JP2008088874A - 火花点火式直噴ガソリンエンジン - Google Patents

火花点火式直噴ガソリンエンジン Download PDF

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Abstract

【課題】高圧縮比エンジンの実用化を図るに当たり、廉価な構成でノッキングを回避し、エミッションを向上すること。
【解決手段】幾何学的圧縮比が14以上に設定されたエンジン本体20を設ける。前記エンジン本体20の排気管140は、排気ポート29から触媒ユニット146までの距離が所定の低排圧仕様となる長さLに設定されている。制御手段は、冷間始動時に、噴射されるべき燃料の少なくとも一部を圧縮行程にて噴射させる冷間始動制御を実行する。
【選択図】図13

Description

本発明は火花点火式直噴ガソリンエンジンに関する。
一般に、非特許文献1に開示されているように、火花点火式ガソリンエンジンは、理論上はオットーサイクル(Otto Cycle)に従うものとされており、その理論熱効率をηthとすると
ηth=1−(1/εκ-1) (1)
(但し、εは圧縮比、κは比熱比)になる、とされている。
(1)式から明らかなように、火花点火式ガソリンエンジンの理論熱効率(従って、図示、正味熱効率)は、あるレベルまでは、圧縮比が高い方が向上する。この点、非特許文献1には、スロットル全開状態(いわゆるWOT: Wide-Open Throttle)にて火花点火式ガソリンエンジンを2000rpmで運転した場合における種々の圧縮比(8≦ε≦20)による理論熱効率の変化を調べた研究が紹介されている。その記載によれば、理論熱効率および平均有効圧力(MEP: Mean Effective Pressure)は、圧縮比が17あたりまでは比例的に上昇し、それ以降は横ばいになる、とされている。
以上のような研究成果を背景にして、高圧縮エンジンの実用化が試みられてきた。
しかし、高圧縮比の火花点火式エンジンでは、全負荷運転領域を含む高負荷運転領域のノッキングによる出力低下が不可避となる。
この点、一般的なノッキング対策としては、点火タイミングをリタードさせる点火リタードが広く知られている。しかしながら、全負荷運転領域を含む高負荷運転領域では、点火リタードによるノッキング回避は出力の低下が大きく、商品性を大きく損なってしまうものと考えられてきた。
図1は高負荷運転時における点火リタードの一例を示すグラフである。
例えば、図1に示すように、通常のエンジンにおいて広く採用されている圧縮比(ε=11)では、点火タイミングを圧縮上死点前4°に設定するとノッキングは生じないが、高圧縮比(ε=13)の場合には、点火タイミングが圧縮上死点前4°であってもノッキングは発生する。従って、高圧縮比を採用するためには、大幅な点火タイミングのリタードが必要であると考えられてきた。このことは、圧縮比を13程度まで上げると、ノッキングを防止するための点火タイミングのリタードによる出力低下が、圧縮比向上分による出力上昇分を凌ぎ、出力が大幅に低下することを意味する。このため従来では、点火タイミングのリタードによる出力低下を考慮して、全負荷運転領域を含む高負荷運転領域については、圧縮比12を高圧縮比の限界として設定し、それ以上の高圧縮比を用いないようにしていた。
そこで、全負荷運転領域を含む高負荷運転領域については、いわゆるアトキンソンサイクル(Atkinson Cycle)や、ミラーサイクル(Miller Cycle)を用いて有効圧縮比を下げる方法が知られている。しかし、高負荷運転時に吸気弁の閉タイミングを変更して、有効圧縮比を下げると、吸気行程において、新気が損なわれて圧力が低下し、充填効率が下がって出力が低下する。
そこで、全負荷運転領域を含む高負荷運転領域において、エンジンの実圧縮比を低減する技術も知られている。例えば、特許文献1、2には、実圧縮比を変更する可変圧縮比機構をエンジンに設け、運転状況に応じて実圧縮比を変更する技術が開示されている。
特開2005−076579号公報 特開2005−146991号公報 John B. Heywood著、"Internal Combustion Engine Fundamentals"
近年、本件発明者は、鋭意研究の結果、ノッキング限界から決まる点火タイミングが圧縮上死点以降になるくらい圧縮比を上げると(圧縮比=13以上)、ノッキング防止のためにリタードされる点火タイミングのリタード量が少なくなるため、当該点火タイミングのリタードによる出力低下を熱効率改善分が補い、出力を犠牲にすることなく、可及的にディーゼルエンジン並みの燃費を得ることも可能となることを見出し、点火タイミングを圧縮上死点後の所定期間内にリタードすることによって、少なくとも低速域におけるスロットル全開域を含む高負荷運転領域において、弁リフト1mmで規定した吸気弁閉タイミングで求められる有効圧縮比を13以上に維持することのできるガソリンエンジンを発明した(特願2006−100952)。
かかる高圧縮比エンジンを実用化するに当たり、有効圧縮比の低減が不可避な運転領域においても、廉価な構成でノッキングを回避し、エミッションを向上することが求められる。すなわち、幾何学的圧縮比が高い場合、吸気弁と排気弁の開弁タイミングをオーバーラップさせて掃気するためには、排気系の長さを大きく設定する必要がある。しかし、排気系の長さが大きくなると、触媒が活性温度に達する時間が長くなり、エミッションを阻害しかねないことになるのである。
他方、各特許文献1、2に開示されているように実圧縮比を変更する機構を設けることは、エンジンが複雑になり、コストも高くなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高圧縮比エンジンの実用化を図るに当たり、廉価な構成でノッキングを回避し、エミッションを向上することのできる火花点火式直噴ガソリンエンジンを提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は、少なくとも点火プラグを有するとともに、この点火プラグに向けて燃料を噴射するポートを有する燃料噴射弁を有する火花点火式直噴ガソリンエンジンにおいて、幾何学的圧縮比が14以上に設定されたエンジン本体と、前記エンジン本体から排出される既燃ガスを浄化する触媒ユニットと、前記エンジン本体のシリンダに接続された吸気ポートおよび排気ポートにそれぞれ設けられ、対応するポートを開閉する吸気弁および排気弁と、前記排気ポートに接続され、当該排気ポートから前記触媒ユニットに既燃ガスを導く排気管と、前記エンジン本体の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段の検出に基づいて、少なくとも前記燃料噴射弁の燃料噴射タイミングと、前記点火プラグの点火タイミングと、吸気弁の閉タイミング調整制御による有効圧縮比の調整制御とを実行する制御手段とを備え、前記排気管は、前記排気ポートから前記触媒ユニットまでの経路全長が所定の低排圧仕様となる長さに設定されており、前記制御手段は、冷間始動時に、点火タイミングを圧縮上死点以降に設定するとともに、噴射されるべき燃料の少なくとも一部を圧縮行程後期にて噴射させて点火時点において点火プラグ周りの混合気濃度がその周辺よりも濃くなるようにする冷間始動制御を実行するものであることを特徴とする火花点火式直噴ガソリンエンジンである。