JP2008095617A - 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法 - Google Patents

内燃機関の失火判定装置および失火判定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008095617A
JP2008095617A JP2006279516A JP2006279516A JP2008095617A JP 2008095617 A JP2008095617 A JP 2008095617A JP 2006279516 A JP2006279516 A JP 2006279516A JP 2006279516 A JP2006279516 A JP 2006279516A JP 2008095617 A JP2008095617 A JP 2008095617A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal combustion
combustion engine
determination
misfire
determination threshold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006279516A
Other languages
English (en)
Inventor
Hikokazu Akimoto
彦和 秋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006279516A priority Critical patent/JP2008095617A/ja
Publication of JP2008095617A publication Critical patent/JP2008095617A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】内燃機関の出力軸にねじれ要素と遊星歯車機構とを介して電動機が取り付けられ、この電動機により制振制御が行なわれている車両における内燃機関の失火をより適正に判定する。
【解決手段】二つのモータによる制振制御におけるフィードバック制御の関係式における比例項P1,P2とエンジンの回転数とにより仮判定用閾値A1,A2を設定すると共にこれを用いて失火の仮判定を行ない(S120,S130)、失火が仮判定されたときには、比例項P1,P2を用いて本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42を設定すると共にこれを用いて失火の本判定を行なう(S150,S160)。これにより、エンジンのトルク脈動に伴う振動を抑制するために二つのモータにより制振制御を行なっている場合でもエンジンの失火をより適正に判定することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の失火判定装置および失火判定方法に関し、詳しくは、複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、第1電動機に対するフィードバック制御と第2電動機に対するフィードバック制御とのうちすくなくとも一方の制御により内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の内燃機関の失火を判定する失火判定装置やこうした車両の内燃機関の失火を判定する失火判定方法に関する。
従来、この種の内燃機関の失火判定装置としては、エンジンのクランク軸にモータジェネレータを直接取り付けてなるハイブリッド車両におけるエンジンの失火を検出するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車両では、モータジェネレータによるクランク軸のトルク変動を打ち消すための制振制御を実施すると共に制振制御の実施におけるモータジェネレータのトルク補正量が大きいほど小さな値の閾値を用いてエンジンの失火を判定している。
特開2001−65402号公報
しかしながら、上述のハイブリッド車両では、エンジンのクランク軸にモータジェネレータを直接取り付けてなるハイブリッド車両におけるエンジンの失火については検出することができるもののエンジンのクランク軸に遊星歯車を介してモータが取り付けられてなる車両におけるエンジンの失火については適正に検出することができない。特に、エンジンのクランク軸に遊星歯車を介して二つのモータが取り付けられ、二つのモータによって制振制御が行なわれているときには、エンジンの失火を適正に検出することはできない。また、エンジンのクランク軸がダンパなどのねじれ要素を介して遊星歯車が取り付けられている車両では、ねじれ要素に基づく共振によりエンジンの失火の検出が困難なものとなる。
本発明の内燃機関の失火判定装置および失火判定方法は、内燃機関の出力軸にねじれ要素と遊星歯車機構とを介して電動機が取り付けられてこの電動機により制振制御がなされている車両における内燃機関の失火をより適正に判定することを目的の一つとする。また、本発明の内燃機関の失火判定装置および失火判定方法は、上述の車両における内燃機関の失火を精度よく判定することを目的の一つとする。
本発明の内燃機関の失火判定装置および失火判定方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の内燃機関の失火判定装置は、
複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が前記第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、前記第1電動機に対するフィードバック制御と前記第2電動機に対するフィードバック制御とにより前記内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の前記内燃機関の失火を判定する失火判定装置であって、
前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記検出された回転位置に基づいて前記出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算する単位回転角回転所要時間演算手段と、
前記第1電動機に対する前記フィードバック制御における第1のパラメータに基づいて仮失火判定に用いる第1仮判定用閾値を設定すると共に前記第2電動機に対するフィードバック制御における第2のパラメータに基づいて仮失火判定に用いる第2仮判定用閾値を設定する仮判定用閾値設定手段と、
前記設定された第1仮判定用閾値および第2仮判定用閾値と前記演算された単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定する仮判定手段と、
前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定する本判定用閾値設定手段と、
前記仮判定手段により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、前記本判定用閾値と前記演算された単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する本判定手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の内燃機関の失火判定装置では、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算し、第1電動機に対するフィードバック制御における第1のパラメータに基づいて仮失火判定に用いる第1仮判定用閾値を設定すると共に第2電動機に対するフィードバック制御における第2のパラメータに基づいて仮失火判定に用いる第2仮判定用閾値を設定し、設定した第1仮判定用閾値および第2仮判定用閾値と内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて演算される出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間とに基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定する。そして、内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、第1のパラメータと第2のパラメータとに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定すると共に設定した本判定用閾値と演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する。このように、駆動軸のトルク脈動を抑制するための第1電動機に対するフィードバック制御における第1のパラメータと第2電動機に対するフィードバック制御における第2のパラメータとを用いて内燃機関の失火を判定するから、内燃機関の出力軸にねじれ要素と遊星歯車機構とを介して二つの電動機が取り付けられてこの二つの電動機により制振制御がなされている車両でも、より適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。ここで、「第1のパラメータ」と「第2のパラメータ」としては、フィードバック制御における比例項を用いることができる。
こうした本発明の第1の内燃機関の失火判定装置において、前記仮判定用閾値設定手段は、前記第1のパラメータの絶対値が大きいほど小さくなる傾向に前記第1仮判定用閾値を設定すると共に前記第2のパラメータの絶対値が大きいほど小さくなる傾向に前記第2仮判定用閾値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、第1のパラメータや第2のパラメータの大きさに応じてより適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。
また、本発明の第1の内燃機関の失火判定装置において、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段を備え、前記仮判定用閾値設定手段は、前記検出された内燃機関の回転数を用いて、該内燃機関の回転数が大きいほど小さくなる傾向に前記第1仮判定用閾値および前記第2仮判定用閾値を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の回転数に応じてより適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。
