JP2001082303A - 圧縮自己着火式内燃機関 - Google Patents
圧縮自己着火式内燃機関Info
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Abstract
に調整して着火性を向上させ、排気性状および燃料消費
率を改善する。 【解決手段】 シリンダヘッド5に、燃焼室15内の混
合気に自己着火を活性化させるための補助エネルギを付
与する点火プラグ17を設け、吸気通路19には燃料噴
射弁23を設ける。電子制御ユニット25は、点火時期
制御回路31と燃料噴射量制御回路27とを備え、機関
の回転数信号N、負荷信号L、油水温信号T、空気量信
号Qaが入力される。点火時期制御回路31は、点火回
路29に対し、低負荷、高回転、暖機中の油水温が低い
ほど、点火プラグ17による点火時期を進角させるよう
最適に制御する。燃料噴射量制御回路27は、最適点火
時期に対応する混合気濃度となるように、燃料噴射弁2
3に燃料噴射信号を出力する。
Description
ンの圧縮により自己着火して燃焼させる圧縮自己着火式
内燃機関に関する。
特開平1−301944号公報には、燃焼室に補助着火
源を設けたものが開示されている。これは、機関の低回
転低負荷時および高負荷時に補助着火源を作動させて、
その作動時期を遅らせる一方、中負荷時に補助着火源を
不作動とし、補助着火源の作動に応じて燃料の噴射時期
を補正するようにしている。このように、着火性、燃焼
性に問題のある運転領域で、上記補助着火源を利用する
ことで燃焼速度を高め、排気性状および燃料消費率の改
善を図っている。
関では、基本的に燃料噴射量のみ負荷対応を行うもので
あり、高負荷時には、混合気が必然的にリッチになる
が、理論空燃比より濃くならない範囲において、混合気
の燃焼速度は、リッチであるほど高くなっているにも拘
わらず、補助着火源を作動させてしまうと、過度に燃焼
速度が高まり、ノッキングを誘発してしまう。このた
め、騒音の発生が問題となり、連続運転を行うと、機関
を損傷する恐れもある。
じて連続的に変化するため、補助着火源による燃焼速度
向上の効果も連続的に変化させるべきだが、補助着火を
行うタイミングを負荷に対して離散的に変更するという
制御を行っているため、幅広い負荷条件にわたって常に
最適な燃焼速度に調整することが不可能で、結果的に、
排気性状および燃料消費率の改善効果を充分に引き出せ
ないという問題がある。特に、低セタン価のガソリンを
使用した内燃機関では、低負荷で補助着火源の作動(着
火)時期を遅くすると、補助着火効果が薄くなって着火
が不完全となり、未燃HCが増大し、排気性状および燃
料消費率の悪化がより顕著なものとなる。
たり燃焼速度を常に最適に調整し、排気性状および燃料
消費率を改善することを目的としている。
に、請求項1の発明は、混合気をピストンの圧縮により
自己着火して燃焼させる圧縮自己着火式内燃機関におい
て、前記自己着火を活性化させるための補助エネルギを
付与する補助エネルギ付与手段と、この補助エネルギ付
与手段による補助エネルギ付与時期を、機関低負荷にな
るほど早める一方、最高負荷時には前記補助エネルギの
付与を停止させるよう制御する補助エネルギ付与時期制
御手段とを有する構成としてある。
によれば、混合気濃度をリーンにして機関出力を落とし
低負荷運転を行う場合、本来リーン化によって燃焼速度
が低くなってしまうところを、補助エネルギの付与時期
を早めることで、着火性が向上して燃焼速度の低下が回
避され、あらゆる負荷域で燃焼特性が良好となる。ま
た、最高負荷時には補助エネルギの付与が停止されるの
で、混合気濃度によってのみ燃焼速度が高まり、燃焼速
度の過度の高まりが回避され、混合気をノッキング限界
までリッチ化することができ、機関の最高出力も充分確
保される。
において、補助エネルギ付与時期制御手段は、補助エネ
ルギ付与手段に対し、機関負荷一定とした場合に、機関
回転数が高くなるほど、補助エネルギ付与時期を早める
よう制御する構成としてある。
も、着火性が向上して燃焼速度低下が回避され、あらゆ
る回転域で燃焼特性が良好となる。
明の構成において、機関温度が所定値以下と低いとき