この態様では、エンジン本体が所定の低排圧仕様に設定された排気管を有しているので、複数の気筒から既燃ガスが排出された際に排気ガスの干渉が生じにくくなり、各気筒から既燃ガスの排出が良好となって、各気筒における既燃ガスの残留量が減って、ノッキングの発生を防止することが可能になる。ここで、低排圧仕様とは、通常のガソリンエンジンの排気管に比べて長い経路全長を有する仕様のことであり、例えば、直列4気筒エンジンの場合、前記排気ポートから前記触媒ユニットの上流に位置する排気集合部までの経路全長が約500mm以上に設定されたものをいう。ところで、排気管を低排圧仕様に設定した場合、既燃ガスが触媒ユニットまで到達するまでに放熱するため、触媒ユニットがライトオフ温度に達成しづらくなることが想定される。しかし、本態様では、エンジンの冷間始動時に、点火タイミングを圧縮上死点以降に設定するとともに、点火プラグに向けて燃料を噴射するポートを有する燃料噴射弁を採用して燃料噴射タイミングを圧縮行程(好ましくは後期)にリタードさせているので、幾何学的圧縮比が14以上の高圧縮比も手伝って、非常に高い筒内圧力となる圧縮行程後期で点火プラグへ向けて燃料噴射されるため、点火プラグ周りにリッチな混合気が形成されやすくなる。すなわち、燃料噴霧のペネトネーションに抵抗を与える筒内圧力がより高い環境下で点火プラグへ向けて燃料噴射されるため、燃料噴霧が走り過ぎることなく点火プラグ周りに留まることで、冷間時に問題となる燃料噴霧の壁面付着が抑制されつつ、点火プラグ周りにリッチな混合気が成層化できる。
このため、冷間時の混合気の着火性が向上するとともに初期燃焼が促進され、圧縮上死点後の膨張行程においても点火プラグ周りのリッチな混合気が安定して燃焼し、この緩慢燃焼によって、排気温度を高めることができる。この結果、排気管が昇温し、排気系全体、ひいては触媒ユニットが昇温し、低排圧仕様の排気管を採用しているにも拘わらず、触媒ユニットがライトオフ温度に達する時間を短縮することが可能になる。
好ましい態様において、前記制御手段は、当該エンジン本体の運転領域が、少なくとも低速域におけるスロットル全開域を含む高負荷運転領域である場合には、弁リフト1mmで規定した吸気弁閉タイミングで求められる前記有効圧縮比を13以上に維持するように吸気弁閉タイミングを調整するとともに点火タイミングを圧縮上死点後の所定期間内にリタードするものである。この態様では、通常であれば、ノッキングを防止するため、大幅な点火タイミングのリタードが必要であると考えられてきた運転領域において、弁リフト1mmで規定した吸気弁閉タイミングで求められる有効圧縮比を13以上とした高いトルクと燃費を維持したまま、エンジン本体が運転されることになる。すなわち、ノッキング回避のためにリタードされる点火タイミングが、圧縮上死点後に設定されている結果、終端ガス(End Gas)で自着火が生じようとするタイミングでピストンが下降し、筒内の圧力や温度が下がるので、当該リタード量を可及的に低減することが可能になる。少なくとも低速域におけるスロットル全開域を含む高負荷運転領域での高圧縮比化において、このようなノッキング回避手段を用いることで、点火タイミングのリタードによる出力低下を熱効率改善分が補い、出力を犠牲にすることなく、可及的にディーゼルエンジン並みの燃費を得ることも可能となる。また、有効圧縮比が、吸気弁の閉タイミング調整制御によって決定される構成になっているため、幾何学的圧縮比を変更するための複雑な機構を用いる必要がなくなる。
好ましい態様において、前記制御手段は、冷間始動時に、点火時点における点火プラグ周りの混合気濃度が理論空燃比よりも所定量リッチとなるように、圧縮行程後期に噴射される燃料噴射量を設定するものである。この態様では、燃焼後の既燃ガスに含まれる水素が増加し、この生成された水素は、比較的低温でも酸素と反応するため、燃焼室から排気管にかけての間において既燃ガスに含まれる余剰酸素と反応し、さらには、この反応熱によってHCやCOが酸化して、既燃ガスが自然に浄化されるとともに、これらの反応熱によって、排気および排気管が充分に昇温し、排気系全体、ひいては触媒ユニットが昇温する。この結果、低排圧仕様の排気管を採用しているにも拘わらず、触媒ユニットがライトオフ温度に達する時間をより短縮することが可能になる。
好ましい態様において、前記制御手段は、冷間始動制御を開始した後、所定のタイミング以降では点火プラグ周りの混合気濃度が次第に薄くなるように、吸気行程での燃料噴射を実行して圧縮行程での燃料噴射量を漸減するものである。この態様では、冷間運転の開始直後は、成層化によって点火プラグ周りに理論空燃比よりも小さいリッチな条件で水素を生成し、このリッチな混合気層の外側に拡がるリーン混合気層の余剰酸素と水素とを反応させ、さらに、この反応熱でHCやCOを酸化させて、排気ガスの浄化と触媒ユニットの昇温を充分に図ることができる一方、時間の経過とともに、点火プラグ近傍の混合気濃度を薄くしていき、HCやCOの生成を抑制し、昇温した触媒ユニットによってこれらHCやCOの浄化やNOxの吸蔵を図ることができる。
好ましい態様において、前記制御手段の制御によって少なくとも前記排気弁の閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構を備え、前記制御手段は、エンジンの低速高負荷運転領域においては、高速高負荷運転領域の場合よりも吸気弁と排気弁の開弁タイミングが長くオーバーラップするように制御するものである。この態様では、低速高負荷運転領域において、既燃ガスの掃気が促進され、耐ノッキング性が向上する。また、耐ノッキング性を高めることによって、より有効圧縮比を高く維持することが可能になる。
好ましい態様において、前記排気管は、気筒毎に排気ポートに接続され、低排圧仕様に長く設定された独立排気管と、燃焼順序が隣り合わない気筒に設けられた独立排気管の下流端同士を前記触媒ユニットの上流側で連通する集合部を有するものである。この態様では、排気管の上流端から排気管路の容積が大きくなるので、より確実に排気干渉を抑制することができるとともに、冷間始動運転時に既燃ガスのHCやCOが酸素と反応するために必要な容積を確保することができる。
好ましい態様において、前記排気管は、前記集合部を複数個有し、各集合部が前記触媒ユニットの上流側で集合している。
好ましい態様において、前記制御手段は、所定のトータル空燃比を維持しつつ前記点火プラグ周りが燃料過剰雰囲気とならないように燃料を吸気行程と圧縮行程に分割して噴射させるものである。この態様では、分割噴射によって燃料噴霧のペネトレーション(貫徹力)が抑えられ、燃料噴霧の壁面付着による冷間時のHC、COの増大を抑制するとともに、吸気行程で噴射される燃料により、相対的に圧縮行程で噴射される燃料噴射量が低減されるので、過度に点火プラグ周りが燃料過剰雰囲気になったり、点火プラグに燃料液滴が付着しにくくなり、点火プラグの燻りが防止できる。
