JP4605124B2 - 内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両 - Google Patents

内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両 Download PDF

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本発明は、内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両に関し、詳しくは、出力軸がねじれ要素を介して後段の駆動軸に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定装置およびこうした内燃機関の失火を判定する失火判定方法並びにこうした失火判定装置を備える車両に関する。
従来、この種の内燃機関の失火判定装置としては、モータによりエンジンのクランク軸のトルク変動を打ち消すよう制振制御を行なう車両において、モータによる制振制御のためにモータから出力するトルクを補正するトルク補正量を算出し、このモータのトルク補正量に基づいてエンジンの失火状態を検出するものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−65402号公報
エンジンのクランク軸にダンパのようなねじれ要素を介して後段(例えば変速機構など)に接続されている車両などに搭載されている動力出力装置では、エンジンの爆発燃焼によるクランク軸のトルク変動がねじれ要素やこのねじれ要素を含む後段の共振を誘発し、共振によりクランク軸に回転変動が生じる結果、クランク角の回転変動に基づいてエンジンのいずれかの気筒の失火を検出しようとしても、精度良く検出することができない。モータによりエンジンのクランク角のトルク変動に対して制振制御を行なうと、ねじれ要素やねじれ要素を含む後段の共振を助長する場合も生じ、エンジンのいずれかの気筒の失火の検出の精度は更に低くなってしまう。
本発明の内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両は、出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒の内燃機関の失火を精度良く判定することを目的とする。
本発明の内燃機関の失火判定装置および失火判定方法並びに車両は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の内燃機関の失火判定装置は、
出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定装置であって、
前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記検出された回転位置に基づいて前記内燃機関の出力軸の所定の単位回転角毎の回転角速度である単位回転角角速度を演算する単位回転角角速度演算手段と、
前記演算された単位回転角角速度に対して前記内燃機関の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいが前記ねじれ要素のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいフィルタ処理を施してフィルタ後角速度を演算するフィルタ処理手段と、
前記演算された単位回転角角速度に基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているのを判定すると共に前記演算されたフィルタ後角速度に基づいて失火している気筒を特定する失火判定手段と、
を備えることを要旨とする。
本発明の第1の内燃機関の失火判定装置では、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて演算される内燃機関の出力軸の所定の単位回転角毎の回転角速度である単位回転角角速度に基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているのを判定し、単位回転角角速度に対して内燃機関の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいがねじれ要素のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいフィルタ処理を施して演算されるフィルタ後角速度に基づいて失火している気筒を特定する。失火の判定にフィルタ処理前の単位回転角角速度を用いるのは、単位回転角角速度は失火による角速度の変動がフィルタによってなまされていないために共振の影響はあるものの変動としては大きく出現することに基づいており、失火気筒の特定にフィルタ処理後のフィルタ後角速度を用いるのは、フィルタ後角速度はフィルタによってなまされるものの共振の影響を除去しているために各気筒の爆発燃焼による角速度の変動をフィルタ処理前の単位回転角角速度より適正に反映していることに基づく。このように失火の判定をフィルタ処理前の単位回転角角速度に基づいて行ない、失火気筒の特定をフィルタ処理後のフィルタ後角速度に基づいて行なうことにより、ねじれ要素のねじれに基づく共振が生じていても、内燃機関の失火を気筒特定を含めてより適正に判定することができる。
こうした本発明の第1の内燃機関の失火判定装置において、前記失火判定手段は、前記複数気筒の各気筒における圧縮行程の上死点から第1回転角における単位回転角角速度と該上死点から前記第1回転角より大きい第2回転角における単位回転角角速度との差である対象角速度差分と該対象角速度差分より360度前に対象角速度差分として演算される比較角速度差分との差として計算される失火判定用値を用いて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定する手段であるものとすることもできる。この場合、前記失火判定手段は、前記内燃機関の出力軸が2回転するうちに計算される失火判定用値のいずれかが失火判定用閾値未満となるときに前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると判定する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の第1の内燃機関の失火判定装置において、前記失火判定手段は、前記複数気筒の各気筒における圧縮行程の上死点から第3回転角におけるフィルタ後角速度と該上死点から前記第3回転角より大きい第4回転角におけるフィルタ後角速度との差として計算される気筒特定用値を用いて前記内燃機関の複数の気筒のうちいずれの気筒が失火しているかを特定する手段であるものとすることもできる。この場合、前記失火判定手段は、前記内燃機関の出力軸が2回転するうちに計算される気筒特定用値のうち最も大きな気筒特定用値に対応する気筒を失火している気筒と特定する手段であるものとすることもできる。