に、補助エネルギ付与時期制御手段は、補助エネルギ付
与手段に対し、機関温度が低いほど、補助エネルギ付与
時期を早めるよう制御する構成としてある。
の例えば暖機運転中であっても、着火性が向上して燃焼
速度低下が回避され、あらゆる温度域で着火性が向上
し、燃焼特性が良好に保たれる。
ずれかに記載の発明の構成において、燃焼室に燃料を供
給する燃料供給手段と、この燃料供給手段による燃料供
給量を制御する燃料供給量制御手段とをそれぞれ設け、
機関に要求される出力をノッキングする直前で発生させ
るように、前記燃料供給量制御手段が燃料供給手段を制
御するとともに、補助エネルギ付与時期制御手段が補助
エネルギ付与手段を制御する構成としてある。
Cの排出量が最小となり、燃焼消費率が最もよくなる。
このため、ノッキング直前で機関に要求される出力を発
生させるように、燃料供給量および補助エネルギ付与時
期を制御することで、あらゆる混合気濃度条件で燃料消
費率および排気性状が最適となる燃焼状態が得られる。
ずれかの発明の構成において、補助エネルギ付与手段に
よる補助エネルギ量を可変にする補助エネルギ量可変手
段を備えている構成としてある。
による混合気に対する補助エネルギ量が、補助エネルギ
量可変手段により調整され、補助エネルギの付与時期の
みの調整に比べ、さらに広い機関の負荷範囲で燃焼速度
の調整が可能となる。
ずれかの発明の構成において、補助エネルギ付与手段
は、点火プラグである構成としてある。
により混合気に対して補助エネルギが付与される。
件が低負荷になるほど補助エネルギの付与時期を早める
ようにしたので、着火性が向上して燃焼速度の低下が回
避され、幅広い負荷条件にわたって常に最適な燃焼速度
が得られて燃焼特性を良好に保持でき、排気性状および
燃料消費率の改善効果を得ることができる。また、最高
負荷時には補助エネルギの付与を停止するようにしたの
で、混合気濃度によってのみ燃焼速度が高まり、燃焼速
度の過度の高まりが回避され、ノッキングの発生を防止
することができる。
いほど、補助エネルギ付与時期を早めるようにしたの
で、着火性が向上して燃焼速度が高まり、高回転化によ
る燃焼速度低下が回避され、幅広い回転域にわたって常
に最適な燃焼速度が得られて燃焼特性を良好に保持で
き、排気性状および燃料消費率の改善効果を得ることが
できる。
値以下と低いときに、機関温度が低いほど、補助エネル
ギ付与時期を早めるようにしたので、幅広い機関温度領
域にわたって着火性が向上して燃焼速度が高まり、常に
最適な燃焼速度が得られて燃焼特性を良好に保持でき、
これにより機関低温時に混合気を過濃にする必要がな
く、排気性状および燃料消費率の改善効果を得ることが
できる。
る出力をノッキングする直前で発生させるように、燃料
供給量と補助エネルギ付与時期とをそれぞれ制御して、
燃焼速度を調整するようにしたので、未燃HCの排出量
が最小となって排気性状を改善でき、燃料消費率も改善
することができる。
与手段による混合気に対する補助エネルギ量を補助エネ
ルギ量可変手段により調整するようにしたので、補助エ
ネルギの付与時期のみの調整に比べ、さらに広い負荷範
囲で燃焼速度の調整が可能となり、機関のより広い運転
領域にわたって排気性状および燃料消費率の改善効果を
得ることができる。
与手段として用いた点火プラグは、安価で普及率が高
く、信頼性と耐久性に優れているので、コスト的にも機
関の信頼性の面でも非常に有利であり、また小型、軽量
であるため、車載時のレイアウトが容易で、かつ車両の
総重量増加を抑制できるため、結果的に燃料消費率をさ
らに改善することができる。
面に基づき説明する。
す圧縮自己着火式内燃機関の全体構成図である。シリン
ダブロック1内にはピストン3が上下動可能に収容さ
れ、シリンダヘッド5には、吸気ポート7を開閉する吸
気弁9と、排気ポート11を開閉する排気弁13とがそ
れぞれ設けられている。シリンダブロック1とシリンダ
ヘッド5とピストン3とで燃焼室15が形成され、この
燃焼室15に望むように、シリンダヘッド5の上部中央
には、点火プラグ17が取り付けられている。点火プラ
グ17は、自己着火を活性化させるために燃焼室15内