分割噴射を実行する態様において、前記制御手段は、冷間始動運転の開始後、経時的にトータル空燃比をリッチから理論空燃比に変更するとともに、トータル空燃比が理論空燃比になってからも圧縮噴射を続けるものである。この態様では、水素を発生させるために燃料過剰雰囲気で成層燃焼を実現するに当たり、冷間始動運転の終了間際では、トータルの燃料噴射量が抑制されるので、燃料噴射量を必要充分に節約することが可能になる。
分割噴射を実行する態様において、前記制御手段は、冷間始動運転開始時においては、圧縮行程での燃料噴射比率を吸気行程での燃料噴射比率よりも大きく設定し、経時的に圧縮行程での燃料噴射比率を漸減して吸気行程での燃料噴射比率を高くするものである。この態様では、水素を発生させるために燃料過剰雰囲気で成層燃焼を実現するに当たり、トータルの燃料噴射量が抑制されるので、燃料噴射量を必要充分に節約することが可能になる。
以上説明したように、本発明は、高圧縮比エンジンの実用化を図るに当たり、廉価な構成でノッキングを回避し、エミッションを向上することができるという顕著な効果を奏する。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図2は、本発明の実施の一形態に係る4サイクル火花点火式直噴ガソリンエンジンの概略構成を示す構成図であり、図3は図2に係るエンジン本体20の一つの気筒の構造を示す断面略図である。
図2および図3を参照して、図示の火花点火式直噴ガソリンエンジンは、4気筒直列式のエンジン本体20と、このエンジン本体20を制御するためのエンジン制御ユニット100とを備えている。
エンジン本体20は、クランクシャフト21を回転自在に支持するシリンダブロック22と、シリンダブロック22の上部に配置されたシリンダヘッド23とを一体的に有しており、これらシリンダブロック22およびシリンダヘッド23には、複数の気筒24が設けられている。
各気筒24には、コンロッド25を介してクランクシャフト21に連結されたピストン26と、ピストン26が気筒24内に形成する燃焼室27とが設けられている。本実施形態において、各気筒24の幾何学的圧縮比は14に設定されている。また、各気筒24を仮に図2の左から順に1番気筒〜4番気筒と定義すると、その燃焼順序は、1番気筒、3番気筒、4番気筒、2番気筒の順となっている。
図3を参照して、本実施形態に係るエンジン本体20は、当該クランクシャフト21の回転方向が右回りになる側(すなわち図3の状態)から見て気筒24のシリンダボア中心Zがクランクシャフト21の回転中心Oから右側にオフセットしている。このオフセット量は、気筒24のボア径が70mmの場合、例えば1mm〜2mmに設定されている。
シリンダヘッド23の下面には、気筒24毎に燃焼室27の天井部が構成され、この天井部は中央部分からシリンダヘッド23の下端まで延びる2つの傾斜面を有するいわゆるペントルーフ型となっている。
燃焼室27の側部には、エンジン制御ユニット100からの燃料噴射パルスを受けて、このパルス幅に対応する燃料を燃焼室27に噴射する燃料噴射システムのマルチホール型インジェクタ32が設けられている。
図4はマルチホール型インジェクタ32の燃料噴射方向を説明する説明図である。
図4を参照して、同マルチホール型インジェクタ32は、6つの噴口32A〜32Fを有している。このうち、噴口32A、32Bは、点火プラグ34の電極の両側に燃料を噴射する指向性を有しており、噴口32Cは、前記電極の直下に燃料を噴射する指向性を有している。本実施形態においては、これら3つの噴口32A〜32Cが電極側噴口を構成している。そして、電極側噴口32A〜32Cを設けることにより、本実施形態においては、後述する成層始動(冷間始動時において、成層燃焼によってエンジンを始動させる運転制御)を実現することが可能になっている。
他方、噴口32Dは、噴口32Cよりもさらに電極の下方に燃料を噴射する指向性を有し、残余の噴口32E、32Fは、噴口32Dの両側に燃料を噴射する指向性を有している。本実施形態においては、これら3つの噴口32D〜32Fがピストン側噴口を構成している。なお図4では、各噴口32A〜32Fから噴射された噴霧の符号をFa〜Ffとしている。
各気筒24には、シリンダヘッド23に固定され、燃焼室27内にスパークを発する点火プラグ34が配設されている。点火プラグ34は、ピストン26の稜線部分と平行なシリンダ直径に沿ってシリンダボア中心Z上に配置されている。点火プラグ34には、電子制御による点火タイミングのコントロールが可能な点火回路35が接続されており、この点火回路35がエンジン制御ユニット100に制御されることにより、点火プラグ34は、所定のタイミングで点火制御されるようになっている。
次に、各吸気弁30は、動弁機構40によって駆動される構成になっている。動弁機構40は、吸気弁30の開閉タイミングを無段階で変更可能なVCT(Variable Camshaft Timing mechanism)36と、吸気弁30のリフト量(開弁量)を無段階で変更可能なVVE(Variable Valve Event)とを備えている。なお、VCT36、VVE自身は、公知の機構を採用することができるので、ここでは詳細な説明を省略する。また、上述のような動弁機構40を排気弁31にも設けて、当該排気弁31の閉タイミングを排気上死点よりもアドバンスさせることにより、筒内の既燃ガスを吸気行程移行に残存させ、内部EGRとすることが可能である。図示の例では、VCT36のみが設けられている。
次に、エンジン本体20の吸気ポート28には、インテークマニホールド132の分岐吸気管133が接続している。分岐吸気管133は、気筒24毎に設けられており、それぞれがインテークマニホールド132に等長の吸気経路を形成した状態で接続されている。インテークマニホールド132の上流側には、新気をインテークマニホールド132内部に導入するための吸気通路134が接続されている。この吸気通路134には、スロットルバルブ135が設けられている。吸気通路134のスロットルバルブ135よりも上流には、エアフローメータ136が設けられている。
図5は、図2のB−B矢視略図である。
図2および図5を参照して、エンジン本体20には、排気管140が設けられている。排気管140は、排気ポート29に接続され、各気筒24に2つ一組で形成された二股状の独立排気管141を有している。上述したように、本実施形態においては、各気筒24の燃焼順序が、1番気筒、3番気筒、4番気筒、2番気筒の順となっている。そこで、本実施形態にかかる排気管140は、1番気筒と4番気筒とに設けられた独立排気管141の下流端を連通して第1の集合部142とし、2番気筒と3番気筒とに設けられた独立排気管141の下流端を連通して第2の集合部143としたエキゾーストマニホールド144を構成している。すなわち、各集合部142、143は、何れも、燃焼順序が隣り合わない(連続しない)気筒に接続された独立排気管141を連通していることになる。この結果、何れの気筒24から既燃ガスが排出される場合においても、複数の気筒24から同時に排気ガスが排出されることがなくなり、排気ガスの干渉現象(同一の排気経路に排気ガスが同時に排出されることによって、エキゾーストマニホールド144内にて排気ガスの流通が阻害される現象)を回避することができる。