本発明の第2の内燃機関の失火判定装置は、
出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定装置であって、
前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記検出された回転位置に基づいて前記内燃機関の出力軸が所定の単位回転角だけ回転するのに要する時間である単位回転所要時間を演算する単位回転所要時間演算手段と、
前記演算された単位回転所要時間に対して前記内燃機関の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいが前記ねじれ要素のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいフィルタ処理を施してフィルタ後所要時間を演算するフィルタ処理手段と、
前記演算された単位回転所要時間に基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているのを判定すると共に前記演算されたフィルタ後所要時間に基づいて失火している気筒を特定する失火判定手段と、
を備えるものとすることもできる。
この本発明の第2の内燃機関の失火判定装置では、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて演算される内燃機関の出力軸が所定の単位回転角だけ回転するのに要する時間である単位回転所要時間に基づいて内燃機関のいずれかの気筒が失火しているのを判定し、単位回転所要時間に対して内燃機関の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいがねじれ要素のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいフィルタ処理を施して演算されるフィルタ後所要時間に基づいて失火している気筒を特定する。単位回転所要時間は、上述した本発明の第1の内燃機関の失火判定装置における単位回転角角速度の逆数に係数を乗じたものであるから、単位回転角角速度に代えて単位回転所要時間を用いて本発明の第1の内燃機関の失火判定装置と同様の手法により失火を判定すると共に失火気筒を特定することができる。従って、本発明の第1の内燃機関の失火判定装置と同様の効果、即ち、ねじれ要素のねじれに基づく共振が生じていても、内燃機関の失火を気筒特定を含めてより適正に判定することができる効果などと同様な効果を奏することができる。
本発明の車両は、
出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒の内燃機関と、
前記内燃機関の失火を判定する上述のいずれかの態様の本発明の第1または第2の内燃機関の失火判定装置、即ち、基本的には、出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定装置であって、前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、前記検出された回転位置に基づいて前記内燃機関の出力軸の所定の単位回転角毎の回転角速度である単位回転角角速度を演算する単位回転角角速度演算手段と、前記演算された単位回転角角速度に対して前記内燃機関の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいが前記ねじれ要素のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいフィルタ処理を施してフィルタ後角速度を演算するフィルタ処理手段と、前記演算された単位回転角角速度に基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているのを判定すると共に前記演算されたフィルタ後角速度に基づいて失火している気筒を特定する失火判定手段と、を備える本発明の第1の内燃機関の失火判定装置や、出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定装置であって、前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、前記検出された回転位置に基づいて前記内燃機関の出力軸が所定の単位回転角だけ回転するのに要する時間である単位回転所要時間を演算する単位回転所要時間演算手段と、前記演算された単位回転所要時間に対して前記内燃機関の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいが前記ねじれ要素のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいフィルタ処理を施してフィルタ後所要時間を演算するフィルタ処理手段と、前記演算された単位回転所要時間に基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているのを判定すると共に前記演算されたフィルタ後所要時間に基づいて失火している気筒を特定する失火判定手段と、を備える本発明の第2の内燃機関の失火判定装置と、
を備えることを要旨とする。
本発明の車両では、上述のいずれかの態様の本発明の第1または第2の内燃機関の失火判定装置を備えるから、本発明の第1または第2の内燃機関の失火判定装置の奏する効果、例えば、ねじれ要素のねじれに基づく共振が生じていても、内燃機関の失火を気筒特定を含めてより適正に判定することができる効果などと同様な効果を奏することができる。
