずステップS401にて、燃焼行程のピストン上死点TDCを含む所定の第2期間G2(図2参照)での筒内圧CPのピークホールド値CPPKHaを読み込む。本実施形態での第2期間G2は、例えばBTDC30℃A〜ATDC90℃Aに設定されている。
続くステップS402(後期自着火判定手段)では、ピークホールド値CPPKHaが所定の第2閾値TH2より大きいか否かを判定する。なお、第2閾値TH2は第1閾値TH1よりも高い値に設定されている。また、第2閾値TH2は燃焼が生じていない場合のTDC時の筒内圧CPより高い値に設定されている。
CPPKHa≦TH2である場合には後期段階の自己着火が発生していないと判定して、ステップS403にて後期自己着火発生フラグXCIaをゼロにセットする。一方、CPPKHa>TH2である場合には後期段階の自己着火が発生していると判定して、ステップS404にて後期自己着火発生フラグXCIaを1にセットする。ステップS403,S404の処理後、本ルーチンを終了する。
次に、図3に示すベースルーチン中、ステップS5の自己着火抑制ルーチンの詳細について説明する。
自己着火抑制ルーチンS5では、自着火を抑制するようエンジン制御内容を変更するにあたり、初期自着火が検出された場合(XCI=1)と後期自着火が検出された場合(XCIa=1)とで異なる手法で自着火抑制を図っている。つまり、後期自着火発生時には、初期自着火発生時に比べて即座に自着火を抑制することが要求される。そこで、後期自着火発生時における自着火抑制では、クランク軸20等の損傷を回避すべくエンジン10をリンプホーム運転(縮退運転)させる、或いはエンジン10の駆動を停止させる。リンプホーム運転の具体例としてはスロットルバルブ14の開度を所定開度以下(例えばアイドル運転時の開度)に制限することや、エンジン回転速度Neや吸気量Gaが所定値以下となるように制限することが挙げられる。また、エンジン駆動停止の具体例としては燃料噴射を停止させることが挙げられる。
一方、初期自着火発生時における自着火抑制の手法については、図10のフローチャートを用いて以下に説明する。なお、図10に示す本ルーチンは、TDC毎に実行されるルーチンである。 先ずステップS501にてエンジン回転速度Neを読み込み、続くステップS502にて吸気量Gaを読み込む。次に、可変バルブ装置19による吸気バルブ17の開弁期間を制御するにあたり、その開閉期間の目標値(最終VVT進角値TVVT)を、以降のステップS503〜S510により算出する。
先ずステップS503では、ステップS501,S502で読み込んだ回転速度Ne及び吸気量Gaに基づき、可変バルブ装置19による開弁ベース進角値TVVTBを算出する。具体的には、Ne,Gaにて決まる運転領域毎に予め設定した最適開弁タイミングをマップM3(図10参照)に記憶させておき、そのマップM3から読み込んだ値(C)を開弁ベース進角値TVVTBとして設定する。
なお、本実施形態にかかるエンジン10は高圧縮比に設定されている為、吸気の充填効率並びに、自己着火発生回避を考慮して、マップM3に記憶された最適開弁タイミングは設定されている。すなわち、VVT進角値TVVTを進角させるほど吸気充填効率は向上するが、その背反として自己着火が発生しやすくなる。よって、自己着火が発生しない程度の限界までVVT進角値TVVTを進角させるよう、先述の最適開弁タイミングは設定されている。
次に、ステップS504において、初期自己着火発生フラグXCIに基づき初期段階の自己着火が発生しているか否かを判定する。XCI=1であり初期自己着火発生有りと判定された場合には、続くステップS505にて、VVT遅角ディザ量DCRVTAを算出する。DCRVTAは、エンジン10の運転状態(ここではNe及びGa)に応じてVVT遅角スピードを変更できるよう、Ne,Gaにて決まる運転域毎に予め設定した最適ディザ量をマップM4(図10参照)に記憶させておき、そのマップM4から読み込んだ値(D)をVVT遅角ディザ量DCRVTAとして設定する。
続くステップS506ではVVT補正量TDCRVVTを算出する。具体的には、以下の式1に示すように、前回算出したTDCRVVTに自己着火補正DCRVTAを加えることで今回のTDCRVVTを算出する。これにより、VVT進角値TVVTが遅角側の安全サイドに設定変更され、自己着火が抑制されることとなる。
TDCRVVT=TDCRVVT(i−1)+DCRVTA…(式1)
