JP6365372B2 - エンジンの失火判定装置 - Google Patents

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本発明は、エンジンの失火判定装置に関する。
従来、この種のエンジンの失火判定装置としては、クランクシャフトがダンパを介して後段に接続されたエンジンで失火が発生するか否かを判定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この失火判定装置では、エンジンの運転ポイント(回転数およびトルク)がダンパを含む後段の共振領域に属しないときには、クランク角の30度毎の回転数である30度回転数の逆数をとって、クランクシャフトが30度だけ回転するのに要する30度回転所要時間を演算し、演算した30度回転所要時間と第1閾値との比較によって、エンジンで失火が発生しているか否かを判定する。一方、エンジンの運転ポイントが共振領域に属するときには、30度回転数にハイパスフィルタを施してフィルタ処理後回転数を演算し、演算したフィルタ処理後回転数の谷と山との差である変動分と第2閾値との比較によって、エンジンで失火が発生しているか否かを判定する。
特開2011−52698号公報
上述したように、エンジンのクランクシャフトがダンパを介して後段に接続されている場合、エンジンの運転時、特に、軽負荷での運転時には、エンジンからの比較的小さいトルク変動に対してダンパからの影響によって、30度回転数,30度回転所要時間,30度回転所要時間の変化量などがバラつく。このため、エンジンで失火が発生しているか否かの判定精度が低くなりやすい。
本発明のエンジンの失火判定装置は、エンジンで失火が発生しているか否かの判定精度を向上させることを主目的とする。
本発明のエンジンの失火判定装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジンの失火判定装置は、
出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒のエンジンで失火が生じているか否かを判定するエンジンの失火判定装置であって、
前記出力軸が第1所定回転角だけ回転するのに要した時間の変化量である所要時間変化量を周期的に演算する演算手段と、
最新に演算された前記所要時間変化量を、第2所定回転角前に演算された前記所要時間変化量が大きいほど大きくなるように補正し、該補正後の所要時間変化量と閾値との比較によって前記エンジンで失火が発生しているか否かを判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする。
この本発明のエンジンの失火判定装置では、出力軸が第1所定回転角だけ回転するのに要した時間(以下、「回転所要時間」という)の変化量である所要時間変化量を周期的に演算する。ここで、「第1所定回転角」は、例えば、30度とすることができる。また、「所要時間変化量」は、例えば、最新に演算された回転所要時間から第3所定回転角(例えば、出力軸の回転角で1点火サイクルに相当する回転角(6気筒の場合120度))前に演算された回転所要時間を減じて演算することができる。さらに、「周期的に」は、例えば、出力軸の回転角で30度毎に、とすることができる。そして、最新に演算された所要時間変化量を、第2所定回転角前に演算された所要時間変化量が大きいほど大きくなるように補正し、補正後の所要時間変化量と閾値との比較によってエンジンで失火が発生しているか否かを判定する。ここで、「第2所定回転角」は、例えば、出力軸の回転角で1点火サイクルに相当する回転角とすることができる。ねじれ要素のねじれ反力の影響によってエンジンの回転数が減少しているとき(第2所定回転角前に演算された所要時間変化量が正の値のとき)には、最新に演算された所要時間変化量が実際よりも小さくなっていると考えられる。一方、ねじれ要素のねじれ反力によってエンジンの回転数が増加しているとき(第2所定回転角前に演算された所要時間変化量が負の値のとき)には、最新に演算された所要時間変化量が実際よりも大きくなっていると考えられる。したがって、最新に演算された所要時間変化量を第2所定回転角前に演算された所要時間変化量に応じて補正し、補正後の所要時間変化量を用いてエンジンで失火が発生しているか否かを判定することにより、エンジンで失火が発生しているか否かをより精度よく判定することできる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 実施例のエンジンECU24によって実行される所要時間変化量演算ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジンECU24によって実行される失火カウンタ設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのエンジンの失火判定装置を備えるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などの燃料を用いて吸気・圧縮・膨張・排気の4行程によって動力を出力する6気筒の内燃機関として構成されている。図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。エンジン22は、図示するように、エアクリーナ122によって清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126から燃料を噴射して、空気と燃料とを混合する。そして、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室に吸入する。そして、吸入した混合気を点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギによって押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。燃焼室からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)134aを有する浄化装置134を介して外気に排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24によって運転制御されている。エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。図2に示すように、エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、以下のものを挙げることができる。クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランク角θcr。エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Tw。吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフトの回転位置や排気バルブを開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカム角θci,θco。スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットル開度TH。吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa。吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温Ta。吸気管内の圧力を検出する吸気圧センサ158からの吸気圧Pin。浄化装置134の浄化触媒134aの温度を検出する温度センサ134bからの触媒温度Tc。空燃比センサ135aからの空燃比AF。酸素センサ135bからの酸素信号O2。シリンダブロックに取り付けられてノッキングの発生に伴って生じる振動を検出するノックセンサ159からのノック信号Ks。エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。各種制御信号としては、以下のものを挙げることができる。スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動制御信号。燃料噴射弁126への駆動制御信号。イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への駆動制御信号。吸気バルブ128の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構150への駆動制御信号。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このエンジンECU24は、HVECU70からの制御信号によってエンジン22を運転制御する。また、エンジンECU24は、必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランク角θcrに基づいて、クランクシャフト26の回転数、即ち、エンジン22の回転数Neを演算している。また、エンジンECU24は、エアフローメータ148からの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて、体積効率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算している。
図1に示すように、プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、ねじれ要素としてのダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、バッテリ50と共に電力ライン54に接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、以下のものを挙げることができる。モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2。モータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサからの相電流。モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このモータECU40は、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御する。また、モータECU40は、必要に応じてモータMG1,MG2の駆動状態に関するデータをHVECU70に出力する。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されている。このバッテリ50は、上述したように、インバータ41,42と共に電力ライン54に接続されている。バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、以下のものを挙げることができる。バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの電池電圧Vb。バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからの電池電流Ib。バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tb。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このバッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータをHVECU70に出力する。バッテリECU52は、電流センサ51bからの電池電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。また、バッテリECU52は、演算した蓄電割合SOCと、温度センサ51cからの電池温度Tbと、に基づいて入出力制限Win,Woutを演算している。入出力制限Win,Woutは、バッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、以下のものを挙げることができる。イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号。シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP。アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc。ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP。車速センサ88からの車速V。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。このHVECU70は、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