また、各独立排気管141は、比較的長い経路長L1(例えば300mm)に設定されている。これにより、燃焼室27の掃気が実行された際にも、排気ガスが速く排出されることになり、有効圧縮比が高く設定されている場合においても、ノッキングを有効に回避することが可能になっている。本実施形態において、経路全長(排気ポート29から第2の集合部143までの長さ)Lは、例えば500mmよりも長い600mm程度に設定されている。各独立排気管141やエキゾーストマニホールド144を含む排気系は、ダッシュパネル151の下部から、該ダッシュパネル151に連続するフロアパネル152の下部に延びている。
図5を参照して、エキゾーストマニホールド144の下流側に接続された排気管145には、触媒ユニット146が接続され、車両のフロアパネル152の底面に固定されている。触媒ユニット146は、三元触媒146aと、この三元触媒146aの下流側に配置され、NOx触媒として、NOx吸蔵機能を含有するPt/Rh触媒146bとによって構成されている。なお、図5において、153は、エンジン本体20を覆うフードパネル、154は、エンジン本体20に取り付けられたトランスミッションユニットである。
図3を参照して、エンジン本体20の運転状態を検出するために、シリンダブロック22には、クランクシャフト21の回転数を検出する一対のクランク角センサSW1、SW2および冷却水の温度を検出するエンジン水温センサSW3が設けられている(図3参照)。さらに、排気通路153には、空燃比を制御するための空燃比センサSW4が設けられている。
エンジン本体20には、制御手段としてのエンジン制御ユニット100が設けられている。このエンジン制御ユニット100には、エアフローメータ136、クランク角センサSW1、SW2、エンジン水温センサSW3、空燃比センサSW4、並びにエンジン負荷を検出するためのアクセル開度センサSW5が入力要素として接続されている。これらエアフローメータ136や各センサSW1〜SW5は、何れも本実施形態における運転状態検出センサの具体例である。他方、エンジン制御ユニット100には、マルチホール型インジェクタ32の燃料噴射システム、点火プラグ34、動弁機構40等が制御要素として接続されている。
エンジン制御ユニット100は、CPU、メモリ、インターフェース、カウンタ/タイマ群、並びにこれらのユニットを接続するバスを有するマイクロプロセッサを含んでいる。エンジン制御ユニット100は、メモリに記憶されるプログラム並びにデータによって、運転状態を判定する運転状態判定手段を機能的に構成している。
エンジン制御ユニット100のメモリには、詳しくは後述する種々の制御マップが記憶されており、これら記憶マップに基づいて、エンジン本体20は、運転状態に応じて好適に運転されるようになっている。
図6は、図2の実施形態において制御マップの基となるエンジン回転速度Nと要求トルクとの関係を示すグラフである。
図6を参照して、図示の実施形態では、アイドリング運転領域Aと、低中速低中負荷運転領域Bと、低速高負荷運転領域Cと、高速高負荷運転領域Dとを含んでいる。このうち、アイドリング運転領域Aは、所定の回転速度N1(例えば500rpm)までのアイドリング運転領域である。また、低中低中負荷運転領域Bは、エンジン回転速度Nの領域を、N1、N2(例えば、2000rpm)、N3(例えば、4000rpm)で三段階に分割した場合において、その低中速域(N2までの範囲)にあって、アイドリング運転領域を除く低中負荷運転領域の範囲に設定される。さらに低速高負荷運転領域Cは、エンジン回転速度Nの領域を、回転速度N2、N3で三段階に分割した場合において、その低速域にあって、低中速低中負荷運転領域Bの境界部分からスロットル全開域CWOT の範囲に設定されている。
図7は、図2の実施形態において制御マップの基となる点火タイミングの一例を示すグラフである。
図7を参照して、例えば、幾何学的圧縮比が11の場合、通常運転時の点火タイミングは、IGaで示すように圧縮上死点よりも相当量AIg(例えば、エンジン回転速度が1500rpm、クランク角度CA=6°〜8°)アドバンスしている。これに対し、幾何学的圧縮比が14の場合、圧縮比11と同じノッキング特性であればIGv で示すように、圧縮上死点の直前で点火していたところであるが、本実施形態では、IGb で示すように、圧縮上死点よりもさらにリタードさせた点火タイミングで火花点火することとしている。これにより、本実施形態では、リタード運転領域(スロットル全開域CWOT を含む低速中高負荷運転域)Cにおいて、依然高圧縮比(εr ≦14)のままトルク低下を起こさない状態を維持することが可能になる(図7参照)。
また、点火タイミングを圧縮上死点後にリタードさせる場合、そのリタード量RIgは、筒内温度や筒内圧力等、ノッキングを決定する要因を考慮して実験的に集積され、制御マップによって定められるが、本実施形態では、例えば、圧縮上死点からのリタード量RIgをピストン26が上死点経過後10%以下のストローク範囲(クランク角度CA=圧縮上死点後35°付近)としている。点火タイミングを圧縮上死点後にリタードさせることにより、ノッキングを抑制し、高圧縮比での運転が可能となるわけであるが、点火タイミングが圧縮上死点よりもリタードしている分だけ、燃焼期間という点では不利になる。そこで本実施形態では、ノッキングを抑制可能な範囲であって、なおかつ早期に膨張行程に移行した燃料を燃焼させるために、リタード量RIgをピストン26が上死点経過後10%以下のストローク範囲としているのである。
図8は、排気ガスの成分を説明するための空燃比と排気ガス成分の濃度とを示すグラフであり、図9は、図2の実施形態において制御マップの基となる空燃比とカウント時間Tcとの関係を示すグラフである。
図8を参照して、空燃比がリッチの場合、排気ガスに含まれる有害成分としてHC、COが多く発生する。これと同時に、水素(H2)も多く発生することが知られている。
そこで、本実施形態では、図9に示すように、後述する冷間始動運転時において、所定のカウント時間Tcを設定し、成層始動を開始した時点では、筒内の空燃比をリッチに設定し(例えばA/F≒10)、成層始動を開始した後、カウント時間Tcの経過時以降では、筒内のトータル空燃比が理論空燃比になるように燃料噴射量を漸減するように制御マップM2(図11参照)が作成されている。
次に、図2のエンジンの制御例について説明する。
図10〜図12は、図2のエンジンの制御例を示すフローチャートである。
図10を参照して、エンジン制御ユニット100は、各データを読み取り(ステップS20)、エンジンの運転状態を判定する(ステップS21)。次いで、エンジン制御ユニット100は、所定の制御マップM1に基づいて、設定されるべき有効圧縮比εrを索引する(ステップS22)。有効圧縮比εrを決定するための制御マップM1は、エンジンの回転速度、要求負荷、車速、筒内温度等に基づいて、有効圧縮比εrが決定されるように設定されている。