次に、ステップS507にてVVT補正量ガードの上限値GDCRVTMAXを求める。具体的には、Ne,Gaにて決まる運転領域毎に予め設定した最適上限値をマップM5(図10参照)に記憶させておき、そのマップM5から読み込んだ値(E)を上限値GDCRVTMAXとして設定する。また、続くステップS508では、VVT補正量ガードの下限値GDCRVTMINを求める。ここでは、エンジン運転領域に拘わらずGDCRVTMINをゼロに設定する。
続くステップS509では、ステップS506で算出したVVT補正量TDCRVVTを、ステップS507,S508で設定した上限値GDCRVTMAX及び下限値GDCRVTMINでガードする。つまり、ステップS506で算出したTDCRVVTがGDCRVTMAXより大きい場合にはTDCRVVTの値をGDCRVTMAXとし、ステップS506で算出したTDCRVVTがGDCRVTMINより小さい場合にはTDCRVVTの値をGDCRVTMINとする。
次に、ステップS510にて最終VVT進角値TVVTを算出する。具体的には、以下の式2に示すように、ステップS503で算出したベース進角値TVVTBから、ステップS509で設定したTDCRVVTを減算することで、最終VVT進角値であるTVVTを算出する。つまり、TDCRVVTによりベース進角値TVVTBは遅角側に補正される。
TVVT=TVVTB−TDCRVVT…(式2)
仮に、ステップS504にて自己着火の発生が無いと判定されれば(XCI=0)ば、ステップS511にてVVT進角ディザ量DCRVTSを算出する。これはステップS505にて算出した方法と同様に、運転域毎にマップ算出する。そして、続くステップS512ではステップS506と同様にVVT補正量TDCRVVTを算出する。具体的には、以下の式3に示すように、前回算出したTDCRVVTから進角補正DCRVTSを減算することで今回のTDCRVVTを算出する。これにより、VVT進角値TVVTが進角側に設定変更され、吸気の充填効率向上が促進されることとなる。
TDCRVVT=TDCRVVT(i−1)+DCRVTS…(式3)
次に、図10の処理により、最終VVT進角値であるTVVTがどのように変化するかを、図11のタイムチャートを用いて説明する。
図11中の最上段は、燃焼行程のピストン上死点TDCの出現タイミングt1〜t8を表しており、燃焼行程毎に取得した筒内圧CPの波形を図11中の最下段に示す。そして、図中の符号(1)〜(8)は、第1閾値TH1に基づく初期自着火発生有無の判定が為されるタイミングを表しており、この判定はTDC毎に実行される。
図11の例では、判定(1)〜(4)において初期段階での自着火燃焼が発生していると判定されており、したがって、t1〜t4の期間は、自着火発生検出期間として初期自己着火発生フラグXCIをセット(XCI=1)し続ける。そして、XCI=1にセットされた時点から、VVT進角値TVVTは、TDC毎に遅角ディザ量(DCRVTA)だけベース値TVVTBより遅角し続ける。そのため、吸気バルブ17の閉弁時期が吸気行程のピストン下死点よりも遅く設定されている場合において、その閉弁時期を遅角させるほど、ピストンが下死点から上昇して圧縮するにあたり実質的な圧縮期間が短くなるので、筒内圧CPは減少し、自着火燃焼は抑制されていく。
その後、自着火燃焼の発生が無くなったと判定した時点(判定(5)による判定時点)から、初期自己着火発生フラグXCIをゼロに設定するとともに、VVT進角値TVVTは、TDC毎に進角ディザ量(DCRVTS)だけベース値TVVTBより進角し続ける。以上により、初期段階の自着火燃焼の発生有無に応じて、VVT進角/遅角を繰返すようフィードバック制御が為されるので、自着火発生の限界までVVT進角値TVVTを進角させて内燃機関10の実圧縮を高めることができ、自己着火が発生しない程度の限界まで高効率で燃焼させる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)初期段階での自着火燃焼時の筒内圧波形L4,L5と正常燃焼時の波形L1とを比較するにあたり、燃焼行程のピストン上死点TDCより後の第1期間G1での波形を比較すれば違いが認識できるとの知見に基づき、その第1期間G1における筒内圧CPのピークホールド値CPPKHを検出し、CPPKH>TH1である場合に初期段階での自着火燃焼が発生していると判定する。よって、初期段階での自着火燃焼の発生を容易に検出することができる。
(2)初期自着火発生有無の判定に用いる第1閾値TH1や第1期間G1の設定を、エンジン10の運転状態(例えば、エンジン回転速度Neや吸気量Ga等)に応じて可変させるので、自着火初期判定の判定精度を向上できる。