なお、実施例では、エンジンECU24が「エンジンの失火判定装置」に該当する。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36の要求駆動力を設定し、要求駆動力に見合う要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1,MG2とを運転制御する。エンジン22とモータMG1,MG2との運転モードとしては、以下の(1)〜(3)のモードがある。
(1)トルク変換運転モード:要求動力に対応する動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共に、エンジン22から出力される動力の全てが、プラネタリギヤ30とモータMG1,MG2とによってトルク変換されて、要求動力が駆動軸36に出力されるようにモータMG1,MG2を駆動制御するモード。
(2)充放電運転モード:要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共に、エンジン22からの出力される動力の全てまたは一部が、バッテリ50の充放電を伴ってプラネタリギヤ30とモータMG1,MG2とによってトルク変換されて、要求動力が駆動軸36に出力されるようにモータMG1,MG2を駆動制御するモード。
(3)モータ運転モード:エンジン22の運転を停止して、要求動力が駆動軸36に出力されるようにモータMG2を駆動制御するモード。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、エンジン22で失火が発生しているか否かを判定する際の動作について説明する。図3は、実施例のエンジンECU24によって実行される所要時間変化量演算ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図4は、エンジンECU24によって実行される失火カウンタ設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。以下、順に説明する。なお、実施例では、6気筒のエンジン22を用いるから、第1気筒(♯1),・・・,第6気筒(♯6)の順に、クランクシャフト26の回転角で120度毎に点火が行なわれる。したがって、以下の説明において、「点火サイクル」は、クランクシャフト26の回転角で120度に相当する。
まず、図3の所要時間変化量設定ルーチンについて説明する。このルーチンは、クランクシャフト26が所定角度(例えば30度)だけ回転する毎に実行される。図3のルーチンが実行されると、エンジンECU24は、まず、最新に演算された30度回転所要時間T30(以下、「T30new」と示す)と、1点火サイクル前(クランクシャフト26の回転角で120度前)に演算された30度回転所要時間T30(以下、「T30ic1」と示す)と、を入力する(ステップS100)。ここで、30度回転所要時間T30は、クランクシャフト26が30度だけ回転するのに要した時間である。この30度回転所要時間T30は、実施例では、クランクシャフト26が所定角度(例えば、10度,30度など)だけ回転する毎に、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrが30度だけ回転するのに要した時間を計測して得るものとした。
続いて、最新に演算された30度回転所要時間T30newから1点火サイクル前に演算された30度回転所要時間T30ic1を減じて、所要時間変化量ΔT30を計算して(ステップS110)、本ルーチンを終了する。
次に、図4の失火カウンタルーチンについて説明する。このルーチンは、クランクシャフト26が所定角度(例えば30度)だけ回転する毎に実行される。図4のルーチンが実行されると、エンジンECU24は、まず、最新に演算された所要時間変化量ΔT30(以下、「ΔT30new」と示す)と、1点火サイクル前(クランクシャフト26の回転角で120度前)に演算された所要時間変化量ΔT30(以下、「ΔT30ic1」と示す)と、を入力する(ステップS200)。ここで、最新に演算された所要時間変化量ΔT30newは、最新に演算された30度回転所要時間T30newから1点火サイクル前に演算された30度回転所要時間T30ic1を減じた値であり、1点火サイクル前に演算された所要時間変化量ΔT30ic1は、1点火サイクル前に演算された30度回転所要時間T30ic1から2点火サイクル前に演算された30度回転所要時間T30(以下、「T30ic2」と示す)を減じた値である。
こうしてデータを入力すると、最新に演算された所要時間変化量ΔT30newに、1点火サイクル前に演算された所要時間変化量ΔT30ic1と補正係数kとの積を加えて、補正後所要時間変化量ΔT30realを計算する(ステップS210)。ここで、補正係数kは、実験や解析などによって定められ、例えば、値0.1,値0.15などを用いることができる。したがって、補正後所要時間変化量ΔT30realは、最新に演算された所要時間変化量ΔT30newを、1点火サイクル前に演算された所要時間変化量ΔT30ic1が大きいほど大きくなる傾向に補正して、得られる値となる。
ダンパ28のねじれ反力の影響によってエンジン22の回転数が減少しているとき(1点火サイクル前に演算された所要時間変化量ΔT30ic1(=T30ic1−T30ic2)が正の値のとき)には、1点火サイクル前に演算された30度回転所要時間T30ic1が比較的大きいために、最新に演算された所要時間変化量ΔT30new(=T30new−T30ic1)が実際よりも小さくなっていると考えられる。一方、ダンパ28のねじれ反力によってエンジン22の回転数が増加しているとき(1点火サイクル前に演算された所要時間変化量ΔT30ic1が負の値のとき)には、1点火サイクル前に演算された30度回転所要時間T30ic1が比較的小さいために、最新に演算された所要時間変化量ΔT30newが実際よりも大きくなっていると考えられる。したがって、1点火サイクル前に演算された所要時間変化量ΔT30ic1に正の値の補正係数kを乗じた値を最新に演算された所要時間変化量ΔT30newに加えて補正後所要時間変化量ΔT30realを演算することにより、ダンパ28のねじれ反力の影響を除去して、実際の所要時間変化量ΔT30actとの誤差をより小さくすることができる。