ここで、有効圧縮比をεrとすると、
Figure 2008088874
(2)式中、
ε :幾何学的圧縮比
s:行程容積(m3
c:隙間容積(m3
θ :バルブリフト量が1mmのときの吸気弁30の閉弁タイミングのクランク角度
:連桿比(コンロッド長/クランク半径)
である。
(2)式を用いることにより、バルブリフト量が1mmのときの吸気弁30の開弁角度に基づいて、有効圧縮比εrと開弁角度との関係をデータ化しておき、制御マップM1とすることで、精緻に有効圧縮比εrを制御することが可能になる。
次いで、エンジン制御ユニット100は、索引された有効圧縮比εrに対応する吸気弁30の閉タイミングを設定し(ステップS23)、この設定に基づいて動弁機構40を制御する。
エンジン制御ユニット100は、ステップS21で判定された運転状態に基づき、冷間運転条件が成立しているか否かを判定する(ステップS24)。ここで、冷間運転条件とは、運転領域が図6に示すアイドリング運転領域Aにあって、筒内温度状態が低い(例えば、エンジンの冷却水温度が40℃)以下の場合をいう。
エンジンの運転状態が冷間運転条件を満たしていると判定した場合、エンジン制御ユニット100は、図11に示すステップS25からステップS33に示すルーチンを実行して、触媒ユニット146の活性促進を図るために、成層始動制御を実行する。
図11を参照して、エンジン制御ユニット100は、図9で説明したカウント時間Tcと、エンジン本体20のサイクル数Cyのカウントを同時に開始する(ステップS25)。次いで、図9で説明した制御マップM2に基づき、運転状態とTcから空燃比を索引する(ステップS26)。次いで、エンジン制御ユニット100は、所定の制御マップM3から索引された空燃比を目標空燃比として、燃料噴射量を索引する(ステップS27)。制御マップM3は、吸気流量、エンジン回転速度等によって燃料噴射量を決定可能に設定されている。上述したように、成層始動制御においては、運転開始時の筒内のトータル空燃比は、比較的リッチ(図9の例では、A/F=10)に設定される。この結果、燃料噴射弁として、電極側噴口32A〜32Cを有するマルチホール型インジェクタ32が採用されているので、点火時の燃焼室27内では、点火プラグ周りがリッチな成層燃焼が生じることになる。
次いで、エンジン制御ユニット100は、索引された燃料噴射量に基づき、噴射される燃料の分割比や燃料噴射タイミングを決定する(ステップS28)。本実施形態においては、この冷間始動(成層始動)時に、燃料噴射タイミングを吸気行程と圧縮行程とに分割する(図13(A)参照)。これにより、筒内での成層燃焼を確実に実現できるようになるとともに、吸気行程でも燃料噴射を実行することによって、過度に点火プラグ34周りが燃料過剰雰囲気になったり、噴射された燃料が燃焼室の壁面に付着することを抑制することが可能になる。
次いで(或いは燃料噴射タイミング等の設定と並行して)、エンジン制御ユニット100は、制御マップM4に基づき、点火タイミングを索引する(ステップS29)。制御マップM4は、図7のグラフに基づいて実験等により設定されたものであり、有効圧縮比εrに基づいて、点火タイミングを決定できるように構成されている。冷間運転条件が成立している場合、運転領域は、図6のアイドリング運転領域Aであるので、ステップS23で設定されている有効圧縮比εrは、13以上に維持されている。従って、ステップS29では、圧縮上死点経過後の比較的早いタイミングで点火プラグ34が作動されることになる。
次いで、エンジン制御ユニット100は、設定されたタイミングで燃料噴射システムを作動させて燃料噴射制御を実行し(ステップS30)、点火プラグ34を圧縮上死点経過後にて作動させて点火制御を実行する(ステップS31)。
上述したように、成層始動制御においては、点火時の燃焼室27内は、成層燃焼が生じることになる。このため、燃焼後に排気系に排出される排気ガスは、HC、COとともに比較的多くの水素を含んでいる。そして、この水素は、独立排気管141から触媒ユニット146に至る経路中において、余剰酸素と反応することになる。これによって、生成された酸化熱により、HC、COが酸化されて排気ガスが浄化されるとともに、酸化熱によって、長い経路全長Lに設定された低排圧仕様の排気管140を昇温させることになる。この結果、触媒ユニット146には、反応熱を含んだ排気ガスが導入され、触媒ユニット146がライトオフ温度に達するのを促進する。そして、これによって、排気ガス中に残存しているHCやCOが三元触媒146aによる触媒反応によって浄化されやすくなる。
その後、エンジン制御ユニット100は、冷間運転終了条件が成立しているか否かを判定する(ステップS32)。ここで、冷間運転終了条件とは、成層始動制御を終了するための条件であり、具体的には、成層始動制御を実行してから、カウントされたサイクル数が所定値(例えば、5、6)に達したか否かによって判定される。なお、これとは別に、或いはこれと並行して、触媒ユニット146に温度センサを設けておき、触媒ユニット146がライトオフ温度に達したか否かによって冷間運転終了条件成立と判定するようにしてもよい。
ステップS32において、冷間運転終了条件が成立していると判定した場合、エンジン制御ユニット100は、カウント時間Tc、サイクル数Cyをリセットし(ステップS33)、ステップS20に復帰して以降のステップを繰り返す。
ステップS32において、冷間運転終了条件が成立していないと判定した場合、エンジン制御ユニット100は、カウント時間Tcのカウントを継続し(ステップS34)、サイクル数Cyをインクリメントして(ステップS35)、ステップS26に移行する。なお、このステップS35を経過してステップS26に制御が移行した場合、エンジン制御ユニット100が制御マップM2から索引する空燃比は、Tcが経過していることから、前回の設定値に比べてリーンになっており、所定時間Tnを経過した後は、理論空燃比に設定されることになる。
次に、図10のステップS24の判定において、冷間運転条件が成立していない(ステップS24においてNO)と判定した場合、エンジン制御ユニット100は、図12に示すフローを実行する。
図12を参照して、このフローでは、図9で説明した制御マップM2に基づき、運転状態から空燃比を索引する(ステップS40)。この制御を実現するためには、エンジン制御ユニット100のメモリに成層始動制御の実行フラグを記憶するエリアを設けておき、実行フラグがONのときは、カウント時間Tcをパラメータとして加味した空燃比が索引されることとし、実行フラグがOFFのときは、カウント時間Tcをパラメータから外して空燃比を索引されるように設定することにより、同一の制御マップM2を用いて上述のような制御を実現することが可能である。
次いで、エンジン制御ユニット100は、制御マップM3から索引された空燃比を目標空燃比として、燃料噴射量を索引する(ステップS41)。