さらに、本発明の第1の内燃機関の失火判定装置において、前記仮判定手段は、前記演算された単位回転角回転所要時間の第1の所定回転角差分が前記第1仮判定用閾値と前記第2仮判定用閾値のうちいずれか一方より大きくなったときに前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定する手段であるものとすることもできる。また、前記仮判定手段は、前記演算された単位回転角回転所要時間の第1の所定回転角差分が前記第2仮判定用閾値より大きくなったときを前記演算された単位回転角回転所要時間の前記第1の所定回転角差分が前記第1仮判定用閾値より大きくなったときに優先して前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定する手段であるものとすることもできる。
あるいは、本発明の第1の内燃機関の失火判定装置において、前記本判定用閾値設定手段は、前記第1のパラメータの絶対値が小さくなるほど前記内燃機関の出力軸を有段変速機を介して前記駆動軸に接続してなる車両における本判定用の閾値である比較用閾値に近くなる傾向に且つ前記第2のパラメータの絶対値が小さくなるほど前記比較用閾値に近くなる傾向に前記本判定用閾値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、第1のパラメータや第2のパラメータの大きさに応じてより適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。
また、本発明の第1の内燃機関の失火判定装置において、前記本判定用閾値設定手段は、前記第2のパラメータを前記第1のパラメータに優先して用いて前記本判定用閾値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動に直接作用する第2電動機のフィードバック制御の影響を優先して失火を判定するから、より適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。
本発明の第1の内燃機関の失火判定装置において、前記本判定手段は、前記演算された単位回転角回転所要時間の第2の所定回転角差分が前記本判定閾値に基づく範囲内であるときに前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると本判定する手段であるものとすることもできる。
本発明の第2の内燃機関の失火判定装置は、
複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が前記第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、少なくとも前記第1電動機に対するフィードバック制御により前記内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の前記内燃機関の失火を判定する失火判定装置であって、
前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記検出された回転位置に基づいて前記出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算する単位回転角回転所要時間演算手段と、
前記第1電動機に対する前記フィードバック制御におけるパラメータに基づいて仮失火判定に用いる仮判定用閾値を設定する仮判定用閾値設定手段と、
前記設定された仮判定用閾値と前記演算された単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定する仮判定手段と、
前記パラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定する本判定用閾値設定手段と、
前記仮判定手段により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、前記本判定用閾値と前記演算された単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する本判定手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の内燃機関の失火判定装置では、第1電動機に対するフィードバック制御におけるパラメータに基づいて仮失火判定に用いる仮判定用閾値を設定すると共に設定した仮判定用閾値と内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて演算された出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間とに基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定する。そして、内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、パラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定すると共に設定した本判定用閾値と演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する。このように、駆動軸のトルク脈動を抑制するための第1電動機に対するフィードバック制御におけるパラメータを用いて内燃機関の失火を判定するから、内燃機関の出力軸にねじれ要素と遊星歯車機構とを介して二つの電動機が取り付けられて少なくとも第1電動機により制振制御がなされている車両でも、より適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。
本発明の第3の内燃機関の失火判定装置は、
複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が前記第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、少なくとも前記第2電動機に対するフィードバック制御により前記内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の前記内燃機関の失火を判定する失火判定装置であって、
前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記検出された回転位置に基づいて前記出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算する単位回転角回転所要時間演算手段と、
前記第2電動機に対するフィードバック制御におけるパラメータに基づいて仮失火判定に用いる仮判定用閾値を設定する仮判定用閾値設定手段と、
前記設定された仮判定用閾値と前記演算された単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定する仮判定手段と、
前記パラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定する本判定用閾値設定手段と、
前記仮判定手段により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、前記本判定用閾値と前記演算された単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する本判定手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第3の内燃機関の失火判定装置では、第2電動機に対するフィードバック制御におけるパラメータに基づいて仮失火判定に用いる仮判定用閾値を設定すると共に設定した仮判定用閾値と内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて演算された出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間とに基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定する。そして、内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、パラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定すると共に設定した本判定用閾値と演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する。このように、駆動軸のトルク脈動を抑制するための第2電動機に対するフィードバック制御におけるパラメータを用いて内燃機関の失火を判定するから、内燃機関の出力軸にねじれ要素と遊星歯車機構とを介して二つの電動機が取り付けられて少なくとも第2電動機により制振制御がなされている車両でも、より適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。
上述の本発明の第2または第3の内燃機関の失火判定装置において、前記パラメータは、前記フィードバック制御における比例項であるものとすることもできる。
また、本発明の第2または第3の内燃機関の失火判定装置において、前記仮判定用閾値設定手段は、前記パラメータの絶対値が大きいほど小さくなる傾向に前記仮判定用閾値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、パラメータの大きさに応じてより適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。
さらに、本発明の第2または第3の内燃機関の失火判定装置において、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段を備え、前記仮判定用閾値設定手段は、前記検出された内燃機関の回転数を用いて、該内燃機関の回転数が大きいほど小さくなる傾向に前記仮判定用閾値を設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の回転数に応じてより適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。
あるいは、本発明の第2または第3の内燃機関の失火判定装置において、前記本判定用閾値設定手段は、前記パラメータの絶対値が小さくなるほど前記内燃機関の出力軸を有段変速機を介して前記駆動軸に接続してなる車両における本判定用の閾値である比較用閾値に近くなる傾向に前記本判定用閾値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、パラメータの大きさに応じてより適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。