(3)ここで、後期段階での自着火発生時の筒内圧波形L7と正常燃焼時の筒内圧波形L1とを比較すると、第1期間G1だけを比較すると両波形L7,L1には違いが殆ど現れない。よって、第1期間G1のピークホールド値CPPKHによれば初期自着火は検出できるものの後期自着火の検出は困難である。そこで本実施形態では、ステップS3による初期自着火発生有無の判定とは別に、ステップS4による後期段階での自着火発生有無を判定している。そして、燃焼行程のピストン上死点TDCを含む第2期間G2での波形を比較すれば両波形L7,L1の違いが認識できるとの知見に基づき、その第2期間G2における筒内圧CPのピークホールド値CPPKHaを検出し、CPPKHa>TH2である場合に後期段階での自着火燃焼が発生していると判定する。よって、初期自着火燃焼のみならず後期自着火燃焼の発生をも容易に検出することができる。
(4)初期自着火燃焼を検出した場合には、可変バルブ装置19による吸気バルブ17の開弁期間を遅角させることにより圧縮行程における実質的な圧縮期間を短くして筒内圧CPを減少させる。よって、自着火燃焼を容易に抑制できる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。また、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・ここで、初期段階での自着火燃焼時の筒内圧波形L3,L4,L5は、TDCにてピークP1が出現した後、再度ピークPE3,PE4,PE5が出現する(図2参照)。そして、その再度ピークPE3,PE4,PE5の出現時期は、自着火燃焼が増大成長するにつれて早くなり、後期段階では再度ピークPE7はTDC近傍まで早くなり、ピークP1は再度ピークPE7が重畳することにより出現しなくなる、との知見を得た。
したがって、図8に示す上記実施形態では、第1期間G1における筒内圧CPのピークホールド値CPPKHに基づき初期自着火発生有無を判定しているのに対し、上記知見に鑑みて、第1期間G1における筒内圧CPのピーク出現時期、つまり再度ピークPE3,PE4,PE5の出現時期を検出し、そのピーク出現時期が所定時期より早い場合に初期自着火発生有りと判定するようにしてもよい。
・また、第1期間G1における筒内圧CPのピークホールド値CPPKH(最大値)に基づき初期自着火発生有無を判定することに替え、第1期間G1における筒内圧波形の積算値(面積)、つまり、第1期間G1における時々の筒内圧CPを積算して得られた値に基づき初期自着火発生有無を判定するようにしてもよい。
・ここで、点火プラグ22の両電極には、燃焼室24での燃焼発生に伴いイオン電流が流れる。このイオン電流は、燃焼による火炎が大きいほど多く流れるので、イオン電流は筒内圧と相関があると言える。したがって、図1に示す上記実施形態では、筒内圧センサ25により検出した筒内圧CPに基づき初期自着火有無を判定しているが、上述したイオン電流を検出するイオン電流検出回路45(図1参照)を設け、検出したイオン電流に基づき初期自着火有無を判定するようにしてもよい。なお、イオン電流検出値の波形は、図2及び図7に例示される筒内圧CPの波形と同様の波形となる。よって、第1期間G1での筒内圧波形に基づく初期自着火有無の判定手法と同様の手法により、イオン電流波形に基づき初期自着火有無を判定できる。
・図1に示す上記実施形態では、可変バルブ装置19による吸気バルブ17の開弁期間を遅角させることにより自着火燃焼の抑制を図っているが、本発明はこのような初期自着火抑制手段に限定されるものではなく、例えば、インジェクタ16からの燃料噴射量を増量させることで、噴射された液体の燃料が気化することによる気筒内温度の低下を図り、自着火燃焼の抑制を図るようにしてもよい。或いは、排気の一部を吸気に循環させるEGRシステムが搭載されたエンジンにおいて、そのEGR量を増大させることで燃焼温度低下を図り、自着火燃焼の抑制を図るようにしてもよい。或いは、燃料を燃焼室24へ直接噴射する直噴エンジンの場合において、圧縮行程中での燃料噴射時期を遅角させることで燃焼温度低下を図り、自着火燃焼の抑制を図るようにしてもよい。
本発明の一実施形態にかかる、エンジン制御システムの全体概略構成を示す図。 筒内圧変化を示す図であり、自着火燃焼が徐々に増大成長していく様子を説明する図。 初期自着火燃焼の発生有無を判定するベースルーチン処理の手順を示すフローチャート。 図3のステップS2における自己着火検出ゲートルーチンの詳細を示すフローチャート。 自着火を検出する為の検出範囲(第1期間G1)を指定するCIゲートの生成プロセスを説明するタイムチャート。 筒内圧CPを検出して初期段階での自己着火燃焼を検出する為のハード構成を示すブロック図。 ゲート開区間(第1期間G1)におけるピークホールド値CPPKHの状態変化を示すタイムチャート。 図3のステップS3における初期自着火判定ルーチンの詳細を示すフローチャート。 図3のステップS4における後期自着火判定ルーチンの詳細を示すフローチャート。 図3のステップS5における自己着火抑制ルーチンの詳細を示すフローチャート。 可変バルブ装置による吸気バルブ開弁期間の進角値TVVTの補正による変化の状態を示すタイムチャート。