の混合気に補助エネルギを付与するものであり、補助エ
ネルギ付与手段を構成している。
続されており、この吸気通路19には、上流側から、吸
入空気量を検出するエアフローメータ21、吸気ポート
7内に向けて燃料を噴射する燃料供給手段としての燃料
噴射弁23がそれぞれ設けられている。
作は、例えばマイクロコンピュータなどで構成される電
子制御ユニット25によって制御される。電子制御ユニ
ット25は、燃料噴射弁23に制御信号を出力して燃料
噴射量を制御する燃料供給量制御手段としての燃料噴射
量制御回路27と、点火回路29に制御信号を出力して
点火プラグ17での点火時期を制御する補助エネルギ付
与時期制御手段としての点火時期制御回路31とをそれ
ぞれ備えている。
態を示す信号として、機関回転数信号N、負荷信号L、
機関温度信号となる油水温信号T、空気量信号Qaが、
エアフローメータ21以外は図示していない各種のセン
サから入力され、この入力信号に基づいて、燃料噴射量
制御回路27および点火時期制御回路31がそれぞれ動
作する。
点火プラグ17により補助エネルギ付与した場合の圧縮
自己着火燃焼形態の変化の様子を説明する。
ランク角に対する筒(燃焼室15)内圧の変化を、混合
気濃度の違いによって示している。これによれば、混合
気がリッチ化するほど、圧縮上死点(TDC)以後の燃
焼開始後の筒内圧立ち上がりが急峻になっている。これ
は、混合気がリッチ化するほど着火性が向上し燃焼速度
が高まるためであり、この立ち上がりが急激すぎるとノ
ッキングとなる。
合気濃度と未燃HC排出量との関係を示している。これ
によれば、混合気濃度がリッチ化するほど、着火性が向
上するため、未燃HC排出量が減少している。
合気濃度と燃料消費率との関係を示している。これによ
れば、混合気濃度がリッチ化するほど、着火性が向上し
未燃HC排出量が減少するので、結果的に燃料消費率が
良好になる。
合気濃度と負荷との関係を示している。これによれば、
混合気濃度がリッチ化するほど、当然ながら負荷が高く
なる。
としたときのクランク角に対する筒内圧の変化を、点火
時期の違いによって示している。点火時期がS1,S2,
S3,S4と圧縮TDCに対して進角化するほど、つまり
点火時期を早めるほど着火性を改善する効果が大とな
り、燃焼速度が高まるため、燃焼開始後の筒内圧の立ち
上がりが急峻になっていくという、前記図2と同様の変
化形態となっている。この場合も、過度に点火時期を進
角するとノッキングを引き起こすことになる。
したときの点火時期と未燃HC排出量との関係を示して
いる。これによれば、点火時期を進角化するほど着火性
が向上するため、未燃HC排出量が減少する。
としたときの点火時期と燃料消費率との関係を示してい
る。これによれば、点火時期を進角化するほど着火性が
向上し未燃HC排出量が減少するため、結果的に燃料消
費率が良好になる。
としたときの点火時期と負荷との関係を示している。こ
れによれば、混合気濃度が一定であっても、点火時期を
進角化するほど着火性が向上し、筒内圧波形が、混合気
がリッチの場合と同等のパターンとなるので、結果的に
負荷(=出力)は高まる。
利用した本発明の考え方について説明する。
制御信号の演算などを行う場合の基準となる機関回転数
N0の条件における、点火時期と負荷に対する等混合気
濃度線を示している。これは、前記図5、図9から引き
出せるもので、混合気は、点火時期進角側、低負荷側で
リーン化し、逆に点火時期遅角側、高負荷側でリッチ化
しており、点火進角によって同一負荷での混合気をリー
ン化できる。
ける、点火時期と負荷に対する等燃料消費率線を示して
いる。これは、前記図4、図5、図8から引き出せるも
ので、燃焼消費率は、点火時期進角側、高負荷側で改善
され、逆に点火時期遅角側、低負荷側で悪化しており、
点火進角によって、同一負荷での燃料消費率を改善でき
る。
ける、点火時期と負荷に対する等燃焼安定度線を示して
いる。これによれば、燃焼安定度は、点火時期に関して
はあまり感度がない。負荷が低くなるほど燃焼安定度は
悪化していくため、本実施形態では、燃焼安定度の限界
線Cよりも上の高負荷側を利用することになる。