また、本発明の第2または第3の内燃機関の失火判定装置において、前記仮判定手段は前記演算された単位回転角回転所要時間の第1の所定回転角差分が前記仮判定用閾値より大きくなったときに前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定する手段であり、前記本判定手段は前記演算された単位回転角回転所要時間の第2の所定回転角差分が前記本判定閾値に基づく範囲内であるときに前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると本判定する手段である、ものとすることもできる。
本発明の第1の内燃機関の失火判定方法は、
複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が前記第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、前記第1電動機に対するフィードバック制御と前記第2電動機に対するフィードバック制御とにより前記内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の前記内燃機関の失火を判定する失火判定方法であって、
前記内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて前記出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算し、
前記第1電動機に対する前記フィードバック制御における第1のパラメータに基づいて仮失火判定に用いる第1仮判定用閾値を設定すると共に前記第2電動機に対するフィードバック制御における第2のパラメータに基づいて仮失火判定に用いる第2仮判定用閾値を設定し、
前記設定した第1仮判定用閾値および第2仮判定用閾値と前記演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定し、
前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定すると共に該設定した本判定用閾値と前記演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する、
ことを特徴とする。
この本発明の第1の内燃機関の失火判定方法では、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算し、第1電動機に対するフィードバック制御における第1のパラメータに基づいて仮失火判定に用いる第1仮判定用閾値を設定すると共に第2電動機に対するフィードバック制御における第2のパラメータに基づいて仮失火判定に用いる第2仮判定用閾値を設定し、設定した第1仮判定用閾値および第2仮判定用閾値と内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて演算される出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間とに基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定する。そして、内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、第1のパラメータと第2のパラメータとに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定すると共に設定した本判定用閾値と演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する。このように、駆動軸のトルク脈動を抑制するための第1電動機に対するフィードバック制御における第1のパラメータと第2電動機に対するフィードバック制御における第2のパラメータとを用いて内燃機関の失火を判定するから、内燃機関の出力軸にねじれ要素と遊星歯車機構とを介して二つの電動機が取り付けられてこの二つの電動機により制振制御がなされている車両でも、より適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。ここで、「第1のパラメータ」と「第2のパラメータ」としては、フィードバック制御における比例項を用いることができる。
本発明の第2の内燃機関の失火判定方法は、
複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が前記第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、少なくとも前記第1電動機に対するフィードバック制御により前記内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の前記内燃機関の失火を判定する失火判定方法であって、
前記内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて前記出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算し、
前記第1電動機に対する前記フィードバック制御におけるパラメータに基づいて仮失火判定に用いる仮判定用閾値を設定すると共に該設定した仮判定用閾値と前記演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定し、
前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、前記パラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定すると共に該設定した本判定用閾値と前記演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する、
ことを特徴とする。
この本発明の第2の内燃機関の失火判定方法では、第1電動機に対するフィードバック制御におけるパラメータに基づいて仮失火判定に用いる仮判定用閾値を設定すると共に設定した仮判定用閾値と内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて演算された出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間とに基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定する。そして、内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、パラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定すると共に設定した本判定用閾値と演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する。このように、駆動軸のトルク脈動を抑制するための第1電動機に対するフィードバック制御におけるパラメータを用いて内燃機関の失火を判定するから、内燃機関の出力軸にねじれ要素と遊星歯車機構とを介して二つの電動機が取り付けられて少なくとも第1電動機により制振制御がなされている車両でも、より適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。ここで、「パラメータ」としては、フィードバック制御における比例項を用いることができる。
本発明の第3の内燃機関の失火判定方法は、
複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が前記第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、少なくとも前記第2電動機に対するフィードバック制御により前記内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の前記内燃機関の失火を判定する失火判定方法であって、
前記内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて前記出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算し、
前記第2電動機に対するフィードバック制御におけるパラメータに基づいて仮失火判定に用いる仮判定用閾値を設定すると共に該設定した仮判定用閾値と前記演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定し、
前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、前記パラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定すると共に該設定した本判定用閾値と前記演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する、
ことを特徴とする。