こうした本発明の車両において、前記内燃機関の出力軸に前記ねじれ要素を介して接続されると共に車軸側に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記出力軸側と前記車軸側とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記車軸側に動力を入出力可能な電動機と、を備えるものとすることもできる。この場合、電力動力入出力手段や電動機により車軸側のトルク変動に伴う振動を抑制する制振制御を行なっている場合でも、内燃機関の失火を精度良く判定することができる。
本発明の内燃機関の失火判定方法は、
出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定方法であって、
前記内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて前記出力軸の所定の単位回転角毎の回転角速度である単位回転角角速度を演算すると共に該演算した単位回転角角速度に対して前記内燃機関の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいが前記ねじれ要素のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいフィルタ処理を施してフィルタ後角速度を演算し、
前記演算した単位回転角角速度に基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているのを判定すると共に前記演算したフィルタ後角速度に基づいて失火している気筒を特定する、
ことを特徴とする。
この本発明の内燃機関の失火判定方法では、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて演算される内燃機関の出力軸の所定の単位回転角毎の回転角速度である単位回転角角速度に基づいて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているのを判定し、単位回転角角速度に対して内燃機関の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいがねじれ要素のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいフィルタ処理を施して演算されるフィルタ後角速度に基づいて失火している気筒を特定する。このように失火の判定をフィルタ処理前の単位回転角角速度に基づいて行ない、失火気筒の特定をフィルタ処理後のフィルタ後角速度に基づいて行なうことにより、ねじれ要素のねじれに基づく共振が生じていても、内燃機関の失火を気筒特定を含めてより適正に判定することができる。
こうした本発明の内燃機関の失火判定方法において、前記複数気筒の各気筒における圧縮行程の上死点から第1回転角における単位回転角角速度と該上死点から前記第1回転角より大きい第2回転角における単位回転角角速度との差である対象角速度差分と該対象角速度差分より360度前に対象角速度差分として演算される比較角速度差分との差として計算される失火判定用値のうち前記内燃機関の出力軸が2回転するうちに計算される失火判定用値のいずれかが失火判定用閾値未満となるときに前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると判定し、前記複数気筒の各気筒における圧縮行程の上死点から第3回転角におけるフィルタ後角速度と該上死点から前記第3回転角より大きい第4回転角におけるフィルタ後角速度との差として計算される気筒特定用値のうち前記内燃機関の出力軸が2回転するうちに最も大きな値として計算される気筒特定用値に対応する気筒を失火している気筒と特定する、ことを特徴とするものとすることもできる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である内燃機関の失火判定装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にねじれ要素としてのダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた2段変速の変速機35と、この変速機35に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。ここで、実施例の内燃機関の失火判定装置としては、主としてエンジン22を制御するエンジン用電子制御ユニット24と後述するエンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140とが該当する。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な8気筒の内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に気筒毎に設けられた燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト26の回転位置(クランク角CA)を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジション(クランク角CA)やエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号AF,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,空燃比センサ135aからの空燃比AF,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、上述したクランクポジションセンサ140は、クランクシャフト26と回転同期して回転するように取り付けられて10度毎に歯が形成されると共に基準位置検出用に2つ分の欠歯を形成したタイミングローターを有する電磁ピックアップセンサとして構成されており、クランクシャフト26が10度回転する毎に整形波を生じさせる。