ける、点火時期と負荷に対するノック強度線を示してい
る。これによれば、ノック強度は、高負荷側、点火時期
進角側で強くなり、逆に低負荷側、点火時期遅角側で弱
くなる傾向にある。本実施形態では、ノック限界線Dよ
りも右下の、低負荷、点火時期遅角側を利用することに
なる。
マップ上で、実際に利用できるのは図12における燃焼
安定度限界線Cより上側の高負荷側かつ、図13におけ
るノック限界線Dより右下側の低負荷、点火時期遅角側
の領域に限られることになる。この限られた運転可能領
域の中で、最も燃料消費率の良い条件を満たすように、
点火時期および燃料噴射量を制御するというのが、本発
明の狙いである。
条件における、負荷に対する最適点火時期ラインSを、
前記図12の安定度限界線Cおよびノック限界線Dとと
もに示している。前記図11より、点火時期と負荷とを
二軸とするマップ上で左上になるほど燃焼消費率が良好
となるため、実際に利用できる領域内で各負荷に対して
最良の燃焼消費率を与えるのは、図14中の最適点火時
期ラインS上ということになる。
ける、前記図10に示した等混合気濃度線図上での最適
点火時期ラインSの位置関係を示している。上記図14
で説明したように、各負荷に対して最良の燃料消費率を
与える最適点火時期が一義的に決定されるとともに、図
15より、その最適点火時期に対応する最適混合気濃度
が一義的に決定される。
クランク角に対する筒内圧の変化を、機関回転数の違い
によって示している。圧縮自己着火燃焼は、混合気の自
己着火特性に強く依存している燃焼形態であるため、高
回転化によって燃焼サイクル間の実時間が短くなると、
混合気の有限の着火遅れ時間が存在するために燃焼を開
始することが困難となる。つまり、混合気の着火性が低
下することになる。
回転数が高くなるほど、混合気の着火性が必然的に悪く
なって燃焼速度が低下するため、燃焼開始後の筒内圧の
立ち上がりが鈍くなっていくことになる。この傾向は、
同一回転数条件にて混合気濃度をリーン化したことに相
当するため、高回転化した場合でも同一負荷に対応させ
るためには、混合気をリッチ化する必要性が生じる。
合気濃度線を示している。図16での説明より、同一負
荷に対する混合気濃度は、高回転化するほどリッチ化す
る性質があるので、このような等高線図になることがわ
かる。また、機関回転数を高回転化しても同一負荷を確
保したい場合に、混合気をリッチ化することと同様の効
果として点火時期を進角化することでも対応できるはず
である。
高いある回転数N1のときの、負荷に対する最適点火時
期ラインS1を示している。燃焼速度が同等であれば、
一般的に燃焼安定度とノック強度も同等と考えられるの
で、高回転化した場合には、ノック限界線、安定度限界
線ともに高負荷側にシフトすることになる。つまり、回
転数N1のときの各負荷に対して最良の燃料消費率を与
える最適点火時期ラインS1は、回転数N0のときの最適
点火時期ラインSに対して高負荷側にシフトしたものと
なる。このときのシフト量を負荷補正量ΔLnと呼ぶこ
ととする。
気濃度線図上での上記の最適点火時期ラインSおよびS
1の位置関係を示している。図18で説明したように、
各回転数における各負荷に対して最良の燃料消費率を与
える最適点火時期が一義的に決定されるとともに、図1
9によりその最適点火時期に対応する最適混合気濃度が
一義的に決定される。
ΔLnとの関係を示している。基準機関回転数N0のとき
の補正量を0として、より高回転になるほど補正量はプ
ラス側で大きくなり、より低回転になるほど補正量はマ
イナス側で大きくなる。あらゆる回転数での最適点火時
期ラインは、基準機関回転数N0の最適点火時期ライン
Sと、図20の関係から得られる回転数に対する負荷補
正量ΔLnとによって決定することが可能となる。
定としたときの、クランク角に対する筒内圧の変化を、
油水温の違いによって示している。油水温が低くなるほ
ど、混合気の着火性が悪くなり、燃焼速度が低下するた
め、燃焼開始後の筒内圧の立ち上がりが鈍くなってい
る。
定としたときの、油水温と燃焼速度との関係を示してい
る。これによれば、油水温が低下するほど燃焼速度が低
くなっている。ここでは、機関の暖機完了時の油水温を