この本発明の第3の内燃機関の失火判定方法では、第2電動機に対するフィードバック制御におけるパラメータに基づいて仮失火判定に用いる仮判定用閾値を設定すると共に設定した仮判定用閾値と内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて演算された出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間とに基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定する。そして、内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、パラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定すると共に設定した本判定用閾値と演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する。このように、駆動軸のトルク脈動を抑制するための第2電動機に対するフィードバック制御におけるパラメータを用いて内燃機関の失火を判定するから、内燃機関の出力軸にねじれ要素と遊星歯車機構とを介して二つの電動機が取り付けられて少なくとも第2電動機により制振制御がなされている車両でも、より適正に且つより精度よく内燃機関の失火を判定することができる。ここで、「パラメータ」としては、フィードバック制御における比例項を用いることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である内燃機関の失火判定装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にねじれ要素としてのダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続されたリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。ここで、実施例の内燃機関の失火判定装置としては、主としてエンジン22を制御するエンジン用電子制御ユニット24と後述するエンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140などが該当する。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な6気筒の内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に気筒毎に設けられた燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト26の回転位置(クランク角CA)を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジション(クランク角CA)やエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号AF,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,空燃比センサ135aからの空燃比AF,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、上述したクランクポジションセンサ140は、クランクシャフト26と回転同期して回転するように取り付けられて10度毎に歯が形成されると共に基準位置検出用に2つ分の欠歯を形成したタイミングローターを有する電磁ピックアップセンサとして構成されており、クランクシャフト26が10度回転する毎に整形波を生じさせる。エンジンECU24では、このクランクポジションセンサ140からの整形波に基づいてクランクシャフト26が30度回転する毎の回転数をエンジン22の回転数Neとして計算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34に接続されたキャリア軸34aにはダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。回転位置検出センサ43,44は、レゾルバにより構成されており、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいて所定時間毎(例えば50μsec毎や100μsec毎など)にモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を計算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいてリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1,MG2は、上述した要求トルクを出力するために出力するトルクTm11,Tm21とエンジン22のトルク脈動によって生じる振動を抑制する制振制御に用いるトルクTm12,Tm22との和をトルク指令Tm1*,Tm2*として用いて制御されている。制振制御に用いるトルクTm12,Tm22は、実施例では、回転位置検出センサ43,44により検出される各モータMG1,MG2のロータの回転位置から10度回転する毎の10度回転数N10(1),N10(2)を計算すると共にその移動平均としてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を計算し、回転数Nm1,Nm2と10度回転数N10(1),N10(2)との回転数差ΔNm1,ΔNm2を用いてこの回転数差ΔNm1,ΔNm2を小さくするためのフィードバックの関係式である次式(1),(2)を用いて計算した。ここで、式(1)中の「k11」と式(2)中の「k12」は比例項のゲインであり、式(1)中の「k21」と式(2)中の「k22」は積分項のゲインである。
Tm12=k11・ΔNm1+k21∫ΔNm1dt (1)
Tm21=k12・ΔNm2+k22∫ΔNm2dt (2)
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20に搭載されたエンジン22のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する際の動作について説明する。図3は、エンジンECU24により実行される失火判定処理の一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22のクランクシャフト26が1000回転する毎に複数回に亘っていずれかの気筒が上死点に至る毎に繰り返し実行される。
失火判定処理が実行されるとエンジンECU24のCPU24aは、まず、クランクポジションセンサ140により検出されるクランク角CAやエンジン22の回転数Ne,図4に例示するT30演算処理により演算されるクランクシャフト26が30度回転するのに要する時間である30度回転所要時間T30を入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、30度回転所要時間T30は、T30演算処理に示すように、クランク角CAを入力し(ステップS200)、クランクポジションセンサ140からの整形波から入力したクランク角CAより30°CA前からクランク角CAに至るまでの経過時間を演算し、この演算した経過時間を30度回転所要時間T30(CA)とすることによって求めることができる。
次に、入力した30度回転所要時間T30と360度前の30度回転所要時間T30の差分である360度差分Δ360を計算すると共に(ステップ110)、上述した制振制御に用いるトルクTm12,Tm22のフィードバックの関係式(1),(2)の右辺第1項である比例項の値(以下、単に比例項と称する)P1,P2とエンジン22の回転数Neとを用いて仮判定用閾値A1,A2を設定する(ステップS120)。ここで、仮判定用閾値A1は、モータMG1による制振制御を行なっているときに失火していない気筒の燃焼行程における所定角(例えば、圧縮上死点から30度や60度など)に対応する360度差分Δ360よりは大きく且つ失火している気筒の燃焼行程における所定角に対応する360度差分Δ360よりは小さい値であり、制振制御に用いるトルクTm12に関する式(1)における比例項P1の絶対値が大きいほど小さくなる傾向に且つエンジン22の回転数Neが大きくなるほど小さくなる傾向に設定されるものである。実施例では、比例項P1の絶対値とエンジン22の回転数Neと仮判定用閾値A1との関係を予め実験などにより求めて第1仮判定用閾値設定用マップとしてROM24bに記憶しておき、比例項P1の絶対値とエンジン22の回転数Neが与えられるとマップから対応する仮判定用閾値A1を導出することにより設定するものとした。また、仮判定用閾値A2は、モータMG2による制振制御を行なっているときに失火していない気筒の燃焼行程における所定角に対応する360度差分Δ360よりは大きく且つ失火している気筒の燃焼行程における所定角に対応する360度差分Δ360よりは小さい値であり、制振制御に用いるトルクTm22に関する式(2)における比例項P2の絶対値が大きいほど小さくなる傾向に且つエンジン22の回転数Neが大きくなるほど小さくなる傾向に設定されるものである。実施例では、比例項P2の絶対値とエンジン22の回転数Neと仮判定用閾値A2との関係を予め実験などにより求めて第2仮判定用閾値設定用マップとしてROM24bに記憶しておき、比例項P2の絶対値とエンジン22の回転数Neが与えられるとマップから対応する仮判定用閾値A2を導出することにより設定するものとした。比例項P1の絶対値とエンジン22の回転数Neと仮判定用閾値A1との関係を図5に示し、比例項P2の絶対値とエンジン22の回転数Neと仮判定用閾値A2との関係を図6に示す。
こうして仮判定用閾値A1,A2を設定すると、設定した仮判定用閾値A1,A2と計算した360度差分Δ360とを用いて図7に例示する仮判定処理によりエンジン22のいずれかの気筒が失火しているかの仮判定を行なう(ステップS130)。仮失火判定処理では、360度差分Δ360と仮判定用閾値A1,A2とを比較し(ステップS300,S310)、360度差分Δ360が仮判定用閾値A1未満であり且つ仮判定用閾値A2未満のときには、失火は生じていないと判断し、仮失火判定に用いる失火カウンタCやフラグF1,F2を値0にリセットして(ステップS320,S330)、処理を終了する。ここで、失火カウンタCは、仮判定用閾値A1,A2と360度差分Δ360とによる仮失火判定をより確実なものとするために後述する360度差分Δ360が仮判定用閾値A2以上のときにカウントされるものである。また、フラグF1は360度差分Δ360が仮判定用閾値A1以上となったときに値1がセットされてこれを履歴として残すためのものであり、フラグF2は360度差分Δ360が仮判定用閾値A2以上となったときに値1がセットされてこれを履歴として残すためのものである。360度差分Δ360が仮判定用閾値A1以上であるが仮判定用閾値A2未満のときにはフラグF1に値1を設定して(ステップS310)、処理を終了する。360度差分Δ360が仮判定用閾値A1未満であるが仮判定用閾値A2以上のときにはフラグF2に値1を設定すると共に(ステップS350)、失火カウンタCを値1だけインクリメントする(ステップS360)。そして、失火カウンタCを閾値Crefと比較し(ステップS370)、失火カウンタCが閾値Cref以下のときには失火は判定できないとして処理を終了し、失火カウンタCが閾値Crefより大きいときには失火していると判定して(ステップS380)、処理を終了する。ここで、閾値Crefは、仮判定用閾値A1,A2と360度差分Δ360とによる仮失火判定をより確実なものとするための失火カウント数であり、値3や値4などを用いることができる。360度差分Δ360が仮判定用閾値A1以上であり且つ仮判定用閾値A2以上のときには、フラグF1,F2の値を調べ(ステップS390)、フラグF1,F2が共に値0のとき、即ち、360度差分Δ360が仮判定用閾値A1未満であり且つ仮判定用閾値A2未満の状態から直ちに360度差分Δ360が仮判定用閾値A1以上であり且つ仮判定用閾値A2以上の状態になったために失火を判定できないと判断し、エンジン22のクランクシャフト26が1000回転して次に図3の失火判定処理が繰り返し実行されるまで失火判定を停止して(ステップS420)、処理を終了する。ステップS390でフラグF1,F2の少なくとも一方が値1のときには、360度差分Δ360が仮判定用閾値A1未満であるが仮判定用閾値A2以上のときと同様に、フラグF2に値1を設定すると共に(ステップS350)、失火カウンタCを値1だけインクリメントし(ステップS360)、失火カウンタCが閾値Crefより大きいときには失火していると判定する(ステップS370,S380)。こうした判定は、360度差分Δ360が仮判定用閾値A2以上となったときにのみ失火カウンタCをインクリメントすることを考慮すると、360度差分Δ360が仮判定用閾値A2以上となったときを360度差分Δ360が仮判定用閾値A1以上となったときに優先してエンジン22の失火を判定していることになる。即ち、モータMG2による制振制御に用いるトルクT22を求めるフィードバック制御の関係式(2)の比例項P2による影響をモータMG1による制振制御に用いるトルクT12を求めるフィードバック制御の関係式(1)の比例項P1による影響に優先してエンジン22の失火を判定しているのである。これは、モータMG2による制振制御の優位性に基づいている。