通常の運転制御においては、筒内のトータル空燃比は、比較的理論空燃比に近いリーンに設定される。
次いで、エンジン制御ユニット100は、索引された燃料噴射量に基づき、噴射される燃料の分割比や燃料噴射タイミングを決定する(ステップS42)。
次いで(或いは燃料噴射タイミング等の設定と並行して)、エンジン制御ユニット100は、点火タイミングを決定するための制御を実行する。この過程において、エンジン制御ユニット100は、ステップS23で設定された有効圧縮比εrが13以上であるか否かを判定し(ステップS43)、有効圧縮比εrが13以上である場合には、点火タイミングを一気に圧縮上死点後の最大許容値にリタードさせ(ステップS44)、有効圧縮比εrが13未満である場合には、制御マップM4に基づき、圧縮上死点前の所定タイミングに点火タイミングを設定する(ステップS45)。
次いで、エンジン制御ユニット100は、設定されたタイミングで燃料噴射システムを作動させて燃料噴射制御を実行し(ステップS46)、点火プラグ34を圧縮上死点前にて作動させて点火制御を実行する(ステップS47)。
その後、エンジン制御ユニット100は、ステップS20に戻って以降のステップを繰り返す。
図13は、図10〜図12のフローチャートが実行された場合の制御例を示すタイミングチャートであり、(A)は冷間始動(成層始動)時、(B)は温間低速運転時、(C)は中高速高負荷運転時、(D)は低速高負荷運転時である。
次に、図13を参照して、各運転時の吸気弁30の開弁タイミング、有効圧縮比εr 、点火タイミングについて詳述する。なお吸気弁30の進角/遅角操作は、吸気弁30のVCT36により、リフト量の操作は、動弁機構40のVVTにより、実現される。
図13(A)を参照して、運転領域が図6のアイドリング運転領域Aであって、冷間始動条件が成立している成層始動時である場合、吸気弁30の開弁タイミングは、吸気行程の途中に設定され、同閉弁タイミングは、吸気下死点近傍に設定される。また、吸気弁30のリフト量は、比較的小さく設定される。この結果、有効圧縮比εrは、概ね幾何学的圧縮比(本実施形態では、14)に近い値に維持されるとともに、吸気行程前半では、断熱膨張が筒内で生じることになる。従って、吸気弁30が開いた際、筒内に生成された大きな負圧によって、新気や吸気行程で噴射された燃料が筒内にいわば吸引されることになる。従って、断熱圧縮効果が筒内で生じ、筒内温度の上昇に寄与することになる。また、有効圧縮比εrが概ね幾何学的圧縮比に近い値に維持されることに伴い、この運転状態では、点火タイミングが圧縮上死点後にリタードさせる。これにより、ノッキングが確実に防止される。加えて、圧縮行程で噴射された燃料によって成層燃焼が実現されるので、水素の発生量を高め、冷間時において、排気管140内での水素と有害成分との反応を促進し、その反応熱によって、排気系全体の温度を高め、触媒ユニット146の活性化促進に寄与することができる。
図13(B)を参照して、運転領域が図6の低中速低中負荷運転領域Bであって、温間運転時である場合においては、吸気弁30は、開閉タイミングが排気行程後半、閉タイミングが吸気行程後半にそれぞれアドバンスするように設定されている。そして、ステップS26での設定制御においては、要求吸気量(エンジンの負荷と回転数が高くなるほど多くなる)に合わせて、リフト量を大きく設定し、閉タイミングを早くして、ポンピングロスの低減を図るようにしている。また、吸気弁30が早閉じされることに伴い、点火タイミングも、圧縮上死点前にアドバンスされる。
図13(C)を参照して、低速高負荷運転時(図6の低速高負荷運転領域C)においては、図13(B)の運転領域に比べ、吸気弁30が進角し、さらにリフト量が増加されることによって、閉タイミングが圧縮下死点経過直後に設定される。また、図13(B)の運転領域に比べ、排気弁31が遅角し、閉タイミングが吸気行程の前半に設定される。これにより、排気行程後半から吸気行程前半で吸気弁30と排気弁31の開弁タイミングがオーバーラップし、燃焼室27の掃気が促進される。ここで、本実施形態においては、比較的長い経路長L1の独立排気管141を採用し、経路全長Lが相当長い低排圧仕様の排気系を構成しているとともに、1番気筒と4番気筒とに設けられた独立排気管141の下流端が第1の集合部142によって連通し、2番気筒と3番気筒とに設けられた独立排気管141の下流端が第2の集合部143に連通するエキゾーストマニホールド144を採用している。従って、何れの気筒24から既燃ガスが排出される場合、特に、図13(C)のように掃気を図る場合においても、複数の気筒24から同時に排気ガスが排出されることがなくなり、排気ガスの干渉現象を回避することができる。また、図13(C)の運転領域では、有効圧縮比εrが概ね幾何学的圧縮比に近い値に維持されるので、点火タイミングが圧縮上死点後にリタードされる。本実施形態では、点火タイミングを圧縮上死点以降にリタードさせることにより、スロットル全開域CWOTを含む低速高負荷運転領域においても、高圧縮比を維持したまま、ノッキングを回避し、高出力を得ることが可能になるのである。
図13(D)を参照して、図6の高速高負荷運転領域Dにおいては、図13(B)の運転領域に比べ、吸気弁30が進角し、さらにリフト量が増加されることによって、閉タイミングが圧縮下死点経過直後に設定される。他方、図13(C)の運転領域に比べ、排気弁31の開閉タイミングは、進角しており、開弁タイミングのオーバーラップは、少なくなっている。これにより、高い出力を確保するようにしている。なお、燃料噴射タイミングは、エンジン回転速度が高速になった分だけ、噴射パルスのクランク角タイミングは、長くなっている。
以上説明したように本実施形態では、エンジン本体20が所定の低排圧仕様に設定された排気管140を有しているので、有効圧縮比εrを低減した際、複数の気筒24から既燃ガスが排出された際に排気ガスの干渉が生じにくくなり、ノッキングの発生を防止することが可能になる。ここで、低排圧仕様とは、通常のガソリンエンジンの排気系に比べて長い経路全長Lを有する仕様のことであり、本実施形態のような直列4気筒エンジンの場合、排気ポート29から触媒ユニット146までの距離が約500mmに設定されたものをいう。ところで、排気管140を低排圧仕様に設定した場合、既燃ガスが触媒ユニット146まで到達するまでに放熱するため、触媒ユニット146がライトオフ温度に達成しづらくなることが想定される。しかし、本実施形態では、エンジン本体20の冷間始動時に燃料噴射タイミングを圧縮行程にリタードさせているとともに、点火プラグ34に向けて燃料を噴射する電極側噴口(ポート)32A〜32Cを有するマルチホール型インジェクタ32を燃料噴射弁として採用しているので、燃焼時の筒内は、成層化され、空燃比がリッチになる。このため、既燃ガスに含まれる水素が増加する。図8で説明した通り、水素は、比較的低温でも酸素と反応するため、生成された水素は、排気管140の中で既燃ガスに含まれる余剰酸素と反応し、既燃ガスが自然に浄化されることになる。しかも、この反応熱によって、HCやCOが酸化して、排気管140が昇温し、排気系全体、ひいては触媒ユニット146が昇温する。この結果、低排圧仕様の排気管140を採用しているにも拘わらず、触媒ユニット146がライトオフ温度に達する時間を短縮することが可能になる。