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して変速機35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機35は、図示しないが、二つのプラネタリギヤと、二つのプラネタリギヤのリングギヤを回転不能にケースに固定する二つのブレーキと、二つのブレーキをオンオフする油圧回路とにより構成されており、二つのブレーキの一方をオンとすると共に他方をオフとすることによりモータMG2の回転数を減速してリングギヤ軸32aに伝達するLoギヤと、二つのブレーキの一方をオフとすると共に他方をオンとすることによりモータMG2の回転数を減速せずにリングギヤ軸32aに伝達するHiギヤと、二つのブレーキの双方をオフとすることによりモータMG2をリングギヤ軸32aから切り離すニュートラルと、の3つの状態を切り替えることができるニュートラル付きの2段変速機として構成されている。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機35の二つのブレーキをオンオフする油圧回路に駆動信号が出力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20に搭載されたエンジン22の各気筒の失火を判定する際の動作について説明する。図3は、エンジンECU24により実行される失火判定処理の一例を示すフローチャートである。このルーチンは、いずれかの気筒が圧縮行程の上死点を通過する毎に繰り返し実行される。
失火判定処理が実行されるとエンジンECU24のCPU24aは、まず、図4に例示するω10演算処理により演算されるクランクシャフト26が10度回転する毎の回転角速度である10度回転角速度ω10を入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、10度回転角速度ω10は、ω10演算処理に示すように、クランク角CAを入力し(ステップS200)、クランクポジションセンサ140からの整形波から入力したクランク角CAより10度回転するまでの経過時間tを演算し、クランク角CAにおける10度回転角速度ω10を2π(10/360)/tにより演算することにより求めることができる。
続いて、対象の気筒の圧縮行程の上死点から0度(TDC)と上死点から90度(ATDC90)の10度回転角速度ω10(TDC),ω10(ATDC90)の差分[ω10(ATDC90)−ω10(TDC)]を角速度差分ωD10として計算すると共に(ステップS110)、計算した角速度差分ωD10の360度前に角速度差分ωD10として計算される値との差(角速度差分ωD10の360度差)[ωD10−ωD10(360度前)]を失火判定用値Jωとして計算し(ステップS120)、計算した失火判定用値Jωを閾値Jref1と比較する(ステップS130)。ここで、ダンパ28のねじれに基づく共振が生じていないと仮定し、クランク角90度毎に爆発燃焼を生じる8気筒のエンジン22であることを考慮すれば、若干の変動は生じるものの、角速度差分ωD10および失火判定用値Jωは、全ての気筒が正常に燃焼(爆発)していれば値0となり、対象の気筒が失火していると負の値となるが、ダンパ28のねじれに基づく共振が生じるため、対象の気筒に対する角速度差分ωD10や失火判定用値Jωは不明確な値となる。しかし、エンジン22のいずれかの気筒が失火していると、ダンパ28のねじれに基づく共振が大きく表われ、いずれかの気筒に対する角速度差分ωD10や失火判定用値Jωが大きな負の値となる。実施例では、こうした現象を利用して失火判定用値Jωを閾値Jref1と比較し、失火判定用値Jωが閾値Jref1未満のときにエンジン22のいずれかの気筒が失火していると判定するのである。従って、失火判定用値Jωが閾値Jref1以上のときにはエンジン22のいずれの気筒も失火していないと判定し、本処理を終了する。
失火判定用値Jωが閾値Jref1未満のときには、エンジン22のいずれかの気筒が失火していると判定し、図5に例示するフィルタ処理により演算されるフィルタ後角速度ω10fを入力する処理を実行する(ステップS140)。ここで、フィルタ後角速度ω10fは、フィルタ処理に示すように、10度回転角速度ω10を入力し(ステップS300)、入力した10度回転角速度ω10にエンジン22の各気筒の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいがダンパ28のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいハイパスフィルタを施してフィルタ後角速度ω10fを演算することにより求めることができる。ハイパスフィルタとしては、ダンパ28のねじれに基づく共振が失火の周期、即ち、クランクシャフト26が2回転する周期で生じるとすれば、共振の周波数成分は爆発燃焼の周波数成分の1/8となるから、エンジン22の回転数Neが2000rpmのときには爆発燃焼の周波数としての133Hzを減衰せずに共振の周波数としての16Hzを減衰するフィルタを用いればよい。ハイパスフィルタとしては、実施例では次式(1)に示す伝達関数Gのものを用いた。実施例で用いたハイパスフィルタのボード線図の一例を図6に示す。
続いて、各気筒の圧縮行程の上死点から0度(TDC)と上死点から60度(ATDC60)のフィルタ後角速度ω10f(TDC),ω10f(ATDC60)の差分[ω10f(TDC)−ω10f(ATDC60)]を気筒特定用値Jωfとして計算し(ステップS150)、計算した気筒特定用値Jωfのうちクランクシャフト26が2回転する範囲内で最大となる気筒特定用値Jωfに対応する気筒を失火している気筒と特定して(ステップS160)、本処理を終了する。気筒特定用値Jωfは、圧縮上死点からの角度から考えれば、エンジン22の燃焼(爆発)によるピストン132の加速の程度から、その気筒が正常に燃焼(爆発)していれば負の値となり、その気筒が失火していると正の値となる。フィルタ後角速度ω10fは、フィルタ処理によりダンパ28のねじれに基づく共振の周波数成分が大きく減衰されているから、エンジン22の各気筒の爆発燃焼や失火を比較的忠実に反映するものとなるため、フィルタ後角速度ω10fに基づいて求められる気筒特定用値Jωfによる失火気筒の特定は適正なものとなる。