こうした仮失火判定処理により失火していると判定されたときには、比例項P1,P2に基づいて本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42を設定する(ステップS150)。ここで、本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42は、失火カウンタCをインクリメントする失火対象の気筒を点火順の3番気筒としたときに、3番気筒が失火しているときの0番気筒,2番気筒,4番気筒の燃焼行程における所定角(例えば、圧縮上死点から30度や60度など)に対応する360度差分Δ360が取り得る値の上限値および下限値として設定されるものであり、実施例では、比例項P1の絶対値と比例項P2の絶対値と本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42との関係を予め実験などにより求めて本判定用閾値設定用マップとしてROM24bに記憶しておき、比例項P1の絶対値と比例項P2の絶対値とが与えられるとマップから対応する本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42を導出することにより設定するものとした。なお、本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42は、比例項P1,P2の絶対値が共に小さくなると、エンジンを有段のオートマチックトランスミッションを介して車軸側に接続する通常の自動車におけるエンジンの失火を本判定する際の同様の閾値に近づくことが傾向として解っている。これは、比例項P1,P2の絶対値が小さいほどモータMG1,MG2の制振制御の影響が小さくなることに基づくと考えられる。実施例では、本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42の設定に対して比例項P2の絶対値による影響が比例項P1の絶対値による影響より大きくなるように重み付けを行なうものとした。即ち、本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42の設定に対して比例項P2の絶対値を比例項P1の絶対値に優先しているのである。これも、モータMG2による制振制御の優位性に基づいている。続いて、設定した本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42を用いて図8に例示する本失火判定処理により失火を本判定する(ステップS170)。本失火判定処理では、仮失火判定処理で失火と仮判定された気筒を点火順の3番気筒とし(ステップS500)、0番気筒の燃焼行程における所定角(例えば、圧縮上死点から30度や60度など)に対応する360度差分Δ360が本判定用閾値J01,J02の範囲内にあるか否か、2番気筒に同様に対応する360度差分Δ360が本判定用閾値J21,J22の範囲内にあるか否か、4番気筒に同様に対応する360度差分Δ360が本判定用閾値J41,J42の範囲内にあるか否か、を判定し(ステップS510)、これら全てが肯定的な判定(本判定用閾値の範囲内にあるとの判定)であるときに3番気筒とした気筒が失火していると本判定して(ステップS520)、本失火判定処理を終了する。図9に気筒毎の360度差分Δ360と本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42との関係を示す。なお、ステップS510の判定でいずれかの360度差分Δ360が本判定用閾値の範囲内にないときには、失火していないと判定して本失火判定処理を終了する。
ステップS160の本失火判定処理により失火していると判定されたときには(ステップS170)、対象の気筒を失火と判定して(ステップS180)、失火判定処理を終了する。なお、ステップS130の仮失火判定処理により失火と判定されなかったときやステップS160の本失火判定処理により失火と判定されなかったときには、失火していないと判断し、失火判定処理を終了する。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置によれば、モータMG1やモータMG2による制振制御におけるフィードバック制御の関係式(1),(2)の比例項P1,P2を用いて設定された仮判定用閾値A1,A2を用いて失火の仮判定を行ない、比例項P1,P2を用いて設定された本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42を用いて失火の本判定を行なうことにより、エンジン22がねじれ要素としてのダンパ28を介して動力分配統合機構30に接続され、エンジン22のトルク脈動に伴う振動を抑制するためにモータMG1およびモータMG2によって制振制御を行なっている場合でもエンジン22のいずれかの気筒の失火をより適正に且つ精度よく判定することができる。しかも、モータMG2による制振制御の優位性を考慮して仮失火判定を行なうと共に本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42を設定するから、より適正に且つ精度よくエンジン22のいずれかの気筒の失火を判定することができる。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、仮判定用閾値A1,A2については制振制御に用いるトルクTm12,Tm22に関する式(1),(2)における比例項P1,P2の絶対値が大きいほど小さくなる傾向に且つエンジン22の回転数Neが大きくなるほど小さくなる傾向に設定するものとしたが、仮判定用閾値A1,A2と比例項P1,P2との関係は実験などにより定めればよく、比例項P1,P2の絶対値が大きいほど仮判定用閾値A1,A2を小さくなるよう設定しないものとしてもよい。また、同様に、仮判定用閾値A1,A2とエンジン22の回転数Neとの関係は実験などにより定めればよく、エンジン22の回転数Neが大きいほど仮判定用閾値A1,A2を小さくなるよう設定しないものとしてもよい。さらに、仮判定用閾値A1,A2とエンジン22の回転数Neとの関係が明確なものとならない場合には、エンジン22の回転数Neに拘わらず、仮判定用閾値A1,A2と比例項P1,P2との関係だけで仮判定用閾値A1,A2を設定するものとしてもかまわない。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、360度差分Δ360が仮判定用閾値A1未満であり且つ仮判定用閾値A2未満の状態から直ちに360度差分Δ360が仮判定用閾値A1以上であり且つ仮判定用閾値A2以上の状態にならずに、360度差分Δ360が仮判定用閾値A2となったときに失火カウンタCをインクリメントして失火の仮判定を行なうものとしたが、360度差分Δ360が仮判定用閾値A1未満であり且つ仮判定用閾値A2未満の状態から直ちに360度差分Δ360が仮判定用閾値A1以上であり且つ仮判定用閾値A2以上の状態にならずに、360度差分Δ360が仮判定用閾値A2となったときに失火カウンタCをインクリメントすることなく直ちに失火と仮判定するものとしてもよい。また、360度差分Δ360が仮判定用閾値A1未満であり且つ仮判定用閾値A2未満の状態から直ちに360度差分Δ360が仮判定用閾値A1以上であり且つ仮判定用閾値A2以上の状態にならずに、仮判定用閾値A1と仮判定用閾値A2との双方より大きくなったときに失火と仮判定するものとしてもよいし、360度差分Δ360が仮判定用閾値A1や仮判定用閾値A2のいずれか一方より大きくなったときに失火と仮判定するものとしてもかまわない。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42は、比例項P1,P2の絶対値が共に小さくなると、エンジンを有段のオートマチックトランスミッションを介して車軸側に接続する通常の自動車におけるエンジンの失火を本判定する際の同様の閾値に近づく傾向にあるものと考えたが、こうした傾向に考えないものとしても差し支えない。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42の設定に対して比例項P2の絶対値による影響が比例項P1の絶対値による影響より大きくなるように重み付けを行なうものとしたが、比例項P2の絶対値による影響と比例項P1の絶対値による影響とを同等としてもよいし、逆に、比例項P1の絶対値による影響が比例項P2の絶対値による影響より大きくなるように重み付けを行なうものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、エンジン22のトルク脈動に伴う振動を抑制するためにモータMG1およびモータMG2によって制振制御を行なっている場合のエンジン22の失火を判定するものとしたが、エンジン22のトルク脈動に伴う振動を抑制するためにモータMG1とモータMG2とのうち一方だけによって制振制御を行なっている場合のエンジン22の失火を判定するものとしてもよい。例えば、モータMG1による制振制御だけが行なわれ、モータMG2による制振制御は行なわれていない場合には、図3に例示する失火判定処理に代えて図10の失火判定処理を実行すればよい。