また、本実施形態では、エンジン本体20の運転領域が、少なくとも図6で示すスロットル全開域CWOTを含む低速高負荷運転領域Cである場合には、弁リフト1mmで規定した吸気弁30閉タイミングで求められる有効圧縮比εrを13以上に維持するように吸気弁30閉タイミングを調整するとともに点火タイミングを圧縮上死点後の所定期間内にリタードするものである。このため本実施形態では、通常であれば、ノッキングを防止するため、大幅な点火タイミングのリタードが必要であると考えられてきた運転領域において、弁リフト1mmで規定した吸気弁30閉タイミングで求められる有効圧縮比εrを13以上とした高いトルクと燃費を維持したまま、エンジン本体20が運転されることになる。すなわち、ノッキング回避のためにリタードされる点火タイミングが、圧縮上死点後に設定されている結果、終端ガス(End Gas)で自着火が生じようとするタイミングでピストン26が下降し、筒内の圧力や温度が下がるので、当該リタード量を可及的に低減することが可能になる。少なくともスロットル全開域CWOTを含む低速高負荷運転領域Cでの高圧縮比化において、このようなノッキング回避手段を用いることで、点火タイミングのリタードによる出力低下を熱効率改善分が補い、出力を犠牲にすることなく、可及的にディーゼルエンジン並みの燃費を得ることも可能となる。また、有効圧縮比εrが、吸気弁30の閉タイミング調整制御によって決定される構成になっているため、幾何学的圧縮比を変更するための複雑な機構を用いる必要がなくなる。
また、本実施形態では、冷間始動制御を開始した後、所定のタイミング以降(カウント時間Tc経過後)では、筒内のトータル空燃比が理論空燃比になるように燃料噴射量を漸減するものである。このため本実施形態では、筒内の空燃比を制御するに当たり、冷間運転の開始直後は、比較的空燃比の低いリッチな条件で水素を生成し、余剰酸素と反応させて、排気ガスの浄化と触媒ユニット146の昇温を図ることができる一方、時間の経過とともに、筒内の空燃比をリーンにしてHCやCOの生成を抑制し、昇温した触媒ユニット146によってこれらHCやCOの浄化やNOxの吸蔵を図ることができる。
また、本実施形態では、エンジン制御ユニット100の制御によって少なくとも排気弁31の閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構としてのVCT36を備え、エンジン制御ユニット100が、エンジンの低速高負荷運転領域Cにおいては、高速高負荷運転領域Dの場合よりも吸気弁30と排気弁31の開弁タイミングが長くオーバーラップするように制御するものである。このため本実施形態では、低速高負荷運転領域Cにおいて、既燃ガスの掃気が促進され、耐ノッキング性が向上する。また、耐ノッキング性を高めることによって、より有効圧縮比εrを高く維持することが可能になる。
また、本実施形態では、排気管140は、気筒24毎に排気ポート29に接続され、低排圧仕様に長く設定された独立排気管141と、燃焼順序が隣り合わない気筒24に設けられた独立排気管141の下流端同士を触媒ユニット146の上流側で連通する集合部142、143を有するものである。このため本実施形態では、排気管140の上流端から排気系路の容積が大きくなるので、より確実に排気干渉を抑制することができるとともに、冷間始動運転時に既燃ガスのHCやCOが酸素と反応するために必要な容積を確保することができる。
また、本実施形態では、図13(A)で示したように、所定のトータル空燃比を維持しつつ前記点火プラグ周りが燃料過剰雰囲気とならないように燃料を吸気行程と圧縮行程に分割して噴射させるものである。このため本実施形態では、吸気行程で噴射される燃料により、相対的に圧縮行程で噴射される燃料噴射量が低減されるので、過度に点火プラグ34周りが燃料過剰雰囲気になったり、点火プラグ34に燃料が滴下しにくくなる。
また、本実施形態では、冷間始動運転の開始後、経時的にトータル空燃比をリッチから理論空燃比に変更するとともに、トータル空燃比が理論空燃比になってからも圧縮噴射を続けるものである。このため本実施形態では、水素を発生させるために燃料過剰雰囲気で成層燃焼を実現するに当たり、冷間始動運転の終了間際では、トータルの燃料噴射量が抑制されるので、燃料噴射量を必要充分に節約することが可能になる。
従って本実施形態によれば、高圧縮比エンジンの実用化を図るに当たり、廉価な構成でノッキングを回避し、エミッションを向上することができるという顕著な効果を奏する。
上述した実施形態は、本発明の好ましい具体例に過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。
図14は、本発明の別の実施形態に係るエンジンの概略構成を示す構成図である。
図14を参照して、例えば、低排圧仕様の排気管140としては、単一の集合部142に全ての独立排気管141の下流端を集合させ、連通するようにしてもよい。
図15は、本発明の別の実施形態に係るタイミングチャートである。
図15(A)(B)を参照して、図11のステップS28を具体化するに当たり、サイクル数Cyが大きくなる程、吸気行程と分割行程での燃料噴射比率を変更するようにしてもよい。具体的には、図15(A)に示すように、冷間始動運転開始時においては、圧縮行程での燃料噴射比率を吸気行程での燃料噴射比率よりも大きく設定し、経時的に圧縮行程での燃料噴射比率を漸減して、図15(B)に示すように、冷間始動運転制御の終了間際のサイクル数Cy(=n)では、吸気行程での燃料噴射比率を圧縮行程での燃料噴射比率よりも高くするものである。
図15に示す実施形態においても、水素を発生させるために燃料過剰雰囲気で成層燃焼を実現するに当たり、トータルの燃料噴射量が抑制されるので、燃料噴射量を必要充分に節約することが可能になる。
また、有効圧縮比εrを下げる方法として、上述した実施形態では、吸気弁30の開閉タイミングを無段階で変更可能な動弁機構40を用いたが、これに限らず、例えば、2つの吸気カムを選択的に吸気弁30伝達することにより、吸気弁30の開閉タイミングを2段階に切換可能ないわゆるロストモーション機能付動弁機構を用いてもよい。
また内部EGRを実行する手段として、上述のようなロストモーション機能付動弁機構を採用してもよい。
その他本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