ここで、エンジン22の各気筒の爆発燃焼や失火を比較的忠実に反映するものとなるフィルタ後角速度ω10fにより失火気筒の特定は行なうが失火の判定をフィルタ処理前の10度回転角速度ω10に基づいて行なうのは、フィルタ後角速度ω10fはフィルタ処理によりエンジン22の各気筒の爆発燃焼の周波数成分もなまされるため、失火の判定に対して10度回転角速度ω10に基づくS/N(Signal to Noise Ratio)より小さくなることに基づく。即ち、失火の判定に対してより大きなS/Nとなる10度回転角速度ω10に基づく判定により行ない、10度回転角速度ω10よりエンジン22の各気筒の爆発燃焼や失火をより忠実に反映するフィルタ後角速度ω10fに基づいて失火気筒を特定することにより、エンジン22の失火を気筒特定を含めてより精度良く判定することができるのである。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置によれば、フィルタ処理を施していないクランクシャフト26の30度毎の回転角速度である10度回転角速度ω10に基づいてエンジン22のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定し、10度回転角速度ω10に対してエンジン22の各気筒の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいがダンパ28のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいハイパスフィルタを施して得られるフィルタ後角速度ω10fに基づいて失火気筒を特定するから、ダンパ28のねじれに基づく共振が生じていても、エンジン22の失火を気筒特定を含めてより精度良く判定することができる。
上述した実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置における失火の判定処理では、特に、駆動軸としてのリングギヤ軸32aのトルク変動に基づく振動を抑制する制振制御をモータMG1やモータMG2により行なうことを前提としていないが、モータMG1やモータMG2による制振制御を行なうものとしても上述の失火判定処理によりエンジン22の失火を判定することができる。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、10度回転角速度ω10(TDC),ω10(ATDC90)の差分により角速度差分ωD10を計算すると共に計算した角速度差分ωD10の360度差により失火判定用値Jωを計算し、この計算した失火判定用値Jωに基づいてエンジン22のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定するものとしたが、フィルタ処理を施していない10度回転角速度ω10を用いてエンジン22のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定するものであれば、如何なる手法を用いて行なうものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、フィルタ後角速度ω10f(TDC),ω10f(ATDC60)の差分により得られる気筒特定用値Jωfに基づいて失火気筒を特定するものとしたが、フィルタ処理を施して得られる10度回転角速度ω10に基づいて失火気筒を特定するものであれば、如何なる手法を用いて行なうものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、クランクポジションセンサ140からの整形波とクランク角CAとから10度回転角速度ω10を演算すると共にこれにフィルタ処理を施してフィルタ後角速度ω10fを演算し、10度回転角速度ω10に基づいてエンジン22のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定すると共にフィルタ後角速度ω10fに基づいて失火気筒を特定するものとしたが、10度回転角速度ω10やフィルタ後角速度ω10fに代えてクランクシャフト26が他の角度、例えば1度や5度,20度など回転する毎の回転角速度であるNN度回転角速度ωNNを演算すると共にフィルタ処理を施してフィルタ後角速度ωNNfを演算し、NN度回転角速度ωNNに基づいてエンジン22のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定すると共にフィルタ後角速度ωNNfに基づいて失火気筒を特定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、クランクポジションセンサ140からの整形波とクランク角CAとからクランクシャフト26が30度回転する毎の回転角速度としての10度回転角速度ω10を演算すると共にこれにフィルタ処理を施してフィルタ後角速度ω10fを演算し、10度回転角速度ω10に基づいてエンジン22のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定すると共にフィルタ後角速度ω10fに基づいて失火気筒を特定するものとしたが、クランクポジションセンサ140からの整形波とクランク角CAとからクランクシャフト26が1度回転するのに要する時間としての10度回転所要時間T10を演算すると共にこれにフィルタ処理を施してフィルタ後所要時間T10fを演算し、10度回転所要時間T10に基づいてエンジン22のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定すると共にフィルタ後所要時間T10fに基づいて失火気筒を特定するものとしてもよい。10度回転所要時間T10は、10度回転角速度ω10の逆数に係数を乗じることにより得られるものであるから、10度回転角速度ω10に基づいて失火を判定することができれば、10度回転所要時間T10に基づいても失火を判定することができる。従って、10度回転所要時間T10に基づいて失火を判定しても、エンジン22の失火を気筒特定を含めてより精度良く判定することができる。