図10の失火判定処理では、モータMG2による制振制御は行なわれないため、クランク角CAやエンジン22の回転数Ne,30度回転所要時間T30を入力すると共に(ステップS100)、360度差分Δ360を計算すると(ステップS110)、モータMG1による制振制御に用いるトルクTm12のフィードバックの関係式(1)における比例項P1とエンジン22の回転数Neとを用いて仮判定用閾値A1を設定し(ステップS120B)、仮判定用閾値A1を用いて失火の仮判定を行なう(ステップS130B)。この仮失火判定処理は、図11に例示するように、360度差分Δ360が仮判定用閾値A1以上であるときに(ステップS600)、失火を仮判定する(ステップS610)、ことができる。なお、360度差分Δ360が仮判定用閾値A1以上となるときに失火カウンタをインクリメントし、失火カウンタが所定値(例えば、値3や値4など)を超えたときに失火を仮判定するものとしてもよい。そして、失火を仮判定すると、比例項P1に基づいて本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42を設定し(ステップS150B)、設定した本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42を用いて図8に例示した本失火判定処理により失火を本判定し(ステップS160)、失火が本判定されたときに(ステップS170)、対象の気筒が失火していると判定する(ステップS180)。なお、モータMG1による制振制御は行なわれておらず、モータMG2による制振制御だけが行なわれている場合には、図10の失火判定処理のステップS120Bの処理をモータMG2による制振制御に用いるトルクTm22のフィードバックの関係式(2)における比例項P2とエンジン22の回転数Neとを用いて仮判定用閾値A2を変更する処理に変更すると共にステップS150Bの処理を比例項P2に基づいて本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42を設定する処理に変更したものを用いれば同様に失火を判定することができる。したがって、モータMG1とモータMG2とのうちの一方だけでエンジン22のトルク脈動に伴う振動を抑制する制振制御を行なっているときでも、エンジン22のいずれかの気筒の失火をより適正に且つ精度よく判定することができる。
こうした変形例でも、仮判定用閾値A1,A2については制振制御に用いるトルクTm12,Tm22に関する式(1),(2)における比例項P1,P2の絶対値が大きいほど小さくなる傾向に且つエンジン22の回転数Neが大きくなるほど小さくなる傾向に設定するものとしたが、仮判定用閾値A1,A2と比例項P1,P2との関係は実験などにより定めればよく、比例項P1,P2の絶対値が大きいほど仮判定用閾値A1,A2を小さくなるよう設定しないものとしてもよい。また、同様に、仮判定用閾値A1,A2とエンジン22の回転数Neとの関係は実験などにより定めればよく、エンジン22の回転数Neが大きいほど仮判定用閾値A1,A2を小さくなるよう設定しないものとしてもよい。さらに、仮判定用閾値A1,A2とエンジン22の回転数Neとの関係が明確なものとならない場合には、エンジン22の回転数Neに拘わらず、仮判定用閾値A1,A2と比例項P1,P2との関係だけで仮判定用閾値A1,A2を設定するものとしてもかまわない。また、変形例では、本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42は、比例項P1,P2の絶対値が共に小さくなると、エンジンを有段のオートマチックトランスミッションを介して車軸側に接続する通常の自動車におけるエンジンの失火を本判定する際の同様の閾値に近づく傾向にあるものと考えたが、こうした傾向に考えないものとしても差し支えない。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置やその変形例では、30度回転所要時間T30の360度差分である360度差分Δ360により仮失火判定も本失火判定も行なうものとしたが、30度回転所要時間T30の360度とは異なる角度差分により仮失火判定や本失火判定を行なうものとしてもよく、30度回転所要時間T30の角度差分を用いずに30度回転所要時間T30を直接に或いは間接に用いて仮失火判定や本失火判定を行なうものとしてもかまわない。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置やその変形例では、6気筒のエンジン22のいずれかの気筒の失火を判定するものとしたが、4気筒のエンジンのいずれかの気筒の失火を判定するものとしたり、8気筒のエンジンのいずれかの気筒の失火を判定するものとするなど、複数気筒のエンジンのいずれかの気筒の失火を判定するものであれば、気筒数はいくつでも構わない。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置やその変形例では、減速ギヤ35を介してモータMG2をリングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしたが、変速機を介してモータMG2をリングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしてもよく、減速ギヤ35や変速機を介さずにモータMG2を直接リングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、クランクシャフト26にねじれ要素としてのダンパ28を介して後段に接続された6気筒のエンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「第1電動機」に相当し、サンギヤ31,リングギヤ32,キャリア34の3つの回転要素が差動回転しキャリア34がねじれ要素としてのダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26に接続されると共にサンギヤ31がモータMG1に接続され且つリングギヤ32が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに接続された動力分配統合機構30が「遊星歯車機構」に相当し、リングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して動力を入出力するモータMG2が「第2電動機」に相当し、クランクシャフト26の回転位置(クランク角CA)を検出するクランクポジションセンサ140が「回転位置検出手段」に相当し、クランクポジションセンサ140からの整形波とクランク角CAとから30度回転所要時間T30(CA)(単位回転所要時間)を演算する図4に例示するT30演算処理を実行するエンジンECU24が「単位回転角回転所要時間演算手段」に相当し、モータMG1やモータMG2による制振制御におけるフィードバック制御の関係式(1),(2)の比例項P1,P2を用いて仮判定用閾値A1,A2(第1仮判定用閾値,第2仮判定用閾値)を設定する処理である図3の失火判定処理のステップS120を実行するエンジンECU24が「仮判定用閾値設定手段」に相当し、仮判定用閾値A1,A2と30度回転所要時間T30から計算した360度差分Δ360とを用いて図7に例示する仮判定処理によりエンジン22のいずれかの気筒が失火しているかの仮判定を行なうエンジンECU24が「仮判定手段」に相当し、モータMG1やモータMG2による制振制御におけるフィードバック制御の関係式(1),(2)の比例項P1,P2に基づいて本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42を設定する処理である図3の失火判定処理のステップS150を実行するエンジンECU24が「本判定用閾値設定手段」に相当し、本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42と30度回転所要時間T30から計算した360度差分Δ360とを用いて図8に例示する本失火判定処理により失火を本判定するエンジンECU24が「本判定手段」に相当する。また、クランクポジションセンサ140からの整形波に基づいてクランクシャフト26が30度回転する毎の回転数をエンジン22の回転数Neとして計算するエンジンECU24が「回転数検出手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
実施例では、ハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置として説明したが、ハイブリッド自動車20が搭載しない内燃機関の失火判定装置としてもよく、内燃機関の失火判定方法の形態としてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、内燃機関の失火判定装置の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例である内燃機関の燃焼状態判定装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 失火判定処理の一例を示すフローチャートである。 T30演算処理の一例を示すフローチャートである。 比例項P1の絶対値とエンジン22の回転数Neと仮判定用閾値A1との関係の一例を示す説明図である。 比例項P2の絶対値とエンジン22の回転数Neと仮判定用閾値A2との関係の一例を示す説明図である。 仮失火判定処理の一例を示すフローチャートである。 本失火判定処理の一例を示すフローチャートである。 気筒毎の360度差分Δ360と本判定用閾値J01,J02,J21,J22,J41,J42との関係を示す説明図である。 変形例の失火判定処理の一例を示すフローチャートである。 変形例の仮失火判定処理の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、34a キャリア軸、35 減速ギア、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、MG1,MG2 モータ。

Claims (19)

  1. 複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が前記第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、前記第1電動機に対するフィードバック制御と前記第2電動機に対するフィードバック制御とにより前記内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の前記内燃機関の失火を判定する失火判定装置であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