続いて、補正後所要時間変化量ΔT30realを閾値ΔT30refと比較する(ステップS220)。ここで、閾値ΔT30refは、エンジン22で失火が発生している可能性があるか否かを判定するために用いられる閾値であり、実験や解析などによって、エンジン22の回転数Ne毎,体積効率KL毎に定められる。この閾値ΔT30refは、例えば、エンジン22の回転数Neが1500rpmで体積効率KLが60%のときに100μsec,120μsecなどとすることができる。補正後所要時間変化量ΔT30realが閾値ΔT30ref以下のときには、エンジン22で失火が発生している可能性はないと判断し、失火カウンタCを保持して(ステップS230)、本ルーチンを終了する。一方、補正後所要時間変化量ΔT30realが閾値ΔT30refよりも大きいときには、エンジン22で失火が発生している可能性があると判断し、失火カウンタCを値1だけインクリメントして(ステップS240)、本ルーチンを終了する。ここで、失火カウンタCは、エンジン22で失火が発生しているか否かの判定に用いられるカウンタである。
そして、エンジン22が所定回転Nref(例えば、800回転,1000回転など)だけ回転したときに、失火カウンタCを閾値Crefと比較し、失火カウンタCが閾値Cref以下のときには、エンジン22で失火は発生していないと判定して失火カウンタCを値0にリセットし、失火カウンタCが閾値Crefよりも大きいときには、エンジン22で失火が発生していると判定して失火カウンタCを値0にリセットするのである。ここで、閾値Crefは、例えば、所定回転Nrefの間の点火回数(6気筒の場合(3×Nref)回)の2%、3%などの値を用いることができる。
上述したように、1点火サイクル前に演算された所要時間変化量ΔT30ic1が正の値のときには、最新に演算された所要時間変化量ΔT30newが実際よりも小さくなっていると考えられる。このため、所要時間変化量ΔT30newを閾値ΔT30refと比較すると、エンジン22で失火が発生しているにも拘わらず、所要時間変化量ΔT30newが閾値ΔT30ref以下となることがある。また、上述したように、1点火サイクル前に演算された所要時間変化量ΔT30ic1が負の値のときには、最新に演算された所要時間変化量ΔT30newが実際よりも大きくなっていると考えられる。このため、所要時間変化量ΔT30newを閾値ΔT30refと比較すると、エンジン22で失火が発生していないにも拘わらず、燃焼が緩慢になっているときなどに、所要時間変化量ΔT30newが閾値ΔT30refよりも大きくなることがある。これらに対して、補正後所要時間変化量ΔT30realを閾値ΔT30refと比較することにより、エンジンで失火が発生しているか否かをより精度よく判定することできる。
以上説明した実施例のエンジンの失火判定装置では、最新に演算された所要時間変化量ΔT30newを、1点火サイクル前に演算された所要時間変化量ΔT30ic1が大きいほど大きくなる傾向に補正して補正後所要時間変化量ΔT30realを計算し、この補正後所要時間変化量ΔT30realと閾値ΔT30refとの比較によってエンジン22で失火が発生しているか否かを判定する。これにより、エンジンで失火が発生しているか否かをより精度よく判定することできる。
実施例のエンジンの失火判定装置では、クランクシャフト26が30度だけ回転するのに要にした時間である30度回転所要時間T30を演算すると共にこの30度回転所要時間T30に基づいて所要時間変化量ΔT30を演算するものとした。しかし、30度に代えて、10度,20度などを用いるものとしてもよい。
実施例のエンジンの失火判定装置では、最新に演算された30度回転所要時間T30newから1点火サイクル前に演算された30度回転所要時間T30ic1を減じて所要時間変化量ΔT30を計算するものとした。しかし、最新に演算された30度回転所要時間T30newから2点火サイクル前に演算された30度回転所要時間T30などを減じて所要時間変化量ΔT30を計算するものとしてもよい。
実施例のエンジンの失火判定装置では、最新に演算された所要時間変化量ΔT30newを、1点火サイクル前に演算された所要時間変化量ΔT30ic1を用いて補正して、補正後所要時間変化量ΔT30realを計算するものとした。しかし、最新に演算された所要時間変化量ΔT30newを、2点火サイクル前に演算された所要時間変化量ΔT30などを用いて補正して、補正後所要時間変化量ΔT30realを計算するものとしてもよい。
実施例では、6気筒のエンジン22を用いるものとしたが、4気筒,8気筒,12気筒などのエンジンを用いるものとしてもよい。
実施例では、エンジン22とプラネタリギヤ30とモータMG1,MG2とを備えるハイブリッド自動車20に搭載されるエンジンの失火判定装置として説明した。しかし、クランクシャフト26がダンパ28を介して後段に接続された複数気筒のエンジンで失火が生じているか否かを判定するエンジンの失火判定装置であればよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、エンジンECU24が「演算手段」,「判定手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、エンジンの失火判定装置の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、134a 浄化触媒、134b 温度センサ、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、158 吸気圧センサ、159 ノックセンサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (2)

  1. 出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒のエンジンで失火が生じているか否かを判定するエンジンの失火判定装置であって、
    前記出力軸が第1所定回転角だけ回転するのに要した回転時間を演算する回転時間演算手段と、
    演算された前記回転時間から、第2所定回転角前に演算された前記回転時間を減じた所要時間変化量を周期的に演算する変化量演算手段と、
    算された前記所要時間変化量を、第所定回転角前に演算された前記所要時間変化量が大きいほど大きくなるように補正し、該補正後の所要時間変化量と閾値との比較によって前記エンジンで失火が発生しているか否かを判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とするエンジンの失火判定装置。
  2. 前記判定手段は、演算された前記所要時間変化量に、前記第3所定回転角前に演算された前記所要時間変化量に比例する補正値を加えた補正変化量と前記閾値との比較によって前記エンジンで失火が発生しているか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1記載のエンジンの失火判定装置。
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