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、8気筒のエンジン22のいずれかの気筒の失火を判定するものとしたが、6気筒のエンジンのいずれかの気筒の失火を判定するものとしたり、4気筒のエンジンのいずれかの気筒の失火を判定するものとするなど、複数気筒のエンジンのいずれかの気筒の失火を判定するものであれば、気筒数はいくつでも構わない。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、2段変速の変速機35を介してモータMG2をリングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしたが、3段以上の変速機や無段変速機を介してモータMG2をリングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしてもよく、変速機35に代えて減速ギヤを介してモータMG2をリングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしてもよい。また、変速機35や減速ギヤを介さずにモータMG2を直接リングギヤ軸32aに接続する構成におけるエンジン22の失火の判定を行なうものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20が搭載する内燃機関の失火判定装置では、エンジン22のクランクシャフト26にねじれ要素としてのダンパ28を介して接続されると共にモータMG1の回転軸や駆動軸としてのリングギヤ軸32aに接続される動力分配統合機構30とリングギヤ軸32aに変速機35を介して接続されるモータMG2とを備える車両におけるエンジン22の失火を判定するものとしたが、エンジンのクランクシャフトがねじれ要素としてのダンパを介して後段に接続されているものであればよいから、図7の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図7における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するもののエンジン22の失火を判定するものとしてもよいし、図8の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26にダンパ28を介して接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるもののエンジン22の失火を判定するものとしてもよい。この場合、モータMG2は変速機35や減速ギヤを介して車軸側に接続されていてもよいし、変速機35や減速ギヤを介さずに車軸側に接続されていてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、クランクシャフト26にねじれ要素としてのダンパ28を介して後段に接続された8気筒のエンジン22が「内燃機関」に相当し、クランクシャフト26の回転位置(クランク角CA)を検出するクランクポジションセンサ140が「回転位置検出手段」に相当し、クランクポジションセンサ140からの整形波とクランク角CAとから10度回転角速度ω10を演算する図4に例示するω10演算処理を実行するエンジンECU24が「単位回転角角速度演算手段」に相当し、10度回転角速度ω10に対してエンジン22の各気筒の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいがダンパ28のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいハイパスフィルタを施してフィルタ後角速度ω10fを演算する図5に例示するフィルタ処理を実行するエンジンECU24が「フィルタ処理手段」に相当し、10度回転角速度ω10(TDC),ω10(ATDC90)の差分である角速度差分ωD10の360度差として得られる失火判定用値Jωを用いてエンジン22のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定すると共にフィルタ後角速度ω10f(TDC),ω10f(ATDC60)の差分として得られる気筒特定用値Jωfを用いて失火気筒を特定する図3に例示する失火判定処理を実行するエンジンECU24が「失火判定手段」に相当する。また、エンジン22のクランクシャフト26と駆動軸としてのリングギヤ軸32aに接続された動力分配統合機構30とこの動力分配統合機構30のサンギヤ31に接続されたモータMG1とが「電力動力入出力手段」に相当し、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに変速機35を介して取り付けられたモータMG2が「電動機」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
実施例では、ハイブリッド自動車20に搭載された内燃機関の失火判定装置として説明したが、走行用の電動機や発電機などを備えない自動車に搭載された内燃機関の失火判定装置に適用するものとしてもよい。また、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される内燃機関の失火判定装置に適用してもよいし、移動しない設備に組み込まれた内燃機関の失火判定装置に適用するものとしても構わない。また、内燃機関の失火判定装置やこれを搭載する車両の形態ではなく、内燃機関の失火判定方法の形態としてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、内燃機関の失火判定装置およびこれを備える車両の製造産業に利用可能である。
本発明の一実施例である内燃機関の燃焼状態判定装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 失火判定処理の一例を示すフローチャートである。 ω10演算処理の一例を示すフローチャートである。 フィルタ処理の一例を示すフローチャートである。 ハイパスフィルタのボード線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 変速機、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132
ピストン、134 浄化装置、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (6)