    前記検出された回転位置に基づいて前記出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算する単位回転角回転所要時間演算手段と、
    前記第1電動機に対する前記フィードバック制御における第1のパラメータに基づいて仮失火判定に用いる第1仮判定用閾値を設定すると共に前記第2電動機に対するフィードバック制御における第2のパラメータに基づいて仮失火判定に用いる第2仮判定用閾値を設定する仮判定用閾値設定手段と、
    前記設定された第1仮判定用閾値および第2仮判定用閾値と前記演算された単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定する仮判定手段と、
    前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定する本判定用閾値設定手段と、
    前記仮判定手段により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、前記本判定用閾値と前記演算された単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する本判定手段と、
    を備える内燃機関の失火判定装置。
  2. 前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータは、前記フィードバック制御における比例項である請求項1記載の内燃機関の失火判定装置。
  3. 前記仮判定用閾値設定手段は、前記第1のパラメータの絶対値が大きいほど小さくなる傾向に前記第1仮判定用閾値を設定すると共に前記第2のパラメータの絶対値が大きいほど小さくなる傾向に前記第2仮判定用閾値を設定する手段である請求項1または2記載の内燃機関の失火判定装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の内燃機関の失火判定装置であって、
    前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段を備え、
    前記仮判定用閾値設定手段は、前記検出された内燃機関の回転数を用いて、該内燃機関の回転数が大きいほど小さくなる傾向に前記第1仮判定用閾値および前記第2仮判定用閾値を設定する手段である、
    内燃機関の失火判定装置。
  5. 前記仮判定手段は、前記演算された単位回転角回転所要時間の第1の所定回転角差分が前記第1仮判定用閾値と前記第2仮判定用閾値のうちいずれか一方より大きくなったときに前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定する手段である請求項1ないし4いずれか記載の内燃機関の失火判定装置。
  6. 前記仮判定手段は、前記演算された単位回転角回転所要時間の第1の所定回転角差分が前記第2仮判定用閾値より大きくなったときを前記演算された単位回転角回転所要時間の前記第1の所定回転角差分が前記第1仮判定用閾値より大きくなったときに優先して前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定する手段である請求項1ないし4いずれか記載の内燃機関の失火判定装置。
  7. 前記本判定用閾値設定手段は、前記第1のパラメータの絶対値が小さくなるほど前記内燃機関の出力軸を有段変速機を介して前記駆動軸に接続してなる車両における本判定用の閾値である比較用閾値に近くなる傾向に且つ前記第2のパラメータの絶対値が小さくなるほど前記比較用閾値に近くなる傾向に前記本判定用閾値を設定する手段である請求項1ないし6いずれか記載の内燃機関の失火判定装置。
  8. 前記本判定用閾値設定手段は、前記第2のパラメータを前記第1のパラメータに優先して用いて前記本判定用閾値を設定する手段である請求項1ないし7いずれか記載の内燃機関の失火判定装置。
  9. 前記本判定手段は、前記演算された単位回転角回転所要時間の第2の所定回転角差分が前記本判定閾値に基づく範囲内であるときに前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると本判定する手段である請求項1ないし8いずれか記載の内燃機関の失火判定装置。
  10. 複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が前記第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、少なくとも前記第1電動機に対するフィードバック制御により前記内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の前記内燃機関の失火を判定する失火判定装置であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
    前記検出された回転位置に基づいて前記出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算する単位回転角回転所要時間演算手段と、
    前記第1電動機に対する前記フィードバック制御におけるパラメータに基づいて仮失火判定に用いる仮判定用閾値を設定する仮判定用閾値設定手段と、
    前記設定された仮判定用閾値と前記演算された単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定する仮判定手段と、
    前記パラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定する本判定用閾値設定手段と、
    前記仮判定手段により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、前記本判定用閾値と前記演算された単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する本判定手段と、
    を備える内燃機関の失火判定装置。
  11. 複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が前記第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、少なくとも前記第2電動機に対するフィードバック制御により前記内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の前記内燃機関の失火を判定する失火判定装置であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
    前記検出された回転位置に基づいて前記出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算する単位回転角回転所要時間演算手段と、
    前記第2電動機に対するフィードバック制御におけるパラメータに基づいて仮失火判定に用いる仮判定用閾値を設定する仮判定用閾値設定手段と、
    前記設定された仮判定用閾値と前記演算された単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定する仮判定手段と、
    前記パラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定する本判定用閾値設定手段と、
    前記仮判定手段により前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、前記本判定用閾値と前記演算された単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する本判定手段と、
    を備える内燃機関の失火判定装置。
  12. 前記パラメータは、前記フィードバック制御における比例項である請求項10または11記載の内燃機関の失火判定装置。
  13. 前記仮判定用閾値設定手段は、前記パラメータの絶対値が大きいほど小さくなる傾向に前記仮判定用閾値を設定する手段である請求項10ないし12いずれか記載の内燃機関の失火判定装置。
  14. 請求項10ないし13いずれか記載の内燃機関の失火判定装置であって、
    前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段を備え、
    前記仮判定用閾値設定手段は、前記検出された内燃機関の回転数を用いて、該内燃機関の回転数が大きいほど小さくなる傾向に前記仮判定用閾値を設定する手段である、
    内燃機関の失火判定装置。
  15. 前記本判定用閾値設定手段は、前記パラメータの絶対値が小さくなるほど前記内燃機関の出力軸を有段変速機を介して前記駆動軸に接続してなる車両における本判定用の閾値である比較用閾値に近くなる傾向に前記本判定用閾値を設定する手段である請求項10ないし14いずれか記載の内燃機関の失火判定装置。
  16. 請求項10ないし15いずれか記載の内燃機関の失火判定装置であって、
    前記仮判定手段は、前記演算された単位回転角回転所要時間の第1の所定回転角差分が前記仮判定用閾値より大きくなったときに前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定する手段であり、
    前記本判定手段は、前記演算された単位回転角回転所要時間の第2の所定回転角差分が前記本判定閾値に基づく範囲内であるときに前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると本判定する手段である
    内燃機関の失火判定装置。
  17. 複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が前記第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、前記第1電動機に対するフィードバック制御と前記第2電動機に対するフィードバック制御とにより前記内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の前記内燃機関の失火を判定する失火判定方法であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて前記出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算し、