T0としている。
定としたときの、点火時期と燃焼速度との関係を示して
いる。前述したように、混合気濃度が一定であっても、
点火時期を進角させることで、燃焼速度を高めることが
可能である。よって油水温が低い場合の燃焼速度低下分
を、点火時期進角による燃焼速度向上分で補ってやれ
ば、従来のように混合気を過濃にすることなく暖機運転
が可能となる。
態のときの、点火時期補正量ΔIGNtを説明するための
図である。前述したように、暖機運転中は、低油水温の
影響により燃焼速度が低下するので、これをキャンセル
するために、点火時期は暖機完了時のIGN0に比べて進
角させる必要がある。油水温Tのときの点火時期をIGN
tとし、IGN0からの進角量をΔIGNtとしてある。
水温補正を含んだ電子制御ユニット25における実際の
制御動作を、図25に示すフローチャートに基づき説明
する。まず、各センサから、現在の機関回転数信号N、
空気量信号Qa、要求負荷信号L、油水温信号Tを取り
込んだ後(ステップS1)、暖機が完了したかどうかを
判断する(ステップS2)。
いる場合には、油水温による点火時期補正は不要である
ため、基準点火時期IGN0を設定点火時期IGNと等しくす
る(ステップS3)。T<T0となって暖機運転中と判
断された場合には、現在の油水温Tに対する点火時期補
正量ΔIGNtを図24の関係から決定し(ステップS
4)、基準点火時期IGN0にこの点火時期補正量ΔIGNt
を加算したものを設定点火時期IGNとする(ステップS
5)。
期IGNに対し、一つの最適点火時期ラインが対応する。
火時期ラインの負荷補正量ΔLnを、図20の関係から
決定する(ステップS6)。さらに、現在の要求負荷L
に対する最適点火時期を、図14または図18の関係か
ら決定し(ステップS7)、この決定した最適点火時期
で点火プラグ17が点火動作を行うように、点火時期制
御回路31が点火回路29へ点火時期制御信号を出力す
る(ステップS8)。
点火時期に対応する混合気濃度を、図15または図19
の関係から決定する(ステップS9)。そして、この決
定した混合気濃度になるように、現在の空気量Qaから
必要な燃料噴射量を決定し(ステップS10)、この燃
料噴射量になるように、燃料噴射量制御回路27が燃焼
噴射弁23に燃料噴射制御信号を出力する(ステップS
11)。
量制御を行うことで、機関回転数、吸入空気量、要求負
荷、油水温のいずれが変化しても、常に混合気の燃焼速
度を最適に調整することができ、燃料消費率および排気
性状が改善されるものとなる。
点火動作を停止するようにする。これにより、混合気濃
度によってのみ燃焼速度が高まり、燃焼速度の過度の高
まりが回避され、ノッキングの発生を抑制することがで
きるとともに、混合気をノッキング限界までリッチする
ことができ、機関の最高出力も充分確保される。
ラグ17は、安価で普及率が高く、信頼性と耐久性に優
れているので、コスト的にも機関の信頼性の面でも非常
に有利であり、さらに小型、軽量であるため、車載時の
レイアウトが容易で、かつ車両の総重量増加を抑制でき
るため、結果的に燃料消費率をさらに改善することが可
能となる。
示す圧縮自己着火式内燃機関の全体構成図である。この
実施の形態は、前記図1に示した第1の実施の形態の構
成に対し、電子制御ユニット25内に、補助エネルギ量
可変手段として点火エネルギ量可変制御回路33を備え
ている。
の各種入力信号に基づいて演算処理を行い、点火回路2
9に対し点火エネルギ量制御信号を出力して点火プラグ
17での点火エネルギ量を制御し、燃焼室15内の混合
気の燃焼特性(着火性)をより広い負荷範囲において調
整する。
路29における一次電流の通電時間を調整することでな
される。すなわち、点火エネルギ量を小さくする場合は
一次電流の通電時間を短くし、逆に点火エネルギ量を大
きくする場合は一次電流の通電時間を長くすることによ
り、点火エネルギとして与えられる二次電流値をそれぞ
れ小さく、または大きく変化させることができる。
路33により点火エネルギ量を通常より増加した場合の
最適点火時期ラインの変化を示している。破線で示す最
適点火時期ラインSが、点火エネルギ量を増加していな