  1. 出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定装置であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
    前記検出された回転位置に基づいて前記内燃機関の出力軸の所定の単位回転角毎の回転角速度である単位回転角角速度を演算する単位回転角角速度演算手段と、
    前記演算された単位回転角角速度に対して前記内燃機関の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいが前記ねじれ要素のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいフィルタ処理を施してフィルタ後角速度を演算するフィルタ処理手段と、
    前記複数気筒の各気筒における圧縮行程の上死点から第1回転角における単位回転角角速度と該上死点から前記第1回転角より大きい第2回転角における単位回転角角速度との差である対象角速度差分と該対象角速度差分より360度前に対象角速度差分として演算される比較角速度差分との差として計算される失火判定用値を用いて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定すると共に前記内燃機関の出力軸が2回転するうちに前記複数気筒の各気筒における圧縮行程の上死点から第3回転角におけるフィルタ後角速度と該上死点から前記第3回転角より大きい第4回転角におけるフィルタ後角速度との差として計算される気筒特定用値のうち最も大きな気筒特定用値に対応する気筒を前記内燃機関の複数の気筒のうち失火している気筒として特定する失火判定手段と、
    を備える内燃機関の失火判定装置。
  2. 前記失火判定手段は、前記内燃機関の出力軸が2回転するうちに計算される失火判定用値のいずれかが失火判定用閾値未満となるときに前記内燃機関のいずれかの気筒が失火していると判定する手段である請求項1記載の内燃機関の失火判定装置。
  3. 出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定装置であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
    前記検出された回転位置に基づいて前記内燃機関の出力軸が所定の単位回転角だけ回転するのに要する時間である単位回転所要時間を演算する単位回転所要時間演算手段と、
    前記演算された単位回転所要時間に対して前記内燃機関の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいが前記ねじれ要素のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいフィルタ処理を施してフィルタ後所要時間を演算するフィルタ処理手段と、
    前記複数気筒の各気筒における圧縮行程の上死点から第1回転角における単位回転角角速度と該上死点から前記第1回転角より大きい第2回転角における単位回転所要時間との差である対象所要時間差分と該対象所要時間差分より360度前に対象所要時間差分として演算される比較所要時間差分との差として計算される失火判定用値を用いて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定すると共に前記内燃機関の出力軸が2回転するうちに前記複数気筒の各気筒における圧縮行程の上死点から第3回転角におけるフィルタ後所要時間と該上死点から前記第3回転角より大きい第4回転角におけるフィルタ後所要時間との差として計算される気筒特定用値のうち最も大きな気筒特定用値に対応する気筒を前記内燃機関の複数の気筒のうち失火している気筒として特定する失火判定手段と、
    を備える内燃機関の失火判定装置。
  4. 出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒の内燃機関と、
    前記内燃機関の失火を判定する請求項1ないし3いずれか記載の内燃機関の失火判定装置と、
    を備える車両。
  5. 請求項4記載の車両であって、
    前記内燃機関の出力軸に前記ねじれ要素を介して接続されると共に車軸側に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記出力軸側と前記車軸側とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、
    前記車軸側に動力を入出力可能な電動機と、
    を備える車両。
  6. 出力軸がねじれ要素を介して後段に接続された複数気筒の内燃機関の失火を判定する内燃機関の失火判定方法であって、
    前記内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて前記出力軸の所定の単位回転角毎の回転角速度である単位回転角角速度を演算すると共に該演算した単位回転角角速度に対して前記内燃機関の爆発燃焼の周波数成分の減衰は小さいが前記ねじれ要素のねじれに基づく共振の周波数成分の減衰は大きいフィルタ処理を施してフィルタ後角速度を演算し、
    前記複数気筒の各気筒における圧縮行程の上死点から第1回転角における単位回転角角速度と該上死点から前記第1回転角より大きい第2回転角における単位回転角角速度との差である対象角速度差分と該対象角速度差分より360度前に対象角速度差分として演算される比較角速度差分との差として計算される失火判定用値を用いて前記内燃機関のいずれかの気筒が失火しているか否かを判定すると共に前記内燃機関の出力軸が2回転するうちに前記複数気筒の各気筒における圧縮行程の上死点から第3回転角におけるフィルタ後角速度と該上死点から前記第3回転角より大きい第4回転角におけるフィルタ後角速度との差として計算される気筒特定用値のうち最も大きな気筒特定用値に対応する気筒を前記内燃機関の複数の気筒のうち失火している気筒として特定する
    ことを特徴とする内燃機関の失火判定方法。
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