    前記第1電動機に対する前記フィードバック制御における第1のパラメータに基づいて仮失火判定に用いる第1仮判定用閾値を設定すると共に前記第2電動機に対するフィードバック制御における第2のパラメータに基づいて仮失火判定に用いる第2仮判定用閾値を設定し、
    前記設定した第1仮判定用閾値および第2仮判定用閾値と前記演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定し、
    前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定すると共に該設定した本判定用閾値と前記演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する、
    ことを特徴とする内燃機関の失火判定方法。
  18. 複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が前記第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、少なくとも前記第1電動機に対するフィードバック制御により前記内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の前記内燃機関の失火を判定する失火判定方法であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて前記出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算し、
    前記第1電動機に対する前記フィードバック制御におけるパラメータに基づいて仮失火判定に用いる仮判定用閾値を設定すると共に該設定した仮判定用閾値と前記演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定し、
    前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、前記パラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定すると共に該設定した本判定用閾値と前記演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する、
    ことを特徴とする内燃機関の失火判定方法。
  19. 複数気筒の内燃機関と、第1電動機と、差動回転する3つの回転要素のうちの一つの回転要素が前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して接続されると共に他の一つの回転要素が前記第1電動機の回転軸に接続され且つ残余の回転要素が駆動輪に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を出力可能な第2電動機と、を搭載し、少なくとも前記第2電動機に対するフィードバック制御により前記内燃機関の出力軸のトルク脈動に伴う振動を抑制しながら走行する車両の前記内燃機関の失火を判定する失火判定方法であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて前記出力軸が単位回転角回転するのに要する時間である単位回転角回転所要時間を演算し、
    前記第2電動機に対するフィードバック制御におけるパラメータに基づいて仮失火判定に用いる仮判定用閾値を設定すると共に該設定した仮判定用閾値と前記演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを仮判定し、
    前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると仮判定したときに、前記パラメータに基づいて本失火判定に用いる本判定用閾値を設定すると共に該設定した本判定用閾値と前記演算した単位回転角回転所要時間とに基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているかを本判定する、
    ことを特徴とする内燃機関の失火判定方法。
JP2006279516A 2006-10-13 2006-10-13 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法 Pending JP2008095617A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006279516A JP2008095617A (ja) 2006-10-13 2006-10-13 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006279516A JP2008095617A (ja) 2006-10-13 2006-10-13 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008095617A true JP2008095617A (ja) 2008-04-24

Family

ID=39378718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006279516A Pending JP2008095617A (ja) 2006-10-13 2006-10-13 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008095617A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016526641A (ja) * 2013-07-08 2016-09-05 ジャガー ランド ローバー リミテッドJaguar Land Rover Limited 適応型パワートレイン制御
US10053103B2 (en) 2013-07-08 2018-08-21 Jaguar Land Rover Limited Adaptive powertrain control for optimized performance
CN114320594A (zh) * 2020-09-29 2022-04-12 丰田自动车株式会社 内燃机的失火检测装置及方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016526641A (ja) * 2013-07-08 2016-09-05 ジャガー ランド ローバー リミテッドJaguar Land Rover Limited 適応型パワートレイン制御
JP2018048639A (ja) * 2013-07-08 2018-03-29 ジャガー ランド ローバー リミテッドJaguar Land Rover Limited 適応型パワートレイン制御
US10053103B2 (en) 2013-07-08 2018-08-21 Jaguar Land Rover Limited Adaptive powertrain control for optimized performance
CN114320594A (zh) * 2020-09-29 2022-04-12 丰田自动车株式会社 内燃机的失火检测装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4345847B2 (ja) 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両
JP4453654B2 (ja) 内燃機関の失火判定装置およびこれを搭載する車両並びに失火判定方法
JP4702169B2 (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載する車両並びに内燃機関の失火判定方法
JP4007401B1 (ja) 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法
JP4702180B2 (ja) 内燃機関装置および内燃機関の失火判定方法
JP4458105B2 (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載する車両並びに内燃機関の失火判定方法
JP4306719B2 (ja) 内燃機関装置およびこれを備える動力出力装置並びにこれを搭載する車両、内燃機関装置の制御方法
WO2007072627A1 (ja) 内燃機関の失火判定装置およびこれを搭載する車両並びに失火判定方法
JP5011896B2 (ja) 内燃機関の失火判定装置および車両
JP6090291B2 (ja) 内燃機関の失火判定装置
JP2007170248A (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載する車両並びに内燃機関の失火判定方法
JP2007303310A (ja) 内燃機関装置および内燃機関の失火判定方法
JP4635991B2 (ja) 燃焼状態判定装置およびこれを備える車両
JP2009292362A (ja) 内燃機関の失火判定装置およびハイブリッド車並びに内燃機関の失火判定方法
JP2008095617A (ja) 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法
JP4816574B2 (ja) 内燃機関の出力状態検出装置、車両及び内燃機関の出力状態検出方法
JP2012215178A (ja) 内燃機関の失火判定装置
JP2008063975A (ja) 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両
JP4930419B2 (ja) 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両
JP4650379B2 (ja) 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両
JP2009298365A (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法
JP5092988B2 (ja) 失火判定装置および失火判定方法
JP4910776B2 (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載する車両並びに内燃機関の失火判定方法
JP4605124B2 (ja) 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両
JP4650342B2 (ja) 内燃機関装置および内燃機関の失火判定方法