い通常時であるのに対し、実線で示す最適点火時期ライ
ンS2は点火エネルギ量を増加した場合であり、最適点
火時期ラインS2の方がより低負荷側に位置している。
定度の改善効果が大きくなるため、同じ点火時期調整範
囲であっても、制御可能な負荷範囲が、AからBへと低
負荷側へ拡大されるため、通常時の点火エネルギでは不
可能であった低負荷領域も最適な燃焼特性が得られ、燃
料消費率および排気性状をより一層改善することができ
る。
手段として点火プラグ17を用いているが、これに代え
て、例えばレーザ光を燃焼室15内に照射するレーザ照
射装置を用いるなどとしてもよい。
火式内燃機関の全体構成図である。
違いによるクランク角と筒内圧との相関図である。
燃HC排出量との相関図である。
料消費率との相関図である。
荷との相関図である。
の、点火時期の違いによるクランク角と筒内圧との相関
図である。
火時期と未燃HC排出量との相関図である。
火時期と燃料消費率との相関図である。
火時期と負荷(出力)との相関図である。
負荷に対する等混合気濃度線図である。
負荷に対する等燃料消費率線図である。
負荷に対する等燃焼安定度線図である。
負荷に対するノック強度線図である。
る最適点火時期ラインを示す説明図である。
混合気濃度線図上での最適点火時期ラインの位置関係図
である。
の違いによるクランク角と筒内圧との相関図である。
である。
火時期ラインの変化を示す説明図である。
での最適点火時期ラインの位置関係図である。
する負荷補正量と機関回転数との相関図である。
の、油水温の違いによるクランク角と筒内圧との相関図
である。
の、油水温と燃焼速度との相関図である。
の、点火時期と燃焼速度との相関図である。
示すフローチャートである。
着火式内燃機関の全体構成図である。
点火エネルギ量の違いによる負荷に対する最適点火時期
ラインの変化を示す説明図である。
段) 33 点火エネルギ量可変制御回路(補助エネルギ量可
変手段)
Claims (6)
- 【請求項1】 混合気をピストンの圧縮により自己着火
して燃焼させる圧縮自己着火式内燃機関において、前記
自己着火を活性化させるための補助エネルギを付与する
補助エネルギ付与手段と、この補助エネルギ付与手段に
よる補助エネルギ付与時期を、機関低負荷になるほど早
める一方、最高負荷時には前記補助エネルギの付与を停
止させるよう制御する補助エネルギ付与時期制御手段と
を有することを特徴とする圧縮自己着火式内燃機関。 - 【請求項2】 補助エネルギ付与時期制御手段は、補助
エネルギ付与手段に対し、機関負荷一定とした場合に、
機関回転数が高くなるほど、補助エネルギ付与時期を早
めるよう制御することを特徴とする請求項1記載の圧縮
自己着火式内燃機関。 - 【請求項3】 機関温度が所定値以下と低いときに、補
助エネルギ付与時期制御手段は、補助エネルギ付与手段
に対し、機関温度が低いほど、補助エネルギ付与時期を
早めるよう制御することを特徴とする請求項1または2
記載の圧縮自己着火式内燃機関。 - 【請求項4】 燃焼室に燃料を供給する燃料供給手段
と、この燃料供給手段による燃料供給量を制御する燃料
供給量制御手段とをそれぞれ設け、機関に要求される出
力をノッキングする直前で発生させるように、前記燃料
供給量制御手段が燃料供給手段を制御するとともに、補
助エネルギ付与時期制御手段が補助エネルギ付与手段を
制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
に記載の圧縮自己着火式内燃機関。 - 【請求項5】 補助エネルギ付与手段による補助エネル
ギ量を可変にする補助エネルギ量可変手段を備えている
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
圧縮自己着火式内燃機関。 - 【請求項6】 補助エネルギ付与手段は、点火プラグで
あることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記
載の圧縮自己着火式内燃機関。
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