高負荷運転時における点火リタードの一例を示すグラフである。 本発明の実施の一形態に係るエンジンの概略構成を示す構成図である。 図2に係る4サイクル火花点火式直噴ガソリンエンジンの一つの気筒の構造を示すA−A断面略図である。 マルチホール型インジェクタ32の燃料噴射方向を説明する説明図である。 図2のB−B矢視略図である。 図2の実施形態において制御マップの基となるエンジン回転速度と要求トルクとの関係を示すグラフである。 図2の実施形態において制御マップの基となる点火タイミングの一例を示すグラフである。 排気ガスの成分を説明するための空燃比と排気ガス成分の濃度とを示すグラフである。 図2の実施形態において制御マップの基となる空燃比とカウント時間との関係を示すグラフである。 図2のエンジンの制御例を示すフローチャートである。 図2のエンジンの制御例を示すフローチャートである。 図2のエンジンの制御例を示すフローチャートである。 図10〜図12のフローチャートが実行された場合の制御例を示すタイミングチャートであり、(A)は冷間始動(成層始動)時、(B)は温間低速運転時、(C)は中高速高負荷運転時、(D)は低速高負荷運転時である。 本発明の別の実施形態に係るエンジンの概略構成を示す構成図である。 本発明の別の実施形態に係るタイミングチャートである。
符号の説明
20 エンジン本体
24 気筒
26 ピストン
27 燃焼室
28 吸気ポート
29 排気ポート
30 吸気弁
31 排気弁
32 マルチホール型インジェクタ
32A-32C 電極側噴口
34 点火プラグ
35 点火回路
36 VCT
40 動弁機構
100 エンジン制御ユニット
140 排気管
141 独立排気管
142 集合部
143 集合部
144 エキゾーストマニホールド
145 排気管
146 触媒ユニット
151 ダッシュパネル
152 フロアパネル
A アイドリング運転領域
B 低中速低中負荷運転領域
WOT スロットル全開域
C 低速高負荷運転領域
D 高速高負荷運転領域
L 経路全長
L1 経路長
Tc カウント時間
εr 有効圧縮比

Claims (10)

  1. 少なくとも点火プラグを有するとともに、この点火プラグに向けて燃料を噴射するポートを有する燃料噴射弁を有する火花点火式直噴ガソリンエンジンにおいて、
    幾何学的圧縮比が14以上に設定されたエンジン本体と、
    前記エンジン本体から排出される既燃ガスを浄化する触媒ユニットと、
    前記エンジン本体のシリンダに接続された吸気ポートおよび排気ポートにそれぞれ設けられ、対応するポートを開閉する吸気弁および排気弁と、
    前記排気ポートに接続され、当該排気ポートから前記触媒ユニットに既燃ガスを導く排気管と、
    前記エンジン本体の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態検出手段の検出に基づいて、少なくとも前記燃料噴射弁の燃料噴射タイミングと、前記点火プラグの点火タイミングと、吸気弁の閉タイミング調整制御による有効圧縮比の調整制御とを実行する制御手段と
    を備え、
    前記排気管は、前記排気ポートから前記触媒ユニットまでの経路全長が所定の低排圧仕様となる長さに設定されており、
    前記制御手段は、冷間始動時に、点火タイミングを圧縮上死点以降に設定するとともに、噴射されるべき燃料の少なくとも一部を圧縮行程後期にて噴射させて点火時点において点火プラグ周りの混合気濃度がその周辺よりも濃くなるように冷間始動制御を実行するものである
    ことを特徴とする火花点火式直噴ガソリンエンジン。
  2. 請求項1記載の火花点火式直噴ガソリンエンジンにおいて、
    前記制御手段は、当該エンジン本体の運転領域が、少なくとも低速域におけるスロットル全開域を含む高負荷運転領域である場合には、弁リフト1mmで規定した吸気弁閉タイミングで求められる前記有効圧縮比を13以上に維持するように吸気弁閉タイミングを調整するとともに点火タイミングを圧縮上死点後の所定期間内にリタードするものである
    ことを特徴とする火花点火式直噴ガソリンエンジン。
  3. 請求項1記載の火花点火式直噴ガソリンエンジンにおいて、
    前記制御手段は、冷間始動時に、点火時点における点火プラグ周りの混合気濃度が理論空燃比よりも所定量リッチとなるように、圧縮行程後期に噴射される燃料噴射量を設定するものである
    ことを特徴とする火花点火式直噴ガソリンエンジン。
  4. 請求項1から3記載の火花点火式直噴ガソリンエンジンにおいて、
    前記制御手段は、冷間始動制御を開始した後、所定のタイミング以降では点火プラグ近傍の混合気濃度が次第に薄くなるように吸気行程での燃料噴射を実行して圧縮行程での燃料噴射量を漸減するものである
    ことを特徴とする火花点火式直噴ガソリンエンジン。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の火花点火式直噴ガソリンエンジンにおいて、
    前記制御手段の制御によって少なくとも前記排気弁の閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構を備え、
    前記制御手段は、エンジンの低速高負荷運転領域においては、高速高負荷運転領域の場合よりも吸気弁と排気弁の開弁タイミングが長くオーバーラップするように制御するものである
    ことを特徴とする火花点火式直噴ガソリンエンジン。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の火花点火式直噴ガソリンエンジンにおいて、
    前記排気管は、
    気筒毎に排気ポートに接続され、低排圧仕様に長く設定された独立排気管と、
    燃焼順序が隣り合わない気筒に設けられた独立排気管の下流端同士を前記触媒ユニットの上流側で連通する集合部を有するものである
    ことを特徴とする火花点火式直噴ガソリンエンジン。
  7. 請求項6記載の火花点火式直噴ガソリンエンジンにおいて、
    前記排気管は、前記集合部を複数個有し、各集合部が前記触媒ユニットの上流側で集合している
    ことを特徴とする火花点火式直噴ガソリンエンジン。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の火花点火式直噴ガソリンエンジンにおいて、
    前記制御手段は、所定のトータル空燃比を維持しつつ前記点火プラグ周りが燃料過剰雰囲気とならないように燃料を吸気行程と圧縮行程に分割して噴射させるものである
    ことを特徴とする火花点火式直噴ガソリンエンジン。
  9. 請求項8記載の火花点火式直噴ガソリンエンジンにおいて、
    前記制御手段は、冷間始動運転の開始後、経時的にトータル空燃比をリッチから理論空燃比に変更するとともに、トータル空燃比が理論空燃比になってからも圧縮噴射を続けるものである
    ことを特徴とする火花点火式直噴ガソリンエンジン。
  10. 請求項8記載の火花点火式直噴ガソリンエンジンにおいて、
    前記制御手段は、冷間始動運転開始時においては、圧縮行程での燃料噴射比率を吸気行程での燃料噴射比率よりも大きく設定し、経時的に圧縮行程での燃料噴射比率を漸減して吸気行程での燃料噴射比率を高くするものである
    ことを特徴とする火花点火式直噴ガソリンエンジン。
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