符号の説明
19…可変バルブ装置(バルブタイミング調整装置)、40…ECU(自着火燃焼検出装置)、G1…第1期間、G2…第2期間、S3,S302…初期自着火判定手段、S301…筒内圧取得手段、S4,S402…後期自着火判定手段、S5…初期自着火抑制手段,後期自着火抑制手段、TH1…第1閾値、TH2…第2閾値。

Claims (10)

  1. 点火プラグの火花で着火させる火花点火式内燃機関に適用され、
    前記内燃機関の筒内圧又はその筒内圧と相関のある物理量を筒内圧検出値として取得する筒内圧取得手段と、
    前記筒内圧取得手段により取得した前記筒内圧検出値のうち、燃焼行程のピストン上死点より後に設定された所定の第1期間での値に基づき、初期段階の自着火燃焼が発生しているか否かを判定する初期自着火判定手段と、
    を備えることを特徴とする自着火燃焼検出装置。
  2. 前記初期自着火判定手段は、前記筒内圧検出値のうち前記第1期間での最大値が所定の第1閾値よりも大きい場合に初期段階の自着火燃焼が発生していると判定することを特徴とする請求項1に記載の自着火燃焼検出装置。
  3. 前記第1閾値は、前記内燃機関の運転状態に応じて可変設定されることを特徴とする請求項2に記載の自着火燃焼検出装置。
  4. 前記第1期間は、前記内燃機関の運転状態に応じて可変設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の自着火燃焼検出装置。
  5. 前記初期自着火判定手段により初期段階の自着火燃焼が発生していると判定された場合に、自着火燃焼を抑制させるよう前記内燃機関の制御内容を変更する初期自着火抑制手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の自着火燃焼検出装置。
  6. 前記初期自着火抑制手段は、前記初期自着火判定手段により初期段階の自着火燃焼が発生していると判定された場合に、燃料噴射量を増大させるよう燃料噴射弁の制御内容を変更することを特徴とする請求項5に記載の自着火燃焼検出装置。
  7. 前記内燃機関には、吸気バルブの閉弁時期を変更可能なバルブタイミング調整装置が搭載されており、
    前記初期自着火抑制手段は、前記初期自着火判定手段により初期段階の自着火燃焼が発生していると判定された場合に、前記吸気バルブの閉弁時期が吸気行程のピストン下死点よりも遅くなるよう前記バルブタイミング調整装置の制御内容を変更することを特徴とする請求項5又は6に記載の自着火燃焼検出装置。
  8. 前記筒内圧取得手段により取得した前記筒内圧検出値のうち、燃焼行程のピストン上死点を少なくとも含む所定の第2期間での最大値が所定の第2閾値よりも大きい場合に、自着火燃焼の後期状態であると判定する後期自着火判定手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の自着火燃焼検出装置。
  9. 前記筒内圧取得手段により取得した前記筒内圧検出値のうち、燃焼行程のピストン上死点を少なくとも含む所定の第2期間での最大値が所定の第2閾値よりも大きい場合に、自着火燃焼の後期状態であると判定する後期自着火判定手段と、
    前記後期自着火判定手段により後期段階の自着火燃焼が発生していると判定された場合に、自着火燃焼を抑制させるよう前記内燃機関の制御内容を変更する後期自着火抑制手段と、
    を備え、
    前記後期自着火抑制手段では、前記初期自着火抑制手段に比べて大きく抑制させる、或いは前記内燃機関の運転を停止させるよう前記変更を行うことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の自着火燃焼検出装置。
  10. 前記後期自着火抑制手段は、前記内燃機関の燃焼室への吸入空気量に制限をかけるよう制御内容を変更、又は前記内燃機関の機関回転速度及び負荷に制限をかけるよう制御内容を変更、又は燃料噴射を禁止して前記内燃機関を運転停止させるよう制御内容を変更することを特徴とする請求項9に記載の自着火燃